説明

アプリケーション実行装置、アプリケーション実行方法およびアプリケーション実行プログラム

【課題】ソフトウェアの機能を公開して他のアプリケーションプログラムに利用させる際、本来意図した機能のみを利用させる。
【解決手段】入力される命令に応じて実行する複数の機能部を有する制御部を備えるアプリケーション実行装置が、制御部が有する機能部に対する命令が含まれるアプリケーションプログラムの実行要求が入力されると、読み出したアプリケーションプログラムに含まれる命令を出力し、制御部が有する複数の機能部に対する命令のうち、アプリケーションプログラムに基づいて入力される命令に応じて実行することが許可された命令を示す公開機能リストを読み出し、出力された命令が公開機能リストに含まれるか否かを判定し、出力された命令が公開機能リストに含まれると判定すると、命令を制御部に入力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトウェアの公開機能を外部のアプリケーションプログラムに利用させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
公開されたソフトウェアの機能を外部のアプリケーションプログラム(プラグイン)から動作させ、そのソフトウェアの機能を拡張することが行われている。例えば、ソフトウェアの仕様やAPI(Application Program Interface)がその開発元によって公開されたり、プラグインの開発を行うためのSDK(Software Development Kit:開発キット)が開発元によって配布されたりして、第三者によってプラグインが作成される。これにより、自由度が高く、多彩なソフトウェアの利用が可能となる。例えば、特許文献1には、ブラウザにプラグインを追加することで機能を拡張し、ブラウザ上で動画の再生や各種アプリケーションを実行することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2004−512578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなソフトウェアやSDKが解析されることにより、ソフトウェアが本来公開することを意図していない機能がプラグインによって利用されたり、非公開の情報(例えば、ユーザの個人情報など)が取得されたりすることがあると考えられる。そこで、ソフトウェアの機能を公開して第三者のアプリケーションプログラムに利用させる場合、ソフトウェアの開発元が本来意図した機能のみを利用させ、意図していない機能については利用させないように制御することが望ましい。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、ソフトウェアの機能を公開して他のアプリケーションプログラムに利用させる際、本来意図した機能のみを利用させるアプリケーション実行装置、アプリケーション実行方法およびアプリケーション実行プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、入力される命令に応じて実行する複数の機能部を有する制御部と、制御部が有する機能部に対する命令が含まれるアプリケーションプログラムを記憶するアプリケーションプログラム記憶部と、制御部が有する複数の機能部に対する命令のうち、アプリケーションプログラムに基づいて入力される命令に応じて実行することが許可された命令を示す公開機能リストを記憶する公開機能リスト記憶部と、アプリケーションプログラムの実行要求が入力されると、アプリケーションプログラム記憶部に記憶されたアプリケーションプログラムを読み出し、読み出したアプリケーションプログラムに含まれる命令を出力するアプリケーション実行部と、アプリケーション実行部から命令が出力されると、公開機能リスト記憶部に記憶された公開機能リストを読み出し、出力された命令が公開機能リストに含まれるか否かを判定し、出力された命令が公開機能リストに含まれると判定すると、命令を制御部に入力する制御代理部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、アプリケーションプログラムの種別毎に、種別に応じた複数の制御代理部を備え、アプリケーション実行部は、アプリケーションプログラム記憶部に記憶されたアプリケーションプログラムの種別を判定し、複数の制御代理部のうち、判定した種別に応じた制御代理部に命令を入力することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、送信される取得要求に応じてアプリケーションプログラムをアプリケーション実行装置に送信するアプリケーションサーバにネットワークを介して接続され、実行要求が入力されると、アプリケーションサーバに取得要求を送信し、送信した取得要求に応じてアプリケーションサーバから送信されるアプリケーションプログラムを受信し、受信したアプリケーションプログラムをアプリケーションプログラム記憶部に記憶させるアプリケーションプログラム取得部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、入力される命令に応じて実行する複数の機能部を有する制御部と、制御部が有する機能部に対する命令が含まれるアプリケーションプログラムを記憶するアプリケーションプログラム記憶部と、制御部が有する複数の機能部に対する命令のうち、アプリケーションプログラムに基づいて入力される命令に応じて実行することが許可された命令を示す公開機能リストを記憶する公開機能リスト記憶部と、を備えたアプリケーション実行装置のアプリケーション実行方法であって、アプリケーションプログラムの実行要求が入力されると、アプリケーションプログラム記憶部に記憶されたアプリケーションプログラムを読み出し、読み出したアプリケーションプログラムに含まれる命令を出力するステップと、命令が出力されると、公開機能リスト記憶部に記憶された公開機能リストを読み出し、出力された命令が公開機能リストに含まれるか否かを判定し、出力された命令が公開機能リストに含まれると判定すると、命令を制御部に入力するステップと、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、入力される命令に応じて実行する複数の機能部を有する制御部と、制御部が有する機能部に対する命令が含まれるアプリケーションプログラムを記憶するアプリケーションプログラム記憶部と、制御部が有する複数の機能部に対する命令のうち、アプリケーションプログラムに基づいて入力される命令に応じて実行することが許可された命令を示す公開機能リストを記憶する公開機能リスト記憶部と、を備えたアプリケーション実行装置のコンピュータに、アプリケーションプログラムの実行要求が入力されると、アプリケーションプログラム記憶部に記憶されたアプリケーションプログラムを読み出し、読み出したアプリケーションプログラムに含まれる命令を出力するステップと、命令が出力されると、公開機能リスト記憶部に記憶された公開機能リストを読み出し、出力された命令が公開機能リストに含まれるか否かを判定し、出力された命令が公開機能リストに含まれると判定すると、命令を制御部に入力するステップと、を実行させるアプリケーション実行プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、入力される命令に応じて実行する複数の機能部を有する制御部を備えるアプリケーション実行装置の制御代理部が、アプリケーションプログラムによって制御部に対する命令が出力される際、アプリケーションプログラムからの実行が許可された命令を示す公開機能リストを参照して、命令が公開機能リストに含まれると判定した場合に制御部に入力するようにした。これにより、制御部の機能を公開して他のアプリケーションプログラムに利用させる際、公開機能リストに予め設定した機能のみを利用させ、アプリケーションプログラムからの利用が本来意図されていない機能を利用させないようにすることが可能となる。
【0012】
また、本発明によれば、上述のアプリケーション実行装置が、実行するアプリケーションプログラムの種別を判定し、アプリケーションプログラムの種別に応じた複数の制御代理部のうち、判定した種別に応じた制御代理部に命令を入力するようにした。これにより、例えば制御部であるソフトウェアのバージョンや課金の有無などの種別ごとに利用が許可された機能が異なる場合などに、その種別に応じた制御を行うことが可能となる。
【0013】
また、本発明によれば、上述のアプリケーション実行装置が、ネットワークを介して接続されたアプリケーションサーバからアプリケーションプログラムを受信して記憶し、記憶したアプリケーションプログラムを実行するようにした。これにより、アプリケーションプログラムを予めアプリケーション実行装置に記憶しておくことが不要となる。このため、例えば、ユーザが通常使用するコンピュータ端末ではないコンピュータ端末においても、同様のアプリケーションプログラムをダウンロードして実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態によるコンテンツ再生システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるアプリケーション実行装置の表示部に表示されるアプリケーション検索画面の例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるアプリケーション実行装置の表示部に表示されるコンテンツ再生画面の例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるアプリケーション実行装置の動作例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態によるアプリケーション実行装置の実装概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるコンテンツ再生システム1の構成を示すブロック図である。コンテンツ再生システム1は、アプリケーション実行装置10と、アプリケーションサーバ20と、コンテンツサーバ30と、ユーザ情報サーバ40とのコンピュータ装置を備えており、これらのコンピュータ装置がネットワークを介して接続されている。ここでは、コンテンツサーバ30から配信されるコンテンツを再生するクライアント端末として1台のアプリケーション実行装置10を示して説明するが、ネットワークには複数台のアプリケーション実行装置10が接続されていて良い。
【0016】
コンテンツ再生システム1によるコンテンツ再生サービスの概要を説明する。コンテンツサーバ30は、アプリケーション実行装置10からのコンテンツ再生要求に応じて動画等のコンテンツをアプリケーション実行装置10に配信する。アプリケーション実行装置10は、コンテンツサーバ30から配信されたコンテンツを再生するとともに、再生するコンテンツに関するコメントの入力を受付ける。アプリケーション実行装置10に入力されたコメントはコンテンツサーバ30に送信され、コンテンツサーバ30によってコンテンツに関連付けられて記憶され、記憶されたコメントはコンテンツとともに他のアプリケーション実行装置10に配信される。
【0017】
配信されるコンテンツとコメントとを受信したアプリケーション実行装置10が、受信したコンテンツとコメントとを合わせて出力することにより、複数のユーザ間でコメントを共有することができる。アプリケーション実行装置10は、このようなコンテンツ再生処理を行うコンテンツ再生ソフトウェアを備えており、アプリケーションサーバ20には、コンテンツ再生ソフトウェアに対するプラグインであるアプリケーションプログラムが記憶されている。アプリケーションサーバ20は、アプリケーション実行装置10から送信される取得要求に応じてアプリケーションプログラムをアプリケーション実行装置10に送信する。このようなアプリケーションプログラムにより、アプリケーション実行装置10のコンテンツ再生ソフトウェアの機能が拡張される。ユーザ情報サーバ40には、コンテンツ再生システム1によりコンテンツ再生を行うことが定められたユーザに関する情報が記憶されている。
【0018】
次に、コンテンツ再生システム1が備える各コンピュータ装置を詳細に説明する。アプリケーションサーバ20は、アプリケーション記憶部21と、通信部22と、検索部23とを備えている。
アプリケーション記憶部21には、第三者によって作成されたプラグインであるアプリケーションプログラムが記憶される。このようなプラグインとしては、例えば、ブラウザのプラグインや、FLASH(登録商標) Playerのプラグインが存在する。プラグインのアプリケーションプログラムとしては、例えば、複数人で利用できるゲームアプリなどが考えられる。このようなゲームアプリにより、複数ユーザが協力関係を持ってチームになったり、敵対したりすることによりコミュニケーションを図ることができる。あるいは、例えばユーザ同士がコンテンツを紹介しあうアプリなどが考えられる。このようなアプリケーションプログラムにより、ユーザ同士がつながることを促進したり、複数人でゲームを楽しみたいという動機を生成したりすることができる。これにより、ユーザ同士のやりとりや、ゲーム自体の面白みを提供し、アプリケーションプログラムを軸としたコミュニティが形成されることが期待できる。
【0019】
通信部22は、ネットワークを介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。検索部23は、アプリケーション実行装置10から送信されるアプリケーションプログラム取得要求に応じて、アプリケーション記憶部21からアプリケーションプログラムを読み出し、アプリケーション実行装置10に送信する。また、検索部23は、アプリケーション記憶部21に記憶されている複数のアプリケーションプログラムから、指定されたキーワードや種別などによって任意のアプリケーションプログラムを検索し、例えば図2に示すように、検索したアプリケーションプログラムの特徴等を示す文字情報をアプリケーション実行装置10に送信してユーザに提示することができる。例えば、クライアント端末であるアプリケーション実行装置10に入力された検索キーワードがアプリケーションサーバ20に送られ、アプリケーションサーバ20の検索部23がアプリケーション記憶部21から検索キーワードに合致するアプリケーションを検索する。ユーザは、このように提示されたアプリケーションプログラムから、自身が利用したいアプリケーションプログラムを選択する。このようにユーザに選択されたアプリケーションプログラムの一覧は、そのユーザのユーザ情報としてユーザ情報サーバ40に記憶される。
【0020】
図1に戻り、コンテンツサーバ30は、コンテンツ記憶部31と、通信部32と、検索部33とを備えている。
コンテンツ記憶部31には、アプリケーション実行装置10に配信するコンテンツが予め記憶されている。通信部32は、ネットワークを介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。検索部23は、アプリケーション実行装置10から送信されるコンテンツ再生要求に応じて、コンテンツ記憶部31からコンテンツを読み出し、アプリケーション実行装置10に送信する。また、検索部33は、コンテンツ記憶部31に記憶されている複数のコンテンツから、指定されたキーワードや種別などによって任意のコンテンツを検索し、検索したコンテンツの特徴等を示す文字情報をアプリケーション実行装置10に送信してユーザに提示することができる。
【0021】
ユーザ情報サーバ40は、ユーザ情報記憶部41と、通信部42と、検索部43とを備えている。
ユーザ情報記憶部41には、コンテンツ再生システム1によるコンテンツ配信サービスを利用することが登録されたユーザに関するユーザ情報が記憶される。ユーザ情報には、例えば、ユーザを識別するユーザアカウントに、ログインのためのパスワードや、メールアドレス、そのユーザによって選択されたアプリケーションプログラム一覧などの情報が対応付けられて記憶されている。検索部43は、ネットワークを介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。検索部43は、ログインしたユーザアカウントに対応付けられたアプリケーションプログラム一覧をユーザ情報記憶部41から読み出し、アプリケーション実行装置10に送信する。
【0022】
アプリケーション実行装置10は、制御部11と、表示部12と、入力部13と、アプリケーションプログラム取得部14と、アプリケーションプログラム記憶部15と、アプリケーション実行部16と、制御代理部17と、公開機能リスト記憶部18とを備えている。
制御部11は、入力される命令に応じて定められた処理を実行する複数の機能部を有するコンテンツ再生ソフトウェアである。ここでは、制御部11は、インターネットブラウザにおいて上述したようなコンテンツ再生処理を行う。例えば、制御部11は、コンテンツサーバ30にコンテンツの再生要求を送信する処理を実行する機能部や、コンテンツサーバ30から送信されるコンテンツを表示部12に表示させる処理を実行する機能部、ユーザ情報サーバ40から特定のユーザのユーザ情報を取得する処理を実行する機能部などを有する。ここで、制御部11が有する各機能部を動作させるAPIは、アプリケーションプログラムによって利用されるために公開されている。
【0023】
表示部12は、制御部11によって再生されるコンテンツを表示するディスプレイである。本実施形態では、コンテンツが動画である例を説明する。図3は、表示部12に表示される画面例を示す図である。画面中の再生領域110には、コンテンツサーバ30から配信される動画と、他のアプリケーション実行装置10から送信されコンテンツサーバ30によって配信されたコメントとが重ね合わせて表示される。コンテンツサーバ30から配信されたコメントは、符号111に示されるように、動画上の右から左に流れるようにスクロールして表示される。これにより、コンテンツ再生サービスのユーザは、動画を視聴しながら、動画の内容に応じて入力されるコメントを他のユーザと共有し、コミュニケーションを図ることが可能となる。
【0024】
入力フォーム112には、キーボードやマウスなどの入力部を介してユーザからコメントが入力される。書込みボタン113が押下されることによって、入力フォーム112に入力されたテキストによるコメントや、コメント付与時間、動画識別情報、ユーザ識別情報などがコンテンツサーバ30に送信される。コメント一覧表示エリア114は、複数のユーザから入力されたコメントが表示される領域である。このようにリスト化されたコメントは、アプリケーション実行装置10がコンテンツサーバ30から定期的に受信し、アプリケーション実行装置10の記憶領域に記憶される。コメント一覧表示エリア114には、コメントに付与された発言順序を示す番号、コメントを入力したユーザ名、コメントの書き込みをしたコメント付与時間、発言されたコメントの一部が、投稿された実時間情報の順に従って表示される。アプリケーションアイコン表示エリア115は、ユーザに対応付けられたアプリケーションプログラムを示すアイコンが記憶される領域である。このアイコンが押下されると、アプリケーションの実行要求が入力される。
【0025】
図1に戻り、入力部13は、ユーザからの操作情報の入力を受付けるデバイスである。入力部13としては、例えば、キーボードやマウスなどが適用できる。入力部13には、コンテンツ再生要求やアプリケーション実行要求などが入力される。
アプリケーションプログラム取得部14は、入力部13にアプリケーションの実行要求が入力されると、アプリケーションサーバ20にアプリケーションプログラム取得要求を送信し、送信したアプリケーションプログラム取得要求に応じてアプリケーションサーバ20から送信されるアプリケーションプログラムを受信し、受信したアプリケーションプログラムをアプリケーションプログラム記憶部15に記憶させる。本実施形態では、このようにアプリケーションの実行要求入力時にアプリケーションプログラムを取得する例を説明するが、ユーザがコンテンツ再生サービスにログインした際に、そのユーザに対応付けられてユーザ情報サーバ40に記憶されているアプリケーションプログラム一覧を読み出し、読み出したアプリケーションプログラム一覧に含まれるアプリケーションプログラムの全てを取得して、予めアプリケーションプログラム記憶部15に記憶させておくようにしても良い。
【0026】
アプリケーションプログラム記憶部15には、制御部11が有する機能部に対する命令が含まれるアプリケーションプログラムが記憶されている。アプリケーションプログラム記憶部15に記憶されるアプリケーションプログラムは、制御部11の開発元によって予め配布されたSDKに基づいて作成されてアプリケーションサーバ20に記憶され、アプリケーションプログラム取得部14によって取得されたものである。このようなSDKには、異なる種別の複数のSDKが存在しうる。例えば、制御部11は必要に応じてバージョンが更新されるものであり、これに応じて配布されるSDKのバージョンも更新される。このため、アプリケーションプログラムは、異なるバージョンのSDKによって作成されたものが存在し得る。アプリケーションプログラムには、このようなSDKのバージョン種別を示す情報が含まれている。バージョン種別は、例えば数値によって示される情報である。あるいは、例えばこのようなSDKは、提供先(企業または個人)などに応じて異なるSDKが配布されることが考えられる。このとき、企業向けのSDKについては課金されるが、一般ユーザ向けのSDKについては課金されないようなことが考えられる。アプリケーションプログラムにはこのような課金種別を示す情報が含まれている。課金種別は、例えば課金の有無を示すフラグ値によって示される情報である。このようなバージョン種別または課金種別の種別ごとに、異なる制御代理部17が必要となる。
【0027】
アプリケーション実行部16は、アプリケーションプログラムの実行要求が入力されると、アプリケーション実行部16に記憶されているアプリケーションプログラムを読み出して実行し、読み出したアプリケーションプログラムに含まれる命令を制御代理部17に出力する。ここで、アプリケーション実行部16は、アプリケーションプログラムの課金種別やバージョンを判定し、複数の制御代理部17のうち、判定した種別に応じた制御代理部17に命令を入力する。
【0028】
制御代理部17は、アプリケーションプログラムの種別毎に、その種別に応じた複数の制御代理部(制御代理部17−a、制御代理部17−b、制御代理部17−c、・・・)を備えている。種別とは、上述したようなバージョン種別や、課金種別である。
公開機能リスト記憶部18には、制御部11が有する複数の機能部に対する命令のうち、アプリケーションプログラムに基づいて入力される命令に応じて実行することが許可された命令を示す公開機能リストが記憶されている。ここで、公開機能リスト記憶部18には制御代理部17が備える制御代理部の種別毎に、対応する公開機能リスト(公開機能リスト記憶部18−a、公開機能リスト記憶部18−b、公開機能リスト記憶部18−c、・・・)が記憶されている。制御代理部17は、アプリケーション実行部16から命令が出力されると、公開機能リスト記憶部18に記憶されている対応する公開機能リストを読み出し、アプリケーション実行部16から出力された命令が公開機能リストに含まれるか否かを判定し、出力された命令が公開機能リストに含まれると判定すると、その命令を制御部11に入力する。このため、公開機能リスト記憶部18に含まれない機能は制御部11に入力されないため、実行されない。これにより、公開機能リストに含まれない(意図しない)機能がアプリケーションプログラムによって実行されることを防ぐことができる。
【0029】
次に、本実施形態によるアプリケーション実行装置の動作例を説明する。図4は、本実施形態によるアプリケーション実行装置10によるアプリケーション実行処理の動作例を示すフローチャートである。
アプリケーション実行装置10が、ユーザからの操作情報の入力に応じてコンテンツサーバ30にアクセスし、例えばユーザアカウントとパスワードとを入力してログインすると、ユーザ情報サーバ40の検索部43は、ユーザに対応付けられてユーザ情報サーバ40に記憶されているアプリケーション一覧を読み出し、アプリケーション実行装置10に送信する。アプリケーション実行装置10は、ユーザ情報サーバ40から送信されるアプリケーション一覧を受信する(ステップS1)。アプリケーション実行装置10の制御部11は、表示部12のアプリケーションアイコン表示エリア115に、アプリケーション一覧に示されるアイコンを表示させる。
【0030】
表示部12のアプリケーションアイコン表示エリア115に、アプリケーション一覧に示されるアイコンのうち、いずれかのアイコンが選択され押下されたことを示す情報が入力部13に入力されると(ステップS2)、アプリケーションプログラム取得部14は、選択されたアイコンに対応するアプリケーションプログラムの取得要求をアプリケーションサーバ20に送信する。アプリケーションサーバ20の検索部23が、アプリケーション実行装置10から送信されたアプリケーションプログラムをアプリケーション記憶部21から読み出すと、通信部22は、読み出されたアプリケーションプログラムをアプリケーション実行装置10に送信する。
【0031】
アプリケーション実行装置10のアプリケーションプログラム取得部14は、アプリケーションサーバ20から送信されたアプリケーションプログラムを受信すると(ステップS3)、受信したアプリケーションプログラムをアプリケーションプログラム記憶部15に記憶させる。アプリケーション実行部16は、アプリケーションプログラム記憶部15に記憶されたアプリケーションプログラムについて、上述したような課金種別を判定し(ステップS4)、また、アプリケーションプログラムのSDKのバージョン種別を判定して(ステップS5)、判定結果に応じた制御代理部17を選択する。そして、選択した制御代理部17によって、アプリケーションを実行する(ステップS6)。アプリケーション実行部16が、制御部11の機能を動作させる命令を出力すると(ステップS6)、制御代理部17は、アプリケーション実行部16から出力された命令が、公開機能リスト記憶部18に記憶されている対応する公開機能リストに含まれるか否かを判定する(ステップS8)。制御代理部17は、公開機能リストに含まれると判定すると(ステップS8:YES)、その命令を制御部11に入力して動作させる(ステップS9)。一方、公開機能リストに含まれないと判定すると(ステップS8:NO)、その命令を制御部11に入力せず、機能の実行を遮断する(ステップS10)。
【0032】
図5は、このようなアプリケーション実行装置の実装例を示す図である。図に示すように、アプリケーションプログラムの実体である実行コードを実行するアプリケーション実行部16は、プロキシオブジェクトである制御代理部17を介してのみ、コンテンツ再生ソフトウェアである制御部11の機能を実行できる。これにより、アプリケーションプログラムに含まれる命令のうち、公開機能リストに予め利用することが定められた機能に対しての命令の実行を許可し、定められていない命令の実行を遮断することが可能となる。
【0033】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりアプリケーションの実行を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0034】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0035】
1 コンテンツ再生システム
10 アプリケーション実行装置
11 制御部
12 表示部
13 入力部
14 アプリケーションプログラム取得部
15 アプリケーションプログラム記憶部
16 アプリケーション実行部
17 制御代理部
18 公開機能リスト記憶部
20 アプリケーションサーバ
21 アプリケーション記憶部
22 通信部
23 検索部
30 コンテンツサーバ
31 コンテンツ記憶部
32 通信部
33 検索部
40 ユーザ情報サーバ
41 ユーザ情報記憶部
42 通信部
43 検索部
110 再生領域
111 コメント
112 入力フォーム
113 書き込みボタン
114 コメント一覧表示エリア
115 アプリケーションアイコン表示エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される命令に応じて実行する複数の機能部を有する制御部と、
前記制御部が有する前記機能部に対する命令が含まれるアプリケーションプログラムを記憶するアプリケーションプログラム記憶部と、
前記制御部が有する複数の前記機能部に対する命令のうち、前記アプリケーションプログラムに基づいて入力される命令に応じて実行することが許可された命令を示す公開機能リストを記憶する公開機能リスト記憶部と、
前記アプリケーションプログラムの実行要求が入力されると、前記アプリケーションプログラム記憶部に記憶された前記アプリケーションプログラムを読み出し、読み出した当該アプリケーションプログラムに含まれる前記命令を出力するアプリケーション実行部と、
前記アプリケーション実行部から前記命令が出力されると、前記公開機能リスト記憶部に記憶された前記公開機能リストを読み出し、出力された前記命令が前記公開機能リストに含まれるか否かを判定し、出力された前記命令が前記公開機能リストに含まれると判定すると、当該命令を前記制御部に入力する制御代理部と、
を備えることを特徴とするアプリケーション実行装置。
【請求項2】
前記アプリケーションプログラムの種別毎に、当該種別に応じた複数の前記制御代理部を備え、
前記アプリケーション実行部は、前記アプリケーションプログラム記憶部に記憶された前記アプリケーションプログラムの種別を判定し、複数の前記制御代理部のうち、判定した当該種別に応じた前記制御代理部に前記命令を入力する
ことを特徴とする請求項1に記載のアプリケーション実行装置。
【請求項3】
送信される取得要求に応じて前記アプリケーションプログラムを前記アプリケーション実行装置に送信するアプリケーションサーバにネットワークを介して接続され、
前記実行要求が入力されると、前記アプリケーションサーバに前記取得要求を送信し、送信した当該取得要求に応じて前記アプリケーションサーバから送信される前記アプリケーションプログラムを受信し、受信した前記アプリケーションプログラムを前記アプリケーションプログラム記憶部に記憶させるアプリケーションプログラム取得部と、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアプリケーション実行装置。
【請求項4】
入力される命令に応じて実行する複数の機能部を有する制御部と、前記制御部が有する前記機能部に対する命令が含まれるアプリケーションプログラムを記憶するアプリケーションプログラム記憶部と、前記制御部が有する複数の前記機能部に対する命令のうち、前記アプリケーションプログラムに基づいて入力される命令に応じて実行することが許可された命令を示す公開機能リストを記憶する公開機能リスト記憶部と、を備えたアプリケーション実行装置のアプリケーション実行方法であって、
前記アプリケーションプログラムの実行要求が入力されると、前記アプリケーションプログラム記憶部に記憶された前記アプリケーションプログラムを読み出し、読み出した当該アプリケーションプログラムに含まれる前記命令を出力するステップと、
当該命令が出力されると、前記公開機能リスト記憶部に記憶された前記公開機能リストを読み出し、出力された前記命令が前記公開機能リストに含まれるか否かを判定し、出力された前記命令が前記公開機能リストに含まれると判定すると、当該命令を前記制御部に入力するステップと、
を備えることを特徴とするアプリケーション実行方法。
【請求項5】
入力される命令に応じて実行する複数の機能部を有する制御部と、前記制御部が有する前記機能部に対する命令が含まれるアプリケーションプログラムを記憶するアプリケーションプログラム記憶部と、前記制御部が有する複数の前記機能部に対する命令のうち、前記アプリケーションプログラムに基づいて入力される命令に応じて実行することが許可された命令を示す公開機能リストを記憶する公開機能リスト記憶部と、を備えたアプリケーション実行装置のコンピュータに、
前記アプリケーションプログラムの実行要求が入力されると、前記アプリケーションプログラム記憶部に記憶された前記アプリケーションプログラムを読み出し、読み出した当該アプリケーションプログラムに含まれる前記命令を出力するステップと、
当該命令が出力されると、前記公開機能リスト記憶部に記憶された前記公開機能リストを読み出し、出力された前記命令が前記公開機能リストに含まれるか否かを判定し、出力された前記命令が前記公開機能リストに含まれると判定すると、当該命令を前記制御部に入力するステップと、
を実行させるアプリケーション実行プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−93855(P2012−93855A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239050(P2010−239050)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(598138327)株式会社ドワンゴ (97)
【Fターム(参考)】