説明

インクジェット記録装置

【課題】硬化特性の異なる複数のインクに対して、個々に適切な中心波長領域の光を照射して硬化させることのできるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】記録媒体Wに対しインクジェット方式の記録部を相対的に移動させながら、記録部から光硬化型のインクを吐出させて、記録媒体W上に所望の画像を形成するインクジェット記録装置1であって、記録媒体Wに対し、第1インク91を吐出する第1記録部31と、記録媒体Wに対し、第1インク91とは中心波長による硬化特性が異なる第2インク92を吐出する第2記録部32と、記録媒体Wに光を照射し、記録媒体W上の第1インク91を硬化させる第1半硬化部41と、記録媒体Wに光硬化特性に適した光を照射し、記録媒体W上の第2インク92を硬化させる第2半硬化部42と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット方式の記録ヘッドにより記録媒体に光硬化型のインクを吐出し、記録媒体に着弾したインクに光を照射して硬化させ、記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紫外線硬化性インクを記録媒体上に吐出する複数の記録ヘッド(Y,M,C,K)と、記録ヘッドの両側および記録媒体の搬送方向(第2走査方向)下流側に配設され、記録媒体上に着弾したインクを硬化させる紫外線照射装置と、複数の記録ヘッドと紫外線照射装置とを搭載したキャリッジと、を有し、キャリッジを第1走査方向に移動させながら記録媒体に画像を描画するインクジェット記録装置が知られている(特許文献1参照)。このインクジェット記録装置では、記録ヘッドの両側の紫外線照射装置により紫外線を照射した後、キャリッジの第2走査方向下流側に配設した紫外線照射装置により紫外線を照射することで、紫外線照射回数を増やし、記録媒体上に吐出されたインクを確実に硬化させることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−313445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記したインクジェット記録装置では、記録媒体に着弾した各色のインクに対して、同一の波長領域の紫外線(光)が照射されているため、インクの色(種類)によっては、十分に硬化しない場合や急激に硬化してしまう場合があった。このため、記録媒体上でのインクの混色や記録媒体上でインクが適度に濡れ広がらず、光沢斑や濃度斑(バンディング)等の問題が生じていた。
【0005】
本発明は、硬化特性の異なる複数のインクに対して、個々に適切な中心波長領域の光を照射して硬化させることのできるインクジェット記録装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体に対しインクジェット方式の記録部を相対的に移動させながら、記録部から光硬化型のインクを吐出させて、記録媒体上に所望の画像を形成するインクジェット記録装置であって、記録媒体に対し、第1インクを吐出する第1記録部と、記録媒体に対し、第1インクとは硬化に必要な光の中心波長が異なる第2インクを吐出する第2記録部と、記録媒体に光を照射し、記録媒体上の第1インクを硬化させる第1硬化部と、記録媒体に光を照射し、記録媒体上の第2インクを硬化させる第2硬化部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この場合、第2インクは、第1インクより中心波長が短い光で硬化することが好ましい。
【0008】
また、この場合、第2インクは、黄色のインクであることが好ましい。
【0009】
特に黄色のインクは、その着色成分に起因して、硬化に必要な光の中心波長領域が短波長側にシフトしている。このため、黄色のインクを、他の有色(または無色)インクと同一の中心波長を有する光により硬化させると十分に硬化せず、逆に、黄色のインクに最適な照度では、他の有色インク等が十分に硬化しない。
このような場合でも、これらの構成によれば、第1インクとは別に、光硬化に必要な中心波長が異なる第2インクのみを光硬化させることができる。また、第2インクに最適な中心波長の光で、第2インクを光硬化させることができる。これにより、第1インクまたは第2インクの一方が硬化しない等の問題を防止することができる。
【0010】
この場合、第1硬化部は、第1インクを半硬化させ、第2硬化部は、第2インクを半硬化させることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、第1インクと第2インクとを半硬化させることで、記録媒体上に着弾したインク滴の濡れ広がり等を制御し、各インク滴の大きさを均一にすることができる。これにより、各インク滴が混じり合うこと(混色)を防止することができる。また、記録媒体上に形成される画像の表面を平坦化することができるため、良好な光沢を有する画像を形成することができる。
【0012】
この場合、記録媒体上の第1インクおよび第2インクを本硬化させる本硬化部を、更に備えたことが好ましい。
【0013】
この構成によれば、画像の形成(描画)が全て終了した後に、各インクを完全に硬化(本硬化)させ、記録媒体上に各インク(画像)を確実に定着させることができる。なお、記録媒体上の各インクに対し、既に半硬化が行われている場合には、本硬化にかかる時間を短くすることができるため、本硬化部を小型なもので構成することができる。これにより、装置全体を小型且つ軽量に構成することができる。
【0014】
この場合、第1記録部、第2記録部、第1硬化部、第2硬化部および本硬化部が搭載されたキャリッジと、キャリッジを、記録媒体に対し主走査方向および副走査方向に相対的に移動させる移動手段と、を更に備え、キャリッジは、第1記録部および第2記録部が搭載された記録キャリッジと、第1硬化部、第2硬化部および本硬化部が搭載された光硬化キャリッジと、を有していることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、各記録部と各硬化部とを同時に移動させることができるため、画像形成に係る動作と半硬化(および本硬化)に係る動作とを、同一の移動時に連続して実施することができる。これにより、記録媒体に対する画像形成を効率良く行うことができる。また、キャリッジの移動により、各記録部と各硬化部とを、記録媒体上の画像形成領域全体に臨ませることができるため、各記録部と各硬化部とは小型なもので足り、装置全体を小型にすることができる。更に、記録キャリッジと光硬化キャリッジとに分かれていることで、光硬化キャリッジ側で発生する熱が、記録キャリッジ側に伝わることを防止することができる。したがって、熱の影響によって、各インクの吐出量の変化や記録キャリッジの歪み等が生じることを防止することができる。これにより、記録媒体上において各インクの着弾位置がずれる等の問題を防止でき、高精度な画像の形成を行うことができる。
【0016】
この場合、第1記録部は、複数色の第1インクを吐出する複数の第1記録ヘッドが、主走査方向に並んで配設されており、第2記録部は、第2インクを吐出する第2記録ヘッドが、第1記録部に対し、副走査方向の下流側に配設されていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、第1記録部を主走査方向に移動しながら第1インクを吐出し、記録媒体上に着弾した範囲が、副走査方向の下流側に相対的に移動し、第2記録部を主走査方向に移動しながら第2インクが吐出される。これにより、第1インクの吐出と第2インクの吐出とを同一の主走査で並行して、且つ連続的に行うことができ、画像を効率良く形成することができる。
【0018】
この場合、本硬化部は、第2記録部に対し、副走査方向の下流側に配設されていることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、記録媒体に対し、第1インクおよび第2インクが着弾した後に、各インクの着弾した範囲が、副走査方向の下流側に相対的に移動し、本硬化部が主走査方向に移動しながら光を照射して本硬化が行われる。これにより、各インクの吐出と本硬化とを同一の主走査で並行して、且つ連続的に行うことができ、画像を効率良く記録媒体上に定着させることができる。
【0020】
本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体に光硬化型インクを吐出する記録部と、記録部により吐出されて記録媒体に付着した光硬化型インクに対して光を照射する硬化部と、所定の搬送方向に搬送される記録媒体に対して搬送方向と交差する方向に相対的に移動可能なキャリッジと、を有するインクジェット記録装置であって、第1の光硬化型インクを吐出する第1の記録部と、第2の光硬化型インクを吐出する第2の記録部と、第1の光を照射し、記録媒体上の第1の光硬化型インクを半硬化させる第1硬化部と、第1の光とは中心波長の異なる第2の光を照射し、記録媒体上の第2の光硬化型インクを半硬化させる第2硬化部と、を備え、キャリッジに、第1の記録部および第1硬化部を備えるとともに、第1の記録部の搬送方向下流側に第2の記録部と第2硬化部を配置することを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、例えば、キャリッジを往復移動させる構成の場合、往動時に第1の光硬化型インクを吐出した直後に第1硬化部から光を照射して半硬化を行い、復動時に第2の光硬化型インクを吐出した直後に第2硬化部から光を照射して半硬化を行うことができる。これにより、第1の光硬化型インクとは別に、第2の光硬化型インクを最適な中心波長を有した紫外線で半硬化させることができる。
他にも、往動時に第1および第2の光硬化型インクの吐出のみを行い、復動時に半硬化を行うこともできる。これにより、各光硬化型インクの半硬化までの時間を制御することができ、画像の表面粗さを任意に設定することができる。なお、記録媒体上に着弾直後に半硬化を行うと表面は粗くなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態(第1実施形態)に係るインクジェット記録装置の内部を模式的に示した平面図(a)および側面図(b)である。
【図2】キャリッジ装置の平面図(a)および側面図(b)である。
【図3】キャリッジ装置のヘッドユニットおよび光硬化ユニットを模式的に示した平面図である。
【図4】記録ヘッドを模式的に示した表裏斜視図である。
【図5】記録キャリッジおよびキャリッジベースの正面図(a)および側面図(b)である。
【図6】キャリッジ装置の平面図(a)、側面図(b)および光ギャップ調整手段の部分拡大図(c)である。
【図7】本実施形態に係る画像形成方法のフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る画像形成方法において第1画像および第2画像が形成される様子を模式的に示した説明図(側面図)である。
【図9】本実施形態に係る画像形成方法において第1画像および第2画像が形成される様子を模式的に示した説明図(平面図)である。
【図10】第2実施形態(a)および第3実施形態(b)に係る画像形成方法おいて第1画像および第2画像が形成される様子を模式的に示した説明図(側面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。このインクジェット記録装置は、記録媒体に対し、記録ヘッドから紫外線硬化型インクを吐出した後、紫外線照射器から紫外線を照射して、記録媒体上に着弾した紫外線硬化型インクを硬化させ、記録媒体上に画像を形成(描画)するものである。
【0024】
(第1実施形態)
図1に示すように、インクジェット記録装置1は、インクジェット方式の複数の記録ヘッド30を有するヘッドユニット21および光硬化ユニット22を、それぞれ搭載したキャリッジ装置2と、キャリッジ装置2および記録媒体Wを相対的に移動させる移動手段3と、描画前の記録媒体Wがセットされる媒体供給手段4と、複数の記録ヘッド30に複数の色の紫外線硬化型インク(以降、「インク」という。)を供給するインク供給手段5と、インクジェット記録装置1による画像の形成処理を制御する制御手段6と、を装置外装(図示省略)内に備えている。
また、図示は省略するが、キャリッジ装置2のホームポジションH側(図1(a)において下側)には、各記録ヘッド30のノズル詰り等を防止するための保守手段が配設されている。この保守手段には、各記録ヘッド30のノズル形成面を封止するキャッピングユニットと、各記録ヘッド30からインクを強制吸引する吸引ユニットと、各記録ヘッド30のノズル孔36形成面を払拭するワイピングユニットと、が備えられている。
【0025】
図1に示すように、移動手段3は、キャリッジ装置2を主走査方向(以降、「X軸方向」という。)に移動させるヘッド移動機構11と、記録媒体Wを副走査方向(以降、「Y軸方向」という。)に移動させ、記録媒体Wをキャリッジ装置2に臨む位置(描画エリアDA)に送る媒体送り機構12と、を備えている。
【0026】
ヘッド移動機構11は、キャリッジ装置2をX軸方向に移動自在に支持する第1ガイド軸13および第2ガイド軸14と、キャリッジ装置2を移動させる駆動源となるサーボモーター15と、サーボモーター15の回転動力をキャリッジ装置2に伝達し、キャリッジ装置2をX軸方向に往復動させるベルト伝達機構16と、を備えている。
【0027】
ベルト伝達機構16は、サーボモーター15に連結されX軸方向の一方の端部に配設した駆動プーリー16aと、X軸方向の他方の端部に配設した従動プーリー16bと、駆動プーリー16aおよび従動プーリー16b間に掛け渡した無端のタイミングベルト16cと、を有している。タイミングベルト16cの一箇所には、後述するベルト固定部62を介してキャリッジ装置2の基部が連結されており、サーボモーター15が正逆回転すると、タイミングベルト16cを介してキャリッジ装置2がX軸方向に往復動する。
【0028】
第1ガイド軸13は、上部を断面が半円形に形成した軸であり、描画エリアDAのY軸方向の上流側において、描画エリアDAに供給される記録媒体Wを幅方向(X軸方向)に横断するように配設されている。図示では省略したが、第1ガイド軸13は、その延在方向において複数の支持部材により、装置フレーム(図示省略)上に支持され、上下方向の撓みが防止されている。同様に、第2ガイド軸14は、断面が略矩形の軸であり、描画エリアDAのY軸方向の、下流側において第1ガイド軸13に平行に配設されている。第1ガイド軸13および第2ガイド軸14の長さは、供給可能な記録媒体Wの最大幅に合わせて設定されている。そして、キャリッジ装置2は、その基部側を第1ガイド軸13に、先端側を第2ガイド軸14に支持され、且つこれら第1ガイド軸13および第2ガイド軸14に案内されて、X軸方向に往復動する。
【0029】
サーボモーター15は、キャリッジ装置2のX軸方向における位置制御が可能なものであり、キャリッジ装置2のホームポジションHとは反対側(図1(a)において上側)で、駆動軸をY軸方向の上流側に向けて配設されている。サーボモーター15の正逆回転駆動により、キャリッジ装置2は、タイミングベルト16cを介して、第1ガイド軸13および第2ガイド軸14に沿って往復移動する。そして、サーボモーター15は、記録媒体W上(描画エリアDA)をX軸方向に移動するキャリッジ装置2が定速となるように制御する。
【0030】
媒体送り機構12は、記録媒体Wを裏面(非記録面)側から支持するプラテン17と、記録媒体Wを裏面に接触し、記録媒体WをY軸方向に送る送りローラー18と、記録媒体Wを介して送りローラー18に対峙する媒体押えローラー19(図1(b)参照)と、送りローラー18を回転させ記録媒体Wを間欠的に送る送りモーター(図示省略)と、を備えている。なお、記録媒体Wは、記録ヘッド30のノズル列NL(図4(b)参照)の長さ分の寸法を1ピッチとして間欠送りされる。
【0031】
プラテン17の表面には、マトリクス状(または千鳥状)に複数の小孔(図示省略)が裏面に向かって貫通形成されており、プラテン17の下側には、吸引ファン(図示省略)が設けられている。この吸引ファンを回転駆動することで、プラテン17上の記録媒体Wには、複数の小孔を介して吸引力が作用し、記録媒体Wは、プラテン17上に均一な平面度をもって位置決め固定される。これにより、歪みのない記録媒体Wに対し、描画処理を行えるため、インクの着弾位置にずれのない高精度な画像形成が可能となる。
【0032】
送りローラー18および媒体押えローラー19は、第1ガイド軸13の下方、すなわち、描画エリアDAのY軸方向の上流側に位置している。媒体押えローラー19は、送りローラー18の回転による記録媒体Wの搬送に伴い回転する従動ローラーであり、送りローラー18上の記録媒体Wを上方から押さえ込んでいる。すなわち、送りローラー18および媒体押えローラー19は、それぞれ駆動ローラーと従動ローラーから成るニップローラーで構成され、キャリッジ装置2の移動停止時に記録媒体Wを送る。なお、プラテン17の下流側に、スリップ回転しながら記録媒体Wを送る排紙ローラーを設けるようにしてもよい。
【0033】
媒体供給手段4は、描画に供される記録媒体Wがセットされ、記録媒体Wの供給源となっている。本実施形態に用いられる記録媒体Wの形態としては、ロール状やカットシート状等、どのような形態でもよく、特に図示しないが、前者の記録媒体Wに対してはリール・ツー・リールで紙送りが行われ、後者の記録媒体Wに対しては給紙ローラーにより、用紙カセットから1枚ずつ紙送りが行われる。なお、記録媒体Wは、紙(普通紙,光沢紙等)、布(不織布)、樹脂、金属、ガラス等の材質からなるものが適用可能である。
【0034】
インク供給手段5は、有色または無色のインクが、それぞれ封入された複数のインクパック5aから構成され、各インクパック5aは、インク供給流路(図示省略)を介して各記録ヘッド30に接続されている。各色のインクは、各インクパック5aを外側から加圧(大気圧)することで、各インク供給流路を通じて各記録ヘッド30に供給される。また、各インク供給流路および各記録ヘッド30は、各インク供給流路を流れるインクを加熱するフィルムヒーター(図示省略)で被覆されている。各色のインクは、フィルムヒーターによって加熱されることで、所定の粘度に調整されて各記録ヘッド30に供給される。
【0035】
なお、紫外線硬化型インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、本実施形態では、いずれを用いてもよい。また、本実施形態に用いられる紫外線硬化型インクは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、オレンジ(Or)、グリーン(Gr)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)、ホワイト(W)、クリアー(CL)の10色であるが、色(色彩)および色数は、これに限定されるものではない。
【0036】
続いて、図2ないし図6を参照して、キャリッジ装置2について詳細に説明する。図2に示すように、キャリッジ装置2は、記録媒体Wに対してインクを吐出するヘッドユニット21と、記録媒体W上に着弾したインクを硬化させる光硬化ユニット22と、第1ガイド軸13にスライド自在に支持されたキャリッジベース23と、第2ガイド軸14とキャリッジベース23と架け渡され、第2ガイド軸14にスライド自在に支持された支持フレーム24と、光硬化ユニット22を支持フレーム24に吊設するための複数の支柱部材25と、を備えている。このキャリッジ装置2は、プラテン17上に固定された記録媒体W上に臨み、ヘッド移動機構11によってX軸方向に往復移動しながら、記録媒体W上にヘッドユニット21からのインクの吐出し、光硬化ユニット22により、記録媒体W上に着弾したインクの硬化を行う。
【0037】
また、キャリッジ装置2は、ヘッドユニット21と記録媒体Wとの間のギャップを調整するヘッドギャップ調整手段26と(図5参照)、ヘッドユニット21のロール角(記録媒体Wとの平行度)を調整する平行度調整手段27と(図5参照)、光硬化ユニット22と記録媒体Wとの間のギャップを調整する光ギャップ調整手段28と(図6参照)、を備えている。
【0038】
図2および図3に示すように、ヘッドユニット21は、記録媒体Wに対して有色および無色のインクを吐出する複数の記録ヘッド30を有する第1記録部31と、記録媒体Wに対して任意のインクを吐出する1つの記録ヘッド30(第2記録ヘッド32a)を有する第2記録部32と、第1記録部31および第2記録部32をY軸方向に組分けして搭載する記録キャリッジ33と、を備えている。
【0039】
図4に示すように、記録ヘッド30は、いわゆるインクジェット方式でインクを吐出するものであり、上記したインク供給流路が接続され、インクが供給されるポンプ部34と、ポンプ部34に連なるノズルプレート35と、を備えている。ノズルプレート35のノズル面には、2列のノズル列NLが相互に平行に列設されており、各ノズル列NLは、等ピッチで並べた多数個のノズル孔36で構成されている。なお、ノズル列NLの数およびノズル孔36の数は、任意である。また、ポンプ部34は、各列のノズル列NLに対応するように、それぞれ2連に形成されている。記録ヘッド30には、フレキシブルフラットケーブル(図示省略)を介して、上記した制御手段6が接続されており、制御手段6から出力された駆動波形がポンプ部34の圧電素子(図示省略)に印加されることで、各ノズル孔36からインクが吐出される。
【0040】
図2および図3に示すように、第1記録部31は、ノズル列NLをY軸方向に向けて、X軸方向に9個の記録ヘッド30(以降、第1記録ヘッド31aという。)が等間隔で1列に並んだ状態で第1ヘッドプレート37aに固定されて構成されている。第1記録部31に搭載された9個の第1記録ヘッド31aは、有色および無色のインクを吐出するものであり、本実施形態では、図3において上端から、C,M,K,Or,Gr,LM,LC,W,CLのインクが導入(供給)されている。なお、第1記録ヘッド31aの個数は任意であり、また、供給するインクの色の順番も任意である。
【0041】
一方、第2記録部32は、ノズル列NLをY軸方向に向けて、単一の記録ヘッド30(以降、第2記録ヘッド32aという。)が、第2ヘッドプレート38aに固定されて構成されている。第2記録ヘッド32aには、黄色(Y)のインクが供給されている。なお、第2記録ヘッド32aの個数は任意である。しかし、詳細は後述するが、記録キャリッジ33の片持ち支持やミスト発生の抑制等を考慮すると、第1記録部31への搭載数よりも少数であることが好ましく、1個または2個が最適である。
【0042】
記録キャリッジ33は、X軸方向に長辺を有する方形に形成された第1ヘッド保持部37と、第1ヘッド保持部37より小さい方形に形成された第2ヘッド保持部38と、第1ヘッド保持部37のX軸方向両端に立設した一対の立設部39(図5参照)と、で一体に形成されている。第2ヘッド保持部38は、第1ヘッド保持部37のY軸方向下流側に向かってX軸方向中央から突き出すように形成されている。すなわち、平面内において、記録キャリッジ33は階段状に形成されている。
【0043】
第1ヘッド保持部37には、複数の第1記録ヘッド31aを位置決め固定した第1ヘッドプレート37aが臨む第1ヘッド開口37bが、厚み方向(Z軸方向)に貫通形成されている。同様に、第2ヘッド保持部38は、第2記録ヘッド32aを位置決め固定した第2ヘッドプレート38aが臨む第2ヘッド開口38bが、厚み方向に貫通形成されている。また、第1ヘッド開口37bおよび第2ヘッド開口38bの近傍には、各1本の位置決めピンPが立設している。各位置決めピンPが、第1ヘッドプレート37aおよび第2ヘッドプレート38aの位置決め孔(図示省略)に嵌入することで、第1ヘッドプレート37aは、第1ヘッド保持部37に対し、一方、第2ヘッドプレート38aは、第2ヘッド保持部38に対し、X軸方向、Y軸方向およびヨーイング方向に、それぞれ位置決めされた状態で固定される(3本のねじ留め)。このように、第1記録部31と第2記録部32とは、組分けされて記録キャリッジ33に搭載され、各記録ヘッド30のノズルプレート35(のノズル面)は、プラテン17上に搬送された記録媒体Wに対峙する。
【0044】
記録キャリッジ33は、第1ヘッド保持部37のY軸方向上流側でキャリッジベース23に片持ちで支持されており、第2ヘッド保持部38のY軸方向下流側は自由端となっている。すなわち、第1ガイド軸13から離れる方向において、記録ヘッド30の搭載数が少ない順に配設されている。このように、ヘッドユニット21を片持ち支持とすることで、記録媒体Wに対するヘッドユニット21のギャップ調整や平行度調整といった、ヘッドユニット21特有の調整を精度良く容易に行うことができる。しかも、ヘッドユニット21は、記録ヘッド30の搭載数の多い記録部が第1ガイド軸13側に設けられているため、慣性の影響の少ない安定した移動が可能となり、移動の開始および停止の際の慣性による振動を防止することができる。これにより、記録キャリッジ33のブレやオーバーランを抑制することができ、記録媒体W上へのインクの着弾位置にズレが生じることがないため、高精度な画像の形成(描画)が可能となる。
【0045】
図2および図3に示すように、光硬化ユニット22は、第1記録部31が吐出したインクを半硬化させる第1半硬化部41(第1硬化部)と、第2記録部32が吐出したインクを半硬化させる第2半硬化部42(第2硬化部)と、第1記録部31および第2記録部32が吐出したインクを本硬化させる本硬化手段43(本硬化部)と、第1半硬化部41、第2半硬化部42および本硬化手段43を搭載する光硬化キャリッジ44と、を備えている。
【0046】
第1半硬化部41は、第1記録部31のX軸方向両端に位置した一対の第1半硬化手段45を有しており、X軸方向への往復移動に伴って、第1記録部31から吐出され、記録媒体W上に着弾した各インク滴に臨むようになっている。同様に、第2半硬化部42は、第2記録部32のX軸方向両端に位置した一対の第2半硬化手段46を有しており、第2記録部32により記録媒体W上に着弾した各インク滴に臨む。第1半硬化部41および第2半硬化部42は、記録媒体W上に着弾したインク滴を半硬化させることで、記録媒体W上において、インク滴の濡れ広がりの抑制や記録媒体Wの搬送時にインク滴が流れ出すことを防止している。これにより、記録媒体W上において、インク滴同士が混じり合うこと(混色)を防止することができると共に、各インク滴を一定の大きさに揃えることができる。なお、ここでいう半硬化とは、インク滴における部分的な硬化を意味し、部分的に硬化しているが完全に硬化していない状態をいう。
【0047】
ここで、第2記録部32の第2記録ヘッド32aに供給される黄色(Y)のインクは、その着色成分に起因して、硬化に必要な光の中心波長領域が短波長側にシフトしているため、他の有色インクおよび無色インクと同一の中心波長を持つ紫外線で光硬化させると十分に硬化させることができない。逆に、黄色のインクに最適な中心波長を持つ紫外線で他の有色インク等を光硬化させると硬化が進みすぎてしまう。
そこで、本実施形態では、黄色のインクを吐出する第2記録ヘッド32aを、第1ヘッド保持部37には搭載せず、Y軸方向下流側の第2ヘッド保持部38に搭載し、且つ黄色のインク専用の第2半硬化部42を設けている。また、各第2半硬化手段46(第2半硬化部42)は、各第1半硬化手段45(第1半硬化部41)よりも短い中心波長を持つ紫外線を照射するようになっている。これにより、黄色以外のインクとは別個独立に、黄色のインクのみを適切に半硬化させることを可能としている。
【0048】
本硬化手段43は、第2記録部32のY軸方向下流に位置しており、X軸方向への往復移動に伴って、第1半硬化部41および第2半硬化部42によって半硬化した各インク滴に臨む。本硬化手段43は、着弾したインク滴の内部を完全に光硬化させ、記録媒体W上に定着させる。したがって、本硬化手段43の放射照度(照度)は、第1半硬化部41および第2半硬化部42よりも高く(強く)、且つ各色のインクの光硬化に必要な波長領域を含むように設定されている。また、本硬化手段43は、キャリッジ装置2の最も下流側に設けられており、第1記録部31および第2記録部32によって画像の描画が行われた後に、その画像を形成するインク滴を本硬化させる。また、記録媒体W上のインク滴は、既に半硬化されているため、本硬化手段43を比較的低出力な小型且つ軽量なもので構成することができる。
【0049】
各第1半硬化手段45、各第2半硬化手段46および本硬化手段43は、略同一の構造であり、紫外線を照射する複数のLED(Light Emitting Diode)で構成された光照射部51と、光照射部51を冷却するための冷却部52と、をそれぞれ有している。光照射部51は、複数のチップ型の紫外線LEDがマトリクス状(または千鳥状)に配設したいわゆるLEDアレイであり、全体として面光源を構成している。また、各第1半硬化手段45、各第2半硬化手段46および本硬化手段43は、記録ヘッド30のノズル列NLの長さと略同長さの幅(Y軸方向の長さ)を有し、そのX軸方向の長さは、X軸方向の移動速度との関係で、所定の放射照度が得られるように設計されている。
【0050】
冷却部52は、光照射部51の上面に密着するヒートシンク53と、ヒートシンク53に向けて風(空気)を吹き付ける冷却ファン54と、を備えている。ヒートシンク53は、いわゆるフィン型のものであり、立設した複数のフィン53aは、それぞれX軸方向に向かって延在し、Y軸方向に等間隔に配設されている。このヒートシンク53は、カバー53bで覆われており、カバー53bの上面に形成した開口部分には冷却ファン54が固定されている。冷却ファン54は、それぞれヘッドユニット21側に位置しており、各冷却ファン54により、吹き付けられた空気は、ヒートシンク53のフィン53aから吸熱しながらフィン53aに沿って外側に排気(排熱)される。これにより、各光照射部51から生じた熱が、有効に排熱されるため、熱による光照射部51の発光性能が低下することを防止し、インクを安定に光硬化させることができる。なお、詳細は後述するが、冷却ファン54からの排気(排熱)は、光硬化キャリッジ44の記録キャリッジ33側に立設されたリブ58により遮断される。
【0051】
光硬化キャリッジ44は、記録キャリッジ33のX軸方向両側に対称に位置する一対のキャリッジ側部55と、一対のキャリッジ側部55を連結するキャリッジ連結部56と、を備えている。光硬化キャリッジ44は、適宜補強リブ部を配置した樹脂で一体に形成されているため、十分な強度を維持しつつ軽量に、且つ安価に構成することができ、更に、光硬化キャリッジ44内での熱の伝播を抑制することもできる。
【0052】
各キャリッジ側部55は、第1半硬化手段45と第2半硬化手段46とを保持する2つの保持部57を有している。2つの保持部57は、それぞれ方形に形成されており、コーナー部分59で連結されている。すなわち、キャリッジ側部55は、階段状に形成されている。そして、一対のキャリッジ側部55は、平面内において、X軸方向両側から記録キャリッジ33を挟むようにして対称に位置しており、Y軸方向下流側でキャリッジ連結部56により連結されている。また、キャリッジ連結部56も方形に形成されており、本硬化手段43を保持している。したがって、記録キャリッジ33に搭載された第1記録部31および第2記録部32と、光硬化キャリッジ44に搭載された本硬化手段43とは、Y軸方向に向かって、X軸方向中央に整列している。つまり、Y軸方向上流側から順に、第1記録部31、第2記録部32および本硬化手段43が、同一中心線上に整列している。このため、X軸方向の重量バランスの良いキャリッジ装置2を構成することができると共に、記録媒体Wの幅に対して最短距離でX軸方向に往復移動させることができる。これにより、キャリッジ装置2のX軸方向へ安定した移動が可能となると共に、キャリッジ装置2の大型化を抑制することができる。
【0053】
また、記録ヘッド30からインクを吐出した際に発生するミスト(霧状のインク)は、より多くの記録ヘッド30(第1記録ヘッド31a)が搭載された第1記録部31から多く発生する。しかし、本実施形態において本硬化手段43は、第2記録部32挟んで第1記録部31から離れた位置に設けられている。すなわち、本硬化手段43は、多くのミストが生じる発生源から離れた位置に、しかもY軸方向に離れた位置に設けられている。したがって、本硬化手段43にミストが付着するリスクを減らすことができる。これにより、本硬化手段43の発光性能(放射照度)の低下を適切に防止して、記録媒体W上のインクを確実に本硬化させることができ、インク未硬化による描画不良を有効に防止することができる。なお、第2記録部32は、ミストの発生源が少ないため(単一の第2記録ヘッド32a)、そのY軸方向下流側に位置する本硬化手段43にミストが付着する可能性は低くなる。また、上述したように第2記録ヘッド32aには、黄色のインクが供給されているため、発生するミストは、黄色のインクのミストである。黄色のミストは、黒色等の色相(色彩)の暗い色に比べて光を通しやすいため、本硬化手段43にミストが付着したとしても、紫外線の照射量の低下を緩和することができる。
【0054】
また、各保持部57において、記録キャリッジ33に対峙する辺(面)には、保持部57に直交して立設するリブ58が立設されている(図3参照)。このリブ58は、光硬化キャリッジ44の構造上の強度を増加させると共に、各保持部57に搭載された第1半硬化手段45または第2半硬化手段46の冷却部52による排熱を遮断する壁として機能する。これにより、各記録ヘッド30(各第1記録ヘッド31aおよび第2記録ヘッド32a)、各第1半硬化手段45および各第2半硬化手段46の熱による性能低下を有効に防止することができる。
【0055】
光硬化キャリッジ44は、記録キャリッジ33の外側に所定の間隙を存して配設されており、光硬化キャリッジ44と記録キャリッジ33とが相互に対峙する辺(面)は、相補的に形成されている。つまり、光硬化キャリッジ44は、Y軸方向下流側から記録キャリッジ33を覆うようにして、「V」字型の階段状に形成されており、巨視的に見れば、記録キャリッジ33と光硬化キャリッジ44とは、一辺をキャリッジベース23(または第1ガイド軸13)に添うように配設された三角形状に構成されている(図1および図2参照)。このように、記録キャリッジ33と光硬化キャリッジ44とは、接触することなく物理的に離間して配設されているため、光硬化キャリッジ44に搭載された第1半硬化部41、第2半硬化部42および本硬化手段43から発生した熱が、記録キャリッジ33(および各記録ヘッド30)に伝播することがない。したがって、熱の影響によって、各インクの吐出量の変化や記録キャリッジ33の歪み等が生じることを防止することができる。これにより、記録媒体W上において各インクの着弾位置がずれる等の問題を防止でき、高精度なインクの吐出を行うことができる。
【0056】
また、光硬化キャリッジ44(キャリッジ側部55)は、保持部57と保持部57とが、コーナー部分59で連結しているため、保持部57相互間の伝熱面積が非常に小さくなっており、保持部57相互間の熱の伝播も抑制することができる。これにより、第1半硬化部41、第2半硬化部42および本硬化手段43の相互間の熱的影響を排除することができるため、各光硬化手段の発光性能が低下することがない。したがって、インクの硬化が良好に行われ、画像の描画品質を良好に維持することができる。
【0057】
図2および図5に示すように、キャリッジベース23は、樹脂製の部材であり、第1ガイド軸13にスライド自在に係合する軸係合部61と、タイミングベルト16cが挟み込まれて固定されるベルト固定部62と、ヘッドユニット21を片持ち支持する片持ち支持機構63と、を備えている。
【0058】
軸係合部61は、第1ガイド軸13(半円形軸)と相補的な形状に略円形に凹設され、第1ガイド軸13に対して上方から被さるようにしてスライド自在に係合する(図2(b)参照)。また、ベルト固定部62は、キャリッジベース23のX軸方向中央において、Y軸方向上流側に突設されており、タイミングベルト16cを挟持している(図1(a)参照)。そして、キャリッジ装置2は、サーボモーター15の駆動により、タイミングベルト16cに引っ張られるようにしてX軸方向に往復移動する。
【0059】
また、図5に示すように、片持ち支持機構63は、Y軸方向下流側において、ヘッドユニット21を片持ちで支持している。片持ち支持機構63は、ヘッドユニット21を上方に引き上げる一対の引上げばね64と、ヘッドユニット21をキャリッジベース23側に引き付ける一対の第1引付ばね65および一対の第2引付ばね66と、を有している。
【0060】
一対の引上げばね64は、一端を第1ヘッド保持部37のX軸方向両端に設けられたフックにそれぞれ係合し、他端をキャリッジベース23のX軸方向両端に突設された凸部にそれぞれ係合している。また、一対の第1引付ばね65は、一端を立設部39のX軸方向両端の上端部に設けられたフックにそれぞれ係合し、他端をキャリッジベース23のX軸方向両側面上側に設けられたフックにそれぞれ係合している。同様に、一対の第2引付ばね66は、一端を立設部39のX軸方向両端の下端部に設けられたフックにそれぞれ係合し、他端をキャリッジベース23のX軸方向両側面下側に設けられたフックにそれぞれ係合している。
【0061】
そして、ヘッドユニット21は、一対の引上げばね64によって引き上げられると共に、ヘッドギャップ調整手段26(詳細は後述する。)によって押え付けられて(押し下げられて)いる。また、ヘッドユニット21は、一対の第1引付ばね65および一対の第2引付ばね66によって、Y軸方向上流側に引き付けられていると共に、平行度調整手段27(詳細は後述する。)によって押し付けられている。これにより、ヘッドユニット21は、キャリッジベース23に片持ち状態で支持されている。なお、ヘッドユニット21(記録キャリッジ33)のX軸方向の位置調整を行うX軸引付ばね67が、図5(a)において左側の引上げばね64の下側に設けられている。
【0062】
図2に示すように、支持フレーム24は、キャリッジベース23の上端面に一方の端部を接続し、Y軸方向の下流側に延在する一対の梁部材71と、各梁部材71の上面に直交して接続固定された桁部材72と、一対の梁部材71の他方の端部に吊設された壁部材73と、を備えている。また、各梁部材71と壁部材73との上面には、一対の筋交い74が接続されており、支持フレーム24の構造体としての強度を増加させている。壁部材73のY軸方向下流側の面には、第2ガイド軸14上に転接する複数(5個)のローラー75が、X軸方向に等間隔に並んで、回転自在に片持ちで支持されている。なお、梁部材71、桁部材72および筋交い74は、アルミニウム合金製のチャンネル材で構成され、壁部材73は、樹脂で構成されている。また、梁部材71、桁部材72および筋交い74の配設数は任意である。
【0063】
複数(4本)の支柱部材25は、桁部材72の両端と、各梁部材71のY軸方向中央からやや下流側とに、それぞれ一端を接続し、下方に延在した他端を光硬化キャリッジ44に連結している。すなわち、4本の支柱部材25により、光硬化キャリッジ44は、支持フレーム24に対して吊設されている。4本の支柱部材25は、各第1半硬化手段45と各第2半硬化手段46との近傍において、それぞれ光硬化キャリッジ44と連結している。光硬化キャリッジ44は、4本の支柱部材25を介して強固な支持フレーム24に支持されることとなり、各第1半硬化手段45および各第2半硬化手段46が発する熱により、光硬化キャリッジ44が歪む(熱変形)ことを有効に防止することができる。これにより、光硬化ユニット22を設定した平面度(姿勢)に維持することができる。なお、詳細は後述するが、各支柱部材25には、光ギャップ調整手段28が構成されている。また、支柱部材25の配設数は任意である。
【0064】
このように、光硬化ユニット22は、キャリッジベース23および支持フレーム24(複数の支柱部材25)を介して、第1ガイド軸13と第2ガイド軸14とで両持ちでスライド自在に支持されており、ヘッドユニット21および光硬化ユニット22は、第1ガイド軸13と第2ガイド軸14との間に位置している(図1参照)。すなわち、キャリッジ装置2は、第1ガイド軸13と第2ガイド軸14とに全体の重量を分散して安定支持されている。これにより、キャリッジ装置2全体として、移動開始時および移動停止時に振動することなく安定した姿勢を維持して、X軸方向へ移動させることができる。
【0065】
また、ヘッドユニット21および光硬化ユニット22は、キャリッジ装置2として一体化され、同時にX軸方向に移動させることができるため、画像の描画動作と半硬化動作(および本硬化動作)とを、同一の移動時に連続して行うことができる。これにより、効率良く短時間で画像の描画および硬化を行うことができる。さらに、キャリッジ装置2の移動により、ヘッドユニット21と光硬化ユニット22とを、記録媒体Wの記録面F全域(記録すべき全ての領域)に臨ませることができるため、ヘッドユニット21と光硬化ユニット22とを小型に構成することができ、もってキャリッジ装置2全体を小型にすることができる。
【0066】
図5に示すように、ヘッドギャップ調整手段26は、ギヤ列81(図1(b)参照)を介して調整モーター(図示省略)に接続する調整ギヤ82(遊星歯車から成る減速歯車列)と、調整ギヤ82から回転が伝達されるギャップ調整軸83と、ギャップ調整軸83に接続された一対の偏心カム84と、を備えている。
【0067】
このギャップ調整では、先ず、キャリッジ装置2がホームポジションHに移動すると、調整モーターの駆動軸がギヤ列81に連結すると共にギヤ列81が回動し、調整ギヤ82に係合する。そして、調整モーターの駆動により、キャリッジベース23に軸回転自在に支持されたギャップ調整軸83を介して各偏心カム84が回転する。各偏心カム84は、記録キャリッジ33(の第1ヘッド保持部37)の各立設部39の上端面に、それぞれ当接している。このため、各偏心カム84の回転に伴って、記録キャリッジ33(ヘッドユニット21)は、上記した片持ち支持機構63の各引上げばね64に抗して押し下げられたり、各引上げばね64により引き上げられたりして、上下動(昇降)することとなる。したがって、記録媒体Wの厚みや種類(インクが浸透する又は浸透しない等)に応じて、ヘッドユニット21(各記録ヘッド30)と記録媒体Wとのギャップを適宜変更することができる。これにより、最適なインクの吐出を行うことがき、記録媒体W上に高精度な画像の描画が行える。なお、調整モーターを省略して手動で調整可能に構成してもよいし、また、各偏心カム84を別々に回転可能として、ピッチ角の微調整を行えるように構成してもよい。
【0068】
図5に示すように、平行度調整手段27は、各立設部39のY軸方向上流側(後側)に当接した偏心軸85を備えている。偏心軸85は、キャリッジベース23に回転自在に支持されており、偏心軸85の回転に伴って、記録キャリッジ33(ヘッドユニット21)は、上記した片持ち支持機構63の各第1引付ばね65および各第2引付ばね66に抗して押し出されたり、各第1引付ばね65および各第2引付ばね66により引き付けられたりして、ローリング方向に回動することとなる。このようにして、ヘッドユニット21(各記録ヘッド30)を平行に維持することができると共に、記録ヘッド30毎の平行度を均一にすることができる。これにより、各記録ヘッド30(各第1記録ヘッド31aおよび第2記録ヘッド32a)は、適切なギャップをもって平行に記録媒体Wに臨むことができるため、最適なインクの吐出が可能となる。
【0069】
図6に示すように、光ギャップ調整手段28は、ギヤードモーター86からの回転が伝達される2本の調整回転軸87と、調整回転軸87に接続された一対2組のピニオン88と、各ピニオン88が係合する複数のラック89と、各ラック89と各ピニオン88との係合状態を維持し、上下動(昇降)をガイドする複数のガイド機構(図示省略)と、を備えている。
【0070】
各ラック89は、支柱部材25に形成されており、各調整回転軸87は、光硬化キャリッジ44に対して回転自在に支持されている(図6(c)参照)。この光ギャップ調整は、キャリッジ装置2がホームポジションHに移動すると、各ギヤードモーター86の駆動軸が各調整回転軸87に接続する。そして、Y軸方向上流側でX軸方向に並ぶ一対のピニオン88(図6(a)参照)は、調整回転軸87の一端に接続されたギヤードモーター86の駆動により、各ラック89に沿って回転する。Y軸方向下流側でX軸方向に並ぶ一対のピニオン88も同様である。このようにして、各ピニオン88の回動により、光硬化キャリッジ44は各ラック89に沿って上下動(昇降)する。このため、記録媒体Wの厚みや種類に応じて、光硬化ユニット22と記録媒体Wとのギャップを適宜変更することができ、インクの種類等や記録媒体Wの種類等に応じて、最適な強度(放射照度)の光を照射して記録媒体W上のインク滴を適切に硬化させることができる。なお、光ギャップ調整手段28を各支柱部材25の上側(またはZ軸方向中程)に設けてもよい。また、調整回転軸87を省略して、各ピニオン88を個別に回転させる構成としてもよい。他にも、各支柱部材25を入れ子式のスライド構造として、内側の支柱と外側の支柱とを螺合させて、ねじを回転させる(リードねじ機構)ことで昇降させてもよいし、各支柱部材25をシリンダー・ピストン構造としてスライドさせるようにしてもよい。
【0071】
続いて、図7ないし図9を参照して、本実施形態に係るインクジェット記録装置1の制御手段6により制御される画像形成方法について説明する。以降の説明では、第1記録部31(複数の第1記録ヘッド31a)に供給されている9色の有色および無色のインクを「第1インク91」という。同様に、第2記録部32(第2記録ヘッド32a)に供給されている黄色のインクを「第2インク92」という。また、画像形成の動作に先立ち、キャリッジ装置2は、ホームポジションHに位置しており、ヘッドギャップ調整手段26、平行度調整手段27および光ギャップ調整手段28により、記録媒体W(の記録面F)に対するヘッドユニット21(各記録ヘッド30)のギャップ調整および平行度調整、光硬化ユニット22のギャップ調整が行われている。
【0072】
図7に示すように、この画像形成方法は、第1インク91を吐出して記録媒体W上に第1画像D1を形成する第1画像形成工程S1と、第1半硬化部41により、第1画像D1を構成する第1インク91を半硬化させる第1半硬化工程S2と、第2インク92を吐出して記録媒体W上に第1画像D1を形成する第2画像形成工程S3と、第2半硬化部42により、第2画像D2を構成する第2インク92を半硬化させる第2半硬化工程S4と、本硬化手段43により、第1画像D1および第2画像D2を本硬化させる本硬化工程S5と、を備えている。
【0073】
第1画像形成工程S1(第1画像形成動作)では、第1記録部31に臨む位置に搬送された記録媒体Wに対し、キャリッジ装置2をX軸方向に往復移動させながら、画像データに基づいて、第1記録部31から第1インク91を吐出して第1画像D1を形成(描画)する(図8(a)および図9(a)参照)。第1画像D1は、黄色以外の有色および無色のインクから構成された画像であり、黄色のインク(第2インク92)が着弾すべき部分が空けられた画像である。なお、本実施形態では、往復移動時(往動時および復動時)においてヘッドユニット21から各インクの吐出(描画)が行われるが、往動時または復動時の一方でのみ描画を行うようにしてもよい。
【0074】
第1半硬化工程S2(第1半硬化動作)では、キャリッジ装置2をX軸方向に往復移動させながら、第1画像形成工程S1において、記録媒体W上に着弾した第1インク91(のインク滴)を半硬化させる。例えば、キャリッジ装置2が往動時に第1画像D1を描画している場合には、往動方向の下流側(図8において右側)の第1半硬化手段45を用いて紫外線を照射しながら往動させる(図8(b)参照)。このように、光硬化特性の異なる黄色(第2インク92)以外の第1インク91を先に吐出させる構成であるため、記録媒体W上の第1インク91(第1画像D1)に対して、最適な中心波長を有した紫外線を照射することができる。これにより、第1画像D1を適切に半硬化させることができ、各色のインクの混色を防止することができる。また、記録媒体W上の各インク滴の大きさが均一化されるため、第1画像D1の表面の凹凸を抑制し、平坦にすることができる。
また、上記の例では、第1インク91が吐出された直後に半硬化を行っているため、描画のための移動に伴って連続的に、記録媒体W上の各インク滴の半硬化を行うことができる。このため、第1画像D1を短時間で形成(描画および半硬化)することができる。他にも、往動時に描画のみを行い、復動時に、復動方向の下流側の第1半硬化手段45を用いて半硬化を行うこともできる。この場合、記録媒体W上での各インク滴は、紫外線が照射されるまで時間がかかるため、大きく濡れ広がり、凹凸が更に抑えられた滑らかな表面となる。このように、第1インク91の半硬化までの時間を制御することができ、第1画像D1の表面粗さを任意に設定することができる。
【0075】
第1画像形成工程S1および第1半硬化工程S2が終了すると、媒体送り機構12により、記録媒体Wの第1画像D1が描画された部分は、第2記録部32に臨む位置までY軸方向下流側に移動され、再びプラテン17上に固定される。そして、記録媒体Wに対して、続く第2画像形成工程S3が行われる。
【0076】
第2画像形成工程S3(第2画像形成動作)では、キャリッジ装置2をX軸方向に往復移動させながら、第2記録部32から第2インク92を吐出して、第2画像D2を形成する(図8(c)参照)。第2画像D2は、第1画像D1に存在しない黄色のインクのみからなる画像であり、第1画像D1と第2画像D2とで1つの画像が完成される。なお、第1画像形成工程S1と同様に、第2画像形成工程S3も往復移動時(往動時および復動時)に第2インク92の吐出が行われるが、往動時または復動時の一方でのみ第2画像形成動作を行うようにしてもよい。
【0077】
第2半硬化工程S4(第2半硬化動作)では、第1半硬化工程S2と同様に、キャリッジ装置2をX軸方向に往復移動させながら、第2半硬化手段46を用いて、第2画像D2(第2インク92)を半硬化させる(図8(d)参照)。このように、第1インク91とは別に、光硬化特性の異なる第2インク92(黄色)のみを半硬化させることができるため、第2インク92に最適な中心波長を有した紫外線をもって、第2半硬化動作を行うことができる。これにより、第1インク91の半硬化に影響を与えることも受けることもなく、第2インク92が半硬化しなかったり、または第1インク91が硬化し過ぎたりする等の問題を防止することができる。また、第2形成動作に伴って且つ連続して、または時間を隔てて、第2インク92の半硬化を行うことができ、第2画像D2の表面粗さを調整することができる。なお、第1画像D1(第1インク91)は、半硬化しているため、第2インク92が混色してしまうことはない。
【0078】
第2画像形成工程S3および第2半硬化工程S4が終了すると、媒体送り機構12により、記録媒体Wの第1画像D1および第2画像D2が形成された部分は、本硬化手段43に臨む位置まで、Y軸方向下流側に移動され、再びプラテン17上に固定される。そして、形成された第1画像D1および第2画像D2に対して、続く本硬化工程S5が行われる。
【0079】
本硬化工程S5(本硬化動作)では、キャリッジ装置2をX軸方向に往復移動させながら、本硬化手段43により、第1画像D1および第2画像D2を本硬化させる(図8(e)参照)。この場合、第1画像D1および第2画像D2は、既に半硬化が行われているため、本硬化動作にかかる時間を短くすることができる。また、本硬化工程S5により、第1画像D1および第2画像D2は、完全に硬化するため、描画済みの記録媒体Wを次々重ねたとしても、描画結果(画像)が崩れたり、インク汚れが写ることがない。なお、本硬化工程S5(本硬化手段43)を省略して、第2半硬化工程S4において第2半硬化手段46により本硬化を行ってもよい。
【0080】
なお、第2画像形成工程S3および第2半硬化工程S4が行われている時、Y軸方向上流側では、第1画像形成工程S1および第1半硬化工程S2が並行して行われている(図9(b)参照)。同様に、本硬化工程S5が行われている時、Y軸方向上流側では、第2画像形成工程S3および第2半硬化工程S4、第1画像形成工程S1および第1半硬化工程S2が、それぞれ並行して行われている(図9(c)参照)。すなわち、本実施形態のインクジェット記録装置1では、(1)第1画像D1の描画とそれらの半硬化、(2)第2画像D2の形成とその半硬化、(3)第1画像D1および第2画像D2の本硬化が、同一の主走査(X軸方向への移動)において、並行して且つ連続的に行うことができる。これにより、第1画像D1および第2画像D2を効率良く記録媒体W上に形成することができる。
【0081】
なお、上述した画像形成方法(の手順)は一例であり、各工程は、少なくともキャリッジ装置2の往動時または復動時のいずれかで行えばよい。例えば、キャリッジ装置2を往動時に第1画像形成工程S1、第1半硬化工程S2および本硬化工程S5を行い、復動時に第2画像形成工程S3および第2半硬化工程S4を行うようにしてもよい。
【0082】
以上の構成によれば、第1インク91とは別に、半硬化に必要な中心波長領域が異なる第2インク92のみを半硬化させることができるため、第2インク92に最適な中心波長を有した紫外線で半硬化させることができる。これにより、第2インク92が硬化しない等の問題を防止することができる。
【0083】
(第2実施形態)
上述した第1実施形態に係る画像形成方法では、記録媒体W上の第1インク91が吐出・着弾していない部分に第2インク92を吐出・着弾させていたが、図10(a)に示すように、第1インク91で構成された第1画像D1に重ねるようにして第2インク92を吐出し、第2画像D2を形成してもよい。
この場合、完成した画像に、第1画像D1から第2画像D2が浮き上がるような効果(エンボス)を与えることができる。これにより、表現豊かな画像を形成することができる。
【0084】
(第3実施形態)
上述した第1実施形態の第1記録部31は、9個の第1記録ヘッド31a(記録ヘッド30)を備えていたが、オーバーコーティング用の無色(透明)のインクを吐出するための第1記録ヘッド31aを更に搭載してもよい(計10個の第1記録ヘッド31a)。このオーバーコーティング用の無色(CL)のインクは、第1画像D1および第2画像D2を保護すると共に光沢を与えるためのものコート層D3を形成するためのものである。この場合、第2半硬化工程S4が終了した後に、記録媒体Wを第1記録部31に臨む位置にまで、媒体送り機構12により逆送(Y軸方向上流側に移動)させる。そして、オーバーコーティング用の無色のインクを吐出して、第1画像D1上および第2画像D2上にコート層D3を形成する(図10(b)参照)。なお、オーバーコーティング用の無色のインクは、第1インク91に含まれる無色のインクと同一のものでもよいし、粘性や硬化時の光沢等が異なるインクを用いてもよい。また、第2実施形態においてコート層D3を形成してもよい。
【0085】
(第4実施形態)
第4実施形態に係るキャリッジ装置2では、図示は省略するが、一のキャリッジ上に、一対の第1半硬化手段45の間に第1記録部31を配設してX軸方向に整列させた第1記録/硬化部と、第1記録/硬化部のX軸方向下流側において、一対の第2半硬化手段46の間に第2記録部32を配設してX軸方向に整列させた第2記録/硬化部と、を備えている。つまり、第1記録部31、第1半硬化部41、第2記録部32および第2半硬化部42がX軸方向に並んでいる。
これにより、例えば、キャリッジを往復移動させる構成の場合、往動時に第1インク91を吐出した直後に第1半硬化部41から紫外線を照射して半硬化を行い、復動時に第2インク92を吐出した直後に第2半硬化部42から光を照射して半硬化を行うことができる。このため、第1実施形態に係るものと同様に、第1インク91とは別に、第2インク92を最適な中心波長を有した紫外線で半硬化させることができる。
他にも、往動時に第1インク91および第2インク92の吐出のみを行い、復動時に各半硬化動作を行うこともできる。これにより、各インクの半硬化までの時間を制御することができ、画像の表面粗さを任意に設定することができる。なお、第1実施形態と同様に、本硬化手段43をY軸方向下流側に設けた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1:インクジェット記録装置、2:キャリッジ装置、21:ヘッドユニット、22:光硬化ユニット、30:記録ヘッド、31:第1記録部、31a:第1記録ヘッド、32:第2記録部、32a:第2記録ヘッド、33:記録キャリッジ、41:第1半硬化部、42:第2半硬化部、43:本硬化手段、44:光硬化キャリッジ、45:第1半硬化手段、46:第2半硬化手段、91:第1インク、92:第2インク、W:記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に対しインクジェット方式の記録部を相対的に移動させながら、前記記録部から光硬化型のインクを吐出させて、前記記録媒体上に所望の画像を形成するインクジェット記録装置であって、
前記記録媒体に対し、第1インクを吐出する第1記録部と、
前記記録媒体に対し、前記第1インクとは硬化に必要な光の中心波長が異なる第2インクを吐出する第2記録部と、
前記記録媒体に光を照射し、前記記録媒体上の前記第1インクを硬化させる第1硬化部と、
前記記録媒体に光を照射し、前記記録媒体上の前記第2インクを硬化させる第2硬化部と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記第2インクは、前記第1インクより中心波長が短い光で硬化することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記第2インクは、黄色のインクであることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記第1硬化部は、前記第1インクを半硬化させ、
前記第2硬化部は、前記第2インクを半硬化させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記記録媒体上の前記第1インクおよび前記第2インクを本硬化させる本硬化部を、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記第1記録部、前記第2記録部、前記第1硬化部、前記第2硬化部および前記本硬化部が搭載されたキャリッジと、
前記キャリッジを、前記記録媒体に対し主走査方向および副走査方向に相対的に移動させる移動手段と、を更に備え、
前記キャリッジは、
前記第1記録部および前記第2記録部が搭載された記録キャリッジと、
前記第1硬化部、前記第2硬化部および前記本硬化部が搭載された光硬化キャリッジと、を有していることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
前記第1記録部は、複数色の前記第1インクを吐出する複数の第1記録ヘッドが、主走査方向に並んで配設されており、
前記第2記録部は、前記第2インクを吐出する第2記録ヘッドが、前記第1記録部に対し、副走査方向の下流側に配設されていることを特徴とする請求項5または6に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
前記本硬化部は、前記第2記録部に対し、副走査方向の下流側に配設されていることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項9】
記録媒体に光硬化型インクを吐出する記録部と、
前記記録部により吐出されて前記記録媒体に付着した光硬化型インクに対して光を照射する硬化部と、
所定の搬送方向に搬送される前記記録媒体に対して前記搬送方向と交差する方向に相対的に移動可能なキャリッジと、を有するインクジェット記録装置であって、
第1の光硬化型インクを吐出する第1の記録部と、
第2の光硬化型インクを吐出する第2の記録部と、
前記第1の光を照射し、前記記録媒体上の前記第1の光硬化型インクを半硬化させる第1硬化部と、
前記第1の光とは中心波長の異なる第2の光を照射し、前記記録媒体上の前記第2の光硬化型インクを半硬化させる第2硬化部と、を備え、
前記キャリッジに、前記第1の記録部および前記第1硬化部を備えるとともに、前記第1の記録部の前記搬送方向下流側に前記第2の記録部と前記第2硬化部を配置することを特徴とするインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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