説明

インキュベータ

【課題】所定の環境条件に調整されたチャンバーの内部にて容器内の試料を培養するインキュベータにおいて、チャンバーのシャッターが開くことによる容器挿入口付近の温度低下を防止すると共に、容器がチャンバー内へ搬入されたときの水滴の付着を防止する。
【解決手段】本発明に係るインキュベータにおいて、チャンバーには、チャンバー内へ容器31を搬入するための容器挿入口13が開設され、該容器挿入口13はシャッター17によって開閉可能であり、該容器挿入口13に対向して、容器31をチャンバー内へ搬入するための容器搬入機構4が配備され、該容器搬入機構4は、容器31を設置するための容器設置台46と、該容器設置台46をチャンバーの外側と内側の間で往復移動させる往復駆動装置と、容器設置台46上の容器31へ向けて熱を発生するヒータ7とを具えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の環境条件に調整されたチャンバーの内部にて容器内の試料を培養するインキュベータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種の微生物や細胞を培養するために、インキュベータが用いられている。従来のインキュベータは、開閉扉によって開口を開閉することが可能なチャンバーの内部に、複数段の棚を設け、各棚に複数の容器を収容することが可能となっている。チャンバーには、チャンバー内の温度、湿度、CO濃度等の環境条件を調整するための環境調整装置が設けられており、適切な環境条件を設定することによって、容器内の試料の培養が行なわれる。
【0003】
この様なインキュベータにおいては、培養中に試料の状態を確認するために、チャンバーから容器を取り出して、顕微鏡などによる試料の観察や分析が行なわれるが、その際にチャンバーの開閉扉を開く必要があるため、これによってチャンバー内の環境条件が大きく変化する問題があった。
【0004】
そこで、チャンバーに開設した容器挿入口とチャンバー内の各容器収容部との間で、容器の搬送を可能として、各容器収容部に対する容器の出し入れを自動化したインキュベータが提案されている(例えば特許文献1参照)。
該インキュベータによれば、チャンバーに小さな容器挿入口を開設すればよいので、容器出し入れ時のチャンバー内の環境条件の変化を抑制することが出来る。
【0005】
図14に示すインキュベータ(特許文献2参照)においては、チャンバー(91)の内部に、容器(31)を収容するための複数の容器収容棚を有するスタッカー(92)(92)が左右に配備されると共に、両スタッカー(92)(92)の間には、容器(31)を搬送するための搬送テーブル(50)を具えた容器搬送装置(5)が配備されている。
又、チャンバー(91)には、容器挿入口(図示省略)を開閉するためのシャッター機構(16)が取り付けられると共に、容器挿入口からチャンバー(91)内へ容器を搬入するための容器搬入機構(40)が取り付けられている。
【0006】
更に、チャンバー(91)には、容器収容棚に収容されている容器(31)内の細胞を観察するための観察装置(90)が配備されている。該観察装置(90)は、カメラ(93)と該カメラ(93)を水平に移動させるためのカメラ駆動機構(94)とを具え、カメラ(93)によって撮影された画像を分析装置(95)へ送ることにより、細胞の培養状態を観察し、分析することが可能となっている。
【0007】
容器(31)としては、表面に細胞収容のための多数の穴が凹設されているマイクロプレートの他、図15に示す如く、透明樹脂製の容器本体(32)を具えて、該容器本体(32)の口にエアフィルター(34)付きのキャップ(33)をねじ込んだフラスコが用いられる。
【特許文献1】特開平11−89559号公報
【特許文献2】特開2004−180675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の容器搬送装置を具えたインキュベータにおいては、細胞の観察や培地交換の度にチャンバーのシャッターを開閉し、複数の容器を一度に出し入れしていたが、シャッターが開くことによりチャンバー内の熱が容器挿入口から流出するため、シャッターが開いている時間が長くなると、容器挿入口近傍の温度が大きく低下し、この結果、容器挿入口近傍の容器に収容されている培地が大きな影響を受けて、細胞の育成に変化を与える。そこで従来は、一度に出し入れする容器の数を制限してシャッターが開いている時間を短縮することが行なわれていたが、これによってシャッターの開閉回数が増加し、必要な数の容器の出し入れを完了するのに長い時間がかかる問題があった。
【0009】
又、従来の観察装置を具えたインキュベータにおいては、チャンバーの内部が例えば温度37℃、湿度95%以上の高温多湿の環境条件に維持されているため、容器をチャンバー内に収容した直後は、チャンバーの外側の環境との差に起因して、容器の表面に多数の水滴が付着することとなる。従って、容器をチャンバー内に収容した直後に観察装置によって容器内の細胞を観察せんとしても、容器表面に付着した水滴が細胞の撮影に支障を来たす。そこで従来は、容器をチャンバー内に収容した後、水滴が完全に消失した状態で、観察を行なっていた。しかしながら、水滴が完全に消失するのに少なくとも1時間を要し、細胞の観察が可能となるまでに長い時間がかかる問題があった。
【0010】
そこで本発明の目的は、チャンバーのシャッターが開くことによる容器挿入口付近の温度低下を防止すると共に、容器がチャンバー内へ搬入されたときの水滴の付着を防止することが出来るインキュベータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るインキュベータは、所定の環境条件に調整されたチャンバーの内部にて容器内の試料を培養するものであって、チャンバー内には、容器収容棚と、容器収容棚へ容器を収容し若しくは容器収容棚から容器を取り出すための容器搬送装置が配備され、チャンバーには容器挿入口が開設され、該容器挿入口はシャッター機構によって開閉可能であり、チャンバーの外部にて該容器挿入口に対向して、容器をチャンバー内へ搬入するための容器搬入機構が配備されている。
ここで、前記容器搬入機構は、容器を設置するための容器設置台と、該容器設置台をチャンバーの外側と内側の間で容器挿入口を通じて往復移動させる往復駆動装置と、容器設置台上の容器へ向けて熱を発生するヒータとを具えている。
【0012】
上記本発明のインキュベータによれば、容器搬入機構によって容器がチャンバー内へ搬入される際、ヒータから容器設置台上の容器へ向けて熱が発せられるので、これによって容器が加熱されて、容器及び容器内の温度が上昇し、チャンバー内の温度との差が殆どなくなる。従って、容器がチャンバー内に搬入された時点で該容器の表面に水滴が付着することはない。
又、容器挿入に際してシャッター機構が開いたとき、ヒータから発せられる熱が容器挿入口にも供給され、容器挿入口付近の温度低下が防止される。従って、シャッターが開いている時間が多少長くとも、容器挿入口近傍の温度が大きく低下することはなく、これによって容器挿入口付近における試料培養状態の変化を防止することが出来る。
【0013】
具体的構成において、前記容器搬入機構の往復駆動装置は、ベース部材と、該ベース部材に対して容器設置台の往復移動方向に沿うスライドが可能に係合する中間スライド部材と、ベース部材に対して中間スライド部材を前記往復移動方向に駆動する駆動機構と、中間スライド部材と容器設置台の間に介在して中間スライド部材の移動速度よりも早い速度(例えば2倍速、3倍速、4倍速)で容器設置台を前記往復移動方向に移動させる増速機構とを具え、前記ヒータは、前記中間スライド部材に取り付けられ、容器設置台がチャンバーの外側に設置された状態で該容器設置台上の容器の底面と対向する位置に配置される。
【0014】
該具体的構成によれば、容器搬入機構の往復駆動装置によって容器設置台がチャンバーの外側から内側へ移動する際、中間スライド部材及び容器設置台がチャンバーの外側に位置する容器搬出状態では、中間スライド部材と容器設置台とが重なって、ヒータが容器設置台の下方に配置される。これによって、容器設置台上の容器がヒータによって効率的に加熱される。
その後、容器搬出状態から中間スライド部材及び容器設置台が移動して中間スライド部材がチャンバーの容器挿入口に位置すると共に容器設置台がチャンバーの内側に達した容器搬入状態では、中間スライド部材に取り付けられているヒータは、容器挿入口に位置し、チャンバーの奥部へは進入しない。これによって、容器挿入口の近傍がヒータによって効率的に加熱されることになる。又、容器設置台のみがチャンバーの奥部へ進入するので、チャンバー内の容器搬送装置は容器設置台上の容器を支障なく受け取ることが出来る。
【0015】
また具体的な構成において、前記容器搬入機構の容器設置台は、底板と、該底板の両端から立ち上がる一対の側板とを具え、該一対の側板によって容器の両端部が支持され、前記ヒータは、該容器設置台の底板の上方にて前記一対の側板により挟まれた空間に配置されている。
【0016】
該具体的構成によれば、ヒータが容器設置台上の容器の底面と直接に対向するので、ヒータから発せられる熱が容器に対して直接に照射され、これによって容器温度が急速に上昇することになる。
【0017】
また、具体的な構成において、前記容器搬入機構の往復駆動装置は、中間スライド部材及び容器設置台がチャンバーの外側に位置する容器搬出状態と、該容器搬出状態から中間スライド部材及び容器設置台が移動して中間スライド部材がチャンバーの容器挿入口に位置すると共に容器設置台がチャンバーの内側に達した容器搬入状態とを設定することが可能である。
【0018】
更に具体的な構成において、前記ヒータは、前記往復駆動装置が容器搬出状態に設定されてユーザが容器搬入を指令した時点でオンとなり、前記往復駆動装置が容器搬入状態を経て容器搬出状態に復帰した時点でオフとなる。
該具体的構成によれば、容器がチャンバーの外側にて容器設置台上に設置された状態でヒータがオンとなって、容器の加熱が行なわれた後、シャッターが開き、容器がチャンバーの内側へ搬入される過程、並びに容器設置台がチャンバーの外側へ退出する過程で容器挿入口付近の加熱が行なわれ、それ以外の加熱の必要のない期間はヒータがオフとなるので、容器及び容器挿入口付近の加熱が効率的に行なわれる。
【0019】
更にまた、具体的な構成において、前記ヒータは、第1ヒータ部と、第2ヒータ部と、第1ヒータ部に対して第2ヒータ部を枢支するヒンジ部と、ヒンジ部を中心として第2ヒータ部を回転付勢する付勢手段とから構成され、容器搬出状態では、第2ヒータ部が前記付勢手段の付勢に抗して略水平姿勢まで押し下げられ、容器搬出状態から容器搬入状態への移行に伴って、第2ヒータ部が前記付勢手段の付勢によって回動し、容器挿入口を閉じることとなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るインキュベータによれば、チャンバーのシャッターが開くことによる容器挿入口付近の温度低下を防止すると共に、容器がチャンバー内へ搬入されたときの水滴の付着を防止することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
1.全体構成
図1及び図2に示す如く、本発明に係るインキュベータ(1)は、前面に開口(10)が形成されると共に該開口(10)をフロント開閉扉(12)によって開閉することが可能なチャンバー(11)を具え、該チャンバー(11)の内部には、インキュベータアセンブリ(2)が収容されている。
【0022】
チャンバー(11)には、その奥部に、チャンバー内の温度、湿度及びCO濃度を調整するための環境調整装置(図示省略)が配備されており、チャンバー(11)の奥方の壁面には、環境調整装置から得られる環境調整のためのガスをチャンバー内の中央空間へ向けて吹き出すためのファンを具えた吹き出し口(図示省略)が開設されている。
又、チャンバー(11)には、チャンバー(11)内の試料を、チャンバー内の所定の観察位置で観察するための撮像素子を具えた観察装置(図示省略)が設置されている。
【0023】
チャンバー(11)の側壁には、容器挿入口(13)が開設されると共にシャッター機構(16)が取り付けられている。シャッター機構(16)には、容器挿入口(13)を開閉するためのシャッター(図示省略)が内蔵されている。
又、チャンバー(11)の側壁には、容器挿入口(13)の出口側に、容器挿入口(13)に対向して、容器(31)をチャンバー(11)内へ搬入するための容器搬入機構(4)が接続されている。
更に容器搬入機構(4)の側部には、容器搬入機構(4)上の容器(31)に貼り付けられているバーコードを読み取るためのバーコードリーダ(15)が配備されている。
【0024】
2.インキュベータアセンブリ
インキュベータアセンブリ(2)は、ベース(21)上に、容器搬送ユニット(2a)を設置すると共に、該容器搬送ユニット(2a)の両側に、容器収容棚となる左右一対のスタッカーユニット(2b)(2b)を配備して構成されており、容器搬送ユニット(2a)と各スタッカーユニット(2b)(2b)はベース(21)から個別に取り外すことが可能である。
容器搬送ユニット(2a)は、機台(51)上に、搬送テーブル(50)を具えた容器搬送装置(5)を設置して構成されている。各スタッカーユニット(2b)は、引出し台(22)上にスタッカーホルダー(23)を配備して構成され、スタッカーホルダー(23)には、容器を収容するための複数のスタッカー(3)が、前後方向(Y軸方向)に配列されている。
【0025】
図1に示す如く、チャンバー(11)内にインキュベータアセンブリ(2)が収容された状態で、容器搬送装置(5)は、チャンバー(11)内の空間の中央部に位置し、その両側の空間にそれぞれ複数のスタッカー(3)が配列されることになる。
尚、インキュベータアセンブリ(2)の下方には、チャンバー(11)内の空気に湿気を与えるための貯水パン(60)が配置されている。
【0026】
3.容器搬送ユニット
容器搬送ユニット(2a)を構成する容器搬送装置(5)は、図3に示す如く、機台(51)上に4本の支柱(52)〜(52)を介して上板(53)を支持してなる枠体を具え、該枠体には、搬送テーブル(50)を左右方向、即ちX軸方向に駆動するためのX軸搬送部(54)と、搬送テーブル(50)を前後方向、即ちY軸方向に駆動するためのY軸搬送部(55)と、搬送テーブル(50)を上下方向、即ちZ軸方向に駆動するためのZ軸搬送部(56)とが配備されている。
【0027】
機台(51)には、X軸搬送部(54)を駆動するX軸モータユニット(図示省略)と、Y軸搬送部(55)を駆動するY軸モータユニット(58)と、Z軸搬送部(56)を駆動するZ軸モータユニット(59)とが取り付けられている。X軸モータユニット(57)は、モータケース内にX軸モータを収容して構成され、Y軸モータユニット(58)は、モータケース内にY軸モータを収容して構成され、Z軸モータユニット(59)は、モータケース内にZ軸モータを収容して構成されている。
【0028】
機台(51)上には、Y軸方向に伸びる2本の下ガイドレール(554)(554)が設置され、両下ガイドレール(554)(554)には、下スライド板(556)が摺動可能に係合している。又、上板(53)上には、Y軸方向に伸びる1本の上ガイドレール(555)が設置され、該上ガイドレール(555)には、上スライド板(557)が摺動可能に係合している。そして、下スライド板(556)と上スライド板(557)は垂直桿(558)によって互いに連結され、Y軸方向に往復移動可能な往復移動体を構成している。
【0029】
機台(51)上には、下ガイドレール(554)に沿ってステンレス鋼製のY軸駆動ラダーチェーン(552)が張設されると共に、上板(53)上には、上ガイドレール(555)に沿ってステンレス鋼製のY軸駆動ラダーチェーン(553)が張設されている。そして、下方のY軸駆動ラダーチェーン(552)の一端には下スライド板(556)が連結され、上方のY軸駆動ラダーチェーン(553)の一端には上スライド板(557)が連結されている。
【0030】
又、機台(51)と上板(53)には、Y軸モータユニット(58)によって駆動されるY軸駆動シャフト(551)が垂直に架設されており、該Y軸駆動シャフト(551)の回転によって、Y軸駆動ラダーチェーン(552)とY軸駆動ラダーチェーン(553)が駆動される。
この結果、下スライド板(556)及び上スライド板(557)が下ガイドレール(554)(554)及び上ガイドレール(555)に沿ってY軸方向に往復移動し、これに伴って垂直桿(558)がY軸方向に往復移動することになる。
【0031】
図4に示す如く、垂直桿(558)には、Z軸方向に伸びるガイドレール(563)が取り付けられており、該ガイドレール(563)にZ軸スライダー(564)が摺動可能に係合している。そして、該Z軸スライダー(564)によって昇降板(542)が支持され、該昇降板(542)上に搬送テーブル(50)が設置されている。
斯くして、搬送テーブル(50)をY軸方向に駆動するY軸搬送部(55)が構成される。
【0032】
図3に示す如く、機台(51)には、Z軸モータユニット(59)によって駆動されるZ軸駆動シャフト(図示省略)が、Y軸方向に設置されている。又、下スライド板(556)と上スライド板(557)の間にはステンレス鋼製のZ軸駆動ラダーチェーン(562)が張設されており、該Z軸駆動ラダーチェーン(562)の一端に、昇降板(542)が連結されている。該Z軸駆動ラダーチェーン(562)には、Z軸駆動シャフト(561)の回転が伝えられる。
斯くして、搬送テーブル(50)をZ軸方向に駆動するZ軸搬送部(56)が構成される。
【0033】
図4に示す如く、Z軸スライダー(564)に突設された昇降板(542)上には、下段スライダー(549a)が、X軸方向の往復移動が可能に設置され、該下段スライダー(549a)の上面に中間スライド板(543)が固定されている。該中間スライド板(543)上には、上段スライダー(549b)が、X軸方向の往復移動が可能に設置され、該上段スライダー(549b)の上面に搬送テーブル(50)が固定されている。
【0034】
機台(51)には、Y軸方向に伸びる水平X軸駆動シャフト(図示省略)が設置されており、該水平X軸駆動シャフトの端部に、X軸モータユニット(57)の回転が伝えられる。
又、下スライド板(556)と上スライド板(557)の間には、Z軸方向に伸びる垂直X軸駆動シャフト(540)が架設されており、該垂直X軸駆動シャフト(540)の下端部に、水平X軸駆動シャフトの回転が伝えられる。
【0035】
垂直X軸駆動シャフト(540)には、第1のピニオン(544)が相対回転不能且つ軸方向の摺動が可能に係合する一方、中間スライド板(543)上には第1のラック(545)が配備され、第1のピニオン(544)と第1のラック(545)とが互いに噛合している。
又、中間スライド板(543)上には第2のピニオン(546)が配備される一方、昇降板(542)上には第2のラック(547)が配備され、第2のピニオン(546)と第2のラック(547)とが互いに噛合している。又、搬送テーブル(50)の裏面には第3のラック(548)が配備され、第2のピニオン(546)と第3のラック(548)とが互いに噛合している。
斯くして、搬送テーブル(50)をX軸方向に駆動するX軸搬送部(54)が構成される。
【0036】
X軸搬送部(54)においては、図5(a)(b)に示す如く、垂直X軸駆動シャフト(540)の正逆の回転によって、昇降板(542)上の搬送テーブル(50)が、昇降板(542)と重なる位置を基準位置として、図5(a)に示す如く左方の移動端まで移動して、左方のスタッカーの内部へ侵入し、或いは図5(b)に示す如く右方の移動端まで移動して、右方のスタッカーの内部まで侵入することになる。
【0037】
4.容器搬入機構
図6及び図7に示す如く、容器搬入機構(4)は、往復搬送部(41)と、該往復搬送部(41)を駆動するモータユニット(42)とから構成される。
往復搬送部(41)においては、ベース(43)上に、X軸方向に伸びるガイドレール(44a)が形成されて、該ガイドレール(44a)に下段スライダー(40a)が摺動可能に係合し、該下段スライダー(40a)の上面に中間スライド板(48)が固定されている。該下段スライダー(40a)によって中間スライド板(48)はベース(43)に対して往復移動方向に沿うスライドが可能となる。
該中間スライド板(48)上には、X軸方向に伸びるガイドレール(44b)が形成されて、該ガイドレール(44b)に上段スライダー(40b)が摺動可能に係合し、該上段スライダー(40b)の上面に容器設置台(46)が固定されている。
【0038】
容器設置台(46)は、図6に示す如く、底板(46a)と、該底板(46a)の両端から立ち上がる一対の側板(46b)(46b)とを具え、該一対の側板(46b)(46b)によって容器(31)の両端部が支持される。
容器搬入機構(4)を構成する往復搬送部(41)の中間スライド板(48)には、図7に示す如く支持板(73)を介して平板状のヒータ(7)が連結され、該ヒータ(7)は図6に示す如く、容器設置台(46)の底板(46a)の上方であって、一対の側板(46b)(46b)により挟まれた空間に水平に支持されている。これによって、ヒータ(7)は容器の底面と対向する位置に配置される。
尚、ヒータ(7)は、放熱板(71)の裏面に電熱線(72)を配置して構成される。
【0039】
往復搬送部(41)のベース(43)には、モータケース内にステッピングモータを内蔵してなる搬入用モータユニット(42)が取り付けられている。
又、ベース(43)には、図7に示す如くラダーチェーンにより互いに連結されてモータユニット(42)によって同時に駆動される第1及び第2のピニオン(45)(47)が取り付けられる一方、中間スライド板(48)には第1のラック(49)が取り付けられ、第1のピニオン(45)と第1のラック(49)とが互いに噛合可能に対向すると共に、第2のピニオン(47)と第1のラック(49)とが互いに噛合している。
又、中間スライド板(48)には、第3のピニオン(412)が取り付けられる一方、ベース(43)には、第2のラック(411)が取り付けられ、第3のピニオン(412)と第2のラック(411)とが互いに噛合している。更に、中間スライド板(48)には第4のピニオン(413)が取り付けられる一方、容器設置台(46)の裏面には第3のラック(414)が取り付けられ、第4のピニオン(413)と第3のラック(414)とが互いに噛合している。
【0040】
斯くして、ベース(43)に対して中間スライド板(48)を容器搬入方向に沿って往復駆動する駆動機構と、中間スライド板(48)の移動速度の2倍の速度で容器設置台(46)を容器搬入方向に沿って往復移動させる倍速機構とが構成される。
尚、上述の倍速機構を複数段に連結すれば、中間スライド板(48)の移動速度の複数倍の速度で容器設置台(46)を往復移動させる倍速機構を実現することが出来る。
【0041】
従って、図7(a)に示す状態から、搬入用モータユニット(42)によって第1及び第2のピニオン(45)(47)が時計方向に回転駆動されると、中間スライド板(48)がX軸方向に駆動されると同時に、該中間スライド板(48)上の容器設置台(46)が2倍の速度でX軸方向に駆動されて、図7(b)に示す如く、容器設置台(46)はベース(43)から大きく突出することになる。
又、図7(b)に示す状態から、搬入用モータユニット(42)によって第1及び第2のピニオン(45)(47)が反時計方向に回転駆動されると、容器設置台(46)は図7(a)に示す如く元の位置に戻ることになる。
【0042】
5.容器搬入動作
図8は、チャンバー内に容器を搬入する際の制御手続きを表わしている。
ユーザが容器設置台(46)上に容器(31)を設置した状態で、先ずステップS1では、ユーザのパネル操作によって容器搬入指令が発せられた否かを判断し、イエスと判断されたときは、ステップS2にてヒータをオンとする。次にステップS3では、バーコードリーダ(15)によって容器(31)のバーコードの読取りを実行し、読み取ったバーコードに基づき、容器の種類を認識する。そして、その認識結果に基づいてシャッターの必要最小限の開き高さを決定する。
【0043】
尚、ヒータをオンとするタイミングは、容器搬入の際にユーザがスイッチを操作した時点や、容器を容器設置台に設置した時点の他、容器搬入操作のプロセスの中の任意時点で自動的にオンとなる構成を採用することも可能である。
【0044】
次にステップS4では、容器搬入機構(4)、シャッター機構(16)及び容器搬送装置(5)のイニシャライズを実行する。続いてステップS5では、決定したシャッター開き高さまでシャッターを開き、ステップS6にて、容器搬入機構を動作させて、容器をチャンバー内に搬入する。そして、ステップS7では、容器搬送装置(5)によって容器設置台(46)上の容器(31)を搬送テーブル(50)上に受け取る。以後、容器搬送装置(5)による搬送動作が実行される。
【0045】
ステップS8では、容器設置台(46)をチャンバーの外へ移動させる搬出動作を実行する。これによって、容器設置台(46)が容器挿入口(13)を通過して初期位置に戻ると、ステップS9にてシャッターを閉じた後、ステップS10にてヒータをオフとする。
【0046】
図9〜図11及び図12は、上記制御手続きによる容器搬入動作を表わしている。
図9(a)及び図12(a)は、容器搬入機構(4)の中間スライド板(48)と容器設置台(46)がチャンバー(11)の外側に位置する容器搬出状態を表わしており、該容器設置台(46)上に容器(31)が設置されている。この時点でシャッター(17)は閉じている。
【0047】
ヒータ(7)は、容器設置台(46)上の容器(31)の底面と直接に対向しており、 この状態でヒータ(7)がオンになると、ヒータ(7)から発せられる熱が容器(31)に直接に照射されて、容器温度がチャンバー(11)内の温度と同じ温度(約37℃)まで急速に上昇することになる。
【0048】
その後、図9(b)に示す如くシャッター(17)が開くと、続いて図10(a)及び図12(b)に示す如く容器搬入機構(4)が動作し、中間スライド板(48)はチャンバー(11)の容器挿入口(13)の位置まで前進すると共に、容器設置台(46)はチャンバー(11)の内側まで前進して、容器搬入状態が設定される。
【0049】
容器搬入状態においては、中間スライド板(48)によって支持されているヒータ(7)が容器挿入口(13)に位置して、該ヒータ(7)によって容器挿入口(13)の近傍が加熱されることになる。
【0050】
又、同時に容器搬送装置(5)が動作して搬送テーブル(50)が容器挿入口側へ移動する。これによって、搬送テーブル(50)は、容器設置台(46)上の容器(31)の下側へ潜り込む。このとき、ヒータ(7)は容器挿入口(13)に位置して、容器設置台(46)上の容器(31)の下方空間は空いているので、搬送テーブル(50)がヒータ(7)と干渉することはない。
続いて図10(b)の如く容器搬送装置(5)が動作して、搬送テーブル(50)が僅かに上昇する。この搬送テーブル(50)の上昇に伴って容器設置台(46)から容器(31)が持ち上げられ、容器(31)は搬送テーブル(50)によって保持されることになる。
【0051】
その後、図11(a)に示す如く容器搬入機構(4)が動作して、中間スライド板(48)及び容器設置台(46)はチャンバー(11)の外側の初期位置まで戻り、容器搬出状態が設定される。
同時に容器搬送装置(5)が動作して、搬送テーブル(50)が元の位置まで後退し、その後、容器搬送装置(5)によって搬送テーブル(50)上の容器(31)の搬送が開始される。
中間スライド板(48)及び容器設置台(46)が容器挿入口(13)を通過すると、図11(b)の如くシャッター(17)が閉じられ、ヒータ(7)がオフとなる。
【0052】
6.容器搬送動作
上記のインキュベータ(1)においては、チャンバー(11)内に複数のスタッカー(3)を設置した状態で、容器搬送装置(5)の動作によって、搬送テーブル(50)をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動させることにより、任意のスタッカー(3)の任意の容器収容部に対して、容器の出し入れが行なわれる。
【0053】
即ち、容器搬送装置(5)の搬送テーブル(50)によって容器搬入機構(4)から容器(31)を受け取った後、Y軸搬送部(55)及びZ軸搬送部(56)を動作させて、搬送テーブル(50)を所定のスタッカー(3)の所定の容器収容部との対向位置まで移動させ、更にX軸搬送部(54)を動作させて、搬送テーブル(50)を該容器収容部の内部まで移動させる。
その後、Z軸搬送部(56)の動作によって搬送テーブル(50)を僅かに降下させ、搬送テーブル(50)上の容器(31)を該容器収容部に引き渡した後、X軸搬送部(54)の動作によって、搬送テーブル(50)を基準位置まで復帰させる。
【0054】
チャンバー(11)内のある1つのスタッカー(3)の、ある1つの容器収容部に収容されている容器(31)を、チャンバー(11)の外側に搬出する場合は、上記の搬入、搬送動作と逆の動作が実行される。
即ち、容器搬送装置(5)のY軸搬送部(55)及びZ軸搬送部(56)の動作によって、搬送テーブル(50)を所定の容器収容部との対向位置まで移動させ、その後、所定の容器収容部がその左側に位置するか、或いは右側に位置するかに応じて、X軸搬送部(54)を左方若しくは右方に動作させて、搬送テーブル(50)を該容器収容部の内部へ移動させて、搬送テーブル(50)上に容器(31)を搭載する。
【0055】
その後、容器搬送装置(5)の動作によって、搬送テーブル(50)上の容器(31)をチャンバー(11)の容器挿入口(13)近傍まで搬送した後、シャッター機構(14)を開き、容器搬入機構(4)を動作させて、容器設置台(46)をチャンバー(11)内に移動させる。そして、搬送テーブル(50)上の容器(31)を容器搬入機構(4)の容器設置台(46)に引き渡す。その後は容器搬入機構(4)の動作によって、容器設置台(46)上の容器(31)をチャンバー(11)から搬出する。
【0056】
観察装置を用いた細胞培養状態の観察に際しては、チャンバー(11)内のスタッカー(3)に収容されている容器(31)を、容器搬送装置(5)の動作によって該スタッカー(3)から取り出し、観察装置が配備されている所定の観察位置まで搬送する。
【0057】
上述の如く、本発明のインキュベータ(1)によれば、容器(31)の搬送を自動的に行なうことが出来ると共に、チャンバー(11)内を均一な環境条件に保つことが出来る。
【0058】
又、本発明のインキュベータ(1)においては、図12(a)に示す容器搬出状態で、ヒータ(7)から容器設置台(46)上の容器(31)へ向けて直接に熱が放射されるので、これによって容器(31)が加熱されて、容器(31)及び容器(31)内の温度が急速に上昇し、チャンバー(11)内の温度との差が殆どなくなる。従って、容器(31)がチャンバー(11)内に搬入された時点で該容器(31)の表面に水滴が付着することはない。
この結果、観察装置を用いたインキュベータ内での細胞培養状態の観察、並びに分析を正常且つ迅速に行なうことが出来る。
【0059】
又、図12(b)に示す容器搬入状態で、ヒータ(7)が容器挿入口(13)に位置して、該ヒータ(7)によって容器挿入口(13)付近が加熱されるので、容器挿入口(13)付近の温度低下が防止される。
従って、シャッター(17)が開いている時間が多少長くとも、容器挿入口(13)近傍の温度が大きく低下することはなく、これによって容器挿入口(13)付近における細胞培養状態の変化を防止することが出来る。
【0060】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば図13(a)(b)に示す様に、ヒータ(4)を、第1ヒータ部(4a)と、第2ヒータ部(4b)と、トーションバネ内蔵ヒンジ部(4c)とから構成し、トーションバネ内蔵ヒンジ部(4c)によって第2ヒータ部(4b)を反時計方向に回転付勢した構成を採用することが出来る。
該構成によれば、図13(a)に示す容器搬出状態では、容器設置台(46)が第2ヒータ部(4b)をトーションバネ内蔵ヒンジ部(4c)の付勢に抗して押し下げ、これによって第2ヒータ部(4b)が略水平姿勢を維持している。これに対し、図13(b)に示す容器搬入状態では、トーションバネ内蔵ヒンジ部(4c)の回転付勢によって第2ヒータ部(4b)が反時計方向に回動して、容器挿入口(13)が閉じられることになる。従って、シャッター(17)が開いた状態であっても、容器挿入口(13)からの熱の流出を防止することが出来る。
【0061】
又、容器搬入機構(4)においては、ベース(43)と容器設置台(46)とを一体化して、該ベース(43)の上方位置にヒータ(7)を配置する構成も採用可能である。
更に又、ヒータ(7)は、容器設置台(46)上の容器(31)の側面に対向させて配置することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係るインキュベータの外観を示す斜視図である。
【図2】チャンバーからスタッカーユニットを引き出した状態を示す斜視図である。
【図3】容器搬送装置の斜視図である。
【図4】X軸搬送部の側面図である。
【図5】X軸搬送部の動作を表わす斜視図である。
【図6】容器搬入機構の正面図である。
【図7】容器搬入機構の動作を表わす斜視図である。
【図8】容器搬入時の制御手続きを表わすフローチャートである。
【図9】一連の容器搬入動作の第1部を示す側面図である。
【図10】一連の容器搬入動作の第2部を示す側面図である。
【図11】一連の容器搬入動作の第3部を示す側面図である。
【図12】容器搬出状態及び容器搬入状態を示す斜視図である。
【図13】ヒータの他の構成を示す側面図である。
【図14】従来のインキュベータの構成を示す図である。
【図15】容器の斜視図である。
【符号の説明】
【0063】
(1) インキュベータ
(11) チャンバー
(13) 容器挿入口
(16) シャッター機構
(17) シャッター
(2) インキュベータアセンブリ
(2a) 容器搬送ユニット
(2b) スタッカーユニット
(23) スタッカーホルダー
(3) スタッカー
(31) 容器
(4) 容器搬入機構
(40a) 下段スライダー
(40b) 上段スライダー
(41) 往復搬送部
(42) モータユニット
(43) ベース
(48) 中間スライド板
(46) 容器設置台
(5) 容器搬送装置
(50) 搬送テーブル
(7) ヒータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の環境条件に調整されたチャンバーの内部にて容器内の試料を培養するインキュベータにおいて、チャンバー内には、容器収容棚と、容器収容棚へ容器を収容し若しくは容器収容棚から容器を取り出すための容器搬送装置が配備され、チャンバーには容器挿入口が開設され、該容器挿入口はシャッター機構によって開閉可能であり、チャンバーの外部にて該容器挿入口に対向して、容器をチャンバー内へ搬入するための容器搬入機構が配備され、該容器搬入機構は、容器を設置するための容器設置台と、該容器設置台をチャンバーの外側と内側の間で容器挿入口を通じて往復移動させる往復駆動装置と、容器設置台上の容器へ向けて熱を発生するヒータとを具えていることを特徴とするインキュベータ。
【請求項2】
前記容器搬入機構の往復駆動装置は、ベース部材と、該ベース部材に対して容器設置台の往復移動方向に沿うスライドが可能に係合する中間スライド部材と、ベース部材に対して中間スライド部材を前記往復移動方向に駆動する駆動機構と、中間スライド部材と容器設置台の間に介在して中間スライド部材の移動速度よりも早い速度で容器設置台を前記往復移動方向に移動させる増速機構とを具え、前記ヒータは、前記中間スライド部材に取り付けられ、容器設置台がチャンバーの外側に設置された状態で該容器設置台上の容器の底面と対向する位置に配置される請求項1に記載のインキュベータ。
【請求項3】
前記容器搬入機構の容器設置台は、底板と、該底板の両端から立ち上がる一対の側板とを具え、該一対の側板によって容器の両端部が支持され、前記ヒータは、該容器設置台の底板の上方にて前記一対の側板により挟まれた空間に配置されている請求項2に記載のインキュベータ。
【請求項4】
前記容器搬入機構の往復駆動装置は、中間スライド部材及び容器設置台がチャンバーの外側に位置する容器搬出状態と、該容器搬出状態から中間スライド部材及び容器設置台が移動して中間スライド部材がチャンバーの容器挿入口に位置すると共に容器設置台がチャンバーの内側に達した容器搬入状態とを設定することが可能である請求項2又は請求項3に記載のインキュベータ。
【請求項5】
前記ヒータは、前記往復駆動装置が容器搬出状態に設定されてユーザが容器搬入を指令した時点でオンとなり、前記往復駆動装置が容器搬入状態を経て容器搬出状態に復帰した時点でオフとなる請求項1乃至請求項4の何れかに記載のインキュベータ。
【請求項6】
前記ヒータは、第1ヒータ部と、第2ヒータ部と、第1ヒータ部に対して第2ヒータ部を枢支するヒンジ部と、ヒンジ部を中心として第2ヒータ部を回転付勢する付勢手段とから構成され、容器搬出状態では、第2ヒータ部が前記付勢手段の付勢に抗して略水平姿勢まで押し下げられ、容器搬出状態から容器搬入状態への移行に伴って、第2ヒータ部が前記付勢手段の付勢によって回動し、容器挿入口を閉じることとなる請求項1乃至請求項5の何れかに記載のインキュベータ。
【請求項7】
更に、チャンバー内で培養されている容器内の試料を、チャンバー内の所定の観察位置で観察するための観察装置を具えている請求項1乃至請求項6の何れかに記載のインキュベータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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