説明

アシストグリップ

【課題】グリップ本体に設けられた軸受穴にヒンジに設けられた軸を嵌合する際の組付け作業性に優れたアシストグリップを提供する。
【解決手段】アシストグリップは、両端に形成された凹部11及び凹部の周壁の互いに対向する部分に形成された一対の軸受穴12をもつグリップ本体1と、凹部11に収容され、クリップ保持穴21を有する枠部22、枠部22の所定の間隔を隔てた一対の延設基部22eから延設され一対の軸受穴12に回動可能に枢支される軸23cを有する一対の腕部23をもつヒンジ2と、クリップ保持穴21に先端部3cを突出させて挿入され基端部3dが枠部22に保持されるクリップ3とを有する。枠部22は、一対の延設基部22eの間で、分断されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体側パネル等に組付けられるアシストグリップに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の車室側の天井部には、アシストグリップが設けられている。アシストグリップ9は、例えば、図7に示すように、長尺形状のグリップ本体91と、ヒンジ92と、クリップ93と、キャップ94とを有する。図8に示すように、グリップ本体91は、その両端に設けられた凹部91aと、凹部91aの周壁の互いに対向する部分に形成された一対の軸受穴91bとをもつ。ヒンジ92は、凹部91aに収容され、クリップ保持穴92aを有する枠部92bと、枠部92bにおける所定の間隔を隔てた一対の延設基部92cから延設された腕部92dとをもつ。腕部92dは、グリップ本体91に設けられた一対の軸受穴91bに回動可能に枢支される軸92eをもつ。クリップ93は、クリップ保持穴92aに先端部93aを突出させて挿入され基端部93bが枠部92bに保持される。
【0003】
クリップ93をヒンジ92のクリップ保持穴92aに挿着し、グリップ本体91の軸受穴91bにヒンジ92の軸92eを嵌合することで、グリップ本体91にヒンジ92及びクリップ93を組付ける。その後、図7に示すように、クリップ93の先端を、車体側パネル97に形成された取付穴97aに挿着し、キャップ94を、クリップ保持穴92aからクリップ93の内部に圧入する。これにより、アシストグリップ9が車体に取り付けられる。
【0004】
しかしながら、ヒンジ92の腕部92dを、互いに近接する方向に荷重を加えて撓ませることで、腕部92dに形成された軸92eをグリップ本体91の凹部91aの内壁をスライドする。そして、軸92eは、凹部91aの内壁に形成された軸受穴91bに嵌合される。腕部92dは、枠部92bに固定されているため、一対の腕部92dの間は、つっぱり棒が介在されているに等しく、所定の間隔を維持する。このため、枠部92bが撓まず、腕部92dの先端部分の撓みによってのみ、腕部92dの外幅が狭められる。ゆえに、軸受穴91bに嵌合する程度に腕部92dを撓ませようとすると、多大な荷重を腕部92dに加える必要があり、組付け作業性が悪い。
【0005】
そこで、腕部を軸受穴に嵌合する際に過大な荷重を不要とする技術が、特許文献1、2に開示されている。特許文献1の図6には、クリップ保持穴(18)内に対置している軸受穴(20)の近くに、対置している軸受穴(20)にヒンジ(14)をガイドするための角度をつけた溝状のリードイン又はトラック(22)を形成することが開示されている。
【0006】
また、特許文献2の図4には、軸受穴(38)に腕部(36)を直接に射出成形することが開示されている。すなわち、グリップ本体を金型にインサートして、腕部をもつヒンジを射出成形する。これにより、腕部(36)を軸受穴(38)内に遊びなしで、且つ腕部(36)が軸受穴(38)から外れることなく収容される。
【特許文献1】特開2005−138823号公報(図6、段落番号「0008」)
【特許文献2】特開2005−35538号公報(図4、段落番号「0011」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、リードイン又はトラック(22)に沿って、軸受穴(20)から腕部が抜け出るおそれがある。また、特許文献2では、ヒンジの形状が複雑な場合には、グリップ本体をインサートしてヒンジを射出成形することができない場合がある。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、グリップ本体に設けられた軸受穴にヒンジに設けられた軸を嵌合する際の組付け作業性に優れたアシストグリップを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、長手形状で、両端に形成された凹部、及び該凹部の周壁の互いに対向する部分に形成された一対の軸受穴をもつグリップ本体と、前記凹部に収容され、クリップ保持穴を有する枠部、及び該枠部における、所定の間隔を隔てた一対の延設基部から延設され前記一対の軸受穴に回動可能に枢支される軸をもつ一対の腕部をもつヒンジと、前記クリップ保持穴に先端部を突出させて挿入され基端部が前記枠部に保持されるクリップと、を有するアシストグリップにおいて、前記枠部は、前記一対の延設基部の間で、分断されていることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
上記構成によれば、ヒンジの枠部が、腕部が延びる延設基部の間で分断されている。このため、一対の腕部は、分断された枠部で保持されて、一対の腕部の間は、つっかい棒がなくなった状態となる。よって、若干の荷重によって、枠部は延設基部間を近接する方向に撓むことができる。したがって、腕部に設けられた軸を、グリップ本体の軸受穴に嵌合するときに、腕部を互いに近接する方向に若干の荷重を加えることで、腕部が近接方向に撓むだけでなく、枠部も延設基部間が近接する方向に撓む。ゆえに、軸を軸受穴に嵌合しやすくなり、グリップ本体にヒンジを組付ける際の作業性が向上する。
【0011】
前記ヒンジは、前記枠部の前記延設基部間の周壁と平行に延びて前記クリップ保持穴を2つに区画するとともに前記枠部に両端が固定されて前記クリップの内部に挿着される当接リブをもち、該当接リブは、前記枠部に固定された両端の間の中間部で分断されていることが好ましい(請求項2)。
【0012】
上記構成によれば、当接リブがクリップの内部に挿着された状態で、クリップを取付部材に形成された取付穴に圧入すると、クリップが取付穴の周縁で押し返されてヒンジから抜け出ることが抑制される。この当接リブは、枠部に固定されている両端の間の中間部で分断されている。このため、当接リブは、枠部の撓みの妨げとならない。ゆえに、腕部に荷重を加えると、枠部全体を容易に撓ませることができる。
【0013】
前記一対の腕部の間には、前記一対の腕部が互いに近接する方向に撓むことを抑制する抜止め部材が設けられていることが好ましい(請求項3)。
【0014】
上記構成によれば、一対の腕部の間に、一対の腕部が互いに近接する方向に撓むことを抑制する抜止め部材が設けられている。このため、腕部に設けられた軸が軸受穴から抜け出ることを効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のアシストグリップは、ヒンジに設けられた枠部が、腕部が延びる延設基部の間で分断されている。このため、腕部の間には、つっかい棒がなくなり、枠部の延設基部間を撓ませるに要する荷重が軽減される。したがって、グリップ本体に設けられた軸受穴に、ヒンジに設けられた軸を嵌合する際の組付け作業性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施形態について図面を参照しつつ具体的に説明する。図1は、本実施形態に係るアシストグリップの分解斜視図である。図1に示される各部材の上側を「上」、下側を「下」という。図1に示すように、本実施形態に係るアシストグリップ10は、グリップ本体1と、ヒンジ2と、クリップ3と、キャップ4とをもつ。グリップ本体1、ヒンジ2、及びキャップ4は樹脂製であり、クリップ3は金属製である。
【0017】
グリップ本体1は、長手形状で、その両端部には一対の凹部11が設けられている。各凹部11を囲む側壁11bの互いに対向する部分には、一対の軸受穴12が形成されている。
【0018】
図2は、ヒンジを上方から視た斜視図であり、図3は、ヒンジを下方から視た斜視図である。図2、図3に示すように、ヒンジ2は、クリップ3を嵌挿する四角形状のクリップ保持穴21を囲む枠部22を有する。四角形状の枠部22の上端(図3では、下側)は、キャップ4により被覆される部分であり、キャップ4の内周面に沿った形状をなす。すなわち、枠部22の4方向に向かう4つの周壁22a、22b、22c、22dのうち、その三つの周壁22a、22b、22cの上下方向の幅が同じであり、他の一の周壁22dが三つの周壁22a、22b、22cよりも上下方向の幅が狭い。
【0019】
枠部22の周壁22bの両端は、一対の腕部23が延設されている延設基部22eである。各延設基部22eの間の周壁22bは、中央部で上下方向に分断されて、2つの分割部22f、22gで構成されている。2つの分割部22f、22gの間には、所定の幅のスリット22hが介在している。スリット22hの幅は、腕部23を凹部11に収容するように腕部23を互いに近接させたときに分割部22f、22g同士が干渉することなく支障とならない程度の大きさである。
【0020】
一対の腕部23は、それぞれ延設基部22eに、周壁22bから離間する方向に延設されている。一対の腕部23は、互いに対向する対向面23aと、対向面23aと反対側の背面23bとをもち、背面23bには軸23cが突設されている。図4、図5に示すように、軸23cは、凹部11の軸受穴12に回動自在に嵌合されている。
【0021】
図1に示すように、一対のヒンジ2は、グリップ本体1の両端に設けられた一対の凹部11にそれぞれ収容されている。一方のヒンジ2には、一対の腕部23の間に抜け止め部材としてダンパ5が設けられており、他方のヒンジ2には、一対の腕部23の間に抜け止め部材としてスプリング6が設けられている。
【0022】
図4に示すように、ダンパ5は、軸部51と、軸部51の外周側に設けられた筒部52とをもち、軸部51と筒部52との間には、粘性抵抗をもつ流動体が封入されている。
【0023】
軸部51の軸方向の一方の先端は、窪み部51aをもつ。窪み部51aは、一方の腕部23の対向面23aに形成された凸部23dに嵌合している。軸部51の軸方向の他方の先端は、径方向外側に拡径するフランジ部51bをもつ。フランジ部51bは、その外端面に、非円形状の切欠き部51tを設けている。切欠き部51tには、他方の腕部23の対向面23aに形成された凸部23qに嵌合して、腕部23をもつヒンジ2と一体に回転する。
【0024】
筒部52は、軸部51のフランジ部51bの内端面から、他方の端部までを被覆している。筒部52の外周面には、突起部53が設けられており、グリップ本体1の凹部11の周壁に形成された係止穴11aに係止されている(図1)。したがって、筒部52は、グリップ本体1の回動にともなって回転する。ヒンジ2が、グリップ本体1に対して回動すると、ダンパ5の軸部51が筒部52に対して流動体の粘性抵抗によって速度を抑えながら回動する。このため、ヒンジ2は、グリップ本体1に対して速度が抑えられながら回動する。
【0025】
図5に示すように、スプリング6は、コイルバネであり、円柱状の芯部材61の中央部61aに巻回されて、芯部材61の中央部61aよりも拡径した一対の保持部61b、61cの間に配置されている。また、一方の保持部61bの外端面には、窪み部61dが形成されている。窪み部61dには、ヒンジ2の腕部23の対向面23aに形成された凸部23dが嵌合している。他方の保持部61cの外端面には、非円形状の切欠き部61tが設けられている。切欠き部61tには、他方の腕部23の対向面23aに形成された凸部23qに嵌合して、腕部23をもつヒンジ2と一体に回転する。したがって、芯部材61は、ヒンジ2とともに回転する。
【0026】
一方の保持部61bの内端面と、他方の保持部61cの内端面は、スプリング6の座面を構成している。スプリング6の一端は、他方の保持部61cの内端面に形成された凹所61eに係止され、スプリング6の他端は、グリップ本体1の凹部11の周壁に形成された係止穴11dに係止されている(図1)。スプリング6は、ヒンジ2を、グリップ本体1の凹部11に収容される方向に付勢している。
【0027】
また、図2に示すように、ヒンジ2は、枠部22から下方に突出する当接リブ24を有する。当接リブ24は、枠部22の周壁22bと平行で、且つクリップ保持穴21の中央を横切って2つに区画するように配置されている。当接リブ24の両方の端部24d、24eは、枠部22の周壁22aと周壁22cとに固定されている。当接リブ24は、平坦な板状をなし、周壁22a、22cで固定された両方の端部24d、24eの間の中間部で分断されている。分断された当接リブ24は、2つの分割部24a、24bから構成されており、分割部24a、24bの間にはスリット24cが介在している。このスリット24cの幅は、枠部22の分割部22f、22g間に形成されたスリット22hの幅と同程度である。
【0028】
図1に示すように、クリップ3は、金属製で、全体が断面U字形状を呈している。クリップ3は、内部空間3aを挟んでその両側に一対の側壁3bをもつ。クリップ3の先端部3cは、一対の側壁3bがU字状に湾曲して連結されている。クリップ3の基端部3dは、側壁3bは連結されておらず、内部空間3aに連通する開口3eを有している。クリップ3の内部空間3aには、ヒンジ2の当接リブ24が挿着されている。クリップ3の先端部3cの内周面は、当接リブ24の下端に当接している。このため、図6に示すように、クリップ3を車体側パネル7に形成された取付穴73に嵌挿するときに、当接リブ24によってクリップ3の抜け方向(図6では上方向)への動きが規制される。
【0029】
クリップ3の側壁3bには、内部空間3aと幅方向で相対する位置に一対の弾性係止片3fが設けられている。弾性係止片3fの中央3gは、内部空間3aの幅方向外側に突出するようにV字状に屈曲している。
【0030】
図1、図6に示すように、キャップ4は、クリップ3の基端部3dを覆う頭部4aと、クリップ3の開口3eから内部空間3aに挿入されこの挿入方向(図1,図6では下側)に延びる脚部4bとをもつ。頭部4aは、上方に膨らんで下方に開口をもち、ヒンジ2の枠部22の上端部及び側端部を覆っている。脚部4bは、互いに平行に配置された2つの平板部4dからなる。平板部4dの間には当接リブ24が挿入され、平板部4dの外周部は、クリップ3の一対の側壁3bに当接する。
【0031】
図6に示すように、上記アシストグリップ10が取り付けられる車体側パネル7は、車両室内側に配置されている表面パネル70と、表面パネル70と車体ボディとの間に介設されている内部パネル71とをもつ。表面パネル70及び内部パネル71には、アシストグリップ10を取り付ける位置に取付穴72、73が形成されている。表面パネル70に形成された取付穴72は、内部パネル71に形成された取付穴73よりも大きく開口していて、取付穴72の開口周縁には、アシストグリップ10のヒンジ2の枠部22が係止されている。内部パネル71の取付穴73には、アシストグリップ10のクリップ3の弾性係止片3fが係止されている。
【0032】
アシストグリップを車体側パネルに取り付けるに当たっては、図3、図4,図5に示すように、まずヒンジ2をグリップ本体1の凹部11に収容する。ヒンジ2の軸23cを、凹部11の周壁に形成された軸受穴12に嵌合する。このとき、ヒンジ2の一対の腕部23を押圧して、腕部23及び枠部22を互いに近接する方向に撓める。これにより、軸23cが凹部11の側壁11bをスライドして、軸受穴12に挿入される。
【0033】
次に、図4に示すように、一対のヒンジ2の一方には、その腕部23の間にダンパ5を配設する。ダンパ5の軸部51の一方の端部に形成した窪み部51aに、腕部23の凸部23dを係止し、他方の端部に形成したフランジ部51bの切欠き部51tに、他方の腕部23の凸部23qを嵌合する。図1に示すように、ダンパ5の突起部53は、凹部11の係止穴11aに係止する。
【0034】
また、図5に示すように、一対のヒンジ2の他方には、その腕部23の間に芯部材61に巻回されたスプリング6を配設する。スプリング6の一端は、芯部材61の凹所61eに係止し、他端は、グリップ本体1の凹部11の係止穴11dに係止する(図1)。そして、芯部材61の一方の保持部61bの窪み部61dを、一方の腕部23の凸部23dに嵌合し、他方の保持部61cの切欠き部61tに他方の腕部23の凸部23qに嵌合する。
【0035】
次に、図6に示すように、クリップ3の側壁3bを押圧してクリップ3の幅を狭くする。この状態で、クリップ3を開口3eから内部空間3aに、ヒンジ2のクリップ保持穴21に挿入する。クリップ3の基端部3dに形成された段部3qをクリップ保持穴21の上側周縁に係止する。また、ヒンジ2の当接リブ24の下端が、クリップ3の先端部3cに形成された孔部3hに嵌挿されて、当接リブ24がクリップ3に対して位置決めされる。次に、クリップ3の開口3eからキャップ4の脚部4bを仮挿入する。
【0036】
次に、グリップ本体1に保持されたクリップ3を、車体側パネル7に形成された取付穴73に圧入する。クリップ3の弾性係止片3fが幅方向内側に弾性変形して、取付穴73を通過する。通過後には、弾性係止片3fは幅方向外側に広がり、取付穴73の周縁に係止される。その後、キャップ4の脚部4bをクリップ3の内部空間3aに押し込んで、本固定する。
【0037】
本実施形態においては、図2、図3に示すように、ヒンジ2の枠部22が、腕部23が延びる延設基部22eの間で分断されている。このため、一対の腕部23は、分断された枠部22で保持されて、一対の腕部23の間は、つっかい棒がない状態となる。よって、若干の荷重によって、枠部22は延設基部22e間を近接する方向に撓むことができる。したがって、腕部23に設けられた軸23cを、グリップ本体1の軸受穴12に嵌合するときに、腕部23を互いに近接する方向に若干の荷重を加えることで、腕部23が近接方向に撓むだけでなく、枠部22も延設基部22e間が近接する方向に撓む。ゆえに、軸23cを軸受穴12に嵌合しやすくなり、グリップ本体1にヒンジ2を組付ける際の作業性が向上する。
【0038】
更に、ヒンジ2は、クリップ保持穴21を横切るように枠部22の内周面に固定された当接リブ24をもつ。この当接リブ24も、中央で分断されている。このため、当接リブ24は、枠部22の撓みの妨げとならない。ゆえに、腕部23に荷重を加えると、枠部22全体を容易に撓ませることができる。
【0039】
また、一対の腕部23の間には、ダンパ5、又はスプリング6を巻回した芯部材61が介設されている。このため、一対の腕部23が互いに近接する方向に撓むことが抑制される。ゆえに、腕部23に設けられた軸23cが軸受穴12から抜け出ることを効果的に抑制することができる。
【0040】
本実施形態においては抜け止め部材として、ヒンジ2の一対の腕部の間に、ダンパ5又はスプリング6を巻回した芯部材61を設けているが、その他、腕部が互いに近接する方向に撓むことを抑制する部材であれば特に限定されない。
【0041】
本実施形態においては、ヒンジ2のクリップ保持穴21にクリップ3だけでなくキャップ4の脚部4bも挿入しているが、キャップ4を用いないで車体側パネルにアシストグリップを組み付ける構成の場合には、クリップ保持穴21にはクリップ3のみが挿入される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係るアシストグリップの分解斜視図である。
【図2】実施形態に係るヒンジの斜視図である。
【図3】実施形態に係るヒンジの裏面側からみた斜視図である。
【図4】実施形態に係る、ダンパを組み付けたヒンジを収容する、グリップ本体であって、図6のA−A矢視断面図である。
【図5】実施形態に係る、スプリングを組み付けたヒンジを収容する、グリップ本体であって、図6のA−A矢視断面図である。
【図6】実施形態に係る車体側パネルに取り付けられたアシストグリップの断面図である。
【図7】従来例に係る、車体側パネルに取り付けられたアシストグリップの正面図である。
【図8】従来例に係るアシストグリップの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1:グリップ本体、2:ヒンジ、3:クリップ、3a:内部空間、3b:側壁、3c:先端部、3d:基端部、3e:開口、3f:弾性係止片、4:キャップ、4a:頭部、4b:脚部、5:ダンパ、6:スプリング、7:車体側パネル、10:アシストグリップ、11:凹部、11a、11d:係止穴、12:軸受穴、21:クリップ保持穴、22:枠部、22a、22b、22c、22d:周壁、22e:延設基部、22f、22g:分割部、22h:スリット、23:腕部、23a:対向面、23b:背面、23c:軸、23d:凹部、24:当接リブ、24a、24b:分割部、24c:スリット、51:軸部、52:筒部、53:突起部、61:芯部材、61a:中央部、61b:保持部、61c:先端、72,73:取付穴。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手形状で、両端に形成された凹部、及び該凹部の周壁の互いに対向する部分に形成された一対の軸受穴をもつグリップ本体と、
前記凹部に収容され、クリップ保持穴を有する枠部、及び該枠部における、所定の間隔を隔てた一対の延設基部から延設され前記一対の軸受穴に回動可能に枢支される軸をもつ一対の腕部をもつヒンジと、
前記クリップ保持穴に先端部を突出させて挿入され基端部が前記枠部に保持されるクリップと、を有するアシストグリップにおいて、
前記枠部は、前記一対の延設基部の間で、分断されていることを特徴とするアシストグリップ。
【請求項2】
前記ヒンジは、前記枠部の前記延設基部間の周壁と平行に延びて前記クリップ保持穴を2つに区画するとともに前記枠部に両端が固定されて前記クリップの内部に挿着される当接リブをもち、該当接リブは、前記枠部に固定された両端の間の中間部で分断されている請求項1記載のアシストグリップ。
【請求項3】
前記一対の腕部の間には、前記一対の腕部が互いに近接する方向に撓むことを抑制する抜止め部材が設けられている請求項1又は請求項2に記載のアシストグリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−83239(P2010−83239A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252469(P2008−252469)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(308016242)豊和化成株式会社 (65)
【Fターム(参考)】