説明

アレルギー又は喘息治療用薬剤を含有する、口腔の、極性及び非極性スプレー又はカプセル

口腔粘膜を通して迅速に吸収され、効果の早い発現をもたらす、生物活性化合物を提供する極性溶媒及び非極性溶媒を用いる口腔エアロゾルスプレー又はカプセルが開発された。本発明の口腔極性組成物は、処方Iでは、水溶性極性溶媒と、活性化合物と、任意の香料とを含み、処方IIでは、水溶性極性溶媒と、活性化合物と、任意に香料と、噴霧剤とを含み、処方IIIでは、非極性溶媒と、活性化合物と、任意に香料とを含み、処方IVでは、非極性溶媒と、活性化合物と、任意に香料と、噴霧剤とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、1997年10月1日出願のPCT/US97/17899の米国国内段階指定の一部継続出願である2000年3月29日出願の出願番号09/537,118号の一部継続出願であり、その出願内容を本願明細書に参照によって援用する。
【背景技術】
【0002】
特定の生物活性化合物は、口腔粘膜を通しての方が、胃又は腸などの他の投与経路を通してよりも良く吸収されることが知られている。しかしながら、これらの後者の経路によるそのような投与に適した製剤はそれ自体に問題がある。例えば、生物活性化合物は、噴霧剤、溶媒などの組成物の他の構成成分と適合しなければならない。多くのそのような製剤が提案されている。例えば、Dvorskyらの特許文献1には、ポリエーテルアルコールの混合物に溶解した抗心臓発作薬剤であるニフェジピン投与用の軟質のゼラチンカプセルが記載されている。Jonesらの特許文献2には、ニフェジピン含有硬質ゼラチン・チュアブル・カプセルが記載されている。薬剤の溶液又は分散体を含有するチュアブル・ゼラチンカプセルが、Borkanらの特許文献3に記載されている。Aoudaらの特許文献4及びKlokkers-Bethkeの特許文献5には、ニトログリセリン、エタノール及び他の構成成分を含む口腔粘膜への投与用ニトログリセリン・スプレーが記載されている。Cholchaの特許文献6には、経口投与ポンプスプレーが記載されている。炭化水素噴霧剤と薬剤を含有する、粘膜表面への投与用のエアロゾル組成物が、Suの特許文献7、Silsonらの特許文献8、Wangらの特許文献9、及びParnellの特許文献10に記載されている。これらの参考文献には、投与される膜を通しての溶液の生物学的利用能よりもむしろ吸入による溶液の生物学的利用能が述べられていることに留意されたい。
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,689,233号
【特許文献2】米国特許第4,755,389号
【特許文献3】米国特許第4,935,243号
【特許文献4】米国特許第4,919,919号
【特許文献5】米国特許第5,370,862号
【特許文献6】米国特許第5,186,925号
【特許文献7】英国特許第2,082,457号
【特許文献8】米国特許第3,155,574号
【特許文献9】米国特許第5,011,678号
【特許文献10】米国特許第5,128,132号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
生物活性化合物を、口腔粘膜を通して迅速に吸収させ、効果の早い発現をもたらす、極性溶媒又は非極性溶媒を用いる、口腔の、エアロゾルスプレー又は軟質の咬合ゼラチンカプセルを開発した。
【0005】
薬理学的に受容可能な非極性溶媒に溶解可能である、薬理活性を有する化合物の経粘膜投与用の本発明の口腔エアロゾルスプレー組成物は、組成物全体の重量%で、薬理学的に受容可能な噴霧剤を5〜80%、非極性溶媒を19〜85%、活性化合物を0.05〜50%含み、適切には、組成物全体の重量で、香料を0.01〜10%更に含む。好ましくは、前記組成物は、噴霧剤を10〜70%、非極性溶媒を25〜89.9%、活性化合物を0.01〜40%、香料を1〜8%含み、最も適切には、噴霧剤を20〜70%、非極性溶媒を25〜74.75%、活性化合物を0.25〜35%、香料を2〜7.5%含む。
【0006】
薬理学的に受容可能な極性溶媒に溶解可能である、薬理活性を有する化合物の経粘膜投与用の本発明の口腔極性エアロゾルスプレー組成物も噴霧剤によって駆動されるエアロゾル形態で投与可能である。この場合、前記組成物は、組成物全体の重量%で、水溶性極性溶媒を10〜97%、活性化合物を0.1〜25%含み、適切には、組成物全体の重量で、香料を0.05〜10%、噴霧剤を2〜10%さらに含む。好ましくは、前記組成物は、極性溶媒を20〜97%、活性化合物を0.1〜15%、香料を0.1〜5%、噴霧剤を2〜5%含み、最も適切には、極性溶媒を25〜97%、活性化合物を0.2〜25%、香料を0.1〜2.5%、噴霧剤を2〜4%含む。
【0007】
薬理学的に受容可能な非極性溶媒に溶解可能である、薬理活性を有する化合物の経粘膜投与用の本発明の口腔ポンプスプレー組成物、すなわち、噴霧剤のない組成物は、組成物全体の重量%で、非極性溶媒を30〜99.69%、活性化合物を0.005〜55%含み、適切には、香料を0.1〜10%更に含む。
【0008】
薬理学的に受容可能な極性溶媒に溶解可能である、薬理活性を有する化合物の経粘膜投与用の本発明の口腔ポンプスプレー組成物、すなわち、噴霧剤のない組成物は、組成物全体の重量%で、水溶性極性溶媒を30〜99.69%、活性化合物を0.001〜60%含み、適切には、組成物全体の重量で、香料を0.1〜10%更に含む。好ましくは、前記組成物は、極性溶媒を37〜98.58%、活性化合物を0.005〜55%、香料を0.5〜8%含み、最も適切には、極性溶媒を60.9〜97.06%、活性化合物を0.01〜40%、香料を0.75〜7.5%含む。
【0009】
薬理学的に受容可能な非極性溶媒に少なくとも部分的には溶解可能であり、充填組成物が装填された、薬理活性を有する化合物の経粘膜投与用の本発明の軟質咬合ゼラチンカプセルは、組成物全体の重量%で、非極性溶媒を4〜99.99%、乳化剤を0〜20%、活性化合物を0.01〜80%含み、但し、前記充填組成物は10%以下の水を含み、適切には、組成物全体の重量で、香料を0.01〜10%更に含む。好ましくは、前記軟質咬合ゼラチンカプセルは、非極性溶媒を21.5〜99.975%、乳化剤を0〜15%、活性化合物を0.025〜70%、香料を1〜8%含み、最も適切には、非極性溶媒を28.5〜97.9%、乳化剤を0〜10%、活性化合物を0.1〜65.0%、香料を2〜6%含む。
【0010】
薬理学的に受容可能な極性溶媒に少なくとも部分的には溶解可能であり、組成物が装填された、薬理活性を有する化合物の経粘膜投与用の本発明の軟質咬合ゼラチンカプセルは、組成物全体の重量%で、極性溶媒を25〜99.89%、乳化剤を0〜20%、活性化合物を0.01〜65%含み、但し、前記組成物は10%以下の水を含み、適切には、組成物全体の重量で、香料を01〜10%更に含む。好ましくは、前記軟質咬合ゼラチンカプセルは、極性溶媒を37〜99.95%、乳化剤を0〜15%、活性化合物を0.025〜55%、香料を1〜8%含み、最も適切には、極性溶媒を44〜96.925%、乳化剤を0〜10%、活性化合物を0.075〜50%、香料を2〜6%含む。
【0011】
本発明の目的は、活性化合物を含有するスプレーの非常に微細な溶滴、又は咬合カプセルからの活性化合物の溶液もしくはペーストのいずれかによって粘膜を被覆することにある。
【0012】
また、本発明の目的は、本方法に基づいて又は軟質ゼラチンカプセルから所定量の生物活性化合物を、スプレー又は咬合カプセルによって、同じものを必要としている哺乳類の、好ましくはヒトの口腔粘膜に投与することにある。
【0013】
更なる目的物は、非極性の又は極性のエアロゾルスプレー製剤の組成物と、容器から所定量の前記組成物を放出するのに適したメーター・バルブを含む密閉エアロゾルスプレー容器である。
【0014】
エアロゾルバルブの駆動後に噴霧剤が気化する際に、溶媒及び活性化合物を含む微細な溶滴の霧が形成される。
【0015】
噴霧剤は、非フレオン材料であり、好ましくは、直線構造又は分岐構造の炭素数3〜8の炭化水素である。噴霧剤は、実質的には非水性である。噴霧剤は、予測される通常の使用下において、バルブを駆動した際に容器から溶媒を発射するのに充分な圧力を生じさせるようにエアロゾル容器内で圧力を生じさせるが、容器又はバルブのシールを損傷するような過剰な圧力を生じさせない。
【0016】
非極性溶媒は、非極性炭化水素、好ましくは、直線構造又は分岐構造の炭素数7〜18の炭化水素、脂肪酸エステル、及びミグリオール(miglyol)などのトリグリセリドである。前記溶媒は、活性化合物を溶解し、噴霧剤と混和できなければならない。すなわち、溶媒と噴霧剤は、0〜40℃の温度、1〜3atmの圧力の範囲で、単相を形成しなければならない。
【0017】
本発明の極性の及び非極性のエアロゾルスプレー組成物は、密閉加圧型容器から投与することを目的としている。駆動した後に、毎回、空気を容器内に入れるポンプスプレーとは異なり、本発明のエアロゾル容器は製造の時点で密閉されている。前記容器の内容物は、メーター・バルブを駆動することによって放出され、該メーター・バルブは、駆動するごとに大気ガスを入れないものである。そのような容器は市販されている。
【0018】
さらなる目的物は、ポンプスプレー製剤の組成物と、容器から所定量の前記組成物を放出するのに適したメーター・バルブを含むポンプスプレー容器である。
【0019】
さらなる目的物は、上記の組成物を含有する軟質咬合ゼラチンカプセルである。製剤は、活性化合物を含有する粘性溶液又はペーストの形状であってもよい。溶液が好ましいが、選択した溶媒に活性化合物が不溶であるか、又は一部しか溶解できない場合には、ペースト充填剤(paste fill)を用いてもよい。ペースト組成物の一部を形成するために水を用いた場合、水は、組成物の10%を超えるべきではない(本明細書においてすべてのパーセンテージは特に指示がない限り重量%である)。
【0020】
ゼラチンの殻及び活性化合物と適合するように、極性溶媒又は非極性溶媒を選択する。溶媒は、好ましくは活性化合物を溶解する。しかしながら、活性化合物が溶解できないか、又はほんの少ししか溶解できない他の構成成分を用いてもよく、該構成成分でペースト充填剤(paste fill)が形成される。
【0021】
軟質ゼラチンカプセルは本技術分野で既知である。そのようなカプセルの教示に関して、例えば、Borkanらの米国特許第4,935,243号を参照されたい。本発明のカプセルは、噛まれて、低粘性溶液又はペーストを放出し、口腔粘膜を活性化合物で覆うことを目的とするものである。典型的なカプセルは、そのまま飲み込まれるか、又は噛まれてから飲み込まれるものであり、活性化合物を胃に送達し、血中でのレベルが最大となる前に大きな遅延時間が生じるか、又は該カプセルによって、化合物が大きな初回通過効果を受ける。口腔粘膜を通しての化合物の吸収が促進され、初回通過効果が起きないため、本発明の咬合カプセルは遅延時間を大幅になくし、その結果として生物効果の発現を早める。本発明の軟質ゼラチンカプセルの殻は、例えば、ゼラチンを50〜75%、グリセリンを20〜30%、着色剤を0.5〜1.5%、水を5〜10%、ソルビトールを2〜10%含む。
【0022】
活性化合物としては、生物活性ペプチド、中枢神経系活性アミン、スルホニル尿素、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、睡眠導入剤、抗喘息薬、気管支拡張薬、制吐剤、ヒスタミンH-2受容体アンタゴニスト、バルビツール酸塩、プロスタグランジン、及び栄養補助食品が挙げられる。
【0023】
また、活性化合物としては、抗ヒスタミン剤、アルカロイド、ホルモン、ベンゾジアゼピン、及び麻酔性鎮痛薬が挙げられる。特に制限されないが、これらの活性化合物は、非極性ポンプスプレーの製剤及び用途に特に適している。
【0024】
また、活性化合物としては、アルドステロン・アンタゴニスト、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、免疫調整剤及び免疫原、免疫抑制剤、サイトカイン、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、肥満細胞メディエータ、好酸球及び/又は肥満細胞アンタゴニスト、粘液溶解薬、グルココルチコイド、糖脂質、又はそれらの混合物が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の好ましい活性化合物は、イオン化した塩の形態、又は該化合物の薬理的に受容可能な塩の遊離塩基としてのイオン化した塩の形態である(但し、エアロゾル組成物又はポンプスプレー組成物については、それらはスプレー溶媒に溶解可能である)。これらの化合物は、本発明の非極性溶媒に有用な濃度で溶解可能であるか、又は有用な濃度でペーストとして製造できる。口腔粘膜を通しての化合物の吸収が促進されることから、これらの濃度は、これらの化合物について標準の受容投与量以下であってもよい。本発明のこの態様は、初期通過効果が大きい(40〜99.99%)場合、特に重要である。
【0026】
非極性スプレーの噴霧剤として、プロパン、N−ブタン、イソブタン、N−ペンタン、イソペンタン、及びネオペンタン、及びそれらの混合物を用いてもよい。単独のガスでのN−ブタンとイソブタンが好ましい噴霧剤である。噴霧剤は、0.2%を超えない、典型的には0.1〜0.2%の含量の水を有していてもよい。ここで、すべてのパーセンテージは、特に指示がない限り重量%である。また、活性化合物に害を及ぼす汚染物の存在を最小限にするために、噴霧剤は合成によって製造されることが好ましい。これらの汚染物としては、酸化剤、還元剤、ルイス酸又は塩基、及び水がある。これらのそれぞれの濃度は、水が0.2%と同じ濃度であってもよいことを除いては、0.1%未満であるべきである。
【0027】
カプセル及び非極性スプレーに適した非極性溶媒としては、炭素数2〜24の脂肪酸の炭素数2〜6のエステル、炭素数7〜18の炭化水素、炭素数2〜6のアルカノイルエステル、及び対応する酸のトリグリセリドが挙げられる。カプセル充填剤(capsule fill)がペーストである場合、他の液体成分を、上記の低分子量の溶媒の代わりに使用してもよい。これらの液体成分としては、大豆油、コーン油、その他の植物油が挙げられる。
【0028】
極性カプセル又は極性スプレー用の溶媒として、400〜1000Mw(好ましくは400〜600)の低分子量のポリエチレングリコール(polyethyleneglycol,PEG)、低分子量の炭素数2〜8のモノオール及びポリオール、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数7〜18の炭化水素のアルコールを用いても良く、グリセリンも含まれていても良く、水もスプレーに用いても良く、限られた量に限りカプセルに用いても良い。
【0029】
ゼラチンの殻を作製するために使用されるいくつかのグリセリン及び水は、殻が硬化する間、殻から充填剤へ移動する。同様に、硬化する間、及びカプセルの有効期間全体に渡って、充填剤から殻へ成分がいくらか移動する。
【0030】
したがって、ここに記載する値は、製造された組成物についてのものであって、軽微な変更を行うことは本発明の範囲内である。
【0031】
好ましい香料は、合成の又は天然の、ペパーミントオイル、スペアミントオイル、シトラスオイル、果物フレーバー、甘味料(砂糖、アスパルテーム、サッカリンなど)、及びそれらの組み合わせである。
【0032】
活性物質としては、シクロスポリン、サーモレリン、酢酸オクトレオチド、カルシトニン−サーモン、リスプロインスリン、コハク酸スマトリプタン、クロゼピン、シクロベンザプリン、塩酸デクスフェンフルラミン、グリブリド、ジドブジン、エリスロマイシン、シプロフロキサシン、塩酸オンダンセトロン、ジメンヒドリナート、塩酸シメチジン、ファモチジン、フェニトイン・ナトリウム、フェニトイン、カルボプロスト・トロメタミン(carboprost thromethamine)、カルボプロスト(carboprost)、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イソプロテレノール、硫酸テルブタリン、テルブタリン、テオフィリン、硫酸アルブテロール、及び栄養補助食品、すなわち、カルニチン、バレリアン、エキナセアなどがあるがこれらに限定されない薬理作用を有する栄養物から成る群から選択された活性化合物がある。
【0033】
別の実施態様において、活性化合物は、アルドステロン・アンタゴニスト、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、免疫調整剤又は免疫原、免疫抑制剤、サイトカイン、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、肥満細胞メディエーター、好酸球及び/又は肥満細胞アンタゴニスト、粘液溶解薬、グルココルチコイド、糖脂質、又はそれらの混合物である。
【0034】
一実施態様において、活性化合物は、アルドステロン・アンタゴニストである。本発明の口腔スプレーへの使用に適したアルドステロン・アンタゴニストとしては、スピロノラクトンがあるがこれに限定されない。
【0035】
一実施態様において、活性化合物は、ロイコトリエン受容体アンタゴニストである。本発明の口腔スプレーへの使用に適したロイコトリエン受容体アンタゴニストとしては、ラマトロバン、ザフィルカスト、モンテルカスト、及びそれらの混合物があるがこれらに限定されない。
【0036】
一実施態様において、活性化合物は、免疫調整剤又は免疫原である。本発明の口腔スプレーへの使用に適した免疫調整剤又は免疫原としては、インターフェロン・ベータ1A、インターフェロン・ベータ1B及びそれらの混合物があるがこれらに限定されない。
【0037】
一実施態様において、活性化合物は、免疫抑制剤である。本発明の口腔スプレーへの使用に適した免疫抑制剤としては、アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリン、ERL080、エンリモマブ(enlimomab)、メトトレキサート、ミトザントロン、ミコフェノール酸モフェチル、シロリムス(sirolimus)、タクロリムス(FK-506)、及びそれらの混合物があるがこれらに限定されない。
【0038】
一実施態様において、活性化合物は、サイトカインである。本発明の口腔スプレーへの使用に適した免疫抑制剤としては、ダルベポエチン・アルファ、エポエチン・アルファ、エリスロポエチン、NESP、及びそれらの混合物があるがこれらに限定されない。
【0039】
一実施態様において、活性化合物は、ロイコトリエン受容体アンタゴニストである。本発明の口腔スプレーへの使用に適したロイコトリエン受容体アンタゴニストとしては、モンテルカスト、ザリフルカスト(zariflukast)、イブジラスト、及びそれらの混合物があるがこれらに限定されない。
【0040】
一実施態様において、活性化合物は、肥満細胞メディエーターである。本発明の口腔スプレーへの使用に適した肥満細胞メディエータとしては、ケトチフェン、クロモリン、及びそれらの混合物があるがこれらに限定されない。
【0041】
一実施態様において、活性化合物は、好酸球及び/又は肥満細胞アンタゴニストである。本発明の口腔スプレーへの使用に適した好酸球及び/又は肥満細胞アンタゴニストとしては、ネドクロミルがあるがこれに限定されない。
【0042】
一実施態様において、活性化合物は、粘液溶解薬である。本発明の口腔スプレーへの使用に適した粘液溶解薬としては、アンブロキソール、ブロムヘキシン、フドステイン、アセチルシステイン及びそれらの混合物があるがこれらに限定されない。
【0043】
一実施態様において、活性化合物は、グルココルチコイドである。本発明の口腔スプレーへの使用に適したグルココルチコイドとしては、ベータメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、及びそれらの混合物があるがこれらに限定されない。
【0044】
一実施態様において、活性化合物は、糖脂質である。本発明の口腔スプレーへの使用に適した糖脂質としては、イミグルセラーゼ、バンコマイシン、ベベスカ(vevesca)(OGT918)及びGMKワクチンがあるがこれらに限定されない。
【0045】
本発明の製剤は、活性化合物又はその薬理的に受容可能な塩を含む。“薬理的に受容可能な塩”という用語は、有機の酸又は塩基、及び無機の酸又は塩を含む薬理的に受容可能な無毒の酸又は塩基から製造される塩のことを指す。
【0046】
本発明の活性化合物が酸性である場合、塩は、薬理的に受容可能な無毒の塩基から製造される。無機塩基の安定した形態すべてから得られる塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが挙げられる。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩が特に好ましい。薬理的に受容可能な無毒の有機塩基から得られる塩としては、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、イソプロピルアミン、リジン、メチル−グルコサミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンなどの、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、自然発生する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂が特に好ましい。
【0047】
本発明の活性化合物が塩基性である場合、塩は、薬理的に受容可能な無毒の酸から製造される。当該酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンホルスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。クエン酸、臭化水素酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0048】
本明細書での治療方法のディスカッションにおいて、活性化合物への言及は、その薬理的に受容可能な塩も含むものとなっている。本明細書では特定の製剤を示すが、同様のものを必要とする哺乳類又はヒトに投与される実際の量は、治療を行う医師によって決定される。
【0049】
以下の実施例で本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を何ら制限するものではない。
【0050】
以下の実施例は、ある部類の例である。特に定めがない限り、すべての値は重量%で表されている。
【実施例1】
【0051】
ペプチドホルモンを含む生物活性ペプチド
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

【0054】
【表3】

【0055】
【表4】

【0056】
【表5】

【0057】
【表6】

【0058】
【表7】

【0059】
【表8】

【実施例2】
【0060】
CMS活性アミン及びどの塩:特に限定されないが、三環系アミン、GABAの類似化合物、チアジド、フェノチアジン誘導体、セロトニンアンタゴニスト、及びセロトニン再摂取阻害剤が含まれる。
【0061】
【表9】

【0062】
【表10】

【0063】
【表11】

【0064】
【表12】

【0065】
【表13】

【0066】
【表14】

【0067】
【表15】

【実施例3】
【0068】
スルホニル尿素
【0069】
【表16】

【0070】
【表17】

【実施例4】
【0071】
抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤
【0072】
【表18】

【0073】
【表19】

【0074】
【表20】

【0075】
【表21】

【実施例5】
【0076】
制吐剤
【0077】
【表22】

【0078】
【表23】

【0079】
【表24】

【実施例6】
【0080】
ヒスタミンH-2受容体アンタゴニスト
【0081】
【表25】

【0082】
【表26】

【0083】
【表27】

【実施例7】
【0084】
バルビツール酸塩
【0085】
【表28】

【0086】
【表29】

【実施例8】
【0087】
プロスタグランジン
【0088】
【表30】

【0089】
【表31】

【実施例9】
【0090】
栄養補助食品
【0091】
【表32】

【0092】
【表33】

【0093】
【表34】

【0094】
【表35】

【実施例10】
【0095】
睡眠導入剤(CNS活性アミンとも呼ぶ)
【0096】
【表36】

【実施例11】
【0097】
抗喘息剤−気管支拡張剤
【0098】
【表37】

【0099】
【表38】

【0100】
【表39】

【0101】
【表40】

【0102】
【表41】

【実施例12】
【0103】
噴霧剤を用いる極性溶媒製剤:
【0104】
【表42】

【0105】
【表43】

【0106】
【表44】

【0107】
【表45】

【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】図1は、哺乳類のシステムにおける薬理活性物質の吸収及び処理の経路を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬理活性化合物の経粘膜投与用の、噴霧剤のない口腔スプレー組成物であって、免疫抑制剤、粘液溶解薬、グルココルチコイド、及びそれらの混合物からなる群より選択される活性化合物を組成物全体の0.001〜60重量%、極性溶媒を組成物全体の30〜99重量%含む、薬理活性化合物の経粘膜投与用の、噴霧剤のない口腔スプレー組成物。
【請求項2】
薬理活性化合物の経粘膜投与用口腔スプレー組成物であって、免疫抑制剤、粘液溶解薬、グルココルチコイド、及びそれらの混合物からなる群より選択される活性化合物を組成物全体の0.1〜25重量%、極性溶媒を組成物全体の10〜97重量%、噴霧剤を組成物全体の2〜10重量%含み、前記噴霧剤は、炭素数3〜8の直線構造又は分岐構造の炭化水素であることを特徴とする薬理活性化合物の経粘膜投与用口腔スプレー組成物。
【請求項3】
薬理活性化合物の経粘膜投与用の、噴霧剤のない口腔スプレー組成物であって、免疫抑制剤、粘液溶解薬、グルココルチコイド、及びそれらの混合物からなる群より選択される活性化合物を組成物全体の0.005〜55重量%、非極性溶媒を組成物全体の30〜99重量%含む、薬理活性化合物の経粘膜投与用の、噴霧剤のない口腔スプレー組成物。
【請求項4】
薬理活性化合物の経粘膜投与用口腔スプレー組成物であって、免疫抑制剤、粘液溶解薬、グルココルチコイド、及びそれらの混合物からなる群より選択される活性化合物を組成物全体の0.05〜50重量%、非極性溶媒を組成物全体の19〜85重量%、噴霧剤を組成物全体の5〜80重量%含み、前記噴霧剤は、炭素数3〜8の直線構造又は分岐構造の炭化水素であることを特徴とする薬理活性化合物の経粘膜投与用口腔スプレー組成物。
【請求項5】
薬理活性化合物の経粘膜投与用口腔スプレー組成物であって、免疫抑制剤、粘液溶解薬、グルココルチコイド、及びそれらの混合物からなる群より選択される活性化合物を組成物全体の0.01〜40重量%、非極性溶媒を組成物全体の25〜89重量%、噴霧剤を組成物全体の10〜70重量%含み、前記噴霧剤は、炭素数3〜8の直線構造又は分岐構造の炭化水素であり、香料が組成物全体の1〜8重量%存在することを特徴とする薬理活性化合物の経粘膜投与用口腔スプレー組成物。
【請求項6】
香料を組成物全体の0.1〜10重量%更に含む請求項1〜4項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記極性溶媒は、400〜1000の分子量を有するポリエチレングリコール、炭素数2〜8のモノアルコール及びポリオール、並びに直線構造又は分岐構造の炭素数7〜18のアルコールからなる群より選択されることを特徴とする請求項1又は2項に記載の組成物。
【請求項8】
前記噴霧剤は、プロパン、N−ブタン、イソブタン、N−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、及びそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項2、又は4、又は5項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記溶媒は、炭素数2〜24の脂肪酸の炭素数2〜6のエステル、炭素数7〜18の直線構造又は分岐構造の炭化水素、炭素数2〜6のアルカノイルエステル、及び炭素数2〜6のカルボン酸のトリグリセリドからなる群より選択されることを特徴とする請求項3〜5項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記活性化合物は、アンブロキソール、ブロムヘキシン、フドステイン、アセチルシステイン及びそれらの混合物からなる群より選択される粘液溶解薬であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記活性化合物は、ベータメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、及びそれらの混合物からなる群より選択されるグルココルチコイドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
薬理活性化合物を哺乳類の口腔粘膜にスプレーすることを有する請求項1〜11項のいずれか1項に記載の組成物の使用方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−502149(P2006−502149A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−531572(P2004−531572)
【出願日】平成15年8月27日(2003.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/026856
【国際公開番号】WO2004/019904
【国際公開日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願人】(505073107)ノヴァデル ファーマ インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】