説明

イオントフォレーシス用レセプターデバイス

【課題】 レセプター支持体の形状を工夫することにより、レセプターの乳房からの浮きをなくして接着性を向上したイオントフォレーシス用レセプターデバイスを提供する。
【解決手段】 イオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、レセプター21を浮きが生じないように乳房に接着させるための花弁21Bをレセプター支持体21Aに形成するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオントフォレーシス用レセプターデバイスに係り、特に、ドナーの周辺に絶縁物を介して形成されるイオントフォレーシス用レセプターデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このようなイオントフォレーシスデバイスとしては、経皮吸収用パッチやイオントフォレーシスデバイスにおいて、これらを皮膚又は粘膜に貼り付けたままの状態で、薬物あるいは薬物イオンの投与を任意に断続できるような構成としたもの(下記特許文献1参照)、薬物イオンの投与効率の低下や皮膚界面におけるpH値の急激な変動を解消できるようにしたもの(下記特許文献2参照)、電極構造体が皮膚又は粘膜に正常に装着されたかどうか判断できるようにしたもの(下記特許文献3参照)が開示されている。更に、乳癌及び/又は乳腺炎治療用イオントフォレーシス製剤として、非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤を、通電により乳頭部から乳腺内へ局所投与する製剤(下記特許文献4参照)が開示されている。
【0003】
また、乳頭に装着する器具として、硬質の外側部材と外側部材より柔軟な変形し易い材料でなる内側部材とを備え内側に内部空間を形成する乳頭保護具(下記特許文献5参照)が提案されている。
更に、乳頭の大きさは一般に個人差があるが、200名(400乳房)の乳頭を計測し、直径13mm±3mm(平均±標準偏差)、高さ9mm±3mm(平均±標準偏差)であることが報告(下記非特許文献1参照)されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−194091号公報
【特許文献2】特開2008−086538号公報
【特許文献3】特開2008−036010号公報
【特許文献4】特許第4000185号公報
【特許文献5】特開2009−299225号公報
【特許文献6】特願2010−288170号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】臨床解剖研究会記録,No.7,pp.16−17,2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したイオントフォレーシス装置及び製剤においては、乳癌及び/又は乳腺炎の治療のため、乳頭から薬物を投与することに適したイオントフォレーシスデバイスは実現されていないのが現状である。
乳頭部を含む乳房に適用できるイオントフォレーシス装置は、例えばブラジャーのパッド型のような立体的な形状が挙げられるが、製造することが困難であったり、保存時にかさばる等の問題がある。
【0007】
また、乳頭部を保護する乳頭保護具は、乳頭部に対して非接触を保つように保護して使用者の乳頭部に痛みや不快な刺激を与えないものであり、乳頭に製剤を接触させて投与することができないものである。
そこで、本発明者らは、ドナーの周辺部に絶縁部を介してレセプターを備えるイオントフォレーシスデバイスを提案した(上記特許文献6)。
【0008】
しかし、そのレセプターは円形状をなしており、乳房に装着する場合に、乳房に十分に密着させることができない。すなわち、薬物の投与部位と対極をなす乳房は曲面(凸面)を有する構造であることから、平面状のレセプター電極を貼付することが難しく、経時及び動作などにより皮膚からの剥がれ(浮き)が生じ、安定した通電特性が得られない。
本発明は、上記状況に鑑みて、レセプターの形状を工夫することにより、レセプターの乳房からの浮きをなくして接着性を向上した、イオントフォレーシス用レセプターデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕ドナーの周辺部に絶縁部を介して乳房に装着するイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、レセプターを浮きが生じないように乳房に接着させるための形状をレセプター支持体に形成したことを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記形状を花弁状としたことを特徴とする。
【0010】
〔3〕上記〔2〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記花弁を前記レセプター支持体の内周部に形成することを特徴とする。
〔4〕上記〔3〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内周100mmあたり前記花弁を6〜12個形成し、かつこの花弁の高さを5〜10mmとしたことを特徴とする。
【0011】
〔5〕上記〔4〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記花弁を6個形成し、かつこの花弁の高さを5mmとしたことを特徴とする。
〔6〕上記〔4〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記花弁を6個形成し、かつこの花弁の高さを7.5mmとしたことを特徴とする。
【0012】
〔7〕上記〔4〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記花弁を6個形成し、かつこの花弁の高さを10mmとしたことを特徴とする。
〔8〕上記〔4〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記花弁を12個形成し、かつこの花弁の高さを5mmとしたことを特徴とする。
【0013】
〔9〕上記〔1〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記形状を切り込みとしたことを特徴とする。
〔10〕上記〔9〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記切り込みを前記レセプター支持体の内周部に形成することを特徴とする。
〔11〕上記〔10〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内周100mmあたり前記切り込みを4個〜16個形成し、かつこの切り込みの長さを2.5〜10mmとしたことを特徴とする。
【0014】
〔12〕上記〔11〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記切り込みを4個形成し、かつこの切り込みの長さを5mmとしたことを特徴とする。
〔13〕上記〔11〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記切り込みを8個形成し、かつこの切り込みの長さを2.5mmとしたことを特徴とする。
【0015】
〔14〕上記〔11〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記切り込みを8個形成し、かつこの切り込みの長さを5mmとしたことを特徴とする。
〔15〕上記〔11〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記切り込みを8個形成し、かつこの切り込みの長さを10mmとしたことを特徴とする。
【0016】
〔16〕上記〔11〕記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記切り込みを16個形成し、かつこの切り込みの長さを5mmとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、皮膚に対する追従性を改善して乳房へのイオントフォレーシス用レセプターデバイスの接着を的確に行うことにより、接着面積を安定させ抵抗変化を小さくし、安定な通電による薬物投与を実施することができる。
また、イオントフォレーシス用レセプターデバイスの乳房からの剥がれや浮きによる接着不良によって発生する局在化した通電を防ぎ、皮膚への刺激を低減することができる。
【0018】
さらに、装着も容易であり、使用感も良好で、かつ美観上も好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のイオントフォレーシスデバイスの一例を示す全体概略構成図である。
【図2】本発明のイオントフォレーシスデバイスの一例を示す全体分解斜視図である。
【図3】本発明のイオントフォレーシスデバイスの利用者への装着状態を示す図面代用写真である。
【図4】本発明の第1実施例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【図5】本発明の第2実施例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【図6】本発明の第3実施例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【図7】本発明の第4実施例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【図8】本発明の第5実施例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【図9】第1比較例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【図10】第2比較例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【図11】第3比較例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【図12】本発明の第6実施例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【図13】本発明の第7実施例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【図14】本発明の第8実施例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【図15】本発明の第9実施例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【図16】本発明の第10実施例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【図17】第4比較例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【図18】第5比較例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のイオントフォレーシス用レセプターデバイスは、ドナーの周辺部に絶縁部を介して乳房に装着するイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、レセプターを浮きが生じないように乳房に接着させるための形状をレセプター支持体に形成した。
【実施例】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明のイオントフォレーシスデバイスの一例を示す全体概略構成図、図2はそのイオントフォレーシスデバイスの一例を示す全体分解斜視図、図3はそのイオントフォレーシスデバイスの利用者への装着状態を示す図面代用写真であり、図3(a)はその斜視図、図3(b)はその上面図である。
【0022】
これらの図において、1はドナーであり、皮膚接触部2Aと伸縮部2Bと薬物貯留部2Cとからなるドナー支持体2と、電極3と、薬物層4と、皮膚接触部2Aに積層される粘着剤5とから構成されている。電極3にはドナーのリード部1bを介してドナーの接続端子1aが配置されている。6はレセプターであり、レセプター支持体7と、電極8と、電解質含有粘着剤9と、絶縁部10とから構成される。レセプター支持体7にはレセプターの接続端子6aが形成されている。また、11,11A,11Bはケーブル、12a,12b,12cはケーブル11,11A,11Bの接続部、13は電気回路部、13Aはスイッチ、13BはLED表示灯である。
【0023】
図1及び図2に示すように、ドナー1の電極3にはリード1bと接続端子1aを介してケーブル11Aの接続部12bが、レセプター6の電極8には接続端子6aを介してケーブル11Bの接続部12cが接続され、それらのケーブル11A,11Bはケーブル11の接続部12aを介して電気回路部13に接続されている。なお、電気回路部13には電源(図示なし)、スイッチ13A,LED表示灯13Bが配置されている。
【0024】
ドナー支持体2の中央部に形成される薬物貯留部2Cの周りには同心円状のヒダからなる伸縮部2Bが形成されている。例えば、ドナー支持体2の材質はシリコンゴムである。このドナー支持体2の薬物貯留部2Cに電極3および薬物層4が配置されている。
このような構成のドナー1の薬物層4を乳頭に装着すると、薬物層4が乳頭上部表面に接触するとともに、伸縮部2Bの同心円状のヒダによって高さが任意に変化し、薬物層4が乳頭上部表面に密着する。このドナー1の乳頭への密着性、立体への変形の円滑性、使用感は極めて良好である。
【0025】
一方、レセプター6はドナー1とは絶縁部10を介して、電解質含有粘着剤9により乳房に貼り付ける。
ドナー1とレセプター6は上記したようにそれぞれケーブル11,11A,11Bで電気回路部13に接続されているので、この電気回路部13からドナー1とレセプター6に電力を供給すると、イオン浸透効果によって薬物層4中の薬物が乳頭から乳管を介して乳腺組織内の患部に移行する。
【0026】
本発明においては、レセプター6を乳房に貼り付けた時の浮きを防止し、皮膚への密着性を高めるために、レセプター6の支持体7の内周部の形状に工夫をこらすようにした。特に、レセプター6の支持体7の内周部の形状として、複数個の花弁又は切り込みを配置するようにした。
図4〜図8は本発明の第1〜第5実施例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図、図9〜図11は第1〜第3比較例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図であり、図4(a)〜図11(a)は支持体の加工形状を示す平面図、図4(b)〜図11(b)は装着状態を示す平面及び側面図である。
【0027】
まず、レセプター支持体の内径を32mmφ、外径を70mmとしたドーナツ状とした場合〔後述の図11(a)参照〕、図4はレセプター支持体21Aの内周部に6個の花弁21Bを有し、その花弁高さ21Cが5mmのレセプター21、図5はレセプター支持体22Aの内周部に6個の花弁22Bを有し、その花弁高さ22Cが5mmでR加工処理を施したレセプター22、図6はレセプター支持体23Aの内周部に6個の花弁23Bを有し、その花弁高さ23Cが7.5mmのレセプター23、図7はレセプター支持体24Aの内周部に6個の花弁24Bを有し、その花弁高さ24Cが10mmのレセプター24、図8はレセプター支持体25Aの内周部に12個の花弁25Bを有し、その花弁高さ25Cが5mmのレセプター25をそれぞれ示している。
【0028】
一方、図9はレセプター支持体41の内周部に4個の花弁41Bを有し、その花弁高さ41Cが12.5mmのレセプター41、図10はレセプター支持体42Aの内周部に24個の花弁42Bを有し、その花弁高さ42Cが2.5mmのレセプター42、図11はレセプター支持体43Aの内周部に加工が施されていないレセプター43をそれぞれ示している。
【0029】
これらの複数の花弁を有するイオントフォレーシス用レセプターデバイスを用いて、接着性の評価試験を行った。ここでは、模擬乳房〔品名;ヌーブラシームレス、サイズ;A、(株)ヌーブラジャパン〕に導電性粘着剤を介して貼付させた場合の接着面の接着性の程度を評価した。表1にその評価結果を示す。
【0030】
【表1】

表1において、○は問題なく貼付、△は接着面の一部に浮きが生じた、×は接着面に全体的に浮きが生じたことをそれぞれ示している。
緩やかな円錐状の模擬乳房に対して、第1実施例〜第5実施例及び第1比較例〜第3比較例のレセプターを貼付したところ、第1実施例〜第5実施例のレセプターの接着性は良好であり、第1比較例〜第3比較例は接着面の浮きが認められた。以上の結果より、レセプター支持体の内周側に内周100mmあたり6〜12個、かつ高さ5〜10mmの花弁を形成することにより、接着性が良好となることが判明した。なお、花弁形状の内周面のR加工処理は、接着性にほとんど影響しなかった。
【0031】
図12〜図16は本発明の第6〜第10実施例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図、図17,図18は第4,第5比較例を示すイオントフォレーシス用レセプターデバイスを示す図であり、図12(a)〜図18(a)はレセプター支持体の加工形状を示す平面図、図12(b)〜図18(b)は装着状態を示す平面図及び側面図である。
【0032】
ここでも、レセプター支持体の内径を32mmφ、外径を70mmφとしたドーナツ状とした場合〔図11(a)参照〕、図12はレセプター支持体31Aの内周部に4個の切り込み31Bを有し、その切り込み長さ31Cが5mmのレセプター31、図13はレセプター支持体32Aの内周部に8個の切り込み32Bを有し、その切り込み長さ32Cが2.5mmのレセプター32、図14はレセプター支持体33Aの内周部に8個の切り込み33Bを有し、その切り込み長さ33Cが5mmのレセプター33、図15はレセプター支持体34Aの内周部に8個の切り込み34Bを有し、その切り込み長さ34Cが10mmのレセプター34、図16はレセプター支持体35Aの内周部に16個の切り込み35Bを有し、その切り込み長さ35Cが5mmのレセプター35をそれぞれ示している。
【0033】
一方、図17はレセプター支持体44Aの内周部に1個の切り込み44Bを有し、その切り込み長さ44Cが5mmのレセプター44、図18はレセプター支持体45Aの内周部に2個の切り込み45Bを有し、その切り込み長さ45Cが5mmのレセプター45をそれぞれ示している。なお、第3比較例は上記した図11と同様である。
これらの複数の切り込みを有するイオントフォレーシス用レセプターデバイスを用いて、接着性の評価試験を行った。試験方法は花弁を有するイオントフォレーシス用レセプターデバイスの接着性評価試験と同様に行った。表2にその評価結果を示す。
【0034】
【表2】

緩やかな円錐状の模擬乳房に対して、第6実施例〜第10実施例及び第3比較例〜第5比較例のレセプターを貼付したところ、第6実施例〜第10実施例のレセプターの接着性は良好であり、第3比較例〜第5比較例は接着面の浮きが認められた。以上の結果より、レセプター支持体の内周側に内周100mmあたり4個〜16個、かつ高さ2.5〜10mmの切れ込みを形成することにより、接着性が良好となることが判明した。
【0035】
また、本発明は、以下のような実施態様とすることも可能である。
(1)上記実施例では、イオントフォレーシス用レセプターの支持体の内周面に花弁又は切り込みを形成する構造としたが、イオントフォレーシス用レセプターの支持体の外周面の形状を工夫するようにしてもよい。特に、美的感覚に敏感な女性の場合、イオントフォレーシスレセプターの浮き防止特性の向上とともに、意匠的美的感覚の向上を図ることも重要である。
【0036】
(2)また、イオントフォレーシス用レセプターの本体の内周面には、花弁と切り込みを複合的に配置するようにしてもよい。要するに、乳房へ装着する際にレセプターの浮きをなくすように構成したレセプターの支持体の形状であればよい。
(3)また、上記実施例では、ドナーとレセプターとを分離した方式のものについて述べたが、ドナーとレセプターとを同一の保持体により一体的に構成したイオントフォレーシスのレセプターの形状を工夫するようにしたものであってもよい。
【0037】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明のイオントフォレーシス用レセプターデバイスは、皮膚に対する追従性を改善して乳房へのレセプターデバイスの接触を的確に行うことができるイオントフォレーシス用レセプターデバイスとして利用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 ドナー
1a ドナーの接続端子
1b ドナーのリード部
2 ドナー支持体
2A 皮膚接触部
2B 伸縮部
2C 薬物貯留部
3 電極
4 薬物層
5 粘着剤
6,21〜25,31〜35,41〜45 レセプター
6a レセプターの接続端子
7,21A〜25A,31A〜35A,41A〜45A レセプター支持体
8 電極
9 電解質含有粘着剤
10 絶縁部
11,11A,11B ケーブル
12a,12b,12c ケーブルの接続部
13 電気回路部
13A スイッチ
13B LED表示灯
21B〜25B,41B,42B 花弁
21C〜25C,41C,42C 花弁高さ
31B〜35B,44B,45B 切り込み
31C〜35C,44C,45C 切り込み長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドナーの周辺部に絶縁部を介して乳房に装着するイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、レセプターを浮きが生じないように乳房に接着させるための形状をレセプター支持体に形成したことを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項2】
請求項1記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記形状を花弁状としたことを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項3】
請求項2記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記花弁を前記レセプター支持体の内周部に形成することを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項4】
請求項3記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内周100mmあたり前記花弁を6〜12個形成し、かつ該花弁の高さを5〜10mmとしたことを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項5】
請求項4記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記花弁を6個形成し、かつ該花弁の高さを5mmとしたことを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項6】
請求項4記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記花弁を6個形成し、かつ該花弁の高さを7.5mmとしたことを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項7】
請求項4記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記花弁を6個形成し、かつ該花弁の高さを10mmとしたことを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項8】
請求項4記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記花弁を12個形成し、かつ該花弁の高さを5mmとしたことを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項9】
請求項1記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記形状を切り込みとしたことを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項10】
請求項9記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記切り込みを前記レセプター支持体の内周部に形成することを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項11】
請求項10記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内周100mmあたり前記切り込みを4個〜16個形成し、かつ該切り込みの長さを2.5〜10mmとしたことを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項12】
請求項11記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記切り込みを4個形成し、かつ該切り込みの長さを5mmとしたことを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項13】
請求項11記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記切り込みを8個形成し、かつ該切り込みの長さを2.5mmとしたことを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項14】
請求項11記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記切り込みを8個形成し、かつ該切り込みの長さを5mmとしたことを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項15】
請求項11記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記切り込みを8個形成し、かつ該切り込みの長さを10mmとしたことを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。
【請求項16】
請求項11記載のイオントフォレーシス用レセプターデバイスにおいて、前記レセプター支持体の内径が32mm、外径が70mmである場合、前記切り込みを16個形成し、かつ該切り込みの長さを5mmとしたことを特徴とするイオントフォレーシス用レセプターデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−176154(P2012−176154A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41036(P2011−41036)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、独立行政法人科学技術振興機構、独創的シーズ展開事業委託開発、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000207827)大鵬薬品工業株式会社 (52)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)
【出願人】(803000115)学校法人東京理科大学 (545)
【Fターム(参考)】