説明

アーク放電電極及びアーク放電光源

【課題】放電箇所の安定したアーク放電光源を得ること。
【解決手段】陽極10は半円形のベース11に陰極に向かって突出した柱状の凸部12とからなる。また、陰極20は半円形のベース21に陽極10側に向かって突出した円柱状のロッド22とを有している。ロッド22と陽極10の凸部12との間隔はこのロッド22の位置により調整可能に構成されている。陽極10の凸部12に対面する陰極20のロッド22の最外面である対向面23は半球状に凸部12側に屈曲している。そして、その対向面23上に凸部12とロッド22間の距離の方向に深さを有した溝24が対向面23上において直線状に形成されている。すなわち、溝24はロッド22の端面に直線状に形成されたスリットである。溝24はロッド22の側壁において開口している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーク放電のための効率の良い電子供給源となる陰極を有し、放電点が安定したアーク放電電極及びその放電電極を用いたアーク放電光源に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アーク放電を用いた光源が知られている。例えば、下記特許文献1、2に記載の光源が知られている。これらの光源は、水銀や加圧された不活性ガスが充填されたガラス管の内部で、陰極と陽極を微小ギャップだけ隔てて対向させて、この両電極間で放電を行うようにしたものである。
【0003】
また、特許文献3には、コイル状のホローカソードを用いてグロー放電からアーク放電への移行を速くすることで、陰極の劣化を防止した光源が記載されている。また、特許文献4には、ホローカソード効果を用いた冷陰極グロー放電光源が開示されている。また、特許文献5には、ハロゲン化ルテチウムとハロゲン化水銀とを用いたアーク放電によるメタルハライドランプが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−50254号公報
【特許文献2】特開平6−13047号公報
【特許文献3】特開平5−334990号公報
【特許文献4】特開平10−21876号公報
【特許文献5】特開平9−82276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、昨今、点光源や微小ギャップ間で発生するマイクロアークの応用が要請されている。例えば、マイクロアークは、プラズマ中のラジカルの量を測定する用途が期待されている。プラズマ中の例えば、CFやCF2 などの分子ラジカルは、200〜250nmの範囲の幅広いスペクトルでの吸収があるので、その光源には、スペクトル幅の広い紫外線領域で発光する光源が必要となる。アーク放電はグロー放電に比べて発光スペクトルが広くなるので、アーク放電による光をプラズマ診断に用いることができる可能性がある。また、プラズマ状態に影響を与えないためには、点光源である方が望ましい。これらのことから、マイクロアークを発生する電極や高効率のアーク光源の実現が要請される。
【0006】
本発明は、これらの課題を解決するために成されたものであり、アークの発生が容易な電極を提供することである。
また、マイクロアークの発生の容易な光源を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための請求項1に記載の発明は、陰極と陽極とから成るアーク放電を発生させるための電極において、陽極に対する対向面に形成された微小な溝を有する陰極と、陰極に対向して配置される陽極とから成り、相互に対向するように配置された陰極と陽極は、溝上の微小領域と、陽極の対向面との距離が陰極と陽極との間の最小距離となる形状に構成されていることを特徴とするアーク放電陰極である。
【0008】
陰極と陽極とは対向しており、両者の最小距離を構成する陰極側の端点は、陰極の溝上に位置する。一例としては、陰極の対向面が陽極側に凸状に屈曲しており、その凸部の頂点を通るように溝が形成されている場合である。他の例は、陰極の陽極に対する対向面は平面で、その面上に溝が形成されており、陽極の陰極に対向する対向面が凸状に屈曲しており、その頂点と陰極の溝上の点とで、陰極と陽極との最小距離を構成する場合である。
【0009】
陽極と陰極との間に電界が印加される時、電離した陽イオンがこの溝を形成する側壁に衝突して、側壁から電子が放出され、その放出された電子が気体原子と衝突して陽イオンを生成する。そして、その陽イオンが、再度、溝の側壁に衝突して電子を放出させるという過程が繰り返されて、グロー放電に至る。このグロー放電の状態の時に、陽イオンは溝に拘束され、溝における陽イオンの密度が高くなり、陰極から電子が多量に供給され続け得る状態となる。この状態からさらに電流を増加させることにより、陰極から陽極に向けてアーク放電を容易に且つ安定して発生させることができる。この時、アーク放電の陰極上の端点は、上記の溝上の微小領域に固定される。
【0010】
陰極、特に、溝部分の材料としては、ステンレス、モリブデン、タンタル、ニッケル、銅、タングステン、又は、これらの合金などを使用することができる。また、陰極の溝を構成する側壁は、電子を放出し易く、スパッタされ難い材料でコーティングされていても良い。その材料としては、セシウム、数10Å程度の絶縁膜(SiO2 、Al2 3 など)を用いることができる。溝の幅は、環境のガスの圧力にもよるが、2気圧〜10気圧の圧力範囲においては、0.5mm〜0.01mmの範囲が望ましい。さらに、望ましくは、0.08mm〜0.4mm、最も望ましくは、0.1mm〜0.3mmである。溝の長さは、1mm〜10mmが望ましい。さらに、望ましくは、3mm〜8mm、最も望ましくは、4mm〜7mmである。
【0011】
請求項2の発明は、陰極の陽極に対向する面は、陽極側に凸状に突出し、その頂部に微小領域が位置することを特徴とする請求項1に記載のアーク放電電極である。
この微小領域の溝において電子の供給が盛んとなり、グロー放電の開始点となり、最後には、アーク放電の起点となる。アーク放電の起点は電子の供給が盛んなこの微小領域の溝に拘束されるので、アーク放電が安定する。
【0012】
請求項3の発明は、陽極の陰極に対向する面は、陰極側に凸状に突出し、その頂部と微小領域との距離が陽極と陰極との間の最小距離となることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアーク放電電極である。
本発明では、請求項2の発明とは逆に、陽極の陰極に対向する対向面が凸状に屈曲した面となり、その頂部と陰極の対向面上の溝の微小領域との距離が陰極と陽極との間の最小距離となる。そして、陰極の溝の微小領域において、電子の供給が盛んとなり、この頂部と溝の微小領域との間で、アーク放電は安定して継続することになる。
最も望ましい例は、陰極と陽極のそれぞれの対向面を相手方の極の方に凸状に屈曲させることである。そのような形状に構成すれば、凸部の頂点間が陰極と陽極との最短距離となり、しかもこの頂点から少しでも外れると、距離は急激に大きくなる。したがって、陰極の頂部の溝のところに、電子の供給が局在化することになり、この頂点間でアーク放電が極めて安定して発生することになる。また、そのアーク放電を微小なものとするこができる。
【0013】
請求項4の発明は、溝の幅を、0.5mm以下としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のアーク放電電極である。
溝の幅を0.5mm以下とすることで、溝における陽イオンの密度を向上させることができ、安定したアーク放電を得ることができる。
【0014】
請求項5の発明は、溝は複数から成り、微小領域において、複数の溝が交差していることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のアーク放電電極である。
例えば、2つの溝を十字に交差させて、その交差点を微小領域とするものである。この場合に、複数の溝の作用により交差点において、電子が集まりより電子の放出や放電ガスの溝による供給が盛んとなり、この点にアーク放電が安定して拘束される。その他、3本以上の溝を1点で交差させて、この交差点を微小領域とすることも可能である。この構造により発光強度が時間的に極めて安定した。また、電子が溝の交点に集まる構造であるため、アーク放電の持続が容易となり、低電圧でアーク放電が開始され安定した放電が可能となった。
【0015】
請求項6の発明は、溝は、微小領域において、幅が他の部分より狭められていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のアーク放電電極である。
溝の上端を微小領域において、たとえば、かしめることにより、溝の幅が狭められている。このようにすると、この部分での電子密度がより高くなり、グロー放電の起点をさらに小さい点領域とすることができる。この結果、アーク放電もこの点領域に拘束させることができ、より低電圧でアーク放電が開始され安定したアーク放電が得られる。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のアーク放電電極と、アーク放電電極の環境に存在する電離用ガスと、前記電離用ガスを封止又は案内する容器とを有することを特徴とするアーク放電光源である。
【0017】
上述したように、グロー放電時には、陰極に形成されている溝内において陽イオンの密度が高くなり、さらに電流を増加させることで、溝部分から容易に電子が多量に電離用気体に向けて供給されることになり、容易に安定したアーク放電を得ることができる。
本発明は、アーク放電電極を電離用ガス中に置き、放電させることで、安定したアーク放電を得ることができ、アーク放電光源とすることができる。この環境としては、電離用ガスが流れている状態であっても、密閉された状態であっても良い。したがって、容器は、アーク放電中にも電離用ガスを供給する場合には、配管であり、電離用ガスを供給せずに封止する場合には、密閉容器である。
【0018】
電離用ガスとしては、希ガスが用いられる。ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンである。この希ガスと共に、窒素、酸素、水素、水銀などが混入されていても良い。
【0019】
請求項8の発明は、アーク放電電極間にはパルス電圧が印加されることを特徴とする請求項7に記載のアーク放電光源である。
アーク放電をパルスにすると、電極温度を低くすることができる。電極温度を低くできることから、電極の場所による温度変化を抑制できるので、電子放出箇所の変動を抑制することが可能となる。この結果、アーク放電点が安定する。また、印加電圧をパルスとすると、放電電流のピーク電流値をより大きくすることができ、より大きなピーク発光強度を得ることができる。電子放出を効率的行えることから、通常のアークランプで必要な放電開始のためのトリガ回路は必要でなく、単一のパルス電源で放電が可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のアーク電極の構造によれば、グロー放電時に溝において、陽極と最も接近した微小領域において陽イオンの密度を向上させることができる。この結果、陰極からの電子が多量に放出し得る状態となり、アーク放電に至った場合に、アーク放電の一端は、その微小領域の溝部分に拘束され、陽極側の端点は、陰極の溝上の上記の微小領域と陽極の最短距離となる点となる。したがって、アーク放電が安定して継続することができる。また、発光点は溝の微小領域からの発光となるため、極微小な点光源となる。
このアーク放電光源の用途としては、吸収分光用ラジカル、DNA密度測定用光源として用いることができる。また、この光源をアレイ状に配設することで、大面積レジスト露光用光源、2次元表示用白色光源、3次元表示用白色光源などに用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の形態について説明する。実施の形態は、発明概念の理解を容易にするために、具体的に説明するのであって、本発明は、以下の実施例に限定して解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0022】
図1は、実施例1に係るアーク電極100の構造を示した図である。陽極10は、半円形のベース11に、陰極に向かって突出した柱状の凸部12とからなる。また、陰極20は、半円形のベース21に、陽極10側に向かって突出した円柱状のロッド22とを有している。ロッド22と陽極10の凸部12との間隔は、このロッド22の位置により調整可能に構成されている。図2−Aに示すように、陽極10の凸部12に対面する、陰極20のロッド22の最外面である対向面23は、半球状に凸部12側に屈曲している。そして、その対向面23上に、凸部12とロッド22間の距離の方向に深さを有した溝24が、図2−Bに示すように、対向面23上において直線状に形成されている。すなわち、溝24はロッド22の端面に直線状に形成されたスリットである。溝24は、ロッド22の側壁において開口しており、放電ガスの分子、原子などの粒子が通過し易いようになっている。
【0023】
アーク放電電極100を希ガス中において、陽極10と陰極20間に電圧を印加すると、グロー放電が開始され、溝24内は陽イオンの密度が高い状態となる。次に、電流を増加させると、溝24の開口のエッジ25と、ロッド12の対向面13との間で、アーク放電が開始される。
【0024】
陰極20のベース21の材料としては、銅を用いた。ロッド22の材料には、タングステンを用いた。その他、陰極20のロッド22の材料として、タンタル、ニッケル、銅、タングステン、モリブデン、これらの合金などを使用することができる。陽極10の材料には、銅を用いた。その他、陽極10の材料として、タンタル、ニッケル、銅、タングステンを用いることができる。
【0025】
溝24の幅dは0.2mm、長Lは2mmとした。また、ロッド22の有する対向面23の半球面の半径は、1mmとした。溝24は、図3(a)と(b)に示すように、直線形状と、十字形状に形成したものを準備した。これらの構成のアーク放電電極100を以下の環境において、電圧を印加して放電させた。ヘリウム(He)を2気圧、キセノン(Xe)を4気圧とし、放電電圧を35V、放電電流0.4Aとして、放電を継続させて、250nmの波長の光の強度を測定した。図6−Aに、ロッド22の先端に十字形状の溝を形成した場合(図3(b))、ロッド22の先端に直線状の溝を形成した場合(図3(a))について、放電の安定性の測定結果を示す。十字形状の溝の場合には、放電の経過時間に対して、発光強度が極めて安定しており、放電箇所がこの十字形状の溝の交点に拘束されて、安定した放電が得られていることが理解できる。一方、ロッド22の先端に直線状の溝を形成した場合には、図6−Bに示すように、受光した光の強度が大きく振動していることが分かる。これは、ロッド22や凸部12上の放電の起点が一定箇所に定まらずに、アーク放電が不安定に変動していることを示している。したがって、ロッド22の先端に十字形状の溝を形成したものや、図3(c)に示すように、多数の溝を交差させたものを用いると、アーク放電の位置を安定化させることができることが分かった。
【0026】
次に、上記の十字形状の溝の形成されたロッド22を有したアーク放電電極100を用いて、封止された電離用気体を(1)ヘリウム(He)単体、(2)キセノン(Xe)とヘリウム(He)との混合気体との二種類とし、圧力や分圧を変化させた場合のアーク放電のスペクトルを観測した。
【0027】
ヘリウム(He)単体で、圧力を2〜8気圧へと変化させた場合のスペクトラムを図7に示す。放電電圧は55V、放電電流は0.4Aである。図7−A〜図7−Dは、測定波長範囲200〜1000nmのOcean Optics製の HR2000-CG-UV-NIR を用いた。また、図7−E、図7−Fは、測定波長範囲200〜300nmのBENTHAM 製のM300、グレーティング1800本を用いた。図7−E、図7−Fによると、200〜300nmの範囲でも発光が観測されている。したがって、200〜1000nmの範囲の波長の発光が得られているのが理解される。本アーク放電光源は、200〜300nm帯域に吸収スペクトルを有する分子の吸収スペクトルを観測するための光源としても用いることができることが理解される。
【0028】
次に、分圧1気圧のヘリウム(He)に対して、分圧1〜7気圧まで変化させたキセノン(Xe)との混合気体の発光スペクトルを測定した。放電電圧は30V、放電電流は0.4Aである。測定結果を図8−A〜図8−Fに示す。図8−A〜図8−Dは、測定波長範囲200〜1000nmのOcean Optics製の HR2000-CG-UV-NIR を用いた。また、図8−E、図8−Fは、測定波長範囲200〜300nmのBENTHAM 製のM300、グレーティング1800本を用いた。
【0029】
200〜300nmの範囲の波長の光が得られていることが理解される。全体として200〜1000nmの範囲の波長の発光が得られているのが理解される。
【0030】
図5(a)に示すように、ロッド22の対向面23における溝24の形状は、溝24の両端のエッジ25が狭められた構造を採用しても良い。この処理は、溝の長さ全体であっても良いが、中央部の半球の頂点付近だけ、溝の幅を狭くするようにしても良い。これは、図3(b)、(c)に示すように、複数の溝24が交差している場合も、少なくとも、その交点付近で、先端のエッジ25の間隔が狭められているように構成しても良い。このようにすることで、電子の放出がより溝の交点部分に集まり易くなる。
【0031】
また、図4に示すように、ロッド22の先端の溝24の両側の突起31、32は非対称に形成されていても良い。その他、陽極10の凸部12と陰極20のロッド22との関係、及びロッド22の溝24は、図5(b)〜(e)に示すように構成されていても良い。すなわち、図5(b)に示すように、陰極10のロッド22の先端の対向面23を半球にして、陽極10の凸部12の先端の対向面13を平面とする構造を用いることができる。逆に、図5(d)に示すように、ロッド22の溝24が形成されている対向面23を平面として、陽極10の凸部12の先端の対向面13を半球形状とする構造を用いることができる。また、図5(c)に示すように、陰極20のロッド22の先端の対向面23を円錐にして、陽極10の凸部12の先端の対向面13を平面とする構造を採用することができる。逆に、図5(e)に示すように、陰極20のロッド22の先端の溝24が形成されている対向面23を平面として、陽極10の凸部12の先端の対向面13を円錐とする構造を採用することができる。
【0032】
いずれも、溝24のエッジ25と陽極10のロッド12の対向面13との距離を最小距離とすることができ、この位置において、アーク放電を安定化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の電極は、アーク光源に用いることができる。また、アーク光源は、プラズマにおけるラジカル濃度の測定などのプラズマ状態の診断に用いることができる。プラズマ状態の測定をすることで、プラズマを用いた半導体プロセスを精度良く制御することが可能となり、プロセスの精度や半導体の品質が向上する。また、本発明の陰極は、マイクロアークを用いていることから微細溶接に用いることができる。
【0034】
上記における記載において、個々の構成要素は、分離して抽出可能なものであるので、独立して抽出構成要件を組み合わせた発明も認識されている。請求項に記載した任意の構成要件を削除した発明も認識されているものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の具体的な実施例1に係るアーク放電電極の構成を示した斜視図。
【図2−A】同実施例の陰極に用いられているロッドの側面図。
【図2−B】同実施例の陰極に用いられているロッドの平面図。
【図3】同実施例の陰極に用いられているロッドの溝の形状を示した平面図。
【図4】同実施例の陰極に用いられているロッドの溝の形状を示した側面図。
【図5】陰極と陽極の他の例を示した側面図。
【図6−A】溝が十字形状である陰極を用いたアーク放電による発光強度の時間経過特性。
【図6−B】溝が直線形状である陰極を用いたアーク放電による発光強度の時間経過特性。
【図7−A】2気圧のヘリウムガスにおいて同実施例のアーク放電電極を用いてアーク放電を発生させた時の発光スペクトルの測定図。
【図7−B】3気圧のヘリウムガスにおいて同実施例のアーク放電電極を用いてアーク放電を発生させた時の発光スペクトルの測定図。
【図7−C】5気圧のヘリウムガスにおいて同実施例のアーク放電電極を用いてアーク放電を発生させた時の発光スペクトルの測定図。
【図7−D】8気圧のヘリウムガスにおいて同実施例のアーク放電電極を用いてアーク放電を発生させた時の発光スペクトルの測定図。
【図7−E】3気圧のヘリウムガスにおいて同実施例のアーク放電電極を用いてアーク放電を発生させ、200〜300nmに感度を有する測定を用いた時の発光スペクトルの測定図。
【図7−F】8気圧のヘリウムガスにおいて同実施例のアーク放電電極を用いてアーク放電を発生させ、200〜300nmに感度を有する測定を用いた時の発光スペクトルの測定図。
【図8−A】1気圧のヘリウムガスと1気圧のキセノンガスとの混合ガスにおいて同実施例のアーク放電電極を用いてアーク放電を発生させた時の発光スペクトルの測定図。
【図8−B】1気圧のヘリウムガスと2気圧のキセノンガスとの混合ガスにおいて同実施例のアーク放電電極を用いてアーク放電を発生させた時の発光スペクトルの測定図。
【図8−C】1気圧のヘリウムガスと4気圧のキセノンガスとの混合ガスにおいて同実施例のアーク放電電極を用いてアーク放電を発生させた時の発光スペクトルの測定図。
【図8−D】1気圧のヘリウムガスと7気圧のキセノンガスとの混合ガスにおいて同実施例のアーク放電電極を用いてアーク放電を発生させた時の発光スペクトルの測定図。
【図8−E】1気圧のヘリウムガスと4気圧のキセノンガスとの混合ガスにおいて同実施例のアーク放電電極を用いてアーク放電を発生させ、200〜300nmに感度を有する測定を用いた時の発光スペクトルの測定図。
【図8−F】1気圧のヘリウムガスと7気圧のキセノンガスとの混合ガスにおいて同実施例のアーク放電電極を用いてアーク放電を発生させ、200〜300nmに感度を有する測定を用いた時の発光スペクトルの測定図。
【符号の説明】
【0036】
10…陽極
20…陰極
22…ロッド
11,21…ベース
12…凸部
13…対向面
23…対向面
24…溝(スリット)
25…エッジ
40…放電管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰極と陽極とから成るアーク放電を発生させるための電極において、
陽極に対する対向面に形成された微小な溝を有する陰極と、
前記陰極に対向して配置される陽極とから成り
相互に対向するように配置された前記陰極と前記陽極は、前記溝上の微小領域と、前記陽極の対向面との距離が前記陰極と前記陽極との間の最小距離となる形状に構成されていることを特徴とするアーク放電陰極。
【請求項2】
前記陰極の前記陽極に対向する面は、前記陽極側に凸状に突出し、その頂部に前記微小領域が位置することを特徴とする請求項1に記載のアーク放電電極。
【請求項3】
前記陽極の前記陰極に対向する面は、前記陰極側に凸状に突出し、その頂部と前記微小領域との距離が前記陽極と前記陰極との間の最小距離となることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアーク放電電極。
【請求項4】
前記溝は、幅0.5mm以下のスリットであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のアーク放電電極。
【請求項5】
前記溝は複数から成り、前記微小領域において、複数の溝が交差していることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のアーク放電電極。
【請求項6】
前記溝は、前記微小領域において、幅が他の部分より狭められていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のアーク放電電極。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のアーク放電電極と、
前記アーク放電電極の環境に存在する電離用ガスと、
前記電離用ガスを封止又は案内する容器と
を有することを特徴とするアーク放電光源。
【請求項8】
前記アーク放電電極間にはパルス電圧が印加されることを特徴とする請求項7に記載のアーク放電光源。

【図1】
image rotate

【図2−A】
image rotate

【図2−B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6−A】
image rotate

【図6−B】
image rotate

【図7−A】
image rotate

【図7−B】
image rotate

【図7−C】
image rotate

【図7−D】
image rotate

【図7−E】
image rotate

【図7−F】
image rotate

【図8−A】
image rotate

【図8−B】
image rotate

【図8−C】
image rotate

【図8−D】
image rotate

【図8−E】
image rotate

【図8−F】
image rotate


【公開番号】特開2006−277977(P2006−277977A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−90834(P2005−90834)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(504139662)国立大学法人名古屋大学 (996)
【出願人】(304036008)NUエコ・エンジニアリング株式会社 (59)
【出願人】(591270556)名古屋市 (77)
【Fターム(参考)】