アンテナ装置
【課題】3つの周波数帯域をサポートしかつ小型の板状逆F型アンテナ装置を提供する。
【解決手段】放射導体2は、給電点を含む平面導体21と、放射導体2の開放端を含む平面導体23と、平面導体21と22との間に接続されたデュアルバンド形成用インダクタ22とを含む。放射導体4は、デュアルバンド形成用インダクタ22に電磁的に結合するように近接して設けられた電磁結合用インダクタ42と、電磁結合用インダクタ42に接続された一端と、開放端である他端とを有し、かつ平面導体に23に容量結合するように近接して設けられた平面導体43とを備える。
【解決手段】放射導体2は、給電点を含む平面導体21と、放射導体2の開放端を含む平面導体23と、平面導体21と22との間に接続されたデュアルバンド形成用インダクタ22とを含む。放射導体4は、デュアルバンド形成用インダクタ22に電磁的に結合するように近接して設けられた電磁結合用インダクタ42と、電磁結合用インダクタ42に接続された一端と、開放端である他端とを有し、かつ平面導体に23に容量結合するように近接して設けられた平面導体43とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置のためのアンテナ装置に関し、特に、逆F型アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PDA(Personal Data Assistance)、ノート型パーソナルコンピュータ、及び携帯電話機などの携帯型の通信端末に搭載されるアンテナ装置は、小型であることが要求される。さらに、近年、このようなアンテナ装置は、IEEE802.11b/g/nなどの無線LAN(Local Area Network)の通信規格に加えて、WiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access)と呼ばれる新しい無線通信規格にも準拠することが要求されている。特許文献1〜3は、このような要求に応えるアンテナ装置として、逆F型アンテナ装置を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−199204号公報。
【特許文献2】特開2003−158419号公報。
【特許文献3】特開昭61−238107号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
WiMAXは、IEEE802.11nと同様に、MIMO(Multiple Input Multiple output)技術を応用した無線通信規格である。従って、WiMAXに準拠した無線通信部とIEEE802.11b/g/nなどの無線LANの通信規格に準拠した無線通信部とを備えた通信機器を設計する場合、2つの無線通信部が1つの変復調部を共用するように設計することは容易である。
【0005】
ここで、IEEE802.11b/gは、2402MHzから2482MHzまでの2.4GHz帯の周波数帯域を用いる無線LANの通信規格であり、当該通信規格において使用可能な帯域幅は約80MHzである。さらに、この周波数帯域に、日本国内のみでIEEE802.11bにおいて利用できる14チャンネル目の周波数帯域を加えた場合は、使用可能な帯域幅は約90MHzである。また、IEEE802.11n/aは、5.17GHzから5.815GHzまでの5GHz帯の周波数帯域を用いる無線LANの通信規格であり、当該通信規格において使用可能な帯域幅は約650MHzである。さらに、WiMAXにおいて用いられる周波数帯域は、例えば、2.3GHz帯(2295MHz〜2405MHz)と、2.5GHz帯(2491MHz〜2695MHz)と、主に欧州で使用される3.5GHz帯(3400MHz〜3600MHz)とを含み、上述した無線LANの各通信規格において用いられる周波数帯域とは異なる。
【0006】
従って、パワーアンプ、ローノイズアンプ、トランシーバー及びアンテナなどの高周波部を上述した2つの無線通信部で共用する場合、この高周波部は、400MHzの帯域幅を有する2GHz帯(2295MHz〜2695MHz)と、200MHzの帯域幅を有する3GHz帯(3400MHz〜3600MHz)と、約650MHzの帯域幅を有する5GHz帯(5.17GHz〜5.815GHz)とをサポートする必要がある。
【0007】
さらに、WiMAXは、屋外において無線通信を利用するために定められた規格であるため、主に、PDA及びノート型パーソナルコンピュータなどの携帯型の通信端末に搭載される。このため、当然ながら、WiMAX及び無線LANの両方の通信規格に準拠した、単一の小型のアンテナ装置に対するニーズが非常に高い。しかしながら、2GHz帯、3GHz帯及び5GHz帯において共振点を有し、かつ小型のアンテナ装置を実現することは、技術的に困難であった。
【0008】
例えば、特許文献1は、グランド導体と、メアンダ状に形成されている放射素子とを有し、メアンダ状の放射素子の少なくとも一部では、グランド導体に対して接近・離反する方向と交差する方向に延伸している部位の長さが、接近・離反する方向に延伸している部位の長さよりも長くなっていることを特徴とするアンテナを開示している。特許文献1によれば、放射素子を複数箇所で折り曲げることにより、放射素子を、グランド導体からの距離が互いに異なる複数の部分に分割することにより、複数の共振周波数を実現している。従って、グランド導体を含むアンテナ基板を水平面に設けた場合、放射素子の垂直方向の寸法が比較的大きくなる。また、この場合、特許文献1記載のアンテナは、アンテナ基板に対して垂直に広がる指向特性を有する。従って、特許文献1記載のアンテナは、より低背であり、かつアンテナ基板に対して水平に広がる指向特性を持つことが仕様として要求される、薄型のノート型パーソナルコンピュータ及びDVDプレーヤなどの電子機器に搭載するためのアンテナ装置には不向きであった。
【0009】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、3つ以上の複数の周波数帯域をサポートする、従来技術に比較して小型のアンテナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るアンテナ装置は、
接地導体と、
上記接地導体に接続された一端を有する短絡導体と、
上記接地導体に対向して設けられた第1の放射導体であって、上記短絡導体の他端に接続された一端を有しかつ上記接地導体から所定の間隔だけ離れた位置に設けられた給電点を含む第1の導体と、開放端である一端を有する平面形状の第2の導体と、上記第1の導体の他端と上記第2の導体の他端との間に接続されたデュアルバンド形成用インダクタとを含む第1の放射導体とを備えたアンテナ装置において、
第2の放射導体をさらに備え、
上記第2の放射導体は、
上記デュアルバンド形成用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第1の電磁結合用インダクタと、
上記第2の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第1の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第3の導体とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、上記アンテナ装置において、
上記第1の放射導体は、互いに対向する第1の面と第2の面とを有する基板の上記第1の面に形成され、
上記第2の放射導体は、上記基板の第2の面に形成されたことを特徴とする。
【0012】
さらに、上記アンテナ装置は、第3の放射導体をさらに備え、
上記第3の放射導体は、
上記第1の電磁結合用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第2の電磁結合用インダクタと、
上記第3の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第2の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第4の導体とを備えたことを特徴とする。
【0013】
またさらに、上記アンテナ装置において、上記第3の放射導体は、上記基板の第2の面に形成された誘電体層上に形成されたことを特徴とする。
【0014】
また、上記アンテナ装置は、第4の放射導体をさらに備え、
上記第4の放射導体は、
上記デュアルバンド形成用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第3の電磁結合用インダクタと、
上記第2の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第3の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第5の導体とを備えたことを特徴とする。
【0015】
さらに、上記アンテナ装置において、上記第4の放射導体は、上記基板の第1の面に形成された誘電体層上に形成されたことを特徴とする。
【0016】
またさらに、上記アンテナ装置において、上記第2の導体は、上記第1の導体の幅よりも広い幅を有することを特徴とする。
【0017】
また、上記アンテナ装置において、上記デュアルバンド形成用インダクタはメアンダ形状を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るアンテナ装置によれば、第2の放射導体をさらに備え、第2の放射導体は、デュアルバンド形成用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第1の電磁結合用インダクタと、第2の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ第1の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第3の導体とを備えたので、3つの周波数帯域をサポートする、従来技術に比較して小型のアンテナ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置1の斜視図である。
【図2】図1のアンテナ装置1の側面図である。
【図3】図1のアンテナ装置1の上面図である。
【図4】図1の基板10の上面図及び裏面図である。
【図5】図1の放射導体4の平面図である。
【図6】図1の放射導体2の部分拡大図である。
【図7】比較例に係るアンテナ装置1Pの斜視図である。
【図8】図7のアンテナ装置1Pの側面図である。
【図9】図7のアンテナ装置1Pの上面図である。
【図10】図7の基板10の上面図及び裏面図である。
【図11】図7の放射導体2の部分拡大図である。
【図12】図1のアンテナ装置1の電圧定在波比(Voltage Standing Wave Ratio。以下、VSWRという。)のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図13】図7のアンテナ装置1PのVSWRのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図14】図12及び図13の各シミュレーション結果を算出するために用いられたアンテナ装置1及び1Pの各パラメータを示す表である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置1Aの側面図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置1Bの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0021】
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置1の斜視図であり、図2は、図1のアンテナ装置1の側面図であり、図3は、図1のアンテナ装置1の上面図である。また、図4は、図1の基板10の上面図及び裏面図であり、図5は、図1の放射導体4の平面図であり、図6は、図1の放射導体2の部分拡大図である。
【0022】
図1において、アンテナ装置1は、PDA、ノート型パーソナルコンピュータ、及び携帯電話機などの携帯型の通信端末に搭載され、かつ共振周波数f1、f2及びf3(ただし、f2<f3<f1である。)で共振するトリプルバンドの板状逆F型アンテナ装置である。アンテナ装置1は、例えばガラスエポキシ基板(FR4(Flame Retardant Type 4)基板)である誘電体基板10(以下、基板10という。)と、例えば銅などの金属の角柱から板金により形成されたブロック状の接地導体9と、例えば銅板である短絡導体板91と、同軸ケーブルを内蔵しかつ誘電体にてなる支持板92とを備えて構成される。ここで、接地導体9は上述した通信端末の金属筐体の一部である。短絡導体板91の一端91aは接地導体9に電気的に接続されて固定されている。また、支持板92は接地導体9に固定されている。支持板92内の同軸ケーブルの中心導体の一端は無線通信回路に接続される一方、その他端は放射導体2の給電点Qに接続される。さらに、支持板92内の同軸ケーブルの接地導体は接地導体9に接続されている。
【0023】
図4に示すように、放射導体2は、基板10の裏面に、その長手方向が基板10の長手方向に対して平行となるように、導体パターンで印刷されている。ここで、放射導体2は、短絡導体板91を介して接地導体9に電気的に接続された一端2aと、他端である開放端2bと、給電点Qとを有する。給電点Qの位置は、給電点Qからアンテナ装置1全体を見たインピーダンスが、給電点Qから支持板92内の同軸ケーブル側を見たインピーダンスに一致するように設定される。さらに、図4において、放射導体2は、給電点Qを含みかつ長さEa及び幅Ewを有する平面導体21と、放射導体2の開放端2bを含みかつ長さEc及び幅Ewtを有する平面導体23と、平面導体21と22との間に接続されかつ長さEb及び幅Ewtを有する、メアンダ形状のデュアルバンド形成用インダクタ22(以下、インダクタ22という。)とを含む。
【0024】
また、図4において、放射導体4は、基板10の表面に導体パターンで印刷されている。ここで、放射導体4は、インダクタ22と同一の形状を有しかつインダクタ22に対向する電磁結合用インダクタ42(以下、インダクタ42という。)と、平面導体23と同一の形状を有しかつ平面導体23に対向する平面導体43とを備える。また、インダクタ42は、インダクタ22と電磁的に結合するようにインダクタ22に近接して配置され、平面導体43は、平面導体23と容量結合するように、平面導体23に近接して配置される。なお、放射導体4は、直接的に給電されていない、いわゆる無給電素子である。
【0025】
図2において、平面導体21のインダクタ22との接続点21aから平面導体21と一端2aと短絡導体板91とを介して、短絡導体板91の接地導体9との接続点91aまでの電気長が、実質的に周波数f1の波長の4分の1となるように設定され、第1のアンテナ素子を構成する。また、開放端2bから平面導体23とインダクタ22と平面導体21と一端2aと短絡導体板91とを介して、短絡導体板91の接地導体9との接続点91aまでの電気長が、実質的に周波数f2(f2<f1)の波長の4分の1となるように設定され、第2のアンテナ素子を構成する。
【0026】
さらに、図2において、インダクタ42と22とが電磁結合しかつ平面導体43と23とは容量結合しているので、平面導体23,43とインダクタ22,42と平面導体21と短絡導体板91とで第3のアンテナ素子を構成する。ここで、平面導体43の開放端から平面導体23とインダクタ22と平面導体21と一端2aと短絡導体板91とを介して、短絡導体板91の接地導体9との接続点91aまでの電気長が、実質的に周波数f3の波長の4分の1となるように設定される。ここで、第3のアンテナ素子は、インダクタ42と22とが電磁結合することにより電磁波信号が給電され、かつ平面導体43と23とが容量結合することにより短縮キャパシタとして給電及び波長短縮機能を有するように構成され、例えば、当該第3のアンテナ素子の共振周波数f3は、上記波長短縮機能により第2のアンテナ素子の共振周波数f2よりも高くなり第1のアンテナ素子の共振周波数f1よりも低くなる(f2<f3<f1)。なお、上述した短縮キャパシタのキャパシタンスは、平面導体23の面積と、基板10の厚さ及び誘電率とによって決定される。
【0027】
また、図6において、インダクタ22の折り返し回数と、ライン幅Laと、ライン間隔Saとは、インダクタ22が、共振周波数f1以上の周波数を有する信号を遮断し、かつ共振周波数f1未満の周波数を有する信号を通過させる高周波阻止用インダクタとして機能するように設定される。
【0028】
次に、本実施形態に係るアンテナ装置1及び比較例に係るアンテナ装置1PのVSWRのシミュレーション結果を示す。図7は、比較例に係るアンテナ装置1Pの斜視図であり、図8は、図7のアンテナ装置1Pの側面図であり、図9は、図7のアンテナ装置1Pの上面図である。また、図10は、図7の基板10の上面図及び裏面図であり、図11は、図7の放射導体2の部分拡大図である。図7に示すように、比較例に係るアンテナ装置1Pは、本実施形態に係るアンテナ装置1に比較して、放射導体4を備えず、共振周波数f1及びf2で共振するデュアルバンドの板状逆F型アンテナ装置であることを特徴としている。ここで、図10に示すように、比較例に係るアンテナ装置1Pにおいて、幅Ewと幅Ewtとは同一に設定された。
【0029】
図12は、図1のアンテナ装置1のVSWRのシミュレーション結果を示すグラフであり、図13は、図7のアンテナ装置1PのVSWRのシミュレーション結果を示すグラフである。また、図14は、図12及び図13の各シミュレーション結果を算出するために用いられたアンテナ装置1及び1Pの各パラメータを示す表である。
【0030】
図12及び図13のシミュレーションにおいて、共振周波数f1は5.4GHzに設定され、共振周波数f2は2.5GHzに設定され、共振周波数f3は3.5GHzに設定された。また、基板10の厚さは0.8mmに設定された。さらに、アンテナ装置1及び1Pにおいて、インダクタ22の形状は、インダクタ22が、5.4GHz以上の周波数を有する信号を遮断し、5.4GHz未満の周波数を有する信号を通過させる高周波阻止用インダクタとして機能するように設定された。具体的には、アンテナ装置1において、インダクタ22及びインダクタ42のライン幅La及びライン間隔Saはそれぞれ0.1mmに設定され、折り返し回数は7回に設定され、幅Ewtは4.5mmに設定された(図5及び図6参照)。一方、アンテナ装置1Pにおいて、インダクタ22のライン幅Lb及びライン間隔Sbはそれぞれ0.1mmに設定され、折り返し回数は6回に設定され、幅Ewtは3mmに設定された(図11参照)。このように、アンテナ装置1のインダクタ22の形状と、アンテナ装置1Pのインダクタ22の形状とが異なるのは、以下の理由による。すなわち、アンテナ装置1は放射導体4を有するので、インダクタ22とインダクタ42とが電磁的に結合し、インダクタ22のインダクタンスが、アンテナ装置1Pのインダクタ22のインダクタンスよりも高くなるためである。
【0031】
図13に示すように、アンテナ装置1Pは、約2.5GHz及び約5.4GHzの2つの共振周波数を有する。一方、図12に示すように、放射導体4を備えたアンテナ装置1は、約2.5GHz及び約5.4GHzの2つの共振周波数に加えて、約3.5GHzの共振周波数を有する。さらに、図12において、約2.5GHz及び約5.4GHzの各近傍におけるVSWRの特性は、図13と同様に保たれている。
【0032】
以上説明したように、本実施形態に係るアンテナ装置1によれば、インダクタ22に電磁的に結合するインダクタ42と平面導体23に容量結合する平面導体43とを有する放射導体4を備えただけで、3個の周波数帯域をサポートするアンテナ装置1を実現できる。従って、従来技術に比較して小型の、トリプルバンドのアンテナ装置を提供できる。
【0033】
さらに、インダクタ22はメアンダ形状を有するので、放射導体2の長さを短縮でき、アンテナ装置1を格納する金属筐体などの周囲の金属の影響、特に放射導体2の開放端の近傍に金属が存在する場合のアンテナ装置1の特性への悪影響を小さくできる。
【0034】
なお、図12及び図13のシミュレーションでは、アンテナ装置1のインダクタ22のライン幅La及びライン間隔Saを、アンテナ装置1Pのインダクタ22のライン幅Lb及びライン間隔Sbと同一に設定し、長さEb(折り返し回数に対応する。)を調整することにより、インダクタ22のインダクタンスを調整した。しかしながら、本発明はこれに限られず、インダクタ22のライン幅La及びライン間隔Saを調整することにより、インダクタ22のインダクタンスを調整してもよい。
【0035】
また、本実施形態においてインダクタ22はメアンダ形状を有しているが、本発明はこれに限られない。インダクタ22の形状によらずに、インダクタ22に電磁的に結合するインダクタ42と、平面導体43とを有する放射導体4を設けることにより、共振点を1つだけ増やすことができる。
【0036】
第2の実施形態.
図15は、本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置1Aの側面図である。本実施形態に係るアンテナ装置1Aは、第1の実施形態に係るアンテナ装置1に比較して、放射導体4Aをさらに備えたことを特徴としており、他の構成は第1の実施形態に係るアンテナ装置1と同様である。図15において、放射導体4Aは、基板10の上面に形成された誘電体層10A上に形成されている。放射導体4Aは、図4の放射導体4と同一の形状を有し、デュアルバンド形成用インダクタ42に対向するインダクタ42Aと、平面導体43に対向する平面導体43Aとを備える。
【0037】
また、図15において、インダクタ42Aは、インダクタ42と電磁的に結合するようにインダクタ42に近接して配置される。また、平面導体43Aは、平面導体43と容量結合するように平面導体43に近接して配置される。従って、平面導体23,43,43Aとインダクタ22,42,42Aと平面導体21と短絡導体板91とで、共振周波数f4を有する第4のアンテナ素子を構成する。ここで、平面導体43Aの開放端から平面導体43と平面導体23とインダクタ22と平面導体21と一端2aと短絡導体板91とを介して、短絡導体板91の接地導体9との接続点91aまでの電気長が、実質的に周波数f4の波長の4分の1となるように設定される。第4のアンテナ素子は、上述した第3のアンテナ素子に比較して、平面導体23及び43により構成される短縮キャパシタに直列に接続された、平面導体43及び43Aにより構成される短縮キャパシタをさらに備える。また、平面導体43及び43Aにより構成される短縮キャパシタのキャパシタンスは、平面導体43の面積と、誘電体層10Aの厚さ及び誘電率とにより決定される。従って、第4のアンテナ素子において、2つの短縮キャパシタの直列接続によるキャパシタンスの減少により、第3のアンテナ素子に比較して波長短縮効果が小さくなる。このため、例えば、共振周波数f4は共振周波数f3より低く、かつ共振周波数f2より高くなる(f2<f4<f3<f1)。
【0038】
本実施形態によれば、第1の実施形態に比較して、共振周波数f4を有する共振点をさらに形成できる。従って、本実施形態によれば、4つの共振点を有しかつ従来技術に比較して小型のアンテナ装置を実現できる。
【0039】
第3の実施形態.
図16は、本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置1Bの側面図である。本実施形態に係るアンテナ装置1Bは、第1の実施形態に係るアンテナ装置1に比較して、放射導体4Bをさらに備えたことを特徴として、他の構成は第1の実施形態に係るアンテナ装置1と同様である。図16において、放射導体4Bは、基板10の裏面に形成された誘電体層10B上に形成されている。放射導体4Bは、図4の放射導体4と同一の形状を有し、インダクタ22に対向するインダクタ42Bと、平面導体23に対向する平面導体43Bとを備える。
【0040】
また、図16において、インダクタ42Bは、インダクタ22と電磁的に結合するように、インダクタ22に近接して配置される。さらに、平面導体43Bは、平面導体23と電磁的に結合するように、平面導体23に近接して配置される。従って、平面導体23,43Bとインダクタ22,42Bと平面導体21と短絡導体板91とで、共振周波数f5を有する第5のアンテナ素子を構成する。ここで、平面導体43Bの開放端から平面導体23とインダクタ22と平面導体21と一端2aと短絡導体板91とを介して、短絡導体板91の接地導体9との接続点91aまでの電気長が、実質的に周波数f5の波長の4分の1となるように設定される。上述した第3のアンテナ素子において、平面導体23及び43により構成される短縮キャパシタのキャパシタンスは、平面導体23の面積と、基板10の厚さ及び誘電率とにより決定される一方、第5のアンテナ素子において、平面導体23及び43Bにより構成される短縮キャパシタのキャパシタンスは、平面導体23の面積と、誘電体層10Bの厚さ及び誘電率とにより決定される。従って、例えば、平面導体23及び43Bにより構成される短縮キャパシタのキャパシタンスが、平面導体23及び43により構成される短縮キャパシタのキャパシタンスよりも大きいときは、共振周波数f5は、共振周波数f3より高く、かつ共振周波数f1より低くなる(f2<f3<f5<f1)。
【0041】
本実施形態によれば、第1の実施形態に比較して、共振周波数f5を有する共振点をさらに形成できる。従って、本実施形態によれば、4つの共振点を有しかつ従来技術に比較して小型のアンテナ装置を実現できる。
【0042】
なお、上記各実施形態において、放射導体4、4A及び4Bは放射導体2のインダクタ22及び平面導体23と同一の形状を有したが、本発明はこれに限られない。放射導体4、4A及び4Bは、インダクタ42、42A及び42Bがインダクタ22と電磁的に結合するように設けられればよい。例えば、放射導体4は放射導体2のインダクタ22及び平面導体23よりも大きい面積を有してもよい。
【0043】
また、上記各実施形態において、平面導体23の幅Ewtは平面導体21の幅Ewよりも広く設定されたが、本発明はこれに限られず、平面導体23の幅Ewtは平面導体21の幅Ewと同一に設定されてもよい。ただし、好ましくは、平面導体23の幅Ewtを平面導体21の幅Ewよりも広く設定する。これにより、周波数f3を含む帯域を広げることができる。さらに、上述した短縮キャパシタのキャパシタンスを大きくできる。
【0044】
さらに、上記実施形態及び変形例において、アンテナ装置1、1A及び1Bは板状逆F型アンテナ装置であったが、本発明はこれに限られず、平面導体21に代えて線状導体を備えた逆F型アンテナ装置であてもよい。ただし、この場合でも、平面導体23,43,43A,43Bは、上述した容量結合のために、平面形状である必要がある。
【0045】
またさらに、上記各実施形態において、基板10と接地導体9との間の空間は空気によって満たされていた。しかしながら、本発明はこれに限られず、基板10と接地導体9との間に誘電体を挟設してもよい。これにより、より低背のアンテナ装置を実現できる。また、接地導体9を板金により形成したが、本発明はこれに限られず、接地導体9を金属などの基板により形成してもよい。さらに、基板10を接地導体9に対して短絡導体板91及び支持板92を用いて固定したが、本発明はこれに限られず、アンテナ装置1、1A又は1B全体をマルチレイヤの基板で作成してもよい。
【0046】
また、上記各実施形態において、誘電体基板10を用いたが、本発明はこれに限られず、半導体基板を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上説明したように、本発明に係るアンテナ装置によれば、第2の放射導体をさらに備え、第2の放射導体は、デュアルバンド形成用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第1の電磁結合用インダクタと、第2の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ第1の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第3の導体とを備えたので、3つの周波数帯域をサポートする、従来技術に比較して小型のアンテナ装置を提供できる。
【0048】
本発明に係るアンテナ装置は、無線通信を行う家電製品、パーソナルコンピュータ、及びその他の産業機器のためのアンテナ装置として有用である。
【符号の説明】
【0049】
1,1A,1B…アンテナ装置、
2…放射導体、
4,4A,4B…放射導体、
9…接地導体、
10…誘電体基板、
10A,10B…誘電体層
21…平面導体、
22…デュアルバンド形成用インダクタ、
23…平面導体、
42,42A,42B…電磁結合用インダクタ、
43,43A,43B…平面導体、
91…短絡導体板、
92…支持板、
Q…給電点。
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置のためのアンテナ装置に関し、特に、逆F型アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PDA(Personal Data Assistance)、ノート型パーソナルコンピュータ、及び携帯電話機などの携帯型の通信端末に搭載されるアンテナ装置は、小型であることが要求される。さらに、近年、このようなアンテナ装置は、IEEE802.11b/g/nなどの無線LAN(Local Area Network)の通信規格に加えて、WiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access)と呼ばれる新しい無線通信規格にも準拠することが要求されている。特許文献1〜3は、このような要求に応えるアンテナ装置として、逆F型アンテナ装置を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−199204号公報。
【特許文献2】特開2003−158419号公報。
【特許文献3】特開昭61−238107号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
WiMAXは、IEEE802.11nと同様に、MIMO(Multiple Input Multiple output)技術を応用した無線通信規格である。従って、WiMAXに準拠した無線通信部とIEEE802.11b/g/nなどの無線LANの通信規格に準拠した無線通信部とを備えた通信機器を設計する場合、2つの無線通信部が1つの変復調部を共用するように設計することは容易である。
【0005】
ここで、IEEE802.11b/gは、2402MHzから2482MHzまでの2.4GHz帯の周波数帯域を用いる無線LANの通信規格であり、当該通信規格において使用可能な帯域幅は約80MHzである。さらに、この周波数帯域に、日本国内のみでIEEE802.11bにおいて利用できる14チャンネル目の周波数帯域を加えた場合は、使用可能な帯域幅は約90MHzである。また、IEEE802.11n/aは、5.17GHzから5.815GHzまでの5GHz帯の周波数帯域を用いる無線LANの通信規格であり、当該通信規格において使用可能な帯域幅は約650MHzである。さらに、WiMAXにおいて用いられる周波数帯域は、例えば、2.3GHz帯(2295MHz〜2405MHz)と、2.5GHz帯(2491MHz〜2695MHz)と、主に欧州で使用される3.5GHz帯(3400MHz〜3600MHz)とを含み、上述した無線LANの各通信規格において用いられる周波数帯域とは異なる。
【0006】
従って、パワーアンプ、ローノイズアンプ、トランシーバー及びアンテナなどの高周波部を上述した2つの無線通信部で共用する場合、この高周波部は、400MHzの帯域幅を有する2GHz帯(2295MHz〜2695MHz)と、200MHzの帯域幅を有する3GHz帯(3400MHz〜3600MHz)と、約650MHzの帯域幅を有する5GHz帯(5.17GHz〜5.815GHz)とをサポートする必要がある。
【0007】
さらに、WiMAXは、屋外において無線通信を利用するために定められた規格であるため、主に、PDA及びノート型パーソナルコンピュータなどの携帯型の通信端末に搭載される。このため、当然ながら、WiMAX及び無線LANの両方の通信規格に準拠した、単一の小型のアンテナ装置に対するニーズが非常に高い。しかしながら、2GHz帯、3GHz帯及び5GHz帯において共振点を有し、かつ小型のアンテナ装置を実現することは、技術的に困難であった。
【0008】
例えば、特許文献1は、グランド導体と、メアンダ状に形成されている放射素子とを有し、メアンダ状の放射素子の少なくとも一部では、グランド導体に対して接近・離反する方向と交差する方向に延伸している部位の長さが、接近・離反する方向に延伸している部位の長さよりも長くなっていることを特徴とするアンテナを開示している。特許文献1によれば、放射素子を複数箇所で折り曲げることにより、放射素子を、グランド導体からの距離が互いに異なる複数の部分に分割することにより、複数の共振周波数を実現している。従って、グランド導体を含むアンテナ基板を水平面に設けた場合、放射素子の垂直方向の寸法が比較的大きくなる。また、この場合、特許文献1記載のアンテナは、アンテナ基板に対して垂直に広がる指向特性を有する。従って、特許文献1記載のアンテナは、より低背であり、かつアンテナ基板に対して水平に広がる指向特性を持つことが仕様として要求される、薄型のノート型パーソナルコンピュータ及びDVDプレーヤなどの電子機器に搭載するためのアンテナ装置には不向きであった。
【0009】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、3つ以上の複数の周波数帯域をサポートする、従来技術に比較して小型のアンテナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るアンテナ装置は、
接地導体と、
上記接地導体に接続された一端を有する短絡導体と、
上記接地導体に対向して設けられた第1の放射導体であって、上記短絡導体の他端に接続された一端を有しかつ上記接地導体から所定の間隔だけ離れた位置に設けられた給電点を含む第1の導体と、開放端である一端を有する平面形状の第2の導体と、上記第1の導体の他端と上記第2の導体の他端との間に接続されたデュアルバンド形成用インダクタとを含む第1の放射導体とを備えたアンテナ装置において、
第2の放射導体をさらに備え、
上記第2の放射導体は、
上記デュアルバンド形成用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第1の電磁結合用インダクタと、
上記第2の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第1の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第3の導体とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、上記アンテナ装置において、
上記第1の放射導体は、互いに対向する第1の面と第2の面とを有する基板の上記第1の面に形成され、
上記第2の放射導体は、上記基板の第2の面に形成されたことを特徴とする。
【0012】
さらに、上記アンテナ装置は、第3の放射導体をさらに備え、
上記第3の放射導体は、
上記第1の電磁結合用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第2の電磁結合用インダクタと、
上記第3の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第2の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第4の導体とを備えたことを特徴とする。
【0013】
またさらに、上記アンテナ装置において、上記第3の放射導体は、上記基板の第2の面に形成された誘電体層上に形成されたことを特徴とする。
【0014】
また、上記アンテナ装置は、第4の放射導体をさらに備え、
上記第4の放射導体は、
上記デュアルバンド形成用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第3の電磁結合用インダクタと、
上記第2の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第3の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第5の導体とを備えたことを特徴とする。
【0015】
さらに、上記アンテナ装置において、上記第4の放射導体は、上記基板の第1の面に形成された誘電体層上に形成されたことを特徴とする。
【0016】
またさらに、上記アンテナ装置において、上記第2の導体は、上記第1の導体の幅よりも広い幅を有することを特徴とする。
【0017】
また、上記アンテナ装置において、上記デュアルバンド形成用インダクタはメアンダ形状を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るアンテナ装置によれば、第2の放射導体をさらに備え、第2の放射導体は、デュアルバンド形成用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第1の電磁結合用インダクタと、第2の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ第1の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第3の導体とを備えたので、3つの周波数帯域をサポートする、従来技術に比較して小型のアンテナ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置1の斜視図である。
【図2】図1のアンテナ装置1の側面図である。
【図3】図1のアンテナ装置1の上面図である。
【図4】図1の基板10の上面図及び裏面図である。
【図5】図1の放射導体4の平面図である。
【図6】図1の放射導体2の部分拡大図である。
【図7】比較例に係るアンテナ装置1Pの斜視図である。
【図8】図7のアンテナ装置1Pの側面図である。
【図9】図7のアンテナ装置1Pの上面図である。
【図10】図7の基板10の上面図及び裏面図である。
【図11】図7の放射導体2の部分拡大図である。
【図12】図1のアンテナ装置1の電圧定在波比(Voltage Standing Wave Ratio。以下、VSWRという。)のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図13】図7のアンテナ装置1PのVSWRのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図14】図12及び図13の各シミュレーション結果を算出するために用いられたアンテナ装置1及び1Pの各パラメータを示す表である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置1Aの側面図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置1Bの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0021】
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置1の斜視図であり、図2は、図1のアンテナ装置1の側面図であり、図3は、図1のアンテナ装置1の上面図である。また、図4は、図1の基板10の上面図及び裏面図であり、図5は、図1の放射導体4の平面図であり、図6は、図1の放射導体2の部分拡大図である。
【0022】
図1において、アンテナ装置1は、PDA、ノート型パーソナルコンピュータ、及び携帯電話機などの携帯型の通信端末に搭載され、かつ共振周波数f1、f2及びf3(ただし、f2<f3<f1である。)で共振するトリプルバンドの板状逆F型アンテナ装置である。アンテナ装置1は、例えばガラスエポキシ基板(FR4(Flame Retardant Type 4)基板)である誘電体基板10(以下、基板10という。)と、例えば銅などの金属の角柱から板金により形成されたブロック状の接地導体9と、例えば銅板である短絡導体板91と、同軸ケーブルを内蔵しかつ誘電体にてなる支持板92とを備えて構成される。ここで、接地導体9は上述した通信端末の金属筐体の一部である。短絡導体板91の一端91aは接地導体9に電気的に接続されて固定されている。また、支持板92は接地導体9に固定されている。支持板92内の同軸ケーブルの中心導体の一端は無線通信回路に接続される一方、その他端は放射導体2の給電点Qに接続される。さらに、支持板92内の同軸ケーブルの接地導体は接地導体9に接続されている。
【0023】
図4に示すように、放射導体2は、基板10の裏面に、その長手方向が基板10の長手方向に対して平行となるように、導体パターンで印刷されている。ここで、放射導体2は、短絡導体板91を介して接地導体9に電気的に接続された一端2aと、他端である開放端2bと、給電点Qとを有する。給電点Qの位置は、給電点Qからアンテナ装置1全体を見たインピーダンスが、給電点Qから支持板92内の同軸ケーブル側を見たインピーダンスに一致するように設定される。さらに、図4において、放射導体2は、給電点Qを含みかつ長さEa及び幅Ewを有する平面導体21と、放射導体2の開放端2bを含みかつ長さEc及び幅Ewtを有する平面導体23と、平面導体21と22との間に接続されかつ長さEb及び幅Ewtを有する、メアンダ形状のデュアルバンド形成用インダクタ22(以下、インダクタ22という。)とを含む。
【0024】
また、図4において、放射導体4は、基板10の表面に導体パターンで印刷されている。ここで、放射導体4は、インダクタ22と同一の形状を有しかつインダクタ22に対向する電磁結合用インダクタ42(以下、インダクタ42という。)と、平面導体23と同一の形状を有しかつ平面導体23に対向する平面導体43とを備える。また、インダクタ42は、インダクタ22と電磁的に結合するようにインダクタ22に近接して配置され、平面導体43は、平面導体23と容量結合するように、平面導体23に近接して配置される。なお、放射導体4は、直接的に給電されていない、いわゆる無給電素子である。
【0025】
図2において、平面導体21のインダクタ22との接続点21aから平面導体21と一端2aと短絡導体板91とを介して、短絡導体板91の接地導体9との接続点91aまでの電気長が、実質的に周波数f1の波長の4分の1となるように設定され、第1のアンテナ素子を構成する。また、開放端2bから平面導体23とインダクタ22と平面導体21と一端2aと短絡導体板91とを介して、短絡導体板91の接地導体9との接続点91aまでの電気長が、実質的に周波数f2(f2<f1)の波長の4分の1となるように設定され、第2のアンテナ素子を構成する。
【0026】
さらに、図2において、インダクタ42と22とが電磁結合しかつ平面導体43と23とは容量結合しているので、平面導体23,43とインダクタ22,42と平面導体21と短絡導体板91とで第3のアンテナ素子を構成する。ここで、平面導体43の開放端から平面導体23とインダクタ22と平面導体21と一端2aと短絡導体板91とを介して、短絡導体板91の接地導体9との接続点91aまでの電気長が、実質的に周波数f3の波長の4分の1となるように設定される。ここで、第3のアンテナ素子は、インダクタ42と22とが電磁結合することにより電磁波信号が給電され、かつ平面導体43と23とが容量結合することにより短縮キャパシタとして給電及び波長短縮機能を有するように構成され、例えば、当該第3のアンテナ素子の共振周波数f3は、上記波長短縮機能により第2のアンテナ素子の共振周波数f2よりも高くなり第1のアンテナ素子の共振周波数f1よりも低くなる(f2<f3<f1)。なお、上述した短縮キャパシタのキャパシタンスは、平面導体23の面積と、基板10の厚さ及び誘電率とによって決定される。
【0027】
また、図6において、インダクタ22の折り返し回数と、ライン幅Laと、ライン間隔Saとは、インダクタ22が、共振周波数f1以上の周波数を有する信号を遮断し、かつ共振周波数f1未満の周波数を有する信号を通過させる高周波阻止用インダクタとして機能するように設定される。
【0028】
次に、本実施形態に係るアンテナ装置1及び比較例に係るアンテナ装置1PのVSWRのシミュレーション結果を示す。図7は、比較例に係るアンテナ装置1Pの斜視図であり、図8は、図7のアンテナ装置1Pの側面図であり、図9は、図7のアンテナ装置1Pの上面図である。また、図10は、図7の基板10の上面図及び裏面図であり、図11は、図7の放射導体2の部分拡大図である。図7に示すように、比較例に係るアンテナ装置1Pは、本実施形態に係るアンテナ装置1に比較して、放射導体4を備えず、共振周波数f1及びf2で共振するデュアルバンドの板状逆F型アンテナ装置であることを特徴としている。ここで、図10に示すように、比較例に係るアンテナ装置1Pにおいて、幅Ewと幅Ewtとは同一に設定された。
【0029】
図12は、図1のアンテナ装置1のVSWRのシミュレーション結果を示すグラフであり、図13は、図7のアンテナ装置1PのVSWRのシミュレーション結果を示すグラフである。また、図14は、図12及び図13の各シミュレーション結果を算出するために用いられたアンテナ装置1及び1Pの各パラメータを示す表である。
【0030】
図12及び図13のシミュレーションにおいて、共振周波数f1は5.4GHzに設定され、共振周波数f2は2.5GHzに設定され、共振周波数f3は3.5GHzに設定された。また、基板10の厚さは0.8mmに設定された。さらに、アンテナ装置1及び1Pにおいて、インダクタ22の形状は、インダクタ22が、5.4GHz以上の周波数を有する信号を遮断し、5.4GHz未満の周波数を有する信号を通過させる高周波阻止用インダクタとして機能するように設定された。具体的には、アンテナ装置1において、インダクタ22及びインダクタ42のライン幅La及びライン間隔Saはそれぞれ0.1mmに設定され、折り返し回数は7回に設定され、幅Ewtは4.5mmに設定された(図5及び図6参照)。一方、アンテナ装置1Pにおいて、インダクタ22のライン幅Lb及びライン間隔Sbはそれぞれ0.1mmに設定され、折り返し回数は6回に設定され、幅Ewtは3mmに設定された(図11参照)。このように、アンテナ装置1のインダクタ22の形状と、アンテナ装置1Pのインダクタ22の形状とが異なるのは、以下の理由による。すなわち、アンテナ装置1は放射導体4を有するので、インダクタ22とインダクタ42とが電磁的に結合し、インダクタ22のインダクタンスが、アンテナ装置1Pのインダクタ22のインダクタンスよりも高くなるためである。
【0031】
図13に示すように、アンテナ装置1Pは、約2.5GHz及び約5.4GHzの2つの共振周波数を有する。一方、図12に示すように、放射導体4を備えたアンテナ装置1は、約2.5GHz及び約5.4GHzの2つの共振周波数に加えて、約3.5GHzの共振周波数を有する。さらに、図12において、約2.5GHz及び約5.4GHzの各近傍におけるVSWRの特性は、図13と同様に保たれている。
【0032】
以上説明したように、本実施形態に係るアンテナ装置1によれば、インダクタ22に電磁的に結合するインダクタ42と平面導体23に容量結合する平面導体43とを有する放射導体4を備えただけで、3個の周波数帯域をサポートするアンテナ装置1を実現できる。従って、従来技術に比較して小型の、トリプルバンドのアンテナ装置を提供できる。
【0033】
さらに、インダクタ22はメアンダ形状を有するので、放射導体2の長さを短縮でき、アンテナ装置1を格納する金属筐体などの周囲の金属の影響、特に放射導体2の開放端の近傍に金属が存在する場合のアンテナ装置1の特性への悪影響を小さくできる。
【0034】
なお、図12及び図13のシミュレーションでは、アンテナ装置1のインダクタ22のライン幅La及びライン間隔Saを、アンテナ装置1Pのインダクタ22のライン幅Lb及びライン間隔Sbと同一に設定し、長さEb(折り返し回数に対応する。)を調整することにより、インダクタ22のインダクタンスを調整した。しかしながら、本発明はこれに限られず、インダクタ22のライン幅La及びライン間隔Saを調整することにより、インダクタ22のインダクタンスを調整してもよい。
【0035】
また、本実施形態においてインダクタ22はメアンダ形状を有しているが、本発明はこれに限られない。インダクタ22の形状によらずに、インダクタ22に電磁的に結合するインダクタ42と、平面導体43とを有する放射導体4を設けることにより、共振点を1つだけ増やすことができる。
【0036】
第2の実施形態.
図15は、本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置1Aの側面図である。本実施形態に係るアンテナ装置1Aは、第1の実施形態に係るアンテナ装置1に比較して、放射導体4Aをさらに備えたことを特徴としており、他の構成は第1の実施形態に係るアンテナ装置1と同様である。図15において、放射導体4Aは、基板10の上面に形成された誘電体層10A上に形成されている。放射導体4Aは、図4の放射導体4と同一の形状を有し、デュアルバンド形成用インダクタ42に対向するインダクタ42Aと、平面導体43に対向する平面導体43Aとを備える。
【0037】
また、図15において、インダクタ42Aは、インダクタ42と電磁的に結合するようにインダクタ42に近接して配置される。また、平面導体43Aは、平面導体43と容量結合するように平面導体43に近接して配置される。従って、平面導体23,43,43Aとインダクタ22,42,42Aと平面導体21と短絡導体板91とで、共振周波数f4を有する第4のアンテナ素子を構成する。ここで、平面導体43Aの開放端から平面導体43と平面導体23とインダクタ22と平面導体21と一端2aと短絡導体板91とを介して、短絡導体板91の接地導体9との接続点91aまでの電気長が、実質的に周波数f4の波長の4分の1となるように設定される。第4のアンテナ素子は、上述した第3のアンテナ素子に比較して、平面導体23及び43により構成される短縮キャパシタに直列に接続された、平面導体43及び43Aにより構成される短縮キャパシタをさらに備える。また、平面導体43及び43Aにより構成される短縮キャパシタのキャパシタンスは、平面導体43の面積と、誘電体層10Aの厚さ及び誘電率とにより決定される。従って、第4のアンテナ素子において、2つの短縮キャパシタの直列接続によるキャパシタンスの減少により、第3のアンテナ素子に比較して波長短縮効果が小さくなる。このため、例えば、共振周波数f4は共振周波数f3より低く、かつ共振周波数f2より高くなる(f2<f4<f3<f1)。
【0038】
本実施形態によれば、第1の実施形態に比較して、共振周波数f4を有する共振点をさらに形成できる。従って、本実施形態によれば、4つの共振点を有しかつ従来技術に比較して小型のアンテナ装置を実現できる。
【0039】
第3の実施形態.
図16は、本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置1Bの側面図である。本実施形態に係るアンテナ装置1Bは、第1の実施形態に係るアンテナ装置1に比較して、放射導体4Bをさらに備えたことを特徴として、他の構成は第1の実施形態に係るアンテナ装置1と同様である。図16において、放射導体4Bは、基板10の裏面に形成された誘電体層10B上に形成されている。放射導体4Bは、図4の放射導体4と同一の形状を有し、インダクタ22に対向するインダクタ42Bと、平面導体23に対向する平面導体43Bとを備える。
【0040】
また、図16において、インダクタ42Bは、インダクタ22と電磁的に結合するように、インダクタ22に近接して配置される。さらに、平面導体43Bは、平面導体23と電磁的に結合するように、平面導体23に近接して配置される。従って、平面導体23,43Bとインダクタ22,42Bと平面導体21と短絡導体板91とで、共振周波数f5を有する第5のアンテナ素子を構成する。ここで、平面導体43Bの開放端から平面導体23とインダクタ22と平面導体21と一端2aと短絡導体板91とを介して、短絡導体板91の接地導体9との接続点91aまでの電気長が、実質的に周波数f5の波長の4分の1となるように設定される。上述した第3のアンテナ素子において、平面導体23及び43により構成される短縮キャパシタのキャパシタンスは、平面導体23の面積と、基板10の厚さ及び誘電率とにより決定される一方、第5のアンテナ素子において、平面導体23及び43Bにより構成される短縮キャパシタのキャパシタンスは、平面導体23の面積と、誘電体層10Bの厚さ及び誘電率とにより決定される。従って、例えば、平面導体23及び43Bにより構成される短縮キャパシタのキャパシタンスが、平面導体23及び43により構成される短縮キャパシタのキャパシタンスよりも大きいときは、共振周波数f5は、共振周波数f3より高く、かつ共振周波数f1より低くなる(f2<f3<f5<f1)。
【0041】
本実施形態によれば、第1の実施形態に比較して、共振周波数f5を有する共振点をさらに形成できる。従って、本実施形態によれば、4つの共振点を有しかつ従来技術に比較して小型のアンテナ装置を実現できる。
【0042】
なお、上記各実施形態において、放射導体4、4A及び4Bは放射導体2のインダクタ22及び平面導体23と同一の形状を有したが、本発明はこれに限られない。放射導体4、4A及び4Bは、インダクタ42、42A及び42Bがインダクタ22と電磁的に結合するように設けられればよい。例えば、放射導体4は放射導体2のインダクタ22及び平面導体23よりも大きい面積を有してもよい。
【0043】
また、上記各実施形態において、平面導体23の幅Ewtは平面導体21の幅Ewよりも広く設定されたが、本発明はこれに限られず、平面導体23の幅Ewtは平面導体21の幅Ewと同一に設定されてもよい。ただし、好ましくは、平面導体23の幅Ewtを平面導体21の幅Ewよりも広く設定する。これにより、周波数f3を含む帯域を広げることができる。さらに、上述した短縮キャパシタのキャパシタンスを大きくできる。
【0044】
さらに、上記実施形態及び変形例において、アンテナ装置1、1A及び1Bは板状逆F型アンテナ装置であったが、本発明はこれに限られず、平面導体21に代えて線状導体を備えた逆F型アンテナ装置であてもよい。ただし、この場合でも、平面導体23,43,43A,43Bは、上述した容量結合のために、平面形状である必要がある。
【0045】
またさらに、上記各実施形態において、基板10と接地導体9との間の空間は空気によって満たされていた。しかしながら、本発明はこれに限られず、基板10と接地導体9との間に誘電体を挟設してもよい。これにより、より低背のアンテナ装置を実現できる。また、接地導体9を板金により形成したが、本発明はこれに限られず、接地導体9を金属などの基板により形成してもよい。さらに、基板10を接地導体9に対して短絡導体板91及び支持板92を用いて固定したが、本発明はこれに限られず、アンテナ装置1、1A又は1B全体をマルチレイヤの基板で作成してもよい。
【0046】
また、上記各実施形態において、誘電体基板10を用いたが、本発明はこれに限られず、半導体基板を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上説明したように、本発明に係るアンテナ装置によれば、第2の放射導体をさらに備え、第2の放射導体は、デュアルバンド形成用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第1の電磁結合用インダクタと、第2の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ第1の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第3の導体とを備えたので、3つの周波数帯域をサポートする、従来技術に比較して小型のアンテナ装置を提供できる。
【0048】
本発明に係るアンテナ装置は、無線通信を行う家電製品、パーソナルコンピュータ、及びその他の産業機器のためのアンテナ装置として有用である。
【符号の説明】
【0049】
1,1A,1B…アンテナ装置、
2…放射導体、
4,4A,4B…放射導体、
9…接地導体、
10…誘電体基板、
10A,10B…誘電体層
21…平面導体、
22…デュアルバンド形成用インダクタ、
23…平面導体、
42,42A,42B…電磁結合用インダクタ、
43,43A,43B…平面導体、
91…短絡導体板、
92…支持板、
Q…給電点。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地導体と、
上記接地導体に接続された一端を有する短絡導体と、
上記接地導体に対向して設けられた第1の放射導体であって、上記短絡導体の他端に接続された一端を有しかつ上記接地導体から所定の間隔だけ離れた位置に設けられた給電点を含む第1の導体と、開放端である一端を有する平面形状の第2の導体と、上記第1の導体の他端と上記第2の導体の他端との間に接続されたデュアルバンド形成用インダクタとを含む第1の放射導体とを備えたアンテナ装置において、
第2の放射導体をさらに備え、
上記第2の放射導体は、
上記デュアルバンド形成用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第1の電磁結合用インダクタと、
上記第2の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第1の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第3の導体とを備えたことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
上記第1の放射導体は、互いに対向する第1の面と第2の面とを有する基板の上記第1の面に形成され、
上記第2の放射導体は、上記基板の第2の面に形成されたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項3】
上記アンテナ装置は、第3の放射導体をさらに備え、
上記第3の放射導体は、
上記第1の電磁結合用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第2の電磁結合用インダクタと、
上記第3の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第2の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第4の導体とを備えたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項4】
上記アンテナ装置は、第3の放射導体をさらに備え、
上記第3の放射導体は、
上記第1の電磁結合用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第2の電磁結合用インダクタと、
上記第3の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第2の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第4の導体とを備えたことを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。
【請求項5】
上記第3の放射導体は、上記基板の第2の面に形成された誘電体層上に形成されたことを特徴とする請求項4記載のアンテナ装置。
【請求項6】
上記アンテナ装置は、第4の放射導体をさらに備え、
上記第4の放射導体は、
上記デュアルバンド形成用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第3の電磁結合用インダクタと、
上記第2の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第3の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第5の導体とを備えたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項7】
上記アンテナ装置は、第4の放射導体をさらに備え、
上記第4の放射導体は、
上記デュアルバンド形成用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第3の電磁結合用インダクタと、
上記第2の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第3の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第5の導体とを備えたことを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。
【請求項8】
上記第4の放射導体は、上記基板の第1の面に形成された誘電体層上に形成されたことを特徴とする請求項7記載のアンテナ装置。
【請求項9】
上記第2の導体は、上記第1の導体の幅よりも広い幅を有することを特徴とする請求項1から8までのうちのいずれか1つに記載のアンテナ装置。
【請求項10】
上記デュアルバンド形成用インダクタはメアンダ形状を有することを特徴とする請求項1から9までのうちのいずれか1つに記載のアンテナ装置。
【請求項1】
接地導体と、
上記接地導体に接続された一端を有する短絡導体と、
上記接地導体に対向して設けられた第1の放射導体であって、上記短絡導体の他端に接続された一端を有しかつ上記接地導体から所定の間隔だけ離れた位置に設けられた給電点を含む第1の導体と、開放端である一端を有する平面形状の第2の導体と、上記第1の導体の他端と上記第2の導体の他端との間に接続されたデュアルバンド形成用インダクタとを含む第1の放射導体とを備えたアンテナ装置において、
第2の放射導体をさらに備え、
上記第2の放射導体は、
上記デュアルバンド形成用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第1の電磁結合用インダクタと、
上記第2の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第1の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第3の導体とを備えたことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
上記第1の放射導体は、互いに対向する第1の面と第2の面とを有する基板の上記第1の面に形成され、
上記第2の放射導体は、上記基板の第2の面に形成されたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項3】
上記アンテナ装置は、第3の放射導体をさらに備え、
上記第3の放射導体は、
上記第1の電磁結合用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第2の電磁結合用インダクタと、
上記第3の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第2の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第4の導体とを備えたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項4】
上記アンテナ装置は、第3の放射導体をさらに備え、
上記第3の放射導体は、
上記第1の電磁結合用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第2の電磁結合用インダクタと、
上記第3の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第2の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第4の導体とを備えたことを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。
【請求項5】
上記第3の放射導体は、上記基板の第2の面に形成された誘電体層上に形成されたことを特徴とする請求項4記載のアンテナ装置。
【請求項6】
上記アンテナ装置は、第4の放射導体をさらに備え、
上記第4の放射導体は、
上記デュアルバンド形成用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第3の電磁結合用インダクタと、
上記第2の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第3の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第5の導体とを備えたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項7】
上記アンテナ装置は、第4の放射導体をさらに備え、
上記第4の放射導体は、
上記デュアルバンド形成用インダクタに電磁的に結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ開放端である一端を有する第3の電磁結合用インダクタと、
上記第2の導体に容量結合するように近接してかつ対向して設けられ、かつ上記第3の電磁結合用インダクタの他端に接続された一端と開放端である他端とを有する平面形状の第5の導体とを備えたことを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。
【請求項8】
上記第4の放射導体は、上記基板の第1の面に形成された誘電体層上に形成されたことを特徴とする請求項7記載のアンテナ装置。
【請求項9】
上記第2の導体は、上記第1の導体の幅よりも広い幅を有することを特徴とする請求項1から8までのうちのいずれか1つに記載のアンテナ装置。
【請求項10】
上記デュアルバンド形成用インダクタはメアンダ形状を有することを特徴とする請求項1から9までのうちのいずれか1つに記載のアンテナ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−161004(P2012−161004A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20528(P2011−20528)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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