説明

アプリケーションサーバ、クライアントおよびプログラム

【課題】アプリケーションサーバがデータベースサーバからUIコントロール用のデータを取得する際に、データを効率良く処理する。
【解決手段】クライアントに対して所定のアプリケーションを提供するアプリケーションサーバにおいて、前記クライアントからデータ転送オブジェクトに格納された、グラフィカルユーザインタフェースを構成する部品要素を制御するUIコントロールにセットされるマスタデータ要求に必要な複数の情報のキーを受信する受信手段と、情報のキーに応じた要求に対する処理を実行する処理実行手段と、処理の結果の応答をデータ転送オブジェクトに格納してクライアントに送信する送信手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、アプリケーションサーバ、クライアントおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な業務支援システムにおいては、一画面に各種のグラフィカルユーザインタフェースを構成する部品要素(GUIウィジェット)が配置されている。GUIウィジェットとしては、リストボックスやデータグリッドビューなどが挙げられる。これらのGUIウィジェットを制御するUIコントロールには、画面の初期化時にマスタデータ(たとえば、商品データ等)がセットされる。
【0003】
上述したようなUIコントロールにセットするマスタデータは、サーバからクライアントに対して異なるデータテーブル(または、データセット)で送信される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、サーバからクライアントに対してマスタデータを送信する際に、UIコントロール毎にクライアントからサーバに対してデータ取得を依頼することは、ボトルネックとなるネットワーク(LAN等)を何往復も通信することになり、パフォーマンスが悪化する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のアプリケーションサーバは、クライアントに対して所定のアプリケーションを提供するアプリケーションサーバにおいて、前記クライアントからデータ転送オブジェクトに格納された、グラフィカルユーザインタフェースを構成する部品要素を制御するUIコントロールにセットされるマスタデータ要求に必要な複数の情報のキーを受信する受信手段と、前記情報のキーに応じた要求に対する処理を実行する処理実行手段と、前記処理の結果の応答をデータ転送オブジェクトに格納して前記クライアントに送信する送信手段と、を備える。
【0006】
また、実施形態のクライアントは、アプリケーションサーバに対して所定のアプリケーションを要求するクライアントにおいて、前記アプリケーションサーバに対して、グラフィカルユーザインタフェースを構成する部品要素を制御するUIコントロールにセットされるマスタデータ要求に必要な複数の情報のキーをデータ転送オブジェクトに格納して送信するキー送信手段と、前記情報のキーに応じた要求に対する処理の結果の応答が格納されたデータ転送オブジェクトを受信する処理結果受信手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、実施形態にかかる業務支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、コンピュータのモジュール構成図である。
【図3】図3は、業務支援システムにおけるデータ転送処理の仕組みを示す模式図である。
【図4】図4は、業務支援システムにおけるデータ転送事例を示す模式図である。
【図5】図5は、管理用DTOに格納されるデータの構造を示す模式図である。
【図6】図6は、業種用DTOに格納されるデータの構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態では、ショッピングセンターの本部およびテナント店舗に導入されている業務支援システムへの適用例について説明する。
【0009】
ここで、図1は実施形態にかかる業務支援システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、業務支援システム1は、有線または無線の通信回線2を介して相互に電気的に接続された複数のコンピュータ3で形成される本部システムに対して、テナント店舗用のコンピュータ4が有線または無線の通信回線(例えば、インターネットやLAN等)5を介して接続されている。
【0010】
本実施形態の業務支援システム1では、一つまたは複数のコンピュータ3が、所定のサービス(アプリケーション)を提供するアプリケーションサーバ、またはデータベースサーバとして機能する。また、店舗用のコンピュータ4は、サービスを享受するクライアントとして機能する。この業務支援システム1では、例えばSaaS(Software as a Service)の形態でサービス(アプリケーション)が提供されうる。
【0011】
また、店舗用のコンピュータ4には、複数のPOS(Point of Sales)端末6が有線または無線の通信回線(例えば、LAN等)7を介して接続されている。
【0012】
上述したようなコンピュータ3及びコンピュータ4は、一般的なパーソナルコンピュータである。図2は、コンピュータ3,4のモジュール構成図である。図2に示すように、コンピュータ3及びコンピュータ4は、情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)101、BIOSなどを記憶した読出し専用メモリであるROM(Read Only Memory)102、各種データを書換え可能に記憶するRAM(Random Access Memory)103、各種データベースとして機能するとともに各種のプログラムを記憶する記憶部であるHDD(Hard Disk Drive)104、記憶媒体110を用いて情報を保管したり外部に情報を配布したり外部から情報を入手するためのDVDドライブ等の媒体読取装置105、各通信回線を介して外部の他の機器と通信により情報を伝達するための通信制御装置106、処理経過や結果等を操作者に表示するCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部107、並びに操作者がCPU101に命令や情報等を入力するためのキーボードやマウス等のポインティングデバイスである入力部108等から構成されており、これらの各部間で送受信されるデータをバスコントローラ109が調停して動作する。
【0013】
このようなコンピュータでは、オペレータが電源を投入するとCPU101がROM102内のローダーというプログラムを起動させ、HDD104よりOS(Operating System)というコンピュータのハードウェアとソフトウェアとを管理するプログラムをRAM103に読み込み、このOSを起動させる。このようなOSは、オペレータの操作に応じてプログラムを起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。OSのうち代表的なものとしては、Windows(登録商標)等が知られている。これらのOS上で走る動作プログラムをアプリケーションプログラムと呼んでいる。なお、アプリケーションプログラムは、所定のOS上で動作するものに限らず、後述の各種処理の一部の実行をOSに肩代わりさせるものであってもよいし、所定のアプリケーションソフトやOSなどを構成する一群のプログラムファイルの一部として含まれているものであってもよい。
【0014】
すなわち、HDD104に記憶されているアプリケーションプログラムの違いによって、パーソナルコンピュータは、クライアントとして機能するコンピュータ4(以下、クライアント4という)、アプリケーションサーバ3A(図3参照)またはデータベースサーバ3B(図3参照)としてそれぞれ機能することになる。
【0015】
例えば、クライアント4には、アプリケーションプログラムとして、ウェブブラウザや、ウェブブラウザに対してプラグイン形式を用いて提供されるプラグインがインストールされている。プラグインのうち代表的なものとして、Microsoft Silverlight(商標)が挙げられる。Microsoft Silverlightは、インストール後はブラウザ上でアニメーション、グラフィックスの表示や音声・動画再生などを行うフレームワークである。
【0016】
また、一般的には、コンピュータのHDD104にインストールされるアプリケーションプログラムは、CD−ROMやDVDなどの各種の光ディスク、各種光磁気ディスク、フレキシブルディスクなどの各種磁気ディスク、半導体メモリ等の各種方式のメディア等の記憶媒体110に記録され、この記憶媒体110に記録された動作プログラムがHDD104にインストールされる。このため、CD−ROMやDVD等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等の可搬性を有する記憶媒体110も、アプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、アプリケーションプログラムは、例えば通信制御装置106を介して外部から取り込まれ、HDD104にインストールされても良い。
【0017】
コンピュータは、OS上で動作するアプリケーションプログラムが起動すると、このアプリケーションプログラムに従い、CPU101が各種の演算処理を実行して各部を集中的に制御する。
【0018】
以下において、アプリケーションサーバ3A及びクライアント4の各CPU101がアプリケーションプログラムにより実行する各種の演算処理のうち、本実施形態の特長的な処理であるデータ転送処理について説明する。
【0019】
図3は、業務支援システム1におけるデータ転送処理の流れを示す模式図である。業務支援システム1においては、クライアントとなるコンピュータ4の一画面に各種のグラフィカルユーザインタフェースを構成する部品要素(GUIウィジェット)が配置されている。GUIウィジェットとしては、リストボックスやデータグリッドビューなどが挙げられる。図5に示すように、クライアントとなるコンピュータ4は、例えばウェブブラウザのプラグインであるMicrosoft Silverlight(商標)によって、GUIウィジェットを制御するUIコントロールとして機能する。UIコントロールには、画面の初期化時に各種のマスタデータがセットされる。
【0020】
ところで、上述したようなUIコントロールにセットするマスタデータは、アプリケーションサーバとなるコンピュータ3(以下、アプリケーションサーバ3Aという)からクライアントとなるコンピュータ4(以下、クライアント4という)に対して異なるデータテーブル(または、データセット)で送信される。しかしながら、アプリケーションサーバ3Aからクライアント4に対してマスタデータを送信する際に、各GUIウィジェットに対応するUIコントロール毎にデータ取得を依頼することは、ボトルネックとなる通信回線5を何往復も通信することになり、パフォーマンスが悪化する。
【0021】
そこで、本実施形態にかかる業務支援システム1においては、通信回線5を介したクライアント4とアプリケーションサーバ3Aとの間の通信において、データの格納機能および取り出し機能を有するデータ転送オブジェクトであるDTO(Data Transfer Object)を用いている。アプリケーションサーバとなるコンピュータ3に対する処理要求であるデータの取り出し要求は、クエリ文で表現され、DTOは、データの取り出し要求を表す複数のクエリ文を一纏めしたものである。
【0022】
また、本実施形態にかかる業務支援システム1においては、UIコントロールにセットするマスタデータがデータベースサーバ3Bに格納されている。マスタデータは、例えば管理用のマスタデータと業務用のマスタデータである。管理用のマスタデータは予め分類された分類データ(ゾーンデータ、テナントデータ、ビルデータ、フロアデータ)から構成されており、業種用のマスタデータは予め分類された各種の分類データ(呉服データ、婦人・子供服データ、寝具データ、男子服データ、靴・履物データ)から構成されている。
【0023】
図3に示すように、アプリケーションサーバ3AのCPU101は、アプリケーションプログラムを実行することにより、受信手段31、処理実行手段32、送信手段33を実現する。また、図3に示すように、クライアント4のCPU101は、アプリケーションプログラムを実行することにより、キー送信手段41、処理結果受信手段42を実現する。
【0024】
まず、図3に示すように、クライアント4のキー送信手段41は、サービスを提供するアプリケーションサーバ3Aに対して要求に必要な1または複数の情報のキー(クエリ)をまとめてデータ転送オブジェクトであるDTO(Data Transfer Object)に格納して送信する。ここで、クライアント4からアプリケーションサーバ3Aに対して送信されるクエリとしては、例えば、ウェブブラウザのプラグインであるMicrosoft Silverlight(商標)によってUIコントロールとしてリストボックスが配置されている場合におけるリストとなるマスタデータの要求クエリである。
【0025】
アプリケーションサーバ3Aの受信手段31は、アプリケーションの提供先であるクライアント4からDTOに格納された要求に必要な情報のキーであるクエリを受信する。
【0026】
アプリケーションサーバ3Aの処理実行手段32は、受信手段31が受信したDTOに格納された全ての情報のキー(クエリ)で表される要求に対する処理を実行する。ここで、DTOに格納された情報のキー(クエリ)で表される要求に対する処理とは、上述したようなリストボックスのリストとなるマスタデータの要求クエリに対して、データベースサーバ3BからUIコントロールにセットするマスタデータを取得する処理である。
【0027】
アプリケーションサーバ3Aの送信手段33は、処理実行手段32による全ての処理の結果の応答をDTOに格納してクライアントとなるコンピュータ4に送信する。すなわち、送信手段33は、例えばデータベースサーバとして機能するコンピュータ3から取得したマスタデータをDTOに格納してクライアントとなるコンピュータ4に送信する。
【0028】
そして、クライアント4の処理結果受信手段42は、DTOに格納して送信した情報のキー(クエリ)に応じた要求に対する処理の結果の応答をアプリケーションサーバ3Aから受信する。
【0029】
このようにデータの格納機能および取り出し機能を有するデータ転送オブジェクトであるDTOを用いることにより、通信回線5を介したクライアント4とアプリケーションサーバ3Aとの間の一つの処理について一回だけの要求と応答で処理が完了することになる。すなわち、クライアント4からアプリケーションサーバ3Aの呼び出しは一往復で済むので、ボトルネックである通信回線5における通信量を減らすことができる。
【0030】
次に、上述したようなDTOを用いたデータ転送事例について説明する。図4は、業務支援システム1におけるデータ転送事例を示す模式図である。図4に示す例は、アプリケーション画面にUIコントロールとしてリストボックスが表示される例である。
【0031】
図4に示すリストボックスは、「管理用」ボタンB1と「業種用」ボタンB2が表示されている。「管理用」ボタンB1が選択されることによって、管理用として分類データ名(ビル、フロア、ゾーン、テナント)がそれぞれ表示された「ビル」ボタンB11、「フロア」ボタンB12、「ゾーン」ボタンB13、「テナント」ボタンB14が表示される。図4の例では、「ビル」ボタンB11が選択された状態である。このように「ビル」ボタンが選択されたことによって、分類名「ビル」に属するビル1、ビル2、ビル3、ビル4のデータ内容が、リスト表示欄L1,L2に表示されている。また、図示しないが、「業種用」ボタンB2が選択されることによって、業務用として分類された分類データ名(呉服、婦人・子供服、寝具、男子服、靴・履物)がそれぞれ表示された「呉服」ボタン、「婦人・子供服」ボタン、「寝具」ボタン、「男子服」ボタン、「靴・履物」ボタンが表示される。
【0032】
図4に示すように、アプリケーション画面にUIコントロールとしてリストボックスが配置されている場合、クライアント4はアプリケーションサーバ3Aに対してUIコントロールにセットするマスタデータを要求する必要がある。例えば、図4に示すリストボックスでは、分類データ名別にリストを表示することが可能になっており、管理用のマスタデータにおける分類データ名毎のマスタデータ、業務用のマスタデータにおける分類データ名毎のマスタデータが必要となる。
【0033】
そこで、クライアント4は、画面の初期化時などに、リストボックスで使用するマスタデータの要求に必要なクエリを格納したデータ転送オブジェクトであるDTOを定義し、アプリケーションサーバ3Aに送信する。
【0034】
具体的には、クライアント4は、各種の分類データ(ゾーンデータ、テナントデータ、ビルデータ、フロアデータ)から構成された管理用のマスタデータと、各種の分類データ(呉服データ、婦人・子供服データ、寝具データ、男子服データ、靴・履物データ)から構成された業種用のマスタデータとの要求に必要なクエリを格納したDTOをアプリケーションサーバ3Aに送信する。
【0035】
アプリケーションサーバ3Aは、クライアント4から受信したDTOに格納された全ての情報のキー(クエリ)に応じた要求に対する処理を実行する。すなわち、上述したようなリストボックスのリストとなるマスタデータの要求クエリに対して、データベースサーバ3BからUIコントロールにセットする管理用のマスタデータを取得して管理用DTOに全て格納するとともに、データベースサーバ3BからUIコントロールにセットする業種用のマスタデータを取得して業種用DTOに全て格納して、クライアント4に返信する。
【0036】
例えば、図4の場合、クライアント4から「ゾーン」、「テナント」、「ビル」、「フロア」のデータを要求する複数のクエリを一まとめにして格納したデータ転送オブジェクトであるDTOがアプリケーションサーバ3Aに送信されるので、アプリケーションサーバ3Aは、「ゾーン」、「テナント」、「ビル」、「フロア」のデータを要求する各クエリに対して、管理用マスタテーブルから、「ゾーン」、「テナント」、「ビル」、「フロア」のマスタデータを取得して管理用DTOに格納する。そしてクライアント4に返信する。
【0037】
図5は、管理用DTOに格納されるデータの構造を示す模式図である。図5に示すように、管理用DTOは、クエリ(ゾーン、テナント、ビル、フロア)に対応付けられて、ゾーンのマスタデータとテナントのマスタデータとビルのマスタデータとフロアのマスタデータとが格納されている。例えば、ビルのマスタデータは、「ビル1」、「ビル2」、「ビル3」、「ビル4」である。また、ゾーンのマスタデータは、「ゾーン1」、「ゾーン2」、「ゾーン3」、「ゾーン4」である。なお、テナントのマスタデータとフロアのマスタデータとについては、説明を省略する。
【0038】
図6は、業種用DTOに格納されるデータの構造を示す模式図である。図6に示すように、業種用DTOは、クエリ(呉服、婦人・子供服、寝具、男子服、靴・履物)に対応付けられて、呉服のマスタデータと婦人・子供服のマスタデータと寝具のマスタデータと男子服のマスタデータと靴・履物のマスタデータとが格納されている。例えば、呉服のマスタデータは、「店舗1」、「店舗2」、「店舗3」、「店舗4」である。また、寝具のマスタデータは、「店舗1」、「店舗2」、「店舗3」、「店舗4」である。なお、婦人・子供服のマスタデータと男子服のマスタデータと靴・履物のマスタデータとについては、説明を省略する。
【0039】
そして、クライアント4は、返信された管理用DTOに格納された管理用のマスタデータをUIコントロールにセットするとともに、クライアント4から受信した業務用DTOに格納された業種用のマスタデータをUIコントロールにセットする。
【0040】
具体的には、クライアント4は、アプリケーションサーバ3Aから送信された管理用DTOに格納されたクエリ(ビル)に対応付けられたマスタデータ「ビル1」、「ビル2」、「ビル3」、「ビル4」を、UIコントロールにセットし、図4に示すようにリスト表示欄L1,L2にマスタデータを表示する。なお、図4の選択ボタンB3は、例えば編集対象を選択する時に使用するボタンであり、ビル1とビル2が選択されることによって左側のリスト表示欄L1から右側のリスト表示欄L2にデータが移る。全選択ボタンB4は、左側のリスト表示欄L1に表示される全てのマスタデータを選択するためのボタンである。
【0041】
このように複数のマスタデータをセットするためのデータ取得に複数のDTOを使用することにより、UIコントロールに割り当てる値のフォーマットを個々に設定できるようになるためデータを柔軟に処理することができる。
【0042】
このようにすることで、リストボックスの項目ボタンの切り替えによってリスト(マスタデータ)を切り替えることが可能になる。リスト(マスタデータ)には階層構造の管理用DTO(図5)および業務用DTO(図6)がセットされているため、レベルを1つずつ掘り下げてデータ項目を詳細にしていく操作であるドリルダウンで対象データを選択することが可能になる。
【0043】
このように本実施の形態によれば、GUIウィジェットを制御する複数のUIコントロールにセットするデータをアプリケーションサーバ3Aがデータベースサーバ3Bから取得する際において、複数のDTOを使用することにより、クライアント4からアプリケーションサーバ3Aへのデータ呼び出しが一往復で済むのでデータ通信量を減らすことができるとともに、UIコントロールに割り当てるデータのフォーマットを個々に設定できるようになるので、データを柔軟に効率良く処理しつつUIコントロールにデータをセットすることができる。
【0044】
なお、画面の初期化時にUIコントロールに各種のマスタデータがセットされるものとしたが、これに限るものでない。例えば、図4に示す「管理用」ボタンB1や「業種用」ボタンB2が選択された場合に、クライアント4が、アプリケーションサーバ3Aに対して要求に必要な1または複数の情報のキー(クエリ)をまとめてDTOに格納して送信するようにしても良い。
【0045】
また、管理に属するゾーン、テナント、ビル、フロアの内、例えば「ビル」ボタンB11が選択された場合に、クライアント4が、「ビル」のデータを要求するクエリを格納したDTOを作成し、アプリケーションサーバ3Aに送信するようにしても良い。この場合、クライアント4から「ビル」のデータを要求するのに複数のクエリが必要な場合、これらの複数のクエリをまとめて格納したデータ転送オブジェクトであるDTOがアプリケーションサーバ3Aに送信されるので、アプリケーションサーバ3Aは、「ビル」のデータを要求する複数のクエリに応じて、管理用マスタテーブルから「ビル」のマスタデータ(「ビル1」、「ビル2」、「ビル3」、「ビル4」)を取得して管理用DTOに格納し、クライアント4に返信する。
【0046】
本実施形態のアプリケーションサーバ3Aおよびクライアント4で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0047】
また、本実施形態のアプリケーションサーバ3Aおよびクライアント4で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のアプリケーションサーバ3Aおよびクライアント4で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0048】
また、本実施形態のアプリケーションサーバ3Aおよびクライアント4を、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0049】
本実施形態のアプリケーションサーバ3Aで実行されるプログラムは、上述した各部(受信手段31、処理実行手段32、送信手段33)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、受信手段31、処理実行手段32、送信手段33が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0050】
本実施形態のクライアント4で実行されるプログラムは、上述した各部(キー送信手段41、処理結果受信手段42)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、キー送信手段41、処理結果受信手段42が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0051】
3A アプリケーションサーバ
4 クライアント
31 受信手段
32 処理実行手段
33 送信手段
41 キー送信手段
42 処理結果受信手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特開平11−215206号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントに対して所定のアプリケーションを提供するアプリケーションサーバにおいて、
前記クライアントからデータ転送オブジェクトに格納された、グラフィカルユーザインタフェースを構成する部品要素を制御するUIコントロールにセットされるマスタデータ要求に必要な複数の情報のキーを受信する受信手段と、
前記情報のキーに応じた要求に対する処理を実行する処理実行手段と、
前記処理の結果の応答をデータ転送オブジェクトに格納して前記クライアントに送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするアプリケーションサーバ。
【請求項2】
前記処理実行手段は、前記マスタデータを、複数の前記情報のキーに応じてそれぞれ取得し、
前記送信手段は、前記複数のマスタデータをデータ転送オブジェクトに全て格納して前記クライアントに送信する、
ことを特徴とする請求項1記載のアプリケーションサーバ。
【請求項3】
アプリケーションサーバに対して所定のアプリケーションを要求するクライアントにおいて、
前記アプリケーションサーバに対して、グラフィカルユーザインタフェースを構成する部品要素を制御するUIコントロールにセットされるマスタデータ要求に必要な複数の情報のキーをデータ転送オブジェクトに格納して送信するキー送信手段と、
前記情報のキーに応じた要求に対する処理の結果の応答が格納されたデータ転送オブジェクトを受信する処理結果受信手段と、
を備えることを特徴とするクライアント。
【請求項4】
前記処理実行手段は、前記マスタデータを、複数の前記情報のキーに応じてそれぞれ取得し、
前記送信手段は、前記複数のマスタデータをデータ転送オブジェクトに全て格納して前記クライアントに送信する、
ことを特徴とする請求項3記載のクライアント。
【請求項5】
クライアントに対して所定のアプリケーションを提供するアプリケーションサーバとして機能するコンピュータを、
前記クライアントからデータ転送オブジェクトに格納された、グラフィカルユーザインタフェースを構成する部品要素を制御するUIコントロールにセットされるマスタデータ要求に必要な複数の情報のキーを受信する受信手段と、
前記情報のキーに応じた要求に対する処理を実行する処理実行手段と、
前記処理の結果の応答をデータ転送オブジェクトに格納して前記クライアントに送信する送信手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
アプリケーションサーバに対して所定のアプリケーションを要求するクライアントとして機能するコンピュータを、
前記アプリケーションサーバに対して、グラフィカルユーザインタフェースを構成する部品要素を制御するUIコントロールにセットされるマスタデータ要求に必要な複数の情報のキーをデータ転送オブジェクトに格納して送信するキー送信手段と、
前記情報のキーに応じた要求に対する処理の結果の応答が格納されたDTOを受信する処理結果受信手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−181696(P2012−181696A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44401(P2011−44401)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】