アンカー用受圧装置
【課題】より簡素な構成に基づいて受圧機能に必要な剛性が簡便に得られ、軽量化による施工性の向上にも有効であり、しかも根茎のからみつきも良好な、使い勝手のよいアンカー用受圧装置を提供する。
【解決手段】受圧装置1の略中央部に設置されるアンカー部材2の挿通部3を中心に放射方向に延びる腕部7を備え、かつそれらの腕部7の骨組みを、上下方向の間隔を設けて設置した上部棒状部材8及び下部棒状部材9と、それらの上下部の棒状部材間に波形状に配設した波形棒状部材10等の棒状間隔保持部材を用いて構成する。
【解決手段】受圧装置1の略中央部に設置されるアンカー部材2の挿通部3を中心に放射方向に延びる腕部7を備え、かつそれらの腕部7の骨組みを、上下方向の間隔を設けて設置した上部棒状部材8及び下部棒状部材9と、それらの上下部の棒状部材間に波形状に配設した波形棒状部材10等の棒状間隔保持部材を用いて構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地山等の斜面の安定化などに使用されるアンカー用受圧装置に関する。すなわち、ロックボルトや、PC鋼線、PC鋼より線、異形PC鋼棒等を用いたアンカーテンドンなどから構成されるアンカー部材に作用する引張力を地盤側へ伝達するアンカー用受圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のアンカー用受圧装置に関し、アンカー部材の挿通部を中心に放射状に延びる腕部を籠状構造物により構成することにより施工面の凹凸になじみやすく改良したものが知られている(特許文献1)。しかしながら、この従来技術の場合には、施工面の凹凸に対する適応性の点では優れているものの、アンカー部材に作用する引張力を地盤側へ伝達する機能の点では問題があった。すなわち、籠状構造物が施工面の凹凸になじむ柔軟性を有するが故に、アンカー部材に作用する引張力が地盤側へ伝達される過程で前記籠状構造物に曲げ変形が生じてしまい、各腕部の中心側で地盤側からの多くの圧力を受け、先端部側へいくに従い伝達力が弱まり、地盤側に対して腕部全体で圧力を受けるという受圧装置としての機能が損われるといった問題があった。
【特許文献1】特許第2903462号公報
【0003】
因みに、前記従来技術において受圧装置としての機能を強化するには、籠状構造物の内部へモルタルや砕石、砂利等の重量物を充填するという方法があるが、それらの重量物の充填は、逆に植生基材の籠状構造物内への充填の障害になるばかりでなく作業性も低下するといった別の問題があった。さらに、籠状構造物の場合には構造が複雑になり、手間のかかる加工が必要とされるだけでなく、重量が大きくなり施工上の取扱いも面倒なことから、コスト的にも割高についた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上のような従来の技術的状況に鑑みて開発したものであり、より簡素な構成に基づいて受圧機能に必要な剛性が簡便に得られ、軽量化による施工性の向上にも有効であり、しかも根茎のからみつきも良好な、使い勝手のよいアンカー用受圧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、請求項1の発明では、受圧装置の略中央部に設置されるアンカー部材の挿通部を中心に放射方向に延びる腕部を設け、その腕部の骨組みを、上下方向の間隔を設けて設置する上部棒状部材及び下部棒状部材と、それらの上下部の棒状部材間に波形状に配設する棒状間隔保持部材とを用いて構成するという技術手段を採用した。その場合、前記棒状間隔保持部材として波形状に折曲げ形成した波形棒状部材を用い、その波形棒状部材の折返し頂点部分にて前記上部棒状部材と下部棒状部材に対して交互に連結するように構成してもよいし(請求項2)、複数の短い直線状の棒状部材を用いて前記上部棒状部材と下部棒状部材に対して波形状に順次連結するようにしてもよい。前記上部棒状部材を1本の棒状部材から、前記下部棒状部材を互いに離間した2本の棒状部材から構成するようにしてもよい(請求項3)。また、前記下部棒状部材相互間を板材にて部分的に連結してなる補強手段を付設することも可能である(請求項4)。さらに、前記下部棒状部材相互間を中央部の下板から一体的に延設された放射状の板材にて連結するように構成することも可能である(請求項5)。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、次の効果を得ることができる。
(1)本発明では、放射方向に延びる腕部の骨組みを、上下方向の間隔を設けて設置した上部棒状部材及び下部棒状部材と、それらの上下部の棒状部材間に波形状に配設した棒状間隔保持部材との組合わせを用いて構成したので、腕部の剛性を効果的に高めることができる。これにより、各腕部の先端部まで受圧作用を的確に分担させることが可能となり、従来技術のように受圧作用が腕部の根元部分に偏ることなく、装置全体で良好な受圧機能を実現することができる。
(2)本発明では、棒状の部材からなる骨組み構造を採用したので、各構成部材に対する草木の根茎などのからみつきが良好で、本受圧装置と地盤との一体化が促進され、自然的な景観をより効果的に維持することができる。
(3)棒状の部材からなる骨組み構造により軽量化も可能であり、しかも棒状で持ちやすいことから、施工性の向上にもきわめて有効である。
(4)腕部を棒状部材から構成したので、鋳型などの高価な加工手段を用いることなく、溶接等のより簡便な加工によって腕部を形成することができ、この点からもコストの削減に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、略中央部に設置されるアンカー部材の挿通部を中心に放射方向に延びる腕部を備えたアンカー用受圧装置であれば、広く適用することができる。その腕部の設置数や配置に関しては、十字状に4本設置する形態や、Y字状に3本設置する形態、他の多角位置に設置する形態、あるいはアンカー部材の挿通部を中心に両側に2本設置する形態など、種々の配置形態が可能である。また、本発明に係るアンカー用受圧装置の設置状態に関しては、それぞれが離間した独立状態に設置される独立設置形態でも、隣接するアンカー用受圧装置の腕部同士が直接的あるいは間に中間部材を挟んで連続的に設置される連続設置形態でも適用が可能である。特に後者の連続設置形態の場合は法枠の形成に好適である。ところで、前記各腕部を構成する上下部の棒状部材の具体的な配置に関しては、1本の上部棒状部材と互いに離間した2本の下部棒状部材との組合わせからなる断面三角形状の配置形態が剛性も大きく好適であるが、1本の上部棒状部材と1本の下部棒状部材との組合わせからなる平面的な配置形態や、断面矩形状の配置形態など、他の設置形態も可能である。要は、互いに上下方向の間隔をあけて設置された棒状部材であればよい。
【0008】
前記上部棒状部材及び下部棒状部材からなる上下部の棒状部材間には棒状間隔保持部材が波形状に配設され、トラス状の骨組み構造が構成される。棒状間隔保持部材としては、前述のように、波形状に折曲げ形成した波形棒状部材を用い、その波形棒状部材の折返し頂点部分にて前記上部棒状部材と下部棒状部材に対して交互に連結するように構成してもよいし、複数の短い直線状の棒状部材を用いて前記上部棒状部材と下部棒状部材に対して波形状に順次連結するようにしてもよい。しかして、本発明に係る受圧装置の腕部ではトラス状の骨組み構造を採用したので、その棒状部材の各部に作用する曲げ荷重や剪断荷重が大幅に軽減されることから、部材が持つ引張強度や圧縮強度を効果的に活用することができ、より高い剛性を簡便に得ることができるとともに、延いては軽量化やコストの削減にも有効である。因みに、波形棒状部材に関する具体的な形状ついては、各折返し頂点部分において折線的に変化する直線的なものでもよいし、各折返し頂点部分において曲線的に変化するものでもよい。もちろん、上下部の棒状部材間に波形状に配設される棒状間隔保持部材の傾斜部の具体的な傾斜角度に関しては、場合に応じて自由な設定が可能である。また、その棒状間隔保持部材の中央部側、すなわちアンカー部材の挿通部側の端部に関しては、下方へ傾斜した部分がくるように構成してもよいし、上方へ傾斜した部分がくるように構成してもよい。さらに、下部棒状部材相互間を板材や波形棒状部材などの適宜の部材により連結するようにすれば、下部棒状部材相互間の拡開を簡単に防止することができる。その場合に、下部棒状部材相互間を板材にて部分的に連結するようにすれば、同時に受圧機能も改善することができる。また、前記下部棒状部材相互間を中央部の下板から一体的に延設された放射状の板材にて連結するようにすれば、受圧装置全体を一体的に構成することができ、受圧強度や施工性の向上にも有効である。なお、前記上下部の棒状部材や、それらの棒状部材間を連結する棒状間隔保持部材などの材質に関しては、受圧機能に十分な強度を有するものであれば、鋼製など金属製のものに限らず、合成樹脂製のものなども可能である。
【実施例】
【0009】
図1は本発明に係るアンカー用受圧装置の設置状態を片側断面で示した施工状態図であり、図2はその中央の部分を拡大して示した部分拡大図である。図示のように、アンカー用受圧装置1は、その略中央部にアンカー部材2の挿通部3を備えている。本実施例は、アンカー部材2としてロックボルトを使用した場合を示したものであり、図2のようにロックボルトが挿通可能なパイプ状の挿通管4と、その挿通管4を挟んで上下の端部に溶接等により固着された上板5と下板6とによって、アンカー部材2の挿通部3を構成している。また、アンカー部材2の挿通部3の外方には該挿通部3を中心に放射方向に延びる適宜数の腕部7を備え、それらのアンカー部材2の挿通部3と放射方向に延びる適宜数の腕部7とによって、アンカー用受圧装置1を構成している。そして、それぞれの腕部7においては、上板5に対して溶接等により内端部側が固着された上部棒状部材8と、下板6に対して溶接等により内端部側が固着された下部棒状部材9と、それらの上下部の棒状部材8,9間を連結する、本実施例では波形状に折曲げ形成された波形棒状部材10からなる棒状間隔保持部材を用いた、棒状部材からなる骨組み構造が採用されている。
【0010】
しかして、施工に際しては、地盤11側に定着されたアンカー部材2の地上に露出した頭部に対して、その頭部が挿通管4と同心的に前記下板6に形成された挿通孔へ挿入されるように位置合せを行いながら、アンカー用受圧装置1全体を下降させ、図示のように下板6と腕部7を構成する下部棒状部材9が地盤11側に当接するように、アンカー用受圧装置1の載置作業が実施される。因みに、このアンカー用受圧装置1の地盤11側への載置作業においては、予め工場等において挿通部3に対して各腕部7を固着した状態で現場に搬入し、アンカー部材2の地上に露出した頭部に対して外嵌設置するのが通常の作業手順であるが、挿通管4と上板5と下板6から構成される挿通部3のみをアンカー部材2の地上に露出した頭部に外嵌設置した後に、その挿通部3に対して各腕部7を固着するという作業手順も可能である。そして、アンカー用受圧装置1の地盤11側への載置作業が済んだら、図示のように上板5に形成された挿通孔を介して上方へ露出したアンカー部材2の頭部に対して、本実施例では球面座金付きのナット12を螺合して前記上板5上に載置された球面座金13に対して締付け固定することにより、アンカー部材2としてのロックボルトに引張力を作用させて所期の緊張状態に維持する。しかる後、アンカー部材2の頭部に防錆キャップ14を設置して内部に防錆油を充填することにより防錆処置を施す。さらに、それらのナット12によるアンカー部材2の締付け固定作業あるいは防錆キャップ14による防錆作業に前後して、必要に応じて腕部7やその周囲に対して緑化基材等を吹付けなどにより供給することによってアンカー用受圧装置1の設置作業が終了することになる。因みに、その設置後のアンカー用受圧装置1全体を網材などの多孔材により被うようにすれば、前記緑化基材等をより安定的に定着させることができる。
【0011】
図3はアンカー用受圧装置に関する実施例の全体を示した平面図であり、図4はその正面図である。また、図5はその腕部7を示した部分拡大図であり、図6は左側面図、図7は部分斜視図である。図3及び図4に示したように、本実施例に係るアンカー用受圧装置1では、アンカー部材2の挿通部3を中心にして十字状に4本の腕部7a〜7dを備えている。そして、それらの各腕部7a〜7dでは、図5〜図7に示したように、1本の上部棒状部材8と互いに離間した2本の下部棒状部材9a,9bとの組合わせを採用し、それらの上部棒状部材8と下部棒状部材9aとの間、及び上部棒状部材8と下部棒状部材9bとの間を、波形状に折曲げ形成した波形棒状部材10からなる棒状間隔保持部材を介して連結するというトラス状の棒状骨組み構造を採用している。すなわち、波形状に折曲げ形成した波形棒状部材10の各折返し頂点部分にて上部棒状部材8又は下部棒状部材9a,9bに対して交互に連結することにより、上部棒状部材8及び下部棒状部材9a,9bを頂点とする三角形状の横断面からなるトラス状の骨組構造を形成し、波形棒状部材10の折返し頂点相互間の中間各部に作用する曲げ荷重や剪断荷重を大幅に軽減して、本来の引張強度や圧縮強度を最大限利用できるように構成している。したがって、本実施例の場合には、より高い剛性を効果的かつ簡便に得ることができるとともに、延いては軽量化やコストの削減にもきわめて有効である。
【0012】
因みに、上記実施例では、波状棒状部材10の挿通部3側の端部に、上方へ傾斜した部分がくるように構成したが、図2に例示したように下方へ傾斜した部分がくるように構成することも可能である。さらに、必要に応じて、図3及び図4に示したように各腕部7a〜7dの下部棒状部材9a,9b相互間を板材からなる連結板15a〜15dにて部分的に連結することにより、それらの下部棒状部材9a,9b相互間の拡開を防止し得るとともに、地盤側に対する受圧機能を改善することができる。また、上記実施例では、4本の腕部7a〜7dを個別的に製作し、それぞれ挿通部3に対して固着することにより十字状に腕部を設置する場合を示したが、予め2本分の長さの腕部を直線状に製作したものをL字状に屈曲し、そのL字状に屈曲されたユニットを2組用いて十字状に配置した状態で挿通部3に固着することにより、全体として十字状に腕部を設置することも可能である。また、前記上部棒状部材8、下部棒状部材9a,9b、及び波形棒状部材10からなるユニットを上下に入れ子状に重ねて腕部7a〜7dを構成することも可能であり、これにより剛性を更に高めることが可能である。
【0013】
図8〜図10は腕部に関する変形例を示したものであり、それぞれ(A)は正面図、(B)は左側面図を示したものである。図8に示した変形例は、三角形状の波形に折曲げ形成した前記波形棒状部材10に替え、のこぎり刃状の波形に折曲げ形成した波形棒状部材16を用いて、上部棒状部材17と下部棒状部材18a又は18bとの間を連結することにより、棒状部材からなる骨組み構造を採用した腕部19を示したものである。このように、波形棒状部材に関する具体的な波形形状については種々の変形が可能である。また、図9に示した変形例は、上下1列に離間して配設した上部棒状部材20と下部棒状部材21に対して、波形に折曲げ形成した波形棒状部材22をその各折返し頂点部分にて連結することにより、平面的な棒状部材からなる骨組み構造を採用した腕部23を示したものである。この場合、図示はしないが、各腕部23の下部側に適宜の板材が設置される。また、図9に示したように平面的に形成された棒状部材からなる平面ユニットを挿通部3に対して各方向に1組ずつ固着する形態の他に、略2倍の長さに形成された平面ユニットを更にL字状に屈曲したL形ユニットを4組用いて、それらのL形ユニットの角部を内側にして井桁状に配置した状態で各角部を挿通部3に固着することにより、各腕部が対向する二つの平面的に形成された棒状部材から構成される形態も可能である。さらに、図10に示した変形例は、(B)の左側面図で示したように四角形の各隅部に配設した上部棒状部材24a,24bと下部棒状部材25a,25bの4つの棒状部材によって形成される4つの外側面に対して、それぞれ波形に折曲げ形成した波形棒状部材26a〜26dをそれらの各折返し頂点部分にて連結することにより、矩形状の棒状部材からなる骨組み構造を採用した腕部27を示したものである。因みに、この変形例において、上部棒状部材24a,24b及び下部棒状部材25a,25bが配設される四角形の縦横比を変更し得ることはいうまでもない。また、図11に示した変形例のように、上部棒状部材28と下部棒状部材29との間隔を先端部側へ移るに従い縮小するように構成したり、逆に拡大するように構成したりすることも可能である。
【0014】
図12はアンカー部材の挿通部に関する変形例を示した平面図である。図示のように、本変形例は、アンカー部材の挿通部を構成する前記下板6に替えて地盤側との当接面積を拡大した下板30を採用したものである。このように、下板の大きさを選定することにより地盤側との当接面積を拡大することができる。その場合に、下板をパンチングメタルや網材等の多孔状の板材により構成することにより、地盤に対する通気性や通水性を改善することが可能である。また、図13に示したように上板31あるいは上部棒状部材32とパイプ状の挿通管33との間に補強板34を設けたり、図14に示したように下板35と上板31あるいは上部棒状部材32との間に補強用の間隔保持軸36を設けるなど、補強手段を備えたアンカー部材の挿入部37も可能である。さらに、前記パイプ状の挿通管33に替えて、下板35と上板31との間に複数本の間隔保持軸を円周上あるいは四角形などの多角形の各隅部に配設し、それらの間隔保持軸によって囲まれる内方にアンカー部材の挿通空間を形成するアンカー挿入部の形態も可能である。
【0015】
図15〜図17はハンチ部に関する変形例を示した平面図である。図15に示した変形例は、各腕部7a〜7dの下部棒状部材9間に棒状の連結用部材38を渡して連結することによりハンチ部の補強を図ったものである。また、図16に示した変形例は、前記連結部材38に替え、水平方向に離間した2本の棒状部材39,40間を波形棒状部材41により連結した連結用部材42を用いて、各腕部7a〜7dの下部棒状部材9間を連結することによりハンチ部の補強を図ったものである。さらに、図17に示した変形例は、波数を増やした波形棒状部材43を採用した場合を示したものである。
【0016】
図18は本発明に係るアンカー用受圧装置に関する他の実施例を示した平面図である。図示のように、本実施例に係るアンカー用受圧装置44では、アンカー部材の挿通部45を中心に3本の腕部46a〜46cを放射状に配設することにより、それらの腕部46a〜46cをY字状に配置した場合を示したものである。なお、本実施例では、前記挿通部45を構成する上板47及び下板48として円形状のものを使用した場合を示したが、変形が可能なことはいうでもない。以上のように、アンカー用受圧装置を構成する腕部の設置数に関しては、アンカー部材の挿通部を中心に放射状に配設するものであれば増減が可能であり、例えば挿通部の両側に直線的に延びる2本の腕部からなるものなど、種々の形態が可能である。
【0017】
図19〜図21は本発明に係るアンカー用受圧装置に関する他の実施例を示したもので、図19は平面図、図20は正面図である。また、図21は下板部分を示した平面図である。図示のように、本実施例に係るアンカー用受圧装置49では、図12に示した前記変形例と同様の基本的構成を採用した場合を例示した。本実施例の特徴は、アンカー部材の挿通部を構成する前記下板30に替えて、下板50を採用した点にある。この下板50は、図21に示したように、略四角形の下板中央部50sと、その下板中央部50sの各角部から放射状に一体的に延設された板材からなる下板腕部50a〜50dとによって構成される。そして、前記アンカー用受圧装置49は、図19及び図20に示したように、下板50と上板51との間に各腕部7a〜7dを放射状に設置するとともに、それらの各腕部7a〜7dの下部棒状部材9a,9b相互間を、前記下板中央部50sの各角部から放射状に延設された下板腕部50a〜50dによって連結支持することにより形成される。これにより、前記下部棒状部材9a,9b相互間の拡開が防止されるとともに、アンカー用受圧装置49を全体的に一体化することができる。なお、図21に示したように、下板中央部50sから放射状に延設された下板腕部50a〜50dの部分に適宜形状の開口部52a〜52dを形成すれば、草木の育成の促進や装置の軽量化に有効である。因みに、本実施例に係る前記下板50に関しては、他の図面に例示した基本的構成からなるアンカー用受圧装置に対しても適用可能であることはいうまでもない。また、下板中央部50sと各下板腕部50a〜50dとは、溶接等により事後的に接合したものでもよいし、初めから一体成形したものでもよい。さらに、下板50をパンチングメタルや網材等の多孔状の板材により構成することにより、地盤に対する通気性や通水性を改善することも可能である。
【0018】
図22及び図23はアンカー用受圧装置の中央部に形成されるアンカー部材の挿通部を上板を外して示した部分拡大平面図である。図22では、アンカー材の挿通部53に円筒状の挿通管54を用いた場合を示したが、これに図示のように端部の寸法を揃えた腕部7a〜7dを適用した場合はもとより、挿通管54の外周面とそれらの腕部7a〜7dの端部との間には隙間ができやすく、両者の固着が困難なことから強度的に不利である。これに対して、図23に示したようにアンカー材の挿通部55に角形状の挿通管56を用いた場合には、腕部7a〜7dの端部との間に隙間ができにくく、固着も容易なことから強度的にも有利である。
【0019】
次に、図24〜図26に示した実験結果に基づいて本発明に係るアンカー用受圧装置に特有の優れた受圧機能に関して説明する。本実験では、本発明に係る受圧装置に関する検体として図19〜図21に示した前記アンカー用受圧装置49を用い、砂地盤上に設置して中央部に位置するアンカー材の挿通部に対して間にロードセルを挟んだ状態でセンターホールジャッキの載荷側をセットし、上方からの荷重を徐々に増やしながら中央部に位置する前記下板中央部50sの変位と前記腕部7a〜7dの各先端部の変位を変位計により測定するとともに、同時に腕部7のうちの例えば7a,7bに使用した波形棒状部材10の各傾斜部R1〜R5(図20参照)に歪みゲージをセットして各載荷時の歪みの大きさを測定した。また、従来の四角形の多孔状盤体を用いた受圧装置を比較例として砂地盤上に設置して同様の載荷実験を行い、その中央部の変位と周辺部の変位を測定した。図24は上記載荷実験により得た実験結果に基づいて作成した本発明に係るアンカー用受圧装置49及び従来の受圧装置の中央部に関する荷重−変位関係図、図25は本発明に係る腕部7a〜7dの各先端部及び従来の受圧装置の周辺部に関する荷重−変位関係図を示したものであり、それぞれ実線(A)は本発明に係る受圧装置、破線(B)は従来の受圧装置の場合を示したものである。また、図26は本発明に係る腕部7a〜7dの各傾斜部R1〜R5(図20参照)の荷重−歪み関係図を示したものである。
【0020】
しかして、図24及び図25を対比し、受圧装置の中央部と腕部の先端部あるいは周辺部に生じる変位すなわち変形の仕方を比べることにより、それらの各部における支圧状態を推測することができる。すなわち、図24及び図25における破線(B)同士を対比すれば、従来の四角形の多孔状盤体を用いた受圧装置の場合には、中央部においては荷重の増加に追随してその荷重の方向に変位量が増加する傾向にあるのに対して、周辺部では逆の方向に変位する傾向にあることが判る。つまり、従来の四角形の多孔状盤体を用いた受圧装置の場合には、中央部は荷重により砂地盤内にめり込んで荷重方向すなわち下方へ変位するが、周辺部では逆方向すなわち上方へ逃げてしまう傾向にある。これにより、この従来の支圧装置の場合には、支圧作用が中央部に集中して周辺部では支圧作用が的確に機能していないことが推測される。なお、この従来の支圧装置の場合においても、その構成部材の肉厚等を厚くして強度を高めることにより、周辺部での支圧作用を強化することは可能であるが、コストや重量の増加による作業性の低下などの別の問題が生じることになる。
【0021】
以上の従来の受圧装置の場合に対して、本発明に係るアンカー用受圧装置49の場合には、図24及び図25における実線(A)同士を対比すれば明らかのように、中央部における変位の傾向と、各腕部7a〜7dの先端部における変位の傾向がほぼ一致しており、同様の荷重−変位関係を示している。すなわち、装置の中央部に位置するアンカー材の挿通部に対して載荷される荷重により、中央部においても各腕部7a〜7dの先端部においても、その荷重の増加に追随して荷重の方向つまり下方へ変位して砂地盤内にめり込んでいくことが判る。これにより、本発明に係るアンカー用受圧装置の場合には、中央部においても各腕部の先端部においても支圧作用が的確に維持されていることが推測される。そして、この点が正に本発明に係るアンカー用受圧装置に特有の特徴であり、各腕部の骨組構造としてトラス状の骨組構造を採用したことによる効用であることは明らかである。因みに、本発明に係る腕部7a〜7dの各傾斜部R1〜R5には、図26の荷重−歪み関係図に示したように、それらの傾斜方向に応じて引張り方向の歪みあるいは圧縮方向の歪みが生じ、その歪みの大きさが載荷位置に近い中央部から先端部へ向けて小さくなっていることが判る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るアンカー用受圧装置の設置状態を片側断面で示した施工状態図である。
【図2】同アンカー用受圧装置の中央の部分を拡大して示した部分拡大図である。
【図3】アンカー用受圧装置に関する実施例を示した平面図である。
【図4】同実施例を示した正面図である。
【図5】腕部を示した部分拡大図である。
【図6】同腕部を示した左側面図である。
【図7】同腕部を示した部分斜視図である。
【図8】腕部に関する変形例を示したものであり、(A)は正面図、(B)は左側面図を示したものである。
【図9】腕部に関する他の変形例を示したものであり、(A)は正面図、(B)は左側面図を示したものである。
【図10】腕部に関する他の変形例を示したものであり、(A)は正面図、(B)は左側面図を示したものである。
【図11】腕部に関する他の変形例を示した正面図である。
【図12】アンカー部材の挿通部に関する変形例を示した平面図である。
【図13】アンカー部材の挿通部に対する補強手段を示した部分拡大図である。
【図14】アンカー部材の挿通部に対する他の補強手段を示した部分拡大図である。
【図15】ハンチ部に関する変形例を示した平面図である。
【図16】ハンチ部に関する他の変形例を示した平面図である。
【図17】ハンチ部に関する他の変形例を示した平面図である。
【図18】本発明に係るアンカー用受圧装置に関する他の実施例を示した平面図である。
【図19】本発明に係るアンカー用受圧装置に関する他の実施例を示した平面図である。
【図20】同実施例を示した正面図である。
【図21】同実施例における下板部分を示した平面図である。
【図22】アンカー用受圧装置の中央部に形成されるアンカー部材の挿通部を上板を外して示した部分拡大平面図である。
【図23】同アンカー部材の挿通部に関する他の実施例を上板を外して示した部分拡大平面図である。
【図24】本発明に係るアンカー用受圧装置及び従来の受圧装置の中央部に関する荷重−変位関係図である。
【図25】本発明に係るアンカー用受圧装置の腕部の各先端部及び従来の受圧装置の周辺部に関する荷重−変位関係図である。
【図26】本発明に係るアンカー用受圧装置の腕部を構成する各傾斜部R1〜R5の荷重−歪み関係図である。
【符号の説明】
【0023】
1…アンカー用受圧装置、2…アンカー部材、3…挿通部、4…挿通管、5…上板、6…下板、7…腕部、8…上部棒状部材、9…下部棒状部材、10…波形棒状部材、11…地盤、12…ナット、13…球面座金、14…防錆キャップ、15…連結板、16…波形棒状部材、17…上部棒状部材、18…下部棒状部材、19…腕部、20…上部棒状部材、21…下部棒状部材、22…波形棒状部材、23…腕部、24…上部棒状部材、25…下部棒状部材、26…波形棒状部材、27…腕部、28…上部棒状部材、29…下部棒状部材、30…下板、31…上板、32…上部棒状部材、33…挿通管、34…補強板、35…下板、36…間隔保持軸、37…挿入部、38…連結用部材、39,40…棒状部材、41…波形棒状部材、42…連結用部材、43…波形棒状部材、44…アンカー用受圧装置、45…挿通部、46…腕部、47…上板、48…下板、49…アンカー用受圧装置、50…下板、50s…下板中央部、50a〜50d…下板腕部、51…上板、52a〜52d…開口部、53…挿通部、54…挿通管、55…挿通部、56…挿通管
【技術分野】
【0001】
本発明は、地山等の斜面の安定化などに使用されるアンカー用受圧装置に関する。すなわち、ロックボルトや、PC鋼線、PC鋼より線、異形PC鋼棒等を用いたアンカーテンドンなどから構成されるアンカー部材に作用する引張力を地盤側へ伝達するアンカー用受圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のアンカー用受圧装置に関し、アンカー部材の挿通部を中心に放射状に延びる腕部を籠状構造物により構成することにより施工面の凹凸になじみやすく改良したものが知られている(特許文献1)。しかしながら、この従来技術の場合には、施工面の凹凸に対する適応性の点では優れているものの、アンカー部材に作用する引張力を地盤側へ伝達する機能の点では問題があった。すなわち、籠状構造物が施工面の凹凸になじむ柔軟性を有するが故に、アンカー部材に作用する引張力が地盤側へ伝達される過程で前記籠状構造物に曲げ変形が生じてしまい、各腕部の中心側で地盤側からの多くの圧力を受け、先端部側へいくに従い伝達力が弱まり、地盤側に対して腕部全体で圧力を受けるという受圧装置としての機能が損われるといった問題があった。
【特許文献1】特許第2903462号公報
【0003】
因みに、前記従来技術において受圧装置としての機能を強化するには、籠状構造物の内部へモルタルや砕石、砂利等の重量物を充填するという方法があるが、それらの重量物の充填は、逆に植生基材の籠状構造物内への充填の障害になるばかりでなく作業性も低下するといった別の問題があった。さらに、籠状構造物の場合には構造が複雑になり、手間のかかる加工が必要とされるだけでなく、重量が大きくなり施工上の取扱いも面倒なことから、コスト的にも割高についた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上のような従来の技術的状況に鑑みて開発したものであり、より簡素な構成に基づいて受圧機能に必要な剛性が簡便に得られ、軽量化による施工性の向上にも有効であり、しかも根茎のからみつきも良好な、使い勝手のよいアンカー用受圧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、請求項1の発明では、受圧装置の略中央部に設置されるアンカー部材の挿通部を中心に放射方向に延びる腕部を設け、その腕部の骨組みを、上下方向の間隔を設けて設置する上部棒状部材及び下部棒状部材と、それらの上下部の棒状部材間に波形状に配設する棒状間隔保持部材とを用いて構成するという技術手段を採用した。その場合、前記棒状間隔保持部材として波形状に折曲げ形成した波形棒状部材を用い、その波形棒状部材の折返し頂点部分にて前記上部棒状部材と下部棒状部材に対して交互に連結するように構成してもよいし(請求項2)、複数の短い直線状の棒状部材を用いて前記上部棒状部材と下部棒状部材に対して波形状に順次連結するようにしてもよい。前記上部棒状部材を1本の棒状部材から、前記下部棒状部材を互いに離間した2本の棒状部材から構成するようにしてもよい(請求項3)。また、前記下部棒状部材相互間を板材にて部分的に連結してなる補強手段を付設することも可能である(請求項4)。さらに、前記下部棒状部材相互間を中央部の下板から一体的に延設された放射状の板材にて連結するように構成することも可能である(請求項5)。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、次の効果を得ることができる。
(1)本発明では、放射方向に延びる腕部の骨組みを、上下方向の間隔を設けて設置した上部棒状部材及び下部棒状部材と、それらの上下部の棒状部材間に波形状に配設した棒状間隔保持部材との組合わせを用いて構成したので、腕部の剛性を効果的に高めることができる。これにより、各腕部の先端部まで受圧作用を的確に分担させることが可能となり、従来技術のように受圧作用が腕部の根元部分に偏ることなく、装置全体で良好な受圧機能を実現することができる。
(2)本発明では、棒状の部材からなる骨組み構造を採用したので、各構成部材に対する草木の根茎などのからみつきが良好で、本受圧装置と地盤との一体化が促進され、自然的な景観をより効果的に維持することができる。
(3)棒状の部材からなる骨組み構造により軽量化も可能であり、しかも棒状で持ちやすいことから、施工性の向上にもきわめて有効である。
(4)腕部を棒状部材から構成したので、鋳型などの高価な加工手段を用いることなく、溶接等のより簡便な加工によって腕部を形成することができ、この点からもコストの削減に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、略中央部に設置されるアンカー部材の挿通部を中心に放射方向に延びる腕部を備えたアンカー用受圧装置であれば、広く適用することができる。その腕部の設置数や配置に関しては、十字状に4本設置する形態や、Y字状に3本設置する形態、他の多角位置に設置する形態、あるいはアンカー部材の挿通部を中心に両側に2本設置する形態など、種々の配置形態が可能である。また、本発明に係るアンカー用受圧装置の設置状態に関しては、それぞれが離間した独立状態に設置される独立設置形態でも、隣接するアンカー用受圧装置の腕部同士が直接的あるいは間に中間部材を挟んで連続的に設置される連続設置形態でも適用が可能である。特に後者の連続設置形態の場合は法枠の形成に好適である。ところで、前記各腕部を構成する上下部の棒状部材の具体的な配置に関しては、1本の上部棒状部材と互いに離間した2本の下部棒状部材との組合わせからなる断面三角形状の配置形態が剛性も大きく好適であるが、1本の上部棒状部材と1本の下部棒状部材との組合わせからなる平面的な配置形態や、断面矩形状の配置形態など、他の設置形態も可能である。要は、互いに上下方向の間隔をあけて設置された棒状部材であればよい。
【0008】
前記上部棒状部材及び下部棒状部材からなる上下部の棒状部材間には棒状間隔保持部材が波形状に配設され、トラス状の骨組み構造が構成される。棒状間隔保持部材としては、前述のように、波形状に折曲げ形成した波形棒状部材を用い、その波形棒状部材の折返し頂点部分にて前記上部棒状部材と下部棒状部材に対して交互に連結するように構成してもよいし、複数の短い直線状の棒状部材を用いて前記上部棒状部材と下部棒状部材に対して波形状に順次連結するようにしてもよい。しかして、本発明に係る受圧装置の腕部ではトラス状の骨組み構造を採用したので、その棒状部材の各部に作用する曲げ荷重や剪断荷重が大幅に軽減されることから、部材が持つ引張強度や圧縮強度を効果的に活用することができ、より高い剛性を簡便に得ることができるとともに、延いては軽量化やコストの削減にも有効である。因みに、波形棒状部材に関する具体的な形状ついては、各折返し頂点部分において折線的に変化する直線的なものでもよいし、各折返し頂点部分において曲線的に変化するものでもよい。もちろん、上下部の棒状部材間に波形状に配設される棒状間隔保持部材の傾斜部の具体的な傾斜角度に関しては、場合に応じて自由な設定が可能である。また、その棒状間隔保持部材の中央部側、すなわちアンカー部材の挿通部側の端部に関しては、下方へ傾斜した部分がくるように構成してもよいし、上方へ傾斜した部分がくるように構成してもよい。さらに、下部棒状部材相互間を板材や波形棒状部材などの適宜の部材により連結するようにすれば、下部棒状部材相互間の拡開を簡単に防止することができる。その場合に、下部棒状部材相互間を板材にて部分的に連結するようにすれば、同時に受圧機能も改善することができる。また、前記下部棒状部材相互間を中央部の下板から一体的に延設された放射状の板材にて連結するようにすれば、受圧装置全体を一体的に構成することができ、受圧強度や施工性の向上にも有効である。なお、前記上下部の棒状部材や、それらの棒状部材間を連結する棒状間隔保持部材などの材質に関しては、受圧機能に十分な強度を有するものであれば、鋼製など金属製のものに限らず、合成樹脂製のものなども可能である。
【実施例】
【0009】
図1は本発明に係るアンカー用受圧装置の設置状態を片側断面で示した施工状態図であり、図2はその中央の部分を拡大して示した部分拡大図である。図示のように、アンカー用受圧装置1は、その略中央部にアンカー部材2の挿通部3を備えている。本実施例は、アンカー部材2としてロックボルトを使用した場合を示したものであり、図2のようにロックボルトが挿通可能なパイプ状の挿通管4と、その挿通管4を挟んで上下の端部に溶接等により固着された上板5と下板6とによって、アンカー部材2の挿通部3を構成している。また、アンカー部材2の挿通部3の外方には該挿通部3を中心に放射方向に延びる適宜数の腕部7を備え、それらのアンカー部材2の挿通部3と放射方向に延びる適宜数の腕部7とによって、アンカー用受圧装置1を構成している。そして、それぞれの腕部7においては、上板5に対して溶接等により内端部側が固着された上部棒状部材8と、下板6に対して溶接等により内端部側が固着された下部棒状部材9と、それらの上下部の棒状部材8,9間を連結する、本実施例では波形状に折曲げ形成された波形棒状部材10からなる棒状間隔保持部材を用いた、棒状部材からなる骨組み構造が採用されている。
【0010】
しかして、施工に際しては、地盤11側に定着されたアンカー部材2の地上に露出した頭部に対して、その頭部が挿通管4と同心的に前記下板6に形成された挿通孔へ挿入されるように位置合せを行いながら、アンカー用受圧装置1全体を下降させ、図示のように下板6と腕部7を構成する下部棒状部材9が地盤11側に当接するように、アンカー用受圧装置1の載置作業が実施される。因みに、このアンカー用受圧装置1の地盤11側への載置作業においては、予め工場等において挿通部3に対して各腕部7を固着した状態で現場に搬入し、アンカー部材2の地上に露出した頭部に対して外嵌設置するのが通常の作業手順であるが、挿通管4と上板5と下板6から構成される挿通部3のみをアンカー部材2の地上に露出した頭部に外嵌設置した後に、その挿通部3に対して各腕部7を固着するという作業手順も可能である。そして、アンカー用受圧装置1の地盤11側への載置作業が済んだら、図示のように上板5に形成された挿通孔を介して上方へ露出したアンカー部材2の頭部に対して、本実施例では球面座金付きのナット12を螺合して前記上板5上に載置された球面座金13に対して締付け固定することにより、アンカー部材2としてのロックボルトに引張力を作用させて所期の緊張状態に維持する。しかる後、アンカー部材2の頭部に防錆キャップ14を設置して内部に防錆油を充填することにより防錆処置を施す。さらに、それらのナット12によるアンカー部材2の締付け固定作業あるいは防錆キャップ14による防錆作業に前後して、必要に応じて腕部7やその周囲に対して緑化基材等を吹付けなどにより供給することによってアンカー用受圧装置1の設置作業が終了することになる。因みに、その設置後のアンカー用受圧装置1全体を網材などの多孔材により被うようにすれば、前記緑化基材等をより安定的に定着させることができる。
【0011】
図3はアンカー用受圧装置に関する実施例の全体を示した平面図であり、図4はその正面図である。また、図5はその腕部7を示した部分拡大図であり、図6は左側面図、図7は部分斜視図である。図3及び図4に示したように、本実施例に係るアンカー用受圧装置1では、アンカー部材2の挿通部3を中心にして十字状に4本の腕部7a〜7dを備えている。そして、それらの各腕部7a〜7dでは、図5〜図7に示したように、1本の上部棒状部材8と互いに離間した2本の下部棒状部材9a,9bとの組合わせを採用し、それらの上部棒状部材8と下部棒状部材9aとの間、及び上部棒状部材8と下部棒状部材9bとの間を、波形状に折曲げ形成した波形棒状部材10からなる棒状間隔保持部材を介して連結するというトラス状の棒状骨組み構造を採用している。すなわち、波形状に折曲げ形成した波形棒状部材10の各折返し頂点部分にて上部棒状部材8又は下部棒状部材9a,9bに対して交互に連結することにより、上部棒状部材8及び下部棒状部材9a,9bを頂点とする三角形状の横断面からなるトラス状の骨組構造を形成し、波形棒状部材10の折返し頂点相互間の中間各部に作用する曲げ荷重や剪断荷重を大幅に軽減して、本来の引張強度や圧縮強度を最大限利用できるように構成している。したがって、本実施例の場合には、より高い剛性を効果的かつ簡便に得ることができるとともに、延いては軽量化やコストの削減にもきわめて有効である。
【0012】
因みに、上記実施例では、波状棒状部材10の挿通部3側の端部に、上方へ傾斜した部分がくるように構成したが、図2に例示したように下方へ傾斜した部分がくるように構成することも可能である。さらに、必要に応じて、図3及び図4に示したように各腕部7a〜7dの下部棒状部材9a,9b相互間を板材からなる連結板15a〜15dにて部分的に連結することにより、それらの下部棒状部材9a,9b相互間の拡開を防止し得るとともに、地盤側に対する受圧機能を改善することができる。また、上記実施例では、4本の腕部7a〜7dを個別的に製作し、それぞれ挿通部3に対して固着することにより十字状に腕部を設置する場合を示したが、予め2本分の長さの腕部を直線状に製作したものをL字状に屈曲し、そのL字状に屈曲されたユニットを2組用いて十字状に配置した状態で挿通部3に固着することにより、全体として十字状に腕部を設置することも可能である。また、前記上部棒状部材8、下部棒状部材9a,9b、及び波形棒状部材10からなるユニットを上下に入れ子状に重ねて腕部7a〜7dを構成することも可能であり、これにより剛性を更に高めることが可能である。
【0013】
図8〜図10は腕部に関する変形例を示したものであり、それぞれ(A)は正面図、(B)は左側面図を示したものである。図8に示した変形例は、三角形状の波形に折曲げ形成した前記波形棒状部材10に替え、のこぎり刃状の波形に折曲げ形成した波形棒状部材16を用いて、上部棒状部材17と下部棒状部材18a又は18bとの間を連結することにより、棒状部材からなる骨組み構造を採用した腕部19を示したものである。このように、波形棒状部材に関する具体的な波形形状については種々の変形が可能である。また、図9に示した変形例は、上下1列に離間して配設した上部棒状部材20と下部棒状部材21に対して、波形に折曲げ形成した波形棒状部材22をその各折返し頂点部分にて連結することにより、平面的な棒状部材からなる骨組み構造を採用した腕部23を示したものである。この場合、図示はしないが、各腕部23の下部側に適宜の板材が設置される。また、図9に示したように平面的に形成された棒状部材からなる平面ユニットを挿通部3に対して各方向に1組ずつ固着する形態の他に、略2倍の長さに形成された平面ユニットを更にL字状に屈曲したL形ユニットを4組用いて、それらのL形ユニットの角部を内側にして井桁状に配置した状態で各角部を挿通部3に固着することにより、各腕部が対向する二つの平面的に形成された棒状部材から構成される形態も可能である。さらに、図10に示した変形例は、(B)の左側面図で示したように四角形の各隅部に配設した上部棒状部材24a,24bと下部棒状部材25a,25bの4つの棒状部材によって形成される4つの外側面に対して、それぞれ波形に折曲げ形成した波形棒状部材26a〜26dをそれらの各折返し頂点部分にて連結することにより、矩形状の棒状部材からなる骨組み構造を採用した腕部27を示したものである。因みに、この変形例において、上部棒状部材24a,24b及び下部棒状部材25a,25bが配設される四角形の縦横比を変更し得ることはいうまでもない。また、図11に示した変形例のように、上部棒状部材28と下部棒状部材29との間隔を先端部側へ移るに従い縮小するように構成したり、逆に拡大するように構成したりすることも可能である。
【0014】
図12はアンカー部材の挿通部に関する変形例を示した平面図である。図示のように、本変形例は、アンカー部材の挿通部を構成する前記下板6に替えて地盤側との当接面積を拡大した下板30を採用したものである。このように、下板の大きさを選定することにより地盤側との当接面積を拡大することができる。その場合に、下板をパンチングメタルや網材等の多孔状の板材により構成することにより、地盤に対する通気性や通水性を改善することが可能である。また、図13に示したように上板31あるいは上部棒状部材32とパイプ状の挿通管33との間に補強板34を設けたり、図14に示したように下板35と上板31あるいは上部棒状部材32との間に補強用の間隔保持軸36を設けるなど、補強手段を備えたアンカー部材の挿入部37も可能である。さらに、前記パイプ状の挿通管33に替えて、下板35と上板31との間に複数本の間隔保持軸を円周上あるいは四角形などの多角形の各隅部に配設し、それらの間隔保持軸によって囲まれる内方にアンカー部材の挿通空間を形成するアンカー挿入部の形態も可能である。
【0015】
図15〜図17はハンチ部に関する変形例を示した平面図である。図15に示した変形例は、各腕部7a〜7dの下部棒状部材9間に棒状の連結用部材38を渡して連結することによりハンチ部の補強を図ったものである。また、図16に示した変形例は、前記連結部材38に替え、水平方向に離間した2本の棒状部材39,40間を波形棒状部材41により連結した連結用部材42を用いて、各腕部7a〜7dの下部棒状部材9間を連結することによりハンチ部の補強を図ったものである。さらに、図17に示した変形例は、波数を増やした波形棒状部材43を採用した場合を示したものである。
【0016】
図18は本発明に係るアンカー用受圧装置に関する他の実施例を示した平面図である。図示のように、本実施例に係るアンカー用受圧装置44では、アンカー部材の挿通部45を中心に3本の腕部46a〜46cを放射状に配設することにより、それらの腕部46a〜46cをY字状に配置した場合を示したものである。なお、本実施例では、前記挿通部45を構成する上板47及び下板48として円形状のものを使用した場合を示したが、変形が可能なことはいうでもない。以上のように、アンカー用受圧装置を構成する腕部の設置数に関しては、アンカー部材の挿通部を中心に放射状に配設するものであれば増減が可能であり、例えば挿通部の両側に直線的に延びる2本の腕部からなるものなど、種々の形態が可能である。
【0017】
図19〜図21は本発明に係るアンカー用受圧装置に関する他の実施例を示したもので、図19は平面図、図20は正面図である。また、図21は下板部分を示した平面図である。図示のように、本実施例に係るアンカー用受圧装置49では、図12に示した前記変形例と同様の基本的構成を採用した場合を例示した。本実施例の特徴は、アンカー部材の挿通部を構成する前記下板30に替えて、下板50を採用した点にある。この下板50は、図21に示したように、略四角形の下板中央部50sと、その下板中央部50sの各角部から放射状に一体的に延設された板材からなる下板腕部50a〜50dとによって構成される。そして、前記アンカー用受圧装置49は、図19及び図20に示したように、下板50と上板51との間に各腕部7a〜7dを放射状に設置するとともに、それらの各腕部7a〜7dの下部棒状部材9a,9b相互間を、前記下板中央部50sの各角部から放射状に延設された下板腕部50a〜50dによって連結支持することにより形成される。これにより、前記下部棒状部材9a,9b相互間の拡開が防止されるとともに、アンカー用受圧装置49を全体的に一体化することができる。なお、図21に示したように、下板中央部50sから放射状に延設された下板腕部50a〜50dの部分に適宜形状の開口部52a〜52dを形成すれば、草木の育成の促進や装置の軽量化に有効である。因みに、本実施例に係る前記下板50に関しては、他の図面に例示した基本的構成からなるアンカー用受圧装置に対しても適用可能であることはいうまでもない。また、下板中央部50sと各下板腕部50a〜50dとは、溶接等により事後的に接合したものでもよいし、初めから一体成形したものでもよい。さらに、下板50をパンチングメタルや網材等の多孔状の板材により構成することにより、地盤に対する通気性や通水性を改善することも可能である。
【0018】
図22及び図23はアンカー用受圧装置の中央部に形成されるアンカー部材の挿通部を上板を外して示した部分拡大平面図である。図22では、アンカー材の挿通部53に円筒状の挿通管54を用いた場合を示したが、これに図示のように端部の寸法を揃えた腕部7a〜7dを適用した場合はもとより、挿通管54の外周面とそれらの腕部7a〜7dの端部との間には隙間ができやすく、両者の固着が困難なことから強度的に不利である。これに対して、図23に示したようにアンカー材の挿通部55に角形状の挿通管56を用いた場合には、腕部7a〜7dの端部との間に隙間ができにくく、固着も容易なことから強度的にも有利である。
【0019】
次に、図24〜図26に示した実験結果に基づいて本発明に係るアンカー用受圧装置に特有の優れた受圧機能に関して説明する。本実験では、本発明に係る受圧装置に関する検体として図19〜図21に示した前記アンカー用受圧装置49を用い、砂地盤上に設置して中央部に位置するアンカー材の挿通部に対して間にロードセルを挟んだ状態でセンターホールジャッキの載荷側をセットし、上方からの荷重を徐々に増やしながら中央部に位置する前記下板中央部50sの変位と前記腕部7a〜7dの各先端部の変位を変位計により測定するとともに、同時に腕部7のうちの例えば7a,7bに使用した波形棒状部材10の各傾斜部R1〜R5(図20参照)に歪みゲージをセットして各載荷時の歪みの大きさを測定した。また、従来の四角形の多孔状盤体を用いた受圧装置を比較例として砂地盤上に設置して同様の載荷実験を行い、その中央部の変位と周辺部の変位を測定した。図24は上記載荷実験により得た実験結果に基づいて作成した本発明に係るアンカー用受圧装置49及び従来の受圧装置の中央部に関する荷重−変位関係図、図25は本発明に係る腕部7a〜7dの各先端部及び従来の受圧装置の周辺部に関する荷重−変位関係図を示したものであり、それぞれ実線(A)は本発明に係る受圧装置、破線(B)は従来の受圧装置の場合を示したものである。また、図26は本発明に係る腕部7a〜7dの各傾斜部R1〜R5(図20参照)の荷重−歪み関係図を示したものである。
【0020】
しかして、図24及び図25を対比し、受圧装置の中央部と腕部の先端部あるいは周辺部に生じる変位すなわち変形の仕方を比べることにより、それらの各部における支圧状態を推測することができる。すなわち、図24及び図25における破線(B)同士を対比すれば、従来の四角形の多孔状盤体を用いた受圧装置の場合には、中央部においては荷重の増加に追随してその荷重の方向に変位量が増加する傾向にあるのに対して、周辺部では逆の方向に変位する傾向にあることが判る。つまり、従来の四角形の多孔状盤体を用いた受圧装置の場合には、中央部は荷重により砂地盤内にめり込んで荷重方向すなわち下方へ変位するが、周辺部では逆方向すなわち上方へ逃げてしまう傾向にある。これにより、この従来の支圧装置の場合には、支圧作用が中央部に集中して周辺部では支圧作用が的確に機能していないことが推測される。なお、この従来の支圧装置の場合においても、その構成部材の肉厚等を厚くして強度を高めることにより、周辺部での支圧作用を強化することは可能であるが、コストや重量の増加による作業性の低下などの別の問題が生じることになる。
【0021】
以上の従来の受圧装置の場合に対して、本発明に係るアンカー用受圧装置49の場合には、図24及び図25における実線(A)同士を対比すれば明らかのように、中央部における変位の傾向と、各腕部7a〜7dの先端部における変位の傾向がほぼ一致しており、同様の荷重−変位関係を示している。すなわち、装置の中央部に位置するアンカー材の挿通部に対して載荷される荷重により、中央部においても各腕部7a〜7dの先端部においても、その荷重の増加に追随して荷重の方向つまり下方へ変位して砂地盤内にめり込んでいくことが判る。これにより、本発明に係るアンカー用受圧装置の場合には、中央部においても各腕部の先端部においても支圧作用が的確に維持されていることが推測される。そして、この点が正に本発明に係るアンカー用受圧装置に特有の特徴であり、各腕部の骨組構造としてトラス状の骨組構造を採用したことによる効用であることは明らかである。因みに、本発明に係る腕部7a〜7dの各傾斜部R1〜R5には、図26の荷重−歪み関係図に示したように、それらの傾斜方向に応じて引張り方向の歪みあるいは圧縮方向の歪みが生じ、その歪みの大きさが載荷位置に近い中央部から先端部へ向けて小さくなっていることが判る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るアンカー用受圧装置の設置状態を片側断面で示した施工状態図である。
【図2】同アンカー用受圧装置の中央の部分を拡大して示した部分拡大図である。
【図3】アンカー用受圧装置に関する実施例を示した平面図である。
【図4】同実施例を示した正面図である。
【図5】腕部を示した部分拡大図である。
【図6】同腕部を示した左側面図である。
【図7】同腕部を示した部分斜視図である。
【図8】腕部に関する変形例を示したものであり、(A)は正面図、(B)は左側面図を示したものである。
【図9】腕部に関する他の変形例を示したものであり、(A)は正面図、(B)は左側面図を示したものである。
【図10】腕部に関する他の変形例を示したものであり、(A)は正面図、(B)は左側面図を示したものである。
【図11】腕部に関する他の変形例を示した正面図である。
【図12】アンカー部材の挿通部に関する変形例を示した平面図である。
【図13】アンカー部材の挿通部に対する補強手段を示した部分拡大図である。
【図14】アンカー部材の挿通部に対する他の補強手段を示した部分拡大図である。
【図15】ハンチ部に関する変形例を示した平面図である。
【図16】ハンチ部に関する他の変形例を示した平面図である。
【図17】ハンチ部に関する他の変形例を示した平面図である。
【図18】本発明に係るアンカー用受圧装置に関する他の実施例を示した平面図である。
【図19】本発明に係るアンカー用受圧装置に関する他の実施例を示した平面図である。
【図20】同実施例を示した正面図である。
【図21】同実施例における下板部分を示した平面図である。
【図22】アンカー用受圧装置の中央部に形成されるアンカー部材の挿通部を上板を外して示した部分拡大平面図である。
【図23】同アンカー部材の挿通部に関する他の実施例を上板を外して示した部分拡大平面図である。
【図24】本発明に係るアンカー用受圧装置及び従来の受圧装置の中央部に関する荷重−変位関係図である。
【図25】本発明に係るアンカー用受圧装置の腕部の各先端部及び従来の受圧装置の周辺部に関する荷重−変位関係図である。
【図26】本発明に係るアンカー用受圧装置の腕部を構成する各傾斜部R1〜R5の荷重−歪み関係図である。
【符号の説明】
【0023】
1…アンカー用受圧装置、2…アンカー部材、3…挿通部、4…挿通管、5…上板、6…下板、7…腕部、8…上部棒状部材、9…下部棒状部材、10…波形棒状部材、11…地盤、12…ナット、13…球面座金、14…防錆キャップ、15…連結板、16…波形棒状部材、17…上部棒状部材、18…下部棒状部材、19…腕部、20…上部棒状部材、21…下部棒状部材、22…波形棒状部材、23…腕部、24…上部棒状部材、25…下部棒状部材、26…波形棒状部材、27…腕部、28…上部棒状部材、29…下部棒状部材、30…下板、31…上板、32…上部棒状部材、33…挿通管、34…補強板、35…下板、36…間隔保持軸、37…挿入部、38…連結用部材、39,40…棒状部材、41…波形棒状部材、42…連結用部材、43…波形棒状部材、44…アンカー用受圧装置、45…挿通部、46…腕部、47…上板、48…下板、49…アンカー用受圧装置、50…下板、50s…下板中央部、50a〜50d…下板腕部、51…上板、52a〜52d…開口部、53…挿通部、54…挿通管、55…挿通部、56…挿通管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略中央部にアンカー部材の挿通部を備えるとともに、そのアンカー部材の挿通部を中心に放射方向に延びる腕部を備え、かつ前記腕部の骨組みを、上下方向の間隔を設けて設置した上部棒状部材及び下部棒状部材と、それらの上下部の棒状部材間に波形状に配設した棒状間隔保持部材とを用いて構成したことを特徴とするアンカー用受圧装置。
【請求項2】
前記棒状間隔保持部材として波形状に折曲げ形成した波形棒状部材を用い、その波形棒状部材の折返し頂点部分にて前記上部棒状部材と下部棒状部材に対して交互に連結したことを特徴とする請求項1に記載のアンカー用受圧装置。
【請求項3】
前記上部棒状部材は1本の棒状部材からなり、前記下部棒状部材は互いに離間した2本の棒状部材からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンカー用受圧装置。
【請求項4】
前記下部棒状部材相互間を板材にて部分的に連結したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンカー用受圧装置。
【請求項5】
前記下部棒状部材相互間を中央部の下板から一体的に延設された放射状の板材にて連結したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンカー用受圧装置。
【請求項1】
略中央部にアンカー部材の挿通部を備えるとともに、そのアンカー部材の挿通部を中心に放射方向に延びる腕部を備え、かつ前記腕部の骨組みを、上下方向の間隔を設けて設置した上部棒状部材及び下部棒状部材と、それらの上下部の棒状部材間に波形状に配設した棒状間隔保持部材とを用いて構成したことを特徴とするアンカー用受圧装置。
【請求項2】
前記棒状間隔保持部材として波形状に折曲げ形成した波形棒状部材を用い、その波形棒状部材の折返し頂点部分にて前記上部棒状部材と下部棒状部材に対して交互に連結したことを特徴とする請求項1に記載のアンカー用受圧装置。
【請求項3】
前記上部棒状部材は1本の棒状部材からなり、前記下部棒状部材は互いに離間した2本の棒状部材からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンカー用受圧装置。
【請求項4】
前記下部棒状部材相互間を板材にて部分的に連結したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンカー用受圧装置。
【請求項5】
前記下部棒状部材相互間を中央部の下板から一体的に延設された放射状の板材にて連結したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンカー用受圧装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
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【図8】
【図9】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2008−45390(P2008−45390A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144231(P2007−144231)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000000446)岡部株式会社 (277)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000000446)岡部株式会社 (277)
【Fターム(参考)】
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