説明

アシル化された二級アルコールアルコキシラートおよび二級アルコールアルコキシラートの調製方法

アシル化された二級アルコールアルコキシラートの調製方法であって、前記方法は:(i)1つ以上のカルボン酸エステルを形成するための、触媒組成物の存在下での、1つ以上の内部オレフィンと1つ以上のカルボン酸との反応;(ii)1つ以上のアシル化された二級アルコールアルコキシラートを形成するための、触媒作用として有効な量の触媒組成物の存在下での、工程(i)からの1つ以上のカルボン酸エステルと、1つ以上のアルキレンオキシド反応体との反応であって、この触媒組成物が:(a)カルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸の1つ以上のアルカリ土類金属塩および/またはこれらの水和物;(b)硫酸およびオルトリン酸から選択されるオキシ酸;(c)アルコールおよび/またはエステル;ならびに/または(a)、(b)および/または(c)の相互反応生成物を含む、反応;ならびに場合により(iii)1つ以上の二級アルコールアルコキシラートを形成するための、工程(ii)からの1以上のアシル化された二級アルコールアルコキシラートの加水分解またはエステル交換を含む、方法、ならびに前述の方法によって二級アルコールアルコキシラートを調製する工程;ならびに二級アルコールアルコキシラートをスルファート化する工程を含む、二級アルコールアルコキシスルファートを製造するための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、アシル化された二級アルコールアルコキシラートおよび二級アルコールアルコキシラートの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
例えば非イオン性界面活性剤、湿潤剤および乳化剤、溶媒ならびに化学中間体として有用な多種多様な製品は、アルキレンオキシド(エポキシド)と1つ以上の活性水素原子を有する有機化合物との付加反応(アルコキシル化反応)によって調製される。
【0003】
例えば、アルコールエトキシラートは、エチレンオキシドと、6から30個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとの反応によって調製できる。こうしたエトキシラート、ならびにより少ない程度ではあるが対応するプロポキシラートおよび混合オキシエチレンとオキシプロピレン基とを含有する化合物は、洗浄およびパーソナルケア配合物における非イオン性洗剤成分として広く使用される。
【0004】
US2008/0167215A1には、低フォーム界面活性剤として使用するための特定のアシル化されたアルコールアルコキシラートが開示されている。
【0005】
スルファート化アルコールアルコキシラートは、同様に種々広範に、特にアニオン性界面活性剤として使用される。スルファート化高級二級アルコールエトキシラート(SAES)は、アニオン性界面活性剤、例えば線状アルキルベンゼンスルホナートおよび一級アルコールエトキシスルファート、ならびにメチルエステルスルホナートに関連するバルク用途において同程度の特性を提供する。これらの材料は、洗濯粉末、洗濯液体、食器洗い液体および他の家庭用クリーナーを含む家庭用洗剤、ならびに潤滑剤およびパーソナルケア組成物を製造するために使用でき、油井の(希釈)界面活性剤攻法のための界面活性剤として、および例えば向上した油回収に好適なアルカリ、界面活性剤およびポリマー含有混合物に使用される界面活性剤成分として使用できる。
【0006】
アルコキシル化アルコール、例えば線状または分枝状の一級アルコールアルコキシラートを調製する典型的な方法の1つは、オレフィンをヒドロホルミル化してオキソアルコールにして、続いて得られたアルコールを、好適なアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとの反応によりアルコキシル化することによるものである。しかし、ヒドロホルミル化を含む方法は高価であり、ヒドロホルミル化は、(オキソ反応の種類に依存して)、後にアルコキシル化されるべき線状または分枝状の一級アルコールを生じる。
【0007】
一部の用途に関して、二級アルコールアルコキシラートの混合物は、改善された性能(例えば、油溶解度に関連する向上した油回収(EOR)用途)を与えることができる。
【0008】
二級アルコールアルコキシラートは、一般に、パラフィンの、例えばBashkirov反応による酸化/ヒドロキシル化、続くアルコキシル化反応によって調製される。
【0009】
しかし、パラフィンの二級アルコールの酸化および続くこれらのアルコキシル化は、通常、複雑な2工程方法を含み、従って高価な経路である。
【0010】
前記方法は、触媒としてホウ酸を用いる酸化によってパラフィンから直接二級アルコールを生成することを含む。厳密に言えば、ホウ素試薬は、反応中に消費されるので触媒ではない。この機能は、酸化耐性のボラートエステルを与える反応によって酸化体(二級アルコール)を保護することである。ホウ酸のリサイクルを含む方法全体において、ホウ酸は、この二次的機能が酸化速度を増大させるので、「触媒」として作用する。二級アルコールのボラートエステルが形成され、アルコールの炭素数(アルコール鎖中の炭素の数)が14以下である場合に、蒸留によってパラフィンから分離できる。しかし、炭素原子数が15以上である場合、必要とされる蒸留温度は、ボラートエステルの分解温度に等しいまたは分解温度を超えるため、従来の蒸留技術は有効でない場合がある。
【0011】
さらに、ホウ酸誘導体の存在下でのパラフィンの酸化は、主要副生成物の1つとしてジオールの形成を導く(N.Kurata and K.Koshida,Hydrocarbon Processing,1978,57(1),145−151およびN.J.StevensおよびJ.R.Livingston,Chem.Eng.Progress,1968,64(7),61−66を参照のこと)。従って、これらの混入ジオールから全く完全に精製された後にだけ、二級アルコールはアルコキシル化に好適となり、こうした精製のコストは、方法全体の経済性を実行不可能にし得ると予想しなければならない。
【0012】
US6017875Aに記載される二級アルコールアルコキシラートへの代替経路は、内部オレフィンにオリゴエチレングリコールを酸触媒添加することによるものである。しかし、前記経路は、ジアルキル化オリゴアルキレングリコールおよび内部オレフィンオリゴマーを副生成物として与えるので、面倒である。従って、前記経路もコストが高い。
【0013】
現在の産業的実施において、二級アルコールエトキシラートは、高価な2工程方法によって製造される。まず、2から3個のエチレンオキシユニットを(ルイス)酸触媒を用いて二級アルコールに添加し、一級ヒドロキシル含有低分子量(低モル)エトキシラートを製造する。第2に、酸触媒を除去した後(一般には中和による。)、所望の追加量のエチレンオキシユニットを、水酸化カリウムのような塩基性触媒を用いて低分子量エトキシラート(主に一級アルコール混合物)と反応させる。この2工程手法では、(ルイス)酸触媒によるエトキシル化の不可避の副生成物である1,4−ジオキサンを、除去後の効率の良いフラッシングまたはストリッピングによって、または所望レベルのエトキシル化に伴う最終生成物への転化前に低分子量エトキシラート中間体生成物から酸触媒を中和することによって除去できるという利点を有する。
【0014】
しかし、1,4−ジオキサンを形成せず、非常に広いアルコキシラート分布を有するアルコキシラートを形成せずに、二級アルコールアルコキシラートを生成するための、簡便でコスト上も有効な方法を開発することが望ましい。
【0015】
この点に関して、アルキレンオキシド付加反応は、異なる数のアルキレンオキシド付加体(オキシアルキレン付加体)を有する種々のアルコキシラート基の生成物混合物を生成することが知られていることに留意すべきである。付加体数は、多くの観点において、アルコキシラート分子の特性を制御する因子であり、生成物の目的とする業務に合うように、生成物の平均付加体数および/または生成物内の付加体数の分布を調整する努力がなされている。
【0016】
相対的に大きな割合のアルコキシラート分子が相対的に狭い範囲の値内にあるアルキレンオキシド付加体数(n)を有するアルコキシラート混合物は、特定の洗剤配合物に使用するために好ましいものとして当分野で報告されている(GB−A−1462134;リサーチディスクロージャーNo.194010)。狭い範囲のアルコキシラートはまた、特定のカルボキシアルキル化アルキルポリエーテル(US−A−4098818)および特定のアルキルエーテルスルファート(GB−A−1553561)の合成における化学中間体として特に価値があることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0167215号明細書
【特許文献2】米国特許第6017875号明細書
【特許文献3】英国特許出願公開第1462134号明細書
【特許文献4】米国特許第4098818号明細書
【特許文献5】英国特許出願公開第1553561号明細書
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】N.Kurata and K.Koshida,Hydrocarbon Processing,1978,57(1),145−151
【非特許文献2】N.J.StevenおよびJ.R.Livingston,Chem.Eng.Progress,1968,64(7),61−66
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
従って、二級アルコールアルコキシラート、特に狭い範囲のアルコールアルコキシラートを製造するための代替方法を考案すること、ヒドロホルミル化を適用する必要性を回避するだけでなく、中間体として非常に不安定な二級アルコール(内部オレフィンを再形成し得る。)になるのを回避することも有利となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0020】
発明の要旨
従って、本発明は、アシル化された二級アルコールアルコキシラートの調製方法を提供するが、前記方法は:
(i)1つ以上のカルボン酸エステルを形成するための、触媒組成物の存在下での、1つ以上の内部オレフィンと1つ以上のカルボン酸との反応;
(ii)1つ以上のアシル化された二級アルコールアルコキシラートを形成するための、触媒作用として有効な量の触媒組成物の存在下での、工程(i)からの1つ以上のカルボン酸エステルと、1つ以上のアルキレンオキシド反応体との反応であって、この触媒組成物が:
(a)カルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸の1つ以上のアルカリ土類金属塩および/または前者の水和物;
(b)硫酸およびオルトリン酸から選択されるオキシ酸;
(c)アルコールおよび/またはエステル;
および/または(a)、(b)および/または(c)の相互反応生成物
を含む、反応
を含む。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な記述
本発明の方法の工程(i)は、1つ以上のカルボン酸エステルを形成するための、触媒組成物の存在下での、1つ以上の内部オレフィンと、1つ以上のカルボン酸との反応を含む。
【0022】
前記内部オレフィンは、好ましくは8から32個の範囲の炭素原子、より好ましくは10から28個の範囲の炭素原子、および最も好ましくは12から24個の範囲の炭素原子を有するオレフィンから選択される。
【0023】
本発明の方法の工程(i)に使用される内部オレフィンは、置換または非置換脂肪族内部オレフィンであってもよい。
【0024】
置換脂肪族内部オレフィンにおける置換基は、特に限定されないが、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ピリジル基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基)、アラルキル基および複素環式基から選択される置換基を挙げることができる。
【0025】
本発明の方法に好都合に使用できる内部オレフィンの例としては、シェル高級オレフィン方法(SHOP)の異性化−不均化(ID)セクションから出る内部オレフィン混合物(IDセクションの主に線状の内部オレフィンの分枝レベルを鎖あたり約1個のアルキル分枝に増大させるためのオレフィン異性化ユニット(OIU)を通過した後のオレフィン混合物、例えば内部C−C10オレフィン混合物、内部C10オレフィン、内部C11−C12オレフィン混合物、内部C11−C14オレフィン混合物、内部C1516オレフィン混合物および内部C15−C18オレフィン混合物であってもよい。)が挙げられる。本発明の方法に好都合に使用され得る内部オレフィンの例としてはまた、ガス−ツー−リキッド(GTL)方法から、または製油脱ろう方法から出るパラフィンストリームにおけるUOPのパラフィン転化(PACOL)方法によって生成された内部オレフィン混合物が挙げられる。さらに、パラフィン、オレフィンおよび酸化体へのフィッシャートロプス経路から直接出るオレフィン混合物も、本発明の方法に好都合に使用できる。
【0026】
本発明の方法の工程(i)に好都合に使用できるカルボン酸は制限されない。前記カルボン酸は任意に、1つ以上の不活性官能基、即ち工程(i)の反応を妨害しない官能基で置換されてもよい。存在してもよい不活性官能基の例としては、塩素および臭素原子、ニトロ基およびアルコキシ基、例えばメトキシ基が挙げられる。
【0027】
好ましくは、前記カルボン酸は、2から18個の範囲の炭素原子、より好ましくは2から12個の範囲、およびさらにより好ましくは2から8個の範囲の炭素原子を有する分枝状および非分枝状カルボン酸から選択されてもよい。
【0028】
好都合に使用できる脂肪族カルボン酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、およびイソ酪酸が挙げられる。
【0029】
好都合に使用できる芳香族カルボン酸の例としては、安息香酸、アニス酸、フェニル酢酸、o−トルイル酸、フタル酸、イソフタル酸、およびテレフタル酸が挙げられる。
【0030】
オレフィンおよびカルボン酸の反応は、当分野において、例えば「Organic Syntheses」,Collective Volume 4,ed.N.Rabjohn,John Wiley and Sons,New York,1963,pp.261およびChem.Commun.2004,pp.1620.において既知である。オレフィンからカルボン酸エステルを生成する典型的な方法は、触媒としての硫酸を用いること、および種々の金属化合物、例えば銅、銀、金およびルテニウムから選択される金属を含むものの使用を含む。Chem.Commun.,2008,pp.777−779には、オレフィンからカルボン酸エステルを生成するための多数の方法が記載されている。工程(i)の反応は限定されず、当分野において既知のあらゆる方法が、好都合に使用できる。
【0031】
しかし、本発明の好ましい実施形態において、工程(i)は、WO−A−2007/094211に記載される方法に従って行うことができる。即ち、本発明の好ましい実施形態において、工程(i)に使用される触媒組成物は、(a)少なくとも1つの金属化合物(ここで、前記金属は鉄、コバルトおよびニッケルから選択される。);および(b)酸性化合物を含む。
【0032】
前記触媒組成物において金属化合物(a)は制限されず、例えば一般式FeX(式中、nは2または3である。)を有する化合物、Fe(CO)、Fe(CO)12、Fe(CO)(EN)、Fe(CO)(DE)、Fe(DE)、CpFeX(CO)、[CpFe(C)、[CpFe(CO)、Fe(acac)、Fe(OAc)(式中、nは2または3である。)、CoX、CO(CO)、Co(acac)(式中、nは2または3である。)、Co(OAc)、CpCo(CO)、CpCo(CO)、NiX、Ni(CO)、Ni(DE)、Ni(acac)およびNi(OAc)から好都合に選択できる。
【0033】
上述の式において、Xは水素原子、ハロゲン原子、好ましくは塩素、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、カルボキシラート基またはチオシアナート基を示し、Cpは、シクロペンタジエン基を示し、acacはアセチルアセトナート基を示し、DEはノルボルナジエン、1,5−シクロオクタジエンまたは1,5−ヘキサジエンを示し、ENはエチレンまたはシクロオクテンを示し、OAcはアセタート基を示す。
【0034】
本発明の方法の工程(i)の触媒組成物において使用するのが好ましい金属化合物(a)は、鉄化合物である。塩化鉄は、本発明の方法の工程(i)の触媒組成物において使用するのに特に好ましい。
【0035】
本発明の方法の工程(i)の触媒組成物に使用するための酸性化合物(b)は、ブロンステッド酸またはトリフルオロメタンスルホン酸の金属塩から選択されるのが好ましい。
【0036】
酸性化合物(ii)に関しては特に制限はないが、好ましいブロンステッド酸は、HCl、HSO、CFSOH、p−[CH(CH11](C)SOHおよびE.I.du Pont de Nemours&Co.,Inc.からの商標名「NAFION」の下で販売されている酸を含む。
【0037】
好都合に使用できるトリフルオロメタンスルホン酸の金属塩の例としては、Na(OSOCF)、Li(OSOCF)、Ag(OSOCF)、Cu(OSOCF、Zn(OSOCF、La(OSOCFおよびSc(OSOCFが挙げられる。
【0038】
本発明の方法の工程(i)の触媒組成物に使用するのに好ましいブロンステッド酸は、トリフルオロメタンスルホン酸であり、本発明の方法の工程(i)の触媒組成物に使用するためのトリフルオロメタンスルホン酸の好ましい金属塩は、トリフルオロメタンスルホン酸の銀塩である。
【0039】
本発明の方法の工程(i)の触媒組成物に使用される酸性化合物(b)の量は、特に制限されないが、金属化合物(a)に対する前記酸性化合物の量は、モル比として、好ましくは1/300から10の範囲であり、およびより好ましくは1/50から3の範囲である。
【0040】
本発明の方法の工程(i)に使用するための触媒は、好ましくは上述の金属化合物(a)および酸性化合物(b)の組み合わせである。しかし、1つの実施形態では、金属化合物(a)および酸性化合物(b)はそれぞれ別個に調製され、工程(i)の反応混合物に添加されてもよい。または、Chem.Commun.,2008,pp777−779に記載されるように、金属化合物(a)および酸性化合物(b)はまた、例えばトリフルオロメタンスルホン酸の金属塩を使用できるようにするために、工程(i)の反応混合物の外側で予め反応させてもよい。こうした塩の例としては、Fe(OSOCFが挙げられ、これは、Can.J.Chem.,1981,59,669−678に記載される方法によって調製できる。
【0041】
本発明の方法の工程(i)の反応条件は制限されない。しかし、本発明の好ましい実施形態において、工程(i)は、20から300℃の範囲の反応温度、およびより好ましくは60から200℃の範囲の反応温度にて行われてもよい。
【0042】
本発明の方法の工程(i)の反応は、1つ以上の不活性溶媒の存在下、即ち工程(i)の反応を妨害しない溶媒の存在下で行われてもよい。または、前記反応は溶媒の非存在下で行われてもよい。
【0043】
本発明の方法の工程(i)に好都合に使用できる不活性溶媒としては、例えば炭化水素およびエーテル、より詳細にはベンゼン、トルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルおよびジオキサンが挙げられる。
【0044】
本発明の方法の工程(ii)は、1つ以上のアシル化されたアルコールアルコキシラートを形成するための、(a)カルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸の1つ以上のアルカリ土類金属塩および/またはこれらの水和物、(b)硫酸およびオルトリン酸から選択されるオキシ酸、(c)アルコールおよび/またはエステル、および/または(a)、(b)および/または(c)の相互反応の生成物を含む触媒作用として有効な量の触媒組成物の存在下、工程(i)からの1つ以上のカルボン酸エステルと、1つ以上のアルキレンオキシド反応体との反応を含む。
【0045】
本発明の方法の工程(ii)に使用するための触媒組成物は、WO−A−02/38269に記載される方法に従って調製されてもよい。前記触媒組成物は、好ましくは視覚的に均質な液体懸濁液または均質ペーストの形態である。
【0046】
前記触媒組成物は、好ましくは、カルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸の1つ以上のアルカリ土類金属塩および/またはこれらの水和物、ならびに硫酸およびオルトリン酸から選択されるオキシ酸を、前記触媒組成物の総重量に基づいて10から65重量%(重量%)の範囲の総濃度で含む。
【0047】
工程(ii)に使用される触媒組成物が、成分(a)から(c)のみおよび/または(a)、(b)および/または(c)の相互反応の生成物を含む場合、前記成分は、それぞれ触媒組成物の総重量に基づいて、(a)に関して16から26重量%、(b)に関して4から7重量%、および(c)に関して67から80重量%の範囲の量で存在するのがより好ましい。
【0048】
成分(a)から(c)の正確な量は、これらの量が合計で100重量%となるような上記範囲から選択されることが理解される。
【0049】
上述の触媒組成物は、触媒組成物のいわゆる活性成分(a)および(b)の均質化によって視覚的に均質な液体またはペーストの形態で濃縮物として得ることができ、その後に前記均質化された混合物はアルコールまたはエステル(c)に導入されるが、前記活性成分は部分的または全体的に、触媒濃縮物を製造するために使用されるアルコールまたはエステルに対して、ならびに工程(ii)でアルコキシル化に供されるカルボン酸エステル反応体に対して不溶性である。
【0050】
しかし、本発明の方法の工程(i)のカルボン酸エステルは、WO−A−02/038269およびWO−A−2005/115964に従って上述の触媒および反応条件を用いて本発明の方法の工程(ii)において効率良くアルコキシル化できるが、得られたアシル化されたアルコールアルコキシラート、特にメチルエステルエトキシラート(MEE)は、明確な変色および特に黄色化を示す場合がある。
【0051】
従って、本発明の好ましい実施形態において、工程(ii)に使用するための触媒組成物は、驚くべきことに、有利な色特性をさらに有する、即ちいかなる実質的な変色もないアシル化されたアルコールアルコキシラートを生成するために改質できる。こうした有利な色特性は、一般に水−白色(無色)液体洗剤配合物または白色洗剤粉末配合物を生成することを目的とする洗剤産業において柔軟性を大きく高める。
【0052】
従って、本発明の方法の工程(ii)に使用するための触媒組成物は、(a)カルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸の1つ以上のアルカリ土類金属塩および/またはこれらの水和物、(b)硫酸およびオルトリン酸から選択されるオキシ酸、(c)アルコールおよび/またはエステル、(d)ペルオキシ酸および/またはこれらの塩、および/または(a)、(b)、(c)および/または(d)の相互反応の生成物を含むことが特に好ましい。
【0053】
前記触媒組成物は、驚くべきことに、工程(iii)における任意の後続加水分解またはエステル交換(アシル転移としても知られている。)のために、アシル化されたアルコールアルコキシラート、好ましくは脂肪族エステルアルコキシラートおよびより好ましくは狭い範囲の脂肪族エステルアルコキシラートを工程(ii)において生成でき、このアシル化されたアルコールアルコキシラートは、有利な色特性を有する、特に黄色化を低減する。
【0054】
前記触媒組成物が成分(a)から(d)および/または(a)、(b)、(c)および/または(d)の相互反応の生成物を含むような前記好ましい実施形態において、前記組成物は:
(a)触媒組成物の総重量に基づいて、8から53重量%の範囲、より好ましくは16から26重量%の範囲の量において、カルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸の1つ以上のアルカリ土類金属塩および/またはこれらの水和物;
(b)触媒組成物の総重量に基づいて、2から13重量%の範囲、より好ましくは4から7重量%の範囲の量において硫酸およびオルトリン酸から選択されるオキシ酸;
(c)触媒組成物の総重量に基づいて、34から90重量%の範囲、より好ましくは67から80重量%の範囲の量においてアルコールおよび/またはエステル;ならびに
(d)触媒組成物の総重量に基づいて、10から10000ppm(重量/重量)の範囲、より好ましくは30から3000ppm(重量/重量)の範囲、および最も好ましくは100から1000ppm(重量/重量)の範囲の量において、ペルオキシ酸および/またはこれらの塩、
および/または(a)、(b)、(c)および/または(d)の相互反応生成物
を含むのが好ましい。
【0055】
成分(a)から(d)の正確な量は、これらの量が合計で100重量%になるように、上記の範囲から選択されることが理解される。
【0056】
本発明の方法の工程(ii)の触媒組成物に好都合に使用できるアルカリ土類金属塩(a)は、カルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸のカルシウムおよびマグネシウム塩、および/またはこれらの水和物を含む。
【0057】
アルカリ土類金属塩(a)がカルボン酸の塩である場合、前記塩は、本発明の方法の工程(i)に使用されるのと同じ1つ以上のカルボン酸から誘導されるのが特に好ましい。
【0058】
本発明の方法の工程(ii)の触媒組成物における成分(a)として好都合に使用できる塩は、低分子量のカルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸の塩、即ち1から18個の範囲の炭素原子を有するカルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸の塩である。
【0059】
好ましい塩は、1から7個の範囲の炭素原子を有するカルボン酸の塩および/または2から7個の範囲の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸の塩である。
【0060】
より好ましい塩は、2から4個の範囲の炭素原子を有するカルボン酸の塩および/または2から4個の範囲の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸の塩である。
【0061】
本発明の方法の工程(ii)の触媒組成物における成分(a)として使用できる塩の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、イソ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸および安息香酸の塩が挙げられる。
【0062】
1から18個の範囲の炭素原子、好ましくは1から7個の範囲の炭素原子、より好ましくは2から4個の範囲の炭素原子を有するカルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸のカルシウム塩、および/またはこれらの水和物が好ましい。
【0063】
こうしたカルシウム塩の例としては、酢酸カルシウムおよび/または乳酸カルシウムおよび/またはこれらの水和物が挙げられる。
【0064】
使用できるオキシ酸の特定例は、濃縮された(85%)オルトリン酸および濃縮された(95から97%)硫酸である。
【0065】
本発明の方法の工程(ii)の触媒組成物における成分(c)として使用できるアルコールは、一級、二級または三級アルコールであってもよい。
【0066】
本発明の方法の工程(ii)の触媒組成物における成分(c)として使用されるアルコールおよび/またはエステルは、好ましくは1から6個の範囲の炭素原子を有するアルコール、および/または2から39個の範囲の炭素原子を有するカルボン酸エステルである。本発明の特に好ましい実施形態において、エステル成分(c)は、アルコキシラート化されてもよい。
【0067】
本発明の方法の工程(ii)の触媒組成物における成分(c)として好都合に使用できるアルコールおよびエステルの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)、ブタノール、2−ブタノール(sec−ブチルアルコール)および2−メチル−2−プロパノール(tert−ブチルアルコール)、ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−l−ブタノール(イソアミルアルコール)、2、2−ジメチル−1−プロパノール(ネオペンチルアルコール)、2−メチル−2−ブタノール(tert−アミルアルコール)、ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、メチルホルマート、エチルホルマート、プロピルホルマート、イソプロピルホルマート、ブチルホルマート、sec−ブチルホルマート、イソブチルホルマート、ペンチルホルマート、イソアミルホルマート、ヘキシルホルマート、シクロヘキシルホルマート、ヘプチルホルマート、ベンジルホルマート、オクチルホルマート、ノニルホルマート、1−デシルホルマート、sec−デシルアルコール、例えば2−デカノール、3−デカノール、4−デカノールおよび5−デカノールのギ酸エステルならびにこれらの混合物、sec−ウンデシルアルコールおよびsec−ドデシルアルコールの混合物のギ酸エステル、1−ドデシルホルマート、sec−ドデシルアルコール、例えば2−ドデカノール、3−ドデカノール、4−ドデカノール、5−ドデカノールおよび6−ドデカノールのギ酸エステルならびにこれらの混合物、sec−トリデシルアルコールおよびsec−テトラデシルアルコールの混合物のギ酸エステル、線状もしくは分岐状sec−ペンタデシルアルコールおよびsec−ヘキサデシルアルコールの混合物のギ酸エステルまたは線状もしくは分岐状sec−ペンタデシルアルコール、sec−ヘキサデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコールおよびsec−オクタデシルアルコールの混合物のギ酸エステル、sec−ノナデシルアルコール、sec−エイコシルアルコール、sec−ヘネイコシルアルコール、sec−ドコシルアルコール、sec−トリコシルアルコール、sec−テトラコシルアルコール、sec−ペンタコシルアルコール、sec−ヘキサコシルアルコール、sec−ヘプタコシルアルコール、sec−オクタコシルアルコール、sec−ノナコシルアルコール、sec−トリアコンチルアルコール、sec−ヘントリアコンチルアルコールまたはsec−ドトリアコンチルアルコールの混合物のギ酸エステル、メチルアセタート、エチルアセタート、プロピルアセタート、イソプロピルアセタート、ブチルアセタート、sec−ブチルアセタート、イソブチルアセタート、tert−ブチルアセタート、ペンチルアセタート、2−ペンチルアセタート、3−ペンチルアセタート、イソアミルアセタート、tert−アミルアセタート、ヘキシルアセタート、シクロヘキシルアセタート、ヘプチルアセタート、ベンジルアセタート、オクチルアセタート、ノニルアセタート、デシルアセタート、sec−デシルアルコール、例えば2−デカノール、3−デカノール、4−デカノールおよび5−デカノールの酢酸エステルならびにこれらの混合物、sec−ウンデシルアルコールおよびsec−ドデシルアルコールの混合物の酢酸エステル、1−ドデシルアセタート、sec−ドデシルアルコール、例えば2−ドデカノール、3−ドデカノール、4−ドデカノール、5−ドデカノールおよび6−ドデカノールの酢酸エステルならびにこれらの混合物、sec−トリデシルアルコールおよびsec−テトラデシルアルコールの混合物の酢酸エステル、線状もしくは分岐状sec−ペンタデシルアルコールおよびsec−ヘキサデシルアルコールの混合物の酢酸エステルまたは線状もしくは分岐状sec−ペンタデシルアルコール、sec−ヘキサデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコールおよびsec−オクタデシルアルコールの混合物の酢酸エステル、sec−ノナデシルアルコール、sec−エイコシルアルコール、sec−ヘネイコシルアルコール、sec−ドコシルアルコール、sec−トリコシルアルコール、sec−テトラコシルアルコール、sec−ペンタコシルアルコール、sec−ヘキサコシルアルコール、sec−ヘプタコシルアルコール、sec−オクタコシルアルコール、sec−ノナコシルアルコール、sec−トリアコンチルアルコール、sec−ヘントリアコンチルアルコールまたはsec−ドトリアコンチルアルコールの混合物の酢酸エステル、メチルイソブチラート、エチルイソブチラート、プロピルイソブチラート、イソプロピルイソブチラート、ブチルイソブチラート、sec−ブチルイソブチラート、イソブチルイソブチラート、tert−ブチルイソブチラート、ペンチルイソブチラート、2−ペンチルイソブチラート、3−ペンチルイソブチラート、イソアミルイソブチラート、tert−アミルイソブチラート、ヘキシルイソブチラート、シクロヘキシルイソブチラート、ヘプチルイソブチラート、ベンジルイソブチラート、オクチルイソブチラート、ノニルイソブチラート、デシルイソブチラート、sec−デシルアルコール、例えば2−デカノール、3−デカノール、4−デカノールおよび5−デカノールのイソ酪酸エステルならびにこれらの混合物、sec−ウンデシルアルコールおよびsec−ドデシルアルコールの混合物のイソ酪酸エステル、1−ドデシルイソブチラート、sec−ドデシルアルコール、例えば2−ドデカノール、3−ドデカノール、4−ドデカノール、5−ドデカノールおよび6−ドデカノールのイソ酪酸エステルならびにこれらの混合物、sec−トリデシルアルコールおよびsec−テトラデシルアルコールの混合物のイソ酪酸エステル、線状もしくは分岐状sec−ペンタデシルアルコールおよびsec−ヘキサデシルアルコールの混合物のイソ酪酸エステルまたは線状もしくは分岐状sec−ペンタデシルアルコール、sec−ヘキサデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコールおよびsec−オクタデシルアルコールの混合物のイソ酪酸エステル、sec−ノナデシルアルコール、sec−エイコシルアルコール、sec−ヘネイコシルアルコール、sec−ドコシルアルコール、sec−トリコシルアルコール、sec−テトラコシルアルコール、sec−ペンタコシルアルコール、sec−ヘキサコシルアルコール、sec−ヘプタコシルアルコール、sec−オクタコシルアルコール、sec−ノナコシルアルコール、sec−トリアコンチルアルコール、sec−ヘントリアコンチルアルコールまたはsec−ドトリアコンチルアルコールの混合物のイソ酪酸エステル、メチルベンゾアート、エチルベンゾアート、プロピルベンゾアート、イソプロピルベンゾアート、ブチルベンゾアート、sec−ブチルベンゾアート、イソブチルベンゾアート、tert−ブチルベンゾアート、ペンチルベンゾアート、2−ペンチルベンゾアート、3−ペンチルベンゾアート、イソアミルベンゾアート、tert−アミルベンゾアート、ヘキシルベンゾアート、シクロヘキシルベンゾアート、ヘプチルベンゾアート、ベンジルベンゾアート、オクチルベンゾアート、ノニルベンゾアート、デシルベンゾアート、sec−デシルアルコール、例えば2−デカノール、3−デカノール、4−デカノールおよび5−デカノールの安息香酸エステルならびにこれらの混合物、sec−ウンデシルアルコールおよびsec−ドデシルアルコールの混合物の安息香酸エステル、1−ドデシルベンゾアート、sec−ドデシルアルコール、例えば2−ドデカノール、3−ドデカノール、4−ドデカノール、5−ドデカノールおよび6−ドデカノールの安息香酸エステルならびにこれらの混合物、sec−トリデシルアルコールおよびsec−テトラデシルアルコールの混合物の安息香酸エステル、線状もしくは分岐状sec−ペンタデシルアルコールおよびsec−ヘキサデシルアルコールの混合物の安息香酸エステルまたは線状もしくは分岐状sec−ペンタデシルアルコール、sec−ヘキサデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコールおよびsec−オクタデシルアルコールの混合物の安息香酸エステル、sec−ノナデシルアルコール、sec−エイコシルアルコール、sec−ヘネイコシルアルコール、sec−ドコシルアルコール、sec−トリコシルアルコール、sec−テトラコシルアルコール、sec−ペンタコシルアルコール、sec−ヘキサコシルアルコール、sec−ヘプタコシルアルコール、sec−オクタコシルアルコール、sec−ノナコシルアルコール、sec−トリアコンチルアルコール、sec−ヘントリアコンチルアルコールまたはsec−ドトリアコンチルアルコールの混合物の安息香酸エステル、メチルカプロアート、エチルカプロアート、イソプロピルカプロアート、メチルカプリラート、エチルカプリラート、イソプロピルカプリラート、メチルカプラート、エチルカプラート、イソプロピルカプラート、メチルラウラート、エチルラウラート、イソプロピルラウラート、メチルミリスタート、エチルミリスタート、イソプロピルミリスタート、メチルパルミタート、エチルパルミタート、イソプロピルパルミタート、メチルステアラート、エチルステアラート、イソプロピルステアラート、メチルオレアート、エチルオレアートイソプロピルオレアート、メチルリノレアート、エチルリノレアートイソプロピルリノレアート、メチルリノレナート、エチルリノレナートイソプロピルリノレナート、メチルアラキダート、エチルアラキダート、イソプロピルアラキダート、メチルベヘナート、エチルベヘナート、イソプロピルベヘナートならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0068】
本発明の1つの実施形態において、工程(ii)に使用される触媒組成物は、アルコキシル化される予定の工程(i)からのカルボン酸エステルと同一であるエステルを成分(c)として含む。
【0069】
本発明の方法の工程(ii)の触媒組成物における成分(d)として場合により使用できるぺルオキシ酸は、好都合に、過カルボン酸、過ハロゲン酸(perhalic acid)、次亜ハロゲン酸、過炭酸、過ホウ酸、過リン酸、過硫酸およびこれらの混合物から選択できる。
【0070】
好都合に使用できるペルオキシ酸塩は、アンモニウム、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属塩を含む。好ましいアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびバリウムの塩が挙げられる。
【0071】
特に好ましいペルオキシ酸塩の例は、アンモニウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属過硫酸塩、特にアンモニウム、ナトリウム、カリウムおよびバリウム過硫酸塩である。アンモニウムペルスルファート(アンモニウムペルオキシジスルファート(NHとしても知られる。)が好ましい。こうした塩は市販されている。
【0072】
上記で述べられたように、本発明の好ましい実施形態において、本発明の方法の工程(ii)に使用される触媒組成物は、視覚的に均質な液体懸濁液または均質なペーストの形態である。
【0073】
1つの実施形態では、本発明の方法の工程(ii)に使用される触媒組成物は、成分(a)から(c)、および任意選択の(d)の、新たに調製され、微細なミルにかけられた(例えば、コロイドミルにおいて、ボールミルにおいて、または超音波ホモジナイザー、例えばSartorius AG,Goettingen,Germanyによって製造された400W maxの「Labsonic P」を用いて)混合物として使用できる。
【0074】
例えば、前記触媒組成物が、成分(a)から(d)および/または(a)、(b)、(c)および/または(d)の相互反応の生成物を含む場合、本発明の前記触媒組成物は、ペルオキシ酸および/またはこれらの塩をオキシ酸とまず混合し、ペルオキシ含有酸性溶液を得ることによって好都合に調製されてもよく、この酸性溶液は、ペルオキシ酸および/またはこれらの塩ならびにオキシ酸の総重量に基づいて、0.02から20重量%の範囲、より好ましくは0.06から6重量%の範囲、および最も好ましくは0.2から2重量%の範囲の量においてペルオキシ酸および/またはペルオキシ塩を含む。
【0075】
このペルオキシ含有酸性溶液は、283から368Kの範囲、好ましくは313K未満の温度にて、アルコールおよび/またはエステル中のカルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸の1つ以上のアルカリ土類金属塩および/またはこれらの水和物の懸濁液に、激しく撹拌しながら徐々に混合される。
【0076】
例えば、好ましい実施形態において、濃(95から97%)硫酸中のアンモニウムペルオキシジスルファートの0.55重量%溶液は、温度が313Kを超えないような割合で、さらにより好ましくは温度が303K未満になるような割合で、激しく撹拌しながら、酢酸カルシウム一水和物または乳酸カルシウムの懸濁液と混合されてもよい。
【0077】
特に好ましい実施形態において、濃(95から97%)硫酸中のアンモニウムペルオキシジスルファートの0.55重量%溶液は、酢酸カルシウム一水和物の懸濁液と、温度が303Kを超えないような割合で激しく撹拌しながら混合され、その後すぐに、懸濁液は、続いて303K未満の温度における超音波混合デバイスを用いて1分間処理される。
【0078】
本発明の特に好ましい実施形態において、前記触媒組成物は:(a)カルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸の1つ以上のアルカリ土類金属塩および/またはこれらの水和物;(b)硫酸およびオルトリン酸から選択されるオキシ酸;(c)アルコールおよび/またはエステル、および(d)ペルオキシ酸および/またはこれらの塩、および/または均質化の際に形成される(a)、(b)、(c)および/または(d)の相互反応生成物を含み、成分(a)および(b)は、触媒調製において使用される成分(a)から(d)の割合から計算される場合、触媒組成物の総重量に関して、10から65重量%の範囲の濃度で存在する。
【0079】
本発明の方法の工程(ii)に使用するための触媒組成物は、触媒作用として有効な量、即ちアルキル化反応を促進または生成物のアルキレンオキシド付加体分布に影響を及ぼすのに十分な量で使用できる。触媒の特定量は本発明の方法に重要ではないが、工程(ii)における前記触媒組成物の使用のためには、少なくとも0.05重量%の量が好ましいと表される場合があるとともに、0.2から5重量%の範囲の量がより好ましく、0.5から2重量%の範囲の量が典型的な実施形態には最も好ましい。これらのパーセンテージは、工程(i)の反応混合物からの揮発性成分(例えば、溶媒および/または過剰のカルボン酸)の除去後に工程(i)の生成物の総重量に対する方法混合物中の触媒組成物の重量による。
【0080】
前記触媒組成物の実質的により大きな量、例えば最大10重量%、またはこれ以上も、工程(ii)において使用できる。概して、アルコキシラート生成物の所望の平均アルキレンオキシド付加体数が高くなり、所望の反応割合が高くなるにつれて、触媒の必要量は多くなる。
【0081】
本発明の方法の工程(ii)のアルコキシル化方法において、アルキレンオキシド(エポキシド)反応体は、1つ以上の近接アルキレンオキシド、特に低級アルキレンオキシドおよびより詳細にはC−Cの範囲のものから選択されることが好都合な場合がある。一般にアルキレンオキシドは次の式によって表すことができる、
【0082】
【化1】

式中、R、R、RおよびR部分のそれぞれは、水素およびアルキル部分からなる群から個々に選択される。エチレンオキシド、プロピレンオキシド、またはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの混合物を含む反応体がより好ましく、特にエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから本質的になる反応体である。エチレンオキシドから本質的になるアルキレンオキシド反応体は、アルコキシル化方法の実施のための商業的機会の観点から、およびまた狭い範囲のエチレンオキシド付加体分布を有する生成物の調製の観点から、最も好ましいと考えられる。
【0083】
本発明の方法の工程(ii)における後続反応のために、工程(i)にて形成される好ましいカルボン酸エステルとしては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、および置換されていてもよい安息香酸(ベンゼン環の1つ以上の水素原子が1つ以上の不活性官能基、即ち工程(ii)の反応を妨害しない官能基によって置換されているものを含む。)のエステルが挙げられる。存在し得る不活性官能基の例としては、塩素および臭素原子、ニトロ基およびアルコキシ基、例えばメトキシ基が挙げられる。
【0084】
本発明の方法の工程(ii)において後続の反応のための、工程(i)にて形成されるより好ましいカルボン酸エステルは、酢酸エステル、イソ酪酸エステル、安息香酸エステルおよび脂肪酸エステルである。
【0085】
前記脂肪酸エステルの例としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ベヘン酸およびこれらの混合物のエステルが挙げられる。
【0086】
工程(i)の形成の後に、本発明の方法の工程(ii)のアルコキシル化方法に好都合に使用できるカルボン酸エステル、および特に脂肪酸エステルとしては、例えばsec−ブチルエステル、sec−アミルエステルおよびtert−アミルエステル、sec−デシルエステル、例えば2−デシル、3−デシル、4−デシルおよび5−デシルエステルおよびこれらの混合物、sec−ウンデシルエステル、sec−ドデシルエステル、例えば2−ウンデシル、3−ウンデシル、4−ウンデシル、5−ウンデシル、2−ドデシル、3−ドデシル、4−ドデシル、5−ドデシルおよび6−ドデシルエステルおよびこれらの混合物、sec−トリデシルエステルおよびsec−テトラデシルエステル、例えば2−トリデシル、3−トリデシル、4−トリデシル、5−トリデシル、6−トリデシル、2−テトラデシル、3−テトラデシル、4−テトラデシル、5−テトラデシル、6−テトラデシル、7−テトラデシルエステルおよびこれらの混合物、sec−ペンタデシルエステル、sec−ヘキサデシルエステル、sec−ヘプタデシルエステル、sec−オクタデシルエステルおよびこれらの混合物、sec−ノナデシルエステル、sec−エイコシルエステル、sec−ヘネイコシルエステル、sec−ドコシルエステル、sec−トリコシルエステル、sec−テトラコシルエステル、sec−ペンタコシルエステル、sec−ヘキサコシルエステル、sec−ヘプタコシルエステル、sec−オクタコシルエステル、sec−ノナコシルエステル、sec−トリアコンチルエステル、sec−ヘントリアコンチルエステル、sec−ドトリアコンチルエステルおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0087】
工程(i)でのこれらの形成の後、本発明の方法の工程(ii)のアルコキシル化方法に好都合に使用できる好ましいカルボン酸エステルとしては、sec−ブチル、sec−アミル、tert−アミル、sec−デシル、例えば2−デシル、3−デシル、4−デシルおよび5−デシル、sec−ウンデシル、sec−ドデシル、例えば2−ウンデシル、3−ウンデシル、4−ウンデシル、5−ウンデシル、2−ドデシル、3−ドデシル、4−ドデシル、5−ドデシルおよび6−ドデシル、sec−トリデシル、sec−テトラデシル、例えば2−トリデシル、3−トリデシル、4−トリデシル、5−トリデシル、6−トリデシル、2−テトラデシル、3−テトラデシル、4−テトラデシル、5−テトラデシル、6−テトラデシル、7−テトラデシル、sec−ペンタデシル、sec−ヘキサデシル、sec−ヘプタデシル、sec−オクタデシル、sec−ノナデシル、sec−エイコシル、sec−ヘネイコシル、sec−ドコシル、sec−トリコシル、sec−テトラコシル、sec−ペンタコシル、sec−ヘキサコシル、sec−ヘプタコシル、sec−オクタコシル、sec−ノナコシル、sec−トリアコンチル、sec−ヘントリアコンチル、およびsec−ドトリアコンチルアセタート、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0088】
工程(i)でのこれらの形成後、本発明の方法の工程(ii)のアルコキシル化方法に好都合に使用できる好ましいカルボン酸エステルの別の分類としては、sec−ブチル、sec−アミル、tert−アミル、sec−デシル、例えば2−デシル、3−デシル、4−デシルおよび5−デシル、sec−ウンデシル、sec−ドデシル、例えば2−ウンデシル、3−ウンデシル、4−ウンデシル、5−ウンデシル、2−ドデシル、3−ドデシル、4−ドデシル、5−ドデシルおよび6−ドデシル、sec−トリデシル、sec−テトラデシル、例えば2−トリデシル、3−トリデシル、4−トリデシル、5−トリデシル、6−トリデシル、2−テトラデシル、3−テトラデシル、4−テトラデシル、5−テトラデシル、6−テトラデシル、7−テトラデシル、sec−ペンタデシル、sec−ヘキサデシル、sec−ヘプタデシル、sec−オクタデシル、sec−ノナデシル、sec−エイコシル、sec−ヘネイコシル、sec−ドコシル、sec−トリコシル、sec−テトラコシル、sec−ペンタコシル、sec−ヘキサコシル、sec−ヘプタコシル、sec−オクタコシル、sec−ノナコシル、sec−トリアコンチル、sec−ヘントリアコンチル、およびsec−ドトリアコンチルイソブチラート、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0089】
工程(i)でのこれらの形成後、本発明の方法の工程(ii)のアルコキシル化方法に好都合に使用できる好ましいカルボン酸エステルのさらに別の分類としては、sec−ブチル、sec−アミル、tert−アミル、sec−デシル、例えば2−デシル、3−デシル、4−デシルおよび5−デシル、sec−ウンデシル、sec−ドデシル、例えば2−ウンデシル、3−ウンデシル、4−ウンデシル、5−ウンデシル、2−ドデシル、3−ドデシル、4−ドデシル、5−ドデシルおよび6−ドデシル、sec−トリデシル、sec−テトラデシル、例えば2−トリデシル、3−トリデシル、4−トリデシル、5−トリデシル、6−トリデシル、2−テトラデシル、3−テトラデシル、4−テトラデシル、5−テトラデシル、6−テトラデシル、7−テトラデシル、sec−ペンタデシル、sec−ヘキサデシル、sec−ヘプタデシル、sec−オクタデシル、sec−ノナデシル、sec−エイコシル、sec−ヘネイコシル、sec−ドコシル、sec−トリコシル、sec−テトラコシル、sec−ペンタコシル、sec−ヘキサコシル、sec−ヘプタコシル、sec−オクタコシル、sec−ノナコシル、sec−トリアコンチル、sec−ヘントリアコンチル、およびsec−ドトリアコンチルベンゾアート、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0090】
処理手順に関して、本発明の方法の工程(ii)のアルコキシル化反応は、一般に従来の様式において行われてもよい。例えば、工程(i)からの液体カルボン酸エステル反応体と共に工程(ii)に使用される触媒組成物が、好ましくは撹拌下にて、少なくとも低級アルキレンオキシドに関してはガス形態で通常導入されるアルキレンオキシド反応体と接触させてもよい。
【0091】
工程(i)からの追加の液体カルボン酸エステル反応体は、アルキレンオキシド反応体の添加の前なら任意にいつでも添加できる。従って、濃縮された触媒反応混合物を製造でき、必要に応じて一部を使用できる。
【0092】
本発明の方法の好ましい実施形態において、アルキレンオキシド反応体は、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの混合物である。
【0093】
特に好ましい実施形態において、エチレンオキシドは、本明細書に記載されるように、触媒作用として有効な量のアルコキシル化触媒組成物の存在下、工程(i)からのカルボン酸エステル、好ましくは脂肪酸エステルと工程(ii)にて接触し、反応する。工程(i)からの追加の液体カルボン酸エステル反応体は、方法中のいつでも任意に添加できる。
【0094】
本発明の別の実施形態において、工程(ii)のアルコキシル化方法は、本明細書に参考として組み込まれるWO−A−2005/115964に記載される方法に従って行われてもよい。
【0095】
即ち、1つの実施形態では、本発明の方法の工程(ii)のアルコキシル化方法は、本明細書に記載されるような触媒組成物の存在下、工程(i)からのカルボン酸エステル反応体で満たされた反応器にアルキレンオキシド反応体を導入する工程を含み、ここで反応器は、アルコキシル化に供されるべき工程(i)からのカルボン酸エステル反応体の予め設計された総量(X)の一部分(x’)、および前記触媒組成物の予め設計された総量(Y)で満たされるとすぐに、予め設計された総量(Z)のアルキレンオキシド反応体の別の部分(z’)は、前記触媒組成物を活性化し、反応を誘導するために反応器に供給され、導入された量(z’)のアルキレンオキシド反応体が全体的または部分的に転化された後、カルボン酸エステル反応体供給物は、予め設計された量(X)に対して、工程(i)からの追加のカルボン酸エステルで補充され、アルキレンオキシド反応体は予め設計された量(Z)が導入されるまで供給が継続され、好ましくは合成の初期段階において導入された工程(i)からのカルボン酸エステル反応体の一部分(x’)は工程(i)からの予め設計されたカルボン酸エステル反応体の総供給物(X)に対して可能な限り小さい、即ちこの量は、即ち比x’/Xの値が可能な限り小さくなる場合に所定の反応器に関して特定される最小供給物付近である。
【0096】
上記の手順はバッチモードの操作が記載されているが、本発明の方法は、連続方法に対しても同様に適用可能である。
【0097】
全体的に、工程(ii)の2つの反応体は、所望の中間または平均付加体数のアルコキシラート生成物を得るために予め決定された量で利用される。生成物の平均付加体数は本発明の方法にとって重要ではない。こうした生成物は、一般に、1未満から30までまたはこれ以上の範囲の平均付加体数を有する。
【0098】
一般的には、本発明の方法の工程(ii)のアルコキシル化方法のために好適で好ましい方法温度および圧力は、従来の触媒を使用する同じ反応体間の通常のアルコキシル化反応におけるものと同一である。少なくとも90℃、特に少なくとも120℃、および最も詳細には少なくとも130℃の温度が、反応速度の観点から通常好ましいが、250℃未満、特に210℃未満、および最も詳細には190℃未満の温度が、生成物の分解を最小限にするために、通常望ましい。当分野において知られているように、方法の温度は、こうした因子を考慮して、所与の反応体に関して最適化できる。
【0099】
超大気圧、例えば0.7から1MPaゲージ(約10から約150psig)の範囲の圧力が工程(ii)において好ましく、この圧力は、通常、工程(ii)における反応中に実質的に液体状態で工程(i)からのカルボン酸エステル反応体を維持するのに十分である。
【0100】
工程(i)からのカルボン酸エステル反応体が液体であり、工程(ii)におけるアルキレンオキシド反応体が揮発性である場合、工程(ii)におけるアルコキシル化は、アルキレンオキシドを液体カルボン酸エステル反応体および触媒組成物を含有する圧力反応器に導入することによって行われるのが好適である。方法の安全性を検討すると、アルキレンオキシド反応体は、不活性ガス、例えば窒素と、例えば約50体積%以下の気相濃度まで希釈されるのが好ましい。しかし、工程(ii)の反応は、爆発の危険性に対処するために当分野において既知の好適な予防措置がとられる場合、より高いアルキレンオキシド濃度、より高い総圧力およびより高いアルキレンオキシド分圧において安全に達成できる。
【0101】
工程(ii)におけるアルコキシル化方法を完了するために必要とされる時間は、所望されるアルコキシル化度(即ち、生成物の平均アルキレンオキシド付加体数において)ならびにアルコキシル化反応の速度(これは順に、温度、触媒の質および反応体の性質に依存する。)の両方に依存する。特にアルキレンオキシドが気体状である場合の好ましい実施形態に関して典型的な反応時間は12時間未満である。エチレンオキシドがアルキレンオキシドとして使用される場合、典型的な反応時間は5時間未満である。プロピレンオキシドがアルキレンオキシドとして使用される場合、典型的な反応時間は8時間未満である。
【0102】
工程(ii)におけるアルコキシル化反応が完了した後、生成物は、好ましくは冷却される。所望により、触媒組成物は生成物から取り除くことができる。工程(ii)からの1つ以上のアシル化された二級アルコールアルコキシラートが、前記1つ以上のアシル化された二級アルコールアルコキシラートを加水分解またはエステル交換して、1つ以上の二級アルコールアルコキシラートを形成するために、さらなる任意工程(iii)を行う本発明の実施形態において、触媒の除去は、行われる予定の工程(iii)の前である必要はない。
【0103】
触媒残渣は、工程(ii)からの1つ以上のアシル化された二級アルコールアルコキシラートから、例えば濾過、沈殿または抽出によって除去されてもよい。工程(ii)の液体生成物からの触媒残渣の除去を促進するために多数の特定の化学的および物理的処理方法が見出されている。こうした処理は、アルコキシル化生成物と、強酸、例えばリン酸および/またはシュウ酸または固体有機酸、例えばSigma−Aldrichから商標名「NAFION」H+(E.I.du Pont de Nemours&Co.,Inc.)および「AMBERLITE」IR 120H(Rohm&Haas Co.)として販売されているものとの接触;アルカリ金属炭酸塩および重炭酸塩との接触;ゼオライト、例えばタイプYゼオライトまたはモルデナイトとの接触;または特定粘土との接触を含む。通常、こうした処理の後には生成物からの固体の濾過または沈殿が続く。多くの場合、濾過、沈殿または遠心分離は、高温にて最も効率が良い。
【0104】
工程(iii)における任意の後続加水分解またはエステル交換(アシル転移としても知られる。)のために本方法の工程(i)および(ii)によって調製できる好ましいアシル化された二級アルコールアルコキシラート組成物は、1つ以上のアシル化された二級アルコールアルコキシラート、特に式(I)を有するアルコキシル化脂肪族エステルを含むものである:
−C(O)−(OA)−OR (I)
式中、Rは1から30個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基、5から30個の炭素原子を有する置換されていてもよいシクロアルキル基、または6から30個の炭素原子を有する置換されていてもよいアリール基であり、OAは、同一または異なってもよい1つ以上のオキシアルキレン部分を表し、nは0から70の範囲の整数であり、Rは4から32個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基、5から32個の炭素原子を有する置換されていてもよいシクロアルキル基、または7から32個の炭素原子の置換されていてもよいビシクロアルキル基である。
【0105】
工程(iii)の任意の後続加水分解のために本方法の工程(i)および(ii)によって調製できる、脂肪族エステルアルコキシラートを含む特に好ましいアシル化された二級アルコールアルコキシラートは、Rが、1から22個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基であり、OAがオキシエチレンおよびオキシプロピレン部分から独立して選択され、nが1から30の範囲の整数であり、Rが4から32個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基であるものである。
【0106】
工程(iii)における後続の任意の加水分解のために本方法の工程(i)および(ii)によって調製でき、特に洗剤用途の目的に好ましいアシル化された二級アルコールアルコキシラートは、Rが、場合により置換されているフェニル基、好ましくはフェニル基、水素または1から22個の範囲の炭素原子、好ましくは1個の炭素原子を有するアルキル基であり、OAがオキシエチレンおよびオキシプロピレン部分から独立に選択され、nが1から30の範囲の整数であり、Rが、4から32個の範囲の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基である式(I)の化合物である。
【0107】
本発明の1つの実施形態では、好ましいアシル化された二級アルコールアルコキシラートは、酢酸エステルアルコキシラート組成物、即ちRがメチル基であり、OAが、オキシエチレンおよびオキシプロピレン部分から独立に選択され、nが1から30の範囲の整数であり、Rが4から32個の範囲の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基である式(I)の化合物である。
【0108】
工程(iii)における後続の任意の加水分解のために本方法の工程(i)および(ii)によって調製でき、特に洗剤用途の目的に好ましい脂肪酸エステルアルコキシラートは、Rが6から22個の炭素原子、好ましくは9から15個の炭素原子を有するアルキル基であり、OAがオキシエチレンおよびオキシプロピレン部分から独立に選択され、nは1から30の範囲の整数であり、Rが、4から32個の炭素原子、好ましくは4から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基である式(I)の化合物である。
【0109】
式(I)において、異なるOA基は、アルコキシド鎖に沿ってランダムに分配されることができ、またはブロック(コ)−ポリマーとして存在することもできる。
【0110】
加水分解またはエステル交換(アシル転移としても既知である。)を含む任意の工程(iii)は、工程(ii)からの1以上のアシル化された二級アルコールアルコキシラートから、1つ以上の二級アルコールアルコキシラートを遊離するために行われてもよい。
【0111】
工程(iii)は、加水分解およびエステル交換反応のために当分野において周知の条件下で行われてもよい。こうした工程のために好都合に使用できる温度は、0から200℃の範囲、好ましくは50から150℃の範囲の温度である。好都合に使用できる圧力は、一般に大気圧であるが、超大気圧または低大気圧も使用できる。一般に酸または塩基触媒は、エステル交換反応の速度を加速させるために、<10%(モル/モル)量(アシル化された二級アルコールアルコキシラートに基づく。)にて使用される。酸触媒の例は、p−トルエンスルホン酸、硫酸およびオルトリン酸であり、塩基触媒の例は、カリウムtert−ブトキシドである。工程(ii)からの1つ以上のアシル化された二級アルコールアルコキシラートのエステル交換に通常使用できるアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、およびtert−ブチルアルコールが挙げられる。
【0112】
本発明の方法の工程(iii)によって調製される二級アルコールアルコキシラートは、二級アルコールアルコキシスルファートを形成するために、スルファート化できる。
【0113】
従って、本発明の別の実施形態において、上記で記載されたように生成された二級アルコールアルコキシラートをスルファート化することを含む二級アルコールアルコキシスルファートを製造するための方法をさらに提供する。
【0114】
即ち、本発明はさらに、
−上述の方法によって二級アルコールアルコキシラートを調製する工程;ならびに
−二級アルコールアルコキシラートをスルファート化する工程
を含む二級アルコールアルコキシスルファートを製造するための方法を提供する。
【0115】
好都合に使用できるスルファート化剤としては、三酸化硫黄を含んで、三酸化硫黄と(ルイス)塩基との錯体、例えば三酸化硫黄ピリジン錯体および三酸化硫黄トリメチルアミン錯体、クロロスルホン酸およびスルファミック酸が挙げられる。
【0116】
スルファート化反応は、好ましくは80℃を超えない温度にて行われてもよい。スルファート化は、約−20℃程度に低い温度にて行われてもよいが、高温がより経済的である。例えば、スルファート化は、20から70℃の範囲、好ましくは20から60℃の範囲、およびより好ましくは20から50℃の範囲の温度にて好都合に行うことができる。三酸化硫黄は、最も経済的なスルファート化剤である。
【0117】
二級アルコールアルコキシラートは、少なくとも1つの不活性ガスに加えて、ガス混合物に対して1から8体積%(体積%)の範囲で気体状三酸化硫黄を、好ましくは1.5から5体積%の範囲で含有するガス混合物と反応させてもよい。原理上、1体積%未満の三酸化硫黄を有するガス混合物を使用することができるが、この場合の空時収率は不必要に低下する。8体積%超過の三酸化硫黄を有する不活性ガス混合物は、一般に、不均一なスルファート化、一貫した温度の欠如および所望でない副生成物の増大した形成により問題を生じる場合がある。他の不活性ガスも好適であるが、概して容易な利用可能性の理由から空気または窒素が好ましい。
【0118】
三酸化硫黄含有不活性ガスと二級アルコールアルコキシラートとの反応は、落下膜型反応器において行われてもよい。こうした反応器は、ガスを有する連続した流れにおいて接触する冷却壁にて薄層形態で滴る液体膜を利用している。例えばケトルカスケードは、可能な反応器として好適である。他の反応器としては、撹拌槽反応器があり、スルファート化がスルファミン酸または三酸化硫黄および(ルイス)塩基の錯体、例えば三酸化硫黄ピリジン錯体または三酸化硫黄トリメチルアミン錯体を用いて行われる場合に使用できる。これらのスルファート化剤は、エトキシラート鎖の分解および(ルイス)酸触媒によるオレフィン脱離の危険性なしに、スルファート化の滞留時間を増大させることができる。
【0119】
三酸化硫黄とアルコキシラートとのモル比は、1.4から1またはこれ以下の範囲(アルコキシラートにおけるOH基のモルあたりに使用される0.8から1モルの範囲の三酸化硫黄を含む。)であってもよく、後者の比が好ましい。三酸化硫黄は、アルコキシラートをスルファート化するために使用されてもよく、温度は−20から50℃、好ましくは5から40℃の範囲であってもよく、圧力は、100から500kPa絶対圧の範囲であってもよい。反応は、連続または不連続で行われてもよい。スルファート化のための滞留時間は、0.5秒から10時間の範囲であってもよいが、好ましくは0.5秒から20分の間である。
【0120】
スルファート化は、−20から50℃、好ましくは0から30℃の範囲の温度にてクロロスルホン酸を用いて行われてもよい。アルコキシラートとクロロスルホン酸とのモル比は、1:0.8から1:1.2、好ましくは1:0.8から1:1の範囲であってもよい。反応は、分数秒(即ち0.5秒)から20分間の時間、連続的にまたは不連続に行われてもよい。
【0121】
スルファート化に使用されるべき気体状の三酸化硫黄を生じさせるためだけに使用される場合を除いて、硫酸および発煙硫酸の使用を省くべきである。いずれかのアルコキシラート、例えばエトキシラートをこれらの試薬に供すると、エーテル結合の分解−1,4−ジオキサンの放出(バックバイティング)−、および最終的に二級アルコールの内部オレフィンへの転化を導く。
【0122】
一級アルコールエトキシスルファートの生成において、硫酸の半エステルの中和は、そうでなければ三酸化硫黄の脱離が生じるので、出来る限り迅速に行われるべきである。これは、反応条件に依存して、1,4−ジオキサンおよび短鎖エトキシラートまたは最終的に一級アルコールまたはオレフィンの混入形成を伴うエトキシラートの鎖分解を導く場合がある。本明細書で調製されるように、二級アルコールエトキシラート、および特にEOユニットの平均数が低いもの、即ち低モル二級アルコールエトキシラートの場合、過剰のルイス酸三酸化硫黄は、そうでなければ反応条件に依存して、内部オレフィン、1,4−ジオキサン、三酸化硫黄または硫酸が重要な副生成物になるので、常に除去すべきである。この必要条件は、二級アルコールエトキシラートのスルファート化転化レベルを制限することが予想され、または(ルイス)酸条件下での低モル二級アルコールエトキシラートのスルファート化に固有のこうした問題に対する代替案が同定されなければならない。
【0123】
スルファート化の後、液体反応混合物は、水性アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、水性アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化マグネシウムまたは水酸化カルシウム、または塩基、例えば水酸化アンモニウム、置換水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素カリウムを用いて中和されてもよい。中和手順は、広範囲の温度および圧力にわたって行われてもよい。例えば、中和手順は、0から65℃の範囲の温度、および100から200kPa絶対圧の範囲の圧力において行われてもよい。中和時間は、0.5時間から1時間の範囲であってもよいが、より短いおよびより長い時間が適宜使用されてもよい。
【0124】
ここで本発明を次の実施例によって例示するが、これらの実施例は、いかなる方法においても本発明の範囲を制限することを目的としない。
【0125】
実施例
(i)触媒調製
触媒1
酢酸カルシウム一水和物(5.5g)(Aldrichから入手可能な99%等級として)を23mlイソプロピルアルコール(IPA,Merckから入手可能なPA−等級として)に、周囲温度および常圧にて添加した。濃硫酸(Merckから入手可能な95から97%)約0.8mlを、温度が40℃未満に維持されるような速度にて磁性棒により激しく撹拌しながら混合物に投与した。その後、乳濁した懸濁液としての混合物を、さらに30分間撹拌し、その後、例えばアルコキシド−挿入触媒(「触媒1」)として使用した。
【0126】
触媒2
酢酸カルシウム一水和物(5.5g)(Aldrichから入手可能な99%等級として)を23mlイソプロピルアルコール(IPA,Merckから入手可能なPA−等級として)に、周囲温度および常圧にて添加した。0.55重量%の過硫酸アンモニウム(Aldrichから入手可能)が添加された濃硫酸(Merckから入手可能な95から97%)約0.8mlを、温度が40℃未満に維持されるような速度にて磁性棒により激しく撹拌しながら混合物に投与した。その後、乳濁した懸濁液としての混合物を、さらに30分間撹拌し、その後、例えばアルコキシド−挿入触媒(「触媒2」)として使用した。
【0127】
(ii)アセトキシル化
アセトキシル化は実施例1および2において、対応するC12内部オレフィンよりもむしろα−オレフィンにおいて行われたが、当業者は、同様のエステル生成物が、こうした内部オレフィンを用いて製造されることを理解する。
【実施例1】
【0128】
1−ドデセンのアセトキシル化
1−ドデセン(77.2g、0.46モル)および酢酸55.4gを、丸底フラスコに入れた。混合物をオイルバス中にて120℃で加熱した。混合物は透明になったが、続いて0.4mlのHSOを添加した。混合物は素早く褐色溶液に変わった。混合物を33時間反応させた。室温まで冷却した後、混合物を水で抽出し、酢酸および触媒を除去した。有機層をGCおよびNMRによって分析した(NMRデータに関する表1を参照のこと)。これらの分析は、混合物が35重量/重量%のエステル(主に2−ドデシルアセタートおよび微量の3−ドデシルアセタート)および65重量/重量%の未反応および二重結合異性化1−ドデセンからなることを示した。この混合物は、さらに精製されることなく、実施例4に記載されるエトキシル化実験のためにこれ自体が使用された。
【0129】
【表1】

【実施例2】
【0130】
1−ドデセンのアセトキシル化
500mlの丸底フラスコに120.8g酢酸(2モル)、1.55gFeCl(9.5ミリモル)、1.45gトリフリン酸、CFSOH(9.7ミリモル)および160.0g1−ドデセン(0.95モル)をこの順序で充填した。使用された化学物質は、氷酢酸がMerckから得られた以外は、Aldrichから購入した。混合物は、48時間の期間にわたってオイルバス中で80℃にて撹拌した。次いで温度を100℃まで上昇させ、反応をさらに55時間継続させた。サンプルを反応中に取り出し、転化をGCによってモニターした。103時間の総反応時間の後、混合物を室温まで冷却させ、これを水で3回抽出し、未反応酢酸および触媒を除去した。褐色の有機層が得られた。GCおよびNMR分析は、混合物が33重量/重量%2−ドデシルアセタート、4重量/重量%3−ドデシルアセタートおよび57重量/重量%以下のオレフィン(1−C12=および異性化C12=)および2重量/重量%以下のクロロドデカンからなることを示した。
【0131】
この混合物を減圧下(150℃にて2時間の間2mbarにて)で蒸留し、可能な限り多くの未反応オレフィンを除去した。残渣は、60重量/重量%2−ドデシルアセタート、6重量/重量%3−ドデシルアセタートおよび26重量/重量%以下のC12−オレフィンからなっていた。
【0132】
(iii)アルコキシル化
アルコキシル化は、実施例1のエステル生成物を用いて以下のように行われたが、当業者は、以下のアルコキシル化反応は、同じエステル生成物が対応する内部オレフィンを用いて製造される場合も同一の様式において行うことができることを理解する。
【実施例3】
【0133】
1−ドデシルアセタートのプロポキシル化
Ace Glass Inc.からの商標名「Ace」の下で販売された圧力管に、10gドデシルアセタート(Aldrichから入手可能)、0.2g触媒1および0.5mlプロピレンオキシドを充填し、オイルバスを用いて180℃で24時間(3×8時間)撹拌した。H−NMRによる分析は、約35%のプロピレンオキシド(PO)がPO挿入生成物に転化されたことを示した。δ=5.0ppmでの多重項の存在は、2−アセトキシプロピルエーテルの形成およびエステル結合中のプロピレンオキシドの挿入を示した。
【実施例4】
【0134】
実施例1の生成物のエトキシル化、1−ドデセンのアセトキシル化生成物
実施例1からの生成物混合物は、以下に記載されるエトキシル化実験のために、さらに精製されることなくこれ自体が使用された。
【0135】
実施例1からの上述の生成物混合物40gおよび触媒懸濁液(触媒1)0.82gを120mlのオートクレーブ(ステンレススチール)に添加した。閉じた後、オートクレーブを窒素(4から5barg)にて3回加圧し、ガスキャップをパージし、これを130℃に加熱した。130℃にて、オートクレーブを窒素(10から15リットル/分)で30分間パージし、内容物を乾燥させた。次いでオートクレーブを5barg窒素で加圧し、これをさらに165℃に加熱した。
【0136】
165℃にて、エチレンオキシド(10−25barg(EO/N<1v/v))をTeledyne Isco,Incから入手可能な高圧シリンジポンプを用いて少しずつ添加した。安全上の理由から、それぞれEO添加の量は、窒素中50%v/vよりも高い濃度を与えてはいけない(一般に添加された各部分は2から3gのエチレンオキシドからなっていた)。エチレンオキシドの最初の部分を添加した後、約5分間の短い誘導が認められた。次いで反応を開始し、オートクレーブ圧力が素早く低下した。圧力低下が安定したとき(15から20分後)、エチレンオキシドの次の部分を添加した。所望のエチレンオキシド総量(39.0g)に到達するまで添加を繰り返した。
【0137】
すべてのエチレンオキシドを添加したとき、30分のさらなる反応時間により、残りのEOを反応させた。次いでオートクレーブを80℃に冷却させ、この温度にてオートクレーブの内容物を窒素で20分間パージして、最後の微量の溶解した遊離エチレンオキシドを除去した後、オートクレーブを開けた。次いで、温度を室温まで低下させて、生成物混合物の安全な放出を可能にした。
【0138】
大部分の混合物は未変化のままであったが(褐色液体)、少量(総生成物の5から10%と見積もられる。)はオフホワイトの粘着性固体に変わっていた。質量平衡および生成物混合物のGCによれば、一部のエチレンオキシド(EO)が反応していた。オフホワイトの粘着性固体は、H−NMR(CDCl,300MHz)によって、4.2ppmにおいて−(C=O)CHに隣接する−CH−の特徴的なシグナルを示したので(図1の位置A)、sec−ドデシルアセタートのEO挿入生成物であることが確認された。この構造は、LC−MS分析によって確認された。
【0139】
図1:Sec−ドデシルアセタート中のEO挿入の生成物
【0140】
【化2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アシル化された二級アルコールアルコキシラートの調製方法であって、前記方法が:
(i)1つ以上のカルボン酸エステルを形成するための、触媒組成物の存在下での、1つ以上の内部オレフィンと1つ以上のカルボン酸との反応;
(ii)1つ以上のアシル化された二級アルコールアルコキシラートを形成するための、触媒作用として有効な量の触媒組成物の存在下での、工程(i)からの1つ以上のカルボン酸エステルと、1つ以上のアルキレンオキシド反応体との反応であって、触媒組成物が:
(a)カルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸の1つ以上のアルカリ土類金属塩および/または前者の水和物;
(b)硫酸およびオルトリン酸から選択されるオキシ酸;
(c)アルコールおよび/またはエステル;
および/または(a)、(b)および/または(c)の相互反応生成物
を含む、反応
を含む、方法。
【請求項2】
工程(ii)の触媒組成物が:
(a)カルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸の1つ以上のアルカリ土類金属塩および/または前者の水和物;
(b)硫酸およびオルトリン酸から選択されるオキシ酸;
(c)アルコールおよび/またはエステル;
(d)ペルオキシ酸および/またはこれらの塩;
および/または(a)、(b)、(c)および/または(d)の相互反応の生成物
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(ii)の触媒組成物におけるペルオキシ酸が、過カルボン酸、過ハロゲン酸(perhalic acid)、次亜ハロゲン酸、過炭酸、過ホウ酸、過リン酸、および過硫酸から選択され、および/または工程(ii)の触媒組成物におけるペルオキシ酸塩が、アンモニウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属塩から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程(ii)の触媒組成物におけるアルカリ土類金属塩(a)が、カルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸のカルシウム塩および/または前者の水和物から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
工程(i)の触媒組成物が:
(a)少なくとも1つの金属化合物であって、前記金属が、鉄、コバルトおよびニッケルから選択される金属化合物;ならびに
(b)酸性化合物
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
酸性化合物が、ブロンステッド酸またはトリフルオロメタンスルホン酸の金属塩から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
内部オレフィンが、8から32個の範囲の炭素原子を有するオレフィンから選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上のアルキレンオキシド反応体が、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドから選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法がさらに、1つ以上の二級アルコールアルコキシラートを形成するために、工程(ii)からの1以上のアシル化された二級アルコールアルコキシラートの加水分解またはエステル交換を含む工程(iii)を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
−請求項9に記載の方法によって二級アルコールアルコキシラートを調製する工程;および
−二級アルコールアルコキシラートをスルファート化する工程
を含む、二級アルコールアルコキシスルファートを製造するための方法。

【公表番号】特表2012−506895(P2012−506895A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533713(P2011−533713)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064241
【国際公開番号】WO2010/049465
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(590002105)シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー (301)
【Fターム(参考)】