説明

アラミド繊維

【課題】抗菌性・消臭性を兼ね備えた機能性に優れたアラミド繊維を提供する。
【解決手段】コポリパラフェニレン・3,4−オキシジフェニレンテレフタルアミド等の、アラミドポリマーから構成されるアラミド繊維に、二酸化チタンなどの消臭性、抗菌性を発現する無機機能性付与剤を、特定量配合する。具体的には、平均粒径10μm以下の無機機能性付与剤が3〜50重量%含有されているアラミド繊維であり、アラミド繊維を用いた防護服。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌性、消臭性を備えたアラミド繊維に関し、特に消臭性に優れた防護服用に適したアラミド繊維に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)は、耐熱性、防刃性、耐薬品性に優れ、消防服などの防護服に広く利用されてきた。これらの用途においては、芳香族ポリアミド繊維の更なる耐熱性、難燃性が要求されており、すなわち難燃剤とポリマーとの複合材料の開発が盛んである。しかしながら、これら消防服や防護服では、耐熱性、防刃性、耐薬品性が優先されており、洗濯ができない、もしくは困難であり、衣服としての快適性が無視されてきている。
【0003】
このような課題を解決し、洗濯が困難な衣服の快適性を高めるため、抗菌剤や消臭剤などの機能剤を付与した繊維が考えられており、例えば、抗菌剤、消臭剤を繊維成形後付与する方法(例えば、特許文献1:特開昭60−39478号公報、特許文献2:特開平8−311769号公報)などが提案されている。
しかしながら、上記方法では、抗菌性、消臭性は得られるものの、耐熱性・防刃性が低く、消防服などの防護服として用いることが出来ないという問題があったる。また、耐熱性繊維、高強力繊維にこれら抗菌・消臭繊維を混ぜて用いると、耐熱性・防刃性が低下するという問題や、服の重量が重くなるという問題も生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−39478号公報
【特許文献2】特開平8−311769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、優れた抗菌性、消臭性を有するアラミド繊維を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、アラミド繊維に特定の無機機能性付与剤を特定量配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、アラミドポリマーから構成されるアラミド繊維であって、該アラミド繊維には、平均粒径10μm以下の無機機能性付与剤が3〜50重量%含有されていることを特徴とするアラミド繊維である。
また、別の本発明は、上記アラミド繊維を用いた防護服に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のアラミド繊維は、優れた抗菌性、消臭性を有し、さらにはアラミド繊維本来の機能である耐熱性および防刃性に優れた繊維となる。このため、防護服の用途に非常に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<アラミドポリマー>
本発明におけるアラミドポリマーは、溶液中でのジカルボン酸ジクロライドとジアミンとの低温溶液重合、または界面重合から得ることができる。
【0009】
[アラミドポリマーの原料]
(ジアミン成分)
具体的に本発明において使用されるジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン、2−クロルp−フェニレンジアミン、2,5−ジクロルp−フェニレンジアミン、2,6−ジクロルp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォンなどを単独あるいは2種以上挙げることができるが、これらに限定されるものではない。中でも、ジアミン成分として、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミンおよび3,4’−ジアミノジフェニルエーテルを単独あるいは2種以上使用することができる。
【0010】
(芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分)
具体的に本発明において使用されるジカルボン酸クロライド成分としては、例えばイソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライド、2−クロルテレフタル酸クロライド、2,5−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライドなど挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも、ジカルボン酸クロライド成分として、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライドが好ましい。従って、本発明におけるアラミドポリマーの例として、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、およびポリメタフェニレンテレフタルアミドなどを挙げることができる。特に好ましくは、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドである。
【0011】
[溶媒]
また、アラミドポリマーを重合する際の溶媒としては、具体的にN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタムなどの有機極性アミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの水溶性エーテル化合物、メタノール、エタノール、エチレングリコールなどの水溶性アルコール系化合物、アセトン、メチルエチルケトンなどの水溶性ケトン系化合物、アセトニトリル、プロピオニトリルなどの水溶性ニトリル化合物などが挙げられる。これらの溶媒は、2種以上の混合溶媒として使用することも可能であり、特に制限されることはない。上記溶媒は、脱水されていることが望ましい。
【0012】
この場合、溶解性を挙げるために、重合前、途中、終了時に一般に公知の無機塩を適当量添加しても差し支えない。このような無機塩として、例えば塩化リチウム、塩化カルシウムなどが挙げられる。
【0013】
[濃度]
本発明のアラミドポリマーの製造において用いられるアラミド溶液のポリマー濃度は、好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%である。ポリマー濃度が0.5重量%未満では、ポリマーの絡み合いが少なく紡糸に必要な粘度が得られない。一方で、ポリマー濃度が30重量%を超える場合、ノズルから吐出する際に不安定流動が起こりやすくなり安定的に紡糸することが困難となる。
【0014】
(ジアミン成分と芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分との組成)
また、アラミドポリマーを製造する際、これらのジアミン成分と酸クロライド成分は、ジアミン成分対酸クロライド成分のモル比として好ましくは0.90〜1.10、より好ましくは0.95〜1.05で、用いることが好ましい。
【0015】
[その他]
このアラミドポリマーの末端は、封止されることもできる。末端封止剤を用いて封止する場合、その末端封止剤としては、例えばフタル酸クロライドおよびその置換体、アミン成分としてはアニリンおよびその置換体が挙げられる。
【0016】
一般に用いられる酸クロライドとジアミンの反応においては生成する塩化水素のごとき酸を捕捉するために脂肪族や芳香族のアミン、第4級アンモニウム塩を併用できる。
【0017】
反応の終了後、必要に応じて塩基性の無機化合物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウムなどを添加し中和反応する。
【0018】
反応条件は、特別な制限を必要としない。酸クロライドとジアミンとの反応は、一般に急速であり、反応温度は例えば−25℃〜100℃好ましくは−10℃〜80℃である。
【0019】
このようにして得られるアラミドポリマーは、アルコール、水といった非溶媒に投入して、沈殿させ、パルプ状にして取り出すことができる。これを再度他の溶媒に溶解して成形に供することもできるが、重合反応によって得た溶液をそのまま成形用溶液として用いることができる。再度溶解させる際に用いる溶媒としては、アラミドポリマーを溶解するものであれば特に限定はされないが、上記アラミドポリマーの重合に使用される溶媒が好ましい。
【0020】
(無機機能性付与剤)
次に、本発明のアラミド繊維に含有される無機機能性付与剤は、抗菌性や消臭性を有する物質であって、繊維形成を阻害するようなものが好ましい。このような無機機能性付与剤としては、製造技術からみて大量生産が可能であり、さらには抗菌性および消臭性を併せ持つことから、二酸化チタンが特に好ましい。二酸化チタンの結晶形態としては、ルチル型であっても、アナターゼ型であってもよいが、好ましくはアナターゼ型である。
【0021】
無機機能性付与剤の平均粒径は、10μm以下、好ましくは8μm以下、特に好ましくは2〜6μmである。平均粒径が10μmを超えると、紡糸時の糸切れが頻発し連続的な紡糸が不可能である。
ここで、平均粒径は、粒度分布計により測定した値により定義される値である。
【0022】
(無機機能性付与剤の含有量)
無機機能性付与剤のアラミド繊維中における含有量は、紡糸の安定性から3〜50重量%の範囲であり、好ましくは5〜20重量%である。含有量が3重量%より低いと、アラミド繊維中の二酸化チタンなどの無機機能性付与剤の割合が少なく抗菌性、消臭性が該機能性付与剤を含有しないアラミド繊維とほとんど変わらない。一方、含有量が50重量%を超えるときには、紡糸時の糸切れが頻発し、連続的な紡糸が不可能である。
【0023】
<アラミド繊維の製造方法>
本発明において、アラミド繊維の製造方法としては、アラミドポリマー、平均粒径が10μm以下の無機機能性付与剤、および溶媒からなる紡糸用溶液(ドープ)を調製し、得られたドープをノズルより吐出し、貧溶媒からなる凝固浴中で凝固、脱溶媒し、延伸、熱処理(乾燥)させることにより製造することができる。
【0024】
なお、アラミドポリマーへ無機機能性付与剤をブレンドする際は、該無機機能性付与剤の凝集を抑制する必要がある。このため、アラミドポリマードープを調製するに際し、その方法は特に限定されるものではないが、無機機能性付与剤分散液を、アラミドポリマー溶液に一定の圧力で注入し、ダイナミックミキジングおよび/またはスタティックミキシングする方法が好ましい。
【0025】
紡糸用ドープのポリマー濃度、すなわちアラミドポリマーの濃度は、好ましくは0.05〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%である。
【0026】
また、本発明における紡糸用ドープには、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱安定剤、耐候剤、染料、帯電防止剤、難燃剤、導電性ポリマー、その他の重合体を添加することができる。
【0027】
上記方法によって得られた紡糸用ドープを用いて、湿式法、半乾半湿式法などにより繊維に成形し、脱溶媒槽で溶媒を除去した後、乾燥することで本発明のアラミド繊維を製造することができる。
【0028】
また、得られた繊維を延伸することにより、ポリマーマトリクスであるアラミドポリマーが高度に配向し、アラミド繊維の高物性が発現すると考えられる。
【0029】
延伸の方法としては、凝固糸状態での水洗延伸、沸水延伸、または乾燥糸状態での加熱延伸などを行うことができる。
【0030】
このように、無機機能性付与剤を含有させたアラミドポリマーを凝固液中に展開して、繊維状に成形する。続いて、得られたアラミドポリマーからなる繊維状物に対して、加熱条件下で延伸を行う。延伸倍率は、機械的物性から2〜10倍の範囲が好ましく、さらに好ましくは3〜6倍である。延伸倍率が2倍より低いと、高強力繊維としてのアラミド繊維の特徴が無くなる。一方、延伸倍率が10倍を超えるときには、延伸時の糸切れが頻発し連続的な延伸が不可能である。
【0031】
また、延伸温度は、機械的物性から450〜550℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは500〜530℃である。延伸温度が450℃より低いと、延伸時の糸切れが頻発し、連続的な延伸が不可能である。一方、延伸温度が550℃を超えるときには、アラミドポリマーの熱劣化が起こり、高強力繊維としてのアラミド繊維の特徴が無くなる。
【0032】
なお、本発明におけるアラミドポリマー、およびアラミド繊維の製造方法については、例えば英国特許第1501948号明細書、米国特許第3738964号明細書などに記載されている。
【0033】
このようにして得られるアラミド繊維の具体例としては、芳香族ジカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分、もしくは芳香族アミノカルボン酸成分から構成されるアラミドポリマー、またはこれらの共重合アラミドポリマーからなる繊維であり、例えばポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維、ポリメタフェニレンテレフタルアミド繊維などが例示できる。なかでも、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタラミド繊維が高い強度を有すると同時に耐久性に優れているので特に好ましい。
【0034】
アラミド繊維の強度としては、18cN/dtex以上、さらに好ましくは20〜30cN/dtexの範囲が適当である。強度が18cN/dtex未満である場合には、長期間の使用に対し強度が十分でないために優れた耐久性を得ることが困難である。単繊維繊度および長繊維で用いる場合のヤーンデニールとも特に限定する必要はないが、好適な単繊維繊度は、0.55〜5.5dtex、特に1.1〜3.3dtexであり、ヤーン繊度は110〜5,500dtex、特に330〜3,300dtexの範囲が適当である。
【0035】
本発明のアラミド繊維は、抗菌性および/または消臭性に優れるとともに、アラミド繊維が本来有する耐熱性、防刃性に優れているので、消防服などの防護服として有用である。
この耐熱性防護服としては、例えば、表地層、中間層および遮熱層からなる複合構造を有する防護服であって、該表地層、中間層、および遮熱層が下記(a)〜(c)の要件を同時に満足するものが挙げられる。
(a)表地層が、本発明のアラミド繊維から構成される。
(b)中間層が、透湿防水性を有する。
(c)遮熱層が、本発明のアラミド繊維からなる不織布または織編物から構成される。
【実施例】
【0036】
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<測定・評価方法>
(1)繊度
JIS−L−1015 B法に準じ、測定した。
(2)引張強度、破断伸度、モジュラス
引張試験機(INSTRON社製、商品名:INSTRON、型式:5565型)を用いて、ASTM D885の手順に基づき、糸試験用チャックを用いて、以下の条件の引張試験を行い、引張強度を測定した。
温度 :室温
測定試料長 :250mm
チャック引張速度 :100mm/min
初荷重 :0.35cN/dtex
チャック間距離 :250mm
試験スタート法 :スラックスタート法
【0037】
(3)平均粒径
粒度分布計(島津製作所製、商品名:SALD−200V ER)を用いてレーザー回折/散乱法に基づく粒度分布計算により求めた。
(4)抗菌性
繊維製品新機能評価協議会(JAGET)の定めるところの統一試験法に準じ、静菌活性値を用いて評価した。JIS L1902に基づいて、黄色ブドウ球菌の標準布での18時間後の菌数をB、評価布での菌数をCとした場合にLogB−LogCで求められる値(静菌活性値)で評価した。ここで、静菌活性値が2.2以上であれば、抗菌性良好と評価した。
(5)消臭性
4Lの容器内に400ppmのアンモニアガスを調製し、〔1−(測定時のアンモニア濃度/初濃度)〕×100で求められる消臭率(%)で評価した。
さらに、テストに使用したポリマー溶液(ドープ)の調製と、二酸化チタンのブレンド製糸は以下の方法によった。
【0038】
〔実施例1〕
無機機能性付与剤として、平均粒径が5μmの二酸化チタン(チタン工業株式会社製 アナターゼ型酸化チタン(KA−30)を用いた。
ここで、二酸化チタンの分散は、浅田鉄工株式会社製、ビーズミル(Nano Grain Mill)を用いて行い、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)分散体を調製した。このとき、メディアとして、0.3mmのジルコニアビーズを使用した。
この二酸化チタン分散体およびNMPを、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド(共重合モル比が1:1のアラミドポリマー、帝人テクノプロダクツ社製)の濃度6重量%のNMP溶液中に、得られるドープ中の二酸化チタンの含有量が芳香族ポリアミドの全重量を基準として5重量%となる割合で添加し、温度80℃下4時間撹拌混合した。得られたドープを用い、孔数667ホールの紡糸口金から吐出し、エアーギャップ約10mmを介してNMP濃度30重量%の水溶液中に紡出し凝固した後(半乾半湿式紡糸法)、水洗、乾燥し、次いで、温度500℃下で10倍に延伸した後、巻き取ることにより二酸化チタンが良好に分散した状態で添加されたアラミド繊維を得た。
その結果、得られたアラミド繊維は、総繊度1,100dtex、フィラメント数667フィラメント、単糸繊度1.65detx/フィラメントであり、強度は24.1cN/dtexであった。
【0039】
〔比較例1〕
二酸化チタン添加量を1重量%とした以外は、実施例1と同様の方法でアラミド繊維を得た。得られたマルチフィラメントの特性を表1に示す。
【0040】
〔比較例2〕
二酸化チタン添加量を60重量%とした以外は、実施例1と同様の方法でアラミド繊維を得た。紡糸延伸時の断糸が多発し、安定的に製糸することが困難であった。得られたマルチフィラメントの特性を表1に示す。
【0041】
〔比較例3〕
アラミド繊維を延伸するに際し、延伸倍率を18倍とした以外は、実施例1と同様の方法でアラミド繊維を得た。紡糸延伸時の断糸が多発し、安定的に製糸することが困難であった。得られたマルチフィラメントの特性を表1に示す。
【0042】
〔比較例4〕
アラミド繊維を延伸するに際し、延伸倍率を1.5倍とした以外は、実施例1と同様の方法でアラミド繊維を得た。得られたマルチフィラメントの特性を表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
* :ポリマー100重量%に対する二酸化チタンの重量%
**:紡糸および延伸工程において断糸が0.30回/錘・日未満の場合を良好、0.30回/錘・日 以上を不良とした。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明のアラミド繊維は、抗菌性、消臭性に優れ、アラミド繊維が本来有する耐熱性、防刃性にも優れているので、耐熱性防護服などの用途に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラミドポリマーから構成されるアラミド繊維であって、該アラミド繊維には、平均粒径10μm以下の無機機能性付与剤が3〜50重量%含有されていることを特徴とするアラミド繊維。
【請求項2】
前記アラミドポリマーが、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドである請求項1記載のアラミド繊維。
【請求項3】
前記無機機能性付与剤が、消臭剤である請求項1または2記載のアラミド繊維。
【請求項4】
前記無機機能性付与剤が抗菌剤である請求項1または2記載のアラミド繊維。
【請求項5】
無機機能性付与剤が二酸化チタンである請求項1または2記載のアラミド繊維。
【請求項6】
延伸倍率2〜10倍で加熱延伸された請求項1〜5いずれかに記載のアラミド繊維。
【請求項7】
請求項1〜6いずれかに記載のアラミド繊維を用いた防護服。

【公開番号】特開2010−255140(P2010−255140A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107459(P2009−107459)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(303013268)帝人テクノプロダクツ株式会社 (504)
【Fターム(参考)】