説明

アクリル系エネルギー線硬化型樹脂組成物、該組成物を用いた樹脂製品の製造方法

【課題】 塗布時に適度な粘度を有し、実質的に溶剤を含まないエネルギー線硬化型樹脂組成物であって、高重合度の樹脂製品が得られるエネルギー線硬化型樹脂組成物、これを用いた樹脂製品の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを縣濁重合の後、水洗、脱水、乾燥して得られるアクリルラバー、又は前記モノマーをエマルジョン重合の後、塩析、水洗、脱水、乾燥して得られるアクリルラバーであって、重量平均分子量が100,000以上であるアクリルラバーと、(B)(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーとを、重量比で(a):(b)=5:95〜75:25の割合で配合してなるアクリル系エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクリル系エネルギー線硬化型樹脂組成物、及び該組成物を用いた樹脂製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、塗料、粘着剤、接着剤、ハードコート材等のコーティング樹脂製品を製造するには、有機溶剤系樹脂組成物や水系のエマルジョン型樹脂組成物が使用されている。
【0003】
溶剤タイプの高重合度アクリル系樹脂組成物を得るには、溶液重合では高分子量物が得難いため、塊状重合方法、エマルジョン重合方法、縣濁重合方法等により得られたアクリルポリマー(塊状ポリマー、以下「アクリルラバー」という)を有機溶剤に溶解している。
【0004】
しかし、アクリルラバーは官能基含有量が多くなると有機溶媒に溶解し難くなるという問題を有する。また、有機溶剤を用いた場合には、気散する有機溶媒を燃焼もしくは回収するための装置が必要になり、コストが相当大きくなると共に、環境汚染への影響も懸念される。
【0005】
また、水系のエマルジョン型樹脂組成物では、水の蒸発潜熱が大きいため乾燥工程に長時間を要するという問題や、得られる製品に白化が生じたり、耐水性が劣るという問題がある。
【0006】
これに対し、溶剤や分散媒体を用いずに基材上にアクリル系のモノマーやオリゴマーを主成分とする溶液を塗布し、基材上で熱重合させる方法や、紫外線・電子線で重合硬化させる方法の無溶剤樹脂製品が提案されている。しかし、塗布する為にはある程度の粘度が必要であるが、低粘度であるため予備重合して適当な粘度にしておく必要がある。例えば、特開2001−49200号公報には粘度調整のために、いわゆるシロップ溶液を調整することが記載されている。これは塊状重合にて極めて低い重合率でポリマーを合成した後、多量の残モノマーを蒸留し、ポリマーを分離するという工程を採るものであるが、この方法では反応制御の困難な塊状重合を経て、多量の残モノマーを蒸留する必要があり、粘度調整が困難であり、コストもかかるという問題がある。
【特許文献1】特開2001−49200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、従来の溶剤型、水系エマルジョン型及び無用剤型樹脂組成物の問題を全て解決した樹脂組成物、これを用いた樹脂製品の製造方法を提供することを課題とする。特に、実質的に溶剤(有機溶剤や水)を含まず、かつ塗布時に適度な粘度を有するエネルギー線硬化型樹脂組成物であって、高重合度の樹脂製品が得られるエネルギー線硬化型樹脂組成物及びこれを用いた樹脂製品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、(A)(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを縣濁重合の後、水洗、脱水、乾燥して得られるアクリルラバー、又は(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーをエマルジョン重合の後、塩析、水洗、脱水、乾燥して得られるアクリルラバーであって、重量平均分子量が100,000以上であるアクリルラバーと(B)(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーとを、重量比で(a):(b)=5:95〜75:25の割合で配合してなるものとする(請求項1)。
【0009】
上記本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、(A)アクリルラバーが前記(B)モノマーに可溶であることが好ましい(請求項2)。
【0010】
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、(A)アクリルラバー又は前記(B)モノマーが、メラミン化合物もしくはエポキシ化合物もしくはイソシアネート化合物と反応性を有する官能基、又は自己架橋可能な官能基を有するものとすることができる(請求項3)。
【0011】
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、25℃における粘度が1,000〜100,000cpsの範囲内にあることが好ましい(請求項4)。
【0012】
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、架橋剤として、メラミン系化合物、エポキシ系化合物及びイソシアネート系化合物からなる群から選択された1種又は2種以上が配合されたものとすることができる(請求項5)。
【0013】
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、光重合開始剤が配合され、かつ実質的に溶剤を含有していないものとすることができる(請求項6)。
【0014】
本発明の樹脂製品の製造方法は、上記本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物を、支持体表面に0.01〜1.0mmの厚さで塗布した後、エネルギー線を照射して重合させることを特徴とする(請求項7)。
【発明の効果】
【0015】
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、予め高分子量のアクリルラバーを調製してこれを有機溶剤に溶解させる等の従来技術のものと異なり、実質的に溶剤を含まず、かつ支持体に塗布する際に適度な粘度を有するものとなる。本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物を用いることにより、製造上の制約なく高分子量の樹脂製品が得られる。
【0016】
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、さらに、アクリルラバーを溶解させる(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーに任意の割合で官能基を有するモノマーを配合して共重合が可能であるため、従来の溶剤系アクリルエネルギー線硬化型樹脂組成物では得られなかった、官能基含有モノマー量が7重量%以上のエネルギー線硬化型樹脂組成物が得られる。
【0017】
本発明の製造方法によれば、本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物を支持体に塗布してエネルギー線照射を行うことにより、上記した高重合度樹脂製品が容易に得られる。特に、光重合開始剤量、エネルギー線の照射距離および照射時間等の条件を変えることにより、任意の重合度の樹脂製品を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明で用いる(A)アクリルラバーとは、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを縣濁重合の後、水洗、脱水、乾燥して得られるもの、又は(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーをエマルジョン重合の後、塩析、水洗、脱水、乾燥して得られるものである。
【0019】
縣濁重合、エマルジョン重合、及びその後の乾燥までの処理は、従来から公知の方法により行うことができる。すなわち、懸濁重合は分散剤を使用してモノマーを水中に分散させて重合を行い、エマルジョン重合は、界面活性剤を使用し、モノマーを水中に乳化させて重合を行う。共に分子量の調整はメルカプタン系連鎖移動剤にて行うことができる。塩析工程は加熱によりエマルジョンを破壊し、アクリルラバーを得る工程である。この時、好ましくは塩析剤(塩・酸等)を使用する。水洗工程は遠心脱水機により脱水し、ラバーを水槽内へ送り、撹拌することにより行う。水洗後遠心脱水機にて脱水し(脱水工程)、乾燥機にて乾燥させる(乾燥工程)。乾燥温度は通常50〜130℃の範囲内であるが、80〜110℃の範囲が好ましい。
【0020】
上記(A)アクリルラバーを構成するモノマーおよび(B)このアクリルラバーを溶解させるモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニルなどの(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、アクリロニトリルも含まれる。このようなモノマーを単独あるいは組み合わせて使用することができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする」とは、これら(A)及び(B)成分を構成する全モノマーのうち50重量%以上がこれら(メタ)アクリル酸エステル又はアクリロニトリルであることをいう。
【0021】
アクリルラバーの重合度及び/又はアクリルラバーとこれを熔解させるモノマー(B)の組成比を変えることにより、支持体に塗布可能な粘度を有し、かつ実質的に溶剤を含まないエネルギー線硬化型樹脂組成物が得られる。
【0022】
アクリルラバーの重量平均分子量は100,000以上が好ましく、300,000〜1,000,000がより好ましい。
【0023】
上記(A)アクリルラバー及び(B)モノマーは、メラミン化合物もしくはエポキシ化合物もしくはイソシアネート化合物と反応性を有する官能基、又は自己架橋可能な官能基を有することが好ましい。そのために用いる官能基含有モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸のようなカルボキシル基含有ビニル単量体、(メタ)アクリル酸グリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸−2−エチルグリシジルエーテルのようなエポキシ基含有ビニル単量体、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロプロピルのようなヒドロキシル基含有ビニル単量体、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドのようなアミド基含有ビニル単量体等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0024】
上記官能基含有モノマー量は、アクリルラバーのモノマー溶解液全体に対する割合で1〜10重量%が好ましい。なお、この官能基含有モノマー量が7重量%以下であるアクリルラバーは低重合度から高重合度のものまで(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーに可溶である。
【0025】
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物において架橋構造を形成させたい場合には架橋剤を添加することもできる。架橋剤の例としては、メチロールメラミン、ブトキシメチロールメラミンのようなメラミン系化合物、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系化合物、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンなどのポリオールとのアダクト体およびヘキサメチレンジイソシアネートなどの3量体等のイソシアネート系化合物が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0026】
添加する架橋剤の量は、(A)アクリルラバーと(B)アクリルラバーを溶解させるモノマーを合わせた100重量部に対して、通常1〜15重量部の範囲であり、好ましくは5〜10重量部の範囲である。
【0027】
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物には必要に応じて光重合開始剤を添加する。光重合開始剤としては、アセトフェノン系又はベンゾフェノン系のものが好ましい。光重合開始剤の例としては、4−フェノキシジシクロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾイルメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール等が挙げられ、市販のものを使用することができる。これら光重合開始剤は単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0028】
光重合開始剤の使用量は、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするアクリルラバーとアクリルラバーを溶解させるモノマーとを合わせた100重量部に対して、通常0.01〜3重量部の範囲であり、好ましくは0.05〜2重量部の範囲である。
【0029】
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物には、必要に応じてさらに紫外線吸収剤を配合することもできる。紫外線吸収剤の例としては、2,4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。また、これ以外に用途に応じて顔料等の添加剤を添加することができる。
【0030】
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、25℃における粘度が1,000〜100,000cpsの範囲内にあることが好ましく、2,000〜30,000cpsの範囲内にあることがより好ましい。
【0031】
本発明の光重合開始剤を配合したアクリル系エネルギー線硬化型樹脂組成物を支持体表面に0.1〜1.0mm厚に塗布し、紫外線、電子線等のエネルギー線を照射することにより重合反応が進行してコーティング層が形成され、任意の重合度の樹脂製品を製造することができる。
【0032】
ここで使用される支持体の例としては、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルムのようなプラスチックフイルム、紙、金属箔、不織布、織物(布)、離型フイルム等を挙げることができる。
【0033】
紫外線等エネルギー線の照射時間は、塗布層の厚みや光重合開始剤の配合量等により異なるが、通常は10秒〜5分間、好ましくは10秒〜2分間である。
【0034】
上記光重合開始剤量、紫外線吸収剤量、紫外線等エネルギー線の照射距離および照射時間等の条件を変えることにより、低重合度〜高重合度の樹脂製品を得ることができる。
【実施例】
【0035】
以下、本発明のアクリル系エネルギー線硬化型樹脂組成物、該組成物を用いた樹脂製品の製造方法について、実施に基づきさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0036】
[合成例1(アクリルラバーAの合成)]
アクリル酸ブチル15重量部(以下、単に部という)、メタクリル酸メチル40部、メタクリル酸エチル39部、アクリル酸4部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル2部からなるモノマー組成物100部を水200部、界面活性剤としての変性ポバール20部、n−ドデシルメルカプタン0.1部と共に撹拌してエマルジョン重合を行った。これを塩析剤としてボウ硝を用いて塩析し、遠心脱水機を用いて脱水後、水洗、脱水し、100℃で乾燥してアクリルラバーAを得た。アクリルラバーAの官能基含有アクリル酸エステル量は6重量%である。
【0037】
[合成例2(アクリルラバーBの合成)]
アクリル酸ブチル50部、メタクリル酸メチル44部、アクリル酸4部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル2部からなるモノマー組成物を使用した以外は合成例1と同様にしてエマルジョン重合を行い、塩析、水洗、脱水、乾燥工程を経てアクリルラバーBを得た。アクリルラバーBの官能基含有アクリル酸エステル量は6重量%である。
【0038】
[合成例3(アクリルラバーCの合成)]
アクリル酸ブチル38部、メタクリル酸メチル22部、アクリル酸−2−エチルヘキシル34部、アクリル酸4部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル2部からなるモノマー組成物を使用した以外は合成例1と同様にしてエマルジョン重合を行い、塩析、水洗、脱水、乾燥工程を経てアクリルラバーCを得た。アクリルラバーCの官能基含有アクリル酸エステル量は6重量%である。
【0039】
[実施例1〜9]
アクリルラバーAと同一組成比のモノマー混合液にアクリルラバーAを溶解し、さらにアクリル酸2.5部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル2.5部を追加して、25%溶解液Aを得た。25%溶解液Aの官能基含有アクリル酸エステル量はアクリルラバー分を含んだ全体の10重量%である。
【0040】
またアクリルラバーBと同一組成比のモノマー混合液にアクリルラバーBを溶解し、さらにアクリル酸2.5部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル2.5部を追加して、25%溶解液Bを得た。25%溶解液Bの官能基含有アクリル酸エステル量はアクリルラバー分を含んだ全体の10重量%である。
【0041】
またアクリルラバーCと同一組成比のモノマー混合液にアクリルラバーCを溶解し、さらにアクリル酸2.5部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル2.5部を追加して、25%溶解液Cを得た。25%溶解液Cの官能基含有アクリル酸エステル量はアクリルラバー分を含んだ全体の10重量%である。
【0042】
これらの溶解液100部に光重合開始剤ベンゾインイソプロピルエーテルを表1に記す添加部数で添加してエネルギー線硬化型樹脂組成物を得た。これらエネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度をBH型粘度計(東京計器製)により測定した。結果を表1に示す。
【0043】
これらエネルギー線硬化型樹脂組成物を、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに厚さ10μmで塗布し、紫外線照射を0.5分・1.0分・2.0分の3水準で行った。
【0044】
得られたフィルムにつき、動的粘弾性測定装置(SII製)によりTgを測定し、またゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、(株)島津製作所製)にて分子量(重量平均分子量:Mw)の測定を行った。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
表1に示された結果から分かるように、本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、塗布に適した粘度を有していた。かつ、従来の溶剤系高重合度アクリル樹脂製品では得られなかった、官能基含有モノマー量が7重量%以上のエネルギー線硬化型樹脂組成物が得られ、短い照射時間でも高分子量の樹脂製品が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、塗料、接着剤、粘着剤、ハードコーティング材等用樹脂組成物として利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーを縣濁重合の後、水洗、脱水、乾燥して得られるアクリルラバー、又は(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーをエマルジョン重合の後、塩析、水洗、脱水、乾燥して得られるアクリルラバーであって、重量平均分子量が100,000以上であるアクリルラバーと
(B)(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーとを、
重量比で(a):(b)=5:95〜75:25の割合で配合してなるエネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項2】
前記(A)アクリルラバーが前記(B)モノマーに可溶であることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項3】
前記(A)アクリルラバー又は前記(B)モノマーが、メラミン化合物もしくはエポキシ化合物もしくはイソシアネート化合物と反応性を有する官能基、又は自己架橋可能な官能基を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項4】
25℃における粘度が1,000〜100,000cpsの範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項5】
架橋剤として、メラミン系化合物、エポキシ系化合物及びイソシアネート系化合物からなる群から選択された1種又は2種以上が配合されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項6】
光重合開始剤が配合され、かつ実質的に溶剤を含有していないことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物を、支持体表面に0.01〜1.0mmの厚さで塗布した後、エネルギー線を照射して重合させることを特徴とする樹脂製品の製造方法。

【公開番号】特開2006−273939(P2006−273939A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−92188(P2005−92188)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(591086407)東レコーテックス株式会社 (29)
【Fターム(参考)】