インクジェット記録装置
【課題】乱気流の発生を抑制して、印刷品質の向上を図ることのできるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】インクジェット記録装置100において、記録ヘッド5は、ヘッドフォルダ4に搭載され、ヘッドフォルダ4の記録媒体8に対向する対向面で、かつ、主走査方向Xにおいて記録ヘッド5よりも上流側に、前記対向面から記録媒体8側に突出する整流板71が設けられている。整流板71は、前記対向面から記録媒体8側に突出する突出量が調整自在である。
【解決手段】インクジェット記録装置100において、記録ヘッド5は、ヘッドフォルダ4に搭載され、ヘッドフォルダ4の記録媒体8に対向する対向面で、かつ、主走査方向Xにおいて記録ヘッド5よりも上流側に、前記対向面から記録媒体8側に突出する整流板71が設けられている。整流板71は、前記対向面から記録媒体8側に突出する突出量が調整自在である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、普通紙やプラスチック薄板等の種々の記録媒体に画像を記録することのできる画像記録装置としてインクジェットプリンタが提案され、実用化されている。インクジェットプリンタは、インクを吐出するインク吐出口を有するインクジェットヘッドを備えている。そして、インクジェットヘッドのインク吐出口から記録媒体に向けて微細な液滴としてインクを吐出することにより、記録媒体に所定の画像を記録するようになっている。また、インクジェットヘッドはプリンタ本体のヘッドフォルダなどに固定されて搭載されている。
このようなインクジェットプリンタでは、インクジェットヘッドの操作時等に起こる風を弱めるために、ヘッドフォルダに整流板を取り付けることが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、インクジェットヘッドの周囲に凸部があると操作時等にと凸部後背部に上流気流が生じることも知られている(例えば、特許文献3、4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−108330号公報
【特許文献2】特開2004−174401号公報
【特許文献3】特開2005−114506号公報
【特許文献4】特開2005−053967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インクジェットヘッドのノズルと記録媒体間の空気の流れにより液滴の着弾位置がずれたり、サテライトと呼ばれる微小液滴の発生量が増えたりする場合がある。また、そのサテライトが予期しない位置へと付着して液滴の吐出に影響を及ぼすことがある。その結果、印刷物の品質劣化、またサテライト液滴が浮遊することによるインクジェットヘッドやプリンタ内部に汚れが発生することがある。
この対策として特許文献1及び2のように整流板を取り付ける場合があるが、記録媒体の厚さが変わると、最適な整流板の長さも変わるため、上記問題点を解決することができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、乱気流の発生を抑制して、印刷品質の向上を図ることのできるインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、複数のノズルを有し、前記複数のノズルに対向する記録媒体にインクを吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドと、前記記録媒体とを相対移動させながら前記複数のノズルから前記記録媒体にインクを吐出するインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドは、ヘッドフォルダに搭載され、
前記ヘッドフォルダの前記記録媒体に対向する対向面で、かつ、前記相対移動方向において前記記録ヘッドよりも上流側に、前記対向面から前記記録媒体側に突出する整流板が設けられ、
前記整流板は、前記対向面から前記記録媒体側に突出する突出量が調整自在であることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記整流板は、前記対向面に複数設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記複数の整流板のうち、前記相対移動方向における上流側に配置された上流側の整流板は、その上流側の整流板よりも下流側に配置された下流側の整流板に比べて前記記録媒体側に突出していることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置において、
前記複数の整流板のうち、前記記録媒体側に最も突出する整流板には、多数の穴が形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記整流板の前記記録媒体側の端部で、前記相対移動方向における上流側の部分が曲面であることを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記ヘッドフォルダには、前記記録ヘッドから所定間隔を隔てた前記相対移動方向における上流側の位置に、その上下面を貫通する開口部が形成され、
前記開口部内に、前記記録ヘッドよりも上流側にある少なくとも一つ以上の整流板が配置されており、
この少なくとも一つ以上の整流板のうち、最も下流側に配置された整流板の下流側を向く下流側面と、前記開口部を形成する内壁面のうち前記下流側面と対向する面とが接触するように配置され、
前記少なくとも一つ以上の整流板の上端部が前記開口部内に収容されていることを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、請求項6に記載のインクジェット記録装置において、
前記ヘッドフォルダの上流側端部は、前記開口部よりも上流側に延出しており、
前記少なくとも一つ以上の整流板のうち、最も上流側に配置された整流板の上流側を向く上流側面と、前記開口部を形成する内壁面のうち前記上流側面と対向する面との間に空間が形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、請求項6又は7に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドよりも上流側にある複数の整流板のうち、上流側と下流側で隣接する整流板同士は、互いに対向する面同士が接触し、
前記上流側の整流板は、前記記録媒体と前記ヘッドフォルダの前記対向面との間に配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記相対移動方向における最も上流側に配置された整流板の上流側を向く上流側面に、凸部が、前記相対移動方向に対して直交する直交方向に渡って複数形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記ヘッドフォルダは、前記開口部よりも上流側に延出しており、
前記開口部を形成する内壁面であって、前記少なくとも一つ以上の整流板のうち、最も上流側に配置された整流板の上流側を向く上流側面と対向する面に、前記上流側面に向けて突出する凸部が、前記相対移動方向に対して直交する直交方向に渡って複数形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、整流板は、ヘッドフォルダの記録媒体に対向する対向面から記録媒体側に突出する突出量が調整自在であるので、整流板の突出量を調整することによって、整流板のヘッドフォルダに対する最適な高さに設定することができる。そのため、インクの液滴の着弾精度を上げるためにノズルと記録媒体との距離を近づけた場合でも、整流板が記録媒体と接触したり、近づけすぎることによって乱気流が生じることを防止できる。その結果、印刷品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】シリアルヘッド方式のインクジェット記録装置100の全体を示す概略構成図である。
【図2】(a)は、整流板71,72、支持板40、各記録ヘッド5を上面から見た際に模式的に示した図、(b)は、切断線II(b)−II(b)線に沿って切断した際の矢視断面図、(c)は、切断線II(c)−II(c)線に沿って切断した際の矢視断面図である。
【図3】第2の実施形態を説明するための図であって、(a)は、整流板71A,71B,72A,72B、支持板40、各記録ヘッド5を上面から見た際に模式的に示した図、(b)は、切断線III(b)−III(b)線に沿って切断した際の矢視断面図である。
【図4】第3の実施形態を説明するための図であって、図3(b)と同様の方向で切断した際の矢視断面図である。
【図5】第4の実施形態を説明するための図であって、図3(b)と同様の方向で切断した際の矢視断面図である。
【図6】第5の実施形態を説明するための図であって、図3(b)と同様の方向で切断した際の矢視断面図である。
【図7】第6の実施形態を説明するための図であって、図3(b)と同様の方向で切断した際の矢視断面図である。
【図8】第7の実施形態を説明するための図であって、図3(b)と同様の方向で切断した際の矢視断面図である。
【図9】第8の実施形態を説明するための図であって、図3(a)と同様の上面図である。
【図10】第9の実施形態を説明するための図であって、図3(a)と同様の上面図である。
【図11】ラインヘッド方式のインクジェット記録装置200の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態について説明する。ただし、本発明は図示例のものに限定されるものではない。
【0018】
[第1の実施形態]
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の構成について説明する。図1はインクジェット記録装置100の全体を示す概略構成図である。
【0019】
図1に示すように、インクジェット記録装置100は、シリアルヘッド方式のインクジェット記録装置であり、装置本体部1を備えている。装置本体部1には、記録媒体8を被記録面側から支持するプラテン2が装置本体部1の長手方向に延在するように配置されている。プラテン2の設けられている領域は、画像記録を行う記録領域とされている。記録媒体8は図示しない搬送機構によりプラテン2の上を所定の搬送方向である副走査方向Yに搬送されるようになっている。
【0020】
プラテン2の上方であって記録媒体8の副走査方向Yの上流には装置本体部1の長手方向に延在する棒状のガイドレール3が設けられている。このガイドレール3には、ヘッドフォルダ4が支持されている。ヘッドフォルダ4は、図示しない移動機構により副走査方向Yと直交する主走査方向Xをガイドレール3に沿って往復移動するようになっている。なお、以下の説明では、図1の主走査方向Xにおける右方向にヘッドフォルダ4が移動した場合を例として説明し、この右方向を基準として上流側、下流側と言うものとする。
【0021】
ヘッドフォルダ4には、インクジェット記録装置100で使用される各色(例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))のインクタンク6からインクを記録媒体8に対して吐出する記録ヘッド5が搭載されている。各色のインクタンク6とそれに対応する記録ヘッド5とが互いに接続されている。
なお、インクジェット記録装置100で使用されるインクは例示したものに限定されず、例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)、その他白インクや透明インク等の各色のインクを使用することもできる。この場合には、各色に対応した記録ヘッド5がヘッドフォルダ4に搭載される。また、各記録ヘッド5の数はここに例示したものに限定されず、さらに多くの数の記録ヘッド5をヘッドフォルダ4に搭載しても良い。
【0022】
記録ヘッド5の内部には、図示しないがインクを吐出する複数のノズルが副走査方向Yに沿って列状に設けられており、記録ヘッド5の記録媒体8と対向する面は、これらノズルのインク吐出口が形成されている。
【0023】
各記録ヘッド5のノズルには、例えば、アクチュエータとして電圧を印加することにより変形する圧電素子としてのピエゾ素子(図示せず)が付設されている。このピエゾ素子に駆動電圧を印加することによってピエゾ素子を変形させ、図示しないインク流路を圧縮してノズルのインク吐出口からインクを吐出させるようになっている。なお、ノズルの先端部ではインクがノズルの内側に引き込まれて曲面形状(メニスカス)を形成するようになっており、このメニスカスの形状が正常に整えられていると正常なインク吐出を行うことができるようになっている。
【0024】
図2(a)は、整流板71,72、支持板40、各記録ヘッド5を上面から見た際に模式的に示した図、図2(b)は、図2(a)の切断線II(b)−II(b)線に沿って切断した際の矢視断面図、図2(c)は、図2(a)の切断線II(c)−II(c)線に沿って切断した際の矢視断面図である。
ヘッドフォルダ4の底面は、支持板40で構成されており、支持板40に各記録ヘッド5及び整流板71,72が支持されている。支持板40は、略矩形板状をなしている。
支持板40上には、各色の記録ヘッド5,5,…が立設され、支持板40の下面で、記録ヘッド(K)5よりも主走査方向Xの上流側に整流板71が設けられ、記録ヘッド(Y)よりも下流側に整流板72が設けられている。
【0025】
整流板71,72の材料は、金属であっても良いし、樹脂等であっても良い。また、整流板71,72は、支持板40の記録ヘッド5から所定間隔を隔てた上流側及び下流側の位置にそれぞれ形成された矩形状の開口部41,42内に配置されている。
【0026】
図2(a),(c)に示すように、開口部41は、支持板40の記録ヘッド5よりも上流側の上下面を貫通して形成されている。開口部41は、支持板40の上流側端面を切り欠かないように形成されており、開口部41の上流側においても支持板40が延出している。
図2(b)に示すように、開口部41は、支持板40の上面開口41cが下面開口41dよりも小さくなっている。このような開口部41によって、支持板40は、切断線II(b)−II(b)に沿った側断面視がコ字型に形成されている。上面開口41cの大きさは、整流板71の上端面よりも小さく、下面開口41dの大きさは整流板71の上端部71cよりも若干大きく形成されているので、整流板71の上端部71cを下面開口41dから挿入した際に、整流板71の上端部71cが支持板40の上面からに突き出ないように、整流板71が開口部41内に収容されている。また、開口部41の主走査方向Xにおける長さMは整流板71の厚みmよりも長い。
そして、図2(c)に示すように、開口部41内に収容された整流板71は、下流側を向く下流側面71bと、開口部41を形成する内壁面のうち整流板71の下流側面71bに対向する面41bが接触している。さらに、整流板71の上流側を向く上流側面71aと、開口部41を形成する内壁面のうち整流板71の上流側面71aに対向する面41aとの間に空間Kが設けられている。したがって、空気流は、支持板40の下面開口41dから開口部41内に入り込み、支持板40の上面開口41cを介して支持板40の外部へと抜け出る。
【0027】
整流板71は支持板40に対する高さ位置が調整自在となるように高さ調整ネジ9によって取り付けられている。高さ調整ネジ9は、副走査方向Yにおける整流板71の両端部にそれぞれ取り付けられている。高さ調整ネジ9は、開口部41を形成する支持板40の上面縁部にその頭部91が係止し、先端部92は整流板71の上端部71cにねじ込まれている。そして、高さ調整ネジ9の整流板71に対するねじ込み量を変えることによって整流板71の高さ位置、つまり、支持板41の底面から記録媒体8側に突出する突出量を変えることができるようになっている。なお、整流板71の下端部71dが記録ヘッド5の下端部5dよりも下方に位置することが好ましい。
ここで、整流板71の調整時は、プラテン2のヘッド側の面と平行になるように調整する。その理由としては、平行でない場合、整流板71とプラテン2上の記録媒体8との間隔が変わるので、隙間が大きい部分と小さい部分で、印刷時に上昇気流や乱気流の発生状況が変わり、場所によりムラができて印刷品質が悪化するためである。後述するその他の整流板の調整についても同様である。
【0028】
また、上記説明では、2つの整流板71,72のうち一方の整流板71について説明したが、他方の整流板72についても同様に開口部42内に収容されて、高さ調整ネジ9によって高さ調整自在に取り付けられている。この整流板72は、主走査方向Xにおける図1中、左方向にヘッドフォルダ4が移動する場合に、記録ヘッド5よりも上流側に配置されることになる。そのため、上記整流板71と同様にして考えればよく、開口部42内に収容された整流板72は、その下流側面72bと、開口部42を形成する内壁面のうち前記下流側面72bと対向する面42bとが接触している。また、整流板72の上流側面72aと、開口部42を形成する内壁面のうち前記上流側面72aと対向する面42aとの間に空間Kが設けられている。このように、整流板72は、記録ヘッド5に対して整流板71と対称に配置されている。したがって、空気流は、支持板40の下面開口(図示しない)から開口部42内に入り込み、支持板40の上面開口(図示しない)を介して支持板40の外部へと抜け出る。
また、第2の実施の形態以降の説明においても、主走査方向Xにおける図1中、右方向を基準として、記録ヘッド5よりも上流側の整流板のみについて説明するが、記録ヘッド5よりも下流側の整流板も、上流側の整流板と対称となるように構成されている。
【0029】
以上のように、整流板71,72は、ヘッドフォルダ4を構成する支持板41の底面(記録媒体8に対向する対向面)から記録媒体8側に突出する突出量が調整自在であるので、整流板71,72の突出量を調整することによって、整流板71,72のヘッドフォルダ4に対する最適な高さに設定することができる。その結果、インクの液滴の着弾精度を上げるためにノズルと記録媒体8との距離を近づける場合に、整流板71,72が記録媒体8と接触したり、近づけすぎることによって乱気流が生じることを防止できる。
また、2枚の整流板71,72が、支持板41の底面に設けられているので、1枚の整流板よりも気流の制御が容易になる。
さらに、開口部41内に整流板71が配置され、整流板71の下流側面71bと、これに対向する開口部41を形成する内壁面41bとが接触し、かつ、整流板71の上端部71cが開口部41内に収容されているので、整流板71に衝突した空気流は、支持板40の下面開口41dから開口部41内に入り込み、整流板71の上端部71cを通過して支持板40の外部へと抜けることができる。そのため、ノズルと記録媒体8間に入る空気流を減らすことができる。
また、開口部41は、記録ヘッド5から所定間隔を隔てた上流側の位置に形成され、整流板71の下流側面71bと、これに対向する開口部41を形成する内壁面41bとが接触しており、整流板71の後背部には開口部41が無い構造であるので、ヘッドフォルダ4の上方からノズルに向かって空気流が流れてくることがない。
さらに、支持板40の上流側端部は、開口部41よりも上流側に延出しているので、支持板40が開口部41よりも上流側に延出していない場合に比べて整流板71に向かってくる空気流の量を減らすことができる。
また、整流板71の上流側面71aと、開口部41を形成する内壁面のうち上流側面71aと対向する面41aとの間に空間Kが形成されているので、この空間Kを介して空気流が支持板40の外部へと抜けることができる。そのため、この点においてもノズルと記録媒体8間に入る空気流を減らすことができる。
【0030】
[第2の実施形態]
図3(a)は、整流板71A,71B,72A,72B、支持板40、各記録ヘッド5を上面から見た際に模式的に示した図、図3(b)は、図3(a)のIII(b)−III(b)線に沿って切断した際の矢視断面図である。
第2の実施形態では、2枚の整流板71A,71Bが記録ヘッド5よりも上流側に取り付けられ、整流板72A,72Bが記録ヘッド5よりも下流側に取り付けられている。
2枚の整流板71A,71Bのうち、上流側にある第2の整流板71Bの下端部71Bdは、下流側(記録ヘッド5側)にある第1の整流板71Aの下端部71Adよりも、記録媒体8側に突出して取り付けられている。また、整流板71Bの下端部71Bdは、記録ヘッド5よりも記録媒体8側に突出している。
さらに、上述した図2(c)と同様に、第1の整流板71Aの下流側面71Abは、開口部41を形成する内壁面のうち前記下流側面71Abと対向する面41bに接触している。第2の整流板71Bの上流側面71Baと、開口部41を形成する内壁面のうち前記上流側面71Baと対向する面41aとの間には空間Kが設けられている。
なお、2枚の整流板71A,71Bの支持板41に対する取付方法は、第1の実施形態と同様に高さ調整ネジ9によってそれぞれ高さ調整自在に取り付けられている。
以上のように、記録ヘッド5よりも上流側に2枚の整流板71A,71Bが設けられ、こら整流板71A,71Bのうち上流側の第2の整流板71Bは、下流側の第1の整流板71Aよりも記録媒体8側に突出しているので、第2の整流板71Bの後背部で若干の上昇気流や乱気流が生じることがあるが、下流側の支持板40より記録媒体8側に突出した第1の整流板71Aによってこれらの上昇気流や乱気流を弱めることができる。
【0031】
[第3の実施形態]
図4に示すように、第2の実施形態で説明した2枚の整流板71A,71Bにおいて、第1の整流板71Aの上流側面71Aaと、第2の整流板71Bの下流側面71Bbとの間に空間Kが設けられている。その他は、第2の実施形態と同様のため、その説明を省略する。
【0032】
[第4の実施形態]
図5に示すように、第2の実施形態で説明した2枚の整流板71A,71Bにおいて、
第1の整流板71Aの下端部71Adは、第2の整流板71Bの下端部71Bdよりも記録媒体8側に突出して取り付けられている。その他は、第2の実施形態と同様のため、その説明を省略する。第4の実施形態では、布等、毛羽立ったりして整流板に引っ掛かり易い記録媒体の場合であっても、上述のような整流板とすることで引っ掛かりにくくなるので好ましい。
【0033】
[第5の実施形態]
図6に示すように、第2の実施形態で説明した2枚の整流板71A,71Bにおいて、第2の整流板71Bの上端部71Bcは、支持板40の底面よりも下方に位置し、その下端部71Bdは、記録媒体8の上面よりも上方に位置している。したがって、第2の整流板71Bの上端部71Bcと支持板40の底面との間に空間Kが設けられるので、空気流は、空間Kを介して開口部41内に流れ込み、支持板40の上面開口41cから抜け出る。その他は、第2の実施形態と同様のため、その説明を省略する。
以上のように、記録ヘッド5よりも上流側に2枚の整流板71A,71Bが設けられ、これら上流側と下流側で隣接する整流板71A,71B同士は、互いに対向する面71Aa,71Bb同士が接触し、第2の整流板71Bは、記録媒体8と支持板40の底面との間に配置されているので、第2の整流板71Bに衝突した空気流の大部分が開口部41内を通過して支持板40の外部へと抜けることができる。そのため、ノズルと記録媒体8間に入る空気流を減らすことができる。
【0034】
[第6の実施形態]
図7に示すように、第4の実施形態で説明した2枚の整流板71A,71Bにおいて、
2枚の整流板71A,71Bの下端部71Ad,71Bdのうち、上流側を向く面は面取りされて曲面76A,76Bとなっている。その他は、第4の実施形態と同様のため、その説明を省略する。
以上のように、整流板71A,71Bの下端部71Ad,71Bdで、上流側を向く面が曲面76A,76Bであるので、下端部が尖っている場合に比べて乱気流の発生を抑制することができる。
【0035】
[第7の実施形態]
図8に示すように、第2の実施形態で説明した2枚の整流板71A,71Bにおいて、記録媒体8側に突出する第2の整流板71Bに、微細な多数の穴73が形成されている。第2の整流板71Bはこれら多数の穴73によってメッシュ構造となっている。多数の穴73は、例えば金属板にエッチング加工によって施すことができる。微細な多数の穴73の直径は、例えば5μm以上100μm以下が好ましい。5μm未満であると穴73が小さすぎて空気が通らず、100μmを超えると穴73が大きすぎて空気流が弱くならないためである。その他は、第2の実施形態と同様のため、その説明を省略する。
以上のように、記録ヘッド5よりも上流側に2枚の整流板71A,71Bが設けられ、記録媒体8側に最も突出する第2の整流板71Bには、多数の穴73が形成されているので、これら多数の穴73によって乱気流や上昇気流の発生を抑制することができる。また、整流板71Bの突出量を調整することにより多数の穴73の露出量を最適化することができ、乱気流や上昇気流の発生を確実に抑制することができる。
【0036】
[第8の実施形態]
図9に示すように、第1の実施形態と同様に、支持板40の底面で、記録ヘッド5よりも上流側の位置と、記録ヘッド5よりも下流側の位置にそれぞれ整流板71,72が1枚ずつ取り付けられている。
整流板71の上流側を向く上流側面71aには、その上流側面71aから上流側に向けて突出する複数の凸部74が形成されている。これら複数の凸部74は、主走査方向Xと直交する副走査方向Yに渡って所定間隔に設けられている。
他方の整流板72も同様にして複数の凸部74が形成されている。その他は、第1の実施形態と同様のため、その説明を省略する。
以上のように、整流板71の上流側面71aに、凸部74が主走査方向Xに対して直交する副走査方向Yに渡って所定間隔に複数形成されているので、これら複数の凸部74によって、記録ヘッド5が傾いている時や、乱気流が発生した時に、副走査方向Yに移動する気流の動きを防止することができる。
【0037】
[第9の実施形態]
図10に示すように、第1の実施形態と同様に、支持板40の底面で、記録ヘッド5よりも上流側の位置と、記録ヘッド5よりも下流側の位置にそれぞれ整流板71,72が1枚ずつ取り付けられている。上流側の開口部41には、その開口部41を形成する内壁面のうち、整流板71に対向する内壁面41aに、整流板71側に突出する複数の凸部75が形成されている。これら複数の凸部75は、主走査方向Xと直交する副走査方向Yに渡って所定間隔に設けられている。
他方の開口部42の内壁面42aにも同様にして複数の凸部75が形成されている。その他は、第1の実施形態と同様のため、その説明を省略する。
以上のように、上流側の開口部41を形成する内壁面のうち、整流板71に対向する内壁面41aに、凸部75が主走査方向Xに対して直交する副走査方向に渡って所定間隔に複数形成されているので、これら複数の凸部75によって、記録ヘッド5が傾いている時や、乱気流が発生した時に、副走査方向Yに移動する気流の動きを防止することができる。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記インクジェット記録装置100は、記録ヘッド5を搭載したヘッドフォルダ4が主走査方向に動くとともに、記録媒体8も副走査方向に動くシリアルヘッド方式の場合を説明したが、ヘッドフォルダ4が固定されて記録媒体8が動くラインヘッド方式の場合にも本発明を適用しても良い。
図11は、ラインヘッド方式のインクジェット記録装置200の上面図である。図11に示すように、記録媒体201の底面には、記録媒体201の非記録面を支持するプラテン202が設けられている。プラテン202の搬送方向Zの上流及び下流側には、記録媒体201を搬送するための搬送ローラ203a,203bがそれぞれ設置されている。搬送ローラ203a,203bは搬送ベルト203cで結合され、各搬送ローラ203a,203bの回転に伴って記録媒体201は搬送方向Zに沿って搬送されるようになっている。
プラテン202の上方には、記録媒体201の記録面に画像を形成する各色のラインヘッド205,206,207,208を備えるヘッドフォルダ204が配設されている。ラインヘッド205,206,207,208は、搬送方向Zの上流側から下流側にかけてそれぞれ配設されている。各ラインヘッド205,206,207,208は搬送方向Zと直交する記録媒体201の幅方向に渡って延在する記録ヘッドである。このようなヘッドフォルダ204の底面(支持板)に、記録媒体201側に向けて、第1の実施形態と同様の整流板71,72が設けられている。2つの整流板71,72は、搬送方向Zの上流側と下流側とに高さ調整自在となるように高さ調整ネジ9によって取り付けられている。図11中、符号209はラインヘッド205,206,207,208から記録媒体201に形成される画像の位置を全幅にわたって検出可能な画像位置検出装置としてのラインセンサである。
また、上記第2〜第9の実施形態の整流板も、ラインヘッド方式に適用することができる。
【0039】
また、上記説明では、整流板の高さ調整を高さ調整ネジ9によって行うとしたが、整流板の高さを変えることができるものであれば、これに限定されるものではなく、バネ等を使用しても良い。
【符号の説明】
【0040】
4 ヘッドフォルダ
5 記録ヘッド
8 記録媒体
40 支持板
41,42 開口部
41a 上流側面と対向する面
41b 下流側面と対向する面
71,72,71A,71B,72A,72B 整流板
71a,71Aa,71Ba 上流側面
71b,71Ab,71Bb 下流側面
71c 上端部
73 穴
74,75 凸部
76 曲面
100 インクジェット記録装置
K 空間
X 主走査方向
Y 副走査方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、普通紙やプラスチック薄板等の種々の記録媒体に画像を記録することのできる画像記録装置としてインクジェットプリンタが提案され、実用化されている。インクジェットプリンタは、インクを吐出するインク吐出口を有するインクジェットヘッドを備えている。そして、インクジェットヘッドのインク吐出口から記録媒体に向けて微細な液滴としてインクを吐出することにより、記録媒体に所定の画像を記録するようになっている。また、インクジェットヘッドはプリンタ本体のヘッドフォルダなどに固定されて搭載されている。
このようなインクジェットプリンタでは、インクジェットヘッドの操作時等に起こる風を弱めるために、ヘッドフォルダに整流板を取り付けることが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、インクジェットヘッドの周囲に凸部があると操作時等にと凸部後背部に上流気流が生じることも知られている(例えば、特許文献3、4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−108330号公報
【特許文献2】特開2004−174401号公報
【特許文献3】特開2005−114506号公報
【特許文献4】特開2005−053967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インクジェットヘッドのノズルと記録媒体間の空気の流れにより液滴の着弾位置がずれたり、サテライトと呼ばれる微小液滴の発生量が増えたりする場合がある。また、そのサテライトが予期しない位置へと付着して液滴の吐出に影響を及ぼすことがある。その結果、印刷物の品質劣化、またサテライト液滴が浮遊することによるインクジェットヘッドやプリンタ内部に汚れが発生することがある。
この対策として特許文献1及び2のように整流板を取り付ける場合があるが、記録媒体の厚さが変わると、最適な整流板の長さも変わるため、上記問題点を解決することができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、乱気流の発生を抑制して、印刷品質の向上を図ることのできるインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、複数のノズルを有し、前記複数のノズルに対向する記録媒体にインクを吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドと、前記記録媒体とを相対移動させながら前記複数のノズルから前記記録媒体にインクを吐出するインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドは、ヘッドフォルダに搭載され、
前記ヘッドフォルダの前記記録媒体に対向する対向面で、かつ、前記相対移動方向において前記記録ヘッドよりも上流側に、前記対向面から前記記録媒体側に突出する整流板が設けられ、
前記整流板は、前記対向面から前記記録媒体側に突出する突出量が調整自在であることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記整流板は、前記対向面に複数設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記複数の整流板のうち、前記相対移動方向における上流側に配置された上流側の整流板は、その上流側の整流板よりも下流側に配置された下流側の整流板に比べて前記記録媒体側に突出していることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置において、
前記複数の整流板のうち、前記記録媒体側に最も突出する整流板には、多数の穴が形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記整流板の前記記録媒体側の端部で、前記相対移動方向における上流側の部分が曲面であることを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記ヘッドフォルダには、前記記録ヘッドから所定間隔を隔てた前記相対移動方向における上流側の位置に、その上下面を貫通する開口部が形成され、
前記開口部内に、前記記録ヘッドよりも上流側にある少なくとも一つ以上の整流板が配置されており、
この少なくとも一つ以上の整流板のうち、最も下流側に配置された整流板の下流側を向く下流側面と、前記開口部を形成する内壁面のうち前記下流側面と対向する面とが接触するように配置され、
前記少なくとも一つ以上の整流板の上端部が前記開口部内に収容されていることを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、請求項6に記載のインクジェット記録装置において、
前記ヘッドフォルダの上流側端部は、前記開口部よりも上流側に延出しており、
前記少なくとも一つ以上の整流板のうち、最も上流側に配置された整流板の上流側を向く上流側面と、前記開口部を形成する内壁面のうち前記上流側面と対向する面との間に空間が形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、請求項6又は7に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドよりも上流側にある複数の整流板のうち、上流側と下流側で隣接する整流板同士は、互いに対向する面同士が接触し、
前記上流側の整流板は、前記記録媒体と前記ヘッドフォルダの前記対向面との間に配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記相対移動方向における最も上流側に配置された整流板の上流側を向く上流側面に、凸部が、前記相対移動方向に対して直交する直交方向に渡って複数形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記ヘッドフォルダは、前記開口部よりも上流側に延出しており、
前記開口部を形成する内壁面であって、前記少なくとも一つ以上の整流板のうち、最も上流側に配置された整流板の上流側を向く上流側面と対向する面に、前記上流側面に向けて突出する凸部が、前記相対移動方向に対して直交する直交方向に渡って複数形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、整流板は、ヘッドフォルダの記録媒体に対向する対向面から記録媒体側に突出する突出量が調整自在であるので、整流板の突出量を調整することによって、整流板のヘッドフォルダに対する最適な高さに設定することができる。そのため、インクの液滴の着弾精度を上げるためにノズルと記録媒体との距離を近づけた場合でも、整流板が記録媒体と接触したり、近づけすぎることによって乱気流が生じることを防止できる。その結果、印刷品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】シリアルヘッド方式のインクジェット記録装置100の全体を示す概略構成図である。
【図2】(a)は、整流板71,72、支持板40、各記録ヘッド5を上面から見た際に模式的に示した図、(b)は、切断線II(b)−II(b)線に沿って切断した際の矢視断面図、(c)は、切断線II(c)−II(c)線に沿って切断した際の矢視断面図である。
【図3】第2の実施形態を説明するための図であって、(a)は、整流板71A,71B,72A,72B、支持板40、各記録ヘッド5を上面から見た際に模式的に示した図、(b)は、切断線III(b)−III(b)線に沿って切断した際の矢視断面図である。
【図4】第3の実施形態を説明するための図であって、図3(b)と同様の方向で切断した際の矢視断面図である。
【図5】第4の実施形態を説明するための図であって、図3(b)と同様の方向で切断した際の矢視断面図である。
【図6】第5の実施形態を説明するための図であって、図3(b)と同様の方向で切断した際の矢視断面図である。
【図7】第6の実施形態を説明するための図であって、図3(b)と同様の方向で切断した際の矢視断面図である。
【図8】第7の実施形態を説明するための図であって、図3(b)と同様の方向で切断した際の矢視断面図である。
【図9】第8の実施形態を説明するための図であって、図3(a)と同様の上面図である。
【図10】第9の実施形態を説明するための図であって、図3(a)と同様の上面図である。
【図11】ラインヘッド方式のインクジェット記録装置200の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態について説明する。ただし、本発明は図示例のものに限定されるものではない。
【0018】
[第1の実施形態]
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の構成について説明する。図1はインクジェット記録装置100の全体を示す概略構成図である。
【0019】
図1に示すように、インクジェット記録装置100は、シリアルヘッド方式のインクジェット記録装置であり、装置本体部1を備えている。装置本体部1には、記録媒体8を被記録面側から支持するプラテン2が装置本体部1の長手方向に延在するように配置されている。プラテン2の設けられている領域は、画像記録を行う記録領域とされている。記録媒体8は図示しない搬送機構によりプラテン2の上を所定の搬送方向である副走査方向Yに搬送されるようになっている。
【0020】
プラテン2の上方であって記録媒体8の副走査方向Yの上流には装置本体部1の長手方向に延在する棒状のガイドレール3が設けられている。このガイドレール3には、ヘッドフォルダ4が支持されている。ヘッドフォルダ4は、図示しない移動機構により副走査方向Yと直交する主走査方向Xをガイドレール3に沿って往復移動するようになっている。なお、以下の説明では、図1の主走査方向Xにおける右方向にヘッドフォルダ4が移動した場合を例として説明し、この右方向を基準として上流側、下流側と言うものとする。
【0021】
ヘッドフォルダ4には、インクジェット記録装置100で使用される各色(例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))のインクタンク6からインクを記録媒体8に対して吐出する記録ヘッド5が搭載されている。各色のインクタンク6とそれに対応する記録ヘッド5とが互いに接続されている。
なお、インクジェット記録装置100で使用されるインクは例示したものに限定されず、例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)、その他白インクや透明インク等の各色のインクを使用することもできる。この場合には、各色に対応した記録ヘッド5がヘッドフォルダ4に搭載される。また、各記録ヘッド5の数はここに例示したものに限定されず、さらに多くの数の記録ヘッド5をヘッドフォルダ4に搭載しても良い。
【0022】
記録ヘッド5の内部には、図示しないがインクを吐出する複数のノズルが副走査方向Yに沿って列状に設けられており、記録ヘッド5の記録媒体8と対向する面は、これらノズルのインク吐出口が形成されている。
【0023】
各記録ヘッド5のノズルには、例えば、アクチュエータとして電圧を印加することにより変形する圧電素子としてのピエゾ素子(図示せず)が付設されている。このピエゾ素子に駆動電圧を印加することによってピエゾ素子を変形させ、図示しないインク流路を圧縮してノズルのインク吐出口からインクを吐出させるようになっている。なお、ノズルの先端部ではインクがノズルの内側に引き込まれて曲面形状(メニスカス)を形成するようになっており、このメニスカスの形状が正常に整えられていると正常なインク吐出を行うことができるようになっている。
【0024】
図2(a)は、整流板71,72、支持板40、各記録ヘッド5を上面から見た際に模式的に示した図、図2(b)は、図2(a)の切断線II(b)−II(b)線に沿って切断した際の矢視断面図、図2(c)は、図2(a)の切断線II(c)−II(c)線に沿って切断した際の矢視断面図である。
ヘッドフォルダ4の底面は、支持板40で構成されており、支持板40に各記録ヘッド5及び整流板71,72が支持されている。支持板40は、略矩形板状をなしている。
支持板40上には、各色の記録ヘッド5,5,…が立設され、支持板40の下面で、記録ヘッド(K)5よりも主走査方向Xの上流側に整流板71が設けられ、記録ヘッド(Y)よりも下流側に整流板72が設けられている。
【0025】
整流板71,72の材料は、金属であっても良いし、樹脂等であっても良い。また、整流板71,72は、支持板40の記録ヘッド5から所定間隔を隔てた上流側及び下流側の位置にそれぞれ形成された矩形状の開口部41,42内に配置されている。
【0026】
図2(a),(c)に示すように、開口部41は、支持板40の記録ヘッド5よりも上流側の上下面を貫通して形成されている。開口部41は、支持板40の上流側端面を切り欠かないように形成されており、開口部41の上流側においても支持板40が延出している。
図2(b)に示すように、開口部41は、支持板40の上面開口41cが下面開口41dよりも小さくなっている。このような開口部41によって、支持板40は、切断線II(b)−II(b)に沿った側断面視がコ字型に形成されている。上面開口41cの大きさは、整流板71の上端面よりも小さく、下面開口41dの大きさは整流板71の上端部71cよりも若干大きく形成されているので、整流板71の上端部71cを下面開口41dから挿入した際に、整流板71の上端部71cが支持板40の上面からに突き出ないように、整流板71が開口部41内に収容されている。また、開口部41の主走査方向Xにおける長さMは整流板71の厚みmよりも長い。
そして、図2(c)に示すように、開口部41内に収容された整流板71は、下流側を向く下流側面71bと、開口部41を形成する内壁面のうち整流板71の下流側面71bに対向する面41bが接触している。さらに、整流板71の上流側を向く上流側面71aと、開口部41を形成する内壁面のうち整流板71の上流側面71aに対向する面41aとの間に空間Kが設けられている。したがって、空気流は、支持板40の下面開口41dから開口部41内に入り込み、支持板40の上面開口41cを介して支持板40の外部へと抜け出る。
【0027】
整流板71は支持板40に対する高さ位置が調整自在となるように高さ調整ネジ9によって取り付けられている。高さ調整ネジ9は、副走査方向Yにおける整流板71の両端部にそれぞれ取り付けられている。高さ調整ネジ9は、開口部41を形成する支持板40の上面縁部にその頭部91が係止し、先端部92は整流板71の上端部71cにねじ込まれている。そして、高さ調整ネジ9の整流板71に対するねじ込み量を変えることによって整流板71の高さ位置、つまり、支持板41の底面から記録媒体8側に突出する突出量を変えることができるようになっている。なお、整流板71の下端部71dが記録ヘッド5の下端部5dよりも下方に位置することが好ましい。
ここで、整流板71の調整時は、プラテン2のヘッド側の面と平行になるように調整する。その理由としては、平行でない場合、整流板71とプラテン2上の記録媒体8との間隔が変わるので、隙間が大きい部分と小さい部分で、印刷時に上昇気流や乱気流の発生状況が変わり、場所によりムラができて印刷品質が悪化するためである。後述するその他の整流板の調整についても同様である。
【0028】
また、上記説明では、2つの整流板71,72のうち一方の整流板71について説明したが、他方の整流板72についても同様に開口部42内に収容されて、高さ調整ネジ9によって高さ調整自在に取り付けられている。この整流板72は、主走査方向Xにおける図1中、左方向にヘッドフォルダ4が移動する場合に、記録ヘッド5よりも上流側に配置されることになる。そのため、上記整流板71と同様にして考えればよく、開口部42内に収容された整流板72は、その下流側面72bと、開口部42を形成する内壁面のうち前記下流側面72bと対向する面42bとが接触している。また、整流板72の上流側面72aと、開口部42を形成する内壁面のうち前記上流側面72aと対向する面42aとの間に空間Kが設けられている。このように、整流板72は、記録ヘッド5に対して整流板71と対称に配置されている。したがって、空気流は、支持板40の下面開口(図示しない)から開口部42内に入り込み、支持板40の上面開口(図示しない)を介して支持板40の外部へと抜け出る。
また、第2の実施の形態以降の説明においても、主走査方向Xにおける図1中、右方向を基準として、記録ヘッド5よりも上流側の整流板のみについて説明するが、記録ヘッド5よりも下流側の整流板も、上流側の整流板と対称となるように構成されている。
【0029】
以上のように、整流板71,72は、ヘッドフォルダ4を構成する支持板41の底面(記録媒体8に対向する対向面)から記録媒体8側に突出する突出量が調整自在であるので、整流板71,72の突出量を調整することによって、整流板71,72のヘッドフォルダ4に対する最適な高さに設定することができる。その結果、インクの液滴の着弾精度を上げるためにノズルと記録媒体8との距離を近づける場合に、整流板71,72が記録媒体8と接触したり、近づけすぎることによって乱気流が生じることを防止できる。
また、2枚の整流板71,72が、支持板41の底面に設けられているので、1枚の整流板よりも気流の制御が容易になる。
さらに、開口部41内に整流板71が配置され、整流板71の下流側面71bと、これに対向する開口部41を形成する内壁面41bとが接触し、かつ、整流板71の上端部71cが開口部41内に収容されているので、整流板71に衝突した空気流は、支持板40の下面開口41dから開口部41内に入り込み、整流板71の上端部71cを通過して支持板40の外部へと抜けることができる。そのため、ノズルと記録媒体8間に入る空気流を減らすことができる。
また、開口部41は、記録ヘッド5から所定間隔を隔てた上流側の位置に形成され、整流板71の下流側面71bと、これに対向する開口部41を形成する内壁面41bとが接触しており、整流板71の後背部には開口部41が無い構造であるので、ヘッドフォルダ4の上方からノズルに向かって空気流が流れてくることがない。
さらに、支持板40の上流側端部は、開口部41よりも上流側に延出しているので、支持板40が開口部41よりも上流側に延出していない場合に比べて整流板71に向かってくる空気流の量を減らすことができる。
また、整流板71の上流側面71aと、開口部41を形成する内壁面のうち上流側面71aと対向する面41aとの間に空間Kが形成されているので、この空間Kを介して空気流が支持板40の外部へと抜けることができる。そのため、この点においてもノズルと記録媒体8間に入る空気流を減らすことができる。
【0030】
[第2の実施形態]
図3(a)は、整流板71A,71B,72A,72B、支持板40、各記録ヘッド5を上面から見た際に模式的に示した図、図3(b)は、図3(a)のIII(b)−III(b)線に沿って切断した際の矢視断面図である。
第2の実施形態では、2枚の整流板71A,71Bが記録ヘッド5よりも上流側に取り付けられ、整流板72A,72Bが記録ヘッド5よりも下流側に取り付けられている。
2枚の整流板71A,71Bのうち、上流側にある第2の整流板71Bの下端部71Bdは、下流側(記録ヘッド5側)にある第1の整流板71Aの下端部71Adよりも、記録媒体8側に突出して取り付けられている。また、整流板71Bの下端部71Bdは、記録ヘッド5よりも記録媒体8側に突出している。
さらに、上述した図2(c)と同様に、第1の整流板71Aの下流側面71Abは、開口部41を形成する内壁面のうち前記下流側面71Abと対向する面41bに接触している。第2の整流板71Bの上流側面71Baと、開口部41を形成する内壁面のうち前記上流側面71Baと対向する面41aとの間には空間Kが設けられている。
なお、2枚の整流板71A,71Bの支持板41に対する取付方法は、第1の実施形態と同様に高さ調整ネジ9によってそれぞれ高さ調整自在に取り付けられている。
以上のように、記録ヘッド5よりも上流側に2枚の整流板71A,71Bが設けられ、こら整流板71A,71Bのうち上流側の第2の整流板71Bは、下流側の第1の整流板71Aよりも記録媒体8側に突出しているので、第2の整流板71Bの後背部で若干の上昇気流や乱気流が生じることがあるが、下流側の支持板40より記録媒体8側に突出した第1の整流板71Aによってこれらの上昇気流や乱気流を弱めることができる。
【0031】
[第3の実施形態]
図4に示すように、第2の実施形態で説明した2枚の整流板71A,71Bにおいて、第1の整流板71Aの上流側面71Aaと、第2の整流板71Bの下流側面71Bbとの間に空間Kが設けられている。その他は、第2の実施形態と同様のため、その説明を省略する。
【0032】
[第4の実施形態]
図5に示すように、第2の実施形態で説明した2枚の整流板71A,71Bにおいて、
第1の整流板71Aの下端部71Adは、第2の整流板71Bの下端部71Bdよりも記録媒体8側に突出して取り付けられている。その他は、第2の実施形態と同様のため、その説明を省略する。第4の実施形態では、布等、毛羽立ったりして整流板に引っ掛かり易い記録媒体の場合であっても、上述のような整流板とすることで引っ掛かりにくくなるので好ましい。
【0033】
[第5の実施形態]
図6に示すように、第2の実施形態で説明した2枚の整流板71A,71Bにおいて、第2の整流板71Bの上端部71Bcは、支持板40の底面よりも下方に位置し、その下端部71Bdは、記録媒体8の上面よりも上方に位置している。したがって、第2の整流板71Bの上端部71Bcと支持板40の底面との間に空間Kが設けられるので、空気流は、空間Kを介して開口部41内に流れ込み、支持板40の上面開口41cから抜け出る。その他は、第2の実施形態と同様のため、その説明を省略する。
以上のように、記録ヘッド5よりも上流側に2枚の整流板71A,71Bが設けられ、これら上流側と下流側で隣接する整流板71A,71B同士は、互いに対向する面71Aa,71Bb同士が接触し、第2の整流板71Bは、記録媒体8と支持板40の底面との間に配置されているので、第2の整流板71Bに衝突した空気流の大部分が開口部41内を通過して支持板40の外部へと抜けることができる。そのため、ノズルと記録媒体8間に入る空気流を減らすことができる。
【0034】
[第6の実施形態]
図7に示すように、第4の実施形態で説明した2枚の整流板71A,71Bにおいて、
2枚の整流板71A,71Bの下端部71Ad,71Bdのうち、上流側を向く面は面取りされて曲面76A,76Bとなっている。その他は、第4の実施形態と同様のため、その説明を省略する。
以上のように、整流板71A,71Bの下端部71Ad,71Bdで、上流側を向く面が曲面76A,76Bであるので、下端部が尖っている場合に比べて乱気流の発生を抑制することができる。
【0035】
[第7の実施形態]
図8に示すように、第2の実施形態で説明した2枚の整流板71A,71Bにおいて、記録媒体8側に突出する第2の整流板71Bに、微細な多数の穴73が形成されている。第2の整流板71Bはこれら多数の穴73によってメッシュ構造となっている。多数の穴73は、例えば金属板にエッチング加工によって施すことができる。微細な多数の穴73の直径は、例えば5μm以上100μm以下が好ましい。5μm未満であると穴73が小さすぎて空気が通らず、100μmを超えると穴73が大きすぎて空気流が弱くならないためである。その他は、第2の実施形態と同様のため、その説明を省略する。
以上のように、記録ヘッド5よりも上流側に2枚の整流板71A,71Bが設けられ、記録媒体8側に最も突出する第2の整流板71Bには、多数の穴73が形成されているので、これら多数の穴73によって乱気流や上昇気流の発生を抑制することができる。また、整流板71Bの突出量を調整することにより多数の穴73の露出量を最適化することができ、乱気流や上昇気流の発生を確実に抑制することができる。
【0036】
[第8の実施形態]
図9に示すように、第1の実施形態と同様に、支持板40の底面で、記録ヘッド5よりも上流側の位置と、記録ヘッド5よりも下流側の位置にそれぞれ整流板71,72が1枚ずつ取り付けられている。
整流板71の上流側を向く上流側面71aには、その上流側面71aから上流側に向けて突出する複数の凸部74が形成されている。これら複数の凸部74は、主走査方向Xと直交する副走査方向Yに渡って所定間隔に設けられている。
他方の整流板72も同様にして複数の凸部74が形成されている。その他は、第1の実施形態と同様のため、その説明を省略する。
以上のように、整流板71の上流側面71aに、凸部74が主走査方向Xに対して直交する副走査方向Yに渡って所定間隔に複数形成されているので、これら複数の凸部74によって、記録ヘッド5が傾いている時や、乱気流が発生した時に、副走査方向Yに移動する気流の動きを防止することができる。
【0037】
[第9の実施形態]
図10に示すように、第1の実施形態と同様に、支持板40の底面で、記録ヘッド5よりも上流側の位置と、記録ヘッド5よりも下流側の位置にそれぞれ整流板71,72が1枚ずつ取り付けられている。上流側の開口部41には、その開口部41を形成する内壁面のうち、整流板71に対向する内壁面41aに、整流板71側に突出する複数の凸部75が形成されている。これら複数の凸部75は、主走査方向Xと直交する副走査方向Yに渡って所定間隔に設けられている。
他方の開口部42の内壁面42aにも同様にして複数の凸部75が形成されている。その他は、第1の実施形態と同様のため、その説明を省略する。
以上のように、上流側の開口部41を形成する内壁面のうち、整流板71に対向する内壁面41aに、凸部75が主走査方向Xに対して直交する副走査方向に渡って所定間隔に複数形成されているので、これら複数の凸部75によって、記録ヘッド5が傾いている時や、乱気流が発生した時に、副走査方向Yに移動する気流の動きを防止することができる。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記インクジェット記録装置100は、記録ヘッド5を搭載したヘッドフォルダ4が主走査方向に動くとともに、記録媒体8も副走査方向に動くシリアルヘッド方式の場合を説明したが、ヘッドフォルダ4が固定されて記録媒体8が動くラインヘッド方式の場合にも本発明を適用しても良い。
図11は、ラインヘッド方式のインクジェット記録装置200の上面図である。図11に示すように、記録媒体201の底面には、記録媒体201の非記録面を支持するプラテン202が設けられている。プラテン202の搬送方向Zの上流及び下流側には、記録媒体201を搬送するための搬送ローラ203a,203bがそれぞれ設置されている。搬送ローラ203a,203bは搬送ベルト203cで結合され、各搬送ローラ203a,203bの回転に伴って記録媒体201は搬送方向Zに沿って搬送されるようになっている。
プラテン202の上方には、記録媒体201の記録面に画像を形成する各色のラインヘッド205,206,207,208を備えるヘッドフォルダ204が配設されている。ラインヘッド205,206,207,208は、搬送方向Zの上流側から下流側にかけてそれぞれ配設されている。各ラインヘッド205,206,207,208は搬送方向Zと直交する記録媒体201の幅方向に渡って延在する記録ヘッドである。このようなヘッドフォルダ204の底面(支持板)に、記録媒体201側に向けて、第1の実施形態と同様の整流板71,72が設けられている。2つの整流板71,72は、搬送方向Zの上流側と下流側とに高さ調整自在となるように高さ調整ネジ9によって取り付けられている。図11中、符号209はラインヘッド205,206,207,208から記録媒体201に形成される画像の位置を全幅にわたって検出可能な画像位置検出装置としてのラインセンサである。
また、上記第2〜第9の実施形態の整流板も、ラインヘッド方式に適用することができる。
【0039】
また、上記説明では、整流板の高さ調整を高さ調整ネジ9によって行うとしたが、整流板の高さを変えることができるものであれば、これに限定されるものではなく、バネ等を使用しても良い。
【符号の説明】
【0040】
4 ヘッドフォルダ
5 記録ヘッド
8 記録媒体
40 支持板
41,42 開口部
41a 上流側面と対向する面
41b 下流側面と対向する面
71,72,71A,71B,72A,72B 整流板
71a,71Aa,71Ba 上流側面
71b,71Ab,71Bb 下流側面
71c 上端部
73 穴
74,75 凸部
76 曲面
100 インクジェット記録装置
K 空間
X 主走査方向
Y 副走査方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルを有し、前記複数のノズルに対向する記録媒体にインクを吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドと、前記記録媒体とを相対移動させながら前記複数のノズルから前記記録媒体にインクを吐出するインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドは、ヘッドフォルダに搭載され、
前記ヘッドフォルダの前記記録媒体に対向する対向面で、かつ、前記相対移動方向において前記記録ヘッドよりも上流側に、前記対向面から前記記録媒体側に突出する整流板が設けられ、
前記整流板は、前記対向面から前記記録媒体側に突出する突出量が調整自在であることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記整流板は、前記対向面に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記複数の整流板のうち、前記相対移動方向における上流側に配置された上流側の整流板は、その上流側の整流板よりも下流側に配置された下流側の整流板に比べて前記記録媒体側に突出していることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記複数の整流板のうち、前記記録媒体側に最も突出する整流板には、多数の穴が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記整流板の前記記録媒体側の端部で、前記相対移動方向における上流側の部分が曲面であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記ヘッドフォルダには、前記記録ヘッドから所定間隔を隔てた前記相対移動方向における上流側の位置に、その上下面を貫通する開口部が形成され、
前記開口部内に、前記記録ヘッドよりも上流側にある少なくとも一つ以上の整流板が配置されており、
この少なくとも一つ以上の整流板のうち、最も下流側に配置された整流板の下流側を向く下流側面と、前記開口部を形成する内壁面のうち前記下流側面と対向する面とが接触するように配置され、
前記少なくとも一つ以上の整流板の上端部が前記開口部内に収容されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
前記ヘッドフォルダの上流側端部は、前記開口部よりも上流側に延出しており、
前記少なくとも一つ以上の整流板のうち、最も上流側に配置された整流板の上流側を向く上流側面と、前記開口部を形成する内壁面のうち前記上流側面と対向する面との間に空間が形成されていることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
前記記録ヘッドよりも上流側にある複数の整流板のうち、上流側と下流側で隣接する整流板同士は、互いに対向する面同士が接触し、
前記上流側の整流板は、前記記録媒体と前記ヘッドフォルダの前記対向面との間に配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェット記録装置。
【請求項9】
前記相対移動方向における最も上流側に配置された整流板の上流側を向く上流側面に、凸部が、前記相対移動方向に対して直交する直交方向に渡って複数形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項10】
前記ヘッドフォルダは、前記開口部よりも上流側に延出しており、
前記開口部を形成する内壁面であって、前記少なくとも一つ以上の整流板のうち、最も上流側に配置された整流板の上流側を向く上流側面と対向する面に、前記上流側面に向けて突出する凸部が、前記相対移動方向に対して直交する直交方向に渡って複数形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項1】
複数のノズルを有し、前記複数のノズルに対向する記録媒体にインクを吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドと、前記記録媒体とを相対移動させながら前記複数のノズルから前記記録媒体にインクを吐出するインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドは、ヘッドフォルダに搭載され、
前記ヘッドフォルダの前記記録媒体に対向する対向面で、かつ、前記相対移動方向において前記記録ヘッドよりも上流側に、前記対向面から前記記録媒体側に突出する整流板が設けられ、
前記整流板は、前記対向面から前記記録媒体側に突出する突出量が調整自在であることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記整流板は、前記対向面に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記複数の整流板のうち、前記相対移動方向における上流側に配置された上流側の整流板は、その上流側の整流板よりも下流側に配置された下流側の整流板に比べて前記記録媒体側に突出していることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記複数の整流板のうち、前記記録媒体側に最も突出する整流板には、多数の穴が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記整流板の前記記録媒体側の端部で、前記相対移動方向における上流側の部分が曲面であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記ヘッドフォルダには、前記記録ヘッドから所定間隔を隔てた前記相対移動方向における上流側の位置に、その上下面を貫通する開口部が形成され、
前記開口部内に、前記記録ヘッドよりも上流側にある少なくとも一つ以上の整流板が配置されており、
この少なくとも一つ以上の整流板のうち、最も下流側に配置された整流板の下流側を向く下流側面と、前記開口部を形成する内壁面のうち前記下流側面と対向する面とが接触するように配置され、
前記少なくとも一つ以上の整流板の上端部が前記開口部内に収容されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
前記ヘッドフォルダの上流側端部は、前記開口部よりも上流側に延出しており、
前記少なくとも一つ以上の整流板のうち、最も上流側に配置された整流板の上流側を向く上流側面と、前記開口部を形成する内壁面のうち前記上流側面と対向する面との間に空間が形成されていることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
前記記録ヘッドよりも上流側にある複数の整流板のうち、上流側と下流側で隣接する整流板同士は、互いに対向する面同士が接触し、
前記上流側の整流板は、前記記録媒体と前記ヘッドフォルダの前記対向面との間に配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェット記録装置。
【請求項9】
前記相対移動方向における最も上流側に配置された整流板の上流側を向く上流側面に、凸部が、前記相対移動方向に対して直交する直交方向に渡って複数形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項10】
前記ヘッドフォルダは、前記開口部よりも上流側に延出しており、
前記開口部を形成する内壁面であって、前記少なくとも一つ以上の整流板のうち、最も上流側に配置された整流板の上流側を向く上流側面と対向する面に、前記上流側面に向けて突出する凸部が、前記相対移動方向に対して直交する直交方向に渡って複数形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−221524(P2010−221524A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71403(P2009−71403)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(305002394)コニカミノルタIJ株式会社 (317)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(305002394)コニカミノルタIJ株式会社 (317)
【Fターム(参考)】
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