説明

イオン発生装置

【課題】イオン発生電極の形状を損なわずに、イオン発生電極の付着物を除去することが可能なイオン発生装置を提供する。
【解決手段】イオン発生装置100は、針状に形成された尖端部を有し、高電圧を印加されることによって尖端部においてイオンを発生させるためのイオン発生電極12a,12bと、高電圧が印加されて火花放電を発生させるための第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとを備え、イオン発生電極12a,12bの尖端部は、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間の火花の放電経路上に位置づけられ、イオン発生電極12a,12bは、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bの間に高電圧が印加されているときには、電気的に絶縁されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはイオン発生装置に関し、特定的には、電極に高電圧を印加してイオンを発生させるイオン発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放電によってイオンを発生させるイオン発生装置には、放電電極として針状電極が用いられるものがある。針状電極に高電圧を印加すると、針状電極の尖端部に電界集中が起こり、空気中に存在する塵埃等が針状電極の尖端部に吸い寄せられて付着する。
【0003】
従来は、針状電極の尖端部に付着した塵埃等は、次のようにして除去されている。すなわち、イオンを発生させるために針状電極に高電圧を印加するイオン発生回路をそのまま使用して、イオンを発生させるために必要な通常の放電電流よりも大きな電流をイオン発生回路に流すことによって放電電極の尖端部を発熱させ、付着した物質を焼切ることで放電電極のクリーニングを行っている。
【0004】
例えば、特開2002−15834号公報(特許文献1)には、イオン発生電極の先端部に対向する形で配置される火花放電対向電極を備えるイオン発生装置が記載されている。イオン発生電極の先端部をクリーニングするときには、イオン発生用高電圧発生部が火花放電用高電圧発生部に兼用され、イオン発生電極と火花放電対向電極との間に形成されるギャップに火花放電用の高電圧が印加される。
【0005】
図10は、従来のイオン発生装置のクリーニング機構を模式的に示す図である。
【0006】
図10に示すように、特開2002−15834号公報(特許文献1)に記載されているイオン発生装置のような、従来のイオン発生装置900では、イオンを発生させるための針状電極912をクリーニングするときには、イオンを発生させるために必要な放電電流よりも大きな電流を針状電極912と火花放電対向電極913との間に流す。針状電極912と火花放電対向電極913との間には、火花放電が発生し、図中に一点鎖線の矢印で示すように、針状電極912に放電電流が流れる。
【特許文献1】特開2002−15834号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特開2002−15834号公報(特許文献1)に記載のイオン発生装置のように、針状電極のクリーニングを行うために、イオンを発生させるための回路にイオンを発生させるのに必要な電圧よりも大きな電圧を印加して、針状電極で火花放電を発生させると、針状電極の尖端が高温になり、形状が損なわれる。針状電極の尖端は、イオンを発生させるために放電を発生させるときに最も重要な部分である。そのため、針状電極の尖端の形状が損なわれることは、致命的な問題である。
【0008】
そこで、この発明の目的は、イオン発生電極の形状を損なわずに、イオン発生電極の付着物を除去することが可能なイオン発生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に従ったイオン発生装置は、針状に形成された尖端部を有し、高電圧を印加されることによって尖端部においてイオンを発生させるためのイオン発生電極と、高電圧が印加されて火花放電を発生させるための第1の清掃用電極と第2の清掃用電極とを備え、イオン発生電極の尖端部は、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間の火花の放電経路上に位置づけられ、イオン発生電極は、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極の間に高電圧が印加されているときには、電気的に絶縁されている。
【0010】
イオン発生電極に高電圧が印加されると、イオン発生電極の尖端部においてイオンが発生する。一方、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間に高電圧が印加されると、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間に火花放電が発生する。
【0011】
第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間で発生する火花放電は、イオン発生電極の尖端部を通る。火花がイオン発生電極の尖端部を通るときに、火花放電によって発生したイオンや電子がイオン発生電極に高速で衝突するので、イオン発生電極に付着している塵埃などの物質が除去される。このようにして、イオン発生電極のクリーニングが行なわれる。
【0012】
また、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間に高電圧が印加されるときには、イオン発生電極は、電気的に絶縁されている。そのため、火花がイオン発生電極の先端部を通るときには、イオン発生電極には放電電流が流れない。クリーニングが行われるときには、イオン発生電極には放電電流が流れないので、イオン発生電極の尖端部は高温になりにくく、尖端部の形状が損なわれにくくなる。
【0013】
このようにすることにより、イオン発生電極の形状を損なわずに、イオン発生電極の付着物を除去することが可能なイオン発生装置を提供することができる。
【0014】
この発明に従ったイオン発生装置においては、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極は、イオン発生電極を挟むように配置されていることが好ましい。
【0015】
このようにすることにより、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極の数を少なくしても、確実に、イオン発生電極を火花の放電経路上に位置づけることができる。
【0016】
この発明に従ったイオン発生装置は、イオン発生電極に高電圧を印加してイオンを発生させるためのイオン発生用電圧印加回路と、イオン発生用電圧印加回路と別個に形成されて、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間に高電圧を印加して第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間で火花放電を発生させるための清掃用電圧印加回路とを備えることが好ましい。
【0017】
イオンを発生させるためにイオン発生電極に印加される高電圧は、火花放電を発生させるために第1の清掃用電極と第2の清掃用電極に印加される高電圧と比較して相対的に小さい。
【0018】
そこで、イオン発生用電圧印加回路と、清掃用電圧印加回路とを別個に備えることにより、イオン発生用電圧印加回路にはイオンを発生させるために必要な電圧よりも大きな電圧を印加することがなくなるので、イオン発生装置の寿命を長くすることができる。
【0019】
この発明に従ったイオン発生装置においては、イオン発生電極に高電圧が印加される第1の時間と、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間に高電圧が印加される第2の時間とは、それぞれ別個に設定されることが好ましい。
【0020】
このようにすることにより、空気の汚染度などに合わせて、イオンの発生がされていない時間帯を効果的に利用してイオン発生電極のクリーニングを行なうことができる。
【0021】
この発明に従ったイオン発生装置においては、イオン発生電極への高電圧の印加が停止されているときには、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間に高電圧が印加されることが好ましい。
【0022】
このようにすることにより、イオンの発生が停止されているときには、必ずイオン発生電極のクリーニングが行われるので、イオン発生電極を常に清浄な状態に保つことができる。
【0023】
この発明に従ったイオン発生装置においては、イオン発生電極に高電圧が印加された時間の合計が所定の値になった後において、初めてイオン発生電極への高電圧の印加が停止されるときに、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間に高電圧が印加されることが好ましい。
【0024】
例えば、空気中に塵埃等が少ないなど、イオン発生装置が配置される環境の汚染度が低い場合には、イオンの発生が停止されているときに必ずイオン発生電極のクリーニングを行う必要はない。
【0025】
そこで、イオン発生電極に高電圧が印加された時間の合計が所定の値になった後において、初めてイオン発生電極への高電圧の印加が停止されるときに、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間に高電圧が印加されることにより、無駄なく効果的にイオン発生電極のクリーニングを行なうことができる。
【0026】
この発明に従ったイオン発生装置は、イオン発生電極において発生するイオンの量を検知するためのイオン検知手段を備え、イオン検知手段によって検知されるイオンの量が所定の量よりも少ない場合には、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間に高電圧が印加されることが好ましい。
【0027】
このようにすることにより、イオン発生装置が置かれる環境の汚染度や用途がどのようなものであっても、イオン発生電極が一定以上、汚染されたときには、イオン発生電極のクリーニングが行われる。
【0028】
この発明に従ったイオン発生装置においては、イオン発生電極は、正イオンとしてH(HO)(mは任意の自然数)と負イオンとしてO(HO)(nは任意の自然数)とを発生させることが好ましい。
【0029】
正イオンとしてH(HO)(mは任意の自然数)と負イオンとしてO(HO)(nは任意の自然数)は、正イオンと負イオンとの間で化学反応し、活性物質としての過酸化水素(H)または水酸基ラジカル(・OH)となる。過酸化水素または水酸基ラジカルは、浮遊粒子または浮遊細菌から水素を抜き取る酸化反応を行うことで、浮遊粒子を不活性化することができ、または浮遊細菌を殺菌することができる。
【0030】
そこで、イオン発生電極がこれらの正イオンと負イオンとを発生させることによって、イオンが放出される空間の空気を清浄にすることができる。
【0031】
この発明に従ったイオン発生装置においては、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極は、イオン発生電極と比較して相対的に耐熱性の低い材料によって形成されていることが好ましい。
【0032】
第1の清掃用電極と第2の清掃用電極に高電圧が印加される時間は、イオン発生電極に高電圧が印加される時間と比較して、非常に短い。そのため、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極は、イオン発生電極と比較して相対的に耐熱性の低い材料によって形成されても問題ない。耐熱性の低い材料は、耐熱性が高い材料と比較して、安価であることが多い。
【0033】
そこで、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極は、イオン発生電極と比較して相対的に耐熱性の低い材料によって形成されていることにより、イオン発生装置の作製に必要なコストを低減することができる。
【0034】
この発明に従ったイオン発生装置においては、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間には、直流高電圧、交流パルス高電圧、または、交流高電圧のいずれかが印加されることが好ましい。
【0035】
第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間に印加される電圧は、直流高電圧、交流パルス高電圧、または、交流高電圧のいずれであっても、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極との間に火花放電を発生させることができる。
【発明の効果】
【0036】
以上のように、この発明によれば、イオン発生電極の形状を損なわずに、イオン発生電極の付着物を除去することが可能なイオン発生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0038】
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態として、イオン発生装置の構成を示す電気回路図(A)と、クリーニング機構を拡大して示す図(B)である。
【0039】
図1の(A)と(B)に示すように、イオン発生装置100は、整流用高耐圧ダイオード10,11と針状に形成された尖端部を有するイオン発生電極12aとイオン発生電極12bとから構成されているイオン発生部と、イオン発生部に電圧を印加するイオン発生用電圧印加回路と、イオン発生電極12aをクリーニングするクリーニング機構13と、イオン発生電極12bをクリーニングするクリーニング機構14と、クリーニング機構13,14に電圧を印加する清掃用電圧印加回路と、制御部としてマイコン5から構成されている。イオン発生装置100は、イオンを気流とともに送出するためのファンを備えていてもよい。
【0040】
クリーニング機構13は、第1の清掃用電極13aと、第2の清掃用電極13bとから構成されている。第1の清掃用電極13aと第2の清掃用電極13bは、尖端部を有する針状に形成されており、イオン発生電極12aを挟むようにして、尖端部が互いに対向するようにして配置されている。クリーニング機構14は、第1の清掃用電極14aと、第2の清掃用電極14bとから構成されている。第1の清掃用電極14aと第2の清掃用電極14bは、尖端部を有する針状に形成されており、イオン発生電極12bを挟むようにして、尖端部が互いに対向するようにして配置されている。
【0041】
イオン発生用電圧印加回路は、イオン発生部のイオン発生電極12a,12bに対して所定の高電圧を印加する。イオン発生用電圧印加回路は、イオン発生部に所定の高電圧を印加する昇圧トランス9と、入力電源1から電力を受け取るトランスの1次側回路として、入力抵抗2、整流ダイオード3、コンデンサ4a、マイコン5、スイッチ6a、トランス駆動用スイッチング素子7(無ゲート2端子サイリスタとして新電元工業株式会社製のサイダック(登録商標))、フライホイールダイオード8を有する。
【0042】
清掃用電圧印加回路は、クリーニング機構13,14の第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bに対して所定の高電圧を印加する。第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bに印加される電圧は、イオン発生電極12a,12bに印加される電圧よりも高い。清掃用電圧印加回路は、クリーニング機構13に所定の高電圧を印加する昇圧トランス19と、クリーニング機構14に所定の高電圧を印加する昇圧トランス20と、入力電源1から電力を受け取るトランスの1次側回路として、コンデンサ4bとスイッチ6bを有する。
【0043】
スイッチ6a,6bはマイコン5によって同期的に制御されており、イオン発生運転時(通常運転時)はスイッチ6aが短絡、スイッチ6bが開放状態にされる。
【0044】
まず、イオン発生装置100の通常運転時、すなわち、イオン発生運転時の動作について説明する。
【0045】
入力電源1が交流商用電源である場合、入力電源1の電圧により、入力抵抗2、整流ダイオード3を介してコンデンサ4aが充電される。コンデンサ4aの両端電圧が規定電圧以上になればトランス駆動用スイッチング素子7がオンして、昇圧トランス9の1次側巻線9aに電圧が印加される。その直後、コンデンサ4aに充電されたエネルギーは、1次側巻線9aと、トランス駆動用スイッチング素子7とを通じて放電され、コンデンサ4aの両端電圧はゼロに戻り、再び充電がされ、規定周期で充放電を繰り返す。
【0046】
続いてトランスの2次側回路について説明する。1次側回路のトランス駆動用スイッチング素子7がオンすることにより、1次側のエネルギーが昇圧トランス9の2次側巻線9bに伝達され、昇圧トランス9の2次側巻線9bの両端に交番電圧のインパルス波形が印加される。このインパルス波形は整流用高耐圧ダイオード10,11を通じてイオン発生電極12a,12bに印加される。
【0047】
このようにして整流された高電圧をイオン発生電極12a,12bに印加することにより、空気中の酸素分子ないしは水分子は、放電によって生成された電子からエネルギーを受けてイオン化する。このとき、H(HO)(mは任意の自然数)とO(HO)(nは任意の自然数)を主としたイオンが生成される。イオン発生装置100は、これらのイオンをファン等により空間に放出させる。
【0048】
次に、イオン発生装置100のクリーニング運転時の動作について説明する。
【0049】
スイッチ6a,6bはマイコン5によって同期的に制御されており、通常運転時はスイッチ6aが短絡、スイッチ6bが開放状態にされている。ここで、スイッチの状態を切り替えることにより、スイッチ6aが開放、スイッチ6bが短絡状態となり、入力電源1の電圧により、入力抵抗2、整流ダイオード3を介してコンデンサ4bが充電される。コンデンサ4bには昇圧トランス19,20が接続されており、コンデンサ4bの両端電圧が規定電圧以上になればトランス駆動用スイッチング素子7がオンして、昇圧トランス19の1次側巻線19aおよび昇圧トランス20の1次側巻線20aに電圧が印加される。その直後、コンデンサ4bに充電されたエネルギーは、1次側巻線19a,20aと、トランス駆動用スイッチング素子7とを通じて放電され、コンデンサ4bの両端電圧はゼロに戻り、再び充電がされ、規定周期で充放電を繰り返す。
【0050】
続いてトランスの2次側回路について説明する。1次側回路のトランス駆動用スイッチング素子7がオンすることにより、1次側のエネルギーが昇圧トランス19の2次側巻線19bおよび昇圧トランス20の2次側巻線20bに伝達され、昇圧トランス19の2次側巻線19b,20bの両端に交番電圧のインパルス波形が印加される。昇圧トランス19の2次側巻線19bはクリーニング機構13に、昇圧トランス20の2次側巻線20bはクリーニング機構14に接続されており、このインパルス波形は第1の清掃用電極13aと第2の清掃用電極13bとの間、および、第1の清掃用電極14aと第2の清掃用電極14bとの間に印加される。このようにすることにより、図1の(B)に二点鎖線で示すように、第1の清掃用電極13aと第2の清掃用電極13bとの間において火花放電が生じる。第1の清掃用電極14aと第2の清掃用電極14bとの間にも、火花放電が生じる。
【0051】
このように、火花放電が発生するように、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間に高電圧が印加されるときには、イオン発生電極12a,12bは、電気的に絶縁されている。
【0052】
図1の(B)に二点鎖線で示すように、火花は第1の清掃用電極13aから、イオン発生電極12aの尖端部を通って、第2の清掃用電極13bに到達する。このように、イオン発生電極12aの尖端部は、火花の放電経路上に位置づけられている。クリーニング機構14においても同様に、イオン発生電極12bの尖端部は第1の清掃用電極14aと第2の清掃用電極14bとの間に発生する火花の放電経路上に位置づけられている。
【0053】
このようにして、火花放電によって生成したイオンおよび/または電子を高速でイオン発生電極12a,12bの尖端部に衝突させることによって、イオン発生電極12a,12bに付着した物質を除去することができる。
【0054】
イオン発生電極12a,12bは、イオン発生運転時には電気的に絶縁されているので、イオン発生電極12a,12bの尖端部が火花の放電経路上に位置づけられていても、放電電流はイオン発生電極12a,12bを流れない。そのため、クリーニング運転時にはイオン発生電極12a,12b自体は高温になりにくい。
【0055】
この実施の形態においては、それぞれのクリーニング機構13,14において、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b、14bは、それぞれ1本ずつ配置されている。しかし、イオン発生電極12a,12bが火花の放電経路上に位置付けられるのであれば、第1の清掃用電極と第2の清掃用電極は、複数本ずつ配置されていてもよい。また、イオン発生電極12a,12bが火花の放電経路上に位置付けられるのであれば、例えば、第1の清掃用電極が1本、第2の清掃用電極が複数本、配置されるような構成であってもよい。
【0056】
図2は、第1実施形態のイオン発生装置における電圧印加制御のタイムチャートを示す図である。tionはイオン発生運転(通常運転)が行われる時間帯を表し、tclはクリーニング運転が行われる時間帯を表す。
【0057】
図2に示すように、イオン発生装置100においては、イオン発生運転を行っていない時間帯には、必ずクリーニング運転が行われる。
【0058】
上述の通り、スイッチ6a,6bはマイコン5によって同期的に制御されており、スイッチ6aがONのときは通常運転、スイッチ6bがONのときはクリーニング運転を行う。ここで、tionおよびtclはあらかじめ設定することが可能であり、環境(汚染度)、用途に合わせて調整を行うことが可能である。
【0059】
クリーニング運転時間は通常運転時間に比べて非常に短時間であるため、清掃用電極はその寿命を特に必要とするものではない。そのため、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bの材質は、イオン発生電極12a,12bに比べて耐熱性の低い材料であってもかまわない。
【0060】
以上のように、イオン発生装置100は、針状に形成された尖端部を有し、高電圧を印加されることによって尖端部においてイオンを発生させるためのイオン発生電極12a,12bと、高電圧が印加されて火花放電を発生させるための第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとを備え、イオン発生電極12a,12bの尖端部は、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間の火花の放電経路上に位置づけられ、イオン発生電極12a,12bは、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bの間に高電圧が印加されているときには、電気的に絶縁されている。
【0061】
イオン発生電極12a,12bに高電圧が印加されると、イオン発生電極12a,12bの尖端部においてイオンが発生する。一方、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間に高電圧が印加されると、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間に火花放電が発生する。
【0062】
第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間で発生する火花放電は、イオン発生電極12a,12bの尖端部を通る。火花がイオン発生電極12a,12bの尖端部を通るときに、火花放電によって発生したイオンや電子がイオン発生電極12a,12bに高速で衝突するので、イオン発生電極12a,12bに付着している塵埃などの物質が除去される。このようにして、イオン発生電極12a,12bのクリーニングが行なわれる。
【0063】
また、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間に高電圧が印加されるときには、イオン発生電極12a,12bは、電気的に絶縁されている。そのため、火花がイオン発生電極12a,12bの先端部を通るときには、イオン発生電極12a,12bには放電電流が流れない。クリーニングが行われるときには、イオン発生電極12a,12bには放電電流が流れないので、イオン発生電極12a,12bの尖端部は高温になりにくく、尖端部の形状が損なわれにくくなる。
【0064】
このようにすることにより、イオン発生電極12a,12bの形状を損なわずに、イオン発生電極12a,12bの付着物を除去することが可能なイオン発生装置100を提供することができる。
【0065】
また、イオン発生装置100においては、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bは、イオン発生電極12a,12bを挟むように配置されている。
【0066】
このようにすることにより、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bの数を少なくしても、確実に、イオン発生電極12a,12bを火花の放電経路上に位置づけることができる。
【0067】
また、イオン発生装置100は、イオン発生電極12a,12bに高電圧を印加してイオンを発生させるためのイオン発生用電圧印加回路と、イオン発生用電圧印加回路と別個に形成されて、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間に高電圧を印加して第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間で火花放電を発生させるための清掃用電圧印加回路とを備える。
【0068】
イオンを発生させるためにイオン発生電極12a,12bに印加される高電圧は、火花放電を発生させるために第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bに印加される高電圧と比較して相対的に小さい。
【0069】
そこで、イオン発生用電圧印加回路と、清掃用電圧印加回路とを別個に備えることにより、イオン発生用電圧印加回路にはイオンを発生させるために必要な電圧よりも大きな電圧を印加することがなくなるので、イオン発生装置100の寿命を長くすることができる。
【0070】
また、イオン発生装置100においては、イオン発生電極12a,12bへの高電圧の印加が停止されているときには、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間に高電圧が印加される。
【0071】
このようにすることにより、イオンの発生が停止されているときには、必ずイオン発生電極12a,12bのクリーニングが行われるので、イオン発生電極12a,12bを常に清浄な状態に保つことができる。
【0072】
また、イオン発生装置100においては、イオン発生電極12a,12bは、正イオンとしてH(HO)(mは任意の自然数)と負イオンとしてO(HO)(nは任意の自然数)とを発生させる。
【0073】
正イオンとしてH(HO)(mは任意の自然数)と負イオンとしてO(HO)(nは任意の自然数)は、正イオンと負イオンとの間で化学反応し、活性物質としての過酸化水素(H)または水酸基ラジカル(・OH)となる。過酸化水素または水酸基ラジカルは、浮遊粒子または浮遊細菌から水素を抜き取る酸化反応を行うことで、浮遊粒子を不活性化することができ、または浮遊細菌を殺菌することができる。
【0074】
そこで、イオン発生電極12a,12bがこれらの正イオンと負イオンとを発生させることによって、イオンが放出される空間の空気を清浄にすることができる。
【0075】
また、イオン発生装置100においては、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bは、イオン発生電極12a,12bと比較して相対的に耐熱性の低い材料によって形成されている。
【0076】
第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bに高電圧が印加される時間は、イオン発生電極12a,12bに高電圧が印加される時間と比較して、非常に短い。そのため、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bは、イオン発生電極12a,12bと比較して相対的に耐熱性の低い材料によって形成されても問題ない。耐熱性の低い材料は、耐熱性が高い材料と比較して、安価であることが多い。
【0077】
そこで、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bは、イオン発生電極12a,12bと比較して相対的に耐熱性の低い材料によって形成されていることにより、イオン発生装置100の作製に必要なコストを低減することができる。
【0078】
また、イオン発生装置100においては、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間には、直流高電圧、交流パルス高電圧、または、交流高電圧のいずれかが印加される。
【0079】
第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間に印加される電圧は、直流高電圧、交流パルス高電圧、または、交流高電圧のいずれであっても、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間に火花放電を発生させることができる。
【0080】
(第2実施形態)
図3は、この発明の第2実施形態として、イオン発生装置の構成を示す電気回路図である。
【0081】
図3に示すように、第2実施形態のイオン発生装置200は、第1実施形態のイオン発生装置100と異なる点としては、イオン発生電極12a,12bに対向するように配置される対向電極22を備える。
【0082】
イオン発生運転時には、1次側回路のトランス駆動用スイッチング素子7がオンすることにより、1次側のエネルギーが昇圧トランス9の2次側巻線9bに伝達され、昇圧トランス9の2次側巻線9bの両端に交番電圧のインパルス波形が印加される。このインパルス波形は、整流用高耐圧ダイオード10,11を通じてイオン発生電極12a,12bと対向電極22との間に印加される。
【0083】
イオン発生電極12a,12bで発生した正イオンと負イオンは、イオン発生電極12a,12bと対向電極22との間に形成される電界によって、対向電極22に向かって加速される。このようにして、イオン発生電極12a,12bで発生した正負のイオンをイオン発生装置200の外部に送出することができる。
【0084】
図4は、第2実施形態のイオン発生装置における電圧印加制御のタイムチャートを示す図である。tionはイオン発生運転(通常運転)が行われる時間帯を表し、tclはクリーニング運転が行われる時間帯を表す。
【0085】
図4に示すように、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、スイッチ6aとスイッチ6bが同期的に制御されるので、イオン発生装置200においては、イオン発生運転を行っていない時間帯には、必ずクリーニング運転が行われる。
【0086】
第2実施形態のイオン発生装置200のその他の構成と効果は、第1実施形態のイオン発生装置100と同様である。
【0087】
(第3実施形態)
図5は、この発明の第3実施形態として、イオン発生装置の構成を示す電気回路図である。
【0088】
図5に示すように、第3実施形態のイオン発生装置300は、第1実施形態のイオン発生装置100と異なる点としては、第1実施形態のイオン発生装置100のスイッチ6aの代わりにスイッチ6を備え、スイッチ6bの代わりにスイッチ16とを備える。スイッチ6とスイッチ16は、マイコン5によって非同期的に制御される。イオン発生装置300のイオン発生用電圧印加回路と清掃用電圧印加回路は、スイッチ6とスイッチ16とが非同期的に制御される他は、第1実施形態のイオン発生装置100と同様である。
【0089】
スイッチ6,16はマイコン5によって制御されており、通常運転時はスイッチ6が短絡、スイッチ16が開放状態となっている。スイッチの状態を切り替えることにより、スイッチ6が開放、スイッチ16が短絡状態となる。クリーニング運転時には、スイッチ6が開放状態、スイッチ16が短絡状態にされる。
【0090】
なお、イオン発生装置300においても、第2実施形態のイオン発生装置200(図3)のように、対向電極を配置した構成にしてもよい。
【0091】
図6は、第3実施形態のイオン発生装置における電圧印加制御のタイムチャートを示す図である。tionはイオン発生運転(通常運転)が行われる時間帯を表し、tclはクリーニング運転が行われる時間帯を表す。
【0092】
図6に示すように、第3実施形態のイオン発生装置300においては、イオン発生運転を行っていない時間帯のうち、あらかじめ設定された時間tclだけクリーニング運転が行われる。
【0093】
上述の通り、スイッチ6,16はマイコン5によって制御されており、スイッチ6がONのときは通常運転、スイッチ16がONのときはクリーニング運転を行う。ここで、tionとtclの長さは、それぞれ、あらかじめ設定することが可能であり、環境(汚染度)、用途に合わせて調整を行うことが可能である。
【0094】
また、イオン発生装置300では、イオン発生運転時間tionの合計時間が所定の時間を超えるまでは、イオン発生運転が停止されていても、クリーニング運転を行わず、イオン発生運転時間tionの合計時間が所定の時間を超えた後において、初めてイオン発生運転が停止されたときに、クリーニング運転を行うように、スイッチ6とスイッチ16が制御されてもよい。
【0095】
以上のように、イオン発生装置300においては、イオン発生電極12aに高電圧が印加される第1の時間と、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間に高電圧が印加される第2の時間とは、それぞれ別個に設定される。
【0096】
このようにすることにより、空気の汚染度などに合わせて、イオンの発生がされていない時間帯を効果的に利用してイオン発生電極12a,12bのクリーニングを行なうことができる。
【0097】
また、イオン発生装置300においては、イオン発生電極12a,12bに高電圧が印加された時間の合計が所定の値になった後において、初めてイオン発生電極12a,12bへの高電圧の印加が停止されるときに、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間に高電圧が印加されることが好ましい。
【0098】
例えば、空気中に塵埃等が少ないなど、イオン発生装置300が配置される環境の汚染度が低い場合には、イオンの発生が停止されているときに必ずイオン発生電極12a,12bのクリーニングを行う必要はない。
【0099】
そこで、イオン発生電極12a,12bに高電圧が印加された時間の合計が所定の値になった後において、初めてイオン発生電極12a,12bへの高電圧の印加が停止されるときに、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間に高電圧が印加されることにより、無駄なく効果的にイオン発生電極12a,12bのクリーニングを行なうことができる。
【0100】
第3実施形態のイオン発生装置300のその他の構成と効果は、第1実施形態のイオン発生装置100と同様である。
【0101】
(第4実施形態)
図7は、この発明の第4実施形態として、イオン発生装置の構成を示す電気回路図である。
【0102】
図7に示すように、第4実施形態のイオン発生装置400は、第1実施形態のイオン発生装置100と異なる点としては、イオン発生電極12a,12bにおいて発生するイオンの量を検知するためのイオン検知手段としてイオンセンサー17を備える。イオンセンサー17は、マイコン15と、イオン捕集部18a,18bから構成されている。イオン捕集部18aは、イオン発生電極12aにおいて発生するイオンの量を検知する。イオン捕集部18bは、イオン発生電極12bにおいて発生するイオンの量を検知する。
【0103】
イオン捕集部18a,18bは、正イオンまたは負イオンを検知すると、マイコン15に信号を送信する。マイコン15は、マイコン5に信号を送信する。マイコン5は、マイコン15から送信された信号に基づいて、イオン発生用電圧印加回路のスイッチ6aと、清掃用電圧印加回路のスイッチ6bに制御信号を送信し、開放状態と短絡状態を切り替えるように制御する。
【0104】
なお、イオン発生装置400は、第2実施形態のイオン発生装置200(図3)のように対向電極22を備えていてもよい。
【0105】
図8は、第4実施形態のイオン発生装置における電圧印加制御のタイムチャートを示す図である。tionはイオン発生運転(通常運転)が行われる時間帯を表し、tclはクリーニング運転が行われる時間帯を表す。
【0106】
図8に示すように、イオン発生装置400においては、イオン発生運転を行っていない時間帯には、必ずクリーニング運転が行われる。
【0107】
上述の通り、スイッチ6a,6bはマイコン5によって同期的に制御されており、スイッチ6aがONのときは通常運転、スイッチ6bがONのときはクリーニング運転を行う。ここで、tionおよびtclはあらかじめ設定することが可能であり、環境(汚染度)、用途に合わせて調整を行うことが可能である。
【0108】
なお、イオン発生装置400では、第3実施形態のイオン発生装置300(図5)のように、スイッチを非同期的に動作させるように制御されてもよい。
【0109】
続いてイオンセンサーの動作について説明する。
【0110】
図9は、第4実施形態のイオン発生装置がイオンセンサーの検知結果に基づいて自動的にクリーニングを行なうときの制御処理を順に示すフローチャートである。
【0111】
図9に示すように、ステップS001では、イオンセンサー運転を開始する。イオンセンサー17は、正イオン数レベルと負イオン数レベルを検知して、イオンセンサー17のマイコン15は、マイコン5に制御信号を送信する。
【0112】
ステップS002では、マイコン5は、イオンセンサー17によって検知された正イオン数レベルと負イオン数レベルがクリーニング駆動レベル以下であるかどうかを判断する。正イオン数レベルと負イオン数レベルがクリーニング駆動レベル以下であれば、ステップS003に進む。正イオン数レベルと負イオン数レベルがクリーニング駆動レベル以下でなければ、ステップS002に戻る。
【0113】
ステップS003では、マイコン5は、クリーニング運転を行なうように、スイッチ6a,6bを切り替えるように制御する。
【0114】
ステップS004では、マイコン5は、クリーニング運転時間(tcl)が経過したかどうかを判断する。クリーニング運転時間(tcl)が経過していれば、ステップS005に進む。クリーニング運転時間(tcl)が経過していなければ、ステップS004に戻る。
【0115】
ステップS005では、マイコン5は、イオンセンサーリセット時間(trs)が経過したかどうかを判断する。イオンセンサーリセット時間(trs)が経過していれば、ステップS002に戻る。イオンセンサーリセット時間(trs)が経過していなければ、ステップS005に戻る。
【0116】
このように、クリーニング運転を動作させるクリーニング駆動レベル(例えば、初期の90%)およびクリーニング運転時間tcl(例えば、1分)をあらかじめ設定しておくことにより、イオンセンサーが検知したイオン数レベルがクリーニング駆動レベルを下回った際に自動的にクリーニング運転を行うことが可能となり、環境(汚染度)、用途に関係なく、デバイス(イオン発生装置400)の性能を維持することができる。さらに、クリーニング運転中はイオンセンサー17の動作を停止させ、クリーニング運転終了後に十分なイオンセンサー再駆動時間trs(例えば、1分間)を設定しておくことにより、クリーニング運転終了直後または通常運転開始直後に放電の状態が安定せずにイオンセンサー17の検知レベルがクリーニング駆動レベルを下回った場合にクリーニング運転が連続して動作し続けるという問題を防ぐことが可能となる。
【0117】
以上のように、イオン発生装置400は、イオン発生電極12a,12bにおいて発生するイオンの量を検知するためのイオンセンサー17を備え、イオンセンサー17によって検知されるイオンの量が所定の量よりも少ない場合には、第1の清掃用電極13a,14aと第2の清掃用電極13b,14bとの間に高電圧が印加される。
【0118】
このようにすることにより、イオン発生装置400が置かれる環境の汚染度や用途がどのようなものであっても、イオン発生電極12a,12bが一定以上、汚染されたときには、イオン発生電極12a,12bのクリーニングが行われる。
【0119】
第4実施形態のイオン発生装置400のその他の構成と効果は、第1実施形態のイオン発生装置100と同様である。
【0120】
なお、第1実施形態から第4実施形態に示すイオン発生装置においては、トランス駆動用スイッチング素子7は、上述の説明では無ゲート2端子サイリスタ(新電元工業株式会社製のサイダック(登録商標))を用いて説明しているが、若干異なる回路を用いてサイリスタ(SCR)を用いてもよい。また、入力電源1は直流電源の場合であっても、上記と同様の動作が得られる回路とすればよい。すなわち、当回路の1次側駆動回路としては、特に限定するものではなく、同様の動作が得られる回路であればよい。
【0121】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】この発明の第1実施形態として、イオン発生装置の構成を示す電気回路図(A)と、クリーニング機構を拡大して示す図(B)である。
【図2】第1実施形態のイオン発生装置における電圧印加制御のタイムチャートを示す図である。
【図3】この発明の第2実施形態として、イオン発生装置の構成を示す電気回路図である。
【図4】第2実施形態のイオン発生装置における電圧印加制御のタイムチャートを示す図である。
【図5】この発明の第3実施形態として、イオン発生装置の構成を示す電気回路図である。
【図6】第3実施形態のイオン発生装置における電圧印加制御のタイムチャートを示す図である。
【図7】この発明の第4実施形態として、イオン発生装置の構成を示す電気回路図である。
【図8】第4実施形態のイオン発生装置における電圧印加制御のタイムチャートを示す図である。
【図9】第4実施形態のイオン発生装置がイオンセンサーの検知結果に基づいて自動的にクリーニングを行なうときの制御処理を順に示すフローチャートである。
【図10】従来のイオン発生装置のクリーニング機構を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0123】
12a,12b:イオン発生電極、13a,14a:第1の清掃用電極、13b,14b:第2の清掃用電極、17:イオンセンサー、100,200,300,400:イオン発生装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
針状に形成された尖端部を有し、高電圧を印加されることによって前記尖端部においてイオンを発生させるためのイオン発生電極と、
高電圧が印加されて火花放電を発生させるための第1の清掃用電極と第2の清掃用電極とを備え、
前記イオン発生電極の前記尖端部は、前記第1の清掃用電極と前記第2の清掃用電極との間の火花の放電経路上に位置づけられ、
前記イオン発生電極は、前記第1の清掃用電極と前記第2の清掃用電極の間に高電圧が印加されているときには、電気的に絶縁されている、イオン発生装置。
【請求項2】
前記第1の清掃用電極と前記第2の清掃用電極は、前記イオン発生電極を挟むように配置されている、請求項1に記載のイオン発生装置。
【請求項3】
前記イオン発生電極に高電圧を印加してイオンを発生させるためのイオン発生用電圧印加回路と、
前記イオン発生用電圧印加回路と別個に形成されて、前記第1の清掃用電極と前記第2の清掃用電極との間に高電圧を印加して前記第1の清掃用電極と前記第2の清掃用電極との間で火花放電を発生させるための清掃用電圧印加回路とを備える、請求項1または請求項2に記載のイオン発生装置。
【請求項4】
前記イオン発生電極に高電圧が印加される第1の時間と、前記第1の清掃用電極と前記第2の清掃用電極との間に高電圧が印加される第2の時間とは、それぞれ別個に設定される、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項5】
前記イオン発生電極への高電圧の印加が停止されているときには、前記第1の清掃用電極と前記第2の清掃用電極との間に高電圧が印加される、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項6】
前記イオン発生電極に高電圧が印加された時間の合計が所定の値になった後において、初めて前記イオン発生電極への高電圧の印加が停止されるときに、前記第1の清掃用電極と前記第2の清掃用電極との間に高電圧が印加される、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項7】
前記イオン発生電極において発生するイオンの量を検知するためのイオン検知手段を備え、
前記イオン検知手段によって検知されるイオンの量が所定の量よりも少ない場合には、前記第1の清掃用電極と前記第2の清掃用電極との間に高電圧が印加される、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項8】
前記イオン発生電極は、正イオンとしてH(HO)(mは任意の自然数)と負イオンとしてO(HO)(nは任意の自然数)とを発生させる、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項9】
前記第1の清掃用電極と前記第2の清掃用電極は、前記イオン発生電極と比較して相対的に耐熱性の低い材料によって形成されている、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項10】
前記第1の清掃用電極と前記第2の清掃用電極との間には、直流高電圧、交流パルス高電圧、または、交流高電圧のいずれかが印加される、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のイオン発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−33873(P2010−33873A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194519(P2008−194519)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】