説明

アレルゲンインジケーター付き清掃用具

【課題】清掃後のアレルゲンの除去を定性的に確認することのできる清掃用具を提供する。
【解決手段】アレルゲンを検出するアレルゲンインジケーター付き清掃用具1であって、繊維状物質で形成された清掃部2を備える清掃用具本体と、前記清掃部2上に配置され、前記清掃部2で捕集される前記アレルゲンを溶解するアレルゲン溶解液8を供給するアレルゲン溶解液供給部3と、前記清掃部2とアレルゲン溶解液供給部3との間に配置され、前記アレルゲン溶解液供給部3から供給される前記アレルゲン溶解液8に溶解したアレルゲンを検出するアレルゲン検出部9と、を有するアレルゲンインジケーター付き清掃用具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃後のアレルゲン除去の確認ができる清掃用具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、先進諸国を中心として、種々のアレルギー疾患により苦痛を受けている人が著しく増加している。アレルギー疾患としては、例えば、小児喘息やアトピー性皮膚炎、花粉症等を挙げることができ、アレルギー患者が固有のアレルゲンを吸入したり、あるいは接触することにより、発症するものである。
【0003】
このような状況下、アレルゲンを低減化できる成分を基材に含浸させた清掃シートが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の清掃シートによれば、清掃部となる不織布シートに付着したアレルゲンを不活性化し、人体への影響を低減することが可能となる。
【特許文献1】特開2003−081842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、アレルギー疾患の症状改善のためには、患者をアレルゲンから遠ざけることが最も有効な手段であり、そのためには、アレルゲンの存在場所と存在量等を把握しておく必要がある。しかしながら、特許文献1に記載の清掃シートによれば、実際にアレルゲンが低減または除去されているかの効果を検証することができなかった。
【0005】
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、清掃後のアレルゲン除去を定性的に確認することのできる清掃用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、清掃用具にアレルゲンインジケーターを設けることに着目して鋭意研究を重ねた。その結果、アレルゲン検出部を清掃部上に設けることにより、清掃によりアレルゲンが除去できたかどうかを確認することができることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0007】
(1) アレルゲンを検出するアレルゲンインジケーター付き清掃用具であって、繊維状物質で形成された清掃部を備える清掃用具本体と、前記清掃部上に配置され、前記清掃部で捕集される前記アレルゲンを溶解する液体を供給するアレルゲン溶解液供給部と、前記清掃部とアレルゲン溶解液供給部との間に配置され、前記アレルゲン溶解液供給部から供給される前記液体に溶解したアレルゲンを検出するアレルゲン検出部と、を有するアレルゲンインジケーター付き清掃用具。
【0008】
(1)のアレルゲンインジケーター付き清掃用具は、繊維状物質で形成された清掃部を備える清掃用具本体と、アレルゲンを溶解するためのアレルゲン溶解液供給部と、アレルゲンを検出するアレルゲン検出部と、を備えることを特徴とする。この清掃用具では、清掃部で捕集されたアレルゲンは、アレルゲン溶解液供給部から供給されるアレルゲン溶解液によって溶解された後、アレルゲン検出部へと導かれて検出される。従って、(1)の清掃用具によれば、清掃によってアレルゲンが除去できたか否かを確認することができる。また、定期的に掃除を行い、アレルゲンの除去状況を確認することにより、アレルゲン量の増減を目で検証することができるため、アレルゲン量の多い場所、季節による変化等を把握でき、重点的に掃除をしなければならない場所等を把握することが可能となる。
【0009】
(2) 前記アレルゲン溶解液供給部は、前記清掃部側の表面に破断線を有する折り曲げ可能な硬質材と、この硬質材の裏面に固着された可とう性部材とで形成され、前記破断線に通ずる二個以上の収容部を備えるものであり、前記収容部には前記液体が収容されている(1)記載のアレルゲンインジケーター付き清掃用具。
【0010】
(2)の清掃用具に設けられたアレルゲン溶解液供給部は、清掃部側の表面に破断線を有する折り曲げ可能な硬質材と、この硬質材の裏面に固着された可とう性部材とで形成されたものである。さらには、破断線に通ずる二個以上の収容部を備えるものであり、この収容部にアレルゲンを溶解する液体が収容されている。この清掃用具では、アレルゲン溶解液供給部の硬質材を、破断線をきっかけとして折り曲げることにより、アレルゲン溶解液が供給され、アレルゲンの検出が行われる。従って、(2)の清掃用具によれば、清掃後、煩雑な作業を伴うことなく、清掃部で捕集されたアレルゲンの検出を容易に行うことができる。
【0011】
(3) 前記アレルゲン溶解液供給部から供給される前記液体を吸収して保持することが可能なアレルゲン溶解液吸収部をさらに有し、前記アレルゲン検出部は、前記アレルゲン溶解液吸収部に設けられる(1)又は(2)記載のアレルゲンインジケーター付き清掃用具。
【0012】
(3)の清掃用具は、アレルゲン溶解液供給部から供給される前記液体を吸収して保持することが可能なアレルゲン溶解液吸収部を更に有するものであり、アレルゲン検出部がこのアレルゲン溶解液吸収部に設けられたものである。この清掃用具では、アレルゲン溶解液供給部から供給されたアレルゲン溶解液は、清掃部に付着したアレルゲンを溶解しつつ、アレルゲン溶解液吸収部に含浸し、毛細管現象を利用して吸収部全体に拡散していく。そして、含浸拡散したアレルゲン溶解液が、アレルゲン溶解液吸収部に設けられたアレルゲン検出部に到達すると、アレルゲンの検出が行われる。従って、(3)の清掃用具によれば、アレルゲン溶解液吸収部を含浸拡散する間に、アレルゲン溶解液にアレルゲンが十分に溶解できることから、アレルゲンの検出がより確実なものとなる。
【0013】
(4) 前記アレルゲン検出部は、前記アレルゲン溶解液供給部側から目視可能である(1)から(3)いずれか記載のアレルゲンインジケーター付き清掃用具。
【0014】
(4)の清掃用具は、アレルゲン検出部が、アレルゲン溶解液供給部側から目視可能となるように設けられているものである。アレルゲン検出部がアレルゲン溶解液供給部側から目視可能となれば、清掃によって汚れていない側から検出部を目視できるため、アレルゲンの存在有無の確認が容易となる。
【0015】
(5) 前記アレルゲン溶解液供給部及びアレルゲン検出部は、前記清掃用具本体から取り外し可能である(1)から(4)いずれか記載のアレルゲンインジケーター付き清掃用具。
【0016】
(5)の清掃用具は、アレルゲン溶解液供給部及びアレルゲン検出部が、清掃用具本体から取り外し可能なものである。アレルゲン溶解液供給部及びアレルゲン検出部が清掃用具本体の一部である場合には、清掃用具から取り外すことにより、アレルゲン供給部の硬質材の破断線をきっかけとする折り曲げが容易となるため、アレルゲンの検出操作を容易に行うことが可能となる。また、同一の清掃用具で数箇所の清掃を行う場合には、各清掃場所における清掃の後に、アレルゲン溶解液供給部及びアレルゲン検出部を清掃用具本体から取り外し、各所につきアレルゲンの検出を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の清掃用具によれば、清掃後のアレルゲン除去を定性的に確認することができ、清掃により実際にアレルゲンが除去されているのかを検証することができる。このため、掃除の達成感を期待できる。また、定期的に掃除を行い、アレルゲンの除去状況を確認することにより、アレルゲン量の増減を目で検証することができるため、アレルゲン量の多い場所、季節による変化等を把握でき、重点的に掃除をしなければならない場所等を特定することができる。従って、本発明の清掃用具を用いて掃除することにより、小児喘息やアトピー性皮膚炎、花粉症等の予防にも有効となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態以外の各実施形態の説明において、第1実施形態と共通するものについては、同一符号を付し、その説明を省略若しくは簡略化する。
【0019】
<第1実施形態>
[アレルゲン検査部付き清掃用具の全体構成]
本実施形態にかかる清掃用具の断面図を図1に示す。清掃用具1は、繊維状物質で形成された清掃部2と、清掃部2上に配置されたアレルゲン溶解液供給部3を備えている。アレルゲン溶解液供給部3は、清掃部側の表面に硬質材5と、当該硬質材5の裏面に固着された可とう性部材4で形成され、硬質材5には、折り曲げのきっかけとなる破断線7が設けられている。また、可とう性部材4には、破断線7に通ずる2個以上の収容部6が備えられており、収容部6にはアレルゲン溶解液8が収容されている。また、清掃部2とアレルゲン溶解液供給部3との間には、アレルゲン溶解液吸収部10が備えられ、アレルゲン溶解液吸収部10には、アレルゲン検出部9が設けられている。
【0020】
次に、第1実施形態にかかる清掃用具1によるアレルゲンの検出方法を説明する。アレルゲンの検出にあたっては、先ず、清掃用具1の清掃部2を、掃除をしたい場所に密着させ、ハウスダスト等を清掃付着させる。清掃後、アレルゲン溶解液8の収容部6の山を向かい合わせるようにしてアレルゲン溶解液供給部3を山折りにすることにより、硬質材5に設けられた破断線7をきっかけとして硬質材5を分断する。硬質材5が破断線7で分断されると、収容部6に収容されていたアレルゲン溶解液8が流出し、清掃部2に付着したアレルゲンを溶解しつつ、アレルゲン溶解液吸収部10に含浸し、毛細管現象を利用してアレルゲン溶解液吸収部10に拡散していく。やがて、含浸拡散したアレルゲン溶解液8は、アレルゲン溶解液吸収部10に設けられた検出部9に到達し、アレルゲンが含まれていた場合には、検出部の色が変化することにより、アレルゲンの存在を確認できる。
【0021】
[清掃部]
清掃用具1に備えられる繊維状物質で形成された清掃部2は、アレルゲンを含むホコリ、糸屑、毛髪、砂、食品屑及び草等のハウスダストを除去し、捕捉が可能なものであれば特に限定されるものではない。本発明の清掃部2としては、例えば、不織布シートを使用することが可能である。不織布を構成する材料としては、天然セルロース、および、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリエステル、ポリアミド、合成セルロース(例えば、レーヨン(登録商標))などの合成繊維、またはそれらの配合物を挙げることができ、不織布の例としては、スパンボンド不織布や、メルトブロー不織布、ポイントボンド不織布、スルーエア不織布等を挙げることができる。清掃部2を構成する材料の疎水性度又は親水性度は、除去しようとする汚れのタイプ、添加剤の存在、付与される添加剤のタイプ、生分解性、入手可能性等の観点で、目的に応じて最適化される。
【0022】
[アレルゲン溶解液供給部]
清掃用具1に備えられるアレルゲン溶解液供給部3は、清掃部2側の表面に硬質材5と、当該硬質材5の裏面に固着された可とう性部材4から形成されるものであり、硬質材5には、折り曲げのきっかけとなる破断線7が設けられている。また、可とう性部材4には、破断線7に通ずる2個以上の収容部6が備えられており、収容部6にはアレルゲン溶解液8が収容される。アレルゲン溶解液8の収容部6の山を向かい合わせるようにして、アレルゲン溶解液供給部3を山折りにすることにより、硬質材5に設けられた破断線7をきっかけとして硬質材5が分断され、収容部6に収容されていたアレルゲン溶解液8が流出するものである。
【0023】
アレルゲン溶解液供給部3の可とう性部材4の材料としては、可とう性を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリブチルサクシネート等の合成樹脂を挙げることができる。特に、アレルゲン供給部3の側から、検出部の呈色が透過して目視できるようにするためには、可とう性部材4は透明あるいは半透明の材料で製造されることが好ましい。また、アレルゲン溶解液の収容部6を一体成型する場合には、収容部6が製造可能な材料を選択する必要がある。このような材料としては、例えば、ポリエチレンやポリロピレン等を挙げることができる。
【0024】
また、アレルゲン溶解液供給部3の硬質材5は、アレルゲン溶解液8の収容部6に通ずる破断線7を有している。破断線7は、アレルゲン溶解液8の収容部6の山を向かい合わせるようにしてアレルゲン溶解液供給部3を山折りにした場合に、硬質材5を分断するきっかけとなるものである。硬質材5の材料としては、分断可能となる程度の剛性を有するものであれば特に限定されるものではない。また、硬質材5の材料としては、可とう性部材4の材料と同一でもよいし、異なる素材のものを用いることも可能である。
【0025】
[アレルゲン溶解液の収容部]
清掃用具1には、アレルゲン溶解液供給部3の硬質材5に設けられた破断線7に通ずる2個以上のアレルゲン溶解液8の収容部6が備えられており、収容部6にはアレルゲン溶解液8が収容されている。収容部6を構成する材料は、特に限定されるものではなく、可とう性部材4と同様であっても、異なっていてもよい。また、アレルゲン溶解液8の収容部6は、可とう性部材4と一体成型されていても、別に成型されていてもよい。本発明においては、収容部6は、ブリスター成型により可とう性部材4に設けられることが好ましい。
【0026】
[アレルゲン溶解液]
収容部6に収容されるアレルゲン溶解液8は、アレルゲンを溶解できる液体であれば特に限定されるものではない。対象とするアレルゲンに応じて種々のものを用いることができるが、ダニや花粉等を対象とする場合には、リン酸緩衝液を主成分とするものが好適であり、さらに詳しくは、緩衝成分、界面活性剤を含有し、Ca、Mg等の塩を含まないものを利用することが好ましい。
【0027】
[アレルゲン溶解液吸収部]
清掃用具1に備えられアレルゲン溶解液吸収部10は、破断線7において分断されたアレルゲン供給部3から流出したアレルゲン溶解液8を、毛細管現象を利用して含浸拡散させる機能を有するものであれば、特に限定されるものではない。本発明において、アレルゲン溶解液吸収部10の材料としては、例えば、ろ紙等を挙げることができる。アレルゲン溶解液8は、清掃部2に付着したアレルゲン物質を溶解しつつ、アレルゲン溶解液吸収部10に拡散していく。
【0028】
[検出部]
アレルゲン溶解液吸収部10に設けられた検出部9における検出は、一般に使用されているいずれの方法も使用可能であり、例えば、抗原抗体反応を利用することが可能である。抗原抗体反応を用いる場合のアレルゲンの存在有無の検出は、呈色により目視することができ、通常使用される方法のいずれも採用することができる。例えばエンザイムイムノアッセイ(EIA)またはイムノクロマトアッセイを使用することができる。
【0029】
<第1実施形態の変形例>
第1実施形態の変形例にかかる清掃用具の断面図を図2に示す。図2に表された清掃用具は、第1実施形態の清掃用具1の清掃部2に、粘着剤11が付着したものである。清掃部2に粘着剤が間欠的に塗布されることにより、清掃部を構成する繊維の隙間のみではなく、積極的に粘着剤周囲にもハウスダストを捕捉することが可能となる。これにより、アレルゲンの除去効率を向上させることができる。本実施形態において使用される粘着剤11は、特に限定されるものではないが、例えば、ホットメルト粘着剤を挙げることができる。また、清掃部2への塗布方法も特に限定されるものではなく、例えば、スロットコーター等を採用することができる。
【0030】
[作用、効果]
第1実施形態にかかる清掃用具1では、清掃用具にアレルゲン検出部を設けることにより、清掃によってアレルゲンが除去できたか否かを確認することができる。また、定期的に掃除を行い、アレルゲンの除去状況を確認することにより、アレルゲン量の増減を目で検証することができるため、アレルゲン量の多い場所、季節等を把握することが可能となる。また、表面シートを透明または半透明とすれば、清掃により汚れた清掃面の側ではなく、清掃面と反対の側から検出部の呈色が透過して目視できるため、アレルゲンの存在有無を確認することが容易となる。
【0031】
<第2実施形態:モップ型清掃部を有する清掃用具>
図3は、モップ型清掃部を有する清掃用具20を表す図である。(a)は、清掃前の清掃部シートを表す図であり、アレルゲンインジケーター付き清掃用具1を清掃シートの一部に有するものである。(b)は、清掃時の清掃用具の形態を表す図である。清掃時には、アレルゲンインジケーター付き清掃用具1が一部に組み込まれた清掃シートに、持ち手が組み込まれた状態となる。(c)は、清掃後にアレルゲンの検出を行った清掃部シートを表す図である。清掃シートから持ち手を取り除いた後に、アレルゲン溶解液供給部の収容部の山を向かい合わせるように山折りにすることにより、破断線をきっかけにして硬質材を分断し、アレルゲン溶解液をアレルゲン溶解液吸収部に流出拡散させ、検出部により検出する。
【0032】
なお、アレルゲンインジケーター付き清掃用具1は、その最表面が清掃部の最表面と同一の面又はそれよりも突出した位置に配置されていることが好ましく、この場合には、インジケーターの最表面に効率良く塵芥を収集できる。また、モップ型清掃部のうち、アレルゲンインジケーター付き清掃用具1が配置される部分の周縁は、モップ型清掃部を構成する繊維の長さが、インジケーターの表面に達しない程度に短く形成されていることが好ましい。これにより、モップ型清掃部を構成する繊維によって妨害されることなく、インジケーターの最表面が清掃対象に接触できる。特に、インジケーターの最表面に粘着剤等を用いた場合には、モップ型清掃部を構成する繊維がインジケーターに絡むことも無く、アレルゲンの検出を確実に行うことができる。
【0033】
<第2実施形態の変形例:シート型清掃部を有する清掃用具>
図4は、シート型清掃部を有する清掃用具30を表す図である。(a)は、清掃前の清掃部シートを表す図であり、アレルゲンインジケーター付き清掃用具1を清掃シートの一部に有するものである。(b)は、清掃時の清掃用具の形態を表す図である。清掃時には、アレルゲンインジケーター付き清掃用具1が一部に組み込まれた清掃シートは、清掃具のヘッドに巻きつけられた状態となる。(c)は、清掃後にアレルゲンの検出を行った清掃部シートを表す図である。清掃シートは清掃具のヘッドから取り除かれた後、アレルゲン溶解液供給部の収容部の山を向かい合わせるように山折りにすることにより、破断線をきっかけにして硬質材を分断し、アレルゲン溶解液をアレルゲン溶解液吸収部に流出拡散させ、検出部により検出する。なお、本変形例においても、アレルゲンインジケーター付き清掃用具1の配置は、第2実施形態と同様の配置構成とすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1実施形態にかかる清掃用具の断面図である。
【図2】第1実施形態の変形例にかかる清掃用具の断面図である。
【図3】第2実施形態にかかる清掃用具を表す図である。(a)は、清掃部シートを表す図である。(b)は、清掃時の清掃用具を表す図である。(c)は、清掃後にアレルゲンの検出を行った清掃部シートを表す図である。
【図4】第2実施形態の変形例にかかる清掃用具を表す図である。(a)は、清掃部シートを表す図である。(b)は、清掃時の清掃用具を表す図である。(c)は、清掃後にアレルゲンの検出を行った清掃部シートを表す図である。
【符号の説明】
【0035】
1 アレルゲンインジケーター付き清掃用具
2 清掃部
3 アレルゲン溶解液供給部
4 可とう性部材
5 硬質材
6 収容部
7 破断線
8 アレルゲン溶解液
9 検出部
10 アレルゲン溶解液吸収部
11 粘着剤
20 モップ型清掃部を有する清掃用具
30 シート型清掃部を有する清掃用具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレルゲンを検出するアレルゲンインジケーター付き清掃用具であって、
繊維状物質で形成された清掃部を備える清掃用具本体と、
前記清掃部上に配置され、前記清掃部で捕集される前記アレルゲンを溶解する液体を供給するアレルゲン溶解液供給部と、
前記清掃部とアレルゲン溶解液供給部との間に配置され、前記アレルゲン溶解液供給部から供給される前記液体に溶解したアレルゲンを検出するアレルゲン検出部と、を有するアレルゲンインジケーター付き清掃用具。
【請求項2】
前記アレルゲン溶解液供給部は、前記清掃部側の表面に破断線を有する折り曲げ可能な硬質材と、この硬質材の裏面に固着された可とう性部材とで形成され、前記破断線に通ずる二個以上の収容部を備えるものであり、
前記収容部には前記液体が収容されている請求項1記載のアレルゲンインジケーター付き清掃用具。
【請求項3】
前記アレルゲン溶解液供給部から供給される前記液体を吸収して保持することが可能なアレルゲン溶解液吸収部をさらに有し、
前記アレルゲン検出部は、前記アレルゲン溶解液吸収部に設けられる請求項1又は2記載のアレルゲンインジケーター付き清掃用具。
【請求項4】
前記アレルゲン検出部は、前記アレルゲン溶解液供給部側から目視可能である請求項1から3いずれか記載のアレルゲンインジケーター付き清掃用具。
【請求項5】
前記アレルゲン溶解液供給部及びアレルゲン検出部は、前記清掃用具本体から取り外し可能である請求項1から4いずれか記載のアレルゲンインジケーター付き清掃用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−198170(P2006−198170A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−13013(P2005−13013)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】