説明

アミド化合物とその植物病害防除用途

【課題】優れた植物病害防除効力を有する化合物を提供すること。
【解決手段】式(1)


〔式中、R2は臭素、沃素、シアノ基、ニトロ基等を表す。〕で示されるアミド化合物又はその塩は、優れた植物病害防除効力を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミド化合物及びその植物病害防除用途に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、植物病害の防除のために多くの化合物が開発され、使用されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、優れた植物病害防除効力を有する化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者等は、優れた植物病害防除効力を有する化合物を見出すべく鋭意検討した結果、下記式(1)で示されるアミド化合物が優れた植物病害防除効力を有することを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下のものである。
【0005】
[1] 式(1)

〔式中、
2は群Cより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC1〜C3鎖式炭化水素基、群Dより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基、群Eより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいフェニル基、臭素、沃素、シアノ基、ニトロ基、−O−R7基、−S−R5基、−C(=O)−R5基、−C(=O)−OR5基、−OC(=O)−R5基、−NR56基、−C(=O)−NR56基又は−NR5−C(=O)−R6基を表し、
5及びR6は相互に同一又は相異なり、水素、群Cより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC1〜C10鎖式炭化水素基、群Dより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基又は群Eより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
7は水素、群Cより選ばれる1以上の基で置換されているメチル基、群Cより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC2〜C5鎖式炭化水素基、群Dより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基又は群Eより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
なお、群Cは群Dより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基、ハロゲン、シアノ基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルチオ基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルスルフィニル基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルスルホニル基、ハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルキル)カルボニル基、ハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルコキシ)カルボニル基及びハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルキル)カルボニルオキシ基からなる群を表し、
群DはC1〜C5アルキル基及びハロゲンからなる群を表し、
群Eはハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C10鎖式炭化水素基、群Dより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルチオ基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルスルフィニル基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルスルホニル基、ハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルキル)カルボニル基、ハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルコキシ)カルボニル基及びハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルキル)カルボニルオキシ基からなる群を表す。〕
で示されるアミド化合物(以下、本発明化合物と記す)又はその塩。
【0006】
[2] R2がC1〜C3鎖式炭化水素基、臭素又は沃素である[1]記載のアミド化合物又はその塩。
【0007】
[3] [1]又は[2]記載のアミド化合物又はその塩と、不活性担体と、を含有する植物病害防除剤。
【0008】
[4] [1]又は[2]記載のアミド化合物又はその塩の有効量を植物又は植物が生育する土壌に施用する工程を有する植物病害の防除方法。
【0009】
[5] 植物病害を防除するための[1]又は[2]記載のアミド化合物又はその塩の使用。
【発明の効果】
【0010】
本発明化合物又はその塩は優れた植物病害防除効力を有することから、植物病害防除用途に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書の記載において用いられる種々の置換基について、例を挙げて以下に説明する
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素および沃素を意味する。
【0012】
「群Cより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC1〜C3鎖式炭化水素基」としては、例えばシクロプロピルメチル基、2−シクロプロピルエチル基、3−シクロプロピルプロピル基、
メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、ヨードメチル基、クロロジフルオロメチル基、
エチル基、2−フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、2−クロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ヨードエチル基、
プロピル基、3−フルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、イソプロピル基、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリクロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、3−ヨードプロピル基、
シアノメチル基、ジシアノメチル基、2−シアノエチル基、2,2−ジシアノエチル基、3−シアノプロピル基、3,3−ジシアノプロピル基、
メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、2−プロポキシエチル基、3−プロポキシプロピル基、2−ブトキシエチル基、3−ブトキシプロピル基、
メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、プロピルチオメチル基、イソプロピルチオメチル基、ブチルチオメチル基、イソブチルチオメチル基、t−ブチルチオメチル基、2−メチルチオエチル基、3−メチルチオプロピル基、2−エチルチオエチル基、3−エチルチオプロピル基、2−プロピルチオエチル基、3−プロピルチオプロピル基、2−ブチルチオエチル基、3−ブチルチオプロピル基、
メタンスルフィニルメチル基、エタンスルフィニルメチル基、プロパンスルフィニルメチル基、イソプロパンスルフィニルメチル基、ブタンスルフィニルメチル基、イソブタンスルフィニルメチル基、t−ブタンスルフィニルメチル基、2−メタンスルフィニルエチル基、3−メタンスルフィニルプロピル基、2−エタンスルフィニルエチル基、3−エタンスルフィニルプロピル基、2−プロパンスルフィニルエチル基、3−プロパンスルフィニルプロピル基、2−ブタンスルフィニルエチル基、3−ブタンスルフィニルプロピル基、
メタンスルホニルメチル基、エタンスルホニルメチル基、プロパンスルホニルメチル基、イソプロパンスルホニルメチル基、ブタンスルホニルメチル基、イソブタンスルホニルメチル基、t−ブタンスルホニルメチル基、2−メタンスルホニルエチル基、3−メタンスルホニルプロピル基、2−エタンスルホニルエチル基、3−エタンスルホニルプロピル基、2−プロパンスルホニルエチル基、3−プロパンスルホニルプロピル基、2−ブタンスルホニルエチル基及び3−ブタンスルホニルプロピル基が挙げられる。
【0013】
「群Dより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基」としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、メチルシクロプロピル基、1,1−ジメチルシクロプロピル基、エチルシクロプロピル基、プロピルシクロプロピル基、ブチルシクロプロピル基、ペンチルシクロプロピル基、2−メチルシクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、2−プロピルシクロヘキシル基、2−ブチルシクロヘキシル基、2−ペンチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、3−エチルシクロヘキシル基、3−プロピルシクロヘキシル基、3−ブチルシクロヘキシル基、3−ペンチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、フルオロシクロプロピル基、クロロシクロプロピル基、1,1−ジフルオロシクロプロピル基、1,1−ジクロロシクロプロピル基、2−フルオロシクロヘキシル基、3−フルオロシクロヘキシル基、4−フルオロシクロヘキシル基、2−クロロシクロヘキシル基、3−クロロシクロヘキシル基及び4−クロロシクロヘキシル基が挙げられる。
【0014】
「群Eより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいフェニル基」としては、例えばフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、
2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−プロピルフェニル基、3−プロピルフェニル基、4−プロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−ブチルフェニル基、3−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、2−イソブチルフェニル基、3−イソブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、2−t−ブチルフェニル基、3−t−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、2−ペンチルフェニル基、3−ヘキシルフェニル基、4−ヘプチルフェニル基、2−オクチルフェニル基、3−ノニルフェニル基、4−デシルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル基、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)フェニル基、4−(4,4,4−トリフルオロブチル)フェニル基、2−(5,5,5−トリフルオロペンチル)フェニル基、3−(6,6,6−トリフルオロヘキシル)フェニル基、4−(7,7,7−トリフルオロヘプチル)フェニル基、2−(8,8,8−トリフルオロオクチル)フェニル基、3−(9,9,9−トリフルオロノニル)フェニル基、4−(10,10,10−トリフルオロデシル)フェニル基、
2−シクロプロピルフェニル基、3−シクロプロピルフェニル基、4−シクロプロピルフェニル基、2−シクロブチルフェニル基、3−シクロペンチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2−シクロヘプチルフェニル基、3−シクロオクチルフェニル基、4−シクロノニルフェニル基、2−シクロデシルフェニル基、3−(メチルシクロプロピル)フェニル基、4−(1,1−ジメチルシクロプロピル)フェニル基、3−(フルオロシクロプロピル)フェニル基、4−(クロロシクロプロピル)フェニル基、2−(1,1−ジフルオロシクロプロピル)フェニル基、3−(1,1−ジクロロシクロプロピル)フェニル基、4−(2−フルオロシクロヘキシル)フェニル基、4−(2−クロロシクロヘキシル)フェニル基、
2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−トリフルオロメトキシフェニル基、3−トリフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−プロポキシフェニル基、4−ブトキシフェニル基、
2−メチルチオフェニル基、3−メチルチオフェニル基、4−メチルチオフェニル基、2−トリフルオロメチルチオフェニル基、3−トリフルオロメチルチオフェニル基、4−トリフルオロメチルチオフェニル基、2−エチルチオフェニル基、3−プロピルチオフェニル基、4−ブチルチオフェニル基、
2−メタンスルフィニルフェニル基、3−メタンスルフィニルフェニル基、4−メタンスルフィニルフェニル基、2−メタンスルフィニルフェニル基、3−メタンスルフィニルフェニル基、4−メタンスルフィニルフェニル基、2−エチルスルフィニルフェニル基、3−プロピルスルフィニルフェニル基、4−ブチルスルフィニルフェニル基、
2−メタンスルホニルフェニル基、3−メタンスルホニルフェニル基、4−メタンスルホニルフェニル基、2−メタンスルホニルフェニル基、3−メタンスルホニルフェニル基、4−メタンスルホニルフェニル基、2−エチルスルホニルフェニル基、3−プロピルスルホニルフェニル基、4−ブチルスルホニルフェニル基、
2−アセチルフェニル基、3−アセチルフェニル基、4−アセチルフェニル基、2−ジフルオロアセチルフェニル基、3−トリフルオロアセチルフェニル基、4−ジクロロアセチルフェニル基、2−トリクロロアセチルフェニル基、3−プロパノイルフェニル基、4−ブタノイルフェニル基、2−イソブタノイルフェニル基、3−ペンタノイルフェニル基、4−ピバロイルフェニル基、
2−(メトキシカルボニル)フェニル基、3−(メトキシカルボニル)フェニル基、4−(メトキシカルボニル)フェニル基、2−(トリフルオロメトキシカルボニル)フェニル基、3−(トリクロロメトキシカルボニル)フェニル基、4−(エトキシカルボニル)フェニル基、2−(プロポキシカルボニル)フェニル基、3−(イソプロポキシカルボニル)フェニル基、4−(ブトキシカルボニル)フェニル基、
2−アセトキシフェニル基、3−アセトキシフェニル基、4−アセトキシフェニル基、2−ジフルオロアセトキシフェニル基、3−トリフルオロアセトキシフェニル基、4−トリクロロアセトキシフェニル基、2−プロパノイルオキシフェニル基、3−ブタノイルオキシフェニル基、4−イソブタノイルオキシフェニル基、2−ペンタノイルオキシフェニル基及び3−ピバロイルオキシフェニル基が挙げられる。
【0015】
「C1〜C4鎖式炭化水素基」としては、例えばメチル基、エチル基、エチニル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、プロパルギル基、ブチル基、イソブチル基及びt−ブチル基が挙げられる。
【0016】
「群Cより選ばれる1以上の基で置換されているメチル基」としては、例えばシクロプロピルメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、ヨードメチル基、クロロジフルオロメチル基、シアノメチル基、ジシアノメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、プロピルチオメチル基、イソプロピルチオメチル基、ブチルチオメチル基、イソブチルチオメチル基、t−ブチルチオメチル基、メタンスルフィニルメチル基、エタンスルフィニルメチル基、プロパンスルフィニルメチル基、イソプロパンスルフィニルメチル基、ブタンスルフィニルメチル基、イソブタンスルフィニルメチル基、t−ブタンスルフィニルメチル基、メタンスルホニルメチル基、エタンスルホニルメチル基、プロパンスルホニルメチル基、イソプロパンスルホニルメチル基、ブタンスルホニルメチル基、イソブタンスルホニルメチル基及びt−ブタンスルホニルメチル基が挙げられる。
【0017】
「群Cより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC2〜C5鎖式炭化水素基」としては、例えば2−シクロプロピルエチル基、3−シクロプロピルプロピル基、4−シクロプロピルブチル基、5−シクロプロピルペンチル基、
エチル基、2−フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、2−クロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ヨードエチル基、
プロピル基、3−フルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、イソプロピル基、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリクロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、3−ヨードプロピル基、
ブチル基、4−フルオロブチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、パーフルオロブチル基、4−クロロブチル基、4,4,4−トリクロロブチル基、4−ブロモブチル基、4−ヨードブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、
ペンチル基、5−フルオロペンチル基、5,5,5−トリフルオロペンチル基、パーフルオロペンチル基、5−クロロペンチル基、5,5,5−トリクロロペンチル基、5−ブロモペンチル基、5−ヨードペンチル基、
2−シアノエチル基、2,2−ジシアノエチル基、3−シアノプロピル基、3,3−ジシアノプロピル基、4−シアノブチル基、4,4−ジシアノブチル基、5−シアノペンチル基、5,5−ジシアノペンチル基、
2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、5−メトキシペンチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、4−エトキシブチル基、5−エトキシペンチル基、2−プロポキシエチル基、3−プロポキシプロピル基、4−プロポキシブチル基、5−プロポキシペンチル基、2−ブトキシエチル基、3−ブトキシプロピル基、4−ブトキシブチル基、5−ブトキシペンチル基、
2−メチルチオエチル基、3−メチルチオプロピル基、4−メチルチオブチル基、5−メチルチオペンチル基、2−エチルチオエチル基、3−エチルチオプロピル基、4−エチルチオブチル基、5−エチルチオペンチル基、2−プロピルチオエチル基、3−プロピルチオプロピル基、4−プロピルチオブチル基、5−プロピルチオペンチル基、2−ブチルチオエチル基、3−ブチルチオプロピル基、4−ブチルチオブチル基、5−ブチルチオペンチル基、
2−メタンスルフィニルエチル基、3−メタンスルフィニルプロピル基、4−メタンスルフィニルブチル基、5−メタンスルフィニルペンチル基、2−エタンスルフィニルエチル基、3−エタンスルフィニルプロピル基、4−エタンスルフィニルブチル基、5−エタンスルフィニルペンチル基、2−プロパンスルフィニルエチル基、3−プロパンスルフィニルプロピル基、4−プロパンスルフィニルブチル基、5−プロパンスルフィニルペンチル基、2−ブタンスルフィニルエチル基、3−ブタンスルフィニルプロピル基、4−ブタンスルフィニルブチル基、5−ブタンスルフィニルペンチル基、
2−メタンスルホニルエチル基、3−メタンスルホニルプロピル基、4−メタンスルホニルブチル基、5−メタンスルホニルペンチル基、2−エタンスルホニルエチル基、3−エタンスルホニルプロピル基、4−エタンスルホニルブチル基、5−エタンスルホニルペンチル基、2−プロパンスルホニルエチル基、3−プロパンスルホニルプロピル基、4−プロパンスルホニルブチル基、5−プロパンスルホニルペンチル基、2−ブタンスルホニルエチル基、3−ブタンスルホニルプロピル基、4−ブタンスルホニルブチル基及び5−ブタンスルホニルペンチル基が挙げられる。
【0018】
「群Cより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC1〜C10鎖式炭化水素基」としては、例えばシクロプロピルメチル基、2−シクロプロピルエチル基、3−シクロプロピルプロピル基、4−シクロプロピルブチル基、5−シクロプロピルペンチル基、
メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、ヨードメチル基、クロロジフルオロメチル基、
エチル基、2−フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、2−クロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ヨードエチル基、
プロピル基、3−フルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、イソプロピル基、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリクロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、3−ヨードプロピル基、
ブチル基、4−フルオロブチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、パーフルオロブチル基、4−クロロブチル基、4,4,4−トリクロロブチル基、4−ブロモブチル基、4−ヨードブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、
ペンチル基、5−フルオロペンチル基、5,5,5−トリフルオロペンチル基、パーフルオロペンチル基、5−クロロペンチル基、5,5,5−トリクロロペンチル基、5−ブロモペンチル基、5−ヨードペンチル基、
ヘキシル基、6,6,6−トリフルオロヘキシル基、6−クロロヘキシル基、
ヘプチル基、7,7,7−トリフルオロヘプチル基、7−クロロヘプチル基、
オクチル基、8,8,8、−トリフルオロオクチル基、8−クロロオクチル基、
ノニル基、9,9,9−トリフルオロノニル基、9−クロロノニル基、
デシル基、10,10,10−トリフルオロデシル基、10−クロロデシル基、
シアノメチル基、ジシアノメチル基、2−シアノエチル基、2,2−ジシアノエチル基、3−シアノプロピル基、3,3−ジシアノプロピル基、4−シアノブチル基、4,4−ジシアノブチル基、5−シアノペンチル基、5,5−ジシアノペンチル基、
メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、5−メトキシペンチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、4−エトキシブチル基、5−エトキシペンチル基、2−プロポキシエチル基、3−プロポキシプロピル基、4−プロポキシブチル基、5−プロポキシペンチル基、2−ブトキシエチル基、3−ブトキシプロピル基、4−ブトキシブチル基、5−ブトキシペンチル基、
メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、プロピルチオメチル基、イソプロピルチオメチル基、ブチルチオメチル基、イソブチルチオメチル基、t−ブチルチオメチル基、2−メチルチオエチル基、3−メチルチオプロピル基、4−メチルチオブチル基、5−メチルチオペンチル基、2−エチルチオエチル基、3−エチルチオプロピル基、4−エチルチオブチル基、5−エチルチオペンチル基、2−プロピルチオエチル基、3−プロピルチオプロピル基、4−プロピルチオブチル基、5−プロピルチオペンチル基、2−ブチルチオエチル基、3−ブチルチオプロピル基、4−ブチルチオブチル基、5−ブチルチオペンチル基、
メタンスルフィニルメチル基、エタンスルフィニルメチル基、プロパンスルフィニルメチル基、イソプロパンスルフィニルメチル基、ブタンスルフィニルメチル基、イソブタンスルフィニルメチル基、t−ブタンスルフィニルメチル基、2−メタンスルフィニルエチル基、3−メタンスルフィニルプロピル基、4−メタンスルフィニルブチル基、5−メタンスルフィニルペンチル基、2−エタンスルフィニルエチル基、3−エタンスルフィニルプロピル基、4−エタンスルフィニルブチル基、5−エタンスルフィニルペンチル基、2−プロパンスルフィニルエチル基、3−プロパンスルフィニルプロピル基、4−プロパンスルフィニルブチル基、5−プロパンスルフィニルペンチル基、2−ブタンスルフィニルエチル基、3−ブタンスルフィニルプロピル基、4−ブタンスルフィニルブチル基、5−ブタンスルフィニルペンチル基、
メタンスルホニルメチル基、エタンスルホニルメチル基、プロパンスルホニルメチル基、イソプロパンスルホニルメチル基、ブタンスルホニルメチル基、イソブタンスルホニルメチル基、t−ブタンスルホニルメチル基、2−メタンスルホニルエチル基、3−メタンスルホニルプロピル基、4−メタンスルホニルブチル基、5−メタンスルホニルペンチル基、2−エタンスルホニルエチル基、3−エタンスルホニルプロピル基、4−エタンスルホニルブチル基、5−エタンスルホニルペンチル基、2−プロパンスルホニルエチル基、3−プロパンスルホニルプロピル基、4−プロパンスルホニルブチル基、5−プロパンスルホニルペンチル基、2−ブタンスルホニルエチル基、3−ブタンスルホニルプロピル基、4−ブタンスルホニルブチル基及び5−ブタンスルホニルペンチル基が挙げられる。
【0019】
「C1−C4アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基及びt−ブトキシ基が挙げられる。
【0020】
「C1−C4アルキルチオ基」としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基及びt−ブチルチオ基が挙げられる。
【0021】
「C1−C4アルキルスルフィニル基」としては、メタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、プロパンスルフィニル基、イソプロパンスルフィニル基、ブタンスルフィニル基、イソブタンスルフィニル基及びt−ブタンスルフィニル基が挙げられる。
【0022】
「C1−C4アルキルスルホニル基」としては、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、イソプロパンスルホニル基、ブタンスルホニル基、イソブタンスルホニル基及びt−ブタンスルホニル基が挙げられる。
【0023】
「ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基」としては、例えばメトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、ジブロモメトキシ基、ヨードメトキシ基、クロロジフルオロメトキシ基、
エトキシ基、2−フルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、パーフルオロエトキシ基、2−クロロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、2−ブロモエトキシ基、2−ヨードエトキシ基、
プロポキシ基、3−フルオロプロポキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基、パーフルオロプロポキシ基、2,2,2,2’, 2’, 2’−ヘキサフルオロイソプロポキシ基、パーフルオロイソプロポキシ基、3−クロロプロポキシ基、3,3,3−トリクロロプロポキシ基、3−ブロモプロポキシ基、3−ヨードプロポキシ基、
ブトキシ基、4−フルオロブトキシ基、4,4,4−トリフルオロブトキシ基、パーフルオロブトキシ基、4−クロロブトキシ基、4,4,4−トリクロロブトキシ基、4−ブロモブトキシ基及び4−ヨードブトキシ基が挙げられる。
【0024】
「ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルチオ基」としては、例えばメチルチオ基、フルオロメチルチオ基、ジフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、クロロメチルチオ基、ジクロロメチルチオ基、トリクロロメチルチオ基、ブロモメチルチオ基、ジブロモメチルチオ基、ヨードメチルチオ基、クロロジフルオロメチルチオ基、
エチルチオ基、2−フルオロエチルチオ基、2,2,2−トリフルオロエチルチオ基、パーフルオロエチルチオ基、2−クロロエチルチオ基、2,2,2−トリクロロエチルチオ基、2−ブロモエチルチオ基、2−ヨードエチルチオ基、
プロピルチオ基、3−フルオロプロピルチオ基、3,3,3−トリフルオロプロピルチオ基、パーフルオロプロピルチオ基、2,2,2,2’, 2’, 2’−ヘキサフルオロイソプロピルチオ基、パーフルオロイソプロピルチオ基、3−クロロプロピルチオ基、3,3,3−トリクロロプロピルチオ基、3−ブロモプロピルチオ基、3−ヨードプロピルチオ基、
ブチルチオ基、4−フルオロブチルチオ基、4,4,4−トリフルオロブチルチオ基、パーフルオロブチルチオ基、4−クロロブチルチオ基、4,4,4−トリクロロブチルチオ基、4−ブロモブチルチオ基及び4−ヨードブチルチオ基が挙げられる。
【0025】
「ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルスルフィニル基」としては、例えばメタンスルフィニル基、フルオロメタンスルフィニル基、ジフルオロメタンスルフィニル基、トリフルオロメタンスルフィニル基、クロロメタンスルフィニル基、ジクロロメタンスルフィニル基、トリクロロメタンスルフィニル基、ブロモメタンスルフィニル基、ジブロモメタンスルフィニル基、ヨードメタンスルフィニル基、クロロジフルオロメタンスルフィニル基、
エタンスルフィニル基、2−フルオロエタンスルフィニル基、2,2,2−トリフルオロエタンスルフィニル基、パーフルオロエタンスルフィニル基、2−クロロエタンスルフィニル基、2,2,2−トリクロロエタンスルフィニル基、2−ブロモエタンスルフィニル基、2−ヨードエタンスルフィニル基、
プロパンスルフィニル基、3−フルオロプロパンスルフィニル基、3,3,3−トリフルオロプロパンスルフィニル基、パーフルオロプロパンスルフィニル基、イソプロパンスルフィニル基、2,2,2,2’, 2’, 2’−ヘキサフルオロイソプロパンスルフィニル基、パーフルオロイソプロパンスルフィニル基、3−クロロプロパンスルフィニル基、3,3,3−トリクロロプロパンスルフィニル基、3−ブロモプロパンスルフィニル基、3−ヨードプロパンスルフィニル基、
ブタンスルフィニル基、4−フルオロブタンスルフィニル基、4,4,4−トリフルオロブタンスルフィニル基、パーフルオロブタンスルフィニル基、4−クロロブタンスルフィニル基、4,4,4−トリクロロブタンスルフィニル基、4−ブロモブタンスルフィニル基及び4−ヨードブタンスルフィニル基が挙げられる。
【0026】
「ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルスルホニル基」としては、例えばメタンスルホニル基、フルオロメタンスルホニル基、ジフルオロメタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、クロロメタンスルホニル基、ジクロロメタンスルホニル基、トリクロロメタンスルホニル基、ブロモメタンスルホニル基、ジブロモメタンスルホニル基、ヨードメタンスルホニル基、クロロジフルオロメタンスルホニル基、ト
エタンスルホニル基、2−フルオロエタンスルホニル基、2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル基、パーフルオロエタンスルホニル基、2−クロロエタンスルホニル基、2,2,2−トリクロロエタンスルホニル基、2−ブロモエタンスルホニル基、2−ヨードエタンスルホニル基、
プロパンスルホニル基、3−フルオロプロパンスルホニル基、3,3,3−トリフルオロプロパンスルホニル基、パーフルオロプロパンスルホニル基、イソプロパンスルホニル基、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロパンスルホニル基、パーフルオロイソプロパンスルホニル基、3−クロロプロパンスルホニル基、3,3,3−トリクロロプロパンスルホニル基、3−ブロモプロパンスルホニル基、3−ヨードプロパンスルホニル基、
ブタンスルホニル基、4−フルオロブタンスルホニル基、4,4,4−トリフルオロブタンスルホニル基、パーフルオロブタンスルホニル基、4−クロロブタンスルホニル基、4,4,4−トリクロロブタンスルホニル基、4−ブロモブタンスルホニル基及び4−ヨードブタンスルホニル基が挙げられる。
【0027】
「ハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルキル)カルボニル基」としては、例えばアセチル基、フルオロアセチル基、ジフルオロアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、ブロモアセチル基、ジブロモアセチル基、ヨードアセチル基、クロロジフルオロアセチル基、
プロパノイル基、3−フルオロプロパノイル基、3,3,3−トリフルオロプロパノイル基、パーフルオロプロパノイル基、3−クロロプロパノイル基、3,3,3−トリクロロプロパノイル基、3−ブロモプロパノイル基、3−ヨードプロパノイル基、
ブタノイル基、4−フルオロブタノイル基、4,4,4−トリフルオロブタノイル基、パーフルオロブタノイル基、3,3,3,3’,3’,3’−ヘキサフルオロイソブタノイル基、パーフルオロイソブタノイル基、4−クロロブタノイル基、4,4,4−トリクロロブタノイル基、4−ブロモブタノイル基、4−ヨードブタノイル基、イソブタノイル基、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソブタノイル基、パーフルオロイソブタノイル基、
ペンタノイル基、5−フルオロペンタノイル基、5,5,5−トリフルオロペンタノイル基、パーフルオロペンタノイル基、5−クロロペンタノイル基、5,5,5−トリクロロペンタノイル基、5−ブロモペンタノイル基、5−ヨードペンタノイル基及びピバロイル基が挙げられる。
【0028】
「ハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルコキシ)カルボニル基」としては、例えばメトキシカルボニル基、フルオロメトキシカルボニル基、ジフルオロメトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、クロロメトキシカルボニル基、ジクロロメトキシカルボニル基、トリクロロメトキシカルボニル基、ブロモメトキシカルボニル基、ジブロモメトキシカルボニル基、ヨードメトキシカルボニル基、クロロジフルオロメトキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基、2−フルオロエトキシカルボニル基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロエトキシカルボニル基、2−クロロエトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、2−ブロモエトキシカルボニル基、2−ヨードエトキシカルボニル基、
プロポキシカルボニル基、3−フルオロプロポキシカルボニル基、3,3,3−トリフルオロプロポキシカルボニル基、パーフルオロプロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロポキシカルボニル基、パーフルオロイソプロポキシカルボニル基、3−クロロプロポキシカルボニル基、3,3,3−トリクロロプロポキシカルボニル基、3−ブロモプロポキシカルボニル基、3−ヨードプロポキシカルボニル基、
ブトキシカルボニル基、4−フルオロブトキシカルボニル基、4,4,4−トリフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、4−クロロブトキシカルボニル基、4,4,4−トリクロロブトキシカルボニル基、4−ブロモブトキシカルボニル基、4−ヨードブトキシカルボニル基及びt−ブトキシカルボニル基が挙げられる。
【0029】
「ハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルキル)カルボニルオキシ基」としては、例えばアセトキシ基、フルオロアセトキシ基、ジフルオロアセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基、クロロアセトキシ基、ジクロロアセトキシ基、トリクロロアセトキシ基、ブロモアセトキシ基、ジブロモアセトキシ基、ヨードアセトキシ基、クロロジフルオロアセトキシ基、
プロパノイルオキシ基、3−フルオロプロパノイルオキシ基、3,3,3−トリフルオロプロパノイルオキシ基、パーフルオロプロパノイルオキシ基、3−クロロプロパノイルオキシ基、3,3,3−トリクロロプロパノイルオキシ基、3−ブロモプロパノイルオキシ基、3−ヨードプロパノイルオキシ基、
ブタノイルオキシ基、4−フルオロブタノイルオキシ基、4,4,4−トリフルオロブタノイルオキシ基、パーフルオロブタノイルオキシ基、イソブタノイルオキシ基、3,3,3,3’,3’,3’−ヘキサフルオロイソブタノイルオキシ基、パーフルオロイソブタノイルオキシ基、4−クロロブタノイルオキシ基、4,4,4−トリクロロブタノイルオキシ基、4−ブロモブタノイルオキシ基、4−ヨードブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、5−フルオロペンタノイルオキシ基、5,5,5−トリフルオロペンタノイルオキシ基、パーフルオロペンタノイルオキシ基、5−クロロペンタノイルオキシ基、5,5,5−トリクロロペンタノイルオキシ基、5−ブロモペンタノイルオキシ基、5−ヨードペンタノイルオキシ基及びピバロイルオキシ基が挙げられる。
【0030】
「C1〜C5アルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基及びペンチル基が挙げられる。
【0031】
「ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C10鎖式炭化水素基」としては、例えばメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、ヨードメチル基、クロロジフルオロメチル基、
エチル基、2−フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、2−クロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ヨードエチル基、
プロピル基、3−フルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、イソプロピル基、2,2,2,2’, 2’, 2’−ヘキサフルオロイソプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリクロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、3−ヨードプロピル基、
ブチル基、4−フルオロブチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、パーフルオロブチル基、4−クロロブチル基、4,4,4−トリクロロブチル基、4−ブロモブチル基、4−ヨードブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、
ペンチル基、5−フルオロペンチル基、5,5,5−トリフルオロペンチル基、パーフルオロペンチル基、5−クロロペンチル基、5,5,5−トリクロロペンチル基、5−ブロモペンチル基及び5−ヨードペンチル基が挙げられる。
【0032】
本発明化合物の態様としては、例えば以下のものが挙げられる。
式(1)において、R2が群Cより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC1〜C3鎖式炭化水素基、群Dより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基又は群Eより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいフェニル基であるアミド化合物;
式(1)において、R2が群Cより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC1〜C3鎖式炭化水素基であるアミド化合物;
式(1)において、R2がハロゲンで置換されていてもよいC1〜C3鎖式炭化水素基であるアミド化合物;
及び、
式(1)において、R2がC1〜C3鎖式炭化水素基であるアミド化合物。
【0033】
(製造法1)
本発明化合物又はその塩は、化合物(3)又はその塩と化合物(2)とを、脱水縮合剤の存在下に反応させることにより製造することができる。

〔式中、R2は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
該反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン(以下、THFと記す場合がある。)、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル(以下、MTBEと記す場合がある。)等のエーテル類、ヘキサン、へプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと記す場合がある。)等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと記す場合がある。)等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
該反応に用いられる脱水縮合剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、WSCと記す。)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(以下、BOP試薬と記す。)及び1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等が挙げられる。
該反応には化合物(2)1モルに対して、化合物(3)が通常1〜3モルの割合、脱水縮合剤が通常1〜5モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は、通常0〜200℃の範囲である。該反応の反応時間は通常1〜24時間の範囲である。
該反応において、BOP試薬を使用する場合は、必要に応じて塩基の存在下で反応を行う。かかる塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物類等が挙げられる。
該反応には化合物(2)1モルに対して、塩基が通常1〜10モルの割合で用いられる。
反応終了後は、反応混合物に水を加えた後、有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、本発明化合物を単離することができる。単離された本発明化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0034】
(製造法2)
本発明化合物は、化合物(3)又はその塩と化合物(4)又はその塩とを、塩基の存在下、反応させることにより製造することができる。

〔式中、R2前記と同じ意味を表す。〕
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
該反応に用いられる溶媒としては、例えばTHF、エチレングリコールジメチルエーテル、MTBE等のエーテル類、ヘキサン、へプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、DMF等の酸アミド類、DMSO等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
該反応に用いられる塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物類等が挙げられる。
該反応には化合物(4)1モルに対して、化合物(3)が通常1〜3モルの割合、塩基が通常1〜10モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は通常−20〜140℃の範囲である。該反応の反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、本発明化合物を単離することができる。単離された本発明化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0035】
(製造法3)
本発明化合物は、例えば化合物(5)から下記のスキームに従って製造することができる。

〔式中、R2は前記と同じ意味を表す。〕
【0036】
工程(I−1)
化合物(6)は、化合物(5)と化合物(3)又はその塩とを、脱水縮合剤の存在下に反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
該反応に用いられる溶媒としては、例えばTHF、エチレングリコールジメチルエーテル、MTBE等のエーテル類、ヘキサン、へプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、DMF等の酸アミド類、DMSO等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
該反応に用いられる脱水縮合剤としては、WSC、BOP試薬及び1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等が挙げられる。
該反応には化合物(5)1モルに対して、化合物(3)が通常1〜3モルの割合、脱水縮合剤が通常1〜5モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は、通常0〜200℃の範囲である。該反応の反応時間は通常1〜24時間の範囲である。
該反応において、BOP試薬を使用する場合は、必要に応じて塩基の存在下で反応を行う。かかる塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物類等が挙げられる。
該反応には化合物(5)1モルに対して、塩基が通常1〜10モルの割合で用いられる。
反応終了後は、反応混合物に水を加えた後、有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、化合物(6)を単離することができる。単離された化合物(6)は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0037】
工程(I−2)
本発明化合物は、化合物(6)酸とを反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
該反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、DMSO等のスルホキシド類、メタノール、エタノール、2−メチルエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、水及びこれらの混合物が挙げられる。
該反応に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸等の無機酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
該反応には化合物(6)1モルに対して、酸は通常1モル〜過剰量の割合で用いられる。
該反応の反応温度は、通常0〜150℃の範囲である。該反応の反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、本発明化合物を単離することができる。単離された本発明化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0038】
本発明化合物は、農学上許容される塩(agriculturally acceptable salt)を形成できる。かかる本発明化合物の塩は、通常本発明化合物と酸との塩である。酸との塩としては例えば、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩等の無機酸塩、メタンスルホン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩等の有機酸塩が挙げられる。
【0039】
本発明化合物と酸との塩は、本発明化合物を酸と反応させることにより製造することができる。

〔式中、R2は前記と同じ意味を表し、HXは酸を表す。〕
該反応は、溶媒の存在下又は溶媒の非存在下で行われる。
該反応に用いられる溶媒としては、例えばTHF、エチレングリコールジメチルエーテル、MTBE等のエーテル類、ヘキサン、へプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、水及びこれらの混合物が挙げられる。
該反応に用いられる酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸等の無機酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
該反応には本発明化合物1モルに対して、酸が通常1〜100モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は、通常0〜200℃の範囲である。該反応の反応時間は通常1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、未反応の酸を除去して本発明化合物と酸との塩を単離することができる。
【0040】
本発明の植物病害防除剤は、本発明化合物又はその塩と不活性担体(固体担体、液体担体又はガス担体)を含有する。本発明の植物病害防除剤は、さらに界面活性剤、その他の製剤用補助剤が混合され、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、粒剤、ドライフロアブル剤、乳剤、水性液剤、油剤、くん煙剤、エアゾール剤、マイクロカプセル剤等に製剤化されている。これらの製剤には本発明化合物又はその塩が重量比で通常0.1〜99%、好ましくは0.2〜90%含有される。
【0041】
固体担体としては、例えば、粘土類(例えば、カオリン、珪藻土、合成含水酸化珪素、ろう石クレー、ベントナイト、酸性白土、タルク)、その他の無機鉱物(例えば、セリサイト、石英粉末、硫黄粉末、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ)等の微粉末あるいは粒状物が挙げられる。液体担体としては、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサン、シクロヘキサノン、灯油)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、イソブチロニトリル)、エーテル類(例えば、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル)、酸アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、四塩化炭素)等が挙げられる。ガス状担体としては、例えばジメチルエーテル及び二酸化炭素が挙げられる。
【0042】
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類及びそのポリオキシエチレン化物、ポリオキシエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体等が挙げられる。
【0043】
その他の製剤用補助剤としては、例えば固着剤、分散剤、増粘剤、濡れ剤、増量剤や酸化防止剤、具体的にはカゼイン、ゼラチン、多糖類(例えば、デンプン、アラビヤガム、セルロース誘導体、アルギン酸)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類)、PAP(酸性りん酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、植物油、鉱物油、脂肪酸又はそのエステル等が挙げられる。
【0044】
本発明化合物又はその塩は、植物又は植物が生育する土壌に施用することによる植物病害の防除用途に用いられる。本発明化合物又はその塩を植物又は植物が生育する土壌に施用する方法としては、例えば植物に茎葉散布する方法、植物を栽培している土壌に施用する方法、及び植物種子に施用する方法が挙げられる。
本発明の植物病害防除方法には、通常本発明の植物病害防除剤が用いられる。
本発明の植物病害防除剤を植物に茎葉散布する方法又は植物を栽培している土壌に施用する方法に用いられる場合において、本発明の植物病害防除剤の施用量は、施用場所1,000m2あたり、本発明化合物又はその塩の量で通常1〜500gの割合、好ましくは2〜200gの割合である。本発明の植物病害防除剤が乳剤、水和剤、懸濁剤等に製剤化されている場合は、その製剤は本発明化合物又はその塩の濃度が通常0.0005〜2重量%、好ましくは0.005〜1重量%となるように水で希釈して施用される。本発明の植物病害防除剤が粉剤、粒剤等に製剤化されている場合は、その製剤は希釈することなくそのまま施用される。
本発明の植物病害防除剤を植物種子に施用する方法に用いられる場合において、本発明の植物病害防除剤の施用量は、種子1Kgあたり、本発明化合物又はその塩の量で通常0.001〜100gの割合、好ましくは0.01〜50gの割合である。
【0045】
本発明の植物病害防除剤は、他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料または土壌改良剤と混合及び/又は併用できる。
かかる殺菌剤の有効成分としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0046】
(1) アゾール殺菌活性化合物
プロピコナゾール(propiconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、トリアジメノール(triadimenol)、プロクロラズ(prochloraz)、ペンコナゾール(penconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、シプロコナゾール(cyproconazole)、メトコナゾール(metconazole)、トリフルミゾール(triflumizole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、マイクロブタニル(microbutanil)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、トリティコナゾール(triticonazole)、ビテルタノール(bitertanol)、イマザリル(imazalil)、フルトリアホール(flutriafol)、シメコナゾール(simeconazole)、イプコナゾール(ipconazole)等;
【0047】
(2) アミン殺菌活性化合物
フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph)、フェンプロピジン(fenpropidin)、スピロキサミン(spiroxamine)等;
【0048】
(3) ベンズイミダゾール殺菌活性化合物
カルベンダジム(carbendazim)、ベノミル(benomyl)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チオファネートメチル(thiophanate―Methyl)等;
【0049】
(4) ジカルボキシイミド殺菌活性化合物
プロシミドン(procymidone)、イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinclozolin)等;
【0050】
(5) アニリノピリミジン殺菌活性化合物
シプロディニル(cyprodinil)、ピリメタニル(pyrimethanil)、メパニピリム(mepanipyrim)等;
【0051】
(6) フェニルピロール殺菌活性化合物
フェンピクロニル(fenpiclonil)、フルジオキソニル(fludioxonil)等;
【0052】
(7) ストロビルリン殺菌活性化合物
クレソキシムメチル(kresoxim−methyl)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、メトミノストロビン(metominostrobin)、オリザストロビン(oryzastrobin)、エネストロビン(enestrobin)等;
【0053】
(8) フェニルアマイド殺菌活性化合物
メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシルMまたはメフェノキサム(metalaxyl−M or mefenoxam)、ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシルMまたはキララキシル(benalaxyl−M or kiralaxyl)等;
【0054】
(9) カルボン酸アミド殺菌活性化合物
ジメトモルフ(dimethomorph)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、ベンチアバリカルブイソプロピル(benthiavalicarb−isopropyl)、マンジプロパミド(mandipropamid)、バリフェナル(valiphenal)
【0055】
(10) カルボン酸アミド殺菌活性化合物
カルボキシン(carboxin)、メプロニル(mepronil)、フルトラニル(flutolanil)、チフルザミド(thifluzamide)、フラメトピル(furametpyr)、ボスカリド(boscalid)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、フルオピラン(fluopyram)、ビキサフェン(bixafen)、
【0056】
(11) その他の殺菌活性化合物
ジエトフェンカルブ;チウラム;フルアジナム;マンコゼブ;クロロタロニル;キャプタン;ジクロフルアニド;フォルペット;キノキシフェン;フェンヘキサミド;ファモキサドン;フェナミドン;ゾキサミド;エタボキサム;アミスルブロム;シアゾファミド;メトラフェノン;シフルフェナミド;プロキナジド;フルスルファミド;フルオピコリド;フォセチル;シモキサニル;ペンシクロン;トルクロホスメチル;カルプロパミド;ジクロシメット;フェノキサニル;トリシクラゾール;ピロキロン;プロベナゾール;イソチアニル;チアジニル;テブフロキン;ジクロメジン;カスガマイシン;フェリムゾン;フサライド;バリダマイシン;ヒドロキシイソキサゾール;イミノクタジン酢酸塩;イソプロチオラン;オキソリニック酸;オキシテトラサイクリン;ストレプトマイシン;塩基性塩化銅;水酸化第二銅;塩基性硫酸銅;有機銅;硫黄;
【0057】
式(8)

〔式中、X1は水素、またはハロゲンを表し、X2はメチル基、ジフルオロメチル基、又はトリフルオロメチル基を表し、Qは下記のいずれかの基

を表す。〕
で示されるピラゾールカルボン酸アミド化合物;
【0058】
式(9)

〔式中、X3はメチル基、ジフルオロメチル基、またはエチル基を表し、X4はメトキシ基、またはメチルアミノ基を表し、X5はフェニル基、2−メチルフェニル基、または2,5−ジメチルフェニル基を表す。〕
で示されるα−アルコキシフェニル酢酸化合物;
【0059】
式(10)

〔式中、X6はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2−プロペニルオキシ基、2−プロピニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、3−ブチニルオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、または2−プロペニルチオ基を表し、X7は1−メチルエチル基、または1−メチルプロピル基を表し、X8は2−メチルフェニル基、または2,6−ジクロロフェニル基を表す。〕
で示されるピラゾリノン化合物。
【0060】
かかる殺虫剤の有効成分としては、例えば以下のものが挙げられる。
(1) 有機リン殺虫活性化合物
アセフェート(acephate)、りん化アルミニウム(Aluminium phosphide)、ブタチオホス(butathiofos)、キャドサホス(cadusafos)、クロルエトキシホス(chlorethoxyfos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos-methyl)、シアノホス(cyanophos:CYAP)、ダイアジノン(diazinon)、DCIP(dichlorodiisopropyl ether)、ジクロフェンチオン(dichlofenthion:ECP)、ジクロルボス(dichlorvos:DDVP)、ジメトエート(dimethoate)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジスルホトン(disulfoton)、EPN、エチオン(ethion)、エトプロホス(ethoprophos)、エトリムホス(etrimfos)、フェンチオン(fenthion:MPP)、フエニトロチオン(fenitrothion:MEP)、ホスチアゼート(fosthiazate)、ホルモチオン(formothion)、りん化水素(Hydrogen phosphide)、イソフェンホス(isofenphos)、イソキサチオン(isoxathion)、マラチオン(malathion)、メスルフェンホス(mesulfenfos)、メチダチオン(methidathion:DMTP)、モノクロトホス(monocrotophos)、ナレッド(naled:BRP)、オキシデプロホス(oxydeprofos:ESP)、パラチオン(parathion)、ホサロン(phosalone)、ホスメット(phosmet:PMP)、ピリミホスメチル(pirimiphos-methyl)、ピリダフェンチオン(pyridafenthion)、キナルホス(quinalphos)、フェントエート(phenthoate:PAP)、プロフェノホス(profenofos)、プロパホス(propaphos)、プロチオホス(prothiofos)、ピラクロホス(pyraclorfos)、サリチオン(salithion)、スルプロホス(sulprofos)、テブピリムホス(tebupirimfos)、テメホス(temephos)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、テルブホス(terbufos)、チオメトン(thiometon)、トリクロルホン(trichlorphon:DEP)、バミドチオン(vamidothion)、フォレート(phorate)、カズサホス(cadusafos)等;
【0061】
(2) カーバメート殺虫活性化合物
アラニカルブ(alanycarb)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、BPMC、カルバリル(carbaryl)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、クロエトカルブ(cloethocarb)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、イソプロカルブ(isoprocarb:MIPC)、メトルカルブ(metolcarb)、 メソミル(methomyl)、メチオカルブ(methiocarb)、NAC、オキサミル(oxamyl)、ピリミカーブ(pirimicarb)、プロポキスル(propoxur:PHC)、XMC、チオジカルブ(thiodicarb)、 キシリルカルブ(xylylcarb)、アルジカルブ(aldicarb)等;
【0062】
(3) 合成ピレスロイド殺虫活性化合物
アクリナトリン(acrinathrin)、アレスリン(allethrin)、ベンフルスリン(benfluthrin)、ベータ−シフルトリン(beta-cyfluthrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(ethofenprox) 、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルフェンプロックス(flufenoprox)、フルメスリン(flumethrin)、フルバリネート(fluvalinate)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、イミプロトリン(imiprothrin)、ペルメトリン(permethrin)、プラレトリン(prallethrin)、ピレトリン(pyrethrins)、レスメトリン(resmethrin)、シグマ−サイパーメスリン(sigma-cypermethrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、テフルトリン(tefluthrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、フェノトリン(phenothrin)、シフェノトリン(cyphenothrin)、アルファシペルメトリン(alpha-cypermethrin)、ゼータシペルメトリン(zeta-cypermethrin)、ラムダシハロトリン(lambda-cyhalothrin)、フラメトリン(furamethrin)、タウフルバリネート(tau-fluvalinate)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル (EZ)−(1RS,3RS;1RS,3SR)−2,2−ジメチル−3−プロプ−1−エニルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (EZ)−(1RS,3RS;1RS,3SR)−2,2−ジメチル−3−プロプ−1−エニルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル (1RS,3RS;1RS,3SR)−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート等;
【0063】
(4) ネライストキシン殺虫活性化合物
カルタップ(cartap)、ベンスルタップ(bensultap)、チオシクラム(thiocyclam)、モノスルタップ(monosultap)、ビスルタップ(bisultap)等;
【0064】
(5) ネオニコチノイド殺虫活性化合物
イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、チアクロプリド(thiacloprid)、ジノテフラン(dinotefuran)、クロチアニジン(clothianidin)等;
【0065】
(6) ベンゾイル尿素殺虫活性化合物
クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、ビストリフルロン(bistrifluron)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、フルアズロン(fluazuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron)、トリアズロン等;
【0066】
(7) フェニルピラゾール殺虫活性化合物
アセトプロール(acetoprole)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、バニリプロール(vaniliprole)、ピリプロール(pyriprole)、ピラフルプロール(pyrafluprole)等;
【0067】
(8) Btトキシン
バチルス・チューリンゲンシス菌由来の生芽胞および産生結晶毒素、並びにそれらの混合物;
【0068】
(9) ヒドラジン殺虫活性化合物
クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)等;
【0069】
(10) 有機塩素殺虫活性化合物
アルドリン(aldrin)、ディルドリン(dieldrin)、ジエノクロル(dienochlor)、エンドスルファン(endosulfan)、メトキシクロル(methoxychlor)等;
【0070】
(11) その他の殺虫有効成分
マシン油(machine oil)、硫酸ニコチン(nicotine-sulfate);
アベルメクチン(avermectin-B)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、ブプロフェジン(buprofezin)、クロルフェナピル(chlorphenapyr)、シロマジン(cyromazine)、D−D(1,3-Dichloropropene)、エマメクチンベンゾエート(emamectin-benzoate)、フェナザキン(fenazaquin)、フルピラゾホス(flupyrazofos)、ハイドロプレン(hydroprene)、メトプレン(methoprene)、インドキサカルブ(indoxacarb)、メトキサジアゾン(metoxadiazone)、ミルベマイシンA(milbemycin-A)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピリダリル(pyridalyl)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、スピノサッド(spinosad)、スルフラミド(sulfluramid)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、トリアゼメイト(triazamate)、フルベンジアミド(flubendiamide)、レピメクチン(lepimectin)、亜ひ酸(Arsenic acid)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、石灰窒素(Calcium cyanamide)、石灰硫黄合剤(Calcium polysulfide)、クロルデン(chlordane)、DDT、DSP、フルフェネリウム(flufenerim)、フロニカミド(flonicamid)、フルリムフェン(flurimfen)、ホルメタネート(formetanate)、メタム・アンモニウム(metam-ammonium)、メタム・ナトリウム(metam-sodium)、臭化メチル(Methyl bromide)、ニディノテフラン(nidinotefuran)、オレイン酸カリウム(Potassium oleate)、プロトリフェンビュート(protrifenbute)、スピロメシフェン(spiromesifen)、硫黄(Sulfur)、メタフルミゾン(metaflumizone)、スピロテトラマット(spirotetramat)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazone)、スピネトラム(spinetoram)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、
【0071】
式(11)

[式中、
10は、Me、Cl、BrまたはF、
20は、F、Cl、Br、C1−C4ハロアルキル、またはC1−C4ハロアルコキシ、
30は、F、ClまたはBr、
40は、H、1以上のハロゲン;CN;SMe;S(O)Me;S(0)2MeおよびOMeで置換されていてもよいC1−C4アルキル、C3−C4アルケニル、C3−C4アルキニル、または、C3−C5シクロアルキルアルキル、
50は、HまたはMe、
60は、H、FまたはCl、
70は、H、FまたはClを表す。]で示される化合物、
【0072】
式(12)

[式中、Xは、Cl、BrまたはIを表す。]
で示される化合物。
【0073】
かかる殺ダニ剤の有効成分としては、例えばアセキノシル(acequinocyl)、アミトラズ(amitraz)、ベンゾキシメート(benzoximate)、ビフェナゼート(bifenaate)、フェニソブロモレート(bromopropylate)、キノメチオネート(chinomethionat)、クロルベンジレート(chlorobenzilate)、CPCBS(chlorfenson)、クロフェンテジン(clofentezine)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、ケルセン(ジコホル:dicofol)、エトキサゾール(etoxazole)、酸化フェンブタスズ(fenbutatin oxide)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、フルプロキシフェン(fluproxyfen)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、プロパルギット(propargite:BPPS)、ポリナクチン複合体(polynactins)、ピリダベン(pyridaben)、ピリミジフェン(Pyrimidifen)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、テトラジホン(tetradifon)、スピロディクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロテトラマット(spirotetramat)、アミドフルメット(amidoflumet)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)等が挙げられる。
【0074】
かかる殺線虫剤の有効成分としては、例えば、DCIP、フォスチアゼート(fosthiazate)、塩酸レバミゾール(levamisol)、メチルイソチオシアネート(methyisothiocyanate)、酒石酸モランテル(morantel tartarate)、イミシアホス(imicyafos)等が挙げられる。
【0075】
かかる植物生長調節剤の有効成分としては、例えば、エテホン(ethephon)、クロルメコート(chlormequat−chloride)、メピコート(mepiquat−chloride)、等が挙げられる。
【0076】
本発明の植物病害防除剤は、例えば畑、水田、芝生、果樹園等の農耕地で使用することができる。本発明の植物病害防除剤を使用できる「作物」としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0077】
農作物;トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等、野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ、ヤトロファ等、
花卉、
観葉植物、
果樹;仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ等、
果樹以外の樹;チャ、クワ、花木、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ)等。
【0078】
上記「作物」には、除草剤に対する耐性、害虫抵抗性、病害耐性等の形質が、古典的な育種法、もしくは遺伝子組換え技術により付与された作物も含まれる。
【0079】
本発明化合物又はその塩が効力を有する植物病害としては、例えば糸状菌による植物病害が挙げられ、具体的には以下の植物病害が挙げられる。
【0080】
イネのいもち病(Magnaporthe grisea)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi);
コムギの病害:うどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Fusarium graminearum、F. avenacerum、F. culmorum、Microdochium nivale)、さび病(Puccinia striiformis、P. graminis、P. recondita)、紅色雪腐病(Micronectriella nivale)、雪腐小粒菌核病(Typhula sp.)、裸黒穂病(Ustilago tritici)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、葉枯病(Mycosphaerella graminicola)、ふ枯病(Stagonospora nodorum)、黄斑病(Pyrenophora tritici-repentis);
オオムギの病害:うどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Fusarium graminearum、F. avenacerum、F. culmorum、Microdochium nivale)、さび病(Puccinia striiformis、P.graminis、P.hordei)、裸黒穂病(Ustilago nuda)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、網斑病(Pyrenophora teres)、斑点病(Cochliobolus sativus)、斑葉病(Pyrenophora graminea)、リゾクトニア属菌による苗立枯れ病(Rhizoctonia solani);
カンキツ類の黒点病(Diaporthe citri)、そうか病(Elsinoe fawcetti)、果実腐敗病(Penicillium digitatum, P. italicum)、フィトフトラ病(Phytophthora parasitica, Phytophthora citrophthora);
リンゴのモニリア病(Monilinia mali)、腐らん病(Valsa ceratosperma)、うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、斑点落葉病(Alternaria alternata apple pathotype)、黒星病(Venturia inaequalis)、炭そ病(Glomerella cingulata)、疫病(Phytophtora cactorum);
ナシの黒星病(Venturia nashicola, V. pirina)、黒斑病(Alternaria alternata Japanese pear pathotype)、赤星病(Gymnosporangium haraeanum);
モモの灰星病(Monilinia fructicola)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、フォモプシス腐敗病(Phomopsis sp.);
【0081】
ブドウの黒とう病(Elsinoe ampelina)、晩腐病(Glomerella cingulata)、うどんこ病(Uncinula necator)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)、ブラックロット病(Guignardia bidwellii)、べと病(Plasmopara viticola);
カキの炭そ病(Gloeosporium kaki)、落葉病(Cercospora kaki, Mycosphaerella nawae);
ウリ類の炭そ病(Colletotrichum lagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、つる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、疫病(Phytophthora sp.)、苗立枯病(Pythium sp.);
トマトの輪紋病(Alternaria solani)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans);
ナスの褐紋病(Phomopsis vexans)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum);
アブラナ科野菜の黒斑病(Alternaria japonica)、白斑病(Cercosporella brassicae);
ネギのさび病(Puccinia allii)、ダイズの紫斑病(Cercospora kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines)、黒点病(Diaporthe phaseolorum var. sojae)、さび病( Phakopsora pachyrhizi)、茎疫病(Phytophthora sojae);
インゲンの炭そ病(Colletotrichum lindemthianum)
ラッカセイの黒渋病(Cercospora personata)、褐斑病(Cercospora arachidicola)、白絹病(Sclerotium rolfsii);
エンドウのうどんこ病(Erysiphe pisi);
ジャガイモの夏疫病(Alternaria solani)、疫病(Phytophthora infestans)、緋色腐敗病(Phytophthora erythroseptica)、半身萎凋病(Verticillium albo-atrum, V. dahliae, V. nigrescens);
イチゴのうどんこ病(Sphaerotheca humuli);
チャの網もち病(Exobasidium reticulatum);白星病(Elsinoe leucospila)、輪斑病(Pestalotiopsis sp.)、炭そ病(Colletotrichum theae-sinensis)
タバコの赤星病(Alternaria longipes)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、炭そ病(Colletotrichum tabacum)、べと病(Peronospora tabacina)、疫病(Phytophthora nicotianae);
【0082】
テンサイの褐斑病(Cercospora beticola)、葉腐病(Thanatephorus cucumeris)、根腐病(Thanatephorus cucumeris)、黒根病(Aphanomyces cochlioides);
バラの黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa);
キクの褐斑病(Septoria chrysanthemi−indici)、白さび病(Puccinia horiana);
ヒマワリのべと病(Plasmopara halstedii);
タマネギの白斑葉枯病(Botrytis cinerea, B. byssoidea, B. squamosa)、灰色腐敗病(Botrytis alli)、小菌核性腐敗病(Botrytis squamosa);
種々の作物の灰色かび病(Botrytis cinerea)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、ピシウム属菌による苗立枯病(Pythium aphanidermatum、P. debarianum, P. graminicola, P. irregulare, P. ultimum);ダイコンの黒すす病(Alternaria brassicicola);
シバのダラースポット病(Sclerotinia homeocarpa)、シバのブラウンパッチ病およびラージパッチ病(Rhizoctonia solani);
バナナのシガトカ病(Mycosphaerella fijiensis、Mycosphaerella musicola、Pseudocercospora musae);並びに
ポリミクサ属(Polymixa spp.)またはオルピディウム属(Olpidium spp.)等によって媒介される各種植物のウイルス病。
【実施例】
【0083】
以下、本発明を製造例、製剤例及び試験例等によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
【0084】
まず、本発明化合物の製造例を示す。
【0085】
製造例1

2−アミノ−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸0.32g、4−メチルベンジルアミン0.31g、DMF2mL及びトリエチルアミン0.21gの混合物に、氷冷下にてBOP試薬0.93gを加えた。その混合物を氷冷下にて5分間攪拌後、室温で9時間攪拌した。室温にて終夜放置し、反応混合物を飽和重曹水に注加した。その混合物を酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた結晶をクロロホルムで洗浄し、2−アミノ−N−(4−メチルベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸アミド(以下、本発明化合物(1)と記す。)を0.47g得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ[ppm]:2.27(3H, s), 2.33(3H, s), 4.30(2H, d, J=6.0Hz), 7.09~7.20(6H, m), 7.82(1H, t, J=5.8Hz)
【0086】
製造例2

2−アミノ−4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸0.32gのDMF溶液(1mL)、4−ニトロ−ベンジルアミンの塩酸塩0.41gのDMF溶液(1mL)、トリエチルアミン0.42gの混合物に、氷冷下にてBOP試薬0.93gを加えた。その混合物を氷冷下にて5分間攪拌した後、室温で5時間攪拌した。反応混合物を一晩室温で放置し、反応混合物を飽和重曹水10mLに注加した。酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。得られた2−アミノ−4−メチル−N−(4−ニトロ−ベンジル)−チアゾール−5−カルボン酸アミドをクロロホルムで洗浄し、2−アミノ−4−メチル−N−(4−ニトロ−ベンジル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(以下、本発明化合物(2)と記す。)を0.55g得た。
1H−NMR (DMSO−d6) δ: 2.35 (3H, s), 4.45 (2H, d, J = 5.9 Hz), 7.41(2H, brs), 7.53(2H, d, J = 8.5Hz), 8.14 (1H, t, J = 5.9Hz), 8.20(2H, d, J = 8.5Hz)
【0087】
製造例3

2−アミノ−4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸0.32gのDMF溶液(1mL)、4−ジメチルアミノ−ベンジルアミンの二塩酸塩0.49gのDMF溶液(1mL)、トリエチルアミン0.63gの混合物に、氷冷下にてBOP試薬0.93gを加えた。その混合物を氷冷下にて5分間攪拌した後、室温で3時間攪拌した。反応混合物を一晩室温で放置し、反応混合物を飽和重曹水10mLに注加した。酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。得られた2−アミノ−N−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸アミドをクロロホルムで洗浄し、2−アミノ−N−(4−ジメチルアミノ−ベンジル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸アミド(以下、本発明化合物(3)と記す。)を0.26g得た。
1H−NMR (DMSO−d6) δ: 2.32 (3H, s), 2.85 (6H, s), 4.22 (2H, d, J = 6.1 Hz), 6.66(2H, d, J = 8.7Hz), 7.10(2H, d, J = 8.7Hz), 7.17(2H, brs), 7.71 (1H, t, J = 6.1Hz)
【0088】
製造例4

2−アミノ−4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸0.32gのDMF溶液(1mL)、4−メトキシカルボニル−ベンジルアミンの塩酸塩0.44gのDMF溶液(1mL)、トリエチルアミン0.42gの混合物に、氷冷下にてBOP試薬0.93gを加えた。その混合物を氷冷下にて5分間攪拌した後、室温で5.5時間攪拌した。反応混合物を3日間室温で放置し、反応混合物を飽和重曹水10mLに注加した。酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。得られた残渣をクロロホルムで洗浄し、2−アミノ−N−(4−メトキシカルボニル−ベンジル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸アミド(以下、本発明化合物(4)と記す。)を0.43g得た。
1H−NMR (DMSO−d6) δ: 2.34 (3H, s), 3.84 (3H, s), 4.41 (2H, d, J = 6.0 Hz), 7.24(2H, brs), 7.41(2H, d, J = 8.1Hz) , 7.90(2H, d, J = 8.1Hz), 7.96 (1H, t, J = 6.0Hz)
【0089】
製造例5

2−アミノ−4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸0.32gのDMF溶液(1mL)、4−ブロモ−ベンジルアミン塩酸塩0.49gのDMF溶液(1mL)、トリエチルアミン0.42gの混合物に、氷冷下にてBOP試薬0.93gを加えた。その混合物を氷冷下にて5分間攪拌した後、室温で4.5時間攪拌した。反応混合物を一晩室温で放置し、反応混合物を飽和重曹水10mLに注加した。酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。得られた残渣をクロロホルム、酢酸エチルの順で洗浄し、2−アミノ−N−(4−ブロモ−ベンジル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸アミド(以下、本発明化合物(5)と記す。)を0.41g得た。
1H−NMR (DMSO−d6) δ: 2.33 (3H, s), 4.30 (2H, d, J = 6.1Hz), 7.22−7.24(4H, m), 7.49(2H, d, J = 8.3Hz), 7.90 (1H, t, J = 6.1Hz)
【0090】
製造例6

2−アミノ−4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸0.32gのDMF溶液(1mL)、4−トリフルオロメチル−ベンジルアミン0.39gのDMF溶液(1mL)、トリエチルアミン0.21gの混合物に、氷冷下にてBOP試薬0.93gを加えた。その混合物を氷冷下にて5分間攪拌した後、室温で6.5時間攪拌した。反応混合物を一晩室温で放置し、反応混合物を飽和重曹水10mLに注加した。酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。得られた2−アミノ−4−メチル−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)−チアゾール−5−カルボン酸アミドをクロロホルムで洗浄し、2−アミノ−4−メチル−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)−チアゾール−5−カルボン酸アミド(以下、本発明化合物(6)と記す。)を0.34g得た。
1H−NMR (DMSO−d6) δ: 2.35 (3H, s), 4.42 (2H, d, J = 6.0Hz), 7.25(2H, brs), 7.49(2H, d, J = 8.2Hz), 7.67(2H, d, J = 8.2Hz), 7.98 (1H, t, J = 6.0Hz)
【0091】
製造例7

2−アミノ−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸0.32g、DMF10mL、トリエチルアミン0.20g、BOP試薬0.88gの混合物に、4−トリフルオロメトキシベンジルアミン0.38gを加え、室温で3時間攪拌した。反応混合物を氷水に注加し、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、2−アミノ−N−(4−トリフルオロメトキシベンジル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸アミド(以下、本発明化合物(7)と記す。)を0.31g得た。
1H−NMR (DMSO−D6) δ 2.33 (3H, s), 4.34 (2H, d, J = 5.8 Hz), 7.29−7.39 (6H, m), 8.05 (1H, t, J = 5.8 Hz)
【0092】
次に製剤例を示す。なお、部とは重量部を示す。
【0093】
製剤例1
本発明化合物(1)〜(7)のいずれか1種50部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸マグネシウム2部及び合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合することにより、水和剤を得る。
【0094】
製剤例2
本発明化合物(1)〜(7)のいずれか1種20部とソルビタントリオレエ−ト1.5部とを、ポリビニルアルコール2部を含む水溶液28.5部と混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中に、キサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液40部を加え、さらにプロピレングリコール10部を加えて攪拌混合し、フロアブル製剤を得る。
【0095】
製剤例3
本発明化合物(1)〜(7)のいずれか1種2部、カオリンクレー88部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより、粉剤を得る。
【0096】
製剤例4
本発明化合物(1)〜(7)のいずれか1種5部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ−テル14部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部及びキシレン75部をよく混合することにより、乳剤を得る。
【0097】
製剤例5
本発明化合物(1)〜(7)のいずれか1種2部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部及びカオリンクレー65部をよく粉砕混合した後、水を加えてよく練り合せ、造粒乾燥することにより、粒剤を得る。
【0098】
製剤例6
本発明化合物(1)〜(7)のいずれか1種10部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部;及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル製剤を得る。
【0099】
製剤例7
本発明化合物(1)〜(7)のいずれか1種40部、プロピレングリコールを5部(ナカライテスク製)、Soprophor FLK を5部(ローディア日華製)、アンチフォームCエマルションを0.2部(ダウコーニング社製)、プロキセルGXLを 0.3部(アーチケミカル製)、及びイオン交換水を49.5部の割合で混合し、原体スラリーを調製する。該スラリー100部に150部のガラスビーズ(Φ=1mm)を投入し、冷却水で冷却しながら、2時間粉砕する。粉砕後、ガラスビーズをろ過により除き、フロアブル製剤を得る。
【0100】
製剤例8
本発明化合物(1)〜(7)のいずれか1種50部、NNカオリンクレーを38.5部(竹原化学工業製)、Morwet D425を10部、Morwer EFWを1.5部(アクゾノーベル社製)の割合で混合し、該混合物をジェットミルで粉砕し、粉剤を得る。
【0101】
次に、本発明化合物が植物病害の防除に有用であることを試験例で示す。
なお防除効果は、調査時の供試植物上の病斑の面積を目視観察し、本発明化合物を処理した植物の病斑の面積と、無処理の植物の病斑の面積を比較することにより評価した。
【0102】
試験例1
プラスチックポットに土壌を詰め、トマト(品種:パティオ)を播種し、温室内で20日間生育させた。本発明化合物(1)を製剤例6に準じてフロアブル製剤とした後、水で希釈し所定濃度(50ppm)にし、上記トマト苗の葉面に充分付着するように茎葉散布した。葉面上の該希釈液が乾く程度に風乾した後、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)胞子の水懸濁液を噴霧接種した。接種後はじめは23℃、多湿下に1日置き、続いて20℃の人工気象室内で4日間栽培した後、病斑面積を調査した。
本発明化合物(1)を処理した植物における病斑面積は、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。
【0103】
試験例2
プラスチック製スポンジ片にトマト(品種:パティオ)を播種し、プラスチックカップ中で約20日間水耕栽培した。本発明化合物(1)を製剤例6に準じてフロアブル製剤とした後、重量換算で1植物あたり0.4mgを上記トマト水耕栽培苗のカップ中に投入した。さらに7日間水耕栽培後、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)胞子の水懸濁液を噴霧接種した。接種後はじめは23℃、多湿下に1日置き、続いて20℃の人工気象室内で4日間栽培した後、病斑面積を調査した。
本発明化合物(1)を処理した植物における病斑面積は、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。
【0104】
試験例3
プラスチックポットに土壌を詰め、コムギ(品種;シロガネ)を播種し、温室内で9日間生育させた後、コムギ赤さび病菌(Puccinia redondita f. sp. tritici)の胞子をふりかけ接種した。接種後23℃、暗黒多湿下に1日置いた後、風乾させコムギ赤さび病感染苗とした。本発明化合物(5)を製剤例6に準じてフロアブル製剤とした後、水で希釈し所定濃度(500ppm)にし、上記コムギの葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、さらに照明下に6日間置いた後、病斑面積を調査した。その結果、本発明化合物(5)を処理した植物における病斑面積は、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。
【0105】
試験例4
プラスチックポットに土壌を詰め、キュウリ(品種;相模半白)を播種し、温室内で12日間生育させた。上記ポットにキュウリべと病菌(Pseudoperonospola cubensis)遊走子嚢の水懸濁液を噴霧接種し、23℃、多湿下に1日置いた後、風乾し、キュウリべと病感染苗とした。本発明化合物(2)を製剤例6に準じてフロアブル製剤とした後、水で希釈し所定濃度(500ppm)にし、上記キュウリ葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、23℃の温室内で5日置いた後、病斑面積を調査した。その結果、本発明化合物(2)を処理した植物における病斑面積は、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。
【0106】
試験例5
プラスチックポットに土壌を詰め、インゲン(品種;長鶉菜豆)を播種し、温室内で8日間生育させた。本発明化合物(2)を製剤例6に準じてフロアブル製剤とした後、水で希釈し所定濃度(500ppm)にし、上記インゲン葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)の菌糸含有PDA培地をインゲン葉面上に置いた。接種後23℃、多湿下に5日置いた後、病斑面積を調査した。その結果、本発明化合物(2)を処理した植物における病斑面積は、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。
【0107】
試験例6
プラスチックポットに土壌を詰め、トマト(品種:パティオ)を播種し、温室内で20日間生育させた。本発明化合物(2)、(5)の各々を製剤例6に準じてフロアブル製剤とした後、水で希釈し所定濃度(500ppm)にし、上記トマト苗の葉面に充分付着するように茎葉散布した。葉面上の該希釈液が乾く程度に風乾した後、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)胞子の水懸濁液を噴霧接種した。接種後はじめは23℃、多湿下に1日置き、続いて20℃の人工気象室内で4日間栽培した後、病斑面積を調査した。
本発明化合物(2)、(5)を処理した植物における病斑面積は、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。
【0108】
試験例7
プラスチック製スポンジ片にトマト(品種:パティオ)を播種し、プラスチックカップ中で約20日間水耕栽培した。本発明化合物(3)を製剤例6に準じてフロアブル製剤とした後、重量換算で1植物あたり1mgを上記トマト水耕栽培苗のカップ中に投入した。さらに7日間水耕栽培後、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)胞子の水懸濁液を噴霧接種した。接種後はじめは23℃、多湿下に1日置き、続いて20℃の人工気象室内で4日間栽培した後、病斑面積を調査した。
本発明化合物(3)を処理した植物における病斑面積は、無処理の植物における病斑面積の30%以下であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

〔式中、
2は群Cより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC1〜C3鎖式炭化水素基、群Dより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基、群Eより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいフェニル基、臭素、沃素、シアノ基、ニトロ基、−O−R7基、−S−R5基、−C(=O)−R5基、−C(=O)−OR5基、−OC(=O)−R5基、−NR56基、−C(=O)−NR56基又は−NR5−C(=O)−R6基を表し、
5及びR6は相互に同一又は相異なり、水素、群Cより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC1〜C10鎖式炭化水素基、群Dより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基又は群Eより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
7は水素、群Cより選ばれる1以上の基で置換されているメチル基、群Cより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC2〜C5鎖式炭化水素基、群Dより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基又は群Eより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
なお、群Cは群Dより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基、ハロゲン、シアノ基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルチオ基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルスルフィニル基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルスルホニル基、ハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルキル)カルボニル基、ハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルコキシ)カルボニル基及びハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルキル)カルボニルオキシ基からなる群を表し、
群DはC1〜C5アルキル基及びハロゲンからなる群を表し、
群Eはハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C10鎖式炭化水素基、群Dより選ばれる1以上の基で置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルチオ基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルスルフィニル基、ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アルキルスルホニル基、ハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルキル)カルボニル基、ハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルコキシ)カルボニル基及びハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C4アルキル)カルボニルオキシ基からなる群を表す。〕
で示されるアミド化合物又はその塩。
【請求項2】
2がC1〜C3鎖式炭化水素基、臭素又は沃素である請求項1記載のアミド化合物又はその塩。
【請求項3】
請求項1又は2記載のアミド化合物又はその塩と、不活性担体と、を含有する植物病害防除剤。
【請求項4】
請求項1又は2記載のアミド化合物又はその塩の有効量を植物又は植物が生育する土壌に施用する工程を有する植物病害の防除方法。
【請求項5】
植物病害を防除するための請求項1又は2記載のアミド化合物又はその塩の使用。

【公開番号】特開2011−1357(P2011−1357A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115131(P2010−115131)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】