説明

イルミネーション装置

【課題】簡素な構成で多彩な色彩表示と立体的な発光表示とを同時に行う。
【解決手段】イルミネーション装置2は、透明なガラス板3と、このガラス板3の表面に、光を乱反射させる傾斜面8を有する傾斜溝7Aを彫り込んだ装飾部7と、このガラス板3の周囲に配置され、この傾斜溝7Aの傾斜面8に所望の色彩の光を投光する投光部10とを備えて構成される。投光部10は、各種の色(赤:R、緑:G、黄:Y)を投光する発光ダイオード11を交互に一列に並べ、発光方向をガラス板3の側面に直角に向けて配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イルミネーション装置に関し、特に、彫り込まれた装飾面を有する透明ガラスを用いたイルミネーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、イルミネーション装置として、透明なアクリル樹脂板の底側に彫り込みエッジを形成し、このアクリル樹脂板の傾斜した底面を曇りガラスのようにざらついたシボ処理を行い、アクリル樹脂板の上方から蛍光灯の光を当て、エッジライト効果により、彫り込みエッジ部分をシボ処理された底面より明るく光らせて立体表示する遊技機が知られている。(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−206424号公報(第2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のイルミネーション装置では、彫り込み部とシボ処理された反射部とを設けなければならず、立体的な発光表示を得るのにコストがかかるという問題があった。また、多彩な色彩を出すには蛍光色素を利用するため、制約があるという問題がある。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、簡素な構成でしかも多彩な色彩表示と立体的な発光表示とを同時に行うことができるイルミネーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るイルミネーション装置は、透明な透光体と、この透光体の表面に、光を乱反射させる傾斜面を有する傾斜溝を彫り込んだ装飾部と、この透光体の周囲に配置され、この傾斜溝の傾斜面に所望の色彩の光を投光する投光部とを備えたものである。
【0006】
本発明に係るイルミネーション装置では、透明な透光体と、この透光体の表面に、光を乱反射させる傾斜面を有する傾斜溝を彫り込んだ装飾部と、この透光体の周囲に配置され、この傾斜溝の傾斜面に所望の色彩の光を投光する投光部とを備えたので、灯光部から所望の色彩の光を投光すると、光は透光体内部を通過して傾斜溝の傾斜面に当たって乱反射する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るイルミネーション装置は、透明な透光体と、この透光体の表面に、光を乱反射させる傾斜面を有する傾斜溝を彫り込んだ装飾部と、この透光体の周囲に配置され、この傾斜溝の傾斜面に所望の色彩の光を投光する投光部とを備えたことにより、立体的でかつ多彩な色彩で装飾面を演出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
簡素な構成でしかも多様な色彩に富んだ装飾を得るという目的を、透光体に形成された傾斜溝に投光部から所望の色彩の光を投光する構成とすることにより実現した。
【実施例1】
【0009】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図1および図2はそれぞれ本発明の一実施例に係るイルミネーション装置の正面図および背面図である。本実施の形態に係るイルミネーション装置2は、図1に示すように、透明なガラス板(透光体)3とこのガラス板3を保持する枠体としての額縁4とを備えている。額縁4にガラス板3が入れられると、図2に示すように、光を遮断する裏蓋5で蓋をし、蓋止め6で裏蓋5を保持するようになっている。
【0010】
ガラス板3の表面には、装飾部7が形成される。装飾部7は、模様、絵、文字、記号、広告等のデザインを彫り込んだ彫り込み溝(傾斜溝)7A(図5参照)により形成される。この彫り込み溝7AはほぼV字状に彫り込まれ、彫り込まれた傾斜面8はざらついた曇りガラスのように細かい凹凸面となっており、乱反射するようになっている。
【0011】
額縁4には、図3に示すように、裏蓋5を取り外すと、左右両側に投光部10が設けられる。この投光部10は、各種の色(赤:R、緑:G、黄:Y)を投光する発光ダイオード11を交互に一列に並べ、発光方向をガラス板3の側面に直角に向けて配置される(図4参照)。これら発光ダイオード11は、各種の色に応じた回路のリード線12を介して裏蓋5に取り付けられたバッテリ13とスイッチ14とに電気的に接続される。スイッチ14は発光ダイオード11の発光色の種類毎R、G、Yに自在にオン・オフを行うようになっている。発光ダイオード11は、例えば、赤が発光色の発光ダイオード11がスイッチ14によりオンされると、赤の入射光はガラス板3の内部を直進し、彫り込み溝7Aの傾斜面8に当たって乱反射し、装飾部7を赤く染めるようになっている。色彩は各種の発光ダイオードの組み合わせにより多様な色彩を出すことができるようになっている。
【0012】
次に、上記実施例に係るイルミネーション装置の作用について説明する。この実施例に係るイルミネーション装置2は、スイッチ14により、所望の種類の色彩の発光ダイオード11をオンさせると、装飾部7はその色彩に染まる。また、複数の種類の発光ダイオード11をオンすると、組み合わせに応じて多様な色彩を出すことができる。投光部10の光源に発光ダイオード11を使用しているので、消費電力が少なく、小型のバッテリーで長時間使用することができる。
【0013】
なお、上記実施例では、投光部10は額縁4に固定してもよいし、取り外し自在としてもよい。また、投光部10は額縁4の左右側だけでなく、上下に設けてもよい。投光部10の光源に発光ダイオード11を使用しているがこれに限られるものではなく、有機性発光体でもよいし、ネオンライトや豆電球のような光源を使用してもよい。また、上記実施例では、ガラス板3と発光ダイオード11を別体に構成しているがこれに限られるものではなく、一体に設けてもよいことはいうまでもない。さらに、上記実施例では、透光体として透明なガラス板3を用いているがこれに限られるものではなく、透明なアクリル樹脂、鏡等であってもよい。本実施例でガラス板3を用いたのは、彫り込みにシャープさが得られ像が明確になるためであるが、用途に応じて透明な合成樹脂であってもよいことはいうまでもない。さらに上記実施例では、スイッチ14を手動としているがこれに限られるものではなく、自動的に回路が切り替わる自動スイッチとしてもよい。また、上記実施例では、ガラス板3を平面ガラスとしているがこれに限られるものではなく、曲面ガラスであってもよい。さらに、上記実施例では、発光ダイオードは、3色を挙げているがこれに限られるものではなく、さらに多種の色を用いてもよい。また、上記実施例では額縁に適用した例を示したが、これに限られるものではなく、仏壇の背景、ショーウインドウ、電飾看板、ビルの壁面ガラス、お店のディスプレー、展覧会のディスプレー、ランプ、電気スタンド、道標、標札、地番標札、非常口の案内、各種の天然石や人造石および陶製品、器、船名等に用いるとができる。特に、暗い場所や濃霧などの悪天候時に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例に係るイルミネーション装置を示す正面図である。(実施例1)
【図2】図1のイルミネーション装置の背面図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ図1のイルミネーション装置の要部を示す説明図である。
【図4】ガラス板と発光ダイオードの配置を示す説明図である。
【図5】ガラス板の彫り込み溝を示す断面図である。
【符号の説明】
【0015】
2 イルミネーション装置
3 ガラス板(透光体)
7A 彫り込み溝(傾斜溝)
8 傾斜面
10 投光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な透光体と、この透光体の表面に、光を乱反射させる傾斜面を有する傾斜溝を彫り込んだ装飾部と、この透光体の周囲に配置され、この傾斜溝の傾斜面に所望の色彩の光を投光する投光部とを備えたことを特徴とするイルミネーション装置。
【請求項2】
透光体を透明ガラスで、投光部を発光ダイオードでそれぞれ構成したことを特徴とする請求項1に記載のイルミネーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−47883(P2006−47883A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−231744(P2004−231744)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(504302635)
【Fターム(参考)】