説明

アルカリ金属化合物の回収及びリサイクルを伴う接触スチームガス化法

炭素質固体をメタンに転換するための高い効率性のガス化方法及びその実施のための装置が記載される。前記方法には、ガス化反応器中でアルカリ金属触媒の存在下で、灰分を含む炭素質固体とスチームを反応させ、可燃性の気体及び、灰分とアルカリ金属触媒構成物とを含む炭化物粒子を生じること、アルカリ金属触媒回収システムにおいてこのような炭化物粒子の流れを処理して、アルカリ金属化合物として触媒構成物を回収すること、並びにこのような回収された化合物をリサイクルすることが含まれる。アルカリ金属触媒回収システム内で、前記方法には、炭化物粒子の流れを水で急冷し、それによりこのような粒子が冷却され及び破砕されること、破砕された固体から可溶性アルカリ金属触媒構成物を溶解して、第一のアルカリ金属触媒溶液及び洗浄された固体を形成すること、場合によりアルカリ溶液中の洗浄された固体を反応させて、第二のアルカリ金属触媒溶液を形成すること、該第一の及び場合により第二のアルカリ溶液を改良して、該アルカリ金属化合物としてアルカリ金属触媒構成物を回収することが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡素化された触媒回収方法と共に、メタン又は合成ガス等の製品ガスを発生させるアルカリ金属触媒の存在下で、石炭等の炭素質固体をガス化するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油は、液体燃料及び気体燃料のための主要源である。公知の石油埋蔵量が、消費されつつあり、新たな埋蔵量に関する探査が、次第に困難になりつつあるので、石油の利用可能性が低下するであろうということは、長い間懸念されている。非常に多くの技術が、液体及び気体燃料に依存するので、代替源からこのような燃料を生産するための方法を開発する必要性が、広く認識されている。
【0003】
幾つもの技術が、この懸念に対処するために開発され、多くは、石炭、石油コークス、及びさらには有機廃棄物等の炭素質固体に焦点を絞っている。方法として、これらの材料を、「合成ガス」、一酸化炭素と水素との混合物、又は合成天然ガスとしても公知のメタンなど、多様な可燃性ガスへと転換するための方法が開発されてきた。
【0004】
石炭のガス化は典型的に、非常に高温で、又はアルカリ金属触媒の存在下で中程度の温度で、スチームと石炭とを反応させることによって達成される。石炭をメタンに接触転換するためのこのような1つの方法は、1978年6月13日に発行された米国特許第4,094,650号において開示されている。‘650特許は、炭素−アルカリ金属触媒の存在下で、比較的常温の方法においてメタンを生成するために、炭素質固体がガス化されることができることを開示する。
【0005】
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムを含むアルカリ金属は、純粋な金属の、又は化合物の又は複合体の形態の何れかで、石炭のガス化を触媒することができる。一般的に、石炭ガス化触媒としてのアルカリ金属の相対的な活性は、原子量と共に増大し、すなわち、セシウムは最も強力であり、リチウムは最も強力ではない。接触石炭ガス化(「CCG」)方法の開発は、ナトリウム及びカリウムが、より重いアルカリ金属ほど高価でなくかつ広範に利用可能でもありながら、適度な活性を示すので、ナトリウム及びカリウムに焦点が絞られてきた。石炭−触媒混合物を調製した後、それをガス化反応器中へと導入することが可能であり、又はアルカリ金属触媒及び炭素質粒子を別個に反応器中へとそのまま導入することによって形成することができる。
【0006】
アルカリ金属触媒は、無機アルカリ金属塩、有機アルカリ金属塩、水酸化アルカリ金属、酸化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属等として、又は純粋な金属又はこのような化合物の混合物としてCCG方法へと導入されることができる。アルカリ金属触媒は、1個超のアルカリ金属、例えば、カリウム及びナトリウムを含むことが可能であり、アルカリ金属化合物の組み合わせ、例えば水酸化カリウム、炭酸カリウム及び水酸化ナトリウムの混合物として導入することが可能であり、その組み合わせは、共晶塩混合物であり得る。CCGにおいて使用するために文献中で確認される好ましい一つのアルカリ金属化合物は、炭酸カリウムである。
【0007】
石炭は、とりわけ、カルシウム、アルミニウム、シリコン、鉄、バナジウム及び硫黄を含む無機物質の有意な量を典型的に含有する。これらの化合物は、ガス化反応器中で無機酸化物又は灰分を形成する。約500℃又は600℃を上回る温度で、カリウム(又は他のアルカリ金属)が、灰分と反応して、不溶性アルミノケイ酸アルカリを形成することができることは公知である。この形態において、アルカリ金属は、触媒として不活性であるか又は比較的不活性である。石炭ガス化反応器中で無機固体の堆積を防止するため、炭化物の固体パージ、すなわち、灰分、転換されていない炭素質材料及び固体内で結合したアルカリから構成される固体を、周期的に取り出さなければならない。この炭化物は、例えばカリウム金属の20質量%又はそれ以上であり得、一部をK2CO3等の可溶性カリウム塩として、一部をKAlSiO4(合成カリオフィライト又はカオリナイト)等の不溶性アルミノケイ酸カリウムとして含む。
【0008】
固体パージ中で触媒の損失を補償するために、古典的なCCG方法は、多量の触媒補償流を使用する。CCG方法の原材料コスト及び環境への影響は、固体パージからアルカリ金属を回収することによって最小化することができる。
【0009】
‘650特許は、アルカリ金属の可溶性部分を回収するために固体パージの水浸出を開示する。ガス化装置からの固体は、700°Fに冷却された後、すみやかに可溶性の物質を溶解するために、触媒の高濃度の水溶液中で混合される。高濃度の触媒水溶液は、ガス化装置フィードを調製するために利用される。低溶解性のアルカリ物質を回収するために、固体が、約110℃(230°F)及び30psiaで次第に低濃度になる触媒溶液と連続的に接触する多段向流液体固体抽出系へ、1回洗浄された固体を移送させる。‘650特許は、付属フィルター、ポンプ及び補償流を有する混合容器の7タンク電池を開示する。KAlSiO4等の不溶性アルカリ金属化合物は、廃固体中に残留し、そのため、固体パージ中に取り出されたアルカリ金属の約2/3のみが回収され、ガス化方法へとリサイクルされることができる。
【0010】
適切な条件下で、アルミノケイ酸塩由来のカリウム(又は他のアルカリ金属)を置換し、遊離カリウム(又は他のアルカリ金属)を含有する水溶液を形成するカルシウム又はマグネシウムを含有するアルカリ溶液中でアルミノケイ酸アルカリを「温浸すること」によって、不溶性アルカリ構成物が、アルミノケイ酸塩化合物から回収されることができることは公知である。
【0011】
このような方法は、1979年6月26日に発行された米国特許第4,159,195号において利用されている。‘195特許によると、粗製品ガスから分離された固体パージ及び固体は、流動化チャンバーを通過して分離し、より軽い粒子をガス化装置へとリサイクルする。残留するより重い粒子流は、冷却され、水浸出ユニットへと導かれ、そこで、可溶性アルカリ構成物が溶解し、炭酸塩及び硫酸塩等の多様なアルカリ金属化合物を含有する希アルカリ溶液を形成する。‘195特許は、水浸出ユニットが典型的に、多段向流抽出系を含むことを記載し、‘650によって開示されるものと同様の複雑な方法を示唆する。
【0012】
‘195特許は、可溶性アルカリ構成物が、温浸プロセスのアルカリ成分と反応し、望ましくない副製品を形成し得ることを警告する。このような問題を回避するため、‘195特許は、さらなる処理なしで、ガス化装置フィード調製区域へ希アルカリ溶液を導く。浸出された固体は、石灰温浸ユニットへ導かれ、そこで、250〜500°F(〜120〜260℃)の間で、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウムの水性スラリーと、洗浄された固体が激しく混合される。‘195特許によると、温浸装置製品溶液は通常、水酸化アルカリ金属及びアルミン酸アルカリ金属を含む。灰分負荷を増大させ得るガス化装置へのアルミン酸塩のリサイクルを回避するため、‘195特許は、残余溶液がリサイクルされる前に、水酸化アルミニウムを沈殿させる二酸化炭素含有ガスと温浸装置溶液が接触することができることを開示する。
【0013】
温浸による多段水洗浄方法は、従来のものである。‘195特許は、(水洗浄方法のみによるよりも)多量のカリウム回収が、不溶性部分を回収するために石灰温浸によってできることを報告する。しかしながら、DOE協定ET−78−C−01−2777によって出資され、FE−2777−31において報告された、温浸後に水による多段浸出を利用した触媒回収に関するパイロットスケールの研究は、石灰温浸の付加が、経済的に有利ではないかもしれないことを示す。
【0014】
石灰温浸は、他の石炭技術における使用にも示唆されてきた。例えば、電磁流体力学的(MHD)電力発生は、従来の石炭火力発電所の能率を向上するための技術として提唱されてきた。MHD発電所において、燃焼ガスへ簡単にイオン化可能な材料を添加することによって形成されるプラズマは、非常に高温かつ高速度で磁場を通過し、電流を誘導する。MHDプラントにおいて消費されたシーズを回収及びリサイクルするための方法を記載するShethらに対する米国特許第5,057,294号によると、炭酸カリウムが好ましいシーズ材料である。
【0015】
‘294特許によると、カリウムシーズのほとんどが、燃焼ガス中の二酸化硫黄との反応の際に固体硫酸カリウムへ転換し、その後、ギ酸塩反応器中で石灰と一酸化炭素との反応によってギ酸カリウムとして回収されることができる。カリウムシーズの約15%が、石炭のアルミニウム及び無機シリコン成分と反応し、MHD「スラグ」として公知の不溶性アルミノケイ酸カリウムを形成する。スラグ中のカリウムは、スラグ粒子を粉砕し、それを石灰で4:1のモル比のOH:K及び445°F〜480°F(約230〜250℃)の温度で温浸することによって実質的に回収されることができる。得られた非常にアルカリ性の水酸化カリウムの温浸装置製品溶液は、ギ酸塩反応器製品と組み合わされ、硫酸カルシウムを沈殿させる。ギ酸カリウム及び水酸化カリウムの少量を有する残余溶液は、乾燥し、MHD「シーズ」としてリサイクルされ得る。
【0016】
‘294特許は、温浸される前に約75メッシュへスラグを粉砕することによって、カリウムの約80%までが回収されることができることを開示する。スラグ及び廃シーズは、実質的に別個の流れとして回収することができる。‘294特許は、固体の単一流からの可溶性及び不溶性のアルカリの回収を取り扱っていない。温浸のための粒子を適切な大きさにするために粒子を粉砕するよりもむしろ破砕し得るという示唆は何らない。
【0017】
従って、石炭方法におけるアルカリ金属回収に関する公知の方法は、煩雑であり、高価である。より単純な系でアルカリ触媒を回収できるCCG方法を開発することは非常に望ましいであろうし、このような方法が柔軟であり、信頼できれば、より一層望ましいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の方法は、従来技術に関する上述の弱点を克服するよう設計される。特に、提唱される方法は、ガス化からの熱い固体パージを触媒回収温度に冷却し、取り出された固体を小粒子へ破砕してアルカリ金属塩の完全な浸出性を促進し、単一容器中の固体全部から可溶性アルカリ金属部分を分離する。熱い固体パージ負荷を全体的に、処理することが可能であり、そのため、より小さな粒子を分離し、ガス化装置へ戻すための設備は必要とされないかもしれない。本発明は、熱い固体パージの温度エネルギーを利用して、過度の粉砕設備を必要とせずに水との接触の際に、取り出された粒子を破砕する。得られた固体のより大きな表面積によって、可溶性アルカリ部分をより迅速に溶解でき、多段水洗浄ユニットの必要性を低下又は排除できると信じられている。固体は沈積し、溶解したアルカリ金属構成物を含む溶液とは別個に、濃縮されたスラリーとしてすみやかに取り出され、それにより、固液分離フィルターを利用する必要性を回避することができる。
【0019】
本発明が、アルカリ金属触媒を回収し、石炭ガス化反応器へとリサイクルする柔軟かつ簡素化された方法を提供することは理解できる。本発明の触媒回収方法は、通常ガス化装置から取り出された熱い炭化物の粒子中のエネルギーを固体を小粒子に破砕するために利用する。さらに、本願の系は、少ない設備しか包含せず、それにより従来のCCGシステムよりも建設するのに高価ではなく、維持及び操作するのに高価ではなく、より信頼でき得る。
【0020】
本願の一実施態様において、本発明の石炭ガス化方法は、ガス化反応器、製品分離区域及びアルカリ金属触媒回収システムを有する。ガス化反応器において、石炭粒子及びスチームは、アルカリ金属塩の存在下で転換され、ガス並びに、未反応の炭素、石炭の無機構成物、及びアルカリ金属化合物を含む炭化物粒子を生じる。炭化物粒子の固体パージは、ガス化反応器内で固体無機化合物の定常負荷量を維持するのに十分な量でガス化反応器から取り出される。触媒回収システムにおいて、固体パージの触媒構成物は、ガス化反応器へのリサイクルのために回収される。
【0021】
触媒回収システムは、熱い炭化物粒子の固体パージ流を受け入れし、炭化粒子を破砕し、固体パージ流を冷却するための破砕タンクを有する。炭化物の可溶性アルカリ構成物は、溶液中へと溶解及び分離する。場合により、石灰温浸ユニットは、破砕タンクから取り出された固体を破壊し、追加の不溶性触媒構成物を回収するのに使用することができる。アルカリ性の水酸化化合物、水酸化カルシウム及びアルミノケイ酸カルシウムを含み得る温浸ユニットからの製品スラリーを、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、硫化物及び硫酸塩を含む多様なアルカリ化合物を含み得る破砕タンクからの溶液と組み合わせることができる。
【0022】
他の実施態様において、例えば、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの形態にあり得るカルシウムは、ガス化反応器へ供給され、石炭のアルミナ及びシリカ成分を結合又は固定し、それにより固体パージが、アルミノケイ酸アルカリ金属又はケイ酸塩をほとんど又は全く含まないと信じられている。このような場合、石灰温浸ユニットは、より小さく又は完全に省略され得る。
【0023】
破砕タンクからの溶液は、存在する場合、温浸ユニットからの製品スラリーと共に濾過され、濃縮された後、二酸化炭素の豊富な気体と反応して、アルカリ化合物を炭酸アルカリへ転換することができる。幾つかの実施態様において、混合物は、濾過される前に又は濾過されると同時に炭酸塩化される。このような場合、温浸ユニットからの水酸化カルシウムは、固体炭酸カルシウムへと転換され、濾過によって除去することができる。
【0024】
幾つかの実施態様において、得られた炭酸アルカリ溶液は、液体として保存及び/又はリサイクルすることができる。あるいは、炭酸アルカリ溶液は、乾燥し、乾燥した炭酸アルカリは、固体として保存及び/又はリサイクルすることができる。
【0025】
本発明の目的
従って、本発明の目的は、接触石炭ガス化反応器の固体パージからのアルカリ金属触媒の回収を簡素化し、全体的な経済性を改善することである。
【0026】
さらなる目的は、CCG反応器の固体パージからアルカリ金属触媒を効率的に分離して、CCG方法の全体的な効率及び経済性を改善することである。
【0027】
本発明のさらなる目的は、アルカリ構成物を、一段法においてCCG反応器の固体パージから分離することができるアルカリ金属触媒回収方法を提供することである。
【0028】
さらなる目的は、固体パージの熱を利用して、炭化物粒子をより小さな粒子へと破砕し、それによりCCG反応器の固体パージからのアルカリ金属触媒の効率的な可溶化を促進することである。
【0029】
別の目的は、簡便な形態でCCG方法においてアルカリ金属触媒を回収することである。
【0030】
本発明のこれらの及び他の目的は、本発明の以下の記載から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の好ましい実施態様の特徴を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本明細書で使用される「アルカリ金属触媒」とは、ガス化反応を容易にするためにこの方法に導入され、回収及びリサイクルすることができるアルカリ化合物を指す。本用語は、炭素表面を活性化し又はガス化反応を実際に触媒する特定の部分又は複数の部分を示唆し又は前記部分に限定することを意味するものではない。
【0033】
以下の方法のフロースキームにおいて、本願は、石炭を合成ガス又はメタン等の製品ガスへ転換するための統合された方法を提供する。本方法は、アルカリ金属触媒を回収及びリサイクルし、熱ガス化と比較してその全体的な魅力を維持する。好ましくは、本方法は、フィード調製、ガス化及び製品精製のための区域並びにアルカリ金属触媒回収システムを含む。
【0034】
フィード調製区域は、(好ましくは示されていない設備によって約125メッシュに粉砕された)石炭粒子を、アルカリ金属化合物の水溶液と組み合わせてフィードスラリーを形成するための混合タンクを含むことができる。フィード調製区域は、水が、過加熱されたスチームによってスラリーから除去され、さらなるスチーム及び、アルカリ金属触媒を含浸した石炭を含む乾燥固体の流れを形成する乾燥タワーを含むこともできる。フィード調製区域はさらに、石炭粒子がアルカリ金属塩水溶液に浸漬されるスクリューブレンダーを含むことができる。あるいは、石炭粒子は、アルカリ金属化合物と乾燥ブレンドすることができる。フィード調製区域は、浸漬された又は乾燥ブレンドされた石炭粒子を加熱して、アルカリ金属触媒と接触して炭素の表面積を増大させ、及び/又は石炭粒子の孔内でのアルカリ金属触媒の組み込みを改良する装置を含み得る。石炭粒子とアルカリ金属触媒とを組み合わせるさらに他の方法は公知であり、例えば、アルカリ金属化合物及び石炭粒子を、最初にフィード調製区域で組み合わさることなく、別個の流れとして直接ガス化装置へ供給することができる。本発明は、全ての公知の石炭ガス化フィード調製技術を包含する。混合された流れであろうと別個の流れとしてであろうと、調製された石炭粒子及びアルカリ金属触媒は、ガス化反応器へと供給される。
【0035】
ガス化区域において、石炭及びスチームは、反応器(「ガス化装置」)中でアルカリ金属触媒の存在下で反応し、合成ガス、メタン又は他の炭素質の流れ及び未反応のスチームを含み得る原製品の流れを形成する。好ましい実施態様において、ガス化装置は、約500℃と700℃との間で操作する。石炭へのアルカリ金属触媒の最適な負荷は、石炭の種類、石炭の特性及び特定のガス化条件に依存するが、典型的には約5〜20質量%である。特定の実施態様において、水素及び一酸化炭素の流れもガス化装置へフィードされる。幾つかの実施態様において、酸化カルシウム又は他のカルシウム化合物の流れを、ガス化装置へ供給することができる。
【0036】
石炭は典型的に、時には灰分と呼ばれる、ガス化することが期待されないであろう無機鉱物構成物を含有する。このような無機鉱物構成物は、例えばアルミナ及びシリカを含み得る。反応器中に十分な量で存在する場合、カルシウム化合物は、CO2と結合して、CaCO3の粒子を形成することが可能であり、及び/又は石炭の無機鉱物構成物と結合して、例えばアルミノケイ酸カルシウム及び/又はケイ酸カルシウムを形成することができる。
【0037】
操作の間、未反応の炭素、石炭の灰分構成物及びアルカリ金属塩を含む炭化物粒子が、反応器中で形成する。炭化物(及び存在する場合、カルシウム固体)を含む固体パージは、ガス化装置から周期的に取り出され、ガス化装置中のこのような固体の堆積を防止する。固体パージは、以下に記載される固体パージのアルカリ構成物を回収する触媒回収システムへ導かれる。
【0038】
粗製品ガス流は、炭化物粒子が反応器に存在するので、細かな炭化物粒子を同伴運搬することができる。炭化物は、粗製品ガス流から分離され、ガス化反応器へと戻される。粗製品流は、合成ガス又はメタン等の製品を単離するために、さらに処理される。未反応のスチーム及び/又は、存在する場合、硫化水素及び二酸化炭素等の酸性ガスを除去するための、及び存在する場合、原製品流からの全ての水素及び一酸化炭素を分離するための装置及び方法は、従来技術にあり得る。
【0039】
触媒回収システムは、ガス化装置から周期的に又は連続して取り出される熱い炭化物を受け入れる破砕タンクを含む。好ましい実施態様において、破砕タンクは、ガス化反応器の直下にあり、それにより炭化物は、固体放出バルブを開くことによって、ガス化装置の底部から破砕タンクへと単純に落下することができる。場合により、ガス化装置及び破砕タンクは、単一容器の2つの区画である。
【0040】
破砕タンクは、固体パージの熱い炭化物が落下する水のプールを含むことができる。破砕タンクはあるいは、炭化物粒子へ導くことができる水噴射を装備することができる。水の比較的冷却されたプール又は水噴射との接触の際に、粒子は、ガス化装置の温度から急速に冷却されることが可能であり、高い温度差による高い熱ストレスによって、凝集した炭化物が小さな粒子へと破砕すると信じられている。破砕された粒子は、より高い表面:体積比を有し、それによって、アルカリ金属触媒回収方法において固体パージを含むアルカリ金属のより良好な可溶化が可能となり得る。破砕タンク中の適切な条件によって、取り出された炭化物を過度に破砕することなく、可溶性のアルカリ金属構成物の本質的に完全な溶解が可能となり得る。破砕タンクから生じるスチームは、以下に記載される石灰温浸ユニット内で、又はガス化装置中で利用することができる。水補償流を、必要に応じて破砕タンクへフィードすることができる。破砕タンクを、排水マス中の固体とは別個に水噴射から水を回収することによって、又はタンクの底部に蓄積する固体から直接排水するために何れかの水を提供することによってなど、固体と水との接触時間を最小化するよう設計することができる。
【0041】
炭化物粒子を、固体:水比を制御することによって、及び破砕タンク中の水と固体の接触時間を制御することによって、ガス化温度から約50℃と同程度に低く又は約300℃と同程度に高く冷却することができる。熱い炭化物を水のプールと接触させ、約50℃〜95℃の範囲の温度へ冷却することによって、最大の固体表面積を達成することができると思われる。あるいは、存在する場合、温浸ユニットとのより良好な熱統合を、炭化物を水噴射で冷却し、それにより固体が単に約120℃〜300℃の範囲の温度に冷却することによって達成することができる。より高温で、その後の石灰温浸ユニット中での加熱は、ほとんど必要とされないであろう。本方法は、破砕タンクの操作を、CCG反応器中の炭化物の特性及び条件に関して最適化され得るような柔軟性を提供する。
【0042】
本発明の破砕タンクを、水洗浄を冷却と統合することができる。前記破砕タンクは、固体パージ中の炭化物の可溶性アルカリ構成物の相当な量が、破砕タンク内の溶液中へ溶解するよう設定することができる。可溶性アルカリ金属構成物はそれにより、破砕タンクの底部に沈積し又は前記底部に集まる洗浄された固体とは別個に取り出すことができる水溶液を形成することができる。本願によると、破砕タンクからの水溶液は、固体パージの可溶性アルカリ金属構成物のほとんどを含むことができ、洗浄された固体は、不溶性アルカリ金属構成物のほとんどを含むことができる。
【0043】
破砕タンクを、洗浄された固体及び溶液が、別個の濾過工程を過度に必要とせずに別個に取り出すことができるようにも設計することができる。破砕タンクは、熱い固体が落下する水のプールを含むことができ、この場合、固体は、沈積するであろうし、タンクの底部から取り出すことができる。タンク底部は、傾斜のついた床を有し、固体を互いに押し、沈積し洗浄した固体から追加の液体をさらに絞り出し得る。他の実施態様において、熱い固体は、一連の水噴射を通して落下し得、破砕タンクを、洗浄された固体が、タンクの底部に本質的に熱い灰分として集まり、落下する炭化物粒子を通過させ冷却した後の噴射からの水が、回収され洗浄された固体から別個に回収され又は即時に排水されるよう設計することができる。
【0044】
本願の触媒回収システムは、追加の触媒回収を提供するための石灰温浸ユニットをさらに含むことができる。破砕タンクからの洗浄された固体は、石灰温浸容器へ導かれる。水性スラリー形態にある(例えば、水酸化カルシウムとして)カルシウム又はマグネシウムの化合物等のアルカリ土類温浸剤を必要に応じて添加し、5〜25の最適なアルカリOH:アルカリ金属比を達成する。幾つかの実施態様では、殆ど又は全く石灰を必要としないほど十分なカルシウムを炭化物中に有する場合がある。熱を、スチームの直接的な注入によって温浸装置へ提供することができる。約50℃〜約300℃の温度で、約10〜約500psigの圧力で、温浸装置の含有物を2〜4時間激しく混合する。温浸方法の間、温浸剤は、固体と反応し、アルカリ金属塩水溶液(例えば、水酸化カリウム)及び不溶性のアルミノケイ酸塩化合物(例えば、アルミノケイ酸カルシウム)を形成する。負荷操作、混合操作及び空にする操作を適切に同期化することによって、温浸を、一工程で実施することができる。
【0045】
水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、硫化物、硫酸塩等の形態にある可溶性アルカリ金属構成物のほとんどを含有する破砕タンク溶液は、温浸ユニットを迂回して、以下により十分に記載される改良法を指向することができる。それにより、本方法は、可溶性形態を温浸ユニットへ導入することから生じる潜在的な問題又は混乱を回避又は最小化するのを支援する。
【0046】
存在する場合、破砕タンク溶液及び温浸製品スラリーを、回収された触媒溶液として組み合わせ、固体を濾去し及び多重効用蒸発装置又は同様の装置において溶液を濃縮することによって改良することができる。必要な場合、フィルターを用いることにより、フィルターは好ましくは、固体を除去して数ミクロンまで減らすことができる。アルカリ金属塩を炭酸塩の形態に転換するために、溶液をCO2の豊富なガスと接触させる。炭酸塩化工程も、水酸化カルシウム等の何れかの可溶性アルカリ土類化合物を不溶性炭酸塩形態へ転換するであろう。蒸発装置内での塩の堆積物が懸念される場合、炭酸塩化は、(加圧された濾過ユニット中のように)濾過工程内で先行し又は生じることができる。別の代替例において、炭酸塩化は、溶液が濾過され及び濃縮された後に生じることができる。
【0047】
記載されるように、熱い炭化物粒子を破砕することによって、アルカリ触媒を、より容易にかつ完全に可溶化することができる。従って、可溶性アルカリ触媒は本質的に全て、一段階水洗浄である破砕タンク溶液中で溶解することができる。同様に、アルミノケイ酸アルカリ又はケイ酸アルカリ構成物(不溶性アルカリ構成物)のアルカリ価のほぼ全てを、温浸装置製品スラリー中で溶解することができる。本願の一局面によると、可溶性及び不溶性アルカリ構成物の相当な量を、多段階洗浄又は浸出方法を使用せずに回収、改良及びリサイクルすることができる。
【0048】
リサイクル流からのパージは、塩化物、リン酸塩、ケイ酸塩等の望ましくないものの堆積を回避するのに役立つ。アルカリ金属触媒補償流は、触媒損失を、リサイクルパージ中で、濾過された固体又は取り出されたものと置換するのに利用できる。
【0049】
ガス化方法への炭素質フィードが、アルカリ金属化合物の溶液で含浸される場合、固体触媒としてアルカリ金属を回収するためのさらなる結晶化は、あまり必要ではない。濃縮されたアルカリ金属触媒溶液を、必要に応じて保存され、ガス化装置フィードへとリサイクルすることができる。代替例において、アルカリ金属触媒溶液を、結晶化装置/乾燥器へ導き、必要に応じて保存しガス化装置フィードへとリサイクルすることもできる乾燥化合物としてアルカリ金属触媒を回収することができる。
【0050】
図1に関して、本願の接触石炭ガス化方法におけるフィード調製、ガス化及び製品分離のための区域が、一般的に示される。アルカリ金属触媒回収システムには、破砕タンク30、温浸装置ユニット40、フィルター50及び多重効用蒸発装置55、富二酸化炭素ガスと溶液を接触させるための炭酸塩化溶液60、結晶化装置/乾燥機70並びに回収されたアルカリ金属触媒貯蔵容器80が含まれる。
【0051】
約10%灰分を含有する石炭約100t/日を20質量%の触媒負荷で処理するガス化装置20において、固体パージの合計は、約35t/日となり得る。ガス化装置20から破砕タンク30まで固体パージを移送するための導管25は、開いた場合、ガス化装置直下に物理的に配置され、落下する固体に向けられた水の貯蔵器又は水噴射機を有することができる破砕タンク中へと、ガス化装置20の底部からの熱い固体炭素質粒子が落下できる分離バルブを単に含むことができる。容器間で固体を移送するための他の手段は、当業者に公知である。本願は、該分離バルブに限定されるわけではなく、このような他の固体移送装置を包含するよう企図される。
【0052】
破砕タンクから生じるスチームは、ライン31を通して取り出され、熱を温浸ユニット40へ移送するために通常採用することができる。水は、ライン32を通して添加することができる。
【0053】
好ましい実施態様における温浸ユニット40には、並行して作動するが、交互に作動する3つの温浸容器が含まれており、それにより、例えば、ある容器41は、別の容器42が空になると、固体のバッチを活発に温浸し、第三の容器43が、破砕タンク30の底部から連続して取り出される洗浄された固体を受け入れる。温浸方法の順序は、洗浄された固体を受け入れる第一の容器が満たされている場合、第二の容器は、空であり、第一の容器が温浸反応を開始すると、洗浄された固体を受け入れ始めることができる。順序は、第二の容器が洗浄された固体で満たされている場合、第三の容器が、空であり、洗浄された固体を受け入れ始めることができ、第三の容器が満たされている場合、第一の容器が、空であり、満たされ始めることができるなどのように続行する。
【0054】
図1のフロースキームに関し、破砕タンク30の底部に沈積し又は前記底部に集まる洗浄された固体は、ライン35を通して容器43へ取り出され、容器43は、温浸順序の充填部分にある。石灰は、必要に応じてライン45を通して充填容器43へ添加される。最適には、温浸中の水酸化物とアルカリ金属とのモル比は、約5〜25である。スチームは、ライン31及びライン46を通して必要に応じて混合容器41へ添加される。最適には、温浸反応は、約50〜300℃の範囲内の温度で進行する。
【0055】
温浸反応方法の製品は、アルカリ金属塩(例えば水酸化カリウム)水溶液、不溶性ケイ酸塩又はアルミノケイ酸塩化合物(例えば、アルミノケイ酸カルシウム)、及び未反応の石灰を含むスラリーである。このスラリーは、空になりつつある容器42からライン48を通して放出され、破砕タンク30からライン36を通して取り出される破砕タンク溶液と混合される。ライン49中の回収されたアルカリ金属触媒溶液の混合された流れは、濾過ユニット50へと導かれる。
【0056】
濾過ユニットは、フィルターを使用して又は使用せずに固体のほとんどを除去するよう設計されたフィルターベッドを含む。固体は、ライン51を通して取り出され、さらなる処理のために、又は廃棄へと送ることができる。濾過されたアルカリ金属触媒溶液は、ライン53を通して多重効用蒸発装置55又は触媒溶液を濃縮する同様の装置へと導かれる。最適には、蒸発装置55は、溶液の水分含有量を約40〜50%濃度に低下させる。
【0057】
次に、濃縮された溶液は、ライン58を通して、必要に応じて多数のトレイ又はバッフルもしくは充てん剤を装備した炭酸塩化装置60へと導かれ、気−液の良好な接触を確実にする。溶液は、ライン58を通して炭酸塩化装置60の上部に供給され、トレイからトレイへと、ライン61を通して炭酸塩化装置60の底部へ供給される富CO2ガスとして流れ、落下する液体を通して起泡し、又はさもなくば落下する液体と広範に接触する。負CO2ガスは、炭酸塩化装置からライン63を通して取り出される。炭酸塩化された溶液は、ライン65を通して結晶化装置/乾燥機70へと流れ、そこで、溶液が乾燥する。薄片又は沈殿した粒子としての固体は、ライン75を通して貯蔵容器80へと移送する。パージは、ライン72から取り出すことができる。
【0058】
回収された固体は、ライン85を介してフィード調製区域へ移送される。補償アルカリ金属化合物は、必要に応じてライン87を通して添加される。
【0059】
上述からわかるであろうように、本明細書に開示された発明は、石炭ガス化反応器からパージされた固体からアルカリ金属触媒を分離し、このようなアルカリ金属触媒を石炭ガス化反応器へとリサイクルするための効率的な方法を提供する。
【0060】
有利なことに、ガス化装置から取り出される熱い炭素質の熱を利用して、固体を小粒子へと破砕することによって、本願は、複雑な多段階水洗浄又は温浸装置ユニットを使用せずに、及び炭素質を過度に粉砕せずに又は全く粉砕せずに、炭素質粒子の可溶性及び不溶性アルカリ金属触媒構成物の回収を可能にする。
【0061】
本願の触媒石炭ガス化システムは、伝統的なCCGシステムよりも少ない工程及び少ない装置を包含し、建設及び操作性においてより経済的であり並びにより信頼性があることが可能である。
【0062】
本発明の具体的な実施態様は、特定の流れ図及び操作条件と共に本明細書で説明され及び記載されているが、多様な改変及び置換が、それに対して実施され、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の一部として組み込まれ及び具現化されることができる装置であるべきである。以下の特許請求の範囲によって示される制限以外の制限は、与えられるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粗製品ガスが形成され、炭化物粒子が生成し、該炭化粒子が、炭素、無機構成物及びアルカリ金属触媒構成物を含有する反応器中でアルカリ金属触媒の存在下で、石炭粒子をスチームと接触させること、
該反応器から該粗製品ガスの流れを取り出すこと、
該粗製品ガスの該流れから製品ガス流を回収すること、
該反応器からの炭化物粒子の流れを、破砕ユニット中の水と接触させ、それにより、該炭化物粒子破砕物及び該アルカリ金属触媒構成物の一部が該水中に溶解し、破砕ユニット溶液及び洗浄された固体を形成すること、
該破砕ユニットから、該洗浄された固体の流れ及び該破砕ユニット溶液の流れを取り出すこと
を含む、石炭ガス化方法。
【請求項2】
洗浄された固体の流れが、約50℃〜約300℃の範囲の温度で、アルカリ土類化合物の溶液と反応し廃固体スラリーを形成すること、及び:
廃固体の該スラリーを破砕ユニット溶液の流れと混合し触媒回収流を形成すること、
該触媒回収流を濾過及び炭酸塩化し炭酸アルカリ化合物の流れを回収すること、並びに
石炭粒子と接触させるために、該炭酸アルカリ化合物をリサイクルすること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
回収された炭酸アルカリ化合物をリサイクルする前に、廃固体のスラリーが、多段階水洗浄処理されない、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
破砕ユニット溶液の流れを濾過及び炭酸塩化し炭酸アルカリ化合物の流れを回収すること、及び
石炭粒子と接触させるために、該炭酸アルカリ化合物をリサイクルすること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
回収された炭酸アルカリ化合物をリサイクルする前に、破砕ユニット溶液の流れが、多段階水洗浄処理されない、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
炭酸アルカリ化合物が、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムを含む、請求項2又は4に記載の方法。
【請求項7】
アルカリ土類化合物の溶液が、水酸化カルシウムを含み、そして
洗浄された固体中のアルカリ金属に対する水酸化カルシウムのモル比が、約5〜約25である、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
炭酸塩化が、濾過の後に続く、請求項2又は4に記載の方法。
【請求項9】
炭酸塩化が、二酸化炭素を含む流れに触媒回収流を曝露することによって実施される、請求項2又は4に記載の方法。
【請求項10】
製品流が、メタンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
製品流が、合成ガスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
反応器からの炭化物粒子の流れと、破砕ユニット中の水との接触が、炭化物粒子の該流れに影響を及ぼす水噴射を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
反応器からの炭化物粒子の流れと、破砕ユニット中の水との接触が、水のプール中に落下する炭化物粒子の該流れを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
炭酸アルカリが、水溶液としてリサイクルされる、請求項2又は4に記載の方法。
【請求項15】
炭酸アルカリ化合物の流れを乾燥させること、及び固体として該炭酸アルカリ化合物をリサイクルすることをさらに含む、請求項2又は4に記載の方法。
【請求項16】
水洗浄された固体の流れが、約50℃〜約300℃の範囲の温度で取り出される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
水洗浄された固体の流れが、約50℃〜約95℃の範囲の温度で取り出される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
水洗浄された固体の流れが、約125℃〜約300℃の範囲の温度で取り出される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
アルカリ金属化合物の存在下で、アルミナ及びシリカ構成物を含有する炭素質固体を反応させて不溶性アルカリ化合物及び可溶性アルカリ化合物を含む炭化物粒子を形成する方法であって、
該炭化物粒子の流れを破砕ユニット中の水と接触させ、それにより該粒子破砕物と該可溶性アルカリ化合物の一部とが溶解して、洗浄された固体と可溶性アルカリ化合物の該一部を含む第一の溶液とを形成し、そしてここで該洗浄された固体が沈積すること、
該沈積され、洗浄された固体の流れを水性相中のアルカリ土類化合物の溶液又はスラリーで温浸して該不溶性アルカリ化合物の一部を含む第二の溶液中でアルカリ土類化合物を含む廃固体のスラリーを形成すること、
該第二の溶液中のアルカリ土類化合物を含む廃固体の該スラリーを、該第一の溶液と混合して触媒回収流を形成すること、
該触媒回収流を濾過及び炭酸塩化して炭酸アルカリ化合物の流れを回収すること、並びに
本方法に使用のために、該炭酸アルカリ化合物をリサイクルすること
を含む、上記方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−538977(P2009−538977A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513372(P2009−513372)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/069265
【国際公開番号】WO2007/143376
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(508002586)グレイトポイント・エナジー・インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】