説明

アルミニウムアジュバントおよびヒスチジンを含むワクチン

【課題】アルミニウム塩を含むワクチンの安定性における改善、特にpH安定性(緩衝)および種多々の温度でのアジュバント吸着における改善および/または抗原安定性における改善(例えば、加水分解の低下)を提供することが本発明の課題である。
【解決手段】上記課題は、抗原、アルミニウム塩およびヒスチジンを含む組成物、ならびこの組成物を製造するためのプロセス(抗原、アルミニウム塩およびヒスチジンを混合する工程を包含する)を提供することにより解決された。アルミニウム塩を含むワクチンの安定性を改善するために、本発明は、アミノ酸のヒスチジンを使用する。これは、pH安定性およびアジュバント吸着を改善し、そして抗原の加水分解を低減し得る。ヒスチジンは、好ましくは、アルミニウム塩への吸着の間に存在する。ワクチン中の抗原は、タンパク質または糖類であり得、好ましくはN.meningitidis由来である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中で引用される全ての文献は、その全体が参考として援用される。
【0002】
本発明は、ワクチン処方物の分野にある。
【背景技術】
【0003】
抗原性物質を含有するのと同時に、ワクチンは、希釈剤、保存剤、安定化剤および緩衝化剤のような物質を含む。代表的には、ワクチンはまた、アジュバント(すなわち、そのワクチン抗原に応答して惹起される免疫応答を改善する物質)を含む。
【0004】
ヒトワクチンにおいて伝統的に使用されるアジュバントは、水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムのようなアルミニウム塩である。多くの他の実験的アジュバントが公知であり、そしてこれらは、例えば、参考文献1において概説される。しかし、アルミニウム塩への吸着が、依然として最も一般的なワクチンアジュバント処方物である。
【0005】
アルミニウム塩の用途は広範囲であるが、アルミニウム塩は、特定の抗原に常に適合するわけではない。例えば、水酸化アルミニウムが、B型肝炎ウイルス表面抗原を含む多価ワクチンにおける使用[2]またはHaemophilus influenzae由来の莢膜多糖類との使用[3]に適さないことが示唆されている。同じワクチン処方物の中にある異なる抗原は、適合性の理由から、異なるアルミニウム塩[4]に吸着されるべきであることがまた示唆されている。
【0006】
アルミニウム塩を使用する場合、抗原適合性と同様に、ワクチンの安定性を考慮することが必要である。例えば、タンパク質吸着に対するアルミニウム塩の能力は、室温で経時的に[5]、およびオートクレーブすることに応じて[6]低下することが示されている。ミョウバン塩はまた、凍結乾燥の際に困難の原因となる[7]。さらに、水酸化アルミニウムは、低温であるとき、そして糖類抗原を加水分解し得[8]、そして抗原がキャリアタンパク質に結合化されるときでさえ、それ故に低減した有効性を導くことが見出されている。
【0007】
一般的に、これらの問題点は、臨床用途のための抗原を処方することに注意が向けられるときにのみ発生し、抗原自体の初期研究および開発の間は認識されない。
【0008】
アルミニウム塩を含むワクチンの安定性における改善、特にpH安定性(緩衝)および種多々の温度でのアジュバント吸着における改善および/または抗原安定性における改善(例えば、加水分解の低下)を提供することが本発明の目的である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、例えば以下を提供する。
(項目1)
抗原、アルミニウム塩およびヒスチジンを含む組成物。
(項目2)
項目1に記載の組成物であって、前記抗原がタンパク質抗原または糖類抗原である、組成物。
(項目3)
項目1または2に記載の組成物であって、前記抗原が、以下からなる群から選択される細菌抗原である、組成物:
−N.meningitidis由来のタンパク質抗原;
−N.meningitidis由来の外膜小胞(OMV)調製物;
−N.meningifidis由来の糖類抗原;
−Streptococcus pneumoniae由来の糖類抗原;
−Bordetella pertussis由来の抗原;
−ジフテリア抗原;
−破傷風抗原;
−Helicobacter pylori由来のタンパク質抗原;
−Haemophilus influenzae由来の糖類抗原;
−N.gonorrhoeae由来の抗原;
−Chlamydia pneumoniae由来の抗原;
−Chlamydia trachoimatis由来の抗原;
−Porphyromonas gingivalis由来の抗原;
−Moraxella catarrhalis由来の抗原;
−Streptococcus agalactiae由来の抗原;
−Streptococcus pyogenes由来の抗原;および
−Staphylococcus aureus由来の抗原.
(項目4)
項目3に記載の組成物であって、前記抗原がNeisseria meningitidis血清型B由来である、組成物。
(項目5)
項目2または3に記載の組成物であって、前記糖類抗原が接合型オリゴ糖抗原である、組成物。
(項目6)
項目1〜5のいずれかに記載の組成物であって、前記タンパク質抗原が、そのタンパク質をコードする核酸によって置き換えられる、組成物。
(項目7)
項目1〜6のいずれかに記載の組成物であって、前記抗原が、アルミニウム塩に吸着されている、組成物。
(項目8)
項目1〜7のいずれかに記載の組成物であって、前記アルミニウム塩が、水酸化物(例えば、酸水酸化物)、リン酸(例えば、ヒドロキシリン酸)、または2つ以上の該塩の混合物である、組成物。
(項目9)
項目1〜8のいずれかに記載の組成物であって、前記アルミニウム塩が、前記ヒドロキシリン酸であり、そして前記抗原が、酸性抗原である、組成物。
(項目10)
項目1〜9のいずれかに記載の組成物であって、該組成物中のヒスチジン濃度が、1mM〜100mMの間である、組成物。
(項目11)
項目10に記載の組成物であって、前記ヒスチジン濃度が約5mM〜約10mMの間である、組成物。
(項目12)
項目1〜11のいずれかに記載の組成物であって、ナトリウム塩(例えば、リン酸ナトリウム)をさらに含む、組成物。
(項目13)
項目12に記載の組成物であって、前記ナトリウム塩濃度が約2.5mM〜約5mMの間である、組成物。
(項目14)
項目1〜13のいずれかに記載の組成物であって、前記組成物のpHが、6〜7の間である、組成物。
(項目15)
項目1〜14のいずれかに記載の組成物であって、薬学的に受容可能なキャリアをさらに含む、組成物。
(項目16)
前述の項目1〜15のいずれかに記載の組成物であって、1を超える抗原を含む、組成物。
(項目17)
項目16に記載の組成物であって、1を超える抗原がアルミニウム塩に吸着している、組成物。
(項目18)
項目16または17に記載の組成物であって、以下:Bordetella pertussis由来の抗原;ジフテリア抗原;破傷風抗原;B型肝炎ウイルス由来の抗原;Haemophilus influenzae由来の糖類抗原;不活性化ポリオウイルス;およびN.meningitidis 血清型C由来の糖類抗原のうちの、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたは7つを含む、組成物。
(項目19)
医薬品として用いるための、項目1〜18のいずれかに記載の組成物。
(項目20)
項目19に記載の組成物であって、前記医薬品がワクチンである、組成物。
(項目21)
哺乳動物における抗原に対する免疫応答を上昇させるための、医薬品の製造における、項目1〜18のいずれかに記載の組成物の使用。
(項目22)
項目21に記載の使用であって、前記医薬品がワクチンである、使用。
(項目23)
有効量の項目1〜18のいずれかに記載の組成物の有効量を投与する工程を含む、哺乳動物における免疫応答を上昇させるための方法。
(項目24)
項目23に記載の方法であって、前記哺乳動物がヒトである、方法。
(項目25)
項目1〜18のいずれかに記載の組成物を生成するためのプロセスであって、1つ以上の抗原、アルミニウム塩およびヒスチジンを混合する工程を包含する、プロセス。
(項目26)
項目25に記載のプロセスであって、前記混合する工程が、(i)アルミニウム塩および(ii)ヒスチジンを混合してヒスチジン/アルミニウム塩混合物を得る第1工程;ならびに(i)該ヒスチジン/アルミニウム塩混合物および(ii)1つ以上の抗原を混合する第2工程を包含する、プロセス。
(項目27)
項目26に記載のプロセスであって、前記組成物と抗原組成物とを合わせる、プロセス。
【0010】
本発明は、アミノ酸のヒスチジンが、アルミニウム塩アジュバントを含むワクチンの安定性を増強するという驚くべき知見に基づく。このことは、糖類抗原およびタンパク質抗原の両方において見出されている。本発明は、故に、抗原、アルミニウム塩およびヒスチジンを含む組成物を提供する。本発明はまた、この組成物を製造するためのプロセス(抗原、アルミニウム塩およびヒスチジンを混合する工程を包含する)を提供する。
【0011】
(抗原)
この抗原は、好ましくは、タンパク質抗原または糖類抗原(必要に応じて結合体化される)である。好ましい抗原は、細菌由来であり、細菌のNeisseria属(例えば、N.meningitidis)が特に好ましい。
【0012】
本発明での使用のための特定の細菌抗原としては、以下が挙げられる:
−N.meningitidis血清型B由来のタンパク質抗原、例えば、参考文献9〜15中のタンパク質抗原、タンパク質「287」(以下を参照のこと)および誘導体(例えば、「ΔG287」)が特に好ましい。
−N.meningitidis血清型B由来の外膜小胞(OMV)調製物、例えば、参考文献16、17、18、19などに開示されるOMV調製物。
−N.meningitidis、血清型A、血清型C、血清型W135および/または血清型Y由来の糖類抗原、例えば、参考文献20に開示される血清型C由来のオリゴ糖[参考文献21もまた参照のこと]。
−Streptococcus pneumoniae由来の糖類抗原[例えば、22、23、24]。
−Bordetella pertussis由来の抗原、例えば、(必要に応じて、ペルタクチンならびに/または凝集原2および凝集原3との組合せて)百日咳毒素(PT)およびB.pertussis由来の線維状赤血球凝集素(FHA)[例えば、参考文献25および26]。
−ジフテリア抗原、例えば、ジフテリア類毒素[例えば、参考文献27の3章]、例えば、CRM197変異体[例えば、28]。
−破傷風抗原、例えば、破傷風類毒素[例えば、参考文献27の4章]。
−CagA[例えば、29]、VacA[例えば、29]、NAP[例えば、30]、HopX[例えば、31]、HopY[例えば、31]および/またはウレアーゼのようなHelicobacter pylori由来のタンパク質抗原。
−Haemophilus influenzae B由来の糖類抗原[例えば、21]、好ましくはオリゴ糖。
−N.gonorrhoeae由来の抗原[例えば、9、10、11]。
−Chlamydia pneumoniae由来の抗原[例えば、32,33,34,35,36,37,38]。
−Chlamydia trachomatis由来の抗原[例えば、39]。
−Porphyromonas gingivalis由来の抗原[例えば、40]。
−Moraxella catarrhalis由来の抗原[例えば、41]。
−Streptococcus agalactiae(グループB 連鎖球菌)由来の抗原[例えば、42,43]。
−Streptococcus pyogenes(グループA 連鎖球菌)由来の抗原[例えば、43,44,45]。
−Staphylococcus aureus由来の抗原[例えば、46]。
−Bacillus anthracis由来の抗原[例えば、47,48,49]。
【0013】
本発明での使用のための特定のウイルス抗原としては、以下が挙げられる:
−A型肝炎ウイルス由来の抗原、例えば、不活性化ウイルス[例えば、50、51]。
−B型肝炎ウイルス由来の抗原、例えば、表面抗原および/またはコア抗原[例えば、51、52]。
−C型肝炎ウイルス由来の抗原、[例えば、53]。
−ポリオ抗原[例えば、54、55]、例えばIPV。
−狂犬病抗原[例えば、56]、例えば凍結乾燥不活性化ウイルス[例えば、57、RabAvertTM]。
−麻疹抗原、おたふく風邪抗原および/または風疹抗原[例えば、参考文献27の9章、10章および11章]。
−インフルエンザ抗原[例えば、参考文献27の19章]、例えば、赤血球凝集素および/またはノイラミニダーゼ表面タンパク質。
−フラビウイルス科(フラビウイルス属)系統のウイルス由来の抗原、例えば、黄熱病ウイルス、日本脳炎ウイルス、デング熱ウイルスの4つの血清型、ダニ媒介性脳炎ウイルス、西ナイルウイルス由来。
−ペスチウイルス抗原、例えば、古典的なブタ熱ウイルス(porcine fever
virus)、ウシウイルス性下痢ウイルス(bovine viral diarrhoea virus)、および/またはボーダー病ウイルス(border disease virus)由来。
−パルボウイルス抗原、例えば、パルボウイルスB19由来。
【0014】
この組成物は、1つ以上のこれらの細菌抗原およびウイルス抗原を含み得る。この組成物は、ウイルス抗原を含まなくてもよい。
【0015】
使用され得る他の抗原としては、以下が挙げられる:
−プリオンタンパク質(例えば、CJDプリオンタンパク質)
−アミロイドタンパク質、例えば、βペプチド[58]
−癌抗原、例えば、参考文献59の表1または参考文献60の表3および表4に列挙される癌抗原。
【0016】
糖類抗原または炭水化物抗原が使用される場合、それは、好ましくは、抗原性を増強するために、キャリアタンパク質に結合体化される[例えば、参考文献61〜70]。好ましいキャリアタンパク質は、細菌の毒素または類毒素(例えば、ジフテリア類毒素または破傷風類毒素)である。CRM197ジフテリア類毒素は、特に好ましい。他の適切なキャリアタンパク質としては、N.meningitidis外膜タンパク質[例えば、参考文献71]、合成ペプチド[例えば、72、73]、熱ショックタンパク質[例えば、74]、百日咳タンパク質[例えば、75、76]、H.influenzae由来のプロテインD[例えば、77]、C.difficile由来の毒素Aまたは毒素B[例えば、78]などが挙げられる。混合物が、血清型Aおよび血清型Cの両方に由来する莢膜糖類を含む場合、MenA糖類:MenC糖類の比(w/w)が1より大きいこと(例えば、2:1,3:1,4:1,5:1,10:1またはそれより高い比)が好ましい。N.meningitidisの異なる血清型由来の糖類は、同じキャリアタンパク質または異なるキャリアタンパク質に結合体化され得る。
【0017】
任意の適切な結合反応が、(必要であれば、任意の適切なリンカーとともに)使用され得る。
【0018】
毒性のタンパク質抗原は、必要であれば、解毒され得る(例えば、化学的手段および/または遺伝的手段による百日咳毒素の解毒[26])。
【0019】
ヒトパピローマウイルス(HPV)ウイルス様粒子(VLP)は、好ましい抗原ではない(WO00/458411、WO00/57906、WO01/28585を参照のこと)。
【0020】
ジフテリア抗原が組成物中に含まれる場合、破傷風抗原および百日咳抗原を含むことがまた好ましい。同様に、百日咳抗原が含まれる場合、ジフテリア抗原および破傷風原を含むことがまた好ましい。細胞全体百日咳抗原(whole cell pertussis antigen)が使用され得る。
【0021】
抗原は、好ましくは、アルミニウム塩に吸着される。
【0022】
HBsAgが存在する場合、好ましくは、それは、アルミニウムヒドロキシホスフェートに吸着されるか、または、いかなる塩にも吸着されないかのいずれかである。水酸化アルミニウムへのHBsAgの吸着は、好ましくは回避される。
【0023】
H.influenzae糖類抗原が存在する場合、好ましくは、それは、アルミニウムヒドロキシホスフェートに吸着されるか、または、いかなる塩にも吸着されないかのいずれかである。水酸化アルミニウムへのHib糖類の吸着は、好ましくは回避される。
【0024】
この組成物中の抗原は、代表的には、各々少なくとも1μg/mlの濃度で存在する。一般的には、任意の所定の抗原の濃度は、抗原に対する免疫応答を引き起こすのに十分である。
【0025】
本発明の組成物においてタンパク質抗原を使用する代りとして、抗原をコードする核酸が使用され得る[例えば、参考文献79〜87]。従って、本発明の組成物のタンパク質成分は、タンパク質をコードする核酸(好ましくは、例えば、プラスミドの形態のDNA)によって置き換えられる。
【0026】
(アルミニウム塩)
アルミニウム塩は、好ましくは、水酸化アルミニウム(例えば、アルミニウムオキシヒドロキシド)またはリン酸アルミニウム(例えば、アルミニウムヒドロキシホスフェートまたはアルミニウムオルトホスフェート)であるが、任意の他の適切な塩もまた使用され得る(例えば、硫酸塩など[例えば、参考文献1の8章および9章を参照のこと])。この塩は、任意の適切な形態(例えば、ゲル、結晶質、非晶質をとり得る。好ましい塩は、(非晶質性)ヒドロキシホスフェートおよび(結晶質性)オキシヒドロキシド(ベーマイト)である。
【0027】
ヒドロキシホスフェートは、沈殿によって得られ、そしてこの沈殿反応中の反応条件および反応物濃度は、塩における水酸基へのリン酸基の置換の程度に影響する。ヒドロキシホスフェートは、一般的に0.3と0.99との間のPO/Alモル比を有し、そして好ましい塩は、0.8と0.95との間(例えば、0.88±0.05)の比を有する。ヒドロキシホスフェート[Al(OH)(PO、ここでそのモル比率に合った各アニオンの価数の合計は、−3である]は、水酸基の存在によってAlPOと区別され得る。例えば、3146cm−1でのIRスペクトルバンド(例えば、200℃に加熱した場合)は、構造的水酸基の存在を示す。
【0028】
アルミニウムオキシヒドロキシド[AlO(OH)]は、IR分光法によって(特に1070cm−1での吸収バンドおよび3090〜3100cm−1での大きなショルダーによって)、Al(OH)と区別され得る。異なるアルミニウム塩の混合物がまた、使用され得る。しかし、実質的に単一の塩を使用することが好ましい(例えば、2つの塩が使用される場合、他方に対する一方の割合は、少なくとも重量で5:1(例えば、少なくとも10:1、100:1、1000:1など)である)。
【0029】
この塩は、一般的には、Al3+の濃度が少なくとも1μg/ml(例えば、少なくとも10μg/ml、少なくとも100μg/ml)であるように存在する。
【0030】
リン酸アルミニウム(特に、ヒドロキシフォスフェート)と組合せでのヒスチジンの使用は、酸性の抗原に特に好都合である。
【0031】
(ヒスチジン)
ヒスチジンは、標準的なアミノ酸であり、本発明での使用に容易に利用できる。ヒスチジンは、本質的に生体適合性であるので、ヒスチジンは安全であり、故にワクチン中の成分として好都合である。
【0032】
組成物中のヒスチジンの濃度は、代表的には、少なくとも1μMおよび多くとも1Mである。この濃度は、好ましくは少なくとも1mM(例えば、少なくとも2mM、少なくとも3mM、少なくとも4mM、少なくとも5mMなど)および好ましくは高くとも250mM(例えば、高くとも200mM、高くとも150mM、高くとも100mM、高くとも90mM、高くとも80mM、高くとも70mM、高くとも60mM、高くとも50mM、高くとも40mM、高くとも30mM、高くとも20mM、高くとも10mMなど)である。より好ましくは、組成物中のヒスチジン濃度は、2mMと10mMとの間(例えば、5mMと8mMとの間)であり、そして最も好ましくは、組成物中のヒスチジン濃度は、約5mMである。
【0033】
このヒスチジンは、好ましくはL−ヒスチジンである。
【0034】
このヒスチジンは、好ましくは、緩衝剤として作用する。ヒスチジン緩衝剤は、当業者に周知である。従って、ヒスチジンは、本発明の組成物中でイオン化され得る。
【0035】
この組成物は、同等の組成物(ヒスチジン緩衝系が、リン酸ナトリウム緩衝系で置き換えられるか、またはいかなる緩衝系も含まれないかのいずれか)と比較された場合、好ましくは、増強されたpH安定性および/または低減された抗原加水分解を有する。低減された抗原加水分解は、増強されたpH安定性の結果であり得る。
【0036】
ヒスチジンは、アミノ酸そのものの形態または塩の形態で、この組成物に添加され得る。代表的なヒスチジン塩は、モノヒドロクロリドモノヒドレートである。
【0037】
本発明の組成物中のヒスチジンに対する言及は、組成物中のポリペプチド中の任意のヒスチジン残基(ポリペプチド(例えば、抗原)の部分であり得る)でなく「遊離」ヒスチジンをいうことが認識される。
【0038】
(本組成物のさらなる特徴づけ)
この組成物は、好ましくは液体形態であるが、凍結乾燥されてもよい(WO01/41800を参照のこと)。
【0039】
この組成物はまた、ナトリウム塩(例えば、リン酸ナトリウムまたは塩化ナトリウム)を含み得る。ナトリウム塩の濃度は、好ましくは、少なくとも1mM(例えば、少なくとも2mM、少なくとも3mM、少なくとも4mM、少なくとも5mMなど)および好ましくは、高くとも10mM(例えば、高くとも10mM、高くとも9mM、高くとも8mM、高くとも7mMなど)である。より好ましくは、この組成物中のナトリウム塩の濃度は、1mMと5mMとの間(例えば、2mMと3mMとの間)であり、そして最も好ましくは2.5mMである。
【0040】
本発明の特定の利点は、本発明が高濃度の遊離リン酸イオン(遊離リン酸イオンは、例えば、アジュバント中のリン酸での交換のため、または残存リン酸緩衝液のために、ワクチンにおいて避けることができない)を含むワクチンにおけるpHおよび吸着の優れた制御を可能にすることである。残存リン酸イオンが、3mMと5mMとの間で存在する場合、例えば、pHは、6.0と7.0との間での制御が困難であり、そしていくつかの抗原は、アジュバントから脱着する傾向があるが、5〜10mMヒスチジンの添加で、pHおよび吸着は制御される(上昇した温度での保存中を含む)。
【0041】
ヒスチジンの、遊離リン酸に対するモル比は、好ましくは、少なくとも1.25:1(例えば、1.5:1、1.75:1、2:1、2.25:1、2.5:1、3:1、4:1など)である。
【0042】
この組成物のpHは、好ましくは、6と7との間(例えば、6.3と7.0との間)である。pHは、緩衝剤の使用によって維持され得る。これは、代表的に、組成物中のヒスチジンによって本質的に達成される。
【0043】
この組成物は、一般的には、以下を含まない:血清(例えば、ウシ胎児血清など)または細胞培養において使用される他のこのような成分;細胞培養物から精製された抗原について100pg/用量より高いレベルの宿主細胞DNA;生細胞。
【0044】
この組成物は、一般的に無菌および/または発熱物質なしである。
【0045】
この組成物は、容器への抗原の吸着を最少にするために界面活性剤(例えば、Tween80のようなTween)を含み得る。
【0046】
この組成物は、好ましくは、保存剤を含まない。保存剤が存在する場合、水銀保存剤(例えば、チメロサール)が使用され得る(WO98/34594を参照のこと)。保存剤(存在しても存在しなくてもよい)は、2−フェニルーエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベンおよびベンジルアルコール(またはそれらの混合物)である。
【0047】
(免疫原性組成物および医薬)
本発明の組成物は、代表的にワクチン組成物である。
【0048】
本発明はまた、医薬としての使用のための本発明の組成物を提供する。この医薬は、好ましくは抗原に対する哺乳動物中の免疫応答を惹起し得(すなわち、この医薬は、免疫原性組成物である)、そしてより好ましくはワクチンである。
【0049】
本発明はまた、抗原に対する哺乳動物中の免疫応答を惹起するために医薬の製造における本発明の組成物の使用を提供する。この医薬は、好ましくはワクチンである。
【0050】
本発明はまた、哺乳動物中の免疫応答を惹起ための方法(有効量の本発明の組成物を投与する工程を包含する)を提供する。この免疫応答は、好ましくは防御免疫である。この方法は、追加免疫応答を惹起し得る。
【0051】
この哺乳動物は、好ましくはヒトであり、最も好ましくは小児である。
【0052】
これらの使用および方法は、好ましくは、Neisseria(例えば、髄膜炎、敗血症、淋病など)、H.influenzae(例えば、中耳炎、気管支炎、肺炎, 小胞炎, 心膜円、髄膜炎など)または肺炎双球菌(例えば、髄膜炎、敗血症、肺炎など)によって起こされる疾患の予防および/または処置のためである。故に、細菌性髄膜炎の予防および/または処置が好ましい。
【0053】
本発明に従うワクチンは、予防的(すなわち、感染を防御するため)であっても、治療的(すなわち、感染後に疾患を処置するため)であってもよいが、代表的には予防的である。
【0054】
(本組成物のさらなる成分)
本発明の組成物は、代表的に、上記の成分に加えて、1つ以上の薬学的に受容可能なキャリア(それ自体が、本組成物を受ける個体に有害な抗体の産生を誘導しない任意のキャリアを含む)を含む。適切なキャリアは、代表的には、大きい、ゆっくりと代謝される高分子(例えば、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーのアミノ酸、アミノ酸コポリマー、トレハロース(WO00/56365)および脂質凝集体(例えば、油滴またはリポソーム))である。このようなキャリアは、当業者に周知である。このワクチンはまた、希釈剤(例えば、水、生理食塩水、グリセロールなど)を含み得る。さらに、補助的な物質(例えば、湿潤剤または乳化剤)、pH緩衝物質などが存在し得る。薬学的に受容可能な賦形剤の徹底的な議論が、Remington’s Phamaceutical Sciences[例えば、参考文献88]において、利用できる。
【0055】
ワクチンとして使用される免疫原性組成物は、免疫学的有効量の抗原、および必要に応じて上記の成分のうちの任意の他のものを含む。「免疫学的有効量」によって、個体への、単回用量または一連の部分としてかのいずれかでのその量の投与が、処置または予防に有効であることが意味される。この量は、処置される個体の健康および物理的条件、年齢、処置される個体の分類学的なグループ(例えば、非ヒト霊長類、霊長類など)、個体の免疫系の抗体を合成する能力、所望の防御の程度、ワクチンの処方、処置する医師の、医学的状況の評価、および他の関連性のある要因に依存して変動する。この量は、常用の試行を通して決定され得る比較的広い範囲にあることが予測される。投薬処置は、単回用量スケジュールであっても、複数用量スケジュール(例えば、追加免疫用量を含む)であってもよい。このワクチンは、他の免疫調節剤との併用で投与され得る。
【0056】
このワクチンは、他の免疫調節剤との併用で投与され得る。
【0057】
このワクチンは、アルミニウム塩に加えて、アジュバントを含み得る。本組成物の有効性を増強するために好ましいアジュバントとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(1)水中油乳濁液処方物(ムラミルペプチド(以下を参照のこと)または細菌の細胞壁成分のような他の特定の免疫刺激剤を有するか、有さない)、例えば、(a)MF59TM(WO90/14837;参考文献1の10章)、これは、5%スクアレン、0.5%Tween80、および0.5%Span85を含み、(必要に応じてMTP−PEを含む)ミクロフリューダイザを使用して1ミクロン未満の粒子中に処方される、(b)SAF、これは、10%スクアレン、0.4%Tween80、5%プルロニック−ブロックポリマー(pluronic−blocked polymer)L121およびthr−MDPを含み、1ミクロン未満の乳濁液に微小流動化されるか、またはより大きな粒子サイズの乳濁液を産生するようにボルテックスされる、および(c)RibiTMアジュバントシステム(RAS)、(Ribi Immunochem, Hamilton, MT)、これは、2%スクアレン、0.2%Tween80、ならびにモノホスホリルリピドA(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)からなる群からの1つ以上の細菌の細胞壁成分(好ましくは、MPL+CWS(DetoxTM)を含む;(2)サポニンアジュバント(例えば、QS21またはStimulonTM(Cambridge Bioscience,Worcester,MA))またはそれから製造される粒子(例えば、ISCOM(免疫刺激複合体)(ISCOMは、さらなる界面活性剤を欠き得る)が使用され得る(例えば、WO00/07621);(3)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA);(4)サイトカイン、例えばインターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12(WO99/44636)など)、インターフェロン(例えば、γインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)など;(5)モノホスホリルリピドA(MPL)または3−O−デアシル化MPL(3dMPL)、例えば、GB−2220221、EP−A−0689454;(6)3dMPLと、例えばQS21および/または水中油乳濁液との組合せ、例えば、EP−A−0835318、EP−A−07358
98、EP−A−0761231;(7)CpGモチーフを含むオリゴヌクレオチド[Krieg Vaccine 2000,19,618−622;Krieg Curr opin Mol Ther 2001 3:15−24;Romanら、Nat Med.,1997,3,849−854;Weinerら、PNAS USA,1997,94,10833−10837;Davisら、J.Immunol,1998,160,870−876;Chuら、J.Exp.Med.,1997,186,1623−1631;Lipfordら、Eur.J.Immunol,1997.27,2340−2344;Moldoveanuら、Vaccine,1988,16,1216−1224,Kriegら、Nature,1995,374,546−549;Klinmanら、PNAS USA,1996,93,2879−2883;Ballasら、J.Immunol,1996,157,1840−1845;Cowderyら、J.Immunol.,1996,156,4570−4575;Halpernら、Cell.Immunol.,1996,167,72−78;Yamamotoら、Jpn.J.Cancer Res.,1988,79,866−873;Staceyら、J.Immunol.,1996,157,2116−2122;Messinaら、J.Immunol.,1991,147,1759−1764;Yiら、J.Immunol.,1996,157.4918−4925;Yiら、J.Immunol.,1996,157,5394−5402;Yiら、J.Immunol.,1998,160,4755−4761;およびYiら、J.Immunol.,1998,160,5898−5906;国際特許出願WO96/02555、WO98/16247、WO98/18810、WO98/40100、WO98/55495、WO98/37919およびWO98/52581]すなわち、必要に応じてシトシンの位置に用いられる5−メチルシトシンを有する、少なくとも1つのCGジヌクレオチドを含む;(8)ポリオキシエチレンエーテルまたはポリオキシエチレンエステル、例えばWO99/52549;(9)オクトキシノールと併用でのポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(例えば、WO01/21207)あるいは少なくとも1つのさらなる非イオン性界面活性剤(例えば、オクトキシノール)と併用でのポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤またはポリオキシエチレンアルキルエステル界面活性剤(たとえば、WO00/21152);(10)免疫刺激性オリゴヌクレオチド(例えば、CpGオリゴヌクレオチド)およびサポニン、例えば、WO00/62800;(11)免疫刺激剤、および金属塩の粒子、例えば、WO00/23105;(12)サポニンおよび水中油乳濁液、例えば、WO99/11241;(13)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IL−12(必要に応じて、+ステロール)、例えば、W098/57659;(14)キトサン;(15)コレラ毒素またはE.coli熱不安定性毒素、あるいはそれらの無毒化変異体[89];(16)ポリ(α−ヒドロキシ)酸の微粒子、例えばPLG;(17)本組成物の有効性を増強するための免疫刺激剤として働く他の物質。
【0058】
ムラミルペプチドとしては、N−アセチル−ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP),N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(nor−MDP),N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−(2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミンMTP−PE)などが挙げられる。
【0059】
一旦、処方されると、本発明の組成物は、被験体に直接投与され得る。処置される被験体は、動物であり得;特に、ヒト被験体が処置され得る。このワクチンは、小児およびティーンエイジャーのワクチン接種に特に有用である。
【0060】
代表的には、この免疫原性組成物は、液体溶液または懸濁液のいずれかとして、注射可能であるように調製される;注射前の液体ビヒクル中の溶液または懸濁液に適切な個体形態もまた調製され得る。この調製物はまた、増強されたアジュバント効果のために、乳化されるか、またはリポソーム中にカプセル化され得る。本組成物の直接送達は、一般的に、非経口的(例えば、皮下、腹腔内、静脈内または筋肉内のいずれかの注射によるか、または組織の間質の空間に送達される)による。これらの組成物はまた、病変内に投与され得る。投与の他の様式としては、経口投与および肺投与、坐薬、および経皮(transdermal)適用または経皮(transcutaneous)適用(例えば、WO98/20734を参照のこと)、針、ならびに皮下噴射器が挙げられる。投薬処置は、単回用量スケジュールであっても、複数用量スケジュール(例えば、追加免疫用量を含む)であってもよい。
【0061】
(抗原、アルミニウム塩およびヒスチジンを混合する工程)
本発明の組成物を作製するために、抗原、アルミニウム塩およびヒスチジンが混合されなければならない。抗原およびアルミニウム塩が混合される際に、ヒスチジンが存在すべきであることが好ましい。故に、ヒスチジンは、アルミニウム塩への吸着の間存在する。これは、既に存在する抗原/アルミニウム塩の組合せにヒスチジンを添加することと対照する(すなわち、このプロセスにおけるヒスチジンは、抗原とアルミニウム塩とが相互作用した後に、単に緩衝剤として添加されるのではなく、このヒスチジンは、それらの相互作用の間に存在する)。
【0062】
従って、本発明のプロセスにおいて、抗原は、好ましくは、ヒスチジン/アルミニウム塩混合物と混合される。従って、本発明のプロセスは、以下の工程を包含する:(a)アルミニウム塩およびヒスチジンの混合物を調製する工程;ならびに(b)抗原とこの混合物を混合する工程。(a)の混合物は、好ましくは水性であり、そして水性条件で調製され得るか、または使用前に再水和される、乾燥された混合物であり得る。
【0063】
一旦、ヒスチジンの存在下で、1つ以上の抗原が、アルミニウム塩に吸着されると、この混合物は、他の抗原と組み合わされ得る(例えば、既存のジフテリア組成物、破傷風組成物、百日咳組成物、ポリオ組成物またはB型肝炎ウイルス組成物と組み合わされる)。
【0064】
(定義)
用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」および「からなる(consisting)」を意味し、例えば、Xを「含む(comprising)」組成物は、Xだけからなるか、または何らかの付加物を含み得る(例えば、X+Y)。
【0065】
数値xに関する用語「約(about)」は、例えば、x±10%を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、遠心分離物後の抗原性組成物のSDS−PAGE分析を示す。レーン1は、MWマーカー(220kDa、97kDa、66kDa、46kDa、30kDa、21kDa、14kDa)を含む。OMV抗原(2μg)を、レーン2で用い;ΔG287抗原を、レーン3(10μg)およびレーン4(0.5μg)で用いた。レーン5およびレーン6で用いた抗原は、1mg/ml アルミニウムオキシヒドロキシドとの、OMV(50μg/ml)およびΔG287(100μg/ml)の組合せであり;レーン5の組成物は、10mM リン酸ナトリウム(PBS)を含み、それに対してレーン6の組成物は、生理食塩水溶液中の5mM ヒスチジンを含んだ。
【図2】図2もまた、遠心分離物後の抗原性組成物のSDS−PAGE分析を示す。レーン1は、図1と同じMWマーカーを含む。OMV抗原(2.5μg)を、レーン2で用い;ΔG287抗原を、レーン3(2μg)およびレーン4(0.5μg)で用いた。レーン5、レーン6およびレーン7で用いた抗原は、生理食塩水溶液(pH6.5)中の1mg/ml アルミニウムオキシヒドロキシドとの、OMV(50μg/ml)およびΔG287(100μg/ml)の組合せであり;レーン5の組成物は、2.5mM リン酸ナトリウムを含み、レーン6の組成物は、5mM ヒスチジンを含み、そしてレーン7の組成物は、10mMヒスチジンを含んだ。
【図3】図3もまた、遠心分離物後の抗原性組成物のSDS−PAGE分析を示す。レーン1は、図1と同じMWマーカーを含む。OMV抗原(2.5μg)を、レーン2で用い;ΔG287抗原を、レーン3(2μg)およびレーン4(0.5μg)で用いた。レーン5およびレーン6で用いた抗原は、生理食塩水溶液(pH6.5)中の3.3mg/ml アルミニウムオキシヒドロキシドとの、OMV(50μg/ml)およびΔG287(100μg/ml)の組合せであり;レーン5の組成物は、2.5mM リン酸ナトリウム(PBS)を含み、それに対してレーン6の組成物は、生理食塩水溶液中の5mM ヒスチジンを含んだ。
【図4】図4は、4℃でのワクチン処方物のpH安定性を示す。黒い記号は、5mM ヒスチジンで緩衝化したワクチンを表し;白い記号は、2.5mMリン酸ナトリウムで緩衝化したワクチンを表す。初期のpHは、6.0(菱形)、6.5(正方形)または7.0(三角形)であった。
【図5】図5は、37℃での、図4と同様の内容を示す。
【図6】図6は、種々の抗原のSDS−PAGEゲルを示す。レーン1は、MWマーカーを含む。レーン2〜レーン6は、以下のマーカーを含む:(2)ΔG287−953;(3)961c;(4)936−741;(5)New Zealand OMV;および(6)Norwegian OMV。レーン7〜レーン10は、2〜8℃で1ヶ月保存した後の、本発明の、遠心分離したヒスチジン処方物の上清を示す:(7)ΔG287−953;(8)961c+936−741+ΔG287−953;(9)961c+936−741+ΔG287−953+OMVNZ;(10)961c+936−741+ΔG287−953+OMVNorway
【図7】図7は、図6と同じ内容を示すが、レーン7〜レーン10が、36〜38℃での保存後である。
【図8】図8は、種々の抗原のSDS−PAGEゲルを示す。レーン1は、MWマーカーを含む。レーン2〜レーン5は、以下のマーカーを含む:(2)961c;(3)936−741;(4)New Zealand OMV;および(5)Norwegian OMV。レーン6〜レーン9は、2〜8℃で1ヶ月保存した後の、本発明の遠心分離したヒスチジン処方物の上清を示す:(6)961c;(7)936−741;(8)OMVNZ;(9)OMVNorway
【図9】図9は、図8と同じ内容を示すが、レーン6〜レーン9は、36〜38℃での保存後である。
【図10】図10は、New Zealand OMVのSDS−PAGEゲルを示す。レーン1は、MWマーカーを含む。レーン2、レーン3、レーン6およびレーン7は、2〜8℃(レーン2およびレーン3)または36〜38℃(レーン6およびレーン7)のいずれかで保存した、2μg(レーン2およびレーン6)または1μg(レーン3およびレーン7)のいずれかで存在するOMVマーカーを含む。レーン4、レーン5、レーン8およびレーン9は、2〜8℃(レーン4およびレーン5)または36〜38℃(レーン8およびレーン9)のいずれかで30日間保存した後の本発明のヒスチジン処方物中のOMVを示す。レーン4およびレーン9は、遠心分離したOMVの上清を示し、一方レーン5およびレーン8は、ペレットを示す。
【実施例】
【0067】
(本発明を実施するための様式)
【0068】
(実施例1−髄膜炎菌性「287」抗原のpH安定性および吸着)
参考文献11は、N.meningitidis血清型B由来の「287」と名付けられたタンパク質抗原を開示する。参考文献90は、短縮されて、そのヘキサグリシン領域までのかつ個の領域を含むN−末端アミノ酸が除去された、この抗原の形態(「Δ287」)を開示する。287およびΔG287は、両方とも、マウスにおいて防御性免疫応答を誘発し得る。参考文献16〜19は、N.meningitidis血清型B由来のOMV抗原を開示する。これらのOMVはまた、マウスにおいて防御性免疫応答を誘発し得る。
【0069】
これら2つの抗原を、アルミニウムオキシヒドロキシドアジュバントへの吸着により処方した。2つのアジュバント濃度(1mg/mlおよび3.3mg/ml)を試験した。
【0070】
マウスにおける免疫研究は、ワクチン免疫原性が、アジュバントに対する抗原の吸着レベルと関連することを示した。吸着レベルを評価するために、最終処方物のサンプルを1300rpmで10分間遠心分離し、そしてその上清をSDS−PAGEにより分析して、非吸着抗原の存在を検出した。適切な濃度の適切なタンパク質標準を、量的比較のために隣にロードした。
【0071】
リン酸ナトリウム緩衝液を用いて、4週間の期間にわたり、4℃および37℃で安定な生理学的pHを維持するために、この組成物が10mMリン酸ナトリウムを必要とすることが見出された。しかしこのレベルでは、ΔG287の吸着は、たった50%だけであった(図1、レーン5)。100%吸着は、2.5mMリン酸ナトリウムで維持され得る(図2および図3のレーン5)が、この組成物は、4℃でも37℃でも、安定なpHを有さなかった。
【0072】
従って、吸着を減少させることなくpH安定性を維持する、代替的な緩衝液系を見出すことが必要であった。
【0073】
5mMヒスチジンを用いた場合(図1、図2および図3のレーン6)、そしてまた10mMヒスチジンを用いた場合(図2のレーン7)、吸着は95〜100%であった。従って、吸着に関しては、1mg/ml(図1および図2)または3.3mg/ml(図3)のいずれかのアルミニウムオキシヒドロキシドの存在下で、5mMヒスチジンまたは10mMヒスチジンは、2.5mMリン酸ナトリウムと等価であった。
【0074】
ワクチン組成物が安定であるpH範囲を規定するために、3つの開始pH値(pH6.0、pH6.5およびpH7.0)を選択し、そして、2.5mMリン酸ナトリウムまたは5mMヒスチジンいずれかの存在下で、4週間にわたりpH安定性をモニタリングした。安定性は、4℃および37℃の両方でモニタリングした。
【0075】
全てのワクチン中の抗原は、3.3mg/mlアルミニウムオキシヒドロキシドでアジュバント化された(ajuvanted)ΔG287(100μg/ml)およびOMV(50μg/ml)の組合せであった。
【0076】
図4は、4℃でのpH安定性を示し、図5は、37℃でのpH安定性を示す[NB−細菌の混入に起因して、pH6.0ヒスチジン緩衝化ワクチンは、4週間の測定が不可能であった]。
【0077】
両方の温度で、pHは、2.5mMリン酸ナトリウム緩衝液で、長期にわたって増加する傾向にあったが、5mMヒスチジン緩衝液存在下では安定であった。
【0078】
従って、リン酸ナトリウム緩衝液と比較すると、ヒスチジンの使用は、吸着を減少させることなく、長期にわたってpH安定性を提供する。
【0079】
(実施例2−meningococcal C糖類抗原の吸着)
糖結合体は、溶液(「液体」ワクチン)中に存在する場合、加水分解により分解される傾向にある[7,8]。複合体を凍結乾燥させ、これを避けることが可能である[7]が、これは、再構成する際にアジュバントが添加されることを必要とする。糖が加水分解の対象とならない液形態のワクチンを有することが好ましい。
【0080】
これを、CRM197キャリアタンパク質[20]への、meningococcus
血清型Cオリゴ糖結合体ついて、詳細に調べた。CRM197は酸性であり、従って、負電荷のリン酸アルミニウムに全く吸着しない。しかし、ヒスチジンは正電荷であり、これが負電荷をマスクし得ることが考えられた。従って、ヒスチジン緩衝液を、アルミニウムヒドロキシホスフェートに対するMenC−CRM197の吸着の改善を目的に試験した。
【0081】
抗原の吸着を、アジュバントペレットを遠心分離して分離した後、BCAタンパク質アッセイを用いてワクチン上清中のタンパク質濃度を測定することにより、ヒスチジン緩衝液の存在下および非存在下で評価した。このワクチンを、20μg/ml オリゴ糖および45μg/ml CRM197タンパク質として処方した。結果は以下のようであった:
【0082】
【表1】

従って、ヒスチジンが処方物内に存在する場合、抗原の吸着が改善され:ヒスチジン非存在下では、吸着は約6%であり;5mM ヒスチジンは、これを36%に上昇させ;10mM ヒスチジンは、吸着を約52%まで上昇させる。
【0083】
従って、ヒスチジンは、アルミニウムヒドロキシホスフェートに対する抗原の吸着の改善に対して、有用な添加剤である。
【0084】
(実施例3−meningococcal B NadA抗原の吸着)
血清型B N.meningitidis由来のNadA(Neisserial adhesin A)は、参考文献11にタンパク質「961」として(配列番号2943および配列番号2944)、そして参考文献13「NMB1994」(GeneBank登録番号11352904および7227256も参照のこと)として開示される。NadAの対立遺伝子の形態が、参考文献91に開示される。NadAの好ましい形態は、C末端アンカードメインを欠いている(「961c」)。
【0085】
961c(100μg/ml)を、pH6.5の10mM ヒスチジン緩衝液の存在下で、アルミニウムオキシヒドロキシド(3mg/ml)に吸着させた。2〜8℃または36〜38℃のいずれかでの4週間の保存後、この抗原は、100%の吸着を維持した(図8および図9、レーン6)。組成物のpHは、時間0で6.44であり、4週間の保存後、6.48(2〜8℃)または6.47(36〜38℃)まで、非長期にわたって僅かに上昇した。
【0086】
(実施例4−meningococcal Bハイブリッド抗原の吸着)
参考文献92および93は、meningococcal B抗原のハイブリッド発現を開示する。そのようなハイブリッドは、「ΔG287NZ−953」であり、別のハイブリッドは、「936−741」である。これら2つのハイブリッド(100μg/ml)を、各々、pH6.3の10mM ヒスチジン緩衝液の存在下で、アルミニウムオキシヒドロキシド(3mg/ml)に吸着させた。2〜8℃または36〜38℃での4週間の保存後、「ΔG287NZ−953」は、6.44から6.52(2〜8℃)または6.53(36〜38℃)まで非常に僅かに上昇したpHで、100%の吸着(図6および図7、レーン7)を維持した。「936−741」は、6.33から6.37(2〜8℃)または6.38(36〜38℃)まで非常に僅かに上昇したpHで、36〜38℃では100%の吸着(図9、レーン7)を維持したが、2〜8℃では約99%の吸着(図8、レーン7)であった。
【0087】
(実施例5−meningococcal OMVの吸着)
上記で記載したように、meningococcus B由来のOMVワクチンは周知である。OMVを、meningococcus BのNorwegian株からまたはNew Zealand株(394/98)から調製した。これら2つのOMV調製物(50μg/ml)を、pH6.5の10mM ヒスチジン緩衝液の存在下で、アルミニウムオキシヒドロキシド(3mg/ml)に吸着させた。2〜8℃または36〜38℃での4週間の保存後、両OMV調製物は、100%の吸着を維持した(図8および図9、レーン8およびレーン9)。Norwegian OMVについては、両方の保存温度で、pHは、4週間にわたり6.39から6.42まで、僅かに上昇した。New Zealand OMVについては、pHは、6.40から6.42(2〜8℃)または6.43(36〜38℃)まで、僅かに上昇した。
【0088】
New Zealand OMVを、代替的に5mM ヒスチジンを用いて処方した。純水で開始し、10分混合しながら、アルミニウムオキシヒドロキシドを添加し、次いでヒスチジンを添加した。次いで、OMVを添加し、15分間混合した。次いで、NaClを添加し、その後さらに10分混合した。最終的な組成は、3.3mg/ml アルミニウムオキシヒドロキシド、7.5mM NaCl、5mM ヒスチジン、100μg/ml OMV、pH6.42であった。
【0089】
2〜8℃または36〜36℃のいずれかでの保存の間、pHおよびOMV吸着は、以下のように変化した:
【0090】
【表2】

図10におけるレーン4およびレーン5(2〜8℃)またはレーン8およびレーン9(36〜38℃)の比較は、1ヶ月の保存後、OMVが吸着されたままであることを示す。
【0091】
(実施例6−meningococcal OMVおよびタンパク質抗原の混合物の吸着)
961c、ΔG287nz−953および936−741を、各抗原を100μg/mlで混合し、その混合物を、pH6.3の10mM ヒスチジン緩衝液の存在下で、アルミニウムオキシヒドロキシド(3mg/ml)に吸着させた。2つのさらなる処方物において、OMVは、Norwegian株meningococcus BまたはNew Zealand株meningococcus Bのいずれかの由来のOMVを含んだ。
【0092】
3つの混合物(図6および図7、レーン8〜10)中の全ての抗原は、全ての3つの混合物において、2〜8℃で約96%の吸着であり、そして36〜38℃で約99%の吸着であった936−741を除いては、2〜8℃または36〜38℃のいずれかでの4週間の保存後に、100%の吸着を示した。この3つの混合物の各々のpHは、各々、6.53(時間0)から、6.62(2〜8℃での4週間後)まで僅かに上昇した。36〜38℃では、この3つの混合物のpHは、6.71±0.02まで上昇した。
【0093】
個々の抗原は、その混合物中に、それら自体のPBSから、残余のリン酸イオンをもたらした。リン酸イオンは、合わせた抗原混合物において、しばしば3mMと5mMとの間で存在する。余剰名リン酸緩衝液の、これらの高濃度での存在下では、例え5mM ヒスチジンを用いても、pHを6.0〜7.0の範囲内に安定させることは難しかった。しかし、ヒスチジンを10mMまで増加させた場合、pHは安定化された。さらに、これらの抗原は、2〜8℃または36〜38℃のいずれかでの1ヶ月の後であっても、吸着したままであった。
【0094】
(実施例7−meningococcal A糖類抗原の吸着)
参考文献94、A型血清meningococcus由来の莢膜オリゴ糖のCRM197結合体を開示する。この結合体は、完全には安定ではなく、従って、凍結乾燥形態で調製され、投薬時の再構成のために準備される。単位用量での再構成後、以下の組成を生じる成分を有するた凍結乾燥形態を調製し:
【0095】
【表3】

この組成物は、アジュバントを有さないので、その再構成のために、アジュバントを調製した:
【0096】
【表4】

0.84と0.82との間のPO/Alモル比の非結晶性ヒドロキシホスフェート
【0097】
(実施例8−meningococcal C、W135およびY糖類抗原の吸着)
参考文献94は、meningococcusの血清型C、血清型W135および血清型Y由来の、莢膜糖類のCRM197結合体を開示する。アルミニウムオキシヒドロキシドアジュバント(2mg/ml)またはアルミニウムヒドロキシホスフェートアジュバント(0.6mg/ml Al3+)のいずれか一方に吸着する3つの複合体の三価の混合物を調製した。2つの三価の混合物の組成物は、以下のようであった:
【0098】
【表5】

0.84と0.82との間のPO/Alモル比の非結晶性ヒドロキシホスフェート
オキシヒドロキシド/ヒスチジン処方物について、バルクの混合物中またはバイアルに充填した後の、いずれかの糖類成分の安定性は、以下のようであった:
【0099】
【表6】

従って、遊離糖類レベルは、充填の前でも後でも、2〜8℃で少なくとも1ヶ月は安定である。
【0100】
熱ストレス条件下で、MenW135およびMenYについて、遊離糖類の小さい増加が長期にわたって見られるが、MenCは安定なままである。
【0101】
30日間にわたり、バイアルおよびバルクのpHは、両方の保存温度で、7.15±0.05で安定であった。
【0102】
(実施例9−meningococcal A糖類抗原、C糖類抗原、W135糖類抗原およびY糖類抗原の吸着)
実施例8の、2つの三価の組成物を希釈し、そして0.5mlを、実施例7の凍結乾燥MenA結合体の再構成に用いた。生じた3価混合物を、1群あたり10匹のBalb/cマウス(6〜8週齢の雌)に、0日目および28日目に、皮下注射により投与した。この混合物は、1用量当り各々糖類を2μg含み、これは単回ヒト用量(SHD)の1/5に相当する。コントロールは、生理食塩水または結合体化していない同族の多糖類であった。免疫化前に出血を実施し、次いで42日目に出血を実施し、血清を−70℃で保存した。
【0103】
使用した全ての結合体は、これらの動物において、安全でありかつ免疫原性であった。GMT post−II ELISA力価(信頼区間95%)は、以下のようであった:
【0104】
【表7】

従って、代表的に、力価は、アルミニウムオキシヒドロキシド+ヒスチジン群でより高い。一般的に、血清殺菌力価もまた、アルミニウムオキシヒドロキシド+ヒスチジン群でより良好であった。
【0105】
並行実験において、マウスを上記のように免疫化したが、ワクチン組成物は、異なる比率の種々のオリゴ糖結合体を含んだ。凍結乾燥MenAオリゴ結合体を、全ての実験で用いた。ELISA力価は、以下のようであった:
【0106】
【表8】

実験の第2のセットを、MenAおよびMenCについて2μg/ml糖類の投薬量、MenYについてその半分の投薬量およびMenW135について1/4の投薬量を用いて実施した。ELISA力価は、以下のようであった:
【0107】
【表9】

従って、少なくとも血清型A、血清型Cおよび血清型W135に対して、オキシヒドロキシド+ヒスチジン処方物は、一般的に、これらの異なる抗原比率でヒドロキシホスフェートより良い力価を与えた。
【0108】
本発明は、実施例としてのみ記載されており、本発明の範囲および精神の範囲内で改変がなされ得ることが、理解される。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗原、アルミニウム塩およびヒスチジンを含む組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−173681(P2009−173681A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115050(P2009−115050)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【分割の表示】特願2003−515261(P2003−515261)の分割
【原出願日】平成14年7月26日(2002.7.26)
【出願人】(592243793)カイロン ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ (107)
【Fターム(参考)】