説明

アルコール蒸気によるストリッピング下にカルボン酸エステルを製造する方法

カルボン酸および/またはカルボン酸無水物およびアルコールを含有する反応混合物を、1もしくは複数の反応器からなる反応装置中で反応させることによりカルボン酸エステルを製造する方法であって、反応水をアルコールと水との共沸混合物として蒸気と一緒に留去する。さらに、反応混合物は過熱されたアルコール蒸気によって処理される。この方法により低い酸価を有するエステルを製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物と、アルコールとを含有する反応混合物の反応によりカルボン酸エステルを製造する方法に関する。
【0002】
フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、またはマレイン酸のエステルは、ラッカー樹脂中で、塗料の成分として、および特にプラスチックの可塑剤として幅広く使用されている。
【0003】
カルボン酸とアルコールとの反応によりカルボン酸エステルを製造することは公知である。この反応は、自触媒反応または触媒反応、たとえばブレンステッド酸もしくはルイス酸により実施することができる。触媒反応の種類とは無関係に、原料(カルボン酸およびアルコール)と生成物(エステルおよび水)との間には、常に温度に依存した平衡が生じる。
【0004】
内部のカルボン酸無水物とアルコールとの反応は、2つの段階で進行する:無水物からモノエステルへのアルコール分解は通常、迅速かつ完全に行われる。反応水の形成下でのモノエステルからジエステルへのその後の反応は可逆的であり、かつ緩慢に進行する。この第二段階は、反応速度を決定する段階である。
【0005】
平衡をエステル(もしくは多塩基酸の場合には、完全エステル)側にシフトさせるためには通常、共留剤が使用され、この共留剤によって反応水がバッチから除去される。原料(アルコールまたはカルボン酸)の一つが、形成されるエステルよりも低い沸点を有しており、かつ水と混和ギャップを形成する場合には、原料を共留剤として使用し、かつ水を分離した後に再びバッチへ返送することができる。高級脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、または二塩基もしくは多塩基カルボン酸のエステル化の場合には、通常、使用されるアルコールが共留剤である。使用されるアルコールが共留剤として働く場合には、通常、反応器からの蒸気を少なくとも部分的に凝縮させ、凝縮液を水相と、ほぼエステル化のために使用したアルコールからなる有機相とに分離し、かつ該有機相を少なくとも部分的に反応器へ返送する。
【0006】
EP−A1186593は、ジカルボン酸もしくはポリカルボン酸またはこれらの無水物とアルコールとの反応によるカルボン酸エステルの製造方法を記載しており、その際、反応水は共沸蒸留によりアルコールと一緒に除去される。共沸蒸留により反応から除去される液体量は、完全に、または部分的にアルコールによって再び補充される。
【0007】
H.Suterは、Chemie-Ing.-Technik 41(1969)、第17号、第971〜974頁に、攪拌反応器のカスケード中でフタル酸エステルを連続的に製造することを記載している。
【0008】
従来技術は、反応水の除去を改善するための種々の提案を含んでいる。
【0009】
たとえばEP680463B1は、モノアルコールまたはポリヒドロキシ化合物を用いて酸または酸無水物をエステル化する方法を記載しており、この場合、反応混合物を沸騰加熱し、かつ水を蒸気として除去し、その際、反応混合物は、毎分少なくとも2.5体積の反応混合物が内部で循環されるように連続的に混合される。前記の条件下での混合により変換速度が高まることが記載されている。
【0010】
EP−A835860は、反応混合物の沸点でアルコールにより酸もしくは酸無水物をエステル化するための反応混合物から水を分離する方法に関するものであり、この場合、沸点が最も低い原料を、化学量論的に不足する量で使用し、生じる、主として水および沸点が最も低い成分からなる蒸気混合物を膜により脱水し、かつ脱水された蒸気混合物を反応混合物へ返送し、かつ沸点が最も低い原料を反応の過程で反応混合物に添加する。
【0011】
本発明は、反応水の分離を改善するための代替的な方法を提供するという課題に基づいている。本発明は特に、低い酸価を有するエステルを製造するための方法を提供するという課題に基づいている。
【0012】
前記課題は、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物およびアルコールを含有する反応混合物を、1もしくは複数の反応器からなる反応装置中で反応させることによりカルボン酸エステルを製造する方法であって、反応水をアルコールと水との共沸混合物として蒸気と一緒に留去する方法において、反応混合物を過熱したアルコール蒸気により処理することを特徴とする、カルボン酸エステルの製造方法によって解決される。
【0013】
加熱されたアルコール蒸気は、その温度が、運転圧力において熱力学的に定義される露点を上回っていることを特徴とする。アルコール蒸気として、反応混合物のアルコール成分である気体状のアルコールを使用する。アルコール蒸気の温度は有利には露点よりも少なくとも20℃高い。
【0014】
反応混合物は有利には、液状の反応混合物とアルコール蒸気との間で、有利には乱流条件下に、大きな交換面積が生じるように、アルコール蒸気で処理される。反応の間のアルコール蒸気による処理は、ストリッピング効果を有しており、かつ反応水の除去を完全なものにする。アルコール蒸気によってさらに、反応系にエネルギーが導入され、このエネルギー導入は、反応器のジャケットを介して制御することができる。これにより反応器ジャケット近辺での反応混合物の過熱および副生成物の形成が低減されうる。
【0015】
処理のためにはたとえば気体により液体をストリッピングするためのあらゆる慣用の装置が適切である。
【0016】
有利な実施態様では、アルコール蒸気を液面下で沸騰している反応混合物に導入して、反応混合物中で気泡を生じさせる。アルコール蒸気の圧力は、反応混合物の静水圧がアルコール蒸気の供給箇所を上回るために十分な高さでなくてはならない。たとえばアルコール蒸気は、反応混合物の液面より20〜50cm下に導入することができる。
【0017】
アルコール蒸気は任意の適切な装置によって供給することができる。たとえば固定配置されていてもよい気体供給ランス、または有利にはノズルが適切である。ノズルは反応器の底部に、または底部付近に備えられていてもよい。ノズルはこのために反応器を包囲する中空室の開口部として形成されていてもよい。しかし有利には適切な供給導管を備えた浸漬ノズルを使用する。複数のノズルがたとえばクラウン状に配置されていてもよい。これらのノズルは上向きであっても下向きであってもよい。ノズルは有利には斜め下側を向いている。
【0018】
有利には反応混合物を撹拌して、アルコール蒸気の供給部より下側の反応器部分の反応混合物と、アルコール蒸気の供給部より上側の反応器部分の反応混合物との交換を生じさせる。混合のためにはたとえば攪拌機または循環ポンプが適切である。
【0019】
アルコール蒸気は有利には液状の、無水アルコールの気化により発生させる。アルコール蒸気の発生は、任意の蒸気発生装置、たとえばボイラー、プレート式蒸発器、管型蒸発器、または多環式蒸発器を用いて行うことができる。プレート式蒸発器および多環式蒸発器、およびこれらの組合せが一般には有利である。
【0020】
導入されるアルコール蒸気の量に制限はなく、連続的な方法実施の場合にはたとえば反応混合物1kg/hあたり、0.01kg/h〜0.5kg/h、特に0.05〜0.2kg/hである。
【0021】
「反応装置」とは、1の反応器または複数の反応器の配列であると理解される。有利には複数の反応器が直列に接続されている。本発明による方法は、不連続的に、または連続的に実施することができるが、しかし有利には連続的に実施される。
【0022】
反応器は、液相中での化学反応を実施するために適切な、任意の反応器であってよい。
【0023】
反応器として、逆混合されない反応器、たとえば管型反応器または内部構造物を備えた滞留式反応器、しかし有利には逆混合される反応器、たとえば攪拌反応器、ループリアクタ、ジェットループリアクタ、またはジェットノズルリアクタが適切である。しかしまた、連続して逆混合が行われる反応器と、逆混合が行われない反応器とからなる組み合わせを使用することもできる。
【0024】
場合により複数の反応器を多段の装置にまとめることもできる。このような反応器はたとえば、内部に組み込まれた多孔板を有するループリアクタ、カスケード式反応器、中間供給部を有する管型反応器、または攪拌式反応塔である。
【0025】
別の方法実施では、反応を反応蒸留塔中で実施することができる。これらの塔は、それぞれの段階における反応溶液の高い滞留時間により優れている。たとえば有利には、たとえば棚段塔の高く積まれたトレーにおいて、高い液体「ホールドアップ」を有する塔を使用することができる。
【0026】
有利には攪拌容器型反応器を使用する。攪拌容器型反応器は多くの場合、金属材料からなっており、その際、特殊鋼が有利である。反応バッチは有利には攪拌機により、または循環ポンプにより強力に混合することができる。
【0027】
本発明による方法を1の攪拌式反応器中でのみ運転することができるとしても、連続的な方法実施の場合には、できる限り完全な反応のために、複数の反応器を互いに接続してカスケードの形にすることが有利である。個々の反応器を反応混合物が順次貫流し、その際、第一の反応器の排出流が第二の反応器へ、第二の反応器の排出流が第三の反応器へ等と供給される。このカスケードはたとえば2〜10の反応器を含んでいてもよく、その際、3〜6の反応器が有利である。カルボン酸および/またはカルボン酸無水物およびアルコールを、第一の反応器に連続的に供給する。
【0028】
反応の間に、アルコールと水との混合物が共沸混合物として反応混合物から留去される。反応の間に、さらにアルコールが反応器もしくは反応装置の個々の反応器に後供給される。アルコール蒸気が導入される反応器には、追加のアルコールの添加は行わない。場合により付加的に液状のアルコールを添加することができる。アルコール蒸気が導入されない反応器には有利には液状のアルコールを後供給する。
【0029】
反応装置が複数の反応器のカスケードを含んでいる場合には、少なくとも1の反応器の反応混合物へ、有利には最後の反応器の反応混合物へアルコール蒸気を導入する。カスケードの反応器中で、反応率は第一の反応器から最後の反応器へ向かって上昇する。本発明によるアルコール蒸気を用いたストリッピングは、特にカスケードの後ろの反応器中で、なお存在する少量の反応水の除去を促進する。
【0030】
1より多くの反応器をアルコール蒸気により処理する場合には、アルコール蒸気を個々の反応器に対して並行に導入することができるか、またはアルコール蒸気を順次、複数の反応器に通過させる。2以上の反応器に新鮮なアルコール蒸気を気泡の形成下に通し、かつ反応器の少なくとも1つからの蒸気を、少なくとも1の別の反応器に導通する組合せも考えられる。アルコール蒸気を並行して供給する場合には、蒸気を気泡の形成下に通す反応器のそれぞれを、アルコール蒸気用導管によってアルコール気化器と接続する。
【0031】
アルコール蒸気が複数の反応器を順次通過する場合には、アルコール蒸気が導入される1の反応器からの蒸気を回収し、かつ蒸気を蒸気の形で、先行する反応器の少なくとも1の反応器中の反応混合物に導入するように実施する。新鮮なアルコール蒸気は、該蒸気が順次貫流する反応器中の反応混合物の累積された静水圧を上回るために十分な圧力で導入する必要がある。この場合、反応器間の圧力勾配は、回収された蒸気が先行する反応器中の反応混合物を気泡の形成下に通過できるために十分である。あるいは、回収された蒸気を圧縮し、次いで該蒸気を先行する反応器に導入することもできる。たとえば6つの反応器のカスケード中で新鮮なアルコール蒸気を最後の反応器中の反応混合物に導入し、該蒸気を最後の反応器から回収し、かつ蒸気の形で5番目の反応器の反応混合物に導入し、該蒸気を5番目の反応器から回収して蒸気の形で4番目の反応器中の反応混合物に導入する。
【0032】
一般に、少なくとも1の反応器からの蒸気を少なくとも部分的に凝縮し、該凝縮液を水相とアルコール相とに分離し、かつ該アルコール相を少なくとも部分的に反応装置へ返送する。「反応装置へ返送」とは、アルコール相を反応装置の少なくとも1の任意の反応器に導通させることを意味する。
【0033】
蒸気の凝縮もしくは部分的な凝縮のために、あらゆる適切な凝縮器を使用することができる。凝縮器は任意の冷媒によって冷却されてもよい。空冷式および/または水冷式の凝縮器が有利であり、その際、空冷式が特に有利である。
【0034】
得られた凝縮液は、水相と有機相とへの相分離に供される。通常、このために凝縮液を相分離器(デカンター)に通し、ここで機械的な沈殿により2つの相に分離し、これらの相を別々に除去することができる。水相は分離され、かつ場合により後処理の後で廃棄処理するか、またはストリッピング水としてエステルの後処理の際に使用することができる。
【0035】
カスケードの個々の反応器からの蒸気は合され、かつ一緒に凝縮させることができる。場合によりカスケードのそのつどの複数の反応器を1つのサブユニットにまとめることができ、この場合には、その都度、このサブユニットは凝縮器と接続されている。さらに、それ以外に、カスケードのそれぞれの反応器を凝縮器と結合する可能性が存在する。
【0036】
返送されるアルコール相は、カスケードの任意の反応器に導通するか、またはカスケードの複数の反応器に分割することができる。しかし、返送されるアルコール相を、カスケードの最後の反応器に導通しないことが有利である。有利には返送されるアルコール相をもっぱら、または主としてカスケードの第一の反応器に導通する。
【0037】
反応装置へのアルコール相の返送のために、種々の可能性が存在する。1つの可能性は、有機相を、場合により加熱した後で、液状の反応混合物へとポンプで輸送することである。
【0038】
しかし、方法を熱的に最適化するためには、有利には、返送されるアルコール相がその中で少なくとも蒸気の一部に対して向流で案内される塔(いわゆる返送アルコール塔)を介してアルコール相を反応装置へ返送する。有利には、アルコール相を塔頂で、または上部の領域で返送アルコール塔に導入する。返送アルコール塔の排出される凝縮液は、返送されて反応装置に到達し、反応器カスケードを使用する場合には、有利には第一の反応器に到達する。返送アルコール塔を介したアルコール相の返送は、返送されるアルコール相が予熱され、かつ相分離後に有機相中に残留している、もしくはその熱力学的な溶解性によって有機相中に溶解している水の痕跡が除去されるという利点を有している。返送アルコール塔は、たとえば棚段塔、規則充填体を有する充填塔、または不規則充填体を有する充填塔であってよい。分離段の数は少なくても一般に十分である。たとえば2〜10の理論分離段を有する塔が適切である。
【0039】
反応器カスケードを使用する場合、蒸気は有利には返送アルコール塔を介して少なくとも第一の反応器を離れる。1もしくは複数の、または全てのその他の反応器は、同様に返送アルコール塔のための蒸気排出部を有していてよい。
【0040】
本発明による方法は原則として、反応水が共沸混合物としてアルコールと共に蒸留によって分離される全てのエステル化に応用することができる。
【0041】
本発明による方法では、酸成分としてカルボン酸またはカルボン酸無水物を使用する。多塩基性のカルボン酸の場合、部分的に無水物の化合物を使用することもできる。同様に、カルボン酸と無水物とからなる混合物を使用することも可能である。
【0042】
酸は、炭素環式、複素環式、飽和もしくは不飽和を含む脂肪族であっても、ヘテロ芳香族を含む芳香族であってもよい。
【0043】
適切なカルボン酸には、少なくとも5個の炭素原子、特に5〜20個の炭素原子を有する脂肪族モノカルボン酸、たとえばn−ペンタン酸、2−メチル酪酸、3−メチル酪酸、2−メチルペンタン酸、2−エチル酪酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、イソヘプタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、n−ノナン酸、2−メチルオクタン酸、イソノナン酸、n−デカン酸、イソデカン酸、2−メチルウンデカン酸、イソウンデカン酸、トリシクロデカンカルボン酸およびイソトリデカン酸が挙げられる。
【0044】
さらに、脂肪族C4〜C10−ジカルボン酸もしくはその無水物、たとえばマレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、コルク酸、トリメチルアジピン酸、アゼライン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸が適切である。炭素環式化合物のための例は次のものである:1,2−シクロヘキサンジカルボン酸(ヘキサヒドロフタル酸)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物(ヘキサヒドロフタル酸無水物)、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキセ−4−エン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−メチルシクロヘキセ−4−エン−1,2−ジカルボン酸、4−メチルシクロヘキセ−4−エン−1,2−ジカルボン酸無水物。
【0045】
適切な芳香族ジカルボン酸もしくはその無水物の例は次のものである:フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、またはナフタリンジカルボン酸およびこれらの無水物。
【0046】
適切な芳香族トリカルボン酸(もしくは無水物)の例は、トリメリット酸、無水トリメリット酸、またはトリメシン酸。適切な芳香族テトラカルボン酸もしくはその無水物の1例は、ピロメリット酸および無水ピロメリット酸である。
【0047】
特に有利には本発明による方法で、無水フタル酸をカルボン酸成分として使用する。
【0048】
本発明による方法では、有利には4〜13個の炭素原子を有する分枝鎖状もしくは線状の脂肪族アルコールを使用する。アルコールは一価であり、かつ第二級であっても第一級であってもよい。
【0049】
使用されるアルコールは、種々の供給源に由来するものであってよい。適切な原料はたとえば脂肪アルコール、アルフォール(Alfol)法からのアルコール、または飽和もしくは不飽和アルデヒドの水素化、特にその合成がヒドロホルミル化工程を含むものにより得られたアルコールまたはアルコール混合物である。
【0050】
本発明による方法で使用されるアルコールは、たとえばヒドロホルミル化またはアルドール縮合およびその後の水素化により製造されたn−ブタノール、イソブタノール、n−オクタノール(1)、n−オクタノール(2)、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デシルアルコール、またはトリデカノールである。アルコールは、純粋な化合物として、異性体化合物の混合物として、または異なった炭素数を有する化合物の混合物として使用することができる。このようなアルコール混合物の有利な例は、C9/C11−アルコール混合物である。
【0051】
有利な使用アルコールは、異性体のオクタノール、ノナノール、またはトリデカノールの混合物であり、この場合、後者は相応するブテンオリゴマー、特に線状ブテンのオリゴマーから、ヒドロホルミル化、およびその後の水素化により得られるものでもよい。ブテンオリゴマーの製造は、原則として、3つの方法により実施することができる。工業的にたとえばゼオライトまたは担体に担持させたリン酸が使用される酸性触媒反応によるオリゴマー化により、極めて分岐したオリゴマーが得られる。線状ブテンを使用する場合には、たとえば実質的にジメチルヘキセンからなるC8−フラクションが生じる(WO92/13818)。同様に世界的に実施されている方法は、可溶性のNi錯体を用いたオリゴマー化であり、これはDIMERSOL法として知られている(B.Cornils、W.A.Herrmann、Applied Homogenous Catalysis with Organometallic Compounds、第261〜263頁、Verlag Chemie、1996年)。さらに、ニッケル固相触媒を用いたオリゴマー化、たとえばOCTOL法(Hydrocarbon Process、Int.Ed.(1986)65(2.セクション1)、第31〜33頁)またはWO95/14647またはWO01/36356に記載の方法を使用する。
【0052】
本発明によるエステル化のために特に有利な原料は、異性体ノナノールの混合物または異性体トリデカノールの混合物であり、これらは線状ブテンからオクトール(Octol)法またはWO95/14647に記載の方法によりC8−オレフィンおよびC12−オレフィンへのオリゴマー化、およびその後のヒドロホルミル化および水素化により製造される。
【0053】
さらに、アルキレングリコールモノエーテル、特にエチレングリコールモノエーテル、たとえばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、およびエチレングリコールモノブチルエーテル、およびポリアルキレングリコールモノエーテル、特にポリエチレングリコールモノエーテル、たとえばポリエチレングリコールモノメチルエーテルが適切である。
【0054】
特に有利なアルコールは、2−エチルヘキサノール、2−プロピルヘプタノール、イソノナノールの異性体混合物、デカノールの異性体混合物、およびC9/C11−アルコール混合物である。
【0055】
本発明によるエステル化は自触媒作用により実施してもよいし、またはエステル化触媒の存在下に実施してもよい。適切であるのは、エステル化触媒をルイス酸、たとえばチタン、ジルコニウム、スズ、アルミニウムおよび亜鉛のアルコラート、カルボキシラート、およびキレート化合物、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素エーテラート、鉱酸、たとえば硫酸、リン酸、ならびにスルホン酸、たとえばメタンスルホン酸およびトルエンスルホン酸、およびイオン性液体から選択する。
【0056】
適切であるのは、エステル化触媒を、チタン、ジルコニウム、スズ、アルミニウムおよび亜鉛のアルコラート、カルボキシラート、およびキレート化合物から選択する。テトラアルキルチタネート、たとえばテトラメチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−イソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−イソブチルチタネート、テトラ−sec−ブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、テトラ−(2−エチルヘキシル)−チタネート、ジアルキルチタネート((RO)2TiO2、式中Rはたとえばイソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチルを表す)、たとえばイソプロピル−n−ブチルチタネート、チタン−アセチルアセトネートキレート、たとえばジ−イソプロポキシ−ビス(アセチルアセトネート)チタネート、ジ−イソプロポキシ−ビス(エチルアセチルアセトネート)チタネート、ジ−n−ブチル−ビス(アセチルアセトネート)チタネート、ジ−n−ブチル−ビス(エチルアセトアセテート)チタネート、トリ−イソプロポキシド−ビス(アセチルアセトネート)チタネート、ジルコニウムテトラアルキレート、たとえばジルコニウムテトラエチレート、ジルコニウムテトラブチレート、ジルコニウムテトラブチレート、ジルコニウムテトラプロピレート、ジルコニウムカルボキシレート、たとえば二酢酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトネートキレート、たとえばジルコニウムテトラ(アセチルアセトネート)、トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネート、ジブトキシジルコニウム(ビス−アセチルアセトネート)、アルミニウムトリスアルキレート、たとえばアルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリスブチレート、アルミニウム−アセチルアセトネートキレート、たとえばアルミニウムトリス(アセチルアセトネート)およびアルミニウムトリス(エチルアセチルアセトネート)。特に、イソプロピル−n−ブチルチタネート、テトラ(イソプロピル)オルトチタネート、またはテトラ(ブチル)オルトチタネートを使用する。
【0057】
適切なイオン性液体(ionic liquids)はたとえば1−(4−スルホブチル)−3−メチルイミダゾリウム−トリフレートおよび1−エチル−3−メチル−イミダゾリウム−硫酸水素塩である。
【0058】
その他の適切なエステル化触媒は、酸性イオン交換体、ゼオライト、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、チタン、ケイ素、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、モリブデンおよびマンガンの酸化物および/または水酸化物から選択される。
【0059】
触媒濃度は、触媒の種類に依存する。有利に使用されるチタン化合物の場合、触媒濃度は反応混合物に対して0.005〜1.0質量%、特に0.01〜0.3質量%である。
【0060】
不連続的な方法実施の場合には、原料および触媒を同時に、または順次、反応器に充填することができる。触媒は、純粋な形で、または溶液として、有利には原料の1つに溶解して、開始時に、または反応温度に達した後で初めて添加することができる。カルボン酸無水物はしばしばアルコールと自触媒反応をする、つまり触媒なしで相応するエステルカルボン酸(半エステル)、たとえばフタル酸無水物からフタル酸モノエステルへと反応する。従って、触媒はしばしば第一の反応工程の後で初めて必要となる。
【0061】
連続的な方法実施の場合、原料流および触媒流を反応器へ、もしくは反応器カスケードを使用する場合には、カスケードの第一の反応器へ供給する。この場合、反応器中での、もしくは個々の反応器中での滞留時間は、反応器の体積および原料の質量流量によって決定される。
【0062】
共留剤として役立つ、反応すべきアルコールは、化学量論的な過剰量で、有利には化学量論的に必要とされる量の30〜200%、特に有利には50〜100%の過剰量で使用することができる。
【0063】
反応温度は160℃〜270℃である。最適な温度は、原料、反応の進行状況、および触媒濃度に依存する。これらはそれぞれの個別ケースに関して、試験によって容易に確認することができる。温度が高ければ反応速度が高まり、副反応、たとえばオレフィンの形成または着色した副生成物の形成下での水の分離が促進される。反応水を除去するためには、アルコールを反応混合物から留去できることが必要である。所望の温度または所望の温度範囲は、反応器中の圧力によって調整することができる。従って反応は、低沸点アルコールの場合には過圧で、および高沸点アルコールの場合には減圧下で実施することができる。たとえば無水フタル酸と異性体ノナノールの混合物との反応の場合には、170℃〜250℃の温度範囲で、200ミリバール〜3バールの圧力範囲で実施する。
【0064】
カスケードの全ての反応器を同じ温度で運転することができる。しかし一般に、カスケードの第一の反応器から最後の反応器までの温度を高めていくことは有利であり、この場合、1の反応器を、反応混合物の流れの方向に対して上流に配置されている反応器と同じ温度で、またはこれより高い温度で運転する。有利には全ての反応器を実質的に同じ圧力で運転することができる。
【0065】
反応の終了後に、実質的に所望のエステルおよび過剰のアルコールからなる反応混合物は、触媒および/またはその後続生成物以外に、少量のエステルカルボン酸および/または未反応のカルボン酸を含有している。
【0066】
このエステル粗混合物を後処理するために、過剰のアルコールを除去し、酸性化合物を中和し、触媒を分解し、かつその際に生じる固体の副生成物を分離する。この場合、未反応のアルコールの大部分を、標準圧力で、または真空で留去する。アルコールの最後の痕跡は、たとえば水蒸気蒸留により、特に120〜225℃の温度範囲で真空下に除去することができる。アルコールの分離は最初の後処理工程として、または最後の後処理工程として行うことができる。
【0067】
酸性物質、たとえばカルボン酸、エステルカルボン酸または場合により酸性触媒の中和は、塩基の添加により、たとえばアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、または水酸化物の添加により行うことができる。中和剤は、固体の形で、または有利には溶液として、特に水溶液として使用することができる。ここでしばしば1〜30質量%、有利には20〜30質量%の濃度の水酸化ナトリウムが使用される。中和剤は、滴定により測定される、化学量論的に必要とされる量と同量から4倍量まで、特に同量から2倍量までに相当する量で添加する。
【0068】
こうして多塩基性のカルボン酸、たとえばフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸と、アルコールとから製造されたエステルは、ラッカー樹脂中で、塗料の成分として、および特にプラスチックのための可塑剤として幅広く使用される。PVCのための適切な可塑剤は、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、およびジプロピルヘプチルフタレートである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明による方法を実施するために適切な装置を示す図。
【0070】
本発明を、添付の図面と以下の実施例により詳細に説明する。
【0071】
図1は、本発明による方法を実施するために適切な装置を示す。この装置は、6つの攪拌反応器1、2、3、4、5および6からなるカスケードを含み、この場合、第一の反応器の排出流は第二の反応器へ、第二の反応器の排出流は第三の反応器へというように供給される。アルコール回収導管(図面に記載なし)を介して、供給導管により、アルコールが攪拌反応器1、2、3、4および5へと供給される。導管7を介して、酸成分、たとえば無水フタル酸(PSA)が第一の反応器1へ供給される。第一の反応器1には、導管8を介してエステル化触媒が添加される。
【0072】
第一の反応器1から上昇する蒸気は、導管10を介して留去され、かつ返送アルコール塔9に到達し、返送アルコール塔9からの返送流は、導管11を介して第一の反応器1へ到達する。第二、第三および第四の反応器2、3、4からの蒸気排出流12、13、14は同様に返送アルコール塔9へと案内される。
【0073】
合された蒸気は、凝縮器15、たとえば空冷式凝縮器に供給される。凝縮器15から排出される混合相の流れは、相分離器16中で分離される。下方の水相は、導管(図面に記載なし)を介して除去され、廃棄される。上方の有機相は導管17を介して返送アルコール回収容器18に供給される。有機相の一部は、副生成物の蓄積を回避するために排出されるか、または処理、たとえば精製され、かつ返送アルコール回収容器18に導入される。
【0074】
ポンプ19および導管20を介して返送アルコール回収容器18からのアルコールは返送アルコール塔9の塔頂または上部の領域に供給され、ここで上昇する蒸気に対して向流で案内され、かつ導管11を介して第一の反応器1へ到達する。
【0075】
導管21を介してアルコールは蒸発器22、たとえば多環式蒸発器に供給され、かつ気化される。蒸発器22は、導管23により供給される高温の蒸気によって加熱される。高温の蒸気の凝縮液が導管24を介して除去される。生じたアルコール蒸気は、導管25およびクラウン状のノズル26を介して反応器6中の反応混合物の液面下に導入される。アルコール蒸気は気泡を形成しながら反応混合物中を通過する。ストリッピング効果は、アルコールと水との共沸混合物としての反応水の分離を促進する。反応器6中の気体空間中の蒸気は、導管27により回収され、かつクラウン状のノズル28を介して反応器5中の反応混合物の液面下に導入される。反応器6と反応器5との間の圧力差は、反応器6からの蒸気を付加的な圧縮なしで、反応器5中のクラウン状のノズル28上方の反応混合物の静水圧に対抗できるために十分である。反応器5の気体空間中の蒸気は、導管29を介して回収され、かつクラウン状のノズル30を介して反応器4中の反応混合物の液面下に導入される。
【0076】
実施例
比較例1:ジイソノニルフタレートの製造
ジイソノニルフタレート(DINP)を連続的に製造するために、6つの攪拌反応器のカスケードを使用した。それぞれの反応容器にイソノナノールを計量供給し、イソノナノールは合計して731g/hであった。第一の反応容器に、チタン酸プロピル0.3g/hを供給した。さらに無水フタル酸(PSA)358g/hを、第一の反応容器に供給した。第一の反応器の返送アルコール塔を介して、さらにイソノナノール循環返送流約665g/hを返送流として返送アルコール塔に添加した。
【0077】
第一の反応器からの蒸気を、返送アルコール塔を介して留去し、その返送流を第一の攪拌反応器に返送した。第二〜第三の撹拌反応器からの蒸気は、同様に返送アルコール塔を介して排出した。第四〜第六の撹拌反応器からの蒸気は直接に留去した。
【0078】
エステル化からの蒸気は空冷式冷却器中で凝縮され、かつ該凝縮液を70℃の温度に冷却した。相分離器中で、有機相と水相とを標準圧力で分離した。水を排出した。有機相の一部を、アルコール回収容器へ供給した。
【0079】
最後の攪拌反応器から排出されるエステル粗混合物から過剰のアルコールを除去し、酸性化合物を中和し、触媒を分解し、その際に生じる固体の副生成物を分離することにより後処理した。0.5mgKOH/gの酸価を有するDINP1000g/hが得られた。
【0080】
例1
DINPの連続的な製造を、比較例1と同様に行ったが、ただしその際、6番目の撹拌反応器中で、反応混合物の液面より30cm下に、蒸発器中で、イソノナノール105g/hを気化することにより発生させたイソノナノール蒸気を導入し、かつこの反応器への液状のイソノナノールの添加と置き換えた。6番目の反応器からの蒸気を5番目の反応器中の反応混合物の液面の下方に導入し、5番目の反応器からの蒸気を4番目の反応器中の反応混合物の液面の下方に導入した。
【0081】
得られたDINPの酸価は、比較例1におけるよりも80%以上低く、空時収率は30%以上上昇した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボン酸および/またはカルボン酸無水物およびアルコールを含有する反応混合物を、1もしくは複数の反応器からなる反応装置中で反応させることによりカルボン酸エステルを製造する方法であって、反応水をアルコールと水との共沸混合物として蒸気と一緒に留去する方法において、反応混合物を過熱したアルコール蒸気により処理することを特徴とする、カルボン酸エステルの製造方法。
【請求項2】
アルコール蒸気を反応混合物の液面下に導入し、かつ反応混合物に該アルコール蒸気を気泡の形成下に導通する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
反応混合物を混合して、アルコール蒸気の供給部より下方の反応器範囲中の反応混合物と、アルコール蒸気の供給部より上方の反応器範囲中の反応混合物とを交換する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
反応装置が複数の反応器のカスケードを含んでおり、かつ1より多くの反応器中の反応混合物にアルコール蒸気を導入する、請求項2または3記載の方法。
【請求項5】
反応装置が複数の反応器のカスケードを含んでおり、かつ少なくとも最後の反応器中の反応混合物にアルコール蒸気を導入する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
少なくとも最後の反応器からの蒸気を回収し、かつ蒸気の形で、先行する反応器の少なくとも1の反応器中の反応混合物に導入する、請求項4記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1の反応器からの蒸気を少なくとも部分的に凝縮させ、該凝縮液を水相とアルコール相とに分離し、かつ該アルコール相を少なくとも部分的に反応装置へ返送する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
アルコール相を、返送されるアルコール相がその中で蒸気の少なくとも一部に対して向流で案内される塔を介して反応装置へ返送する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
反応装置が複数の反応器のカスケードを含んでおり、かつアルコール相をもっぱら、または主に該カスケードの第一の反応器へ返送する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
エステル化触媒の存在下に反応を行う、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
エステル化触媒が、ルイス酸、鉱酸、スルホン酸およびイオン性液体から選択される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
エステル化触媒が、チタン、ジルコニウム、スズ、アルミニウムおよび亜鉛のアルコラート、カルボキシラートおよびキレート化合物;三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素エーテラート;硫酸、リン酸;メタンスルホン酸およびトルエンスルホン酸から選択される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
エステル化触媒が、酸性イオン交換体、ゼオライト、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、チタン、ケイ素、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、モリブデンおよびマンガンの酸化物および/または水酸化物から選択される、請求項10記載の方法。
【請求項14】
カルボン酸が、少なくとも5個の炭素原子を有する脂肪族モノカルボン酸、脂肪族C4〜C10−ジカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族トリカルボン酸、芳香族テトラカルボン酸、およびこれらの無水物から選択される、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
アルコールが、C4〜C13−アルコール、アルキレングリコールモノエーテル、ポリアルキレングリコールモノエーテル、およびこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−512231(P2012−512231A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541391(P2011−541391)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067179
【国際公開番号】WO2010/076194
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】