説明

イオンセンサー及びイオン検出法

【課題】日常的な環境モニタリングや工場排水の管理等において、大型の装置類を用いることなく簡便かつ経済的にイオン濃度を計測できるイオンセンサー及びイオン検出法を提供する。
【解決手段】窒素吸着法によって求められたBET法比表面積が600平方メートル/g以上、BJH法によって計算される中心紬孔径が3nm以上であるメソポーラスシリカをイオンセンサーの骨格材料として使用し、このメソポーラスシリカに色素分子を保持して複合化したイオンセンサー、及び当該イオンセンサーを利用したイオン検出法。
【効果】測定の現場で、簡便に微量イオンの濃度を計測できるイオンセンサーを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶液試料、例えば、環境河川水、地下水、産業排水中に含まれるイオンを簡便に検出するイオンセンサーに関するものであり、更に詳しくは、本発明は、イオンセンサー材料とイオンを含む試料水溶液とを接触させることにより、センサー材料を発色あるいは変色させ、その色調と色の濃さにより水溶液試料中に含まれるイオンを検出定量することを可能とするイオンセンサーとそれによるイオンの検出定量法に関するものである。
【0002】
本発明は、メソポーラスシリカに色素分子を保持させて複合化した検知材を利用することで、測定の現場で、簡便にイオンを含む試料水溶液中の微量イオンの濃度を高精度に計測することが可能な新しいタイプのイオンセンサー及びイオン検出法を提供するものである。
【背景技術】
【0003】
水溶液試料中の特定のイオンの濃度を測定するためには、例えば、イオンクロマトグラフ法、イオン電極法、原子吸光光度法、ICP発光分析法など、様々な方法が知られているが(JIS K 0102など)、これらの方法は、操作に熟練を要する、現場での測定には適さない、ランニングコストがかかる、高額な装置を使用するなどの点で、それぞれに難点がある。これらの問題点を克服する方法の一つとして、高感度で高選択的な光学イオンセンサーや試験紙タイプの検知材による方法が挙げられる。
【0004】
しかし、市販されているそのようなイオンセンサーや検知材には、例えば、環境基準値のイオン濃度を検出する感度を満たすものは少なく、かつ有害な材料や試薬を使用するため、安全性、操作性においても難があるものが見受けられる。また、検知材の支持体として、イオン交換樹脂を用いる例があるが(非特許文献1)、メソポーラスシリカを利用して、陽イオン性、中性、陰イオン性のすべてのタイプの色素に適合する検知材を作る例は報告されていない。
【0005】
日常的な環境モニタリングや工場排水の管理等において、その手段として、大型の測定機器による機器分析を使用するには、時間、コスト、及び労力の点で問題が多い。したがって、測定の現場で、簡便に微量イオンの濃度を計測できるならば、社会生活上極めて有用であり、当該技術分野においては、測定の現場で、簡便に微量イオンの濃度を計測できるイオン検出技術の開発が強く要請されていた。
【0006】
【非特許文献1】J.Ion Exchange,14,313(2003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、水中微量イオンの検出を測定の現場で、簡便に行うことができる新しいイオンセンサーを開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、検知材の支持体としてメソポーラスシリカを利用することにより、陽イオン性、中性、陰イオン性のすべてのタイプの色素に適合するイオンセンサーを構築できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、このような水中微量イオンの検出に利用できるイオンセンサーと、大型の装置類を用いることなく簡便かつ経済的にイオン濃度を計測できる方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)イオンを含む試料のイオン濃度を検出するイオンセンサーであって、骨格材料のメソポーラスシリカに色素分子を保持させて複合化したことを特徴とするイオンセンサー。
(2)メソポーラスシリカが、窒素吸着法によって求められたBET法比表面積が600平方メートル/g以上、BJH法によって計算される中心紬孔径が3nm以上であるメソポーラスシリカである、前記(1)記載のイオンセンサー。
(3)メソポーラスシリカに対して、色素分子が、該メソポーラスシリカの表面に物理的に吸着されるか、あるいは化学的に結合されることでメソポーラスシリカと複合化されている、前記(1)記載のイオンセンサー。
(4)メソポーラスシリカが、表面処理により陽イオン性官能基又は陰イオン性官能基を導入したメソポーラスシリカである、前記(3)記載のイオンセンサー。
(5)色素分子が、イオンと反応してその色調を変化させる色素分子である、前記(1)記載のイオンセンサー。
(6)色素分子が、陽イオン性のアミノポルフィリン、中性のジチゾン、又は陰イオン性のポルフィリンスルホン酸である、前記(5)記載のイオンセンサー。
(7)メソポーラスシリカと色素分子とを複合化して得られるイオンセンサーが、その色調を変化させることによりイオン検出機能を示す、前記(1)記載のイオンセンサー。
(8)前記(1)から(7)のいずれかに記載のイオンセンサーをイオンを含む試料と接触させ、該イオンセンサーの色調の変化からイオン濃度を読み取ることでイオンを含む試料のイオン濃度を検出することを特徴とするイオン検出法。
【0009】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明者らは、イオンセンサーの骨格材料と色素、及びその複合化の方法について鋭意検討を重ねた結果、窒素吸着法によって求められたBET法比表面積が600平方メートル/g以上、BJH法によって計算される中心紬孔径が3土0.3nmであるメソポーラスシリカが、イオンセンサーの骨格材料に極めて適切であること、このものと色素を適当な方法で複合化することで、良好なイオンセンサーが得られることを見出した。その結果、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、イオンを含む試料のイオン濃度を検出するイオンセンサーであって、骨格材料のメソポーラスシリカに色素分子を保持させて複合化したことを特徴とするものである。本発明では、メソポーラスシリカが、窒素吸着法によって求められたBET法比表面積が600平方メートル/g以上、BJH法によって計算される中心紬孔径が3nm以上であるメソポーラスシリカであること、メソポーラスシリカに対して、色素分子が、該メソポーラスシリカの表面に物理的に吸着されるか、あるいは化学的に結合されることでメソポーラスシリカと複合化されていること、を好ましい実施の態様としている。
【0011】
また、本発明では、メソポーラスシリカが、表面処理により陽イオン性官能基又は陰イオン性官能基を導入したメソポーラスシリカであること、色素分子が、イオンと反応してその色調を変化させる色素分子であること、色素分子が、陽イオン性のアミノポルフィン、中性のジチゾン、又は陰イオン性のポルフィリンスルホン酸であること、を好ましい実施の態様としている。
【0012】
また、本発明では、メソポーラスシリカと色素分子とを複合化して得られるイオンセンサーが、その色調を変化させることによりイオン検出機能を示すこと、を好ましい実施の態様としている。更に、本発明は、イオンを含む試料のイオン濃度の検出法であって、上記のイオンセンサーをイオンを含む試料と接触させ、該イオンセンサーの色調の変化からイオン濃度を読み取ることを特徴とするものである。
【0013】
本発明においては、イオンセンサーの骨格材料であるメソポーラスシリカは、BET法比表面積が600平方メートル/g以上、BJH法によって計算される中心紬孔径が3nmであるものであればどのようなものも利用できる。このようなメソポーラスシリカは、例えば、公知の次のような方法で製造される(J.Phys.Chem.B,109,9255−9264(2005))。
【0014】
すなわち、界面活性剤と有機シリコン化合物を混合してリオトロピック型液晶相を形成し、ここへ、酸水溶液を加えることによって、短時間に有機シリコン化合物の加水分解反応を起こさせしめ、メソポーラスシリカと界面活性剤の複合生成物を得た後、界面活性剤を除去して、該メソポーラスシリカを得る方法が利用される。
【0015】
本発明において、該メソポーラスシリカと色素との複合化は、一般の固体材料の化学修飾に利用される公知の方法が利用可能である。すなわち、メソポーラスシリカに保持されるべき色素が中性である場合には、試薬含浸法(REACTIVE & FUNCTIONAL POLYMERS,49,189(2001))が、陰イオン性である場合には、陽イオン交換法、陽イオン性である場合には陰イオン交換法が用いられる。
【0016】
これらの複合化法は、特別の条件、操作ではなく、既知の一般的な技術分野に属するものである。したがって、これらの一般的な技術分野の詳細については、当該固体吸着分野に関する総説、成書などを参照することができる。
【0017】
例えば、本発明では、(1)メソポーラスシリカを陽イオン性シリル化剤を用いて表面処理し、該メソポーラスシリカに陽イオン性官能基を付与し、次いで、この陽イオン性メソポーラスシリカと陰イオン性色素の水溶液とを接触させ、色素をメソポーラスシリカ内に吸着させる方法、(2)メソポーラスシリカと色素の有機溶媒溶液とを接触させ、有機溶媒だけをろ過あるいは蒸留などにより取り除くことで、色素をメソポーラスシリカ内に物理的に吸着させて担持する方法が使用される。
【0018】
また、本発明では、例えば、(3)メソポーラスシリカをチオール基を持つシリル化剤を用いて表面処理し、次いで、生成する表面のチオール基を酸化処理することで、該メソポーラスシリカに陰イオン性官能基を付与し、この陰イオン性メソポーラスシリカと陽イオン性色素の水溶液とを接触させ、色素をメソポーラスシリカ内に吸着させる方法が使用される。本発明では、これらの方法等を利用することにより、メソポーラスシリカの表面処理と化学修飾とを行い、色素のイオン性、非イオン性に関わらず、該メソポーラスシリカ内に色素を吸着保持させて適切に複合化させることができる。
【0019】
本発明において使用する色素は、特定の目的イオンと反応してその色調の変化をもたらすものであればどのようなものでも良いが、例えば、そのイオン性、非イオン性の違いにより、陽イオン性のアミノポルフィリン、中性のジチゾン、陰イオン性のポルフィリンスルホン酸などが好ましく利用される。この際、用いられる色素のイオン性に基づき、メソポーラスシリカの表面処理方法が適切に選択される。
【0020】
また、骨格材料であるメソポーラスシリカの形態についても制限はなく、粒子状材料の他、板状あるいは膜状材料であっても良く、また、これらの組み合わせによるものであっても差し支えなく、本発明の目的は達せられる。例えば、メソポーラスシリカが粒子状材料の場合は、イオンセンサーを被検液に加えて反応させた後、混合液をろ過してフィルター上に集められたイオンセンサーの色調の変化を目視あるいは光度計で読み取ることにより、目的イオン濃度を判定する。また、板状あるいは膜状材料の場合は、イオンセンサーを被検液に浸し反応させた後、センサー板の色調の変化を目視あるいは光度計で読み取ることにより、目的イオン濃度を判定する。本発明で検出可能なイオンとしては、鉛イオン、カドミウムイオン、水銀イオン、アンチモンイオン、ビスマスイオン、クロムイオンが例示される。例として、鉛イオン、カドミウムイオン及び水銀イオンの濃度に応じて変化する検知材の吸収スペクトルを、それぞれ図1、図2、図3に示す。
【0021】
更に、本発明のイオンセンサーを実際に適用するにあたっては、それぞれの試料に最も適切な条件、操作法について、本発明の基本事項にもとづき当業者の通常の技術的配慮を加味して選定すれば良く、したがって、それらは、特別の条件、操作ではなく、既知の一般的な技術分野に属するものである。これらの一般的な技術分野の詳細についても、当該分析分野に関する総説、成書などを参照することができる。すなわち、本発明に基づくイオンセンサーの利用法は、その方法については、前述の通常の技術的配慮に帰属されるべきものである。
【0022】
以上の内容をもとに、試料水溶液中に含まれるイオンの濃度を目視あるいは光度計を用いて簡便に定量する方法を提供するべく、試料水溶液中のイオンの存在を判定するための膜状あるいは粒子状材料のセンサーを製造し、これにより本発明の好ましい利用の形態の一つを実現することができる。
【0023】
本発明に基づくイオンセンサーの利用の一つの好ましい形態としては、試料水溶液10mLに、所定のpHのpH緩衝液10mLを添加して全量を20mLとした検体水溶液に、イオンセンサー4mgを加え、室温で 分間振り混ぜた後、イオンセンサーをろ別してフィルター上に集め、その色調の変化を、別に用意した標準試料のそれと比較して、イオン濃度を目視あるいは光度計により判定する方法が例示される。
【0024】
本発明に基づくイオンセンサーの利用の別の形態としては、先端にメンブレンフィルターをセットし、イオンセンサー4mgを内部に入れた50mLの注射筒に、pHを調節した試料水溶液20mLを取り、室温で2分間振り混ぜた後、シリンダーを押し込んでイオンセンサーをフィルター上に集め、その色調の変化を、別に用意した標準試料のそれと比較して、イオン濃度を目視あるいは光度計により判定する方法が例示される。
【発明の効果】
【0025】
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)簡便、迅速でかつ経済的なイオンセンサーを提供することができる。
(2)簡素な器具セットにより、測定現場で、排水基準値(0.1mg/L)、あるいは環境基準値(0.01mg/L)濃度のイオンの検出定量を行うことが可能である。
(3)水溶液試料、例えば、環境河川水、地下水、産業排水中に含まれるイオンを簡便に検出定量することができる。
(4)生産プロセスにおける工程管理で必要とされる含有イオン濃度のモニタリングが簡単に実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって、何ら限定されるものではない。
【0027】
製造例1
ジチゾン5mgを溶解したエタノール溶液100mLに、メソポーラスシリカ1gを加え、40℃で5時間よく攪拌した。次いで、反応物をろ過して蒸留水でよく洗浄した後、ジチゾンの吸着が観察されなくなるまでこの操作を繰り返した。反応物をろ過して蒸留水でよく洗浄し、65℃で5時間乾燥してイオンセンサーを得た。
【0028】
製造例2
重量比で3:1の塩化トリメトキシシリルプロピルトリメチルアンモニウムとメソポーラスシリカとを、無水トルエン中で18時間、窒素気流中、加熱還流した。反応物をエタノール、水の順でよく洗い、未反応の試薬を取り除いた。洗浄後の反応物を65℃で5時間乾燥した。次いで、100mLの蒸留水に2.8mgのテトラフェニルポルフィンテトラスルホン酸を溶解し、これに、上記反応物1gを加えて4時間攪拌し、生成物をろ過して蒸留水でよく洗浄し、65℃で5時間乾燥してイオンセンサーを得た。
【0029】
製造例3
まず、メソポーラスシリカをトルエン中で60分間加熱還流し、これに、重量比で3倍量のメルカプトプロピルトリメトキシシランを加え、更に、5時間還流した。反応物をジクロロメタン及びジエチルエーテルでよく洗い、90℃で8時間乾燥した。次いで、100mLの8%過酸化水素水に反応物を加え、50℃で15時間加熱した。反応物を蒸留水でよく洗浄し、65℃で5時間乾燥した。更に、100mLの蒸留水に3.4mgのα、β、γ、δ−テトラキスメチルピリジルポルフィンを溶解し、これに、上記反応物1gを加えて3時間攪拌し、生成物をろ過して蒸留水でよく洗浄し、65℃で5時間乾燥してイオンセンサーを得た。
【実施例1】
【0030】
未知濃度の鉛イオンを含む試料水溶液を、サンプルビンに採り、pH緩衝液でpHを7として、全量を20mLに調整した。これに、製造例1で製造したイオンセンサーを5mg加えて、室温で5分間振り混ぜ、メンブレンフィルターでイオンセンサーをろ別してフィルター上に集めた。別に用意した既知濃度による標準試料に基づく発色と比較して、鉛イオン濃度を判定した。
【実施例2】
【0031】
未知濃度のカドミウムイオンを含む試料水溶液を、サンプルビンに採り、pH緩衝液でpHを9.5として、全量を20mLに調整した。これに、製造例2で製造したイオンセンサーを2mg加えて、室温で1分間振り混ぜ、メンブレンフィルターでイオンセンサーをろ別してフィルター上に集めた。別に用意した既知濃度による標準試料に基づく発色と比較して、カドミウムイオン濃度を判定した。
【実施例3】
【0032】
未知濃度の水銀イオンを含む試料水溶液を、サンプルビンに採り、pH緩衝液でpHを9として、全量を20mLに調整した。これに、製造例3で製造したイオンセンサーを2mg加えて、室温で2分間振り混ぜ、メンブレンフィルターでイオンセンサーをろ別してフィルター上に集めた。別に用意した既知濃度による標準試料に基づく発色と比較して、水銀イオン濃度を判定した。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上詳述したように、本発明は、水溶液試料中のイオン濃度の検出を行うためのイオンセンサーに係るものであり、本発明により、簡便、迅速でかつ経済的な検出定量法を実現することができる。本発明に係るイオンセンサーを用いることで、高額な装置による多大な労力とコストをかけた測定に代えて、簡素な器具セットに基づき、測定現場において、排水基準値(0.1mg/L)あるいは環境基準値(0.01mg/L)濃度の目的イオンの検出定量を行うことができる。本発明は、水溶液試料、例えば、環境河川水、地下水、産業排水中に含まれるイオンを測定現場で簡便に検出定量することが可能なイオンセンサー及びイオン検出法を提供するものとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】鉛検知材の鉛イオン濃度に対応した可視光吸収スペクトル変化を示す。検知材の実際の色は、白色からオレンジ色に変化する。
【図2】カドミウム検知材のカドミウムイオン濃度に対応した可視光スペクトル変化を示す。検知材の実際の色は、黄色から緑色へ変化する。
【図3】水銀検知材の水銀イオン濃度に対応した可視光スペクトル変化を示す。検知材の実際の色は、緑色からオレンジへ変化する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオンを含む試料のイオン濃度を検出するイオンセンサーであって、骨格材料のメソポーラスシリカに色素分子を保持させて複合化したことを特徴とするイオンセンサー。
【請求項2】
メソポーラスシリカが、窒素吸着法によって求められたBET法比表面積が600平方メートル/g以上、BJH法によって計算される中心紬孔径が3nm以上であるメソポーラスシリカである、請求項1記載のイオンセンサー。
【請求項3】
メソポーラスシリカに対して、色素分子が、該メソポーラスシリカの表面に物理的に吸着されるか、あるいは化学的に結合されることでメソポーラスシリカと複合化されている、請求項1記載のイオンセンサー。
【請求項4】
メソポーラスシリカが、表面処理により陽イオン性官能基又は陰イオン性官能基を導入したメソポーラスシリカである、請求項3記載のイオンセンサー。
【請求項5】
色素分子が、イオンと反応してその色調を変化させる色素分子である、請求項1記載のイオンセンサー。
【請求項6】
色素分子が、陽イオン性のアミノポルフィリン、中性のジチゾン、又は陰イオン性のポルフィリンスルホン酸である、請求項5記載のイオンセンサー。
【請求項7】
メソポーラスシリカと色素分子とを複合化して得られるイオンセンサーが、その色調を変化させることによりイオン検出機能を示す、請求項1記載のイオンセンサー。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のイオンセンサーをイオンを含む試料と接触させ、該イオンセンサーの色調の変化からイオン濃度を読み取ることでイオンを含む試料のイオン濃度を検出することを特徴とするイオン検出法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−327887(P2007−327887A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160156(P2006−160156)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】