説明

アデノウイルスベクターの生産方法およびそれによって生成されるウイルス調製物

本発明は、そのいつくかの態様において、アデノウイルス、例えば血管新生促進および抗血管新生アデノウイルスベクターを生産する方法、ならびにそれによって生成される調製物に関する。特に、いくつかの態様において、ウイルスベクターは、血管新生性内皮における標的化された発現のために、マウスプレプロエンドセリンプロモーター(例えば、PPE-1-3X)の転写制御の下に、異種性の血管新生促進または抗血管新生遺伝子を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2010年1月12日出願の米国仮特許出願第61/294,158号の35 USC 119(e)の下での優先権の恩典を主張し、その内容全体を参照により本明細書に組み入れる。
【0002】
発明の分野および背景
本発明は、そのいつくかの態様において、アデノウイルス、例えば抗血管新生アデノウイルスベクターを生産する方法、およびそれによって生成される調製物に関する。
【背景技術】
【0003】
血管新生は、既存の血管からの出芽による新しい毛細血管の形成のことであり、これは、腫瘍において起こり、それらの成長、浸潤および転移拡散を可能にする。抗腫瘍処置のための抗血管新生アプローチは、静脈内投与によるアクセスのよさ、変異の少なさ、および腫瘍の殺傷に対する増幅効果が理由で、これらの新規の血管を標的にする。新しく形成された血管の内皮細胞(EC)は、それらのアポトーシスを誘発する抗血管新生因子、例えばアンギオスタチンおよびエンドスタチンの影響を受ける。対照的に、bFGFおよびVEGF等の血管新生促進因子は、細胞の生存に寄与する。直接的かつ特異的なECのアポトーシスの誘導は、抗血管新生性および血管新生促進性のシグナル間のバランスを破壊し、それによって腫瘍への血液供給を遮断すると考えられる。
【0004】
遺伝子治療アプローチによるECの形質導入標的化は、使用される血管特異的プロモーターの効率の悪さが障害になっている。
【0005】
米国特許第5,747,340号(特許文献1)は、血管新生性細胞に対して特異性を示すマウス内皮細胞特異的プロモーターの使用およびその治療適用を教示している。
【0006】
国際出願WO/2008/132729(特許文献2)は、改変マウスプレプロエンドセリンプロモーター(PPE-1-3X)およびfasキメラ導入遺伝子[Fasおよびヒト腫瘍壊死因子(TNF)受容体]を含む非複製性アデノウイルスベクター(Ad5、E1欠失)を構築したこと、この中でこの改変マウスプロモーター(PPE-1-3X)はfasキメラ導入遺伝子の発現を血管新生性血管に制限し、それによってこれらの血管の特異的アポトーシスを誘導することができることを開示している。
【0007】
PPE-1-3Xプロモーターを用いる内皮特異的遺伝子療法は、宿主に対するウイルスの相互作用(例えば、トランスフェクション)の特異性を高めるものではなく、導入遺伝子の発現をこの改変プロモーターを内因的に認識する組織、血管新生性内皮細胞に制限するものである。このキメラ受容体は、TNFαに結合することによりFas経路を誘起することができ、これは、非腫瘍性の正常組織、例えば肝臓において高度に発現されるFas/Fasリガンド機構を用いるよりも非腫瘍組織における毒性が小さい。さらに、TNFαは腫瘍のミクロ環境に豊富に存在し、それにより腫瘍およびその周囲における導入遺伝子の活性の特異性が高められることが見出された。これらの知見は、PPE-1-3Xプロモーターの調節下にあるfasキメラ(PPE-1-3X-fas-c)が、強力な抗腫瘍薬として使用できることを示唆している。
【0008】
国際出願WO2008/132729(特許文献2)は、シス作用性マウスプレプロエンドセリンプロモーターの転写制御下にある条件複製性アデノウイルス(CRAD)コンストラクトである腫瘍崩壊作用物質を開示している。2つの主要なCRADベクター構築ストラテジーが開発され、これらはウイルスの複製を標的細胞に制限し正常組織を利用しないようにする初期1(E1)遺伝子の遺伝子操作に大いに着目している。遺伝的補完型(1型)CRAd、例えばAd524は、最初期(E1A)または初期(E1B)アデノウイルス領域に変異を有し、これは腫瘍細胞で補完されるが正常細胞では補完されない。トランス補完型(2型)CRAdでは、ウイルスの複製は、腫瘍/組織特異的プロモーターを通じて制御される。改変プレプロエンドセリンプロモーター(例えばPPE-1 3X)の転写制御下というアデノウイルスの配置は、発現の血管新生特異性を高め、これは、転移性、腫瘍および癌関連状態の処置のための新規かつ強力な解決法を提供するのに使用できる。これらのコンストラクトは、インビトロでの血管新生性内皮細胞の成長および発展の選択的阻害に有効であり、かつ、インビボでの過剰な新血管形成に関連する疾患および状態の処置に有効であることが立証された。
【0009】
国際出願WO2008/132729はさらに、改変マウスプレプロエンドセリンプロモーター(PPE-1-3X)および自殺導入遺伝子(チミジンキナーゼ、TK)を含む非複製性アデノウイルスベクター(Ad5、E1欠失)を教示している。「自殺遺伝子療法」は、癌細胞内で不活性プロドラッグを活性治療作用物質に変換するものである。自殺遺伝子療法で最も広く使用されている遺伝子は、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV-TK)とガンシクロビル(GCV)の組み合わせである。HSV-TK/GCVの細胞毒性機構は最近の研究により特徴付けられている。これらの研究は、G2-M DNA損傷チェックポイントの活性化により細胞周期がS期後期またはG2期で停止することを明らかにした。これらのイベントは、不可逆的な細胞死および細胞死関連のバイスタンダー効果を導くことが見出された。顕著な細胞の肥大化は、HSV-TK/GCV系を投与された細胞における周知の形態学的変化である。これらの形態学的変化は、特異的な細胞骨格の再配列によるものである。ストレスアクチンファイバーおよび厚い中間径フィラメントの網が、細胞周期停止後に見られる。自殺遺伝子をマウスプレプロエンドセリンプロモーター(PPE-1-3X)の転写制御下に置くことで、自殺遺伝子の発現を血管新生性血管に制限し、それによってこれらの血管の特異的アポトーシスをもたらすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,747,340号
【特許文献2】国際出願WO/2008/132729
【発明の概要】
【0011】
発明の要旨
本発明のいくつかの態様の一つの局面によれば、アデノウイルスの大規模生産方法であって、マウスプレプロエンドセリンプロモーターを含むアデノウイルスを感染させたPER.C6細胞を無血清懸濁培養物中で培養する工程を包含し、それによってアデノウイルスを生産する方法、が提供される。
【0012】
本発明のいくつかの態様の一つの局面によれば、アデノウイルスの生産方法であって、マウスプレプロエンドセリンプロモーターを含むアデノウイルスを感染させたPER.C6細胞を、ウイルスの繁殖(viral propagation)に適した条件下、接着培養物中で培養する工程を包含し、それによってアデノウイルスを生産する方法、が提供される。
【0013】
本発明のいくつかの態様によれば、アデノウイルスは、非複製性アデノウイルスおよび条件複製性アデノウイルスからなる群より選択される。
【0014】
本発明のいくつかの態様によれば、非複製性アデノウイルスは、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されているfasキメラ導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む。
【0015】
本発明のいくつかの態様によれば、条件複製性アデノウイルスは、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている。
【0016】
本発明のいくつかの態様によれば、非複製性アデノウイルスは、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている抗血管新生導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む。
【0017】
本発明のいくつかの態様によれば、非複製性アデノウイルスは、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている血管新生促進導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む。
【0018】
本発明のいくつかの態様によれば、非複製性アデノウイルスは、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている自殺導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む。
【0019】
本発明のいくつかの態様によれば、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている条件複製性アデノウイルスは、血管新生促進作用物質または抗血管新生作用物質をコードする非ウイルス異種配列を含まない。
【0020】
本発明のいくつかの態様によれば、自殺導入遺伝子は、チミジンキナーゼのコード配列を含む。
【0021】
本発明のいくつかの態様によれば、アデノウイルスはさらに、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに機能的に連結されている治療作用物質をコードする異種核酸配列を含む。
【0022】
本発明のいくつかの態様によれば、異種核酸配列は、アポトーシス遺伝子を含む。
【0023】
本発明のいくつかの態様によれば、本発明の方法はさらに、培養工程の後に細胞からウイルスを回収する工程を包含する。
【0024】
本発明のいくつかの態様によれば、回収工程は、感染3-4日後の収穫点(POH)および5のMOIで行われる。
【0025】
本発明のいくつかの態様によれば、培養工程は、5〜100L容量で行われる。
【0026】
本発明のいくつかの態様によれば、培養工程は、25L容量で行われる。
【0027】
本発明のいくつかの態様によれば、培養工程は、50L容量で行われる。
【0028】
本発明のいくつかの態様によれば、培養工程は、100L容量で行われる。
【0029】
本発明のいくつかの態様によれば、培養工程は、使い捨てバッグを用いて行われる。
【0030】
本発明のいくつかの態様によれば、回収工程は、細胞を界面活性剤により溶解させることにより行われる。
【0031】
本発明のいくつかの態様によれば、界面活性剤は、Triton X-100を含む。
【0032】
本発明のいくつかの態様によれば、本発明の方法はさらに、細胞DNAおよび細胞残屑を除去して清澄な原料を得る工程を包含する。
【0033】
本発明のいくつかの態様によれば、原料は、タンジェンシャルフローろ過(TFF)に供される。
【0034】
本発明のいくつかの態様によれば、この方法はさらに、ウイルスペレットを得る工程ならびにウイルスペレットを陰イオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーに供する工程を包含する。
【0035】
本発明のいくつかの態様によれば、fasキメラ導入遺伝子は、配列番号2で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。
【0036】
本発明のいくつかの態様によれば、fasキメラ導入遺伝子は、配列番号3で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。
【0037】
本発明のいくつかの態様によれば、fasキメラ導入遺伝子は、配列番号4で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。
【0038】
本発明のいくつかの態様によれば、マウスプレプロエンドセリンプロモーターは、配列番号5で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。
【0039】
本発明のいくつかの態様によれば、マウスプレプロエンドセリンプロモーターは、配列番号6で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。
【0040】
本発明のいくつかの態様によれば、マウスプレプロエンドセリンプロモーターは、配列番号6で示されるヌクレオチド配列を少なくとも2コピー有するポリヌクレオチドを含む。
【0041】
本発明のいくつかの態様によれば、マウスプレプロエンドセリンプロモーターは、配列番号8で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。
【0042】
本発明のいくつかの態様によれば、マウスプレプロエンドセリンプロモーターは、配列番号7で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。
【0043】
本発明のいくつかの態様によれば、マウスプレプロエンドセリンプロモーターは、配列番号13で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。
【0044】
本発明のいくつかの態様によれば、マウスプレプロエンドセリンプロモーターは、配列番号12で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。
【0045】
本発明のいくつかの態様によれば、非複製性アデノウイルスベクターは、アデノウイルス5ベクターである。
【0046】
本発明のいくつかの態様によれば、アデノウイルス5ベクターは、配列番号9または10で示される核酸配列を含む。
【0047】
本発明のいくつかの態様によれば、前記条件は、血清を含む。
【0048】
本発明のいくつかの態様によれば、回収工程は、凍結解凍によるウイルスの放出により行われる。
【0049】
本発明のいくつかの態様によれば、この方法はさらに、超遠心分離により細胞DNAおよび細胞残屑を除去して清澄な原料を得る工程を包含する。
【0050】
本発明のいくつかの態様によれば、この方法はさらに、清澄な原料をCsCl勾配中で遠心分離する工程を包含する。
【0051】
本発明のいくつかの態様によれば、この方法はさらに、セファデックス脱塩カラムを用いてCsClを除去する工程を包含する。
【0052】
本発明のいくつかの態様の一つの局面によれば、アデノウイルスの大規模生産方法であって、配列番号9または10で示される核酸配列を含むアデノウイルスを感染させたPER.C6細胞を無血清懸濁培養物中で培養する工程を包含し、それによってアデノウイルスを生産する方法、が提供される。
【0053】
本発明のいくつかの態様の一つの局面によれば、アデノウイルスの生産方法であって、配列番号9または10で示される核酸配列を含むアデノウイルスを感染させたPER.C6細胞を、ウイルスの繁殖に適した条件下、接着培養物中で培養する工程を包含し、それによってアデノウイルスを生産する方法、が提供される。
【0054】
本発明のいくつかの態様の一つの局面によれば、本発明のいくつかの局面のいくつかの態様の方法によって生成されかつ図7A〜Bのイオン交換およびサイズ排除クロマトグラフィーのトレースならびに表6の生産物プロフィールを示すウイルス調製物、が提供される。
【0055】
本発明のいくつかの態様の一つの局面によれば、本発明の方法のいくつかの局面のいくつかの態様によって生成されかつ表3の生産物プロフィールを有するウイルス調製物、が提供される。
【0056】
本発明のいくつかの態様の一つの局面によれば、有効成分として本発明のいくつかの局面のいくつかの態様のウイルス調製物を含む薬学的組成物、が提供される。
【0057】
本発明のいくつかの態様の一つの局面によれば、それを必要とする対象において血管新生を減少させる方法であって、対象に治療有効量の本発明のいくつかの局面のいくつかの態様のウイルス調製物を投与する工程を包含し、それによって対象における血管新生を減少させる方法、が提供される。
【0058】
本発明のいくつかの態様によれば、対象は、固形腫瘍を有する。
【0059】
本発明のいくつかの態様によれば、投与工程は、静脈内投与を含む。
【0060】
別途定義がなされていない限り、本明細書で使用されるすべての技術および/または科学用語は、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者により一般に理解されているのと同じ意味を有する。本発明の態様の実施または試験には、本明細書に記載されているのと類似または等価な方法および材料を使用することができるが、以下では例示的な方法および/または材料について記述する。相反がある場合は、定義を含めて本特許明細書が優先される。さらに、これらの材料、方法および実施例は例示にすぎず、必須の制限であることが意図されていない。
【0061】
本発明のいくつかの態様が、添付の図面を参照しつつ、単なる例示として、本明細書に記載されている。ここでは図面の詳細を個別に参照するが、示されている諸事項は例示であり、かつ、本発明の態様の実例による考察を目的とするものであることを強調する。この点、本発明の態様がどのようにして実施され得るかは、図面と共に解説を参照することで当業者に明らかとなることである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、VB-111の生産プロセスの概要を示すフローチャートである。細胞の構築、ウイルスの収穫、ウイルスの精製および最終充填仕上げ作業について示されている。
【図2】図2A〜Bは、PERC.6接着性WCBの適応過程のフローチャートである。RCBは、WCBの13代下流にあたる第52代で凍結させた。
【図3】図3Aは、MVBP6111を細胞あたり1.0 pfuのMOIで感染させたPerC6の総細胞成長および生存率を示すグラフである。3サンプルの平均+/-SDが示されている。図3Bは、MVBP9111を細胞あたり2.5 pfuのMOIで感染させたPERC6の総細胞成長および生存率を示すグラフである。3サンプルの平均+/-SDが示されている。図3Cは、MVBP9111を細胞あたり5.0 pfuのMOIで感染させたPerC6の総細胞成長および生存率を示すグラフである。3サンプルの平均+/-SDが示されている。
【図4】図4は、培養2〜3日目における細胞あたり1.0、2.5および5.0 pfuのMOIの免疫細胞化学(ICC)アッセイの感染粒子力価を示すグラフである。3サンプルの平均±SDが示されている。
【図5】図5は、培養2〜4日目における細胞あたり1.0、2.5および5.0 pfuのMOIのHPLCアッセイのゲノム粒子力価を示すグラフである。3サンプルの平均+/-SDが示されている。
【図6】図6A〜Bは、5Lおよび25L Cultibag(商標)での成長に関するPER.C6細胞の培養データを示すグラフである。(図6A)PER.C6をEx-Cell VPRO培地中で消耗(exhaustion)するまで培養した。生存細胞数、生存率および集団倍加時間が示されている。(図6B)25L CultiBag(商標)を 〜1.5E+06生存細胞/mLの感染点まで培養し(示されている)、次いでVB-111を感染させた。生存細胞数および生存率が示されている。
【図7】図7A〜Bは、代表的なイオン交換およびサイズ排除クロマトグラフィーのトレースである。(図7A - イオン交換クロマトグラフィー)VB-111は濃縮および透析ろ過後に投入した。ウイルスは、500mM NaClにより、単一ピークとして溶出し(差し込みも参照)、典型的なOD260/OD280比は1.25〜1.3であった。(図7B - サイズ排除クロマトグラフィー)IEXカラムから溶出した材料を投入し溶出させた。Ad5ベクターのOD260/OD280比は、1.25〜1.3のあたりのはずである。SDS-PAGE分析は、SEC/GPC工程の間に相当な浄化が達成されることを示している(図8;比較レーン6および8)。この工程の完遂時に、生産物は、原薬(bulk drug substance)に必要とされる力価にまで濃縮され、このステージで任意のさらなるバッファー交換工程が行われる。
【図8】図8は、5L開発実施におけるインプロセスおよび最終の薬物生産物のアイデンティティおよび純度分析を示す画像である。示されたプロセス工程における還元タンパク質サンプルをSDS-PAGEにより分析し、CsCl-2回分離(double banded)参照VB-111と比較した。ヘキソンバンド(AD5において最も豊富なタンパク質)が示されている。
【図9】図9A〜Bは、2〜8℃でのインプロセス安定性を示すグラフである。HPLC(図9A)およびICC(図9B)により、2-8℃で0、24および48時間の保持時間における、それぞれ、ゲノムおよび感染力価について、ウイルス材料を分析した。材料はTFF、IEXおよびSEC工程後に分析した。
【図10】図10は、バックボーンコスミドpWE.Ad.AfAfIII-rITRspを示す概略図である。
【図11】図11は、アダプタープラスミドpAdAptを示す概略図である。
【図12】図12は、PPE-1-(3X)-Fas-cカセットを示す概略図である。
【図13】図13は、AdApt-PPE-1-3X-Fas-cをPPE-1-3X-Fas-c遺伝子インサートと共に示す概略図である。
【図14】図14は、ベクターAdPPE-1(3x)-TKの直線状の概略マップを示す。
【図15】図15は、ベクターCRAd-PPE-1(3X)の直線状の概略マップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
発明の具体的態様の解説
本発明は、そのいつくかの態様において、アデノウイルスベクター、例えば抗血管新生アデノウイルスベクターを生産する方法、およびそれによって生成される調製物に関する。
【0064】
本発明の少なくとも一つの態様の詳細を説明する前に、本発明は、その応用に関して、以下の解説に示されるまたは実施例により例証される詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の態様をとり得るし、または様々な方法で実施もしくは実行することができる。
【0065】
血管新生は、新生物性および過剰増殖性の成長の進展に必要となる。新血管形成に関連する状態、例えば癌に対する抗血管新生療法のための遺伝子療法については研究が行われ、インビトロ実験および動物モデルでは期待の持てる結果が得られたものの、臨床設定下での抗血管新生遺伝子療法による成功例はほとんどなく、これは、導入された遺伝子の発現期間、宿主免疫系の誘導、ベクターの細胞毒性および発現の組織特異性を含む弊害によるものであると考えられる。
【0066】
本発明者らは、マウスプレプロエンドセリンプロモーターを含むアデノウイルスベクターの生産のための新規のプロトコルを発明した。このプロモーターは、血管新生性細胞に対する選択性を示し、したがって多くの治療用途で使用することができる。
【0067】
本明細書および実施例のセクションは、改変マウスプレプロエンドセリンプロモーターならびに細胞培養物中で容易に生産され得るfasおよびヒト腫瘍壊死因子(TNF)受容体キメラ導入遺伝子を含む、非複製性アデノウイルスベクター(Ad-5、E1およびE3欠失)からなる抗血管新生作用物質であるPPE-1-3X-Fas-c(本明細書ではVB-111とも称される)を含むウイルスベクターの生産に重点を置いている面があるかもしれない。しかし、この解説はこのアポトーシス作用物質の生産に限定的であることを目的とするものではなく、本発明の教示はその他の治療作用物質も想定している。
【0068】
用語全般
PER.C6は、Crucell(商標)(wwwdotcrucelldotcom)から入手可能な、持続分裂性のヒト細胞株を意味する。PER.C6細胞株は、導入遺伝子カセットの5'末端のE1Aプロモーターおよび3'末端のポリA配列がそれぞれヒトホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーターおよびB型肝炎ウイルス(HBV)転写終結配列で置き換えられている点で、それ他のアデノウイルス補完細胞株、すなわちHER911およびHEK293と区別できる。結果として、PER.C6細胞株のE1発現カセットは、Ad5由来の3052bp(bp459-3510)のみを含む。PER.C6細胞に組み込まれているE1配列と典型的なE1欠失アデノウイルスの配列との間の相同性の欠如は、相同組み換えを通じた複製能補完アデノウイルス(RCA)の形成を妨げ、したがって体内でのウイルス複製の可能性を排除する。
【0069】
本明細書中で使用される場合、アデノウイルスという語句は、ウイルス粒子中の核酸分子の中の、ウイルスとして機能するのに必要な配列が、アデノウイルスゲノムに基づいているベクターを意味する。
【0070】
特定に態様によれば、アデノウイルスベクターは、血清型5(Ad5)である。
【0071】
アデノウイルスは、組み換えDNAの形態でまたは本件の場合はタンパク質の形態で、標的化療法を実施するためのビヒクルとして使用される。
【0072】
別の態様によれば、アデノウイルスは、配列番号1または配列番号11で示される配列を含む。
【0073】
本発明の態様によれば、アデノウイルスは、非複製性アデノウイルスおよび条件複製性アデノウイルスからなる群より選択される。
【0074】
本明細書中で使用される場合、「条件複製性アデノウイルス(conditionally replicating adenovirus; CRAD)」は、癌細胞中で自身を再生産し、その後最初に感染した細胞を溶解により死滅させる腫瘍崩壊性アデノウイルスを意味する。そのようなウイルスは続けて隣接細胞に感染し、そしてこのサイクルを繰り返す。特定の態様によれば、本明細書で使用されるCRADベクターでは、E1プロモーターが改変プレプロエンドセリン-1プロモーターPPE-1 3Xで置き換えられているため、非内皮細胞の生存率を低下させることなく内皮細胞の生存率を効果的に(90%)低下させる。
【0075】
したがって、改変プレプロエンドセリンプロモーター(例えば、PPE-1 3X)の転写制御下というアデノウイルスの配置は、発現の血管新生特異性を高め、これは、転移性、腫瘍および癌関連状態の処置のための新規かつ強力な解決法を提供するのに使用できる。そのような血管新生特異的CRADコンストラクトは、本明細書の既出箇所で詳述されているように、関心対象の配列と連結させて提供することができるし、または、そのウイルスコンストラクト形態では、非ウイルス異種配列(例えば、血管新生性または非血管新生性)を含まないようにすることができる。
【0076】
あるいはまたは加えて、本発明者らは、本明細書中に記載されるような複製欠損性アデノウイルスベクターの使用を想定している(実施例3参照)。
【0077】
本明細書中で使用される場合、「非複製性ウイルス」または「複製欠損性アデノウイルスベクター」という語句は、核酸分子を宿主に移行させることができる複製能を欠くウイルス粒子を意味する。
【0078】
特定の態様によれば、このアデノウイルスはさらに、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに機能的に連結されている治療作用物質をコードする異種核酸配列を含む。
【0079】
プレプロエンドセリンプロモーターのいくつかの態様の解説は、以降で提供される。
【0080】
特定の態様によれば、治療作用物質は、細胞を死滅させる、すなわち壊死もしくはアポトーシスによる細胞毒性を示す、または少なくとも細胞成長を停止させる、すなわち細胞増殖抑制性を示す核酸(例えば、アンチセンス、siRNA、リボザイム等のようなサイレンシング作用物質)またはペプチドもしくはポリペプチド生産物を意味する。
【0081】
特定の態様によれば、細胞毒性作用物質は、アポトーシス遺伝子を含む。
【0082】
異種核酸配列はプレプロエンドセリンプロモーターの転写制御下に置かれるため、その治療効果は、プロモーターが活動する血管新生性細胞に向けられる。
【0083】
本明細書中で使用される場合、「血管新生性細胞」という語句は、血管新生プロセスに参加または寄与する任意の細胞を意味する。したがって、血管新生性細胞には、内皮細胞、平滑筋細胞が含まれるがこれらに限定されない。
【0084】
本発明の一つの好ましい態様において、治療作用物質の発現は、血管新生性細胞の部分集団に向けられる。治療作用物質の特異的発現を血管新生性細胞の部分集団に向けるために、異種核酸配列は、例えばFas、TNFRおよびTRAILのような細胞毒性分子のエフェクタードメインに融合されている、例えば受容体チロシンキナーゼ、受容体セリンキナーゼ、受容体スレオニンキナーゼ、細胞接着分子またはホスファターゼ受容体の細胞表面受容体ドメインであり得るリガンド結合ドメインを含むキメラポリペプチドをコードしている。
【0085】
そのようなキメラポリペプチドは、リガンド結合ドメインの活性化すなわちリガンドへの結合を通じたリガンド結合ドメインの活性化が細胞毒性分子のエフェクター効果を通じた細胞毒性を誘起する限り、任意の細胞毒性ドメインに融合された任意のリガンド結合ドメインを含み得る。
【0086】
リガンド結合ドメインおよびそれに融合させる細胞毒性発生ドメインの選択は、アポトーシスの標的にする血管新生性細胞の類型に影響される。例えば、内皮細胞の特定のサブセット(例えば、増殖性の内皮細胞または腫瘍の表現型を示す内皮細胞)を標的化する場合、キメラポリペプチドは、そのような内皮細胞の環境に本来的に存在するそして好ましくは他の非標的組織の内皮細胞に存在しないリガンド(例えば、TNF、VEGF)に結合することができるリガンド結合ドメインを含む。そのようなリガンドは、内皮細胞により分泌されるもの(自己分泌性)、隣接腫瘍細胞により分泌されるもの(傍分泌性)またはこれらの内皮細胞に特異的に標的化されるものであり得る。
【0087】
特定の態様によれば、キメラポリペプチドは、Fas-cキメラを意味し、これについては本明細書中以降に詳細に記載されている。特定の態様によれば、ウイルスベクターは、以降に詳細に記載されるような、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されているfasキメラ導入遺伝子を含む非複製性アデノウイルスを含む。
【0088】
あるいは、異種核酸作用物質は、プロドラッグを毒性化合物に変換することができる自殺遺伝子をコードし得る。
【0089】
本明細書中で使用される場合、「自殺遺伝子」は、単独でまたは他の化合物(プロドラッグ)の存在下で細胞死を引き起こす生産物をコードする核酸配列である。上記のコンストラクトは自殺コンストラクトの一例をあらわすにすぎないことを理解されたい。
【0090】
特定の態様によれば、自殺遺伝子は、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV-TK)を意味し、これはガンシクロビル(GCV)と組み合わせた場合にその投与により細胞死を引き起こす。
【0091】
さらなる例は、水痘帯状疱疹ウイルスのチミジンキナーゼおよび5-フルオロシトシンを強毒性化合物5-フルオロウラシルに変換することができる細菌遺伝子シトシンデアミナーゼである。
【0092】
本明細書中で使用される場合、「プロドラッグ」は、毒性生産物、すなわち腫瘍細胞に対して毒性の生産物に変換できる、本発明の方法において有用な任意の化合物を意味する。
【0093】
プロドラッグは、本発明の方法において有用なベクター中の治療用核酸配列(自殺遺伝子)の遺伝子産物により毒性生産物に変換される。そのようなプロドラッグの代表例は、インビボでHSV-チミジンキナーゼにより毒性化合物に変換されるガンシクロビルである。ガンシクロビル誘導体はその後、腫瘍細胞に対して毒性を示す。その他のプロドラッグの代表例には、アシクロビル、FIAU[1-(2-デオキシ-2-フルオロ-.ベータ.-D-アラビノフラノシル)-5-ヨードウラシル]、VZV-TK用の6-メトキシプリンアラビノシド、およびシトシンデアミナーゼ(cytosine deambinase)用の5-フルオロシトシンが含まれる。好ましい自殺遺伝子/プロドラッグの組み合わせは、細菌シトシンデアミナーゼと5-フルオロシトシンおよびその誘導体、水痘帯状疱疹ウイルスTKと6-メチルプリンアラビノシドおよびその誘導体、HSV-TKとガンシクロビル、アシクロビル、FIAUまたはそれらの誘導体である。
【0094】
特定の態様によれば、アデノウイルスは、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されているfasキメラ導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む非複製性アデノウイルスである。
【0095】
特定の態様によれば、アデノウイルスは、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている条件複製性アデノウイルスである。
【0096】
特定の態様によれば、アデノウイルスは、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている自殺導入遺伝子(例えば、チミジンキナーゼ)を含むポリヌクレオチドを含む非複製性アデノウイルスである。
【0097】
本発明のいくつかの局面のいくつかの態様によれば、異種核酸作用物質は、(血管新生を誘導することができる)血管新生促進作用物質または(血管新生を阻害することができる)抗血管新生作用物質をコードし得る。いくつかの態様によれば、異種核酸は、血管新生促進作用物質である。以下は、血管新生を誘導することができかつ本発明のいくつかの態様による核酸コンストラクトに含めることができる発現可能な核酸配列(遺伝子)の非限定的なリストである(そのいくつかは、その全体が参照により本明細書に組み入れられるBurton ER and Libutti SK. "Targeting TNF-α for cancer therapy"; Journal of Biology, 2009, Minireview, 8:85に記載されている):内皮の増殖および遊走に影響する因子、例えば、血管内皮成長因子(VEGFファミリー、例えばVEGFA、GenBankアクセッション番号NM_001025366.2)、線維芽細胞成長因子(FGFファミリー、例えばFGF2 GenBankアクセッション番号NM_002006)、血小板由来成長因子(PDGFB GenBankアクセッション番号NM_002608)、上皮成長因子(EGF)、低酸素誘導因子(HIF1α;GenBankアクセッション番号NM_001530)およびHIF1α三重変異体[その全体が参照により本明細書に組み入れられるWO/2008/015675に記載のP402A、P564G、N803A]。
【0098】
本発明のいくつかの態様によれば、発現可能な核酸配列は、血管新生を阻害することができるものである。
【0099】
以下は、血管新生を阻害することができる発現可能な核酸配列の非限定的なリストである(そのいくつかは、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2010年4月10日にオンライン発行されたAlbini A., et al. "Functional genomics of endothelial cells treated with anti-angiogenic or angiopreventive drugs". Clin. Exp. Metastasisに記載されている)。
【0100】
毒性ポリペプチドまたは自殺ポリペプチド、薬物感受性療法用の細胞毒性プロドラッグ/酵素、例えばガンシクロビル/チミジンキナーゼおよび5-フルオロシトシン/シトシンデアミナーゼ[例えば、大腸菌(E. coli)シトシンデアミナーゼ(CD;例えば、遺伝子ID:944996 ヌクレオチド NC_000913.2(355395..356678)]、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ[TK;例えば、ヒトヘルペスウイルス1 遺伝子ID:2703374、ヌクレオチド NC_001806.1(46672-47802、相補鎖))およびVEGF165B(VEGFA、GenBankアクセッション番号NM_001025366.2)];
【0101】
本発明のいくつかの態様によれば、発現可能な核酸配列は、血管を安定化、機能化および/または成熟させることができるものである。
【0102】
本明細書中で使用される場合、「血管を安定化および/または成熟させる」という語句は、血管の漏出の減少および/または血管の耐久性の向上により適切かつ長期的な血流を実現する様式で、少なくとも内皮細胞もしくは間質細胞(例えば、周皮細胞、平滑筋細胞および線維芽細胞)の生存率を高めること、または周囲組織における内皮細胞間もしくは内皮細胞と間質細胞の間の相互作用を高めること、を意味する。
【0103】
血管を安定化および/または成熟させるのに使用することができる発現可能な核酸配列の非限定的な例には、血小板由来成長因子BB(PDGFB;GenBankアクセッション番号NM_002608;Levanon et al., Pathobiology, 2006; 73(3): 149-58;また、Cao et al. Nature Med. 9: 604-613, 2003)およびANGPT1が含まれる。
【0104】
したがって、本発明の一つの局面によれば、アデノウイルスの生産方法であって、マウスプレプロエンドセリンプロモーターを含むアデノウイルスを感染させたPER.C6細胞を、ウイルスの繁殖に適した条件下、接着培養物中で培養する工程を包含し、それによってアデノウイルスを生産する方法、が提供される。
【0105】
本明細書中以降および以下の実施例のセクションで説明されているように、本発明者らは、高度に精製されたウイルス調製物を得ることに成功し、これを第I相臨床試験で使用した。具体的には、接着性PER.C6細胞をT-300cm2フラスコ中で展開(expand)し、感染させ、収穫した。凍結解凍および遠心分離による清澄化(clarification)の後、ウイルスをCsCl勾配中で精製し、バッチあたり30ml、1012 VP/mlの精製物を得た。
【0106】
本発明のこの局面の方法は接着培養条件を使用するので、培養は、PER.C6細胞を播種し、細胞をウイルス感染させることにより開始する。ウイルスは、インキュベーションにより繁殖させる。
【0107】
本発明の教示にしたがいウイルスの繁殖に適する任意の培養培地を使用することができる。そのような培地は、任意の業者、例えばInvitrogen(商標), Incから入手することができる。特定の態様によれば、接着細胞は、DMEM High Glucose(Invitrogen 41966-029)中で成長させる。
【0108】
特定の態様によれば、ウイルスの繁殖に適した条件は、血清の存在を含む。
【0109】
血清は、ヒト血清、動物血清(例えば、ウシ血清もしくはウシ胎仔血清)または血清代替物であり得る。
【0110】
特定の態様によれば、培養物は、動物由来成分を含まない。
【0111】
特定の態様によれば、接着細胞は、10% FCS(Invitrogen 10099-141)中で成長させる。
【0112】
特定の態様によれば、培養(感染)工程は、MOI 5下で72〜96時間行われる。
【0113】
特定の態様によれば、培養工程は、100〜1000、100〜750、200〜750、200〜500、300〜500 cm2フラスコを用いて行われ、また特定の態様によれば、300 cm2フラスコを用いて行われる。
【0114】
十分なウイルス力価が得られた後、アデノウイルスを培養物から回収する。
【0115】
当技術分野で公知の任意の方法が、細胞からウイルスを放出させるのに使用することができる。その例には、界面活性剤による溶解、凍結解凍および超音波処理が含まれるがこれらに限定されない。
【0116】
特定の態様によれば、ウイルスの回収は、凍結解凍技術により行われる。
【0117】
好ましくは、清澄な原料を得るために、細胞残屑および宿主DNAが除去される。
【0118】
さらなる精製は、CsCl勾配を用いるなどして行われる。特定の態様によれば、原料は、最初に不連続なCsCl勾配中で遠心分離され、その後に連続的なCsCl勾配中で遠心分離される。これにより、細胞溶解産物中に存在する欠陥粒子およびタンパク質ならびに培地、血清および細胞残屑が除去され、ウイルスが臨床適用範囲まで濃縮される。
【0119】
特定の態様によれば、残留Csは、脱塩カラム(例えば、2ラウンドのセファデックス脱塩カラム)を用いて除去される。
【0120】
この時点で、より大きなバッチを得るために、本明細書中以降にさらに記載される適当な試験の後に収穫が行われる場合がある。
【0121】
ウイルスは、PBSを用いるなどしてカラムから溶出させる。
【0122】
最後に、ウイルスは、グリセロールを例えば10%含むPBS溶液を用いて必要濃度(vp/ml)まで希釈される。
【0123】
さらなる態様によれば、組成物は無菌ろ過され、保存用バイアルに入れられる。最終生産物は-65℃またはそれ以下で保存される。
【0124】
この方法により生成されるウイルス調製物もまた、本発明の教示において想定されている。
【0125】
例示的な態様によれば、ウイルス調製物は、質量分析によるアッセイで、0〜200、0〜150、5〜200または5〜150μg/Lの間のCsを含む。
【0126】
別の例示的な態様によれば、ウイルス調製物は、質量分析によるアッセイで、約5μg/Lまたはそれ以下のCsを含む。
【0127】
以下は、血清を用いて成長させた接着細胞において製造されるウイルス調製物の特徴付け試験、インプロセス試験、放出試験および安定性試験に使用できる方法の要約である(表1〜2)。
【0128】
(表1)バッチ放出で使用する方法(血清を用いて成長させた接着細胞において製造されたVB-111)

*PAG(グリセロール添加後の精製バルク)を参照
【0129】
(表2)インプロセス試験で使用する方法(血清を用いて成長させた接着細胞において製造されたVB-111)

【0130】
以下の表3は、接着条件下でPER.C6細胞において成長させたウイルスの最終生産物の一つの態様を提供する。
【0131】
(表3)生産物の仕様(血清を用いて成長させた接着細胞において製造されたVB-111)

*PAG(グリセロール添加後の精製バルク)を参照
【0132】
本発明をさらに実践に移しつつ、PPE-1-3X-Fas-cキメラを病院での商業的使用に導入するため、本発明者らは、第II/III相臨床試験および実際の治療で必要となる大量生産を支援する規模拡大プロセスを開発した。この生産は、高分解能の研究室プロセス、例えばCsCl分離(CsCl banding)を用いて達成される純度に少なくとも匹敵する純度を提供することを目的としている。そのような生産プロセスは、初期/後期ステージの臨床試験および商業的供給のための高力価の製品の製造を可能にする。
【0133】
以下の実施例のセクションで詳述されているように、以前の生産プロトコルは血清中で成長させた接着細胞の使用を伴うものであったのに対して、この規模拡大生産プロセスは、懸濁細胞培養物を用いる無血清生産に適応させた。実施例のセクションで例証されている改良法は、上流での生産に50リットルの使い捨てCultiBag(ウェーブ)を、下流での精製にクロマトグラフィー工程を使用する。
【0134】
この新規の生産プロセスを用いることで、本発明者らは、1010-1011/mLのウイルス力価の粗収穫物を達成することができ、これにより高用量レベルであっても臨床試験用製品の生産を比較的小規模の生産施設で達成可能にした。これらの生産規模はまた、新たに登場した使い捨てシステムをその生産に使用できるようにする。
【0135】
したがって、本発明の一つの局面によれば、特定の非複製性アデノウイルスベクターの大規模生産方法であって、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されているfasキメラ導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む非複製性アデノウイルスベクターを感染させたPER.C6細胞を無血清懸濁培養物中で培養する工程を包含し、それによって特定の非複製性アデノウイルスベクターを生産する方法、が提供される。
【0136】
本明細書中で使用される場合、「大規模生産」という語句は、少なくとも1 x 1012ウイルス粒子/mlのウイルス量および少なくとも3 x 1010 Pfu/mlのウイルス能が得られる少なくとも100mlのバッチ生産(5〜100Lの培養容量で開始する)を意味する。
【0137】
培養容量は、培養培地の容量を意味し、これは典型的には使用する培養バッグの半分の容量である。
【0138】
本明細書中で使用される場合、「無血清」という用語は、血清が存在しない培養培地を意味し、そのためその成分は非常に明確である。
【0139】
無血清培地の使用は、明確性の高さ、挙動の一貫性、精製および下流プロセシングの容易さ、細胞機能の正確な評価、成長性および/または生産性の高さ、生理学的反応の管理の良さが与えられる点で、非常に有益である。
【0140】
培地にはさらに、成長因子および/またはサイトカインが添加され得る。例示的な態様によれば、HEPESおよびグルタミンが培養物に添加される。特定の態様によれば、以下の条件が使用され得る:Ex-cell VPRO培地(Sigma 14561C)、培地中6mMで使用する1M HEPESバッファーpH 7.0〜7.6(Sigma H0887)、培地中10 mMで使用するGlutamax(Invitrogen 35050)。
【0141】
本明細書中で使用される場合、「血清」という用語は、ヒトまたは動物の血清を意味する。
【0142】
特定の態様によれば、培養物は、動物由来の成分を含まない。
【0143】
言及されているように、本発明のこの局面のウイルスベクターは、血管新生性内皮特異的な改変マウスプレプロエンドセリンプロモーターの転写制御下に細胞毒性のfasキメラエフェクター配列を含む。
【0144】
典型的には、そのようなウイルスベクターは、遺伝子組換え技術を用いて構築される - すなわち、組み換えウイルスベクターである。
【0145】
Fasキメラ(Fas-c)ポリペプチドは、以前に記載された、TNFR1の細胞外領域(配列番号2)ならびにFasの膜貫通および細胞内領域(配列番号3)から構築される2つの「死の受容体」の融合物である[Boldin MP et al. J Biol Chem (1995) 270(14): 7795-8;その内容は参照により本明細書に組み入れられる]。
【0146】
一つの態様によれば、Fas-cは、配列番号4で示されるポリヌクレオチドによりコードされる。
【0147】
本明細書中で使用される場合、「プロモーター」という用語は、それに機能的に連結されているポリヌクレオチド配列の、細胞内での構成的または誘導的な様式の転写を指示するDNA配列を意味する。プロモーターはまた、連結されているプロモーターからの転写を刺激するエンハンサーエレメントを含み得る。
【0148】
本明細書中で使用される場合、プレプロエンドセリンプロモーター(pre-pro endothelial promoter)は、哺乳動物由来のプレプロエンドセリン1(PPE-1)プロモーターを意味する。一つの態様において、プレプロエンドセリン1プロモーターは、マウスプレプロエンドセリン-1プロモーター(PPE-1、配列番号13)およびその改変物である。
【0149】
一つの態様によれば、プロモーターは、内皮細胞特異的な転写活性を付与するエンハンサーエレメントを少なくとも1コピー含む。一つの態様によれば、エンハンサーエレメントは、(配列番号6で示される)マウスPPE-1プロモーターの-364bpから-320bpの間の位置で天然に見出されるものである。一つの態様において、プロモーターは、上記のエンハンサーエレメントを少なくとも2つ、より好ましくは3つ含む。特定の態様によれば、プロモーターは、プロモーターDNAの一方の鎖に上記のエンハンサーエレメントを2つ、プロモーターDNAの相補鎖に上記のエンハンサーエレメントを1つ含む。
【0150】
さらに別の態様において、プロモーターは、配列番号8で示される改変エンハンサーエレメントを、場合により他のエンハンサーエレメントと組み合わせて含む。したがって、この態様によれば、プロモーターは、配列番号7で示される配列を含む。
【0151】
別の態様によれば、プロモーターはさらに、少なくとも1つの低酸素応答エレメントを含む - 例えば、配列番号5で示される配列を含む。本発明に関連して使用することができる例示的なプロモーターは、配列番号12で示される配列を含む。この配列は、配列番号5および配列番号7(これ自体、1コピーの配列番号8のいずれかの側面に2コピーの配列番号6を含む)を含む。
【0152】
本発明のこの局面の特定の態様によれば、ウイルスベクターは、配列番号9または10で示される配列からなる。
【0153】
配列番号9または10で示されるAd5-PPE-1-3X-fas-c配列は、核酸座標894〜1036に位置する配列番号7のアンチセンスコピーである配列、ヌクレオチド座標951〜997に位置する配列番号8の単一のアンチセンスコピーである配列;ヌクレオチド座標907〜950に位置する配列番号6の第1アンチセンスコピーである配列;ヌクレオチド座標993〜1036に位置する配列番号6の第2アンチセンスコピーである配列;および823〜866位のセンス方向の配列番号6の第3コピーを含む。
【0154】
本発明のいくつかの態様において、ウイルスベクターは、内皮特異的プロモーターの転写活性を増強または阻害することができる追加のポリヌクレオチド配列を含む。本発明のいくつかの態様の一つの局面によれば、追加のポリヌクレオチド配列は、プレプロエンドセリン(PPE-1)プロモーターのエレメントXの少なくとも6ヌクレオチドを含む単離されたポリヌクレオチドを含み、エレメントXは配列番号6により示される野生型配列を有し、ここで少なくとも6ヌクレオチドは、配列番号6由来の少なくとも2つの連続配列を含み、少なくとも2つの連続配列の各々は少なくとも3ヌクレオチドを含み、少なくとも3ヌクレオチドのうちの少なくとも1つは配列番号6における少なくとも1つのヌクレオチド位置の隣に位置し、配列番号6における少なくとも1つのヌクレオチド位置は
(i)配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1ヌクレオチド;
(ii)配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1ヌクレオチド;
(iii)配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)の少なくとも1ヌクレオチド;
(iv)配列番号17により示される野生型M6配列(GGGTG)の少なくとも1ヌクレオチド;
(v)配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)の少なくとも1ヌクレオチド;
(vi)配列番号20により示される野生型M1配列(GTACT)の少なくとも1ヌクレオチド;および
(v)配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)の少なくとも1ヌクレオチド;
からなる群より選択され、ここで少なくとも1つのヌクレオチド位置は、少なくとも1つのヌクレオチド置換、少なくとも1つのヌクレオチド欠失および/または少なくとも1つのヌクレオチド挿入により配列番号6と比較して変異しており、ただし、少なくとも1つのヌクレオチド位置の変異は配列番号6の21〜24位にヌクレオチドGGTAおよび/または配列番号6の29〜32位にヌクレオチドCATGを生じるものではなく、そのため、単離されたポリヌクレオチドがPPE-1プロモーターに組み込まれレポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼコード配列)の上流に置かれた場合、レポーター遺伝子の発現レベルは、配列番号6が同様にPPE-1プロモーターに組み込まれてレポーター遺伝子コード配列の上流に置かれた場合よりも上方制御または下方制御される。
【0155】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、生物のゲノムまたは全染色体配列において天然に存在するものではない。
【0156】
本明細書中で使用される場合、「天然に存在する」は、自然界で見出される、人為的な改変がないものを意味する。
【0157】
上記のように、エレメントXの少なくとも6ヌクレオチドは、配列番号6由来の少なくとも2つの連続配列を含む。
【0158】
本明細書中で使用される場合、「配列番号6由来の連続配列」という語句は、ヌクレオチドがそれらの由来となる配列番号6の核酸配列におけるものと同じ順序で並んでいる核酸配列(ポリヌクレオチド)を意味する。ヌクレオチドの順番は、先行ヌクレオチドの3'-OHと後続ヌクレオチドの5'-リン酸の間で形成される化学結合(ホスホジエステル結合)により決定されることに留意されたい。
【0159】
本発明のいくつかの態様によれば、少なくとも2つの連続配列の各々は、少なくとも3ヌクレオチド、例えば、配列番号6の3ヌクレオチド、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、10ヌクレオチド、11ヌクレオチド、12ヌクレオチド、13ヌクレオチド、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、25ヌクレオチド、26ヌクレオチド、27ヌクレオチド、28ヌクレオチド、29ヌクレオチド、30ヌクレオチド、31ヌクレオチド、32ヌクレオチド、33ヌクレオチド、34ヌクレオチド、35ヌクレオチド、36ヌクレオチド、37ヌクレオチド、38ヌクレオチド、39ヌクレオチド、40ヌクレオチド、41ヌクレオチドを含む。
【0160】
記載されるように、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号6由来の少なくとも2つの連続配列を含む。本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号6由来の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個の連続配列を含む。
【0161】
本明細書中で使用される場合、ヌクレオチド配列に関する「野生型」という語句は、配列番号6に見られる核酸配列を意味する。例として、野生型M4配列(配列番号15)、野生型M5配列(配列番号16)、野生型M8(配列番号19)、野生型M6配列(配列番号17)、野生型M7配列(配列番号18)、野生型M1(配列番号20)および野生型M3配列(配列番号21)が含まれるがこれらに限定されない。
【0162】
本発明のいくつかの態様によれば、変異は、配列番号6に関連するヌクレオチド位置における少なくとも1ヌクレオチドの挿入である。本発明のいくつかの態様によれば、挿入は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10ヌクレオチド、例えば少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300またはそれ以上のヌクレオチドを含む。
【0163】
変異により挿入される配列は任意の供給源(例えば、種、組織または細胞型)由来のものであり得、そしてエレメントXの配列の供給源に限定されないことに留意されたい。
【0164】
本発明のいくつかの態様によれば、変異は、上記の変異型、すなわち置換、挿入および欠失、の任意の組み合わせである。例えば、配列番号6の1つのヌクレオチド位置は置換変異に供され、配列番号6の別のヌクレオチド位置は欠失または挿入に供されることがある。加えてまたはあるいは、配列番号6の1つのヌクレオチド位置が欠失変異に供され、配列番号6の別のヌクレオチド位置が置換または挿入に供されることがある。加えてまたはあるいは、配列番号6の1つのヌクレオチド位置が挿入変異に供され、配列番号6の別のヌクレオチド位置が置換または欠失に供されることがある。その他の様々な組み合わせも可能であることに留意されたい。
【0165】
本発明の特定の態様によれば、本発明の単離されたポリヌクレオチドにおける変異は、配列番号6の21〜24位にヌクレオチドGGTAおよび/または配列番号6の29〜32位にヌクレオチドCATGを生じない。
【0166】
本明細書中で使用される場合、「PPE-1プロモーターに組み込まれる」という語句は、PPE-1プロモーター配列内に共有結合により共役しているヌクレオチド配列(単離されたポリヌクレオチド)を意味する。
【0167】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドはさらに:
(i)配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)、
(ii)配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)、
(iii)配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)、
(iv)配列番号17により示される野生型M6配列(GGGTG)、
(v)配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT);
(vi)配列番号20により示される野生型M1配列(GTACT)、および
(vii)配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)
からなる群より選択される核酸配列を少なくとも1コピー含む。
【0168】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、任意の公知の(または未知の)プロモーター配列中に(内に)、下流にまたは上流に組み込まれ、それによってそのプロモーターの転写促進活性を調節する(例えば、高める、低下させる、組織特異性を調整する、誘導的または構成的発現を調整する)。
【0169】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、それに機能的に連結されている異種ポリヌクレオチドの内皮細胞における発現を高めるためのものである。そのようなポリヌクレオチドは、エレメントX由来の追加配列の存在下もしくは非存在下、および/またはエレメントX由来の他の変異配列の存在下で、M4および/またはM5の野生型配列を含み得る。
【0170】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)を含む。
【0171】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)を含む。
【0172】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)および少なくとも1コピーの配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)を含む。
【0173】
本発明のいくつかの態様によれば、配列番号6と比較して変異している少なくとも1つのヌクレオチド位置は、配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)の少なくとも1つのヌクレオチドである。そのような単離されたポリヌクレオチドはさらに、野生型M6配列(配列番号17)および/または野生型M7配列(配列番号18)を含み得ることに留意されたい。
【0174】
少なくとも1コピーの配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)および配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号55〜62に提供されている。
【0175】
少なくとも1コピーの配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)および配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号63〜66に提供されている。
【0176】
少なくとも1コピーの配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)、少なくとも1コピーの配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)および配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号67〜70に提供されている。
【0177】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドはさらに、少なくとも1コピーの配列番号20により示される野生型M1配列(GTACT)を含む。
【0178】
少なくとも1コピーの配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)、少なくとも1コピーの配列番号20により示される野生型M1配列(GTACT)および配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号71〜105に提供されている。
【0179】
少なくとも1コピーの配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)、少なくとも1コピーの配列番号20により示される野生型M1配列(GTACT)および配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号106〜136に提供されている。
【0180】
少なくとも1コピーの配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)、少なくとも1コピーの配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)、少なくとも1コピーの配列番号20により示される野生型M1配列(GTACT)および配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号137〜152に提供されている。
【0181】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、それに機能的に連結されている異種ポリヌクレオチドの内皮細胞における発現を低下させる。そのようなポリヌクレオチドは、エレメントX由来の追加配列の存在下もしくは非存在下、および/またはエレメントX由来の他の変異配列の存在下で、M4および/またはM5における変異を含み得る。
【0182】
本発明のいくつかの態様によれば、配列番号6と比較して変異している少なくとも1つのヌクレオチド位置は、配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドである。
【0183】
配列番号46により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号153〜162に提供されている。
【0184】
本発明のいくつかの態様によれば、配列番号6と比較して変異している少なくとも1つのヌクレオチド位置は、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドである。
【0185】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号163〜171に提供されている。
【0186】
本発明のいくつかの態様によれば、配列番号6と比較して変異している少なくとも1つのヌクレオチド位置は、配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドおよび配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドである。
【0187】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号172〜180に提供されている。
【0188】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、それに機能的に連結されている異種ポリヌクレオチドの内皮細胞以外の細胞における発現を高める。そのようなポリヌクレオチドは、エレメントX由来の追加配列の存在下もしくは非存在下、および/またはエレメントX由来の他の変異配列の存在下で、M4および/またはM5における変異ならびにM6および/またはM7の野生型配列を含み得る。
【0189】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、M4(配列番号15)および/またはM5(配列番号16)における変異ならびに少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)および/または少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7を含む。
【0190】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号181〜182に提供されている。
【0191】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号183〜189に提供されている。
【0192】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号190〜191に提供されている。
【0193】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドはさらに、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)を含む。
【0194】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号192〜195に提供されている。
【0195】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号196〜198に提供されている。
【0196】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号199〜202に提供されている。
【0197】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドはさらに、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)および少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)を含む。
【0198】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)および少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号203〜205に提供されている。
【0199】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)および少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号206〜207に提供されている。
【0200】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)および少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号208〜209に提供されている。
【0201】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、それに機能的に連結されている異種ポリヌクレオチドの細胞内発現を低下させる。そのようなポリヌクレオチドは、エレメントX由来の追加配列の存在下もしくは非存在下、および/またはエレメントX由来の他の変異配列の存在下で、M4、M5、M6および/またはM7における変異を含み得る。
【0202】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、野生型M4(配列番号15)および/または野生型M5(配列番号47)ならびに配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)における少なくとも1つの変異を含む。
【0203】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号210〜213に提供されている。
【0204】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号214〜222に提供されている。
【0205】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号223〜231に提供されている。
【0206】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドはさらに、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)における少なくとも1つの変異を含む。
【0207】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号232〜236に提供されている。
【0208】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号237〜240に提供されている。
【0209】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号241〜248に提供されている。
【0210】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドはさらに、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)における少なくとも1つの変異および配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)における少なくとも1つの変異を含む。
【0211】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号249〜258に提供されている。
【0212】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号259〜264に提供されている。
【0213】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号265〜270に提供されている。
【0214】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)と共にエレメントX(配列番号6)由来の追加の野生型または変異配列を含む。
【0215】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号271〜279に提供されている。
【0216】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号280〜287に提供されている。
【0217】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号288〜291に提供されている。
【0218】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号294〜298に提供されている。
【0219】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号299〜301に提供されている。
【0220】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号302〜303に提供されている。
【0221】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号304〜308に提供されている。
【0222】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号309〜311に提供されている。
【0223】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号312〜315に提供されている。
【0224】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号316に提供されている。
【0225】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号317に提供されている。
【0226】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号318に提供されている。
【0227】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号319〜327に提供されている。
【0228】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号328〜333に提供されている。
【0229】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号334〜337に提供されている。
【0230】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号338〜344に提供されている。
【0231】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号345〜348に提供されている。
【0232】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号349〜354に提供されている。
【0233】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号355〜361に提供されている。
【0234】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号362〜365に提供されている。
【0235】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号366〜369に提供されている。
【0236】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)と共にエレメントX(配列番号6)由来の追加の野生型または変異配列を含む。
【0237】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号378〜384に提供されている。
【0238】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号628〜634に提供されている。
【0239】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号370〜377に提供されている。
【0240】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号385〜390に提供されている。
【0241】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号391〜396に提供されている。
【0242】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号397〜401に提供されている。
【0243】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号402〜409に提供されている。
【0244】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号410〜417に提供されている。
【0245】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号418〜423に提供されている。
【0246】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号424〜425に提供されている。
【0247】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号538〜540に提供されている。
【0248】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号426に提供されている。
【0249】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号427〜435に提供されている。
【0250】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号436〜444に提供されている。
【0251】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号445〜451に提供されている。
【0252】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号452〜458に提供されている。
【0253】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号459〜465に提供されている。
【0254】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号466に提供されている。
【0255】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号467〜471に提供されている。
【0256】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号472〜477に提供されている。
【0257】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号478〜483に提供されている。
【0258】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドはさらに、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)と共にエレメントX(配列番号6)由来の追加の野生型または変異配列を含む。
【0259】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号484〜495に提供されている。
【0260】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号496〜507に提供されている。
【0261】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号508〜515に提供されている。
【0262】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号516〜519に提供されている。
【0263】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号520〜523に提供されている。
【0264】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号524〜525に提供されている。
【0265】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号526〜529に提供されている。
【0266】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号530〜533に提供されている。
【0267】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号534〜535に提供されている。
【0268】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号536〜537に提供されている。
【0269】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号538〜539に提供されている。
【0270】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)、少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号540に提供されている。
【0271】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号541〜547に提供されている。
【0272】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号548〜554に提供されている。
【0273】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号555〜559に提供されている。
【0274】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号560〜566に提供されている。
【0275】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号567〜573に提供されている。
【0276】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号574〜578に提供されている。
【0277】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号579〜583に提供されている。
【0278】
配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号584〜588に提供されている。
【0279】
配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異、配列番号17により示される野生型M6(GGGTG)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、配列番号18により示される野生型M7(ACTTT)の少なくとも1つのヌクレオチド位置における変異、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号589〜592に提供されている。
【0280】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの野生型M3配列(配列番号21)および少なくとも1コピーの野生型M8配列(配列番号19)と共に、野生型M6(配列番号17)および/または野生型M7(配列番号50)における少なくとも1つの変異を含む。
【0281】
少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号21に示される野生型M3配列(CTTTT)と共に、野生型M6配列(配列番号17)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異および/または野生型M7(配列番号18)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号593〜600に提供されている。
【0282】
本発明者らは、組織特異的エンハンサー(例えば、野生型M4および/または野生型M5)および/または誘導性エンハンサー(例えば、発達関連またはストレス関連エンハンサー)に加えて野生型M8配列(配列番号19)および/または野生型M3(配列番号21)配列を含む単離されたポリペプチドが、非標的細胞におけるまたは非誘導条件下での発現を抑制することによってより特異的な調節効果を発揮すると見込まれると構想した。
【0283】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および内皮特異的エンハンサー配列を含む。
【0284】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号15により示される野生型M4配列を含む。
【0285】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号16により示される野生型M5配列を含む。
【0286】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)、少なくとも1コピーの配列番号15により示される野生型M4配列および少なくとも1コピーの配列番号16により示される野生型M5配列を含む。
【0287】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)および内皮特異的エンハンサー配列を含む。
【0288】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)および少なくとも1コピーの配列番号15により示される野生型M4配列を含む。
【0289】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)および少なくとも1コピーの配列番号16により示される野生型M5配列を含む。
【0290】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)、少なくとも1コピーの配列番号15により示される野生型M4配列および少なくとも1コピーの配列番号16により示される野生型M5配列を含む。
【0291】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および内皮特異的エンハンサー配列を含む。
【0292】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号15により示される野生型M4配列を含む。
【0293】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)および少なくとも1コピーの配列番号16により示される野生型M5配列を含む。
【0294】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)、少なくとも1コピーの配列番号15により示される野生型M4配列および少なくとも1コピーの配列番号16により示される野生型M5配列を含む。
【0295】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT)、少なくとも1コピーの配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)ならびに少なくとも1つのエンハンサーエレメント、例えば野生型M6(配列番号17)および/または野生型M7配列(配列番号18)を含む。
【0296】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの野生型M8と共に、追加の隣接配列、例えば、少なくとも1コピーの野生型M8配列(配列番号19)、少なくとも1コピーの野生型M7(配列番号18)および/もしくは野生型M9配列(配列番号14、CTGGA)を含み;ならびに/または単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの野生型M8およびM7における少なくとも1つの変異を、M9(配列番号22)と共にまたは伴わずに含む。そのようなポリヌクレオチドは、非特異的レプレッサーとして使用することができる。
【0297】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、それに機能的に連結されている異種ポリヌクレオチドの細胞/組織内での発現を高めるものである。
【0298】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、少なくとも1コピーの配列番号17により示される野生型M6配列(GGGTG)および/または少なくとも1コピーの配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT)を含む。
【0299】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、野生型M6(配列番号17)を少なくとも1コピーおよび野生型M8(配列番号19)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む。
【0300】
野生型M6(配列番号17)を少なくとも1コピーおよび野生型M8(配列番号19)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号23〜26に提供されている。
【0301】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、野生型M7(配列番号18)を少なくとも1コピーおよび野生型M8(配列番号19)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む。
【0302】
野生型M7(配列番号18)を少なくとも1コピーおよび野生型M8(配列番号19)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号27〜28に提供されている。
【0303】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、野生型M6(配列番号17)を少なくとも1コピー、野生型M7(配列番号18)を少なくとも1コピーおよび野生型M8(配列番号19)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む。
【0304】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、野生型M1(配列番号20)を少なくとも1コピーおよび野生型M8(配列番号19)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む。
【0305】
野生型M1(配列番号20)を少なくとも1コピーおよび野生型M8(配列番号19)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号43〜54および601〜632に提供されている。
【0306】
本発明のいくつかの態様によれば、単離されたポリヌクレオチドは、野生型M1(配列番号20)を少なくとも1コピー、野生型M6(配列番号17)を少なくとも1コピーおよび/または野生型M7(配列番号18)を少なくとも1コピーならびに野生型M8(配列番号19)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異を含む。
【0307】
野生型M8(配列番号19)の少なくとも1つのヌクレオチドにおける変異ならびに少なくとも1コピーの野生型M1(配列番号20)、野生型M6(配列番号17)および/または野生型M7(配列番号18)を含む単離されたポリヌクレオチドの非限定的な例は、配列番号29〜42に提供されている。
【0308】
本発明のいくつかの態様により使用することができる単離された調節性ポリヌクレオチドの追加の例は、以下の実施例のセクションに提供されている(配列番号633〜644)。
【0309】
本発明のいくつかの態様の一つの局面によれば、配列番号13により示されるプレプロエンドセリン(PPE-1)プロモーターを含む第1ポリヌクレオチドおよび以下:
(i)配列番号15により示される野生型M4配列(CATTC)、
(ii)配列番号16により示される野生型M5配列(CAATG)、
(iii)配列番号19により示される野生型M8配列(GCTTC)、
(iv)配列番号17により示される野生型M6配列(GGGTG)、
(v)配列番号18により示される野生型M7配列(ACTTT);
(vi)配列番号20により示される野生型M1配列(GTACT)、および
(vii)配列番号21により示される野生型M3配列(CTTTT);
からなる群より選択される核酸配列を少なくとも1コピー含む第2ポリヌクレオチドを含む核酸配列を含む単離されたポリヌクレオチドであって、第2ポリヌクレオチドが配列番号6(エレメントX)ではなくかつ単離されたポリヌクレオチドが配列番号12(PPE-1-3X)ではないポリヌクレオチド、が提供される。
【0310】
本発明のいくつかの態様によれば、野生型M4、M5、M8、M6、M7および/またはM1配列の各々は、配列番号13により示されるPPE-1プロモーターとの関係で頭から尾へ(5'→3')の方向に配置される。
【0311】
本発明のいくつかの態様によれば、野生型M4、M5、M8、M6、M7および/またはM1配列の各々は、配列番号13により示されるPPE-1プロモーターとの関係で尾から頭へ(3'→5')の方向に配置される。
【0312】
本発明のいくつかの態様によれば、野生型M4、M5、M8、M6、M7および/またはM1配列は、他の野生型M4、M5、M8、M6、M7および/またはM1配列との関係でおよび/または配列番号13の方向との関係で、様々な方向(頭から尾へまたは尾から頭へ)および/または順序で配置される。
【0313】
そのようなウイルスベクターの構築は、公知の分子生物学的技術、例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York (1989, 1992)、Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Baltimore, Md, (1989)、Chang et al., Somatic Gene Therapy, CRC Press, Ann Arbor, Mich. (1995)、Vega et al., Gene Targeting, CRC Press, Ann Arbor Mich. (1995)、Vectors: A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses, Butterworths, Boston Mass. (1988)およびGilboa et at. [Biotechniques 4(6): 504-512, 1986]に記載の技術を用いてなされ得る。
【0314】
配列番号9のウイルスの構築については、国際出願WO/2008/132729に記載されており、その内容を参照により本明細書に組み入れる。Ad5-PPE-1-3X-Fas-cベクターの構築については、以下の実施例のセクションの実施例2に非常に詳しく記載されている。
【0315】
本発明の非複製性アデノウイルスは、Crucell(商標)(wwwdotcrucelldotcom)から入手可能なPER.C6(登録商標)細胞に導入される。以下の実施例3には、トランスフェクション試薬リポフェクタミン(商標)(Invitrogen)を用いる例示的な細胞感染プロトコルが記載されている。
【0316】
25L製造プロセスにおける重要な工程の概要が図1に示されている。このプロセスは、初期細胞培養を使い捨ての50Lウェーブ型リアクターで行い、次に細胞の溶解および清澄化およびバッファー交換作業を使い捨てメンブレン技術を用いて行い、次に2工程クロマトグラフィー精製プロセスならびに最終濃縮および処方作業を再度使い捨て技術を用いて行うことに基づく。小規模化モデルは、個人単位の作業のためおよび開発目的のために存在する。このプロセスは規模拡張可能な作業に基づいているので、製造規模は、プロセスを大きく変更することなく、計画されている25Lの製造規模から拡大することもできる。
【0317】
上記の解説は例示を目的とするものにすぎず、本発明の範囲を限定することを意図したものではないことに留意されたい。
【0318】
言及された通り、細胞は、ウイルス収率を高めるよう懸濁物中で成長させる。
【0319】
本明細書中で使用される場合、「懸濁培養」は、適当な培地中に懸濁させた状態で細胞を増加させる培養を意味する(細胞を培養容器に接着させる接着培養の反対)。培養は、使い捨てまたは非使い捨てのバイオリアクター内で行われる。
【0320】
簡潔に言うと、特定の態様によれば、培養は、小フラスコ(例えば、75 cm2)から開始される。最終培養培地に到達するために多工程プロセスが行われ得る。例えば、5Lから25Lへの移行が行われる。したがって、培養は、10L培養(例えばウェーブ培養)から開始され、25Lに拡大される。培養は、好ましくは、以下の実施例のセクションに記載されるように、使い捨てディッシュ/バッグにおいて、例えばウェーブリアクターシステム(例えばウェーブ50-200L)またはStri-Tank、ハイクローンSUB250-500Lを用いて、行われる。
【0321】
特定の態様によれば、培養は、5〜200L培養容量で行われる。
【0322】
特定の態様によれば、培養は、50〜200L培養容量で行われる。
【0323】
特定の態様によれば、培養は、50〜100L培養容量で行われる。
【0324】
特定の態様によれば、培養は、5〜100L培養容量で行われる。
【0325】
特定の態様によれば、培養は、5〜50L容量で行われる。
【0326】
特定の態様によれば、培養は、5〜25L容量で行われる。
【0327】
特定の態様によれば、培養は、25L容量で行われる。
【0328】
特定の態様によれば、培養は、50L容量で行われる。
【0329】
培養は、様々なMOI値が示されるよう展開され、その最適値が回収点(point of recovery)として選択される。
【0330】
以下の段落では、培養後の個々のステージについて説明する。
【0331】
本発明はさらに、培養工程後に細胞から非複製性アデノウイルスベクターを回収する工程を包含する。
【0332】
特定の態様によれば、回収は、感染3〜4日後の収穫点(POH)および5のMOIで行われる。
【0333】
ウイルスを回収するために、細胞を溶解させる。特定の態様によれば、回収工程は、細胞を界面活性剤により溶解させることにより行われる。
【0334】
界面活性剤による細胞溶解は、細胞膜の物理的破壊の代替法であるが、場合により均質化処理および機械的粉砕と組み合わせても使用される。界面活性剤は、脂質:脂質、脂質:タンパク質およびタンパク質:タンパク質の相互作用を破壊することにより、細胞を取り囲む脂質障壁を破壊する。細胞溶解に理想的な界面活性剤は、細胞型および供給源ならびに細胞溶解後の下流側の用途に依存する。一般に、非イオン性および両性イオン性の界面活性剤は、イオン性界面活性剤よりも作用が穏やかであり、そのため細胞溶解の際のタンパク質の変性が少なく、タンパク質の機能または相互作用を維持することが重要となる場合の細胞の破壊に使用される。両性イオン性界面活性剤であるCHAPSおよび非イオン性界面活性剤のTriton Xシリーズが、これらの目的で一般的に使用されている。これに対して、イオン性界面活性剤は、強力な可溶化剤であり、タンパク質を変性させ、それによってタンパク質の活性および機能を破壊する傾向がある。タンパク質に結合しこれを変性させるイオン性界面活性剤であるSDSは、ゲル電気泳動およびウェスタンブロッティングによりタンパク質レベルを評価する研究において広く使用されている。界面活性剤の選択に加えて、最適な細胞溶解のためのその他の重要な検討事項は、バッファー、pH、イオン強度および温度を含む。界面活性剤による溶解のための具体的な条件は、実施例のセクションで提供されている。
【0335】
細胞を溶解させた後、清澄な原料(clear feedstock)を得るために細胞DNAおよび細胞残屑が除去される。清澄な原料は、濃縮ウイルスペレットを得るためにTFF(実施例8参照)に供される。
【0336】
この濃縮ペレットは、ここで、さらなる精製に供される。特定の態様によれば、精製は、ウイルスペレットを陰イオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィー(例えば、図1の「精製」工程におけるIEX捕捉およびゲルろ過洗練処理)に供することにより行われる。精製されたバッチは、処方およびろ過される。
【0337】
特定の態様によれば、0.2μm PES無菌ミニカプセルフィルターを用いて無菌ろ過が行われ、1.1 mlアリコートが1.8 mlクライオバイアルに充填される。
【0338】
別の特定の態様によれば、最終生産物は、ストッパー付きの2〜5 mlのコポリマーバイアル(Topas(登録商標)、高性能シクロオレフィンポリマー)中に保存される。さらに別の態様によれば、最終生産物は、ガラスバイアル、例えばWest Pharmaceuticals製のガラスバイアル(ストッパー付き3〜5 ml)中に保存される。
【0339】
最終生産物は、≦-65℃で保存される。
【0340】
最終処方バッチ(およびそれ以前の任意の工程のバッチ)は、様々な品質管理アッセイ、例えば本明細書中以降に記載されるようなアッセイに供される。
【0341】
インプロセス仕様(in-process specification)(微生物限度、マイコプラズマ)を満たす収穫物がプールされ得る。
【0342】
以下の表4〜5では、生産物の特徴付け試験、インプロセス試験、放出試験および安定性試験を行うための非限定的な分析アッセイが説明されている。
【0343】
(表4)バッチ放出に使用される方法

*原薬(BDS)フラクションに対して実施される試験のいくつかは、最終生産物に対しても実施され得る。
【0344】
(表5)インプロセス試験に使用される方法

【0345】
外観
この試験は、凍結および解凍された最終生産物に関する。最終生産物は、白色または無色である。
【0346】
PCRによるアイデンティティ(インプロセス管理(IPC)試験のみ)
このアッセイは、陽性対照としてのpAC-PPE-1-3X-Fas-C DNAならびにPPE-1-3Xプロモーターの一部およびTNF-R1の一部を含む約750 bpのDNAセグメントを生じる特定のプライマー[

]を含む。このセグメントは最終生産物に固有のものであり、したがって最終生産物の肯定的識別のために使用される。得られるDNAは、アガロースゲルで分析され、陽性対照と比較される。
【0347】
マイコプラズマ
これは、ウイルス収穫物に対して実施するインプロセス試験であり、欧州薬局方、セクション2.6.7に準拠するものである。
【0348】
指標DNA蛍光色素試験および培養アッセイの両方が実施される。試験感度は>100 cfu/mlを検出するのに十分な感度である。
【0349】
マイコプラズマ(PCR)
EZ-PCR Mycoplasma Test Kit(Biological Industries, 20-700)が、マイコプラズマの混入可能性の検出に使用される。サンプル、陽性マイコプラズマ対照および陰性対照サンプル(DNAなし)のすべてについて、マイコプラズマDNAを増幅するよう設計されたプライマーによるPCRが行われる。PCR産物は1%アガロースゲル上で電気泳動され、得られるバンドが目視により比較される。
【0350】
バイオバーデン(微生物限度試験)
これは、ウイルス収穫物に対して実施されるインプロセス試験であり、欧州薬局方のセクション2.6.12、非無菌製品の微生物試験(総生存好気性菌数)(Microbial Examination of Non-Sterile Products (Total Viable Aerobic Count))に準拠するものである。
【0351】
試験感度は、およそ100 cfu/mlを検出するのに十分な感度である。
【0352】
MRC-5、VEROおよびHeLa検出用細胞株を用いるアデノウイルス材料中のウイルス混入の検出のためのインビトロ試験(ウイルスADA - 迷入因子の検出)
試験物は、抗アデノウイルス5型抗体で中和され、その後、MRC-5、VeroおよびHeLa検出用細胞株の培養物を接種するのに使用される。すべての培養物は、細胞変性効果(CPE)の証拠について観察される。接種14日後に、CPEを示さないすべての培養物に対して継代培養が行われる。継代培養物は14日間さらに維持され、CPEについて観察される。培養期間の最後に、培養物は、ウイルス混入の指標として、様々な種由来の赤血球混合物を血球吸着する能力について試験される。対照として、試験物のサンプルがスパイクされ、培養される。試験感度は100 TCID50/mlである。
【0353】
乳飲みマウス、成体マウス、モルモットおよび発育卵(ニワトリ)を用いる不顕性ウイルスの存在に関するインビボ試験
この試験は、FDAの「生物剤の製造に使用する細胞株の特徴付けにおける留意点(1993)(Points to consider in Characterization of Cell Lines Used to Produce Biologicals (1993))」にしたがい行われる。
【0354】
複製能保持アデノウイルス(RCA)の検出
このアッセイでは、3 x 1010 vpのウイルス中のRCAの存在が、ヒト肺癌細胞株A549への接種により検出される。RCAに関連しない干渉および細胞毒性がない適当な接種レベルを確立するためのアッセイが行われる。低レベルのアデノウイルスが培養物の3回の継代により増幅され、各継代で細胞変性効果の証拠について観察される。試験感度は、10-100 TCID50である。
【0355】
宿主細胞DNA残留
リアルタイムPCRが、アデノウイルスE1遺伝子を検出および定量するのに使用される。この遺伝子は、PER.C6宿主細胞中に存在し、ウイルスの繁殖に必須となるものであるが、最終生産物からは除去されている。この遺伝子が検出されない場合、宿主細胞DNAの非存在が推認される。アッセイ感度は、未処理サンプルから抽出された8μlの核酸の試験に基づき、78.13 pg/mlである。
【0356】
PER.C6宿主細胞タンパク質の検出のためのELISA
Elisa法が、VB-111原薬または薬物生産物中に残留する宿主細胞タンパク質(HCP)の検出に使用される。Per.C6 HCPを捕捉するElisaキットがこのアッセイに使用される。サンプルおよび標準は、マイクロタイターウェル中で、一次(マイクロタイターストリップに被覆される)および二次抗体と共にインキュベートされ、その後、色変化を生じる基質が添加される。サンプルを標準曲線と比較することで、VB-111サンプル中の残留HCPを定量することができる。
【0357】
Cs残留
サンプルは、2%硝酸含有精製水溶液中で消化され、その後、ICP(誘導結合プラズマ)質量分析により分析される。サンプル溶液は、空気噴霧により高周波プラズマに導入され、その中でのエネルギー移動プロセスにより脱溶媒和、原子化およびイオン化される。このイオンは、差動排気真空インターフェースを通じてプラズマから抽出され、四重極質量分析装置によりそれらの質量電荷比に基づき分離される。この試験は、0.1μg/mlの定量限度を有する。
【0358】
逆相HPLCによる残留Triton
Triton X-100は、ウイルスの製造プロセスの一部として細胞の溶解に使用される。
【0359】
この手順では、VB-111原薬または薬物生産物において、RP-HPLCによりVB-111サンプル中の残留Triton X-100を決定する。
【0360】
残留ベンゾナーゼ
ベンゾナーゼエンドヌクレアーゼは、細胞DNAレベルを低下させるのに使用される。ELISA法が、ベンゾナーゼの残留レベルの決定に使用される。
【0361】
Elisaキット(Merck)は、サンプル添加用のポリスチレンマイクロタイタープレートのプレコートウェル中に、ベンゾナーゼに特異的なポリクローナル抗体を含む。次に、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合抗ベンゾナーゼ抗体が添加され、そして、TMB(テトラメチルベンジジン、過酸化水素)が、結合したサンドイッチ複合体を可視化するのに使用される。反応は、0.2M H2SO4を添加することにより停止される。このプレートは、マイクロタイタープレートリーダーにより450 nmで読み取られる。
【0362】
ブラッドフォード法によるタンパク質濃度(IPC試験)
この方法は、ローディング量のVB-111精製サンプル中の可溶化タンパク質濃度を決定するのに使用される。試験サンプルと共にBSA標準および参照が検査され、その結果が比較される。
【0363】
純度/アイデンティティのためのSDS-PAGE(IPC試験のみ)
この方法は、後にコロイダルブルーで染色するSDS-PAGEゲルを用い、参照標準との比較でウイルスタンパク質の存在を可視化する。
【0364】
AEX-HPLCを用いるアデノウイルスサンプルの力価の分析および決定(IPC試験のみ)
この方法は、収穫物からBDSへの精製プロセスと平行して使用される。精製プロセスと平行して、HPLC分析を用いる力価の決定が行われる。この方法は、陰イオン交換相HPLCカラムにおいて塩勾配を使用する。
【0365】
免疫細胞化学アッセイによるアデノウイルスの感染力価(IPC試験のみ)
アデノウイルスの感染力価を決定するために免疫細胞化学(ICC)アッセイがインプロセスで使用される。この方法は、ヒトアデノウイルスヘキソンカプシドタンパク質に対する抗体を利用する。感染力価は、3日以内に得られる。
【0366】
pH
USP<791>による。
【0367】
ウイルス粒子の定量
vp/mlの決定は、ウイルスDNAのA260における光学密度による定量に基づく(1 OD260単位は1.1 x 1012ウイルス粒子に等しい、Green and Pina, 1963)。この試験の準備において、SDS溶液がウイルスサンプルに添加され;SDSはウイルスのタンパク質被覆を溶解し、DNAを放出させる。ODは0.05〜1の範囲で読み取られる。
【0368】
このアッセイにおいて参照として使用されるARM - アデノウイルス・リファレンス・マテリアル・ヒューマン、アデノウイルス5参照、ATCC Cat# VR-1516は、FDAにより推奨される範囲内の結果をもたらすことが見出された。
【0369】
プラーク形成単位アッセイによる効力
PFUアッセイは、ベクターの連続希釈物をHEK293細胞のサブコンフルーエント培養物に添加し、アガロースを重層し、37℃でインキュベートし、そしてプラーク形成を追跡することに基づく。プラークは、インキュベーション期間の最後に計数され、その後、ウイルス懸濁物の単位mlあたりのPFU値が計算される。
【0370】
このアッセイにおいて参照として使用されるARM - アデノウイルス・リファレンス・マテリアル・ヒューマン、アデノウイルス5参照、ATCC Cat# VR-1516は、FDAにより推奨される範囲内の結果をもたらすことが見出された。
【0371】
導入遺伝子発現のウェスタンブロット分析
導入遺伝子の発現レベルは、ウェスタンブロット分析において抗ヒトTNF受容体抗体を使用することにより定量される。Fasキメラ導入遺伝子は、ヒトTNFR1(腫瘍壊死因子受容体1)のドメインを含み、したがってこのアッセイにおいて、内皮細胞培養物中の導入遺伝子の発現レベルの定量のための指標タンパク質として使用することができる。発現されたタンパク質のレベルは、10% Bis-Trisゲルおよびその後のh-TNF-R1抗体を用いるウェスタンブロットにより分析されたサンプル中のTNFRバンドの強度と較正標準として使用される様々な投入量(2〜12 ng/ml)のTNF-R1を比較することによって視覚的に決定される。
【0372】
無菌性
PhEur、JPおよびUSP、統一版による。
【0373】
内毒素発色アッセイ
USP<85>による。
【0374】
全体安全性
食品および医薬品 610.11部 安全性総説(2004)(Food and Drugs Part 610.11 General Safety (2004))による。
【0375】
アデノ随伴ウイルス(AAV)の検出
この試験は、リアルタイムPCRにより行われる。標的分子の増幅の進行にともない、プローブの5'末端からレポーター色素が放出され、そしてPCR産物の増加に比例して蛍光が増加する。検出限度は、101 DNAコピーである(MVBおよび早期のバッチにおいて実施)。
【0376】
最終調製物(例えば、上記の大規模プロセスにより生成されるもの)は、図7A〜Bのイオン交換およびサイズ排除クロマトグラフィーのトレースならびに以下の表6の生産物プロフィールにより特徴付けられる。
【0377】
(表6)生産物の仕様(無血清培地中で成長させた非接着細胞において製造)


*試験は、BDSに対してあるいは最終生産物に対して行われ得る。
【0378】
特定の態様によれば、ウイルス調製物は、界面活性剤(例えば、Triton X-100)を含み得る。
【0379】
特定の態様によれば、界面活性剤(例えば、Triton X-100)のトレースは、HPLCによるアッセイにおいて、10〜100、50〜100 ppmの範囲であり、特定の態様によれば、0〜100 ppmの範囲である。
【0380】
さらなる特定の態様によれば、界面活性剤濃度は、HPLCによる決定で、ゼロである。
【0381】
本発明はまた、活性成分として上記のウイルス調製物を含む(例えば、大規模生産方法を用いる)薬学的組成物を想定している。
【0382】
薬学的組成物の目的は、生物への活性成分の投与を容易にすることである。
【0383】
本明細書中で使用される場合、「薬学的組成物」は、本明細書中に記載される1つまたは複数の活性成分(例えば、ウイルスベクター)とその他の化学成分、例えば生理学的に適した担体および賦形剤の調製物を意味する。
【0384】
本明細書中で、「活性成分」という用語は、生物学的効果を担う本発明のウイルスベクターを意味する。
【0385】
本明細書中以降、「生理学的に許容できる担体」および「薬学的に許容できる担体」という語句は、置き換え可能に使用され得、生物に対して有意な刺激を与えずかつ投与される化合物の生物学的活性および特性を打ち消さない担体または希釈剤を意味する。アジュバントは、これらの語句に包含される。
【0386】
本明細書中では、「賦形剤」という用語は、活性成分の投与をさらに容易にするために薬学的組成物に添加される不活性物質を意味する。賦形剤の非限定的な例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖および様々な類型のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油ならびにポリエチレングリコールが含まれる。特定の態様によれば、処方物は、10%グリセロールを含むPBSを含み、これは(例えばi.v.注射による)投与前に、生理食塩水で希釈される(特定の態様によれば、希釈係数は1/5、例えば1mlの薬物と4mlの生理食塩水である)。
【0387】
薬物の処方および投与に関する技術は、参照により本明細書に組み入れられる"Remington's Pharmaceutical Sciences," Mack Publishing Co., Easton, PAの最新版において見出され得る。
【0388】
適当な投与経路には、例えば、経口送達、直腸送達、経粘膜送達、特に経鼻送達、腸内送達または非経口送達が含まれ得、これには、筋内注射、皮内注射、腹腔内注射、皮下注射および髄内注射ならびに髄腔内注射、直接脳室内注射、心腔内注射、例えば左右の心室内腔への注射、冠動脈注射、静脈内注射、腹腔内注射、鼻腔内注射または眼内注射、舌下経路、直腸経路、経皮経路、鼻腔内経路、膣内経路および吸入経路が含まれる。ウイルスベクターの髄液への注射もまた、投与様式として使用することができる。
【0389】
ウイルスベクターまたはその組成物は、入院患者または外来患者の設定で投与され得る。一つの特定の態様において、ウイルスベクターまたはその組成物は、注射または静脈内点滴により投与される。本発明はまた、その免疫反応を回避、抑制または操作し、理想的には導入遺伝子産物を持続的に発現させそれに対する免疫寛容を引き起こすようにする、ウイルスベクターの加工を想定しており、そのような方法は、例えば、参照により本明細書に組み入れられるNayak et al., Gene Therapy (12 November 2009)に記載されている。
【0390】
あるいは、薬学的組成物は、全身様式ではなく局所様式で、例えば、患者の組織または腫瘍塊への薬学的組成物の直接的な注射を通じて、さらには腫瘍細胞自体への直接的注射を通じて、投与され得る。
【0391】
本発明の薬学的組成物は、当技術分野で周知のプロセスにより、例えば、従来的な混合、溶解、造粒、ドラジェ形成、練粉化(levigating)、乳化、カプセル化、封入(entrapping)または凍結乾燥プロセスにより、製造され得る。
【0392】
このように、本発明にしたがい使用される薬学的組成物は、活性成分を薬学的に使用できる調製物に加工するのを容易にする賦形剤および補助成分を含む1つまたは複数の生理学的に許容できる担体を用いて従来様式で処方され得る。適当な処方は、選択された投与経路に依存する。
【0393】
薬学的組成物の活性成分は、注射のために、水溶液中、好ましくは生理学的に適合するバッファー、例えばハンクス溶液、リンガー溶液または生理学的塩バッファーにより処方され得る。経粘膜投与のために、浸透させたい障壁に適した浸透剤が処方物で使用される。そのような浸透剤は、概ね当技術分野で公知である。
【0394】
口腔投与のために、組成物は、従来様式で処方された錠剤またはロゼンジ剤の形態をとり得る。
【0395】
鼻からの吸入による投与のために、本発明にしたがい使用される活性成分は、適宜、適当な推進剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンまたは二酸化炭素を使用する加圧パックまたはネブライザーからのエアゾール噴霧射出の形態で送達される。加圧エアゾールの場合、投薬単位は、計測した量を送達する弁を提供することにより決定され得る。ディスペンサーにおいて使用するカプセルまたはカートリッジ、例えばゼラチン製のカプセルまたはカートリッジは、同化合物および適当な粉末基剤、例えばラクトースまたはデンプンの粉末混合物を含むよう処方され得る。
【0396】
本明細書に記載される薬学的組成物は、非経口投与、例えばボーラス注射または連続注入による非経口投与用に処方され得る。注射用処方物は、単位剤形として、例えば、場合により保存剤が添加されるアンプルまたは複数用量容器により提供され得る。組成物は、油性もしくは水性ビヒクル中の懸濁物、溶液または乳液であり得、かつ、処方剤、例えば、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤を含み得る。
【0397】
非経口投与用の薬学的組成物には、水溶性形態の活性成分調製物の水溶液が含まれる。さらに、適当な油性または水性の注射用懸濁物として活性成分の懸濁物が調製され得る。適当な脂溶性溶媒またはビヒクルには、脂肪油、例えばゴマ油、または合成脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチル、トリグリセリドもしくはリポソームが含まれる。水性注射用懸濁物は、懸濁物の粘度を高める物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストランを含み得る。場合により、懸濁物はまた、適当な安定化剤または活性成分の溶解性を高め高濃度溶液の調製を可能にする成分を含み得る。
【0398】
あるいは、活性成分は、使用前に適当なビヒクル、例えば、無菌性、発熱物質非含有の水性溶液により構成させるよう粉末形態であり得る。
【0399】
本発明の薬学的組成物はまた、直腸用組成物、例えば坐剤または停留かん腸剤として、例えば従来的な坐剤用基剤、例えばココアバターまたはその他のグリセリドを用いて処方され得る。
【0400】
本発明に関連して使用するのに適した薬学的組成物には、意図する目的を達成するのに有効な量で活性成分を含む組成物が含まれる。より詳細には、治療有効量は、障害(例えば、甲状腺癌、神経内分泌癌)の症状を予防、軽減もしくは改善するまたは処置した対象の余命を延長するのに有効な活性成分(すなわち、ウイルス粒子)の量を意味する。
【0401】
治療有効量の決定は、十分に、特に本明細書中に提供される詳細な開示に照らせば、当業者の能力範囲内である。本発明のアデノウイルスベクター投与の治療効果は、臨床所見、生化学的パラメータ、放射線学的評価等を含む様々な基準により評価することができる。いくつかの態様において、効果は、以下の例示的なパラメータの1つまたは複数により評価される:
生体内分布:例えば、血液および尿サンプル中のウイルスDNAのレベル、血液中のfas-c導入遺伝子(mRNA)の発現;
抗体:例えば、血清中の総抗Ad-5 Ig、IgGおよび中和抗Ad5抗体のレベル;
血管新生バイオマーカー:例えば、血液中のフォン・ヴィレブランド因子およびTNFαレベル;
サイトカインレベル:例えば、末梢血サイトカインレベル;
腫瘍反応:腫瘍の寸法は、CT(もしくはMRI)スキャンまたはその他の放射線学的手段により測定することができる。その後、腫瘍反応を、受け入れられている基準、例えば固形腫瘍における反応の評価基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors; RECIST)にしたがい評価することができる。
【0402】
これらの基準は、投与後の任意の時点で評価することができ、かつ、投薬前の値と比較することもできる。一つの態様において、これらの評価基準は、アデノウイルスベクターの投与前に評価され、そしてその後、投薬から4±1日、7±1日、14±1日、28±2日、56±3日、112±4日、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約1年またはそれ以上後に評価される。
【0403】
投薬または投薬計画の安全性の決定は、十分に当業者の能力範囲内である。安全性は、臨床所見、組織および臓器の病理、異常な生命兆候(例えば、発熱、倦怠感、寒気、頻脈、高血圧、便秘等)の存在、血液学値(例えば、ヘモグロビン、ヘマトクリット、RCV等)、化学または尿分析における異常(酵素、例えばアルカリホスファターゼ、ALT、AST、ビリルビン等の増加)ならびにECG、EEG等を含むがこれらに限定されない様々な基準にしたがい評価することができる。
【0404】
治療有効量の活性成分は、単位用量で処方され得る。本明細書中で使用される場合、「単位用量」は、個別にまたは集合的に所望の効果、例えば抗癌効果を生じるよう計算された既定量の活性材料を含む、物理的に独立した単位を意味する。所望の効果、例えば抗癌治療効果を提供するために、1つの単位用量または複数の単位用量が使用され得る。
【0405】
本発明の組成物は、所望の場合、1つまたは複数の活性成分含有単位剤形を含み得るパックまたはディスペンサー装置、例えばFDA承認のキットとして提供され得る。パックは、例えば、ブリスターパックのように、金属またはプラスチックホイルを含み得る。パックまたはディスペンサー装置は、投与のための説明書を伴うものであり得る。パックまたはディスペンサーはまた、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府当局により指定された形式の、容器に付属する告知を伴うものであり得、その告知が、組成物の形態またはヒトもしくは動物への投与に関する当局による承認を反映する。そのような告知は、例えば、処方箋薬に関して米国食品医薬品局により承認されたラベルまたは承認品同封物であり得る。適合する薬学的担体により処方された本発明の調製物を含む組成物はまた、前出箇所でさらに詳述されているように、調製され、適当な容器に入れられ、そして指示された状態の処置についてのラベルを貼付され得る。
【0406】
本発明の薬学的組成物は、異常な血管新生に関連する疾患または状態を処置するために、単独でまたはそのような障害(例えば、癌およびより詳細には原発性もしくは転移性固形腫瘍)に対する1つもしくは複数のその他の確立されているもしくは実験的な治療計画と併用して、使用することができる。本発明の核酸コンストラクトまたはそれをコードするポリヌクレオチドとの併用に適した癌の処置のための治療計画には、化学療法、放射線療法、光線療法および光線力学療法、手術、栄養療法、切除療法、放射線療法と化学療法の併用、小線源治療(brachiotherapy)、光子線療法、免疫療法、細胞療法ならびに光子線放射線手術療法が含まれるがこれらに限定されない。
【0407】
本明細書中で使用される場合、「約」という用語は、±10%を意味する。
【0408】
「含む」、「包含する」、「有する」("comprises"、"comprising"、"includes"、"including"、"having")およびそれらの同根語は、「含むがそれらに限定されない」を意味する。
【0409】
「からなる」という用語は、「含みかつそれらに限定される」を意味する。
【0410】
「本質的に・・・からなる」という用語は、組成物、方法または構造が、追加の成分、工程および/または部品を含み得るが、それは、その追加の成分、工程および/または部品が、請求対象の組成物、方法または構造の基本的かつ新規の特徴を実質的に変化させない場合のみであることを意味する。
【0411】
本明細書中で使用される場合、単数形("a"、"an"および"the")は、文脈がそうでないことを明確に示していない限り、複数の参照を包含する。例えば、「化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、その混合物を含めて、複数の化合物を包含し得る。
【0412】
本願を通じて、本発明の様々な態様が範囲を持たせた形式で示されていることがある。この範囲形式の記載は、扱い易さおよび簡潔さを考えてのことにすぎないことを理解されるべきであり、それが本発明の範囲に対する硬直的な限定であるとみなされるべきではない。したがって、範囲の記載は、すべての可能性のある小範囲およびその範囲内の個々の数値を具体的に開示するものとして扱われるべきである。例えば、範囲の記載、例えば1〜6という記載は、その小範囲、例えば1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6等ならびにその範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、5および6を具体的に開示するものとして扱われるべきである。このことは、範囲の大きさに関わらず適用される。
【0413】
本明細書中で数値範囲が示される場合は常に、その範囲がその示された範囲内のあらゆる言及された数値(分数または整数)を含むことを意味する。第1の指定数値と第2の指定数値「の間の範囲」および第1の指定数値 「〜」 第2の指定数値「の範囲」という語句は、本明細書中で置き換え可能に使用され、第1および第2の指定数値ならびにその間のすべての分数および整数値を含むことを意味する。
【0414】
本明細書中で使用される場合、「方法」という用語は、与えられた課題を達成するための様式、手段、技術および手順を意味し、これには化学、薬理学、生物学、生化学および医学分野の当業者に公知のまたは公知の様式、手段、技術および手順から容易に構築される様式、手段、技術および手順が含まれるがこれらに限定されない。
【0415】
本明細書中で使用される場合、「処置する」という用語は、ある状態の進行を止める、実質的に阻害する、遅らせるまたは反転させること、ある状態の臨床的もしくは美容的症状を実質的に改善すること、またはある状態の臨床的もしく美容的症状の発生を実質的に予防すること、を包含する。
【0416】
本発明の特定の特徴は、それが分かり易さのために別々の態様に関連して記載されているとしても、単一の態様において組み合わせても提供され得ることを理解されたい。逆に、本発明の様々な特徴は、それが簡潔さのために単一の態様に関連して記載されているとしても、別々にもしくは任意の適当な小集合としてまたは本発明の任意の他の記載される態様に適するようにも提供され得る。様々な態様に関連して記載されている特定の特徴は、その態様がそれらの要素なしには実現不可能でない限り、それらの態様の必須の特徴として扱われるべきではない。
【0417】
本明細書前出箇所で説明されてきたおよび添付の特許請求の範囲のセクションで特許請求されている本発明の様々な態様および局面は、以下の実施例において実験的なサポートがなされている。
【実施例】
【0418】
ここからは以下の実施例を参照する。これらは、上記の解説と共に、本発明のいくつかの態様を非限定的な様式で説明するものである。
【0419】
全体として、本明細書中で使用される用語体系および本発明において利用される実験手順は、分子学、生化学、微生物学および組み換えDNA技術を含んでいる。そのような技術は、文献により十分に説明されている。例えば、"Molecular Cloning: A laboratory Manual" Sambrook et al., (1989); "Current Protocols in Molecular Biology" Volumes I-III Ausubel, R. M., ed. (1994); Ausubel et al., "Current Protocols in Molecular Biology", John Wiley and Sons, Baltimore, Maryland (1989); Perbal, "A Practical Guide to Molecular Cloning", John Wiley & Sons, New York (1988); Watson et al., "Recombinant DNA", Scientific American Books, New York; Birren et al. (eds) "Genome Analysis: A Laboratory Manual Series", Vols. 1-4, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (1998);米国特許第4,666,828号;同第4,683,202号;同第4,801,531号;同第5,192,659号および同第5,272,057号に示される方法論; "Cell Biology: A Laboratory Handbook", Volumes I-III Cellis, J. E., ed. (1994); "Current Protocols in Immunology" Volumes I-III Coligan J. E., ed. (1994); Stites et al. (eds), "Basic and Clinical Immunology" (8th Edition), Appleton & Lange, Norwalk, CT (1994); Mishell and Shiigi (eds), "Selected Methods in Cellular Immunology", W. H. Freeman and Co., New York (1980);利用できる免疫アッセイは特許および科学文献に広く記載されている、例えば、米国特許第3,791,932号;同第3,839,153号;同第3,850,752号;同第3,850,578号;同第3,853,987号;同第3,867,517号;同第3,879,262号;同第3,901,654号;同第3,935,074号;同第3,984,533号;同第3,996,345号;同第4,034,074号;同第4,098,876号;同第4,879,219号;同第5,011,771号および同第5,281,521号を参照のこと; "Oligonucleotide Synthesis" Gait, M. J., ed. (1984); "Nucleic Acid Hybridization" Hames, B. D., and Higgins S. J., eds. (1985); "Transcription and Translation" Hames, B. D., and Higgins S. J., eds. (1984); "Animal Cell Culture" Freshney, R. I., ed. (1986); "Immobilized Cells and Enzymes" IRL Press, (1986); "A Practical Guide to Molecular Cloning" Perbal, B., (1984) and "Methods in Enzymology" Vol. 1-317, Academic Press; "PCR Protocols: A Guide To Methods And Applications", Academic Press, San Diego, CA (1990); Marshak et al., "Strategies for Protein Purification and Characterization - A Laboratory Course Manual" CSHL Press (1996)を参照のこと; これらはすべて、その全体が示されているものとして、参照により本明細書に組み入れられる。その他の一般的な参考文献も本明細書を通して提供される。それらに記載されている手順は当技術分野で周知であると理解しているが、読み手の利便性を考慮して提供する。それらに含まれる情報はすべて、参照により本明細書に組み入れられる。
【0420】
実施例1
接着性PER.C6 WCB(ワーキングセルバンク)の生成
ワーキングセルバンク(WCB)をGMP条件下で繁殖させ、VBL WCB WCBP6001を作製した。1バイアルのCrucell WCB(ロット#B127-006、p36)を解凍し、連続継代を通じてP(継代)39まで展開させた。これらの細胞を70%コンフルエンスで収穫し、1 mlアリコートのワーキングセルバンクとして液体N2中で保存した。この細胞は、ヒト起源、生存、細菌および真菌陰性、マイコプラズマ陰性、迷入ウイルスについてのインビトロアッセイによる決定でCPE確認されず、HAなし、HADなし、不顕性ウイルス陰性(乳飲みマウス、成体マウス、モルモットおよび発育卵を使用)である。
【0421】
実施例2
懸濁性(非接着性)PER.C6 MCB(マスターセルバンク)の生成
接着細胞培養アプローチを用いることでppe-1-3X-Fascを産生させることが可能であるが、接着細胞培養は規模に限界がありかつ血清含有培地を必要とすることから、可能な場合は懸濁細胞培養を使用するのが好ましい。
【0422】
図2A〜Bは、接着性WCBから懸濁物中のRCBへの適応工程を要約したフローチャートである。懸濁性MCBは、以下の表7に概説されるように、このRCBから生成される。
【0423】
(表7)マスターセルバンクの調製(手順)

【0424】
(表8)非接着性MCBの仕様

【0425】
実施例3
PPE1-3X-Fas-cキメラの構築
pWE.Ad.AfAfIII-rITRspバックボーンコスミドは40.5 kbのコスミドであり、これはCrucellから購入する。このバックボーンは、アデノウイルス5型のゲノムの大部分と、組み換えを可能にするpAdAdpt5アダプタープラスミドに対する部分相同性を含む。
【0426】
E1初期転写ユニットをバックボーンプラスミド(pWE.Ad.Afiii-rlTRsp)から除去した。コスミドをPacI制限酵素で消化し、pWE25およびAmp耐性選択マーカー部位を除去した(図10参照)。
【0427】
アダプタープラスミド - 6121 bpのpAdAptプラスミドは、Ad5、CMVプロモーター、MCSおよびSV40ポリAの配列を含む(図11参照)。
【0428】
このプラスミドをSnaB1およびEcoR1部位で消化し、CMVプロモーターを除去した。これらの部位を、PPEおよびFas-cフラグメントを挿入するのに使用した。
【0429】
遺伝子インサート
プロモーターPPE-1を内因的に認識する組織- 血管新生性内皮細胞への導入遺伝子発現の制限は、PPE-1プロモーターの改変版であるPPE-1-3xに基づく。PPE-1-3xはさらに、血管新生性血管に対する特異性を誘導する。この改変プロモーターは、43 bp調節領域を3コピー含む。2つのコピーは野生型プロモーターと同じ方向に追加し、第3のコピーは2分割し、その2つのフラグメントの順序を逆にした。この改変プロモーターを、アデノウイルスベクターの構築に利用した(配列番号7参照)。
【0430】
本発明の導入遺伝子は、PPE-1プロモーターの制御下に独自のヒトFas-キメラ(Fas-c)アポトーシス促進性導入遺伝子を含む。このキメラは、ヒトTNF-R1(腫瘍壊死因子受容体1、配列番号2)の細胞外および膜内ドメインならびにFas(p55)細胞内ドメイン(配列番号3、Boldin et al, JBC, 1995)から構成される。Fas遺伝子は、内皮および非内皮の両方の細胞において効果的に細胞死を誘導することが示されている。
【0431】
PPE-1-(3X)-Fas-cエレメント(2115 bp)は、PPE-1-(3X)-lucエレメントから構築した。このエレメントは、1.4 kbのマウスプレプロエンドセリンPPE-1-(3X)プロモーター、ルシフェラーゼ遺伝子、SV40ポリA部位およびマウスET-1遺伝子の第1イントロンを含み、Harats et alにより使用されたpEL8プラスミド(8848 bp)から得られたものである(Harats D. et al., JCI, 1995)。PPE-3-Lucカセットは、BamHI制限酵素を用いてpEL8プラスミドから取り出した。ルシフェラーゼ遺伝子をFas-c遺伝子で置換し、図12に示されるようなPPE-1-3x-Fas-cカセットを得た。
【0432】
pACPPE-1(3x)-Fas-cプラスミド - このカセットをさらに、BamH1部位を用いてバックボーンプラスミドpACCMV.pLpAに導入し、pACPPE-1(3x)-Fas-cプラスミドを得た。
【0433】
AdApt-PPE-1(3x)-Fas-cプラスミド - PPE-1-3x-Fas-cエレメントを第1世代のコンストラクトpACPPE-1-3x-Fas-cから取り出し、これをその5'および3'末端にそれぞれSnaB1およびEcoR1部位を導入するSnaB1およびEcoR1 PCRプライマーを用いて増幅した。これらの部位は、SnaB1およびEcoR1で消化したpAdAptにPPE-Fas-cフラグメントをクローニングするのに使用し、得られたAdApt-PPE-1-3x-Fas-cをPER.C6細胞のトランスフェクションに使用した(図13参照)。
【0434】
実施例4
播種用ストック
Ad5.PPE.Fas-cウイルスベクターを生成するために、リポフェクタミンによるトランスフェクションを用いて、開環させた(Pac 1/Sal 1消化した)pAdApt.PPE.Fas-cプラスミドおよび開環させた(Pac 1消化した)バックボーンコスミドpWE.Ad.AfAfIII-rITRspでPER.C6細胞をコトランスフェクトし、第2世代の最終生産物を得た。ウイルスの生成は、このウイルスベクターにより示される完全な細胞変性効果(CPE)により確認した。
【0435】
生産物を得るたびに、ウイルス播種用ストックを調製した。プラーク精製プロセスの最後に、プラークをPCRにより最終生産物として同定し、無菌性およびマイコプラズマフリーであることを確認した。選択したプラークはRCAフリーであることも示した。
【0436】
実施例5
生産
血清により成長させた接着細胞を用いる生産プロセスでは:WCBバイアルを解凍し、成長培地に播種し、そして展開させる。細胞にVB-111 MVBを感染させる。72時間のインキュベーションの後、90% CPEでウイルスを収穫する。培地を遠心分離し、ペレットを回収する。凍結および解凍によりウイルス粒子を細胞から放出させ、その後にさらに遠心分離して細胞残屑を除去する。
【0437】
(表9)細胞の解凍および展開

【0438】
(表10)細胞のウイルス感染およびウイルスの繁殖

【0439】
無血清培地中で非接着細胞を用いる生産プロセスでは:この生産プロセスは、展開したPER.C6細胞をエルレンマイヤーフラスコ中で懸濁し、その後に10L Cultibag(ウェーブバッグ)中で展開し、そして最後に50Lウェーブバッグ中で展開する(全量25L)。
【0440】
細胞からのウイルスの回収は、界面活性剤、例えばTriton X-100による溶解により行う。使い捨てシステムに基づくプロセスでは、界面活性剤による溶解は、資金の投下、洗浄の検証を必要としない点で、好ましい選択肢である。37℃、17rpm下での1時間のインキュベーションの場合、感染3〜4日後に10% Tritonを(cultibagウェーブに)添加する。
【0441】
宿主DNAの除去は、37℃、17rpm下での1時間のインキュベーションの場合、ベンゾナーゼ(15 IU/ml)および1 mMのMgCl2を(cultibagウェーブに)添加することにより行う。
【0442】
(表11)細胞の解凍および展開 非接着プロセス

【0443】
(表12)細胞のウイルス感染およびウイルスの繁殖 非接着プロセス

【0444】
接着性と懸濁性のPER.C6細胞(Crucell)プロセスの間の複数のパラメータに関する比較を、以下の表13に提供する。
【0445】
(表13)

【0446】
実施例6
(非接着無血清細胞において生産されたVB-111の)ウイルス力価の最適化
通常、プロデューサー細胞の感染および細胞培養における最適収穫点の決定
に使用するウイルス量に関する条件を最適化する必要がある。したがって、ウイルスの生産性を最適化するよう、開発プログラムのMOI(感染多重度)および収穫点(POH)の値を最適化するのが通常である。生成されたRCB PER.C6および感染物としてVBLのMVBP611を用いるウイルス生産プロセスにおけるMOIの最適化。1、2.5および5のMOIならびに48および72時間の収穫点を評価した(図3〜4)。96時間収穫点のサンプルも生成し、HPLCによるゲノム力価についてのみアッセイした(図5)。推奨されるMOIは5であり、POHは感染3日後である。
【0447】
PER.C6をSartorius CultiBag(商標)ウェーブ技術により成長させたところ、5Lと25Lの規模で同程度の成長曲線およびウイルス生産性が見られた。図6A〜Bは、典型的なPER.C6の5L規模での消耗するまでの細胞成長試験および25L規模でのVB111感染/産生を行いつつの成長を示している。PER.C6細胞は、約6 x 106生存細胞/mlまで成長し、一貫して高い生存率を示す。合理的な感染多重度(MOI)で感染させた場合、細胞成長は感染直後に阻害される。
【0448】
実施例7
下流 - 血清を用いて成長させた接着細胞における生産用
下流プロセスは、不連続CsCl勾配中での遠心分離およびその後の連続CsCl勾配中での遠心分離を含む。このステージは、細胞溶解産物ならびに培地、血清および細胞残屑中に存在する欠陥粒子およびタンパク質を除去し、ウイルスを感染に適したレベルまで濃縮する上で必須となる。残留Csは、2ラウンドのセファデックス脱塩カラムにより除去する(ウイルスの溶出はPBSを用いて行う)。
【0449】
(表14)ウイルスの精製

*2つの清澄化収穫物は、適当な試験の後、より大きなバッチを形成するため、この時点で組み合わされ得る。
【0450】
(表15)無菌ろ過および充填

【0451】
実施例8
非接着無血清細胞における生産用の下流
イオン交換およびサイズ排除クロマトグラフィーによる回収および精製
感染および収穫の後、清澄化を行い、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)およびイオン交換(IEX)カラムを用いてウイルスの精製を行う(500 ml 1012 VP/ml精製物)。
【0452】
次のプロセス工程は、細胞残屑の除去であり、これは<500Lの小規模では、通常、深層ろ過を用いて達成することができる。開発規模のプロセスに必要となるフィルターの寸法は、使い捨てユニットを全体を通して使用できることおよび構築後は一定範囲の生産物に対して同じフィルタートレーンを適用可能であることを意味している。
【0453】
清澄化原料を得た後、次に適用される工程は、限外ろ過工程である。これは、3つの機能を有する:第1に、これはプロセス容量を大きく減らすことができ;第2に、プロセス媒体を初期捕捉クロマトグラフィー工程に最適なバッファーシステムに交換することができ、そして第3に、ウイルスベクターはサイズが非常に大きいために、生産物のストリームから溶解用界面活性剤を除去するだけでなく消化された核酸を含む低分子量混入物の相当部分および宿主タンパク質の相当量をも除去することができる≦300Kdという高カットオフ分子量メンブレンを使用可能である。したがってこの工程は、鍵となる精製作業とみることもできる。
【0454】
(表16)ウイルスの清澄化

【0455】
(表17)無菌ろ過および充填

【0456】
この作業は、中空糸タンジェンシャルフローシステムを用いて実施することができる。過剰濃度は生産物を沈殿させる可能性があるため、開発作業において特定のウイルスコンストラクトについての最適濃度係数を決定することが重要である。
【0457】
初期回収作業を行った後、次のプロセスステージはクロマトグラフィー精製である。これらの精製工程の目的は、主として、感染性および非感染性粒子の分離を達成することよりも、宿主および生産物に関連する混入物を生産物から除去することにある。
【0458】
捕捉工程は、充填層陰イオン交換クロマトグラフィー工程を用いて実施する。ここでの樹脂の選択は、高い純度および生産物回収率を得るために重要となる。さらに、高い回収率および純度を確実にするために、異なるウイルスコンストラクトごとに生産物の溶出条件を最適化することが必要である。ここではこのプロセスでGE Healthcare製のQ-セファロース-XLを使用する。クロマトグラフィー樹脂へのウイルスの投入はプロセス回収率および純度に関する重要なパラメータであることが知られているので、新しいウイルス生産物の各々についての樹脂の動的能力を、不純物のクリアランスを高める洗浄工程の可能性と共に、確認/決定すべきである。結合系のクロマトグラフィー作業を用いる場合、このプロセス工程の間ウイルスを安定化させるよう適当な工程が確実にとられることが必要となる。例えば、生産物濃度は結合系クロマトグラフィー工程からの溶出の間に非常に高くなることがあり、かつウイルスが高い塩濃度に晒されることもある。
【0459】
これらの類型のイベントは、プロセスの後半ステージでのウイルスの凝集および有意な生産物の損失をもたらし得る。
【0460】
適用される第2のクロマトグラフィー工程は、グループ分離(group separation)として実施されるサイズ排除工程であり、ここではカラム容量の30%まで投入されウイルスは排除フラクションから回収される。ウイルスのサイズは大きいので、非常に大きな孔サイズの樹脂が使用可能であり、これにより「低分子量」(例えば、<1,000 Kd)粒子の完全な除去が可能になり、かつ必要な処方用バッファーへのウイルス生産物の交換も可能になる。典型的なOD260/OD280トレースが、図7A〜Bに示されている。
【0461】
実施例9
5Lと25Lのプロセス規模での実施の比較
(非接着無血清細胞における生産)
プロセス全体のパフォーマンスに関して、残留Triton X-100、ベンゾナーゼおよび宿主DNA等の要注意不純物のクリアランスを含む、収率と生産物品質の両方を記録した(以下の表17)。このデータから、ここで説明されているVB111プロセスは堅牢でありかり臨床等級の製品の生産に適していると結論づけることができる。
【0462】
(表18)5L開発、25L毒性および25L cGMPバッチ品のQC試験の結果の要約

【0463】
実施例10
AdPPE-1(3x)-TKベクターの構築および特徴付け
HSV-TK/GCVは、最も広く研究されておりかつ利用されている腫瘍縮小遺伝子・薬物の組み合わせである。HSV-TK含有プラスミドでトランスフェクトした細胞またはHSV-TK含有ベクターで形質導入した細胞は、アシクロビル、ガンシクロビル(GCV)、バラシクロビル(valciclovir)およびファムシクロビルを含む薬物スーパーファミリーに対して感受性になる。グアノシンアナログであるGCVは、TKとの併用に関して最も活性の高い薬物である。HSV-TK陽性細胞は、GCVからGCV一リン酸(GCV-MP)へのリン酸化の効率がヒトTKよりも3桁高いウイルスTKを産生する。GCV-MPはその後、ネイティブのチミジンキナーゼによりGCV二リン酸に、そして最終的にGCV三リン酸(GCV-TP)にリン酸化される。
【0464】
改変マウスプレプロエンドセリン1プロモーターにより制御されるHSV-TK遺伝子を保持するアデノウイルス5ベクターの構築
AdPPE-1-(3x)-TKという名称の複製欠損ベクターを、第1世代(E1遺伝子欠失、E3不完全)アデノウイルス5ベクターを基礎として構築した。周知の従来的なクローニング技術を用いてプラスミドpACPPE-1(3x)-TK(詳細はWO2008/132729に記載されている)とpJM-17(40.3 kb、WO2008/132729)をヒト胎児腎臓293(HEK-293)にコトランスフェクションすることにより組み換えベクターを調製した。pJM-17プラスミドは、E1遺伝子を除く全アデノウイルス5ゲノムを含む。HEK-293細胞株は、トランスでE1遺伝子を含んでいるので、このE1欠失を置換する。40の相同組み換えのうちの1つからベクターAdPPE-1(3x)-TKを得た。図14は、ベクターAdPPE-1(3x)-TKの概略マップを示す。PPE-1(3x)の具体的配列は、実施例3のFas-cキメラベクターで記載されている。このベクター(AdPPE-1(3x)-TK)の臨床サンプルは、上記のようにPER.C6細胞を用いて生成する。
【0465】
実施例11
条件複製性アデノウイルスベクター
CRADは、その全体が参照により本明細書に組み入れられるWO2008/132729に記載されているようにして構築した。簡潔に言うと、このプラスミドをAdEasy法(Stratagene, LaJolla CA)を用いて構築した。アデノウイルス5のDNA配列の一部を含むプラスミドであるPShuttle-MKを以下のように改変した:pShuttle(Stratagene, LaJolla, CA)中のマルチクローニング部位および右アーム部をミッドカイン(mk)プロモーターおよびそれと連続するアデノウイルスE1領域により置き換えた。その後、MKプロモーターをイントロンなしでPPE1-3xにより置き換えた。第2のプラスミドは、IRES配列(BD BiosciencesのpIRES-EYFPプラスミド由来)およびFASキメラcDNAをプロモーターとE1の間にサブクローニングすることによって構築した。IRESは、同じ転写物からの2つのタンパク質の翻訳を可能にする。得られた2つのシャトルをPmeI消化により開環させ、その後、大腸菌BJ5183ADEASY-1(Stratagene)を形質転換させた。この類型の細菌はすでにpADEASY-1プラスミドで形質転換されており、E1およびE3遺伝子領域を除くアデノウイルス5配列の大部分を含んでいる。これらのプラスミドは細菌内で(pShuttleとpADEASY-1の間で)相同組換えを起こし、それによって完全なベクターゲノムが形成される(例示の概略図15を参照)。その後、この組み換え体をPacI消化し、リン酸カルシウム法を用いて293ヒト胎児腎臓細胞株(ATCC)をトランスフェクトした。臨床サンプルは、Fas-cについて上述された通り、PER.C6細胞を用いて生成する。
【0466】
本発明は、その特定の態様と関連づけて説明されてきたが、多くの変更、修正および派生が当業者に明らかとなるであろうことは明白である。したがって、そのような変更、修正および派生はすべて、添付の特許請求の範囲の精神および広義の範囲に包含されるものとして網羅されることが意図されている。
【0467】
本明細書中で言及されたすべての刊行物、特許および特許出願は、各々個々の刊行物、特許または特許出願が具体的かつ個別に参照により本明細書に組み入れられることが示されているのと同程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。加えて、本願における任意の参考文献の引用または特定は、そのような参考文献が本発明に関する先行技術として利用できることの承認であるとみなされるべきではない。各セクションで見出しが使用されている場合、それらは必須の限定であるとみなされるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アデノウイルスの大規模生産方法であって、マウスプレプロエンドセリンプロモーターを含むアデノウイルスを感染させたPER.C6細胞を無血清懸濁培養物中で培養する工程を含み、それによってアデノウイルスを生産する、方法。
【請求項2】
アデノウイルスが、非複製性アデノウイルスおよび条件複製性アデノウイルスからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
非複製性アデノウイルスが、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されているfasキメラ導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
条件複製性アデノウイルスが、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている、請求項2記載の方法。
【請求項5】
非複製性アデノウイルスが、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている抗血管新生導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む、請求項2記載の方法。
【請求項6】
非複製性アデノウイルスが、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている血管新生促進導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む、請求項2記載の方法。
【請求項7】
非複製性アデノウイルスが、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている自殺導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む、請求項2記載の方法。
【請求項8】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている条件複製性アデノウイルスが、血管新生促進作用物質または抗血管新生作用物質をコードする非ウイルス異種配列を含まない、請求項2または4記載の方法。
【請求項9】
自殺導入遺伝子がチミジンキナーゼを含む、請求項7記載の方法。
【請求項10】
アデノウイルスが、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに機能的に連結されている治療作用物質をコードする異種核酸配列をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
異種核酸配列がアポトーシス遺伝子を含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
培養工程の後に細胞からウイルスを回収する工程をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
回収工程が、感染3〜4日後の収穫点(POH)およびMOI 5で行われる、請求項12記載の方法。
【請求項14】
培養工程が5〜100L容量で行われる、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
培養工程が25L容量で行われる、請求項14記載の方法。
【請求項16】
培養工程が50L容量で行われる、請求項15記載の方法。
【請求項17】
培養工程が100L容量で行われる、請求項15記載の方法。
【請求項18】
培養工程が、使い捨てバッグを用いて行われる、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
回収工程が、細胞を界面活性剤による溶解に供することにより行われる、請求項12記載の方法。
【請求項20】
界面活性剤がTriton X-100を含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
清澄な原料を得るために細胞DNAおよび細胞残屑を除去する工程をさらに含む、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記原料が、タンジェンシャルフローろ過(TFF)に供される、請求項21記載の方法。
【請求項23】
ウイルスペレットを得る工程と、ウイルスペレットを陰イオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーに供する工程とをさらに含む、請求項22記載の方法。
【請求項24】
fasキメラ導入遺伝子が、配列番号2で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項3記載の方法。
【請求項25】
fasキメラ導入遺伝子が、配列番号3で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項3記載の方法。
【請求項26】
fasキメラ導入遺伝子が、配列番号4で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項3記載の方法。
【請求項27】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターが、配列番号5で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターが、配列番号6で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターが、配列番号6で示されるヌクレオチド配列を少なくとも2コピー有するポリヌクレオチドを含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターが、配列番号8で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項31】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターが、配列番号7で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
【請求項32】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターが、配列番号13で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターが、配列番号12で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
非複製性アデノウイルスベクターがアデノウイルス5ベクターである、請求項3、5、6または7のいずれか一項記載の方法。
【請求項35】
アデノウイルス5ベクターが、配列番号9または10で示される核酸配列を含む、請求項3記載の方法。
【請求項36】
アデノウイルスの大規模生産方法であって、配列番号9または10で示される核酸配列を含むアデノウイルスを感染させたPER.C6細胞を無血清懸濁培養物中で培養する工程を含み、それによってアデノウイルスを生産する、方法。
【請求項37】
アデノウイルスの生産方法であって、マウスプレプロエンドセリンプロモーターを含むアデノウイルスを感染させたPER.C6細胞を、ウイルスの繁殖に適した条件下、接着培養物中で培養する工程を含み、それによってアデノウイルスを生産する、方法。
【請求項38】
アデノウイルスが、非複製性アデノウイルスおよび条件複製性アデノウイルスからなる群より選択される、請求項37記載の方法。
【請求項39】
非複製性アデノウイルスが、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されているfasキメラ導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む、請求項38記載の方法。
【請求項40】
条件複製性アデノウイルスが、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている、請求項38記載の方法。
【請求項41】
非複製性アデノウイルスが、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている抗血管新生導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む、請求項38記載の方法。
【請求項42】
非複製性アデノウイルスが、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている血管新生促進導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む、請求項38記載の方法。
【請求項43】
非複製性アデノウイルスが、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている自殺導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む、請求項38記載の方法。
【請求項44】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターに転写的に連結されている条件複製性アデノウイルスが、血管新生促進作用物質または抗血管新生作用物質をコードする非ウイルス異種配列を含まない、請求項40記載の方法。
【請求項45】
自殺導入遺伝子がチミジンキナーゼを含む、請求項43記載の方法。
【請求項46】
アデノウイルスが、マウスプレプロエンドセリンプロモーターに機能的に連結されている治療作用物質をコードする異種核酸配列をさらに含む、請求項37記載の方法。
【請求項47】
異種核酸配列がアポトーシス遺伝子を含む、請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記条件が血清を含む、請求項37〜42のいずれか一項記載の方法。
【請求項49】
培養工程の後に細胞からウイルスを回収する工程をさらに含む、請求項37〜42のいずれか一項記載の方法。
【請求項50】
回収工程が、感染3〜4日後の収穫点(POH)で行われる、請求項49記載の方法。
【請求項51】
回収工程が、凍結解凍によるウイルスの放出により行われる、請求項49記載の方法。
【請求項52】
清澄な原料を得るために超遠心分離により細胞DNAおよび細胞残屑を除去する工程をさらに含む、請求項51記載の方法。
【請求項53】
清澄な原料をCsCl勾配中で遠心分離する工程をさらに含む、請求項52記載の方法。
【請求項54】
セファデックス脱塩カラムを用いてCsClを除去する工程をさらに含む、請求項53記載の方法。
【請求項55】
fasキメラ導入遺伝子が、配列番号2で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項39記載の方法。
【請求項56】
fasキメラ導入遺伝子が、配列番号3で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項39記載の方法。
【請求項57】
fasキメラ導入遺伝子が、配列番号4で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項39記載の方法。
【請求項58】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターが、配列番号5で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項37記載の方法。
【請求項59】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターが、配列番号6で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項37記載の方法。
【請求項60】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターが、配列番号6で示されるヌクレオチド配列を少なくとも2コピー有するポリヌクレオチドを含む、請求項59記載の方法。
【請求項61】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターが、配列番号8で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項37記載の方法。
【請求項62】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターが、配列番号7で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項37記載の方法。
【請求項63】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターが、配列番号13で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項37記載の方法。
【請求項64】
マウスプレプロエンドセリンプロモーターが、配列番号12で示されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項37記載の方法。
【請求項65】
非複製性アデノウイルスベクターがアデノウイルス5ベクターである、請求項38記載の方法。
【請求項66】
アデノウイルス5ベクターが、配列番号9または10で示される核酸配列を含む、請求項39記載の方法。
【請求項67】
アデノウイルスの生産方法であって、配列番号9または10で示される核酸配列を含むアデノウイルスを感染させたPER.C6細胞を、ウイルスの繁殖に適した条件下、接着培養物中で培養する工程を含み、それによってアデノウイルスを生産する、方法。
【請求項68】
請求項1〜36のいずれか一項記載の方法によって生成され、かつ、図7A〜Bのイオン交換およびサイズ排除クロマトグラフィーのトレースならびに表6の生産物プロフィールを示す、ウイルス調製物。
【請求項69】
請求項37〜67のいずれか一項記載の方法により生成され、かつ、表3の生産物プロフィールを有する、ウイルス調製物。
【請求項70】
有効成分として請求項68または69記載のウイルス調製物を含む、薬学的組成物。
【請求項71】
それを必要とする対象において血管新生を減少させる方法であって、対象に治療有効量の請求項68または69記載のウイルス調製物を投与する工程を含み、それによって対象における血管新生を減少させる、方法。
【請求項72】
対象が固形腫瘍を有する、請求項71記載の方法。
【請求項73】
投与工程が静脈内投与を含む、請求項71記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−516978(P2013−516978A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548518(P2012−548518)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050137
【国際公開番号】WO2011/086509
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512176406)バスキュラー バイオジェニックス リミテッド (5)
【Fターム(参考)】