説明

アナログ電子時計

【課題】数値の読み取りを精度良く、且つ、容易に行うことの出来るアナログ電子時計を提供する。
【解決手段】同一位置に回転軸が配置され、文字盤上を回動可能な複数の指針と、複数の指針を各々独立に駆動する駆動手段と、駆動手段に駆動信号を送信して指針を回動させ、文字盤上に複数設けられた値表示部に含まれる値のうち一つを一の指針に指示させる駆動制御手段と、を備え、値表示部は、回転軸に対して同心円をなす位置に複数設けられて、値表示部の各々が表示させる数値における所定の桁の値を表し、駆動制御手段は、複数の指針に各々異なる値表示部における一の値を指示させて、この指示された一の値を所定の桁の値として組み合わせることで一の数値を表現させ、複数の指針の形状及び複数の値表示部における値の配置は、複数の指針が各々一の値を指示している場合に他の値を覆い隠さないように定められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、時刻及び時刻以外の数値を表示する機能を有するアナログ電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、温度センサや気圧センサといった計測部を備え、指針を用いてアナログ的に物理量の計測値や指標を指し示す機能を有する電子時計がある。このような電子時計では、時刻表示に用いられる目盛とは別途、計測値の表示に用いられる目盛を文字盤上や腕時計のベゼルなどに設け、1又は複数の指針を独立に駆動して当該目盛を指し示させることで計測値を表示する。
【0003】
また、このような計測機能を有する電子時計には、時針、分針、秒針のうち何れか、或いは、機能針を用いて、電子時計が何れの機能に係る表示を行っているかを示すものがある。特許文献1には、秒針において、回転軸に対して秒を指し示す部分と反対側を延長し、当該延長された部分と対応して動作内容や状態を識別するための目盛を設けることで、指針を増やさずに目盛が示す内容を読み取り易くする技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−226350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、アナログ電子時計において、時刻表示に用いられる数値範囲と、計測値などの種々の数値を表示させる場合の数値範囲との間では、計測した物理量や表示する単位系によって大きな差が生じる場合がある。このような場合には、目盛が粗すぎたり細かすぎたりして一本の指針で精度良く値を表示させることが困難になる一方で、複数の指針で表示させると、目盛の表示が煩雑になって、どの指針が何の値を示しているのかを読み取るのが困難になるという課題がある。
【0006】
この発明の目的は、数値の読み取りを精度良く、且つ、容易に行うことの出来るアナログ電子時計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、
同一位置に回転軸が配置され、文字盤上で回動可能に設けられた複数の指針と、
前記複数の指針を各々独立に駆動する駆動手段と、
前記駆動手段に駆動信号を送信して前記複数の指針を回動させ、前記文字盤上に設けられた値表示部に含まれる値のうち一つを一の指針に指示させる駆動制御手段と、
を備え、
前記値表示部は、前記回転軸に対して同心円をなす位置に複数設けられて、当該値表示部の各々が、表示させる数値における所定の桁の値を表し、
前記駆動制御手段は、前記複数の指針に各々異なる前記値表示部における一の値を指示させて、当該指示された一の値を前記所定の桁の値として組み合わせることで一の数値を表現させ、
前記複数の指針の形状及び複数の前記値表示部における値の配置は、前記複数の指針が各々一の値を指示している場合に、当該複数の指針が他の値を覆い隠さないように定められる
ことを特徴とするアナログ電子時計である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に従うと、アナログ電子時計において、数値の読み取りを精度良く、且つ、容易に行うことが出来るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態のアナログ電子時計を示す正面図である。
【図2】第1実施形態のアナログ電子時計における指針の形状と文字盤上の表示の配置との関係を説明する図である。
【図3】第1実施形態のアナログ電子時計における文字盤を示す平面図である。
【図4】アナログ電子時計の内部構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態のアナログ電子時計における計測値表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】変形例1のアナログ電子時計における文字盤を示す平面図である。
【図7】アナログ電子時計の文字盤の変形例2及び変形例3を示す平面図である。
【図8】第2実施形態のアナログ電子時計の内部構成を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態のアナログ電子時計における文字盤を示す平面図である。
【図10】第2実施形態のアナログ電子時計における計測値表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態のアナログ電子時計における文字盤を示す平面図である。
【図12】アナログ電子時計の文字盤の変形例4を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態のアナログ電子時計を図面に基づいて説明する。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のアナログ電子時計1の全体の外観を示す正面図である。
第1実施形態のアナログ電子時計1は、バンド14a、14bによりユーザの腕に装着可能な腕時計である。このアナログ電子時計1では、ケーシング10と、文字盤11と、文字盤11の上面を塞ぐ図示略の風防とに覆われた領域に、時針2、分針3、及び、秒針4(以降、まとめて指針2〜4とも記す)が設けられている。時針2、分針3、及び、秒針4の回転軸は、何れも文字盤11の中央付近で同一位置となるように設けられている。また、風防の周縁部には、ベゼル13が設けられ、ケーシング10の側面部には、3個のボタンB1〜B3、及び、リュウズC1が設けられている。
【0012】
文字盤11には、周縁部に時刻を表示するための時刻目盛が設けられ、この時刻目盛の内側には、数値を示す際に用いられる値(数値標章)が配列された値表示部111が回転軸に対して3列の同心円をなす円環上の一部分に円弧状に設けられている。3列の値表示部111のうち、一番内側の値表示部1111には、千の位の値を順番に変化させた0から9000までの10個の値が順番に配列されている。値表示部1111の外側に設けられた二番目の値表示部1112には、百の位の値を順番に変化させた0から900までの10個の値が順番に配列されている。そして、一番外側の値表示部1113には、十の位の値を順番に変化させた0〜90までの10個の値が順番に配列されている。これらの値は、文字盤11に印刷されたものであっても良いし、彫り込まれて形成された凹部や盛り上げられた凸部であっても良い。
即ち、値表示部111において、同心円ごとに対応する所定の桁が定められている。
【0013】
これらの値表示部1111〜1113では、12時の方向を基準方向として時計回りに42度の方向(方位角)から12度の間隔で、それぞれ10個の数値標章が昇順で設けられている。
【0014】
本実施形態の時針2は、先端に中空状に設けられた選択窓部202(第1窓部)が一番内側の値表示部1111における各値と重なる長さとなっている。時針2の選択窓部202は、三角形の枠形形状を示しており、この三角形の枠の内部には、値表示部1111の数値標章のうち1つが収まって上部に露出される。なお、この選択窓部202は、中空状に限らず、透明部材を設けたものであっても良い。
また、分針3の先端に設けられた選択窓部302は、選択窓部202と同様の形状であり、分針3は、選択窓部302が二列目の値表示部1112における各値と重なる長さとなっている。また、選択窓部302より分針3の根元の部分であって値表示部1111の値と重なる部分には、選択窓部302と別個に中空構造の透過窓部303(第2窓部)が設けられており、分針3が値表示部1111の値を覆い隠さない形状となっている。
【0015】
また、秒針4の先端に設けられた選択窓部402は、選択窓部202、302と同様の形状であり、秒針4は、選択窓部402が外側の値表示部1113の各値と重なる長さとなっている。また、秒針4の選択窓部402より秒針4の根元の部分であって、値表示部1111、1112の値と重なる部分には、選択窓部402と別個に中空構造の透過窓部403が設けられており、秒針4が値表示部1111、1112の値を覆い隠さない形状となっている。
【0016】
ここで、指針2〜4は、時計本体への取り付け時に、回転方向に微妙な取り付け誤差が生じ得る。従って、選択窓部202〜402の枠形形状一杯の大きさの数値標章が文字盤11に設けられると、取り付け誤差によって値の一部が選択窓部202〜402の枠と重なって隠されてしまう虞がある。
【0017】
図2は、指針の形状と数値標章の配置との関係を説明する図である。
【0018】
例えば、時針2が「4」の値を指し示している場合に、時針2の取り付け誤差により時針2が回転方向の前後に時針2f、時針2sの範囲でずれ得るとすると、「4」の値が時針2の選択窓部202、時針2fの選択窓部202f、及び時針2sの選択窓部202sの何れにも含まれる領域202wの内部に設けられることで、「4」の値が時針2によって覆い隠されてしまうことを防ぐことができる。
【0019】
図3は、アナログ電子時計1の指針2〜4により数値が表示されたときの文字盤11の平面図である。
【0020】
図3(a)に示すように、時針2の選択窓部202が値表示部1111における「1000」の値を包含し、分針3の選択窓部302が値表示部1112における「400」の値を包含し、また、秒針4の選択窓部402が値表示部1113における「80」の値を包含している。これら3つの選択窓部202、302、402により選択された値を加算することで、計測値「1480」を読み取ることが出来る。
【0021】
一方、図3(b)に示すように、時針2、分針3、及び、秒針4がそれぞれ3時の方向を向いており、時針2の選択窓部202が値表示部1111における「4000」の値を包含し、分針3の選択窓部302が値表示部1112における「400」の値を包含し、秒針4の選択窓部402が値表示部1113における「40」の値を包含している。このとき、「400」の値及び「4000」の値は、いずれも秒針4の透過窓部403に包含され、「4000」の値は、更に、分針3の透過窓部303に包含される。このような中空構造によって、指針2〜4が重なった場合であっても、ユーザは、容易に表示された数値「4440」を読み取ることが出来る。
【0022】
図4は、アナログ電子時計1の内部構成を示すブロック図である。
【0023】
アナログ電子時計1は、時針2、分針3、及び、秒針4と、時針2を輪列機構32を介して駆動する時針駆動部40と、分針3を輪列機構33を介して駆動する分針駆動部41と、秒針4を輪列機構34を介して駆動する秒針駆動部42と、発振回路48と、分周回路49と、計時回路50と、CPU(Central Processing Unit)45(駆動制御手段)と、ROM(Read Only Memory)46と、RAM(Random Access Memory)47と、電源部51と、操作部52と、計測手段としての圧力センサ53とを備えている。
【0024】
このアナログ電子時計1は、CPU45から出力される駆動制御信号に基づいて、別個の駆動部により独立に指針2〜4が駆動される3針独立駆動の電子時計である。時針駆動部40、分針駆動部41、及び、秒針駆動部42(以降、複数の指針2〜4の駆動手段としての各駆動部をまとめて駆動部40〜42のように記す)は、それぞれ、指針2〜4を前進又は逆進させることが可能である。駆動部40〜42が各々指針2〜4を前進させる最高速度の設定値は、逆進させる最高速度の設定値の2倍となっている。
【0025】
秒針4は、6度毎、一周60ステップの各位置に離散的に移動可能である。秒針駆動部42は、時刻表示状態では、1秒ごとに秒針4を1ステップずつ前進移動させる。時針2、及び、分針3は、1度毎、一周360ステップの各位置を指し示すことが可能である。分針駆動部41は、時刻表示状態では、10秒ごとに分針3を1ステップずつ前進移動させる。時針駆動部40は、時刻表示状態では、2分ごとに時針2を1ステップずつ前進移動させる。
【0026】
発振回路48は、所定の周波数、例えば、1.6384MHzの周波数信号を発生して分周回路49に出力する。分周回路49は、発振回路48から入力された周波数信号を設定された分周比で分周して、1秒信号を計時回路50に出力すると共に、CPU45により利用される設定周波数の信号をCPU45に出力する。
【0027】
計時回路50は、1秒信号をカウントして時刻を計数するカウンタである。また、計時回路50が計数する時刻データは、CPU45からの修正命令に基づいて修正可能となっている。
【0028】
CPU45は、アナログ電子時計1の動作全体を統括制御し、また、種々の演算処理を行う。CPU45は、時刻表示状態では、計時回路50から入力された時刻データ信号に基づいて駆動部40〜42に駆動制御信号を出力する。また、各種物理量の計測を行う場合には、後述する圧力センサ53から入力された計測値に基づいて、指針2〜4の移動先位置を決定し、当該移動位置へ指針2〜4を移動させるための駆動制御信号を駆動部40〜42に出力する。
【0029】
ROM46には、CPU45が実行する各種制御プログラム、機能プログラムや設定データが格納されている。機能プログラムには、計測された気圧に基づいて算出された高度の値を指針2〜4により表示させたる計測値表示処理プログラムが含まれている。CPU45は、必要に応じてROM46からプログラムや設定データを読み出し、RAM47に展開して実行する。また、ROM46には、気圧と高度との間のデフォルト換算テーブルを示す高度テーブル46aが格納されている。
RAM47は、CPU45に作業用のメモリ空間を提供する。CPU45は、制御プログラムや機能プログラムの実行により取得された値、設定や算出された値を一時的に記憶する。また、RAM47には、高度センサ利用時の気圧状態に基づく高度テーブル46aの補正データや、高度表示の際の単位設定(メートル、フィートなど)といったユーザ操作に基づいて定められたユーザ設定テーブル47a記憶されている。
【0030】
電源部51は、CPU45の駆動に必要な電力を供給する。この電源部51は、特に限られないが、例えば、太陽電池と二次電池とを組み合わせたものである。
【0031】
圧力センサ53は、例えば、ピエゾ素子を用いて大気圧を測定する半導体センサである。
【0032】
操作部52は、ボタンB1〜B3、及び、リュウズC1の操作に基づく電気信号を入力信号としてCPU45へ送る。例えば、ボタンB2が押下されると、CPU45は、時刻表示状態から高度表示状態に変更して、圧力センサ53に測定させた気圧データに基づいて指針2〜4に高度を表示させる。また、ボタンB3が押下されると、CPU45は、時刻表示状態から順番に各モードに変更させていく。リュウズC1が操作されると、CPU45は、手動で時刻を変更したり、高度テーブルの補正を行ったりする。
【0033】
次に、本実施形態のアナログ電子時計1において高度表示動作を行う動作手順について説明する。
図5は、CPU45による高度表示動作の制御手順を示すフローチャートである。
【0034】
高度表示処理は、ユーザによりボタンB2が押下されるか、ボタンB3が押下されて、高度計測動作が選択された場合に開始される。
高度表示処理が開始されると、CPU45は、先ず、圧力センサ53に指令を送り、気圧の計測を行わせる(ステップS11)。また、CPU45は、秒針駆動部42に指令を送り、秒針4を0時の方向に移動させる。また、CPU45は、分針駆動部41、及び、時針駆動部40への駆動命令を中止し、分針3及び時針2を一時停止させる(ステップS12)。
【0035】
圧力センサ53から気圧の計測値がCPU45に入力されると、CPU45は、高度テーブル46a及びユーザ設定テーブル47aを読み出して、気圧の値を高度の値に変換する。CPU45は、変換された高度の値に基づいて、指針2〜4の移動先位置をそれぞれ決定する(ステップS13)。
【0036】
それから、CPU45は、時針駆動部40に指令を送り、時針2を移動先位置へ移動させる(ステップS14)。続いて、CPU45は、分針駆動部41に指令を送り、分針3を移動先位置へ移動させる(ステップS15)。最後に、CPU45は、秒針駆動部42に指令を送り、秒針4を移動先位置へ移動させる(ステップS16)。そして、CPU45は、高度表示処理を終了する。なお、このアナログ電子時計1では、圧力センサ53から入力された気圧の計測値により、高度表示だけでなく、気圧表示も同様に可能である。気圧表示処理は、例えば、ユーザによりボタンB1が押下されるか、ボタンB3が押下されて、気圧計測動作が選択された場合に開始される。指針2〜4がそれぞれ値表示部1111〜1113に含まれる値を選択して指示することで、同様に、気圧値を表す。
【0037】
このように、第1実施形態のアナログ電子時計1によれば、文字盤11における同心円状に3列に亘り算出された高度値の表示に用いられる値表示部1111〜1113が設けられ、指針2〜4がそれぞれ値表示部1111〜1113に含まれる値を選択して指示することで、それぞれ、千の位、百の位、十の位の値を表す。従って、ユーザは、各桁の値を読み取って加算することで、容易に数値を読み取ることが出来る。
【0038】
特に、計測値の上位桁を時針2により示し、中位桁を分針3により示し、下位桁を秒針4により示すことで、ユーザが直感的に数値を認識しやすく構成されている。
【0039】
また、指針2〜4には中空状の選択窓部202〜402が設けられて、指針2〜4は、指し示す値を選択窓部202〜402の内部に包含するように位置するので、選択窓部202〜402により露出された値を容易に認識することが出来る。
【0040】
また、値表示部1111と交差する分針3や、値表示部1111、1112と交差する秒針4には、当該交差部分に透過窓部303、403がそれぞれ設けられているので、時針2と分針3又は秒針4とが重なった場合や、分針3と秒針4とが重なった場合でも、選択窓部202〜402に包含された値が他の指針によって覆い隠されることなく全て確実に認識することが出来る。
【0041】
また、長方形の透過窓部303、403に対して、選択窓部202〜402の形状が三角形に設定されているので、透過窓部に包含された値と選択された値とを容易に識別できると共に、三角形の頂点により時刻表示の際にも時刻を容易に認識することが出来る。
【0042】
また、圧力センサ53などの計測器による計測値をデジタル値化して指針2〜4により離散的に各桁の値に分けて表示するので、アナログ表示を見るときの目盛の粗密などを気にすることなく明確且つ容易に計測値を読み取ることが出来る。
【0043】
[変形例1]
図6は、第1実施形態の文字盤11における値表示部の変形例1を示す平面図である。
【0044】
変形例1の値表示部111aでは、値表示部1111における百の位以下の「0」の表示、値表示部1112における十の位以下の「0」の表示、及び、値表示部1113における一の位の「0」の表示を全て省略し、各列の値を何れも「0」〜「9」の一桁値としている。その他の構成は第1実施形態の文字盤11と同一であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
このように、変形例1における値表示部111aでは、各数値標章が表す値における下位桁の「0」の表示を省略して一の数字ずつを表示させることにより一文字当たりの表示サイズを大きくすることで、指し示された値を容易に読み取り可能としている。特に、各指針2〜4の示す桁が明確な場合には、文字盤11の構成がより簡潔になる。
【0046】
[変形例2]
図7(a)は、第1実施形態の文字盤11における値表示部の変形例2を示す平面図である。
【0047】
変形例2の文字盤11には、変形例1の値表示部111aの一端に、各値表示部1111〜1113が表す桁を明示するための標章が配列された桁表示部112が設けられており、それ以外の構成については第1実施形態の文字盤11と同一であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
この桁表示部112では、値表示部1111における「0」の値に隣接して標章「×1000」が設けられ、値表示部1111の値「0」〜「9」がそれぞれ千の位の値を示していることを表している。また、値表示部1112における「0」の値に隣接して標章「×100」が設けられ、値表示部1112の値「0」〜「9」がそれぞれ百の位の値を示していることを表している。また、値表示部1113における「0」の値に隣接して標章「×10」が設けられ、値表示部1113の値「0」〜「9」がそれぞれ十の位の値を示していることが表されている。
【0049】
このように、変形例2における文字盤11では、値表示部1111〜1113から値が1つずつ選択された場合に、選択された値が何れの桁の値であるかが桁表示部112によって明示的にまとめて示されることにより、値表示部1111〜1113において「0」の表示を繰り返すことなくより簡便且つ明確に指針によって計測値を表示することが出来る。
【0050】
[変形例3]
図7(b)には、第1実施形態の文字盤11における値表示部の変形例3を示す平面図である。
【0051】
変形例3の文字盤11における値表示部111b及び桁表示部112bは、変形例2の値表示部111a及び桁表示部112とは反対に、6時〜12時の側に設けられている。また、文字盤11の周縁部の側に設けられた値表示部1111aが千の位の値を示し、文字盤11の中心側に設けられた値表示部1113aが十の位の値を示し、値表示部1111aと値表示部1113aとの間に設けられた値表示部1112aが百の位の値を示すことが桁表示部112bにより表されている。その他の構成は、変形例2の構成と同様であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
変形例3の文字盤11では、上記のように、上位桁の値が指針2〜4の回転軸からより離れた位置となる。従って、千の位の値が秒針4によって指し示され、百の位の値が分針3によって指し示され、また、十の位の値が時針2によって指し示される。
【0053】
このように、アナログ電子時計1の文字盤11に変形例3の値表示部111b及び桁表示部112bを配置することで、他の機能に係る表示上の制約条件などにあわせて値表示部111bを配置させることができる。また、値表示部111bの配置場所によって各桁の値の表示順番を入れ替えることで、計測値を左側の上位桁から順番に容易に読み取ることが出来る。
【0054】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のアナログ電子時計について説明する。
図8は、第2実施形態のアナログ電子時計の内部構成を示すブロック図である。
【0055】
第2実施形態のアナログ電子時計1は、第1実施形態のアナログ電子時計の構成に加えて、更に、他の計測手段として温度センサ54を備えている。また、後述するように、第1実施形態のアナログ電子時計において指針2〜4の先端に設けられた選択窓部202〜402、及び、指針3、4に設けられた透過窓部303、403は、指針ごとにまとめられて、選択透過部204〜404(窓部)が設けられている(図9参照)。その他の構成については、第1実施形態のアナログ電子時計と同一であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
図9は、第2実施形態のアナログ電子時計における文字盤の値表示部と指針とを示す平面図である。
【0057】
図9(a)に示すように、第2実施形態のアナログ電子時計1の文字盤11aには、上述の変形例2において値表示部111aの一端に設けられた桁表示が測定単位と共に3通り設けられている。即ち、桁表示部112iでは、温度の単位である摂氏温度「℃」とともに、温度表示の場合には、値表示部111aを構成する3列の値表示部1111〜1113のうち、値表示部1111が十の位の値を表し、値表示部1112が一の位の値を表し、値表示部1113が小数第一位の値を表すことが示されている。一方、桁表示部112j、112kでは、それぞれ、気圧の単位「hPa」、高度の単位「m」とともに、値表示部1111が千の位の値を表し、値表示部1112が百の位の値を表し、値表示部1113が十の位の値を表すことが示されている。従って、温度表示の場合には、図9(a)に示した指針位置により、計測値が14.8℃であることが表されている。
【0058】
また、選択透過部204〜404は、第1実施形態の指針2〜4における選択窓部202〜402に対応する部分が五角形の形状となっている。この選択される値を示す部分の形状は、五角形に限られるものではなく、他の閉曲線から構成される図形や、「コ」の字型や「C」型などの一部が開いた図形であってもよい。ここで、当該図形を指針2〜4の軸の延長線上に頂点が設けられた形状とすることで、三角形の場合と同様時刻表示の際の読み取り容易性が向上する。
【0059】
図10は、第2実施形態のアナログ電子時計1における計測値表示処理の動作手順を示すフローチャートである。
【0060】
この第2実施形態のアナログ電子時計1において、CPU45が実行する計測値表示処理の動作手順は、第1実施形態のアナログ電子時計においてCPU45が実行した高度表示処理にステップS10の処理が追加され、ステップS11、S12の処理がステップS11a、S12aの処理にそれぞれ変更されたものである。その他の同一の処理は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
この計測値表示処理は、温度、気圧、又は、高度の何れかの値の計測命令が入力されることで開始される。計測値表示処理が開始されると、CPU45は、先ず、何れの値の計測を行うかを判別する(ステップS10)。CPU45は、判別結果に基づいて圧力センサ53又は温度センサ54に計測を行わせる指令を送る(ステップS11a)とともに、指針2〜4を所定の初期位置に移動させる(ステップS12a)。CPU45は、温度計測値の表示を行う場合には、駆動部40〜42に指令を送り、指針2〜4を駆動させて、図9(b)に示すように、桁表示部112iの位置に移動させる。また、CPU45は、気圧計測値の表示を行う場合には、駆動部40〜42に指令を送り、指針2〜4を駆動させて、桁表示部112jの位置に移動させる。また、CPU45は、高度値の表示を行う場合には、駆動部40〜42に指令を送り、指針2〜4を駆動させて桁表示部112kの位置に移動させる。
【0062】
このように、第2実施形態のアナログ電子時計1によれば、桁表示部112i〜112kを設けることで、同一の値表示部を用いて計測値範囲の異なる複数のセンサについての計測値を容易に読み取り可能に表示することが出来る。また、センサによる計測中に桁表示部112i〜112kの何れかを指針2〜4で指し示させることで、何れの値を計測、算出しているのかを確認することが出来るので、ユーザの操作ミスなどによる混乱や読み取りミスを防ぐことが出来る。
【0063】
また、選択窓部と透過窓部とを選択透過部204、304、404としてまとめる一方で、選択された値を示す部分と、その他の透過させる値を示す部分とでは枠の形状が異なるので、必要に応じて複数の値の透過性を維持しながら、選択された値を容易に識別することが出来る。
【0064】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のアナログ電子時計について説明する。
図11は、第3実施形態のアナログ電子時計1の平面図である。
【0065】
この第3実施形態のアナログ電子時計1は、文字盤11bに設けられた値表示部111cにおける値の配置及び指針2〜4の形状を除いて第2実施形態のアナログ電子時計と構成要素が同一であるので、同一の符号を付して説明を省略する。また、第3実施形態のアナログ電子時計1における計測値表示動作の処理手順は、第2実施形態のアナログ電子時計1における計測値表示動作の処理手順と同一であるので、説明を省略する。
【0066】
図11に示すように、本実施形態の文字盤11bに設けられた値表示部111cは、3列の値表示部1114〜1116により構成される。値表示部1114〜1116に含まれる各値を示す数値標章は、全て異なる方位角に配置されている。図11の例では、値表示部1114における「0」から「9」までの各値を示す数値標章は、12時の方向を基準として、時計回りに30度の位置から18度間隔(即ち、秒針4の3ステップ分)で設けられている。また、値表示部1115、1116における「0」から「9」までの各値を示す数値標章は、それぞれ36度、42度の位置から18度間隔で設けられている。従って、値表示部1114〜1116の各値は、順番に6度間隔で配置され、数値が表示される際に、指針2〜4の位置が重なることはない。
【0067】
本実施形態の分針3及び秒針4には、透過窓部又は選択透過部が設けられていない一方で、値表示部1114〜1116において指針2〜4が指し示す値に隣接する値を覆い隠さないために、指針の幅が狭く形成されている。図11(a)の例では、温度計測値の表示の場合には、指針2〜4の選択窓部202〜402により包含された3個の値が示す値に基づき温度が14.8℃であることが読み取り可能となっている。
【0068】
文字盤11bには、第2実施形態における桁表示部112i〜112kと同様の標章が、例えば、12時の方向から時計回りに12度(2秒)、18度(3秒)、24度(4秒)の方向にそれぞれ設けられている。このとき、図11(b)に示すように、計測値の単位を示す標章「℃」、「hPa」、「m」をそれぞれ指針2〜4の届かない位置に配置しても良いし、センサの計測時に時針2のみを桁表示部112i〜112kの何れかの位置に移動させ、分針3及び秒針4を他の位置、例えば、0時方向に移動させることとしてもよい。
【0069】
このように、第3実施形態のアナログ電子時計1によれば、指針2〜4について各々文字盤11b上に設けられた値表示部1114〜1116の各値が方位角方向に全て異なる位置に配置されているので、秒針4や分針3が値表示部1114、1115の値を覆い隠して計測値を読み難くすることがない。また、指針3、4に中空構造を設けるために指針を太くする必要がないので、指針のデザインが容易且つ多様になる。
【0070】
[変形例4]
図12には、第3実施形態のアナログ電子時計1における文字盤11bに設けられた値表示部の変形例を示す。
【0071】
この変形例4の値表示部111dは、3列の値表示部1114a〜1116dによって構成されている。これらの値表示部1114a〜1116aでは、各値表示部に含まれる10個の値がそれぞれ一纏まりに配置されている。図12(a)、(b)の例では、値表示部1116aにおける「0」から「9」までの各値は、12時の方向を基準として、時計回りに30度の位置から6度間隔(秒針4の1ステップ毎)で設けられている。また、値表示部1114a、1115aにおける「0」から「9」までの各値は、それぞれ90度、150度の位置から6度間隔で設けられている。
【0072】
また、図12(a)の例では、指針2〜4に設けられた選択窓部202〜402の形状が方形であるとともに、指針2〜4の先端部には、更に、針状の構造が延長され、時刻表示の際の読み取りを容易にしている。
【0073】
更に、図12(b)に示すように、第3実施形態のアナログ電子時計1では、指針2〜4がそれぞれ示す値が明白であることから、各指針2〜4に選択窓部を設けずに単に指針で指し示させることとしても良い。
【0074】
このように、第3実施形態のアナログ電子時計1によれば、文字盤11bに設けられた値表示部1114〜1116、1114a〜1116aにおける各値が各々異なる方位に設けられているので、指針2〜4が重なる場合を考慮する必要がなく、従来の針状の指針、或いは、選択窓部202〜402のみを設けた指針により、容易且つ明確に数値を表示させることが出来る。
【0075】
また、変形例4の文字盤11bを備えたアナログ電子時計1によれば、値表示部1114a〜1116aがそれぞれ異なる方位角の範囲に設けられているので、それぞれの指針により指示されている値がどの桁の値であるか容易に認識することが出来る。
【0076】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、3本の指針により有効数字3桁の値を表示させることとしたが、2本の指針により有効数字2桁の数字を表示させ、残りの1本で桁表示部112i〜112kの何れかを示すこととしても良い。
或いは、気圧の表示の際に、3本の指針により一の位から百の位の値を示すこととして、百の位の値によって千の位の値を自動的に決定させることとしてもよい。例えば、百の位の値が「1」以上であれば、千の位の値が「0」であり、百の位が「0」であれば、千の位の値が「1」とすることで、3本の指針により100〜1099hPaの範囲内の気圧を表示させることが出来る。
【0077】
また、反対に、機能針を更に備え、有効数字4桁の値を表示させたり、機能針によって計測値の種別や測定値の単位を表示させたりしても良い。
【0078】
また、上記実施形態では、指針2〜4のみを用いて全てのデータを表示させることとしたが、例えば、液晶表示部といったデジタル表示部を備え、指針2〜4による計測値の表示中に、デジタル表示部に現在時刻や計測値の種別を表示させることとしても良い。
【0079】
また、上記実施形態では、アナログ電子時計として腕時計を例に挙げて説明したが、置時計、壁掛け時計や懐中時計であっても良い。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成や数値、配置などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜修正可能である。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0081】
[付記]
<請求項1>
同一位置に回転軸が配置され、文字盤上で回動可能に設けられた複数の指針と、
前記複数の指針を各々独立に駆動する駆動手段と、
前記駆動手段に駆動信号を送信して前記複数の指針を回動させ、前記文字盤上に設けられた値表示部に含まれる値のうち一つを一の指針に指示させる駆動制御手段と、
を備え、
前記値表示部は、前記回転軸に対して同心円をなす位置に複数設けられて、当該値表示部の各々が、表示させる数値における所定の桁の値を表し、
前記駆動制御手段は、前記複数の指針に各々異なる前記値表示部における一の値を指示させて、当該指示された一の値を前記所定の桁の値として組み合わせることで一の数値を表現させ、
前記複数の指針の形状及び複数の前記値表示部における値の配置は、前記複数の指針が各々一の値を指示している場合に、当該複数の指針が他の値を覆い隠さないように定められる
ことを特徴とするアナログ電子時計。
<請求項2>
前記複数の指針には、対応する前記値表示部における一の値と当該指針とが重なった際に、当該一の値を露出させる第1窓部が各々設けられ、
前記駆動制御手段は、前記複数の指針を回動させて各々一の値を前記第1窓部から露出させることで、当該一の値が指示されたことを示す
ことを特徴とする請求項1に記載のアナログ電子時計。
<請求項3>
前記値表示部における値のうち少なくとも一部は、他の前記値表示部における値と同一の指針方向に設けられ、
最も内側の前記同心円に係る前記値表示部に対応する指針を除く指針には、当該指針に対応する前記値表示部より内側の前記同心円に係る前記値表示部において、当該指針が指示する値と同一の指針方向に設けられた他の値と当該指針とが重なった際に、当該他の値を露出させる第2窓部が更に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載のアナログ電子時計。
<請求項4>
前記複数の指針には、当該指針が指示する一の値と、当該一の値を含む前記値表示部より内側の前記同心円に係る前記値表示部において前記一の値と同一の指針方向に設けられた他の値とが、当該指針と重なった際に、前記一の値と前記他の値とを露出させる窓部が設けられ、
当該窓部は、前記指針が指示する値を露出させる部分と、他の値を露出させる部分とが異なる形状で形成されている
ことを特徴とする請求項1記載のアナログ電子時計。
<請求項5>
前記文字盤には、前記値表示部の各々に対応付けられた前記所定の桁を示す桁表示部が設けられている
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のアナログ電子時計。
<請求項6>
前記桁表示部には、表示させる数値の種別ごとに各々設定された単位系と桁とを示す標章が設けられ、
前記駆動制御手段は、当該設定に基づいて前記複数の指針の移動先を決定する
ことを特徴とする請求項5に記載のアナログ電子時計。
<請求項7>
前記複数の指針は、秒針、分針、及び、時針であり、表現される数値のうち最上位桁の値が前記時針によって表され、当該表現される数値のうち最下位桁の値が前記秒針によって表される
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のアナログ電子時計。
<請求項8>
前記複数の値表示部における複数の値は、全て互いに異なる前記指針方向に設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアナログ電子時計。
<請求項9>
前記複数の値表示部は、それぞれ異なる前記指針方向の範囲に設けられている
ことを特徴とする請求項8に記載のアナログ電子時計。
<請求項10>
計測手段を備え、
前記駆動制御手段は、当該計測手段による計測値に基づいて前記複数の指針を駆動させる
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のアナログ電子時計。
【符号の説明】
【0082】
1 アナログ電子時計
2、2f、2s 時針
202、302、402 選択窓部
202w 領域
3 分針
303、403 透過窓部
204、304、404 選択透過部
4 秒針
10 ケーシング
11、11a、11b 文字盤
111、111a〜111d、1111〜1116、1111a〜1116a 値表示部
112、112b、112i〜112k 桁表示部
13 ベゼル
14a、14b バンド
32〜34 輪列機構
40 時針駆動部
41 分針駆動部
42 秒針駆動部
45 CPU
46 ROM
46a 高度テーブル
47 RAM
47a ユーザ設定テーブル
48 発振回路
49 分周回路
50 計時回路
51 電源部
52 操作部
53 圧力センサ
54 温度センサ
B1〜B3 ボタン
C1 リュウズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一位置に回転軸が配置され、文字盤上で回動可能に設けられた複数の指針と、
前記複数の指針を各々独立に駆動する駆動手段と、
前記駆動手段に駆動信号を送信して前記複数の指針を回動させ、前記文字盤上に設けられた値表示部に含まれる値のうち一つを一の指針に指示させる駆動制御手段と、
を備え、
前記値表示部は、前記回転軸に対して同心円をなす位置に複数設けられて、当該値表示部の各々が、表示させる数値における所定の桁の値を表し、
前記駆動制御手段は、前記複数の指針に各々異なる前記値表示部における一の値を指示させて、当該指示された一の値を前記所定の桁の値として組み合わせることで一の数値を表現させ、
前記複数の指針の形状及び複数の前記値表示部における値の配置は、前記複数の指針が各々一の値を指示している場合に、当該複数の指針が他の値を覆い隠さないように定められる
ことを特徴とするアナログ電子時計。
【請求項2】
前記複数の指針には、対応する前記値表示部における一の値と当該指針とが重なった際に、当該一の値を露出させる第1窓部が各々設けられ、
前記駆動制御手段は、前記複数の指針を回動させて各々一の値を前記第1窓部から露出させることで、当該一の値が指示されたことを示す
ことを特徴とする請求項1に記載のアナログ電子時計。
【請求項3】
前記値表示部における値のうち少なくとも一部は、他の前記値表示部における値と同一の指針方向に設けられ、
最も内側の前記同心円に係る前記値表示部に対応する指針を除く指針には、当該指針に対応する前記値表示部より内側の前記同心円に係る前記値表示部において、当該指針が指示する値と同一の指針方向に設けられた他の値と当該指針とが重なった際に、当該他の値を露出させる第2窓部が更に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載のアナログ電子時計。
【請求項4】
前記複数の指針には、当該指針が指示する一の値と、当該一の値を含む前記値表示部より内側の前記同心円に係る前記値表示部において前記一の値と同一の指針方向に設けられた他の値とが、当該指針と重なった際に、前記一の値と前記他の値とを露出させる窓部が設けられ、
当該窓部は、前記指針が指示する値を露出させる部分と、他の値を露出させる部分とが異なる形状で形成されている
ことを特徴とする請求項1記載のアナログ電子時計。
【請求項5】
前記文字盤には、前記値表示部の各々に対応付けられた前記所定の桁を示す桁表示部が設けられている
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のアナログ電子時計。
【請求項6】
前記桁表示部には、表示させる数値の種別ごとに各々設定された単位系と桁とを示す標章が設けられ、
前記駆動制御手段は、当該設定に基づいて前記複数の指針の移動先を決定する
ことを特徴とする請求項5に記載のアナログ電子時計。
【請求項7】
前記複数の指針は、秒針、分針、及び、時針であり、表現される数値のうち最上位桁の値が前記時針によって表され、当該表現される数値のうち最下位桁の値が前記秒針によって表される
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のアナログ電子時計。
【請求項8】
前記複数の値表示部における複数の値は、全て互いに異なる前記指針方向に設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアナログ電子時計。
【請求項9】
前記複数の値表示部は、それぞれ異なる前記指針方向の範囲に設けられている
ことを特徴とする請求項8に記載のアナログ電子時計。
【請求項10】
計測手段を備え、
前記駆動制御手段は、当該計測手段による計測値に基づいて前記複数の指針を駆動させる
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載のアナログ電子時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−33013(P2013−33013A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170099(P2011−170099)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】