説明

インキ汚れ防止シート

【課題】印刷胴の周面に沿って溝部が形成された櫛型セグメントのセグメント歯に取り付ける短冊状のインキ汚れ防止シートを提供する。
【解決手段】印刷胴の周面に沿って溝部14が形成された櫛型セグメント16のセグメント歯15に取り付けられる短冊状のインキ汚れ防止シートにおいて、セグメント歯幅よりも幅広のインキ汚れ防止シート基材の両側に複数のスリット4を設けるとともに、幅方向に曲げ加工を施して形成したインキ汚れ防止シート1であって、セグメント歯幅にあわせて形成される長方形の貼付部2と、前記貼付部の両側に連続して形成される複数の小片部3とからなり、セグメント歯表面に貼付部2を貼り合わせたとき、貼付部境界2Aにおいてシートが屈曲し、小片部3が溝部14に落ち込むようにして取り付けられるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、枚葉紙輪転印刷機の印刷胴表面に取り付けるインキ汚れ防止シートに関し、印刷胴の周面に沿って溝部が形成された櫛型セグメントのセグメント歯に取り付けるための短冊状のインキ汚れ防止シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
枚葉紙輪転印刷機100では、印刷しようとする枚葉紙50が、回動する個々の印刷胴を通って搬送されて印刷される。
図6(a)に示す枚葉紙輪転印刷機100は、第1の印刷装置101と第2の印刷装置102と、前記第1と第2の印刷装置の間に配設される反転装置103とを備える。
第1の印刷装置101は、対抗圧胴10を備えており、この対抗圧胴10は、ゴムブランケット胴11とともに対抗圧胴10に搬送される枚葉紙50の上面を印刷するための印刷ギャップ12を形成している。そして対抗圧胴10に設けられたグリッパ10Aによって枚葉紙50の前縁を把持し、当該対抗圧胴10に保持した枚葉紙50印刷ギャップ12を通過させることによって、枚葉紙50の上面を印刷する。
また前記第1の印刷装置101と第2の印刷装置102の間に設けられた反転装置103は、反転ドラム13と、該ドラムの周から突出可能なグリッパ13Aとを備える。
そして枚葉紙輪転印刷機における枚葉紙の反転は、図6(b)に示すように、反転ドラム13の周から突出可能なグリッパ13Aが、対抗圧胴10によって搬送されている枚葉紙50の後縁を把持し、これによって枚葉紙を対抗圧胴10から持ち上げ、反転させ、後縁を前にして第2の印刷装置102に枚葉紙を供給する。
【0003】
枚葉紙50の後端を把持するグリッパ13Aは複数並列配置され、該グリッパ13Aを有する反転ドラム13の外周面には、図6(b)に示すように、突出可能なグリッパ13Aが配設される溝部14がドラム外周に沿って形成され、複数の溝部14とセグメント歯15とからなる櫛型セグメント16が形成されている(図7(a)を参照)。そして前記櫛型セグメント16のセグメント歯15とセグメント歯15の間にある溝部14に配設されたグリッパ13Aがドラムの周のから突出し、対抗圧胴10によって搬送されている枚葉紙50の後縁を把持する。(例えば、特許文献1を参照)
【0004】
ところで、枚葉紙の印刷面(インキ)接触による印刷胴表面のインキ汚れを防止するため、印刷胴表面にインキ汚れ防止シートを取り付ける技術が知られている(例えば特許文献2を参照)。
そして、印刷胴表面に櫛型セグメント16が形成されている印刷胴(反転ドラム13など)にインキ汚れ防止シートを取り付ける場合、従来はセグメント歯幅にあわせて細長に形成した短冊状のインキ汚れ防止シート110を、セグメント歯15個々の表面にそれぞれ取り付けていた。(図7(b)を参照)
【特許文献1】特開2003−311924号公報
【特許文献2】特開平11−020134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インキ汚れ防止シートを取り付けた印刷胴では、前記シートの表面にインキ汚れを防止する加工が施されているため、枚葉紙の印刷面(インキ)が接触しても印刷胴表面にインキ等が付着する虞がなく、印刷胴表面のインキ汚れを防止することができる。また印刷胴表面にインキ等の異物の付着を防止することによって、次に搬送されてくる枚葉紙(印刷物)のインキ汚れや傷を防止することができる(二次汚染の防止)。
例えば図8(a)に示すように、印刷胴表面に櫛型セグメントが形成されていない一般的な印刷胴では、印刷胴表面全体をカバーするようにして一枚のインキ汚れ防止シートを取り付ける。そして当該印刷胴に搬送される枚葉紙は、前記インキ汚れ防止シートの中央部分に配置されるため、印刷胴表面が枚葉紙の印刷面(インキ)によってインキ汚れする虞はない。
一方、図8(b)に示すように、印刷胴表面に櫛型セグメントが形成されている印刷胴(反転ドラムなど)では、セグメント歯個々の表面に、セグメント歯幅のインキ汚れ防止シートを取り付ける。そしてセグメント歯幅のインキ汚れ防止シートを取り付けた場合、セグメント歯表面はインキ汚れ防止シートでカバーされてインキ汚れを防止できるが、溝部との境界面であるセグメント歯端部はインキ汚れ防止シートでカバーされずインキ汚れを防止できないといった問題点があった。またセグメント歯表面に取り付けたインキ汚れ防止シートの端面(以後、シート縁という)にもインキ汚れが付着するといった問題点があった。さらに、当該印刷胴に搬送される枚葉紙は、複数のセグメント歯端部にまたがって配置されるため、セグメント歯端部(シート縁を含む)にインキ等の異物が付着していると、次に搬送されてくる枚葉紙(印刷物)にインキ汚れや傷がついたりする二次汚染の虞があった。
【0006】
そこで、この発明は、反転ドラム等の印刷胴の外周面に形成された櫛型セグメントに取り付けるための短冊状のインキ汚れ防止シートにおいて、セグメント歯表面だけでなくセグメント歯端部のインキ汚れも防止できるインキ汚れ防止シートを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、この発明は、印刷胴の周面に沿って溝部が形成された櫛型セグメントのセグメント歯に取り付けられる短冊状のインキ汚れ防止シートにおいて、セグメント歯幅よりも幅広のシート基材の両側に複数のスリットを設けるとともに幅方向に曲げ加工を施して形成したインキ汚れ防止シートであって、セグメント歯幅にあわせて形成される長方形の貼付部と、前記貼付部の両側に連続して形成される複数の小片部とからなり、セグメント歯表面に貼付部を貼り合わせたとき、貼付部境界においてシートが屈曲し、小片部が溝部に落ち込むようにして取り付けられるものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によるインキ汚れ防止シートは、セグメント歯幅よりも幅広のシート基材の両側に複数のスリットを設けるとともに幅方向に曲げ加工を施して形成されるため、セグメント歯表面だけでなくセグメント歯端部のインキ汚れも防止できる。つまり、セグメント歯表面に貼り合わせた貼付部の左右両側に、複数の小片部が溝部に落ち込むようにして設けられるため、前記小片部によってセグメント歯端部がカバーされ、セグメント歯端部のインキ汚れを防止できる。
またこの発明では、幅方向の曲げ加工を施したことによって、セグメント歯に取り付けたインキ汚れ防止シートが貼付部境界で屈曲するが、シート基材の両端にスリットを設けて貼付部の両側に複数の小片部を形成するように構成したことによって、印刷胴の周面(円周)に沿ってセグメント歯表面に貼付部を貼り合わせた際、貼付部境界での屈曲形状が維持され、貼付部両側の小片部を溝部に落ち込むようにして設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、この発明の好適な実施形態について図面を参照にして説明する。
【0010】
この発明によるインキ汚れ防止シート1は、図7(a)に示す印刷胴(例えば反転ドラム13)のように、グリッパ13A配設用の溝部14が印刷胴の周面に沿ってライン状に複数形成された櫛型セグメント16のインキ汚れを防止するものであって、溝部14と溝部14の間にあるセグメント歯15に取り付けられる短冊状のインキ汚れ防止シートである。
【0011】
この発明による短冊状のインキ汚れ防止シート1は、セグメント歯幅よりも若干幅広のシート基材6の両側に複数のスリット4を設けるとともに、幅方向に曲げ加工を施して形成したものであって、図1(a)の平面図に示すように、セグメント歯幅にあわせて形成される長方形(細長)の貼付部2と、当該貼付部2の両側に連続して複数形成される小片部3とからなる。なお前記貼付部2の裏面には接着層5が設けられている。
この実施例では、セグメント歯幅にあわせて形成した貼付部2の内側にスリットの先端(スリット頂部4a)が入らないよう、シート両側にV字型のスリット4を複数設け、セグメント歯幅の貼付部2の両側に、略台形の小片部3を複数連続して形成した。
【0012】
図1(b)は、幅方向に曲げ加工を施したインキ汚れ防止シートの図1(a)中のA−A線断面と、セグメント歯に取付けた前記インキ汚れ防止シートのA−A線断面とを示すものである。
この実施例のインキ汚れ防止シート1では、シート幅断面が円弧をなすようにして幅方向に曲げ加工が施されており、シート幅中央から左右両端が下方に向くようにして湾曲している。なお、セグメント歯幅の接着層5をシート裏面中央に設けることによって、セグメント歯幅の貼付部2を形成した。
そしてこの実施例では、シート裏面に設けた接着層5によって貼付部2をセグメント歯表面に貼り合わせ、貼付部2と小片部3とからなるインキ汚れ防止シート1をセグメント歯15に取り付ける。すると、シートに施してある幅方向の曲げ加工によって貼付部境界2Aでシートが屈曲し、貼付部2の左右両側に形成されている小片部3が溝部14に落ち込むようにして取り付けられる。つまりセグメント歯幅の貼付部2によってセグメント歯表面がカバーされるだけでなく、貼付部2の両側に複数連続して形成されている小片部3によってセグメント歯端部もカバーされる。
【0013】
図1(c)は、印刷胴(例えば反転ドラムなどの櫛型セグメント)に取り付けた短冊状のインキ汚れ防止シート1を、溝部14(側方)からみた図である。
図1(c)に示すように、印刷胴の周面に沿ってセグメント歯15に取り付けた短冊状のインキ汚れ防止シート1は、シートに施した幅方向の曲げ加工によって、セグメント歯表面に貼り合わせた貼付部2の境界、つまり貼付部境界2Aでシートが屈曲し、セグメント歯表面と溝部との境界面であるセグメント歯端部をカバーするようにして、貼付部2の両側にある複数の小片部3が設けられている。つまり、セグメント歯幅よりも幅広のインキ汚れ防止シート1が貼付部境界2Aで屈曲し、貼付部両側の小片部3が溝部14に落ち込むように設けられることによって、セグメント歯端部がカバーされる。
また、セグメント歯幅よりも幅広のシート基材の両端にスリットを設けて貼付部2の両側に複数の小片部3を形成しておくことによって、印刷胴の周面(円周)に沿ってセグメント歯表面に貼付部を貼り合わせた際、幅方向の曲げ加工による貼付部境界2Aでの屈曲形状が維持され、貼付部両側の小片部を溝部に落ち込むようにして設けることができる。
【0014】
図2を参照して、この発明によるインキ汚れ防止シート1の作成方法を説明する。
図2(a)に示すように、まずセグメント歯幅よりも幅広である長方形(細長)のシート基材6を用意し、当該シート基材6のシート裏面の中央に、セグメント歯幅と同等の長方形(細長)の接着層5を設けることによって、セグメント歯幅にあわせて長方形の貼付部2を形成する。なお前記シート基材6のシート表面には、インキ汚れを防止するための加工が施してある。
次に図2(b)に示すように、シート基材6の両側に複数のスリット4を設けることによって、貼付部2の両側に連続する複数の小片部3を形成する。このときスリットの先端(スリット頂部4a)が、セグメント歯幅の貼付部2の内側に入らないようにする。
この実施例では、シート両側にV字型のスリット4を複数設けることによって、貼付部2の両側に略台形の小片部3を複数連続して形成した。
【0015】
その後、シート基材6に幅方向の曲げ加工を施し、シート幅中央よりも左右両端が落ち込んだ形状のインキ汚れ防止シート1を形成する。
例えば図2(c)に示すように、シート全体をカーブ(円弧状に湾曲)させるように幅方向の曲げ加工を施し、短冊状のインキ汚れ防止シート1を形成する。
また例えば図2(d)に示すように、貼付部境界2Aを下方(裏面側)に折り曲げるように幅方向の曲げ加工を施し、短冊状のインキ汚れ防止シート1´を形成する。
図2(c)(d)に示すように幅方向に曲げ加工を施したインキ汚れ防止シート1,1´をセグメント歯15に取り付けた場合、シート裏面に設けた接着層5によってセグメント歯表面に貼付部2が貼り合わされるとともに、貼付部境界2A(小片部3の付け根)でシートが屈曲し、前記貼付部2の両側に形成された複数の小片部3が溝部14に落ち込むようにして設けられる。(図1(b)を参照)
【0016】
なおこの実施例では、シート表面にインキ汚れ防止加工を施してあるシート基材6として、可撓性シートの表面に接着剤を介して、直径50μm〜200μm程度のガラスビーズやプラスチック製小球あるいはセラミック製小球が多数埋設され、その表面に前記小球の凸部形状が残存するようにポリウレタン・シリコーン共重合体などの樹脂硬化層が被覆されたものを用いた。
なお可撓性シートとしては、紙、プラスチックフィルム、好ましくはポリエステルフィルム、繊維織物等が好適に使用できるが、これらの材料以外にも表面平滑性があり可撓性を有するものであれば使用可能である。このうち上述のポリエステルフィルムは、機械的、電気的、化学的、熱的等のあらゆる点において優れた性質を有し、かつ、品質安定性及び平滑性に優れているので、可撓性シートとして最も好ましい。また、繊維織物の場合にはポリエステル平織り等が好ましい。
【0017】
次に、従来技術と比較し、この発明のインキ汚れ防止シートによるインキ汚れ防止効果について、図3及び図4を参照して説明する。
【0018】
図3は、従来技術のインキ汚れ防止シート110について説明するものである。
図3(a)は、従来技術のインキ汚れ防止シートの平面図であり、図3(b)は、図3(a)のインキ汚れ防止シートをセグメント歯に取り付けた印刷胴で枚葉紙を搬送した状態を説明する断面図であり、図3(c)は、図3(a)のインキ汚れ防止シートを取り付けたセグメント歯を説明する断面図である。
図3(a)に示すように、従来技術のインキ汚れ防止シート110は、セグメント歯幅にあわせて形成される。つまりセグメント歯表面に貼り合わされる長方形の貼付部111と、当該シート裏面に設けた接着層112のみからなる。
例えば図3(b)に示すように、溝部14とセグメント歯15とからなる櫛形セグメント16が形成された印刷胴(例えば反転ドラム13)によって搬送される枚葉紙50は、搬送時におこる枚葉紙の撓み、枚葉紙の自重等によって、枚葉紙50が溝部14に落ち込むようにして若干撓むが、従来技術のインキ汚れ防止シート110を取り付けたセグメント歯15では、セグメント歯幅のインキ汚れ防止シート(貼付部111)によってセグメント歯表面はカバーされるが、セグメント歯端部はカバーされない。
そのため、溝部14に落ち込んだ枚葉紙の印刷面(インキ)がセグメント歯端部に接触し、図3(c)に示すように、セグメント歯端部(シート縁を含む)がインキ汚れする虞がある。また前記セグメント歯端部(シート縁を含む)にインキ等の異物が付着すると、次に搬送されてくる枚葉紙(印刷物)にインキ汚れや傷がついたりする二次汚染の虞がある。
【0019】
一方、図4は、この発明のインキ汚れ防止シート1について説明するものである。
図4(a)は、この発明のインキ汚れ防止シートの平面図であり、図4(b)は、図4(a)のインキ汚れ防止シートをセグメント歯に取り付けた印刷胴で枚葉紙を搬送した状態を説明する断面図であり、図4(c)は、図4(a)のインキ汚れ防止シートを取り付けたセグメント歯を説明する断面図である。
図4(a)に示すように、この発明によるインキ汚れ防止シート1は、セグメント歯幅よりも幅広のシート基材6の両端に複数のスリット4を設けるとともに、幅方向に曲げ加工を施して形成され、セグメント歯15に取り付けられたインキ汚れ防止シート1は貼付部境界2Aにおいて屈曲し、セグメント歯幅にあわせて形成される貼付部2と、溝部14に落ち込むようにして設けられる複数の小片部3とからなる。
例えば図4(b)に示すように、溝部14とセグメント歯15とからなる櫛形セグメント16が形成された印刷胴(例えば反転ドラム13)によって搬送される枚葉紙50は、搬送時におこる枚葉紙の撓み、枚葉紙の自重等によって、枚葉紙50が溝部14に落ち込むようにして若干撓むが、この発明のインキ汚れ防止シート1を取り付けたセグメント歯15では、セグメント歯幅の貼付部2によってセグメント歯表面がカバーされるとともに、前記貼付部2の両側に形成されている小片部3によってセグメント歯端部もカバーされる。また、溝部14に落ち込むようにして設けられている複数の小片部3によって、溝部14で撓む枚葉紙50が支持され、前記枚葉紙50の溝部14への落ち込み(撓み)が抑制される。
そのため、溝部14に落ち込んだ枚葉紙の印刷面(インキ)がセグメント歯表面やセグメント歯端部に接触する虞がなく、図4(c)に示すように、セグメント歯表面だけでなくセグメント歯端部もインキ汚れする虞がない。
【0020】
図5は、この発明によるインキ汚れ防止シートのその他の例を示す図である。
図5(a)に示す実施例は、セグメント歯幅よりも幅広のシート基材6の両側にスリットを設け、セグメント歯幅の貼付部2の両側に複数の小片部を形成するにあたって、半円形の小片部3´が形成されるようスリット4´を形成したものである。
図5(b)に示す実施例は、セグメント歯幅よりも幅広のシート基材6の両側にスリットを設け、セグメント歯幅の貼付部2の両側に複数の小片部を形成するにあたって、ライン状のスリット4´´複数を設けることによって複数の小片部3´´を形成したものである。
何れの実施例でも、セグメント歯幅よりも幅広のシート基材6に対して、セグメント歯幅にあわせて形成される長方形の貼付部2の内側にスリットの先端(スリット頂部4a)が入らないようスリット4´,4´´を形成し、セグメント歯幅の貼付部2の両側に複数の小片部3´,3´´を形成するとともに、当該シートに幅方向の曲げ加工を施してインキ汚れ防止シートを形成する。
シートに施した幅方向の曲げ加工によって、セグメント歯表面に貼付部2を貼り合わせると、貼付部境界2Aでシートが屈曲するが、シート基材6の両側にスリットを設けて貼付部2の両側に複数の小片部3を形成しておくことによって、シート幅方向に曲げ加工を施したインキ汚れ防止シート1を印刷胴の周面(円周面)に沿ってセグメント歯15に取り付けた際、前記曲げ加工によるシートの屈曲形状(貼付部境界での屈曲)を維持することができ、小片部を溝部に落ち込ませるようにして短冊状のインキ汚れ防止シートを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の実施例によるインキ汚れ防止シートを示す図である。
【図2】この発明の実施例によるインキ汚れ防止シートの作成方法を説明する図である。
【図3】従来技術のインキ汚れ防止シートを説明する図である。
【図4】この発明のインキ汚れ防止シートを説明する図である。
【図5】この発明の他の実施例によるインキ汚れ防止シートを示す図である。
【図6】枚葉紙輪転印刷機の構成を説明する図である。
【図7】印刷胴表面の櫛型セグメントを説明する図である。
【図8】従来のインキ汚れ防止シートを取り付けた印刷胴を説明する図である。
【符号の説明】
【0022】
1 インキ汚れ防止シート
2 貼付部
2A 貼付部境界
3 小片部
4 スリット
4a スリット頂部
5 接着層
6 シート基材
14 溝部
15 セグメント歯
16 櫛型セグメント
50 枚葉紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷胴の周面に沿って溝部(14)が形成された櫛型セグメント(16)のセグメント歯(15)に取り付けられる短冊状のインキ汚れ防止シートにおいて、セグメント歯幅よりも幅広のシート1基材(6)の両側に複数のスリット(4)を設けるとともに、幅方向に曲げ加工を施して形成したインキ汚れ防止シート(1)であって、
セグメント歯幅にあわせて形成される長方形の貼付部(2)と、前記貼付部の両側に連続して形成される複数の小片部(3)とからなり、
セグメント歯表面に貼付部(2)を貼り合わせたとき、貼付部境界(2A)においてシートが屈曲し、小片部(3)が溝部(14)に落ち込むようにして取り付けられることを特徴とするインキ汚れ防止シート。
【請求項2】
V字型のスリット(4)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のインキ汚れ防止シート。
【請求項3】
貼付部(2)の裏面のみに接着層(5)が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のインキ汚れ防止シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−245532(P2007−245532A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−72234(P2006−72234)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(596057631)篠田商事株式会社 (13)