説明

イベント処理システムおよびイベント処理方法

【課題】イベント転送遅延を短くするイベント処理システムがなかった。
【解決手段】イベント処理システムは、アプリケーション107が、イベント処理分散器103からイベント処理サーバリストを入手し、その中からアプリケーション107に近いイベント処理サーバ105を選択し、その情報を付加した要求を、イベント処理分散器103に行う第1のイベント処理と、イベント発生源106が、イベント処理分散器103からイベント振り分け器104の情報のリストを入手し、その中からイベント発生源に近いイベント振り分け器104を選択し、イベント振り分け器104にイベントを送信する第2のイベント処理とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理・配信に関し、特にRFIDセンサ等のデバイスなどから大量に発生する情報(イベント)の処理・配信に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術として、たとえば、特許文献1がある。図5は、特許文献1のサーバ選択装置の機能ブロック図であり、サーバ選択装置500は、サーバ選択手段501、距離取得手段502、及び残りリソース量取得手段503で構成されている。
【0003】
別の関連技術として、特許文献2がある。図6は、特許文献2の負荷分散システム構成図であり、ネットワークシステム全体のシステム管理を行うために設けられた管理サーバ610と、クライアントに提供する情報を保持する情報提供サーバ620と、ネットワーク監視を行うとともにクライアントに提供する情報を保持する情報提供サーバでもあるネットワーク監視サーバ630と、ドメイン名を管理するDNS/DAPサーバ604と、時間を管理するNTSサーバ605と、必要な情報を上記サーバから提供してもらうクライアントシステム640とが示されている。クライアントシステム640は、LAN641に接続された入力装置1乃至複数台のクライアント端末642とクライアント端末用管理サーバ643等で構成されている。
【0004】
さらに関連技術として、特許文献3がある。図7は、特許文献3の負荷分散振り分けシステムが示されている。イベント処理分散制御部701は、処理サーバ704a〜fに、アプリケーション706a〜fが要求するイベント処理の処理ルール708a〜fを設定する(矢印710a〜f)。
【0005】
アプリケーション706a〜hが要求するイベント処理の処理ルール708a〜fを設定する場合に、RFIDシステムにおいて、アプリケーション706aが、ある製品を製造するために必要な全ての部材のRFIDタグを全て検出したら通知することを、処理サーバ704aの処理ルール708aに「全ての部材のRFIDタグを全て検出したらアプリケーションに通知」というルールを設定する(矢印710a)。
【0006】
次に、イベント処理分散制御部701は、設定された処理ルール708a〜fにより処理サーバが処理する必要のあるイベントがそのサーバに適切に振り分けられるように、コンテキスト依存振り分け器703に振り分けルール707を設定する(矢印709)。上記に示した例の場合、「その製品に関する部材のRFIDタグの検出イベントは処理サーバ704aに転送する。」といったルールとなる。
【0007】
デバイス705a〜fで発生したイベント711a〜fは、全てコンテキスト依存振り分け器703で受信される。デバイス705a〜fで発生したイベントを受信したコンテキスト依存振り分け器703は、そのイベントの内容(コンテキスト)を参照し、振り分けルール707に従って、それらを適切な処理サーバ704a〜fに転送する(矢印713a〜f)。
【0008】
コンテキスト依存振り分け器703によって振り分けられたイベント713a、713fを受信した処理サーバは、処理ルール707に従ってアプリケーション706a〜hに転送する(714a〜i)。
このように、負荷分散振り分けシステムは、アプリケーションがシステムに対して、RFIDリーダ、センサ等のデバイスからの発生情報(イベント)の処理を処理ルールとして要求し、システムは要求されたルールに従って、イベント内容(コンテキスト)に基づき処理し、結果をアプリケーションに通知するシステムを前提としている。処理ルールはイベント内容(コンテキスト)に基づいて処理するように構成されている。
【特許文献1】特開2002−91843号公報
【特許文献2】特開2003−256303号公報
【特許文献3】特開2006−309701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献記載の関連技術には、以下の点で改善の余地を有していた。特許文献1、2は大量のデータを扱う場合の負荷軽減のため、ユーザから近いサーバを選択することが書かれているが、イベント発生源、およびイベント振り分け器についての記載はない。特許文献3は、イベント処理装置についての記載はあるが、イベント転送遅延を改善したイベント処理システムの記載はない。
【0010】
本発明はRFIDセンサ等のデバイスから大量に発生する情報(イベント)の処理・配信に係るものであり、この1つのイベント発生源は、複数回、場所を変えイベントを発生させる。また複数のイベントが同時に発生する場合があるが、色々な場所で同時に発生したイベントは、イベント振分け器との距離がばらつくことにより、同時に発生したものとして扱われない場合があった。このように、イベント転送遅延を改善するイベント処理システムについての開示はなかった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、転送されてきたイベントを設定されたイベント処理ルールに従って処理し、処理結果を複数のアプリケーションへ通知する複数のイベント処理サーバと、
設定されたイベント転送ルールに従ってイベント発生源から受信したイベントをそのイベント処理サーバへ転送する複数のイベント振り分け器と、
その複数のイベント処理サーバとその複数のイベント振り分け器を管理しそのアプリケーションから受信したイベント処理ルールをそのイベント処理サーバに設定するイベント処理分散器と、
を有し、
そのアプリケーションが、そのイベント処理分散器からそのイベント処理サーバの情報が記載されているリストを入手し、そのリストの中からそのアプリケーションに近いイベント処理サーバを選択し、選択したイベント処理サーバの情報を付加したイベント処理要求をそのイベント処理分散器に対して行う第1のイベント処理と、
そのイベント発生源が、そのイベント処理分散器からそのイベント振り分け器の情報が記載されているリストを入手し、そのリストの中からそのイベント発生源に近いイベント振り分け器を選択し、選択したイベント振り分け器にそのイベントを送信する第2のイベント処理と
を含むイベント処理システム、が提供される。
【0012】
また、この発明によれば、複数のイベント処理サーバは、転送されてきたイベントを設定されたイベント処理ルールに従って処理し、処理結果を複数のアプリケーションへ通知し、
複数のイベント振り分け器は、設定されたイベント転送ルールに従ってイベント発生源から受信したイベントをそのイベント処理サーバへ転送し、
イベント処理分散器は、その複数のイベント処理サーバとその複数のイベント振り分け器を管理し、そのアプリケーションから受信したイベント処理ルールをそのイベント処理サーバに設定し、
そのアプリケーションが、そのイベント処理分散器からそのイベント処理サーバの情報が記載されているリストを入手し、そのリストの中からそのアプリケーションに近いイベント処理サーバを選択し、選択したイベント処理サーバの情報を付加したイベント処理要求をそのイベント処理分散器に対して行うイベント処理および、
そのイベント発生源は、そのイベント処理分散器からそのイベント振り分け器の情報が記載されているリストを入手し、そのリストの中からそのアプリケーションに近いイベント振り分け器を選択し、選択したイベント振り分け器にそのイベントを送信するイベント処理を行うイベント処理方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、インターネットを介したイベント処理の処理時間を短縮する方法を提供することにより、イベント転送遅延を短くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかるイベント処理システムは、転送されてきたイベント117a,bを設定されたイベント処理ルール113に従って処理し、処理結果を複数のアプリケーション107へイベント処理結果118を通知する複数のイベント処理サーバ105a〜dと、設定されたイベント転送ルールに従ってイベント発生源106a,bから受信したイベント116a,bをイベント処理サーバ105a〜dへ転送する複数のイベント振り分け器104a,bと、イベント処理サーバ105a〜dとイベント振り分け器104a,bを管理しアプリケーション107から受信したイベント処理ルール113をイベント処理サーバ105a〜dに設定するイベント処理分散器103とを有する。
アプリケーション107は、イベント処理分散器103からイベント処理サーバ105a〜dの情報が記載されているイベント処理サーバリスト111を入手し、イベント処理サーバリスト111の中からアプリケーション107に近いイベント処理サーバ105dを選択し、選択したイベント処理サーバ105dの情報を付加したイベント処理ルール112の要求を前記イベント処理分散器103に対して行う第1のイベント処理と、イベント発生源106a,bが、イベント処理分散器103からイベント振り分け器104a,bの情報が記載されているイベント振り分け器リスト115a,bを入手し、イベント振り分け器リスト115a,bの中からイベント発生源106a,bに近いイベント振り分け器104a,bを選択し、選択したイベント振り分け器104a,bにイベント116a,bを送信する第2のイベント処理と、を含む。
【0016】
図1において、ネットワーク101の複数の箇所にデータセンター102a,bが設置されており、そのデータセンター102a,bには、複数のイベント処理サーバ105a〜dがネットワーク101に接続されてもうけられている。またイベント処理分散器103および複数のイベント振り分け器104a,bは、ネットワーク101に接続されたいずれかの場所に設置されている。尚、イベント処理分散器103、複数のイベント振り分け器104a,bは、いずれかのデータセンター102a,bの中に設置されていても良い。
【0017】
次に、図1を参照しての第1の実施例の動作の説明を行う。イベント処理を要求するアプリケーション107は、イベント処理を要求する前にイベント処理分散器103からアプリケーション107に渡されるイベント処理サーバリスト111を入手する。
【0018】
ここで、イベント処理サーバ105a〜dのリスト201の例を図2に示す。イベント処理サーバ105a〜dのリスト201にはネットワーク101上にあるデータセンター102a〜bとそれぞれのデータセンター102a〜b上にあるイベント処理サーバ105a〜dの名前もしくは識別子、それぞれのイベント処理サーバ105a〜dのアドレス(IPアドレス、URL等)202a〜dが記述されている。またデータセンター102a,b内にあるイベント処理サーバ105a〜d以外のネットワーク機器(ルータ等)の情報を記載してもよい。
【0019】
イベント処理サーバのリスト201を入手したアプリケーション107は、イベント処理サーバリスト201に記載されているイベント処理サーバ105a〜dとアプリケーション107との間のネットワーク101上の距離を測定する。この測定方法は、アプリケーション107が各イベント処理サーバ105a〜dのアドレス202a、bへPing(通信時間を測定し距離を得る。)を送信し、その応答時間を計算する方法などが在る(図示せず。)。この測定方法は、イベント処理サーバリスト201に載っている全てのイベント処理サーバ105a〜dに対して行っても良いし、各データセンター102a,bから一つ代表のイベント処理サーバ105a〜d(例えば105a、c)を選択し、その選択したデータセンター102a,cに対してのみ行ってもよい。また、該リストに各データセンター102a,b内のイベント処理サーバ105a〜d以外のネットワーク機器の情報が記載されている場合、それに対して、計測を行っても良い。
【0020】
測定を完了したアプリケーション107がアプリケーション107から最短であると判断したイベント処理サーバ(例の場合105cまたは105d)の情報とイベント処理ルール112を受信したイベント処理分散器103は、受信したイベント処理ルール112を設定するイベント処理サーバ105dを選択し、そのイベント処理サーバ105dにイベント処理ルール113を設定する。ここでイベント処理ルール113が設定されるイベント処理サーバ105dは、アプリケーション107から指定されたイベント処理サーバでもよいし、何らかの理由(負荷分散を行うためには他のイベント処理サーバに設定した方がよい、他のイベント処理サーバに同じイベントを扱う他のイベント処理ルールがすでに設定されており、そのイベント処理サーバに該イベント処理ルール113を設定した方が効率がよいなど)で指定されたイベント処理サーバより望ましいイベント処理サーバがある場合、同じデータセンター内にある他のイベント処理サーバでもよい。また、各データセンター102a,b内のイベント処理サーバ105a〜d以外のネットワーク機器に対して計測を行った場合、アプリケーション107は最短であると判断したデータセンター102bの情報を通知し、実際にイベント処理ルール113を設定するイベント処理サーバ105dの選択はイベント処理分散器103に任せてもよい。
【0021】
同時にイベント処理分散器103は、そのイベント処理ルールで扱われるイベントがそのイベント処理ルールを設定されたイベント処理サーバ105dに転送されるように、イベント振り分け器に設定するイベント振り分けルール114a,bを設定する。
【0022】
次に、イベントを発生させるイベント発生源106a,bはイベントを送出する前にイベント処理分散器103からイベント振り分け器104a,bのリスト115a,bを入手する。イベント振り分け器リスト115a,bにはネットワーク101内にあるイベント振り分け器104a,bの名前もしくは識別子とそれぞれのイベント振り分け器104a,bのアドレスが記述される(不図示)。
【0023】
イベント振り分け器104a,bのリスト115a,bを入手したイベント発生源106a,bは、イベント振り分け器のリスト115a,bに記載されているイベント振り分け器104a,bとイベント発生源106a,bとの間のネットワーク101上の距離を測定する。この測定方法は、イベント発生源106a,bが各イベント振り分け器104a,bのアドレスへpingを送信し、その応答時間を計測する方法などがある。
【0024】
測定を完了したイベント発生源106a,bはイベント発生源106a,bから最短であると判断したイベント振り分け器(106aの場合104a、106bの場合104b)に向けてイベント116a,bを送信する。該イベント116a,bを受信したイベント振り分け器104a,bはイベント振り分けルール114a,bに基づいてイベント117a,bを処理ルール113が設定されているイベント処理サーバ105dに転送する。
該転送されたイベント117a,bを受信したイベント処理サーバ105dはイベント処理サーバ105dに設定されているイベント処理ルール113に基づき該イベント117a,bを処理し、イベント処理結果118を要求元のアプリケーション107へ通知する。
【0025】
上記動作例ではイベント処理を要求するアプリケーション107が処理を要求するたびにアプリケーション107とイベント処理サーバ105a〜dとの間のネットワーク上の距離を測定することになるが、一度測定したらその測定情報をキャッシュしておき、2回目以降のイベント処理要求の時は計測を省略してもよい。同様に上記動作例ではイベントを発生するイベント発生源106a,bは、イベントを発生するたびにイベント発生源106a,bとイベント振り分け器104a,bとの間のネットワーク101上の距離を測定することになるが、一度測定したらその測定情報をキャッシュしておき、2回目以降のイベント発生の時は計測を省略してもよい。
【0026】
また、上記動作例ではイベント処理を要求するアプリケーション107やイベントを発生するイベント発生源106a,bは、実際にイベント発生源106a,bとイベント処理サーバ105a〜dやイベント振り分け器104a,bの間のネットワーク101上の距離を測定しているが、実際に測定は行わず入手したイベント処理サーバのリスト111やイベント振り分け器リスト115a,bに記載されているアドレスのネットワークアドレス部を見て、イベント発生源106a,bと近いネットワークアドレスのイベント処理サーバ105a〜dやイベント振り分け器104a,bを選んでもよい。
【0027】
本実施の形態によれば、イベントを送出するイベント発生源106a,bは、イベント送出前にイベント処理分散器103からイベント振り分け器104a,bのリスト115a,bを受け取り、そのリストを基にイベント発生源106a,bから近いイベント振り分け器104aまたは104bを選択し、選択したイベント振り分け器宛にイベント116aまたは116bを送信することにより、イベント転送遅延を短くすることができる。
【0028】
また、複数のイベント処理サーバ105a〜dを複数のデータセンター102a,bに配置し、イベント処理を要求するアプリケーション107が、イベント処理要求前にイベント処理分散器103からイベント処理サーバリスト111を受け取り、そのリストを基にアプリケーション107に近いイベント処理サーバを選択し、イベント処理分散器103に、選択したイベント処理サーバ105a〜dを指定してイベント処理ルール112を要求する。イベント処理分散器103は、指定されたイベント処理サーバを考慮しながらイベント処理サーバ105dを選択し、イベント処理ルール113を設定することにより、そのアプリケーション107に近いイベント処理サーバ105dにそのアプリケーション107のイベント処理ルールを配置することができ、イベント処理結果の通知の遅延を短くすることができる。
【0029】
(第2の実施形態)
図3に第2の実施例を示す。
第2の実施形態では各イベント振り分け器304a,bと各データセンター302a,bの間に高速専用回線308aa〜bbを設置し、各イベント振り分け器304a,bからイベント処理サーバ305a〜dへのイベント振り分け器からイベント処理サーバへ転送されるイベント317a,bは高速専用回線308aa〜bbを使用して行われる。これによりイベント振り分け器304a,bとデータセンター302a,bが地理的に離れた場所にあっても、イベント振り分け器304a,b-イベント処理サーバ305a〜d間で高速なイベント転送が可能になる。
【0030】
(第3の実施形態)
図4に第3の実施形態を示す。
第3の実施形態ではイベント振り分け器404a,bがイベント発生源406a,bの中に配置されている。これによりイベント発生源406a,bはネットワーク401上の最短の距離にあるイベント振り分け器を探す必要がなくなる。また、イベント振り分けの負荷を各イベント発生源406a,bに分散させることができる。
【0031】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るイベント処理・配信システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るイベント処理サーバ105a〜dのリストの例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るイベント処理・配信システムの構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るイベント処理・配信システムの構成を示す図である。
【図5】従来のサーバ選択装置の機能ブロックを示す図である。
【図6】従来の負荷分散システム構成図を示す図である。
【図7】従来の負荷分散振り分けシステムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
101,301 401 ネットワーク
102a,b、302a,b、402a,b データセンター
103,303,403 イベント処理分散器
104a,b、304a,b、404a,b イベント振り分け器
105a〜d、305a〜d、405a〜d イベント処理サーバ
106a,b、306a,b、406a,b イベント発生源
107,307,407 アプリケーション
111,311,411 イベント処理分散器からアプリケーションに渡されるイベント処理サーバリスト
112,312,412 イベント処理ルール
113、313、413 イベント処理ルール
114a,b、314a,b、414a,b イベント振り分けルール
115a,b、315a,b イベント振り分け器リスト
116a,b、316a,b、 イベント発生源からイベント振り分け器に送信されるイベント
117a,b、317a,b、417a,b イベント振り分け器からイベント処理サーバへ転送されるイベント
118、318、418 イベント処理結果
201 イベント処理分散器からアプリケーションに渡されるイベント処理サーバリスト
202a〜d イベント処理サーバのアドレス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転送されてきたイベントを設定されたイベント処理ルールに従って処理し、処理結果を複数のアプリケーションへ通知する複数のイベント処理サーバと、
設定されたイベント転送ルールに従ってイベント発生源から受信したイベントを前記イベント処理サーバへ転送する複数のイベント振り分け器と、
前記複数のイベント処理サーバと前記複数のイベント振り分け器を管理し前記アプリケーションから受信したイベント処理ルールを前記イベント処理サーバに設定するイベント処理分散器と、
を有し、
前記アプリケーションが、前記イベント処理分散器から前記イベント処理サーバの情報が記載されているリストを入手し、該リストの中から前記アプリケーションに近いイベント処理サーバを選択し、選択した前記イベント処理サーバの情報を付加したイベント処理要求を前記イベント処理分散器に対して行う第1のイベント処理と、
前記イベント発生源が、前記イベント処理分散器から前記イベント振り分け器の情報が記載されているリストを入手し、該リストの中から前記イベント発生源に近いイベント振り分け器を選択し、選択した前記イベント振り分け器に前記イベントを送信する第2のイベント処理と
を含むイベント処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のイベント処理システムにおいて、
前記複数のイベント処理サーバは、複数のデータセンター内に配置されているイベント処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のイベント処理システムにおいて、
前記イベント発生源が該イベント発生源に近いイベント振り分け器を選択する際に、前記イベント発生源は、前記イベント振り分け器のリストに記載されている各イベント振り分け器への通信にかかる往復時間を計測し、往復時間の最も短いイベント振り分け器を選択するイベント処理システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載のイベント処理システムにおいて、
前記イベント発生源が該イベント発生源に近いイベント振り分け器を選択する際に、前記イベント発生源が前記イベント振り分け器のリストに記載されている各イベント振り分け器のアドレスのネットワークアドレス部を見て該イベント発生源に近いネットワークアドレスを持つイベント振り分け器を選択するイベント処理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれか1項に記載のイベント処理システムにおいて、
前記イベント発生源が、イベント送信を行う際に、前記イベント振り分け器の入手と該イベント発生源に近いイベント振り分け器の選択は行わずに、以前に選択したイベント振り分け器の情報をキャッシュしておき、該キャッシュしたイベント振り分け器にイベントを送信するイベント処理システム。
【請求項6】
請求項2乃至5いずれか1項に記載のイベント処理システムにおいて、
前記イベント振り分け器と前記データセンター間に高速回線を有し、前記イベント振り分け器から前記イベント処理サーバへのイベント転送は前記高速回線を使用して行われるイベント処理システム。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれ1項に記載のイベント処理システムにおいて、
前記イベント振り分け器の機能が前記イベント発生源の中に配置されているイベント処理システム。
【請求項8】
請求項2乃至7に記載のイベント処理システムにおいて、
前記アプリケーションから前記イベント処理要求を受信した前記イベント処理分散器は、前記イベント処理要求が付加され選択されたイベント処理サーバまたは前記選択されたイベント処理サーバと同じ前記データセンターに配置されている他のイベント処理サーバに前記イベント処理ルールを設定するイベント処理システム。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれか1項に記載のイベント処理システムにおいて、
前記アプリケーションが、該アプリケーションに近いイベント処理サーバを選択する際に、前記アプリケーションは、前記イベント処理サーバのリストに記載されている各イベント処理サーバへの通信にかかる往復時間を計測し、該往復時間の最も短いイベント処理サーバを選択するイベント処理システム。
【請求項10】
請求項2乃至8いずれか1項に記載のイベント処理システムにおいて、
前記アプリケーションが該アプリケーションに近いイベント処理サーバを選択する際に、前記アプリケーションは、前記イベント処理サーバのリストに記載されている前記各データセンターから一つずつ該データセンターに配置されているイベント処理サーバを抽出し、該抽出したイベント処理サーバへの通信にかかる往復時間を計測し、往復時間の最も短いイベント処理サーバを選択するイベント処理システム。
【請求項11】
請求項1乃至8いずれか1項に記載のイベント処理システムにおいて、
前記アプリケーションが該アプリケーションに近いイベント処理サーバを選択する際に、前記アプリケーションは、前記イベント処理サーバのリストに記載されている各イベント処理サーバのアドレスのネットワークアドレス部を見て該アプリケーションに近いネットワークアドレスを持つイベント処理サーバを選択するイベント処理システム。
【請求項12】
請求項1乃至8いずれか1項に記載のイベント処理システムにおいて、
前記アプリケーションが、イベント処理要求を行う際に、前記イベント処理サーバのリストの入手と、前記アプリケーションに近いイベント処理サーバの選択は行わずに、以前に選択したイベント処理サーバの情報をキャッシュしておいたイベントサーバのリストと、キャッシュしておいたイベント処理サーバの情報を付加して前記イベント処理分散器にイベント処理要求を行うイベント処理システム。
【請求項13】
複数のイベント処理サーバは、転送されてきたイベントを設定されたイベント処理ルールに従って処理し、処理結果を複数のアプリケーションへ通知し、
複数のイベント振り分け器は、設定されたイベント転送ルールに従ってイベント発生源から受信したイベントを前記イベント処理サーバへ転送し、
イベント処理分散器は、前記複数のイベント処理サーバと前記複数のイベント振り分け器を管理し、前記アプリケーションから受信したイベント処理ルールを前記イベント処理サーバに設定し、
前記アプリケーションが、前記イベント処理分散器から前記イベント処理サーバの情報が記載されているリストを入手し、該リストの中から前記アプリケーションに近いイベント処理サーバを選択し、選択したイベント処理サーバの情報を付加したイベント処理要求を前記イベント処理分散器に対して行うイベント処理および、
前記イベント発生源は、前記イベント処理分散器から前記イベント振り分け器の情報が記載されているリストを入手し、該リストの中から前記アプリケーションに近いイベント振り分け器を選択し、選択したイベント振り分け器に前記イベントを送信するイベント処理を行うイベント処理方法。
【請求項14】
請求項13に記載のイベント処理方法において、
前記複数のイベント処理サーバが、複数のデータセンター内に配置され、
前記アプリケーションからイベント処理要求を受信した前記イベント処理分散器が、前記選択されたイベント処理サーバと同じ前記データセンターに配置されている他のイベント処理サーバに前記イベント処理ルールを設定するイベント処理方法。
【請求項15】
請求項13または14に記載のイベント処理方法において、
前記イベント発生源が該イベント発生源に近いイベント振り分け器を選択する際に、前記イベント発生源は、前記イベント振り分け器のリストに記載されている各イベント振り分け器への通信にかかる往復時間を計測し、往復時間の最も短いイベント振り分け器を選択するイベント処理方法。
【請求項16】
請求項13または14に記載のイベント処理方法において、
前記イベント発生源が該イベント発生源に近いイベント振り分け器を選択する際に、前記イベント発生源が前記イベント振り分け器のリストに記載されている各イベント振り分け器のアドレスのネットワークアドレス部を見て該イベント発生源に近いネットワークアドレスを持つイベント振り分け器を選択するイベント処理方法。
【請求項17】
請求項13または14に記載のイベント処理方法において、
前記イベント発生源が、イベント送信を行う際に、前記イベント振り分け器の入手と該イベント発生源に近いイベント振り分け器の選択は行わずに、以前に選択したイベント振り分け器の情報をキャッシュしておき、該キャッシュしたイベント振り分け器にイベントを送信するイベント処理方法。
【請求項18】
請求項13または17に記載のイベント処理方法において、
前記アプリケーションからイベント処理要求を受信した前記イベント処理分散器が、該イベント処理要求を付加し、選択された前記イベント処理サーバに前記イベント処理ルールを設定するイベント処理方法。
【請求項19】
請求項13乃至18いずれか1項に記載のイベント処理方法において、
前記アプリケーションが、該アプリケーションに近いイベント処理サーバを選択する際に、前記アプリケーションは、前記イベント処理サーバのリストに記載されている各イベント処理サーバへの通信にかかる往復時間を計測し、該往復時間の最も短いイベント処理サーバを選択するイベント処理方法。
【請求項20】
請求項14乃至18のいずれか1項に記載のイベント処理方法において、
前記アプリケーションが該アプリケーションに近いイベント処理サーバを選択する際に、前記アプリケーションは、前記イベント処理サーバのリストに記載されている前記各データセンターから一つずつ該データセンターに配置されているイベント処理サーバを抽出し、該抽出したイベント処理サーバへの通信にかかる往復時間を計測し、往復時間の最も短いイベント処理サーバを選択するイベント処理方法。
【請求項21】
請求項13乃至18いずれか1項に記載のイベント処理方法において、
前記アプリケーションが該アプリケーションに近いイベント処理サーバを選択する際に、前記アプリケーションは、前記イベント処理サーバのリストに記載されている各イベント処理サーバのアドレスのネットワークアドレス部を見て該アプリケーションに近いネットワークアドレスを持つイベント処理サーバを選択するイベント処理方法。
【請求項22】
請求項13乃至18いずれか1項に記載のイベント処理方法において、
前記アプリケーションが、イベント処理要求を行う際に、前記イベント処理サーバのリストの入手と、前記アプリケーションに近いイベント処理サーバの選択は行わずに、以前に選択したイベント処理サーバの情報をキャッシュしておいたイベントサーバのリストと、キャッシュしておいたイベント処理サーバの情報を付加して前記イベント処理分散器にイベント処理要求を行うイベント処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−217402(P2009−217402A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58733(P2008−58733)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度 総務省「ユビキタスネットワーク制御・管理技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】