説明

アタッチメントおよび該アタッチメントを使用したかばん

【課題】従来の接合器具において、例えば2枚の布片に対する接合器具としてファスナーを用いた場合、接合された布片の脱着時に周囲の布をまきこむ、いわゆる「噛んだ」状態になったり、マジックテープを用いた場合には、着脱が繰り返されると接合力が弱くなってしまい、ファスナーと比べてもその耐久性はかなり低い。また、ファスナーやマジックテープは、一度加工されたサイズについては延長することが出来なかった。
【解決手段】帯状の本体11の長辺に複数の球体部12が付されたオス部10と、帯状の本体21の長辺に複数の環状受け部22を有するメス部20と、を対として有し、球体部12は環状受け部22に対して着脱可能である。オス部10およびメス部20はそれぞれ、帯状の本体11,21の一方端に凸部14,23を、他方端に該凸部に着脱可能な凹部15,24を有することで、長さ調整が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる部材を接合するアタッチメント、および該アタッチメントを使用したかばんに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばある布片に対して他の布片を着脱可能なように接合するような、いわゆる脱着機能を有する器具としては、ファスナーやマジックテープ等が用いられていた。これらファスナーやマジックテープは、接合対象の布片に対し、例えば縫い付けられることによって固定されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記ファスナーやマジックテープ等の従来の接合器具においては、以下のような問題があった。例えば、2枚の布片に対する接合器具としてファスナーを用いた場合、接合された布片の脱着時には、周囲の布をまきこむこと、いわゆる「噛んだ」状態になったり、横へ引っ張る力のかかり方によっては接合部が外れてしまい、故障することが多かった。また、接合器具としてマジックテープを用いた場合には、着脱が繰り返されると接合力が弱くなってしまい、ファスナーと比べてもその耐久性はかなり低い。
【0004】
また、ファスナーやマジックテープは、一度加工されたサイズについては延長することが出来なかった。
【0005】
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、脱着時に周囲の布を巻きこまず、接合部が故障することもなく、高い耐久性を有するアタッチメントを実現することを目的とする。
【0006】
さらに、接合部の長さ調整を容易に可能とするアタッチメントを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための一手段として、本発明のアタッチメントは以下の構成を備える。
【0008】
すなわち、帯状の本体の長辺に複数の球体部が付されたオス部と、帯状の本体の長辺に複数の環状受け部を有するメス部と、を対として有し、前記球体部は前記環状受け部に対して着脱可能であることを特徴とする。
【0009】
さらに、前記オス部および前記メス部はそれぞれ、前記帯状の本体の一方端に凸部を、他方端に前記凸部に着脱可能な凹部を有することを特徴とする。
【0010】
例えば、前記オス部および前記メス部はそれぞれ、樹脂により一体成型されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記構成からなる本発明によれば、高い耐久性を有しつつ、接合部が故障することがないアタッチメントが実現される。
【0012】
さらに、接合部の長さ調整を容易に可能とするアタッチメントが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る実施形態としてのアタッチメントの外観図である。
【図2】本実施形態におけるアタッチメントを装着した一例としてのかばんを示す図である。
【図3】本実施形態におけるアタッチメントを装着した一例としてのかばんとカバーを装着する過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明する。なお、本実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されない。
【0015】
図1は、本実施形態におけるアタッチメントの外観を示す図である。図1に示すように本実施形態のアタッチメントは、オス部10とメス部20の対として構成される。オス部10は、帯状の本体11に対し、その長辺に複数個の球体部12が等間隔に脚部13を介して付されている。オス部10の各構成は例えばエラストマ樹脂により一体成型されている。メス部20は、帯状の本体21に対し、その長辺に複数個の環状受け部22が等間隔に付されており、オス部10と同様にエラストマ樹脂で一体成型されている。オス部10における球体部12は、メス部20における環状受け部22に対して着脱可能であり、球体部12の数と、環状受け部22の数は同数である。すなわち、オス部10における複数個の球体部12のそれぞれが、メス部20において対応する環状受け部22と接合することによって、オス部10とメス部20とが接合する。なお、球体部12と環状受け部22の接合は、環状受け部22の環状部(穴)内に、球体部12を例えばユーザの手操作により押圧し、これを挿し込むことによって行われる。したがって、球体部12の径は環状受け部22の環状部内径よりも大きくする必要がある。具体的には球体部12の径は6mmに対して、環状受け部22の内径は4.8mmの寸法となる。
【0016】
なお、22の穴の形状は円形ではなく凸部を帯状の本体21側に向けたしずく形になっている。これにより、22の穴を円形にした場合よりも、球体部12をはめやすく、しかし、抜けにくい構造になっている。
【0017】
オス部10はさらに、帯状の本体11の両端に、凸部14および凹部15を有する。凸部14は凹部15に接続が可能であり、これにより、オス部10として複数の本体11を接続することができる。メス部20についても同様に、帯状の本体21の両端に凸部23および凹部24を有し、複数の本体21を接続することができる。したがって本実施形態のアタッチメントにおいては、オス部10およびメス部20を伸長することが可能である。
【0018】
なお、16はオス部10の断面形状であり、25はメス部20の断面形状である。
【0019】
また、30は本実施形態のアタッチメントにおける付属部品である。付属部品30は2穴の環状受け部31、外部部材取り付け部32を有し、該2穴はそれぞれ、メス部20の環状受け部22と同様の形状をなす。
付属部品30の一方の穴がオス部10の球体部12に装着され、もう一方の穴にチェーンなどの外部部材(装飾品等)を装着することができる。
【0020】
なお、33は付属部品30の断面形状である。
【0021】
図2に、本実施形態のアタッチメントをかばんに装着した例を示す。図2において、40はかばん本体、50はかばん本体40を被覆可能なカバー本体である。かばん本体40は2枚の布を張り合わせた形状からなり、この張り合わせ部41に本実施形態のアタッチメントにおけるオス部10を用いる。すなわち、図2に示す42がオス部10の球体部12であり、オス部10の本体11は張り合わせ部41の縫い代として機能する。なお、オス部10としては張り合わせ部41の全長分の長さが必要であるが、これは所定単位長からなるオス部10の複数個を、その凸部14と凹部15とで接続することによって実現される。
【0022】
カバー本体50は、例えばデザインを変更する等の目的によってかばん本体40を被覆するものであり、アタッチメントにおけるメス部20がその縁に装着される。なお、カバー本体50におけるメス部20の装着位置は、かばん本体40に装着されたオス部10に対応する位置であることはもちろんである。
【0023】
かばん本体40にカバー本体50を装着する際、オス部41の球体部42を、メス部51の環状受け部52に差し込むことでアジャストさせる。これにより、装着状態60となる。図3に示す70は、かばん本体40にカバー本体50を装着する途中を表しており、かばん本体40左上部についてカバー本体50が未装着状態である。すなわち、ユーザはかばん本体40に対してカバー本体50を任意に着脱可能とすることで、好みのカバーデザインへの取替えを容易に行うことができ、デザイン性が向上する。
【0024】
図2に示すように、かばん本体40の張り合わせ部41、すなわち、かばんの縁取りとして、エラストマ樹脂により一体成型された本実施形態のアタッチメント(この例ではオス部10)を適用することにより、単なる縫製を行った場合と比べてバッグ本体40の強度は格段に増す。したがって、かばんとしての耐久性も向上し、型崩れを防止することができる。
【0025】
以上説明したように本実施形態によれば、耐久性とデザイン性を保持しながら、縫製が容易でかつ長さ調整が自在であるアタッチメントが実現される。
【0026】
また、ファスナーに比べて故障しずらいことも特性となっている。
【0027】
なお、本実施形態では図2に示すように、アタッチメントをかばんに対する付属品の脱着に適用する例を示したが、本発明のアタッチメントの適用は、かばん等の服飾雑貨品に限定されない。また、2枚の布片に対して本発明のアタッチメントを適用する例を示したが、本発明のアタッチメントは他の部材に対しても適用可能である。
【0028】
なお、球体部12は必ずしも球形である必要はなく、環状受け部22と接合可能であればどのような形状であっても構わない。同様に、環状受け部22についても、その環状(穴)は図1に示したしずく形に限らない。
【符号の説明】
【0029】
10 オス部
11 帯状の本体
12 球体部
13 脚部
14 凸部
15 凹部
16 断面
20 メス部
21 帯状の本体
22 環状受け部
23 凸部
24 凹部
25 断面
30 付属部品
31 環状受け部
32 外部部材取り付け部
33 断面
40 かばん本体
41 貼り合わせ部
42 球体部
50 カバー本体
51 メス部
52 環状受け部
60 装着状態
70 装着途中状態

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の本体の長辺に複数の球体部が付されたオス部と、帯状の本体の長辺に複数の環状受け部を有するメス部と、を対として有し、前記球体部は前記環状受け部に押圧することによって、該環状受け部に対して着脱可能であることを特徴とするアタッチメント。
【請求項2】
さらに、前記オス部および前記メス部はそれぞれ、前記帯状の本体の一方端に凸部を、他方端に前記凸部に着脱可能な凹部を有することを特徴とする請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記オス部および前記メス部はそれぞれ、樹脂により一体成型されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
さらに、2穴を有し、その一方の穴が前記球体部に装着された際に、他方の穴が外部部材を装着することが可能な機能を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアタッチメントにおける前記オス部または前記メス部の帯状の本体を縁取りとして使用したかばん。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−36614(P2011−36614A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202038(P2009−202038)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(509164979)株式会社ドゥアドゥア (1)
【Fターム(参考)】