説明

イミキモドの製造方法

【課題】イミキモドの新規な製造方法と、その製造に中間体として有用な新規ヒドロキシルアミノおよびヒドラジン誘導体を提供すること。
【解決手段】この方法は、式(I)の4−クロロ−1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリンと式(II)のアミン化合物とを反応させ、必要ならば次いで還元剤と反応させる。
【化1】


NH2−X (II)
[式(II)中、Xは−OR基または−NR12基であり、Rは水素、C1〜C6アルキル基、アリール−C1〜C4アルキル基、アリール基または−SO3H(スルホン)基であり、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C6アルキル基、アリール−C1〜C4アルキル基、アリール基または−SO23基であり、R3はアリール基である。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のイミキモド調製方法、並びにその調製用中間体として有用な新規ヒドロキシルアミンおよびヒドラジン誘導体に関する。
【0002】
イミキモド、即ち、4−アミノ−1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(A)は、特許文献1に開示されている抗ウイルスおよび免疫調節薬である。
【0003】
【化1】

【背景技術】
【0004】
イミキモド製造の合成方法はいくつか知られており、その中には、対応する4−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(I)を中間体として利用するものがある。これらの方法の1つは、特許文献1に開示されており、最終ステップとして、下記の反応を含むものである。
【0005】
【化2】

【0006】
鋼製オートクレーブ中、155℃で18時間、アンモニアで処理することによって、中間体(I)の4位の塩素原子をアミノ基で置換する。前記反応は、温度および圧力を含めて、特殊な工業用装置の使用を必要とする条件下で実施される。
【特許文献1】米国特許第4,689,338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、より工業的に適したイミキモド調製用の代替方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚くべきことに、上記の中間体(I)をヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたはその誘導体と反応させることにより、好都合にもイミキモドに変換できることが、今回、解かった。
【発明の効果】
【0009】
新規のイミキモド製造方法は、潜在的に危険なまたは問題のある反応条件の使用を伴わない。この方法の利点は、以下の説明によって理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の一目的は、4−アミノ−1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリンであるイミキモドの製造方法であり、この方法は、式(I)の4−クロロ−1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリンと式(II)のアミン化合物の反応、および必要なら還元剤との反応を含むものである。
【0011】
【化3】

【0012】
NH2−X (II)
[式(II)中、Xは、−OR基または−NR12基であり、Rは水素、C1〜C6アルキル基、アリール−C1〜C4アルキル基、アリール基または−SO3H(スルホン)基であり、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C6アルキル基、アリール−C1〜C4アルキル基、アリール基または−SO23基であり、R3はアリール基である]。
【0013】
R、R1およびR2のC1〜C6アルキル基は、直鎖状でも分枝状でもよく、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などのC1〜C4アルキル基であり、特にメチル基またはエチル基である。
【0014】
R、R1およびR2のアリール−C1〜C4アルキル基は、そのアルキル部分が直鎖状でも分枝状でもよく、例えば、フェニル−C1〜C4アルキル基であり、好ましくはベンジル基またはフェニルエチル基であり、そのフェニル環が、場合によってはヒドロキシ基、C1〜C4アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基;チオ基、C1〜C4アルキルチオ基、例えば、メチルチオ基やエチルチオ基;ニトロ基、シアノ基、ハロゲン、例えば、塩素、臭素またはヨウ素から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
【0015】
R、R1、R2およびR3のアリール基は、例えば、フェニル基またはナフチル基であり、特に、場合によってはヒドロキシ基、C1〜C4アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基;チオ基、C1〜C4アルキルチオ基、例えば、メチルチオ基やエチルチオ基;ニトロ基、シアノ基、ハロゲン、例えば、塩素、臭素、またはヨウ素から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
【0016】
式(II)のアミン化合物において、Xが−OR基である場合、Rは水素、C1〜C4アルキル基または−SO3H基が好ましく、Xが−NR12基である場合、R1およびR2は水素が好ましい。
【0017】
“式(II)のアミン化合物”は、式(II)のアミン化合物自体およびその塩または水和物の両方を意味する。
【0018】
式(II)のアミン化合物の塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、フマル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などの鉱酸または有機酸との付加塩であり、好ましくは、塩酸や硫酸、特に塩酸との付加塩である。アミン化合物(II)は、例えば、ヒドラジン水和物のような水和物で使用することもできる。
【0019】
上記のアミン化合物(II)と化合物(I)の化学量論比は、0.5〜10、好ましくは1〜5である。
【0020】
上記の化合物(I)とアミン化合物(II)との反応は、場合によっては溶媒の存在下で実施することもできる。溶媒としては、有機溶媒、またはその水との混合物が好ましい。通常は、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの塩素化溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルエーテル、ブチルエーテルなどのエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどの双極性非プロトン性溶媒;あるいはこれら有機溶媒の混合物および/または水との混合物である。メタノール、エタノールまたはエタノールと水との混合物が特に好ましい。
【0021】
反応は、約0℃から反応混合物の還流温度で、好ましくは約30℃から還流温度の温度で、実施することができる。
【0022】
さらに、場合によっては塩基性試薬、例えば、有機または無機塩基の存在下で反応を実施することもできる。前記塩基性試剤は、化合物(I)の塩素の置換反応中に生じる酸性状態を中和し、さらに式(II)のアミン化合物が塩の形で存在している場合には必要なら脱保護する働きもする。有機または無機塩基の例として、三置換アミン、特にトリエチルアミンやジイソプロピルエチルアミン、酢酸ナトリウムまたは炭酸カリウムがある。
【0023】
必要なら、還元剤との反応は、例えば、塩化スズ(II)、塩酸中の亜鉛、チオ硫酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、チオ尿素;炭素担持Pdとギ酸ナトリウム、ギ酸アンモニウム、ギ酸カリウム、ギ酸、シクロヘキセン、リモネンなどの水素供与体との組合せ;あるいは式(IIa)NH2−X’[式中、X’はNH2、またはOR’であり、R’は水素、C1〜C4アルキル基、またはSO3H基、好ましくは水素である]の誘導体、またはその塩もしくは水和物から選択される試剤を用いて実施することができる。
【0024】
式(IIa)の化合物の塩または水和物は、式(II)のアミン化合物に関して上記に記載したものと同じである。
【0025】
化合物(I)とアミン化合物(II)の反応は、実際には、場合によっては段階的に実施することができる、即ち、化合物(III)または(IIIa)[但し、Xは上記で定義した意味であり、Yは−O−または−NH−である]の形成、およびその後の還元を含む。
【0026】
【化4】

【0027】
【化5】

【0028】
化合物(III)または(IIIa)をもたらす化合物(I)とアミン化合物(II)との反応は、上記に報告されたのと同様にして実施することができる。
【0029】
場合によっては単離できる化合物(III)または(IIIa)を還元して、イミキモドを得る反応は、塩酸中の亜鉛、チオ硫酸ナトリウム、水素供与体のギ酸ナトリウム存在下のPd/Cなど上記の還元剤を使用して実施することができる。
【0030】
アミン化合物(II)において、Xが−OHではない場合は、化合物(I)との反応を段階的に実施することが好ましく、得られたXが−OHでない化合物(III)を、上記に記載の還元剤、好ましくは塩化スズ(II)、塩酸中の亜鉛、チオ硫酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、チオ尿素、またはPd/Cと水素供与体のギ酸ナトリウムとの組合せから選択される還元剤によって還元する。
【0031】
より好ましくは、式(III)の化合物において、Xが−ORであり、Rが水素ではない場合は、還元剤として、塩酸中の亜鉛、チオ硫酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、チオ尿素から選択する。一方、Xが−NH2である場合は、還元剤はPd/Cとギ酸ナトリウムの組合せである。
【0032】
誘導体(III)または(IIIa)を含む反応混合物に還元剤を添加するか、または好ましくは還元剤の存在下で化合物(I)とアミン化合物(II)を直接反応させて、還元反応を実施することができる。
【0033】
上記に記載の化合物(III)および(IIIa)は新規化合物であり、本発明の別の目的である。
【0034】
化合物(III)および(IIIa)の好ましい例は、
N−(l−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−O−メチル−ヒドロキシルアミン、
N−(1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−O−スルホニル−ヒドロキシルアミン、
N,N’−ビス−(1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−ヒドラジン、および
N−(1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−ヒドラジン
である。
【実施例】
【0035】
以下の実施例は、本発明を例示するものである。
【0036】
実施例1:N−(1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−O−メチル−ヒドロキシルアミン(III)の合成
冷却器、電磁撹拌機、温度計を備えた3口丸底フラスコに、4−クロロ−1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(5.0g、0.019モル)、0−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(3.2g、0.038モル)、酢酸ナトリウム(3.1g、0.038モル)およびエタノール/水(2:1v/v)混合物(60ml)を仕込む。次いで、得られた混合物を還流する。14時間後、30%NaOH水溶液を添加して、pH9にし、混合物を塩化メチレン(3回×50ml)で抽出する。有機相を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥し、残渣になるまで蒸発させる。得られた白色固体を、真空下、50℃で乾燥する。重量=4.35g、収率=75%。
【0037】
1HNMR(300MHz,DMSO−d6):δ(ppm)8.16(s,1H)、7.82(d,1H,J=8.2Hz)、7.80(d,1H,J=8.2Hz)、7.40(t,1H,J=8.2Hz)、7.22(t,1H,J=8.2Hz)、4.35(d,2H,J=7Hz)、3.85(s,3H)、2.05(m,1H)、0.88(d,6H,J=7Hz)。
【0038】
実施例2:N−(1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−O−スルホニル−ヒドロキシルアミン(III)の合成
冷却器、電磁撹拌機、温度計を備えた3口丸底フラスコに、O−ヒドロキシアミノスルホン酸(4.8g,0.042モル)、メタノール(30ml)、酢酸ナトリウム(3.1g,0.038モル)、最後に4−クロロ−1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(10.0g,0.038モル)を仕込む。混合物を40℃に加熱し、撹拌下、この温度で24時間放置する。反応が完結した後、沈殿物を吸引ろ過し、水で洗浄し、次いで真空下、50℃で乾燥して、9.5g(収率=74%)の白色固体を得る。
【0039】
1HNMR(300MHz,DMSO−d6):δ(ppm)8.7(s,1H)、8.16(d,1H,J=8.2Hz)、8.07(d,1H,J=8.2Hz)、7.62(t,1H,J=8.2Hz)、7.48(t,1H,J=8.2Hz)、4.9(bs,1H)、4.45(d,2H,J=8Hz)、3.15(s,1H)、2.13(m,1H)、0.89(d,6H,J=8Hz)。
【0040】
実施例3:N−(1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−O−メチル−ヒドロキシルアミンから出発するイミキモドの合成
冷却器、電磁撹拌機、温度計を備えた3口丸底フラスコに、N−(1−イソブチル−1H-イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−O−メチル−ヒドロキシルアミン(0.2g、0.74ミリモル)およびエタノール(15ml)を仕込む。37%HCl(1ml)および亜鉛末(48mg、0.74ミリモル)を撹拌下に添加する。室温で1時間撹拌すると、反応が完結する。混合物を体積が半分になるまで濃縮し、pH9〜10になるまで50%w/wNaOHを加えてアルカリ性にし、撹拌下で30分放置する。得られた固体をろ過し、静置乾燥機中で、真空下、50℃で乾燥する。(0.12g、収率70%)。
【0041】
1HNMR(300MHz,DMSO−d6):δ(ppm)8.16(s,1H)、8.0(d,1H,J=8.2Hz)、7.61(d,1H,J=8.2Hz)、7.42(t,1H,J=8.2Hz)、7.26(t,1H,J=8.2Hz)、6.54(bs,2H)、4.39(d,2H,J=7.5Hz)、2.18(m,1H)、0.91(d,6H,J=7.5Hz)。
【0042】
実施例4:イミキモドの合成
冷却器、電磁撹拌機、温度計を備えた3口丸底フラスコに、4−クロロ−1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(5.0g、0.019mol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(2.6g、0.038モル)、酢酸ナトリウム(3.1g、0.038モル)およびエタノール/水(2:1v/v)混合物(60ml)を仕込む。反応混合物を12時間還流し、次いで放置して室温まで冷却する。沈殿した固体(3g、0.010モル)を吸引ろ過し、恒量になるまで真空下、50℃で乾燥する。次いで、得られた固体を水(6ml)に溶解し、酢酸ナトリウム(1g、0.012モル)を添加する。沈殿した生成物をろ過し、静置乾燥機中で、真空下、50℃で乾燥する。重量=2.4g、収率52%。
【0043】
実施例5:N−(1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−ヒドラジン(III)の合成
冷却器、電磁撹拌機、温度計を備えた3口丸底フラスコに、4−クロロ−1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(5.0g、0.019モル)、ヒドラジン水和物(3.8g、0.076モル)およびエタノール(20ml)を仕込む。混合物を3時間還流し、次いで放置して室温まで冷却し、15%アンモニア水溶液10mlで希釈する。沈殿した固体を吸引ろ過し、真空下、50℃で乾燥し、それによって、N−(1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−ヒドラジン4.5gがモル収率92%で得られる。
【0044】
1HNMR(300MHz,DMSO−d6):δ(ppm)8.19(s,1H)、7.98(d,1H,J=8.1Hz)、7.70(d,1H,J=8.1Hz)、7.44(t,1H,J=8.1Hz)、7.27(t,1H,J=8.1Hz)、4.37(d,2H,J=7.5Hz)、2.15(m,1H)、0.88(d,6H,J=6.6Hz)。
【0045】
同じ手法に従い、0.009モルのヒドラジン水和物を用い、N,N’−ビス−(1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−ヒドラジンを得る。
【0046】
実施例6:N−(1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−ヒドラジンから出発するイミキモドの合成
冷却器、電磁撹拌機、温度計を備えた3口丸底フラスコに、N−(1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−ヒドラジン(4.5g、0.018モル)、水(40ml)、37%塩酸(1.8g,0.018モル)、10%Pd−C(湿式、水50%)(3.8g、0.0018mol)およびギ酸ナトリウム(4.9g、0.072モル)を仕込む。混合物を84時間還流し、放置して室温まで冷却し、5%塩酸溶液10mlで希釈して、pH<2にする。セライトでろ過し、pH>8になるまでアンモニア水溶液を加えてアルカリにする。沈殿した固体を吸引ろ過し、静置乾燥機中、真空下、50℃で乾燥し、それによってモル収率98%で4.3gが得られる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の4−クロロ−1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリンと式(II)のアミン化合物の反応、および必要なら還元剤との反応を含む、4−アミノ−1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリンの製造方法。
【化1】

NH2−X (II)
[式(II)中、Xは、−OR基または−NR12基であり、Rは水素、C1〜C6アルキル基、アリール−C1〜C4アルキル基、アリール基または−SO3H(スルホン)基であり、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C6アルキル基、アリール−C1〜C4アルキル基、アリール基または−SO23基であり、R3はアリール基である。]
【請求項2】
式(II)のアミン化合物において、Xが−ORである場合は、Rは水素、C1〜C4アルキル、または−SO3H基であり、Xが−NR12である場合は、R1およびR2は水素である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
アミン化合物(II)と化合物(I)の化学量論比が0.5〜10である請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
有機溶媒またはそれと水の混合物の存在下で反応を実施する請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
メタノール、エタノール、またはエタノール/水混合物中で反応を実施する請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
塩基性試薬の存在下で反応を実施する請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
還元剤が、塩化スズ(II)、塩酸中の亜鉛、チオ硫酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、チオ尿素;Pd/Cと水素供与体の組合せ;あるいは誘導体(IIa)またはその塩もしくは水和物から選択される請求項1に記載の製造方法。
NH2−X’ (IIa)
[式(IIa)中、X’はNH2基またはOR’基であり、R’は水素、C1〜C4アルキル基またはSO3H基である。]
【請求項8】
化合物(I)と化合物(II)との反応が、化合物(III)または(IIIa)の形成、およびその後の還元を含む請求項7に記載の製造方法。
【化2】

[式(III)中、Xは−OR基または−NR12基であり、Rは水素、C1〜C6アルキル基、アリール−C1〜C4アルキル基、アリール基または−SO3H(スルホン)基であり、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C6アルキル基、アリール−C1〜C4アルキル基、アリール基または−SO23基であり、R3はアリール基である。]
【化3】

[式(IIIa)中、Yは−O−または−NH−である。]
【請求項9】
化合物(III)において、XがOHとは異なる場合は、還元剤が、塩化スズ(II)、塩酸中の亜鉛、チオ硫酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、チオ尿素、およびPd/Cと水素供与体としてのギ酸ナトリウムとの組合せから選択される請求項8に記載の方法。
【請求項10】
化合物(III)において、Xが−ORで、Rが水素ではない場合は、還元剤として、塩酸中の亜鉛、チオ硫酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、チオ尿素から選択され、一方、Xが−NH2である場合は、還元剤がPd/Cとギ酸ナトリウムの組合せである請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
化合物(I)と化合物(II)を還元剤の存在下で反応させて、還元が実施される請求項8〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項12】
式(III)または(IIIa)の化合物。
【化4】

[式(III)中、Xは−OR基または−NR12基であり、Rは水素、C1〜C6アルキル基、アリール−C1〜C4アルキル基、アリール基または−SO3H(スルホン)基であり、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素、C1〜C6アルキル基、アリール−C1〜C4アルキル基、アリール基または−SO23基であり、R3はアリール基である。]
【化5】

[式(IIIa)中、Yは−O−、または−NH−である。]
【請求項13】
N−(l−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−O−メチル−ヒドロキシルアミン、
N−(1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−O−スルホニル−ヒドロキシルアミン、
N−(1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−ヒドラジン、または
N,N’−ビス−(1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−ヒドラジン
である請求項12に記載の式(III)または(IIIa)の化合物。


【公開番号】特開2006−8686(P2006−8686A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182864(P2005−182864)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(504407413)ディフアルマ ソシエタ ペル アチオニ (12)
【氏名又は名称原語表記】DIPHARMA S.P.A.
【Fターム(参考)】