説明

インクジェット印刷を利用したPEM燃料電池のための触媒層の選択的堆積のためのシステムおよび方法

【課題】燃料電池内で発生する電気化学反応を促進するために効果的な位置に触媒を配置し、燃料電池を製造するのに必要とされる触媒の量を低減する。
【解決手段】基材上に、プロトン輸送材料および電子輸送材料を含む第1のインクを基材の第1の部分上に吐出するように第1の複数のプリントヘッドを操作し、プロトン輸送材料、電子輸送材料、および触媒を含む第2のインクを基材の第2の部分上に吐出するように第2の複数のプリントヘッドを操作する。ここで前記第1の部分は前記第2の部分とは異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には燃料電池内の触媒層を形成するシステムおよび方法に関し、より詳細には、プロトン交換膜上の触媒層、または電極を形成するように構成されるインクジェット印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料内に貯蔵されている化学エネルギーを、電気または熱のような別の形態のエネルギーに変換する燃料電池が既知である。19世紀以来、さまざまな形態の燃料電池が知られているが、燃料電池はさまざまな水素生成源から効率的に電気エネルギーを生成することを可能にし、それによって、石炭および石油のような従来の化石燃料源に対する依存を低減することができるため、近年、燃料電池に対する関心が高まってきている。燃料電池の現在のおよび将来の用途は、路上走行車、宇宙船、および家庭用、ならびに産業用の電力生成のための電力源を含むが、これらには限定されない。
【0003】
通常、燃料電池は、水素または炭化水素のような燃料が酸化剤と化合し、電気および廃棄副産物を生成することを可能にする。燃料と酸化剤との多数の組み合わせが既知であり、基本的な燃料電池は、水素と酸素とを化合して電気および廃棄副産物として水(HO)を生成するように構成される。さまざまな燃料電池の実施形態が2つの電極を含む。1つの電極が、燃料として水素ガス(H)を供給されると陽Hイオンを生成するように構成されるアノードである。もう1つの電極が、酸素イオン(O−2)を水素イオンと結合させるように構成されるカソードである。プロトン交換膜
(PEM)を用いて動作する燃料電池では、アノードおよびカソードは平坦なPEMの両面に形成される。代替的な燃料電池構成は、さまざまな燃料、酸化剤、触媒を使用するが、図6に図示される燃料電池600と同様の機構を共有する。
【0004】
図6は、燃料として水素を使用し、酸化剤として酸素を使用するように構成される燃料電池600の断面図を図示する。燃料電池600は、アノードバイポーラ板604と、アノードガス拡散層608と、アノード電極層612と、プロトン交換膜(PEM)616と、カソード電極層620と、カソードガス拡散層624と、カソードバイポーラ板628とを含む。アノードバイポーラ板604およびカソードバイポーラ板628のそれぞれは、それぞれ水素ガスおよび酸素ガスを受け取るとともに分布させる1つまたは複数のチャネルを含む。アノード電極層612は、Hガス分子がイオン化してHイオンおよび自由電子eになることを可能にする触媒を含む。さまざまな触媒が既知であり、その1つの例が白金粒子である。PEM616はHイオンがアノード層612からカソード層620へ移動することを可能にするように構成される。PEM616は、荷電粒子のアノード・カソード間の移動を可能にする電解質の一例である。PEMはHイオンがアノードからカソードへ移動することを可能にするが、代替的な燃料電池構成は、O−2イオンがカソードからアノードへ移動することを可能にする電解質を含む。一実施形態において、PEM616は、酸性(H)の形態のペルフルオロスルホン酸/ポリテトラフルオロエチレン共重合体(Nafion(登録商標)として市販されている)から形成される。PEM616はプロトン(Hイオン)がアノード612からカソード620へ移動することを可能にし、一方で自由電子eがPEM616を通じて移動しないように構成される。
【0005】
動作中、水素ガスがアノードバイポーラ板604へ供給される。アノードバイポーラ板604内に形成されるチャネルは、水素をアノードガス拡散層608へ分布させ、水素がアノード触媒層612に向かって流れることを可能にする。アノードガス拡散層608は、カーボン紙のような多孔質材から成る薄層である。水素ガスは、二原子分子Hの形態にある。触媒層612内の触媒は、H分子がイオン化してHイオンを形成するのを促進する。Hイオンは、PEM616を通じてカソード電極層620まで流れる。
【0006】
カソード電極層620も、酸素イオンO−2と2Hイオンとが結合して水(HO)を形成するのを促進する触媒を含む。カソードバイポーラ板628内に形成されるチャネルを介してカソード電極層620に酸素が供給され、カソードガス拡散層624を通じてカソード電極層620へ流れる。遊離した電子eは、アノード電極層612から負荷632へと流れ、次いでカソード電極層620へと戻り、電気回路を形成する。一般的な燃料電池システムにおいては、燃料電池600のような複数の燃料電池が、燃料電池スタックと称される、直列または並列の構成で電気接続され、所定の電流および電流において電力を生成する。2HイオンとO−2 イオンとの結合は発熱反応でもあり、当該反応において生成される熱が加熱または電気エネルギー生成にも同様に使用されることができる。
【0007】
逆の動作モードでは、燃料電池600は電解槽として操作されることができる。逆のモードでは、負荷632がアノード層612およびカソード層620に電流を供給する。燃料電池600が電解槽として動作するときは、カソードバイポーラ板628に供給されるHOが電解してO分子およびH分子を生成する。HO分子からのH分子の生成は、電解と称される。アノード層612およびカソード層620内の触媒は、電解プロセスを促進して、消費される電力を、触媒の無い状態でHOを電解するのに必要とされる電力よりも少なくしながら、燃料電池600がHOからH分子を生成することを可能にする。電解槽構成における燃料電池に対する1つの既知の用途は、燃料電池を、風力タービンまたは太陽電池アレイのような一時的に止まることがある電力源に結合することである。電力源が動作しているときは、燃料電池は電力源によって提供される過剰な電気を使用して水素を電解し、一時的に停止することがある電力源が動作していないときは、燃料電池は水素を消費して電力を生成する。
【0008】
上記のように、アノード層およびカソード層は、白金またはパラジウムのような触媒を含む。アノード層およびカソード層を形成するための既存の技法は、触媒をPEMの表面上に均一に分布させて、プロトンがPEMを通じて一様に流れることを可能にしようとする。金属触媒のコストは、燃料電池の製造コストにおける重要な構成要素である。電極層を形成するための既存の技法は、触媒が、燃料電池内で発生する電気化学反応を促進するためには効果の弱い位置に触媒を配置する。したがって、動作可能な燃料電池を製造するのに必要とされる触媒の量を低減する、燃料電池内のアノード層およびカソード層の形成に対する改善が有益であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態において、基材上に電極を形成するための方法が開発されている。本方法は、プロトン輸送材料および電子輸送材料を有する第1のインクから成る第1の複数の液滴を、基材の表面の第1の部分上に吐出するように、第1の複数のインクジェットを操作することと、プロトン輸送材料、電子輸送材料、および触媒を有する第2のインクから成る第2の複数の液滴を、基材の表面の第2の部分上に吐出するように、第2の複数のインクジェットを操作することであって、第2の部分は第1の部分とは異なる、操作することを含む。
【0010】
別の実施形態では、燃料電池のための電極が開発されている。電極は、平坦な基材と、平坦な基材の第1の部分上に形成される第1のインクと、平坦な基材の、第1の部分とは異なる第2の部分上に形成される第2のインクとを含む。第1のインクは、プロトン輸送材料および電子輸送材料を含む。第2のインクは、プロトン輸送材料、電子輸送材料、および触媒を含む。第1のインクおよび第2のインクは、基材の表面の第1の部分および第2の部分の上に単一の導電体を形成する。
【0011】
選択された触媒分布によってアノードおよびカソードを形成するように構成される方法および印刷システムの上記の態様および他の機構が、添付の図面と共に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、燃料電池内で使用される材料層上に少なくとも2種類のインクを印刷するように構成される印刷システムの概略図である。
【図2】図2は、図1の印刷システムの一部の概略図である。
【図3】図3は、インクジェット印刷システムを使用して、燃料電池内で使用される材料層上に電極を形成するためのプロセスのブロック図である。
【図4】図4は、インクジェット印刷システムを用いて、燃料電池内で使用される材料層上に電極を形成するための別のプロセスのブロック図である。
【図5】図5は、ガス拡散層(GDL)材料であって、GDL上に電極が印刷されている、ガス拡散層材料の断面図である。
【図6】図6は、従来技術の燃料電池の概略図である。
【図7】図7は、水素ガスまたは酸素ガスを受け取ると共に当該ガスを燃料電池に供給するように構成される従来技術のバイポーラ板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書において開示されるシステムおよび方法のための環境ならびに当該システムおよび方法に関する詳細の全般的な理解のために、図面が参照される。図面において、同様の要素を指定するために、同様の参照符号が全体を通じて使用されている。本明細書において使用される場合、「イメージングデバイス」という用語は、受像部材上にインク像を形成するように構成される任意のプリンタ、複写機、多機能機器などを指す。本明細書において使用される場合、「受像部材」という用語は、プロトン交換膜のような印刷機材を指し、またはインクジェットプリントヘッドによって形成されるインク像を保持する印字ドラムもしくはエンドレスベルトのような中間画像化部材であることが可能である。本明細書において使用される場合、「プロセス方向」という用語は、イメージング動作中に受像部材が1つまたは複数のプリントヘッドに対して移動する方向を指す。「クロス−プロセス方向」という用語は、受像部材の表面に沿った、プロセス方向に垂直な方向を指す。
【0014】
本明細書において使用される場合、「燃料電池」という用語は、燃料と酸化剤との間の電気化学反応を利用して熱および電気を生成するデバイス、ならびに、電気を供給されるとHOのような水素を含む分子からHを生成するデバイスの両方を指す。当業者は、いくつかの燃料電池の実施形態は、電気を生成する第1のモード、および、Hを生成する第2のモードで動作することを認識すべきである。
【0015】
一般的な実施形態では、燃料電池は、プロトン交換膜によって分離されるアノードおよびカソードを含む。本明細書において使用される場合、電気生成動作モードにあるプロトン交換膜型燃料電池に適用される「アノード」という用語は、燃料として水素ガス(H)を供給されると陽Hイオンを生成するように構成される電極を指す。本明細書において使用される場合、電気生成動作モードにあるプロトン交換膜型燃料電池に適用される「カソード」という用語は、酸素イオン(O−2 )と水素イオンとを結合するように構成される電極を指す。本明細書において使用される場合、「プロトン交換膜」(PEM)という用語は、燃料電池のアノードにおいて生成されるプロトン(Hイオン)が燃料電池のカソードに移動することを可能にする、燃料電池の構成要素を指す。PEMはさらに、自由電子eが直接アノードからカソードへ移動することを阻害して、自由電子eが、図6に図示される負荷632のような、電気回路内の負荷を通じて流れることを可能にするように構成される。
【0016】
本明細書において使用される場合、「電子輸送材料」という用語は、電子が流れることを可能にするのに適した任意の材料を指す。一般的な例は、導電性である、炭素のような導電性金属および元素を含む。本明細書において使用される場合、「プロトン輸送材料」という用語は、燃料電池内をプロトン(Hイオン)が流れることを可能にするのに適した任意の材料を指す。燃料電池内のプロトン交換膜は、Nafion(登録商標)として商用に販売されている、酸性の(H)形態のプリフルオロスルホン酸/ポリテトラフルオロエチレン共重合体の膜のようなプロトン輸送材料から形成される。Nafionは、燃料電池内のプロトン交換膜として商用に使用されるイオノマー材料の1つの例であるが、代替的な実施形態は、異なるプロトン輸送材料を使用する。
【0017】
本明細書において使用される場合、電極に適用される「電気的に連続する」および「電気的連続性」という用語は、電極の導電性を指す。電気的に連続する電極は、電極の表面上の任意の2つの自由裁量で選択される場所が互いに電気接続される表面を有する。導電性インク液滴から形成される電極において、インク液滴が共に融合して単一の導電層を形成するとき、液滴は電気的に連続する電極を形成する。
【0018】
本明細書において使用される場合、「平坦な」という用語は、巨視的規模において本質的に二次元平面である、燃料電池内で使用される材料または構成要素の表面を指す。例えば、燃料電池は、プロトン交換膜およびガス拡散層のような、燃料電池内に複数の材料層を積層することを可能にする平坦な表面を有する複数の材料層を組み込む。付加的に、下記により詳細に記載されているように、インクジェット印刷システムは、燃料電池内の平坦な基材上の複数種類のインクから平坦電極を形成する。
【0019】
図1は、2つの印刷モジュール102および104と、媒体経路であって、印刷機材114を媒体経路Pに沿ってプロセス方向に移動させるように構成される、媒体経路と、コントローラ128と、メモリ130とを含む連続ウェブ印刷システム100を図示している。印刷システム100は、ローラ122、116、および126を含むさまざまなローラを使用して印刷基材114を媒体経路Pに沿って輸送するように構成される。印刷モジュール102および104は、媒体経路に沿って連続して配置され、印刷基材114が印刷モジュールを通過して移動すると印刷基材114上に画像を形成するための印刷ゾーンを形成する。
【0020】
1つの構成では、印刷基材114は、燃料電池内で使用されるプロトン交換膜(PEM)である。PEMは、Nafionのような可撓性材料の細長いロールの形態で提供される。他の構成では、印刷基材114は、図6に図示される、ガス拡散層608および624のような、ガス拡散層のうちの1つである。ガス拡散層は、カーボン紙、またはインクジェット印刷に適した別のガス拡散材料の細長いロールとして提供される。
【0021】
1つの構成では、印刷システム100は、片面印刷モードにおいて印刷基材114の一方の面上にカソード電極またはアノード電極を形成する。一実施形態では、片面モードは、基材114としてガス拡散層(GDL)を使用して電極を形成する。図6を参照すると、燃料電池600は、2つのGDL層608および624を含む。印刷システム100は、触媒インクおよび非触媒インクの組み合わせを2つの別個の片のGDL基材608および624上に印刷して、それぞれ、アノード電極612およびカソード電極620を形成する。
【0022】
別の構成では、印刷システム100は、両面印刷モードにおいて基材114の両面に電極を形成する。両面モードは、印刷基材114としてPEMが使用される構成に適しており、これは、電極が燃料電池内でPEMの両面に配置されるためである。印刷基材114の第1の面は、印刷ゾーンを通じて印刷モジュール102および104を通過して移動し、当該印刷モジュールが、印刷基材114の第1の面上に電極を形成する。印刷基材114はロケーション136において印刷ゾーンを出て、印刷基材114を新しく方向づけるウェブインバータ160を通じて方向転換され、印刷基材114の第2の面が第1の面と並行して印刷ゾーンを通じて移動することを可能にする。代替的な両面構成では、印刷基材114が位置136において印刷ゾーンを出て、ウェブインバータを通過して、システム100と類似の構成を有する別のイメージングシステム内の第2の印刷ゾーンに入る。第2のイメージングシステムは、インク液滴を吐出して、印刷基材114の面上に電極を形成する。
【0023】
印刷システム100において、印刷モジュール102および104は、印刷基材114上に電極を形成する2種類のインクから成るインク液滴を吐出するように構成される。印刷モジュール102は、電子輸送材料粒子およびプロトン輸送材料粒子の懸濁液を含む第1のインクを吐出するように構成される。一実施形態において、電子輸送材料は、カーボンブラックのようなカーボン粒子から形成される。プロトン輸送粒子は、約2μm長のNafionストランドから形成される。
【0024】
印刷モジュール104は、第2のインクを吐出するように構成される。第2のインクは、電子輸送粒子およびプロトン輸送粒子を含み、さらに触媒粒子を含む。触媒粒子の一般的な例は、白金、パラジウム、およびニッケルを含む。金属、酸化物、および有機触媒を含むさまざまな他の触媒の粒子が、同様にインク内に懸濁されることが可能である。一実施形態では、第2のインクは、約5〜10ナノメートルの直径を有する白金(Pt)触媒粒子、カーボンブラック電子輸送粒子、および約2μm長のNafionプロトン輸送粒子の懸濁液を含む。下記により詳細に記載するように、印刷モジュール102および104は、両方の種類のインクから成るインク液滴を印刷基材上に吐出して電極を形成するように構成される。
【0025】
第1のインクおよび第2のインクの両方が粒子を溶媒中に懸濁させる。溶媒は、インクが印刷基材114上に印刷された後に蒸発する揮発性化合物である。第1のインクの場合、カーボン粒子およびNafion粒子が、溶媒が蒸発した後に印刷基材114上に残留する。第2のインク内の溶媒が蒸発した後に、印刷基材114上で、第2のインクから成る液滴が印刷基材114上に乗った場所に、カーボン粒子、Nafion粒子、および触媒粒子が残留する。印刷基材114上に形成された第1のインクおよび第2のインクのパターンは、燃料電池内でアノードまたはカソードのいずれかとして使用するための電極を形成する。印刷モジュール102および104内のインクジェットは、各インクジェット内に位置づけられる圧電変換器によって生成される機械力に応答してインク液滴を吐出するように構成される圧電式インクジェットである。1つの動作モードでは、圧電式インクジェットは、室温(約20℃)で第1のインクおよび第2のインクから成る液滴を吐出するように構成される。
【0026】
代替的な印刷システムは、さまざまなインクを有する印刷プロセスのためにより多いかまたはより少ない印刷モジュールを有して構成される。例えば、印刷ゾーン内の追加の印刷モジュールが、ニッケルのような異なる触媒を有するインクを吐出するように構成されることが可能である。他の構成は、異なる濃度の触媒を含むインクを吐出する印刷モジュールを含む。例えば、3つの印刷ステーションを有するプリンタでは、第1の印刷ステーションは高濃度の触媒を有するインク液滴を吐出し、第2の印刷ステーションはより低い濃度の触媒を有するインクを吐出し、第3の印刷ステーションは、触媒を含まず電子伝導体およびプロトン伝導体のみを含むインクを吐出する。異なる種類のインクを吐出することを除いて、印刷モジュール102および104は実質的に同一である。
【0027】
図2は、印刷モジュール102および104をより詳細に図示している。印刷モジュール102は、2つの印刷サブモジュール140および142を含む。印刷サブモジュール142は、2つのプリントバー148および150を含む。プリントバー148および150はそれぞれ、ウェブ媒体の第1の区画およびウェブ媒体の第2の区画の両方の幅にわたって互い違いの構成に配列されることが可能なプリントヘッドのアレイを含む。一般的な実施形態では、プリントバー148は4つのプリントヘッドを有し、プリントバー150は3つのプリントヘッドを有する。プリントバー148および150内のプリントヘッドは互い違いの配列に位置づけられ、両方のプリントバー内のプリントヘッドが所定の解像度で、印刷基材114の第1の面および第2の面上でクロス−プロセス方向において、連続線内でインク液滴を放出することを可能にする。図2の構成において、印刷サブモジュール142内のプリントヘッドは、印刷基材114の両面に対して縦一列に、印刷基材114の第1の面の第1の区画が媒体経路P上に、かつ印刷基材114の第2の面の第2の区画が媒体経路P’上にある、両面モードで印刷するように構成される。別の構成では、印刷サブモジュール142内のプリントヘッドは、クロス−プロセス方向にあるプリントヘッドアレイを横切って延在する印刷基材114の単一の面上に印刷する。
【0028】
印刷モジュール102は、サブモジュール140と同じ構成にある、印刷ユニット148および150を含む第2のサブモジュール142を含む。印刷モジュール104は、印刷モジュール102と同様に構成される印刷サブモジュール152および154を含む。各サブモジュール内の対応するプリントヘッドは、プリントヘッド内のエジェクタが動作不能になると重複して動作するように構成される。例えば、サブモジュール154内のプリントヘッド152Aは、通常の動作中に第2の種類のインクから成るインク液滴を吐出する。プリントヘッド154A内の1つまたは複数のインクジェットが動作不能になった場合、プリントヘッド154Aは動作を停止され、重複するプリントヘッド154Aが起動される。重複するプリントヘッド152Aは、クロス−プロセス方向においてプリントヘッド154Aと位置整合され、第2のインクを印刷して印刷基材114上に電極を形成する。
【0029】
コントローラ128は、印刷システム100のさまざまなサブシステム、構成要素および機能を制御するように構成される。さまざまな実施形態において、コントローラ128は、プログラムされた命令を実行する汎用または専用のプログラマブルプロセッサを用いて実装される。コントローラ128は、メモリ130に動作可能に接続され、コントローラ128が命令を読み出し、メモリ130内の、プログラムされた機能を実行するのに必要とされるデータを読み出し、および書き込むことを可能にする。これらの構成要素は印刷回路カード上に設けられるか、または特定用途向け集積回路(ASIC)内の回路として設けられることが可能である。当該回路のそれぞれは、別個のプロセッサを用いて実装されることが可能であるか、または複数の回路が同じプロセッサ上に実装されることが可能である。代替的に、回路は個別の構成要素、またはVLSI回路内に設けられる回路を用いて実装されることが可能である。さらに、本明細書に記載される回路は、プロセッサ、ASIC、個別の構成要素、またはVLSI回路の組み合わせを用いて実装されることが可能である。
【0030】
コントローラ128は、印刷モジュール102〜104に動作可能に結合され、印刷モジュール102−104から印刷基材114上へのインク液滴吐出のタイミングを制御する。特に、コントローラ128は、印刷基材114上に第1のインクおよび第2のインクの所定のパターンを形成するように、印刷モジュール102および104内のインクジェットを操作する、電気発射信号を生成する。コントローラ128は、印刷基材114上に形成されるべき電極パターンに対応する画像データをメモリ130から取り出す。インクパターンは、効率的な燃料電池動作を促進するために、印刷基材114上の第2のインク内に触媒を分布させる電極を形成するように選択される。電極を形成するのに使用される触媒の総量を低減しながら電極の導電性を維持するために、第1のインクが電極の残りの部分において使用される。
【0031】
いくつかの実施形態では、印刷基材114が印刷モジュール102および104を通過した後、拡散ロール132が印刷基材114上のインク液滴に圧力を加える。拡散プロセス中、印刷基材114上で互いに近接して位置するインク液滴同士は共に融合して印刷基材114上のインクの連続したエリアを形成する。インクの連続したエリアは、印刷基材114の各面上に電気的に連続する電極を形成する。代替的な構成では、インクは、拡散ローラを必要とする事無く印刷基材114上に拡散する。
【0032】
図3は、燃料電池内で使用されるガス拡散層(GDL)上にアノード電極およびカソード電極を形成するためのプロセス300を図示する。一実施形態では、GDLはカーボン紙であり、印刷システム100は、燃料電池電極の大量生産のためにカーボン紙の細長いロール114上に電極を形成する。GDLは、インクジェット印刷システム100を使用して電極を形成するために、一様な表面を有する平坦な印刷基材を提供する。下記の記載において、機能または動作を実行するプロセスへの言及は、メモリ内に格納されているプログラムされた命令を実行して、プリンタの1つまたは複数の構成要素を操作して機能または動作を実行するコントローラを参照する。
【0033】
プロセス300は、アノード電極を印刷するか、またはカソード電極を印刷するかの動作モードの選択によって開始する(ブロック304)。アノードが選択される場合、プロセス300は、アノード電極を形成する両方のインクの印刷パターンに対応する画像データを生成する(ブロック308)。カソードが選択される場合、プロセス300は、カソード電極を形成する両方のインクの印刷パターンに対応する画像データを生成する(ブロック312)。印刷システム100において、コントローラ128は、触媒インクおよび非触媒インクの両方をGDL114上に印刷するための二次元配列の画像データを生成する。いくつかの実施形態では、カソード電極およびアノード電極の両方が共通のインク液滴パターンを使用する。他の実施形態では、それぞれアノードおよびカソードのGDL材料を通るHガスおよびOガスを流すのに対応するように、異なるパターンのカソード層およびアノード層が選択される。例えば、いくつかの燃料電池では、カソードGDL内に流れ込むOガスの方向に垂直な方向においてHガスがアノードGDL内に流れ込む。印刷システム100は、燃料電池を通るガス流に対応するように90°
回転されたカソード電極およびアノード電極のための画像データを生成する。
【0034】
いくつかの実施形態では、電極の構造は、水素ガスまたは酸素ガスを燃料電池に提供するバイポーラ板のうちの1つの中のチャネルの配列に合致するように選択される。図7は、1つの従来技術のバイポーラ板700の一例の構成を図示する。板700は、吸気チャネル704と、複数の粗分布チャネル708と、微細分布チャネル712と、排気チャネル716とを含む。動作中、水素のようなガスが吸気チャネル704を通じて供給され、排気チャネル716に向かって流れる。ガスは粗分布チャネル708を通じて流れ、微細分布チャネル712に浸透する。粗分布チャネル708は、微細分布チャネル712よりも大きな輸送能力を有する。ガスのいくらかはバイポーラ板700を出てアノードのような電極に入る。板700のこの例では、粗チャネル内に分布されるガスは、電極の表面にわたる一様な電気化学反応を促進するために、電極内の触媒と反応する前に微細分布チャネル712に達するように意図される。
【0035】
図2の電極構成において、電極内の触媒の分布は、バイポーラ板700内のガスの分布パターンに対応する。電極206の一部は、バイポーラ板700内の粗分布チャネル708と位置整合するように電極内で位置づけられる、第1のインク204の列を含む。第1のインクは触媒を含まず、その結果、バイポーラ板700内の粗分布チャネル708内のガスに関する反応速度が低減される。触媒を保持する第2のインク208の列は、バイポーラ板700内の微細分布チャネル712の列と位置整合するように構成される。電極206内の第2のインク208の列は、バイポーラ板内の微細分布チャネル712から受け取られるガスからの、増大した速度の反応を促進する触媒を含む。第1のインク204は、バイポーラ板700内の粗分布チャネル708付近に触媒が分布されることを必要としないまま、電極の電気的連続性を維持する。従って、電極206内の触媒の配列は、電極を形成するのに必要とされる触媒の総量を低減し、電極の表面にわたるガスと電極との間の一様な反応を可能にする。電極206の選択された構造に対応する画像データが生成され、メモリ130内に格納される。
【0036】
いくつかの実施形態では、アノード電極およびカソード電極は、触媒を含むインクと触媒を含まないインクとの異なる配列を有して形成される。他の実施形態では、アノードおよびカソードは、印刷ゾーン内に配列される異なる複数のインクモジュールを使用して塗布される異なる触媒を有して形成される。例えば、アノードは白金触媒を有して形成され、一方でカソードはニッケル触媒を有して形成され、またはその逆になる。印刷システム100において、コントローラは、印刷基材114の各面上に形成される電極に対応する2セットの画像データをメモリ130から取得する。
【0037】
プロセス300は、GDL114を、印刷ゾーンを通じて印刷モジュール102および104を通過して移動させることによって継続する(ブロック316)。GDL114が印刷ゾーンを通じて移動すると、コントローラ128は印刷モジュール102および104内のインクジェットに対する発射信号を生成する。印刷モジュールは、画像データに対応するインクの配列を用いて、GDL114の表面上に1つまたは複数の電極を形成するために、インク液滴を吐出する(ブロック320)。各電極の1つの部分は、触媒材料を含まないインク液滴を印刷モジュール102から受け取り、電極の第2の部分は、触媒材料を含むインクを印刷モジュール104から受け取る。電極内に形成される第1のインクおよび第2のインクの両方が組み合わさって、GDL114上に電気的に連続する電極を形成する。
【0038】
GDL114は一般的に多孔質材から形成されるため、吐出されるインクの一部がGDL114内に浸透する。図5において図示されるように、カーボン紙GDL114が印刷された後、GDLは触媒非保持インク204の領域および触媒保持インク208の領域を含む。インク液滴はGDL114に部分的に浸透し、共に融合してGDL114上に連続する導電性電極を形成する。電極はGDL114を形成するカーボン紙内の繊維に付着し、GDL114は、動作中にガスがGDL114を通過することを可能にするのに十分な多孔性を維持する。電極は、GDL114の平坦な表面に合致する、インク204および208の組み合わせから形成される平坦な表面を有する。インク液滴204および208は、第1のインクおよび第2のインクとGDL114との間の毛細管現象に起因して拡散し、印刷システム100内の拡散ロール132が圧力を加えてインク液滴204および208を拡散させる。
【0039】
動作中、プリントヘッド内の1つまたは複数のインクジェットエジェクタが動作不能になる場合がある(ブロック324)。「動作不能」とは、インクジェットがインク液滴を生成することができなくなるか、またはインク液滴を印刷基材114の不正確な場所に吐出するようになることを指す。動作不能なインクジェットを識別するのにさまざまな技法が使用される。1つの技法は、印刷基材114上に形成される電極の導電性を測定することである。電極の伝導性の不良が、動作不能なインクジェットを示す。プリントヘッドが1つまたは複数の動作不能なインクジェットを有すると識別されると、対応する重複するプリントヘッドが印刷システム100の動作を維持するために使用される。図2に図示されるように、動作不能なインクエジェクタがプリントヘッド154Aにおいて識別される場合、プリントヘッド154Aが動作を停止され、プリントヘッド152Aが起動されて印刷基材114上の電極の形成を継続する(ブロック328)。別の構成では、サブモジュール154内のインクジェットが動作不能であると識別されると、コントローラ128が印刷サブモジュール154全体の動作を停止して、重複する印刷サブモジュール152を起動する。重複するプリントヘッドを使用することによって、印刷システム100がプリントヘッドのメンテナンスの合間のより長い期間にわたって動作を継続することが可能となる。
【0040】
1つの構成では、プロセス300は、印刷ジョブの一部として、多数のアノード電極またはカソード電極を連続して印刷する。例えば、印刷システム100において、カーボン紙の連続するウェブ全体がアノードパターンまたはカソードパターンのいずれかを有して印刷される。別の構成では、プロセス300は、単一の媒体ウェブ上にアノード電極およびカソード電極を交互に印刷する。印刷ジョブの完了後、連続する媒体ウェブは、燃料電池のための個々のアノードおよびカソードに対応する個々のシートに切断される。印刷システム100はGDL材料の連続するロール上にアノード電極およびカソード電極を印刷するように構成されるが、カットシート・インクジェットプリンタがカーボン紙のようなGDL材料の個々のシート上に電極を形成することも可能である。
【0041】
プロセス300は、多種多様な電極構造と共に使用するのに適している。図2は例示のバイポーラ板700と共に使用するのに適した1つの電極構造206を図示しているが、印刷システム100は、さまざまな触媒を有する2つ以上のインクを使用して多種多様な電極構造を生成するように構成される。印刷システム100はさらに、改訂された画像データをコントローラ128に提供することによって、異なる電極構造を生成するように再構成可能である。従って、印刷システム100は、広範な燃料電池設計に適しているさまざまな異なる電極を製造するのに適している。
【0042】
図4は、Nafion PEM層のような、燃料電池内のPEM材料層上にアノード電極およびカソード電極を形成するためのプロセス400を図示している。一実施形態では、印刷システム100は、両面印刷モードを使用してPEM上にアノードおよびカソードの両方を印刷する。PEMは、インクジェット印刷システム100を使用して電極を形成するために、一様な表面を有する平坦な印刷基材を提供する。下記の記載において、機能または動作を実行するプロセスへの言及は、メモリ内に格納されているプログラムされた命令を実行して、印刷システムの1つまたは複数の構成要素を操作して機能または動作を実行するコントローラを参照する。
【0043】
プロセス400は、電極の構造に対応する画像データを生成することによって開始する(ブロック404)。上記のように、印刷システム100は、アノード電極およびカソード電極のための画像データを生成する。印刷システム100はアノードおよびカソードの両方に対して同じ画像を生成することも可能であるし、アノード電極およびカソード電極に対して異なるインクパターンを印刷するために異なる画像データを生成することも可能である。多くの電極が導電性材料を用いて層の選択される部分を完全にカバーする。電極の構造は、電極内の触媒材料の分布を参照する。システム100のようなインクジェット・イメージング・システムは、種々の電極構成に対応する、画像データのさまざまな配列を生成することによって、多種多様な電極パターンを生成するように構成可能である。
【0044】
プロセス400は、PEMを、印刷ゾーンを通じてプロセス方向Pに移動させる(ブロック408)。印刷システム100において、PEMは連続するウェブ114として形成され、PEM114は、プリントヘッドモジュール102および104を通過して移動する。PEM114が印刷ゾーンを通じて移動すると、コントローラ128は印刷モジュール102および104内のインクジェットに対する発射信号を生成する。印刷モジュールは、画像データに対応するインクの配列を用いて、PEM114の第1の面上に1つまたは複数の電極を形成するために、インク液滴を吐出する(ブロック412)。各電極の1つの部分は、触媒材料を含まないインク液滴を印刷モジュール102から受け取り、電極の第2の部分は、触媒材料を含むインクを印刷モジュール104から受け取る。電極内に形成される第1のインクおよび第2のインクの両方が組み合わさって、PEM114上に電気的に連続する電極を形成する。
【0045】
プロセス400は、任意選択の両面モードを含み、当該モードは、ここでPEM上にアノードおよびカソードの両方を印刷する構成のために図示されている。両面モードにおいて、PEMの第2の面が印刷ゾーンを通じて移動する(ブロック416)。PEMの第2の面上にインクを吐出するように構成されているプリントヘッドがインク液滴を吐出してPEMの第2の面上に電極を形成する(ブロック420)。上記のように、印刷システム100は両面印刷のために構成される。両面モードにおいて、印刷モード100は、印刷基材114の一方の面上にアノードを形成し、印刷基材114の他方の面上にカソードを形成する。アノードおよびカソードは、燃料電池600のような燃料電池において使用するために、印刷システム114の両方の面上でプロセス方向において互いに位置整合される。
【0046】
動作中、プリントヘッド内の1つまたは複数のインクジェットエジェクタが動作不能になる場合がある(ブロック424)。「動作不能」は上記で定義されている。プロセス400において、印刷システム100は、プロセス300において上述したブロック324の処理と同様にして動作不能なインクジェットを識別する。印刷システム100は、動作不能なインクジェットを含むプリントヘッドまたはプリントヘッドユニットの動作を選択的に停止して、電極の印刷を継続するために重複するプリントヘッドまたはプリントヘッドユニットを起動する(ブロック428)。重複するプリントヘッドを使用することによって、印刷システム100がプリントヘッドのメンテナンスの合間のより長い期間にわたって動作を継続することが可能となる。印刷システム100はPEM材料の連続するロール上にアノード電極およびカソード電極を印刷するように構成されるが、カット・シート・インクジェット・プリンタがNafionのようなPEM材料の個々のシート上に電極を形成することも可能である。
【0047】
プロセス300およびプロセス400は両方とも、高圧組立プロセスを使用して組み立てられる燃料電池内の電極の形成に適している。高圧組立プロセスは、アノードバイポーラ板604と、アノードガス拡散層608と、アノード電極層612と、プロトン交換膜(PEM)616と、カソード電極層620と、カソードガス拡散層624と、カソードバイポーラ板628とを、通常約2,000ポンド/平方インチ(PSI)から5,000PSIの範囲内の圧力下で接合する。高圧組立プロセスは、複数の燃料電池素子から成るスタックを形成することも可能である。図5に図示されているように、GDL上またはPEM上の印刷されたインク層は、高圧組立に耐える一様な電極層を形成する。アノード電極612およびカソード電極620を形成する印刷されたインク層は、PEM616上、またはアノードガス拡散層608およびカソードガス拡散層624上のいずれかに印刷されるときは、組み立てられた燃料電池スタック内の圧力下では無傷のままである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を形成する方法であって、
プロトン搬送材料および電子搬送材料を有する第1のインクから成る第1の複数の液滴を基材の表面の第1の部分上に吐出するように、第1の複数のインクジェットを操作することと、
前記プロトン輸送材料、前記電子輸送材料、および触媒を有する第2のインクから成る第2の複数の液滴を前記基材の前記表面の第2の部分上に吐出するように、第2の複数のインクジェットを操作することであって、前記第2の部分は前記第1の部分とは異なる、操作することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記プロトン輸送材料は本質的にイオノマーである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電子輸送材料は本質的に炭素から成る、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基材は本質的にプロトン交換膜である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基材は本質的にガス拡散層である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のインクから成る第3の複数の液滴を前記基材の別の表面の第1の部分上に吐出するように、前記第1の複数のインクジェットを操作することと、
前記第2のインクから成る第4の複数の液滴を前記基材の前記他の表面の第4の部分上に吐出するように、前記第2の複数のインクジェットを操作することであって、前記第4の部分は前記第3の部分とは異なる、操作することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のインクから成る第3の複数の液滴を前記基材の別の表面の第1の部分上に吐出するように、前記第1の複数のインクジェットを操作することと、
前記プロトン輸送材料、前記電子輸送材料、および別の触媒を有する第3のインクから成る第4の複数の液滴を前記基材の前記他の表面の第4の部分上に吐出するように、第3の複数のインクジェットを操作することであって、前記第4の部分は前記第3の部分とは異なる、操作すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の複数のインクジェット内で動作不能なインクジェットを識別することと、
前記動作不能なインクジェットの識別に応答して、前記第2の複数のインクジェットの少なくとも一部の動作を停止することと、
第3の複数のインクジェットエジェクタを起動することであって、該第3の複数のインクジェットエジェクタは、前記第2のインクを前記基材の、前記動作を停止されたインクジェットと同じ部分上に吐出するように構成される、起動することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
燃料電池内で使用するための電極であって、
平坦な基材と、
前記平坦な基材の表面の第1の部分上に形成される第1のインクであって、該第1のインクはプロトン輸送材料および電子輸送材料を有する、第1のインクと、
前記平坦な基材の前記表面の、前記第1の表面とは異なる第2の部分上に形成される第2のインクであって、該第2のインクは前記プロトン輸送材料、前記電子輸送材料、おおび触媒を有し、前記第1のインクおよび該第2のインクは、前記基材の前記表面の前記第1の部分および前記第2の部分の上に単一の導電体を形成する、第2のインクとを備える、電極。
【請求項10】
前記基材は本質的にガス拡散層である、請求項9に記載の電極。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−4521(P2013−4521A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−121830(P2012−121830)
【出願日】平成24年5月29日(2012.5.29)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】