インクジェット記録装置
【課題】インクジェット記録装置の小型化を考慮した記録装置を提供すること。
【解決手段】記録ヘッドを備え、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットとヘッドユニットの移動領域における一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングとヘッドユニットに接続されインクを記録ヘッドへと導く可撓性を有するインクチューブと、インクチューブと直接又は間接に係合する係合部においてインクチューブの位置を規制する部材であり係合部が開口部の内側に位置する、開口部に配設されるチューブ係合部材とを備え、ヘッドユニットの上側に高低差が形成されチューブ係合部材において係合部或いはインクチューブにおいて係合部と係合する部分がヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際にヘッドユニットにおける低位置とハウジングとの間の空間に入り込んでいることを特徴とする。
【解決手段】記録ヘッドを備え、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットとヘッドユニットの移動領域における一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングとヘッドユニットに接続されインクを記録ヘッドへと導く可撓性を有するインクチューブと、インクチューブと直接又は間接に係合する係合部においてインクチューブの位置を規制する部材であり係合部が開口部の内側に位置する、開口部に配設されるチューブ係合部材とを備え、ヘッドユニットの上側に高低差が形成されチューブ係合部材において係合部或いはインクチューブにおいて係合部と係合する部分がヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際にヘッドユニットにおける低位置とハウジングとの間の空間に入り込んでいることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ファクシミリやプリンターに代表されるインクジェット記録装置に関し、特に記録ヘッドを備えるとともに所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、当該ヘッドユニットから独立したインク収容部と、ヘッドユニットとインク収容部との間のインク流路を形成するインクチューブと、を備えたインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
ファクシミリやプリンターに代表される記録装置、その中でも特にインクジェット記録装置には、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに所定の移動方向に移動可能なヘッドユニット（キャリッジと呼ばれる場合もある）を備えた、所謂シリアル式のインクジェット記録装置がある。
【０００３】
ここで、ヘッドユニットには、インクを収容するインク収容部（以下では適宜「インクカートリッジ」と言う）を搭載するものと、インクカートリッジを搭載しないものとがある。
【０００４】
ヘッドユニットにインクカートリッジを搭載するものは、ヘッドユニットはインクカートリッジを搭載した状態で所定方向に往復動し、ヘッドユニット内部で、インクカートリッジから記録ヘッドへとインクが供給される。インクカートリッジを搭載しないものは、インクカートリッジがヘッドユニットから独立して設けられ、インクカートリッジとヘッドユニット（記録ヘッド）とは、インク供給用のインクチューブによって連通される（例えば、特許文献１）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２０１０−１３１８９３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
このインクジェット記録装置において、インクチューブの一端側はヘッドユニットに接続され、他端側はインク収容部に接続されている。このインクチューブは、ヘッドユニットから延出し、ヘッドユニットの移動方向すなわち主走査方向に沿って引き回され、そしてインク収容部へ延びている。
【０００７】
上述のインクチューブは或る程度の長さを有しており、またヘッドユニットの移動動作に伴って変形もすることから、装置内部で完全に自由な状態で引き回すことは不適切であり、従って装置内部の適宜の場所で固定されていた。しかしながら従来、インクチューブは装置レイアウト上必ずしも適切な位置では固定されておらず、インクジェット記録装置の大型化を招く場合があった。
【０００８】
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、前記インクジェット記録装置の小型化を考慮したインクジェット記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を達成するため、本発明の第１の態様のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブの位置を規制する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、ことを特徴とする。
【００１０】
本態様によれば、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、ヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際に、ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいることから、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００１１】
上記課題を達成するため、本発明の第２の態様のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブの位置を規制する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と高位置との間の空間に入り込んでいる、ことを特徴とする。
【００１２】
本態様によれば、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、ヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際に、ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間に入り込んでいることから、前記ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００１３】
本発明の第３の態様のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを固定する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、ことを特徴とする。
【００１４】
本態様によれば、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、ヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際に、ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間に入り込んでいることから、前記ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００１５】
本発明の第４の態様のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを支持する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、ことを特徴とする。
【００１６】
本態様によれば、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、ヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際に、ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間に入り込んでいることから、前記ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００１７】
本発明の第５の態様のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブをガイドする部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、ことを特徴とする。
【００１８】
本態様によれば、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、ヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際に、ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間に入り込んでいることから、前記ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００１９】
本発明の第６の態様のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを載置する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、ことを特徴とする。
【００２０】
本態様によれば、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、ヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際に、ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間に入り込んでいることから、前記ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００２１】
本発明の第７の態様のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを吊り下げる部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、ことを特徴とする。
【００２２】
本態様によれば、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、ヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際に、ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間に入り込んでいることから、前記ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００２３】
本発明の第８の態様は、第１から第７のいずれか一の態様において、前記チューブ係合部材は、前記インクジェット記録装置において記録が行われた被記録媒体が排出される排出口が設けられた側を装置前方側としたとき、前記開口部の装置前方側において前記ハウジングに支持されている、ことを特徴とする。
【００２４】
本発明の第９の態様は、第８の態様において、前記インクチューブは、前記チューブ係合部材を経て、前記ハウジングの前面側に延出していることを特徴とする。
【００２５】
本発明の第１０の態様は、第９の態様において、前記インクチューブは、前記ハウジングの前面を通り、前記ハウジングの側方へ出ていることを特徴とする。
【００２６】
本発明の第１１の態様は、第１から第７のいずれか一の態様において、前記インクチューブを複数本有し、当該複数本のインクチューブが前記係合部において水平方向に配列されていることを特徴とする。
【００２７】
本発明の第１２の態様は、第１から第７のいずれか一の態様において、前記インクチューブを複数本有し、当該複数本のインクチューブが前記係合部において前記上下方向に配列されていることを特徴とする。
【００２８】
本発明の第１３の態様は、第１から第７のいずれか一の態様において、前記係合部は、前記ヘッドユニットの移動方向と交差する方向に沿った部分と、前記ヘッドユニットの移動方向に沿った部分と、を有することを特徴とする。
【００２９】
本発明の第１４の態様は、第１から第７のいずれか一の態様において、前記ハウジングの外側に前記インク収容部を備えていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【００３０】
【図１】本発明に係るインクジェットプリンターの斜視図。
【図２】本発明に係るインクジェットプリンター内部の概略を示す側断面図。
【図３】第１の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図。
【図４】第１の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図。
【図５】第２の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図。
【図６】第３の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図。
【図７】第３の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図。
【図８】第４の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図。
【図９】第４の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図。
【図１０】第５の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図。
【図１１】第５の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図。
【図１２】第６の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図。
【図１３】第７の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図。
【図１４】第７の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図。
【図１５】ヘッドユニット上部の領域を示す、ヘッドユニットの側面図。
【発明を実施するための形態】
【００３１】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施例において同一の構成については、同一の符号を付し、最初の実施例においてのみ説明し、以後の実施例においてはその構成の説明を省略する。
【００３２】
図１は本発明に係るインクジェット記録装置としてのインクジェットプリンターの外観を示す斜視図であり、図２は本発明に係るインクジェットプリンター内部の概略を示す側断面図であり、図３は本発明に係る第１の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図であり、図４は第１の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図である。
【００３３】
また、図５は第２の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図であり、図６は本発明に係る第３の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図である。更に、図７は第３の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図であり、図８は本発明に係る第４の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図であり、図９は第４の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図である。
【００３４】
また、図１０は本発明に係る第５の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図であり、図１１は第５の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図であり、図１２は第６の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図である。更に、図１３は本発明に係る第７の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図であり、図１４は第７の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図である。加えて図１５はヘッドユニット上部の領域を示す、ヘッドユニットの側面図である。
尚、上記各側面図は、ヘッドユニットの移動方向から当該ヘッドユニット及びチューブ係合部材を見た際の図である。
【００３５】
図１を参照するに、本発明に係るインクジェットプリンター１０（以下、プリンター１０という。）の外観が示されている。プリンター１０の背面側（図１紙面左側）には、被記録媒体差し込み口１２が設けられている。被記録媒体差し込み口１２は、プリンター１０の内部に設けられたホッパー１４（図２参照）に被記録媒体を外部から供給する。
また、プリンター１０の正面側（図１紙面右側）には、記録された被記録媒体を排出する排出口１６が設けられている。
【００３６】
さらに、プリンター１０は、その外観がハウジング１８によって構成されている。ハウジング１８は、後述するヘッドユニット２６の所定の移動方向として主走査方向（プリンター１０の長辺方向）における移動領域の一部の上方及び前方を露呈させる開口部２４を有しており、開口部２４の両側が、ヘッドユニット２６の移動領域上方を覆うカバー部２０を構成している。開口部２４には、カバー２２が回動可能に設けられており、開いた状態においてハウジング１８の内部空間に開口部２４を介して外部からアクセス可能なように開口部２４を開放する。尚、本実施形態においてはカバー２２が設けられているが、カバー２２を設けない構成であっても構わない。
【００３７】
また、ハウジング１８の前面２８に開口部２４の内側に突出するチューブ係合部材３０が設けられている。さらに、プリンター１０のハウジング１８の外側の離れた位置には、複数の外部インク収容部３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄが配置されている。
【００３８】
ヘッドユニット２６から開口部２４内に延出させられた複数の可撓性のインクチューブ３４は、チューブ係合部材３０及びハウジング１８の前面２８を経てハウジング１８の右側方に延び、外部インク収容部３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄにそれぞれ接続されている。
【００３９】
図２を参照するに、プリンター１０の背面側には、被記録媒体が積層されるホッパー１４が、該ホッパーの上方を支点に揺動可能に設けられている。ホッパー１４の最上位に積層された被記録媒体は、給送部３６によって、搬送方向下流側である記録部３８へ給送される。
【００４０】
具体的には、ホッパー１４に積層された被記録媒体は、給送用モーター（図示せず）によって駆動する給送ローラー４０によりピックアップされて、一対の被記録媒体ガイド４２（図１参照）に案内されながら搬送方向の下流側の一対の搬送ローラー４４へと給送される。搬送ローラー４４まで給送された被記録媒体は、搬送用モーター（図示せず）によって駆動される主搬送ローラー４４ａと主搬送ローラー４４ａの動きに従動する従動搬送ローラー４４ｂとに挟持されて、さらに搬送方向の下流側の記録部３８へと搬送される。
【００４１】
記録部３８は、被記録媒体を下方から支持する媒体支持部材４６と、該媒体支持部材の上方側に対向するように設けられた後述する記録ヘッド４８とによって構成される。ヘッドユニット２６は、所定の移動方向である主走査方向（図２の例では、紙面に垂直な方向）へ延びたヘッドユニットガイド軸５０に案内されながら、ヘッドユニットモーター（図示せず）によって往復動可能に主走査方向へ駆動させられる。さらに、ヘッドユニット２６の底面部には、被記録媒体へ向かってインクを吐出する記録ヘッド４８が設けられている。
【００４２】
記録部３８で記録された被記録媒体は、さらに下流側に搬送され、一対の排紙ローラー５２へと搬送される。排紙ローラー５２まで搬送された被記録媒体は、排紙用モーター（図示せず）によって駆動される主排紙ローラー５２ａと主排紙ローラー５２ａの動きに従動する従動排紙ローラー５２ｂとに挟持され、プリンター１０の正面側に設けられた排出口１６から排出される。
【００４３】
さらに、本実施例においてプリンター１０は、媒体支持部材４６及び排紙ローラー５２の下方に格納され、プリンター１０の正面側に引き出すことが可能な引き出し式の排紙ガイド５４を備えている。
【００４４】
■■■第１の実施例■■■■■
図３及び図４を参照するに、本発明に係るチューブ係合部材の第１の実施例が示されている。尚、図４において、カバー２２は取り外された状態である。
チューブ係合部材３０は、ハウジング１８の前面２８に支持され、開口部２４の内側に向けて突出している係合部５６を有している。ここで、係合部５６のプリンター１０の高さ方向すなわち上下方向（図３の例では紙面上下方向）における開口部２４内での位置について説明する。
【００４５】
図３にはヘッドユニット２６の移動方向から当該ヘッドユニット２６とチューブ係合部材３０を見た際の、チューブ係合部材３０の係合部５６との関係が示されている。
ヘッドユニット２６の上部５８には、高低差ｈが形成されている。ヘッドユニット２６の高さ方向すなわち上下方向（図３の紙面上下方向）において高低差ｈにおける高位置を上部５８の高位置部６０とし、低位置を上部５８の低位置部６２とする。
【００４６】
また、ヘッドユニット２６は、その位置が主走査方向における右端又は左端にあるとき、ヘッドユニット２６の一部又は全部の上方がハウジング１８のカバー部２０に覆われている。このとき、高位置部６０とカバー部２０との間に第１の空間６４が形成され、低位置部６２とカバー部２０との間に第２の空間６６が形成されている。第２の空間６６は、第１の空間６４よりも大きい。
【００４７】
尚、ここで厳密には、第１の空間６４とは、図１５に示す空間Ｃに相当する。空間Ｃは、ヘッドユニット２６の一部又は全部がカバー部２０の下に位置する状態において、カバー部２０と、ヘッドユニット２６の高位置部６０と、線Ｌ３（高位置部６０の後端を通る垂線）及び線Ｌ４（高位置部６０の前端を通る垂線）と、のこれらに囲われた空間である。
【００４８】
また第２の空間６６とは、図１５に示す空間Ａ＋Ｂに相当する。空間Ａ＋Ｂは、ヘッドユニット２６の一部又は全部がカバー部２０の下に位置する状態において、カバー部２０と、ヘッドユニット２６の低位置部６２と、線Ｌ１（低位置部６２の前端を通る垂線）及び線Ｌ３（高位置部６０の最高部を通る水平線）と、のこれらに囲われた空間である。尚、空間Ａは、ヘッドユニット２６において高位置部６０と低位置部６２との間に形成された空間であり、より具体的には線Ｌ１と、線Ｌ２と、ヘッドユニット２６と、の間に形成された空間である（以下、空間Ａを第３の空間６７と言う）。以降説明する他の実施例でも、第１、第２、第３の空間のこれらの具体的領域は、上述の通りとする。
【００４９】
本実施例では、ヘッドユニット２６から延出されたインクチューブ３４は、主走査方向に沿って左方向に延びた後、湾曲して右方向に向きを変え、チューブ係合部材３０の係合部５６において水平方向に整列した状態で固定されている。より具体的には、インクチューブ３４は、チューブ係合部材３０の係合部５６の上面７２に水平方向に整列するように接着剤で接着されている。
【００５０】
尚、係合部５６は、本実施例ではインクチューブ３４を固定する部分であるが、インクチューブ３４の位置を規制する機能を有していても良いし、或いはインクチューブ３４を支持する機能を有していても良いし、或いはインクチューブ３４をガイドする機能を有していても良いし、或いはインクチューブ３４を載置するものであっても良いし、或いはインクチューブ３４を吊り下げるものであっても良い。これは、以降説明する他の実施例でも同様である。
【００５１】
ここで、チューブ係合部材３０の係合部５６は、図３において前記上下方向における位置が第２の空間６６に位置し、更に本実施形態では第３の空間６７に位置している。即ち、本実施形態では係合部５６は上下方向においてヘッドユニット２６よりも上方に突出しない位置にあり、また水平方向ではヘッドユニット２６よりも前方（図３の右方）に突出しない位置にある。尚、係合部５６は、より具体的には図１５に示すチューブ係合部材３０における、インクチューブ３４と係合している領域（符号Ｔで示す範囲）である。
【００５２】
さらに、本実施例において係合部５６は、図３においてヘッドユニット２６の低位置部６２に設けられた案内部６８に固定されたインクチューブ３４よりも上方に位置する。これにより、係合部５６は、ヘッドユニット２６が主走査方向に移動するとき、ヘッドユニット２６から延出したインクチューブ３４と干渉しない。
【００５３】
そして図４を参照するに、インクチューブ３４は、係合部５６から左方向に延び、更にハウジング１８の前面２８側に向けて延出し、ハウジング１８の前面２８に沿ってハウジング１８の右側方へ延びている。図４の例では、インクチューブ３４は、ハウジング１８の前面２８に設けられた板状のインクチューブ固定部７４に上下方向に整列するように接着剤で接着されている。
【００５４】
インクチューブ３４は、ハウジング１８の右側方から延出し、ハウジング１８の外側の離れた位置に配置された外部インク収容部３２に接続されている。これにより、インクチューブ３４は、外部インク収容部３２からヘッドユニット２６を介して記録ヘッド４８にインクを供給する。
【００５５】
以上説明した様に、本実施例によれば、チューブ係合部材３０においてインクチューブ３４と係合する係合部５６が、ヘッドユニット２６の移動方向からヘッドユニット２６とチューブ係合部材３０を見た際に（図３、図１５）、第２の空間６６に位置し、特に本実施例では第３の空間６７に収まっていることから、第２の空間６６を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００５６】
尚、本実施形態では、係合部５６と当該係合部５６におけるインクチューブ３４（インクチューブ３４において係合部５６と係合する部分）が、第３の空間６７（図１５の領域Ａ）に収まる様に設けられているが、一部が領域Ｂに掛かる様に設けられていても良いし、或いは一部が図１５の直線Ｌ１より右側に位置していても良い。即ち本発明は、係合部５６或いはインクチューブ３４において係合部５６と係合する部分が第３の空間６７を利用することに特徴があり、係合部５６或いはインクチューブ３４において係合部５６と係合する部分の少なくとも一部が第３の空間６７を利用していれば、本発明の範囲に含まれるものとなる。
【００５７】
例えば、図１５に示す位置よりも係合部５６が上方にあり、係合部５６は領域Ａにあるがインクチューブ３４が領域Ｂにある様な状態でも良い。或いは、係合部５６が領域Ａと領域Ｂの双方に掛かっていても良い。或いは、図１５に示す位置よりも係合部５６が右方にあり、４本のインクチューブ３４のうち１本〜３本が図１５の直線Ｌ１より右方にあっても良い。即ち、係合部５６の少なくとも一部、或いはインクチューブ３４の少なくとも一部が、第３の空間６７（図１５の領域Ａ）を利用していれば良い。
【００５８】
■■■第２の実施例■■■■■
図５は第２の実施例を示している。本実施例において上述した第１の実施例と異なるのは、図５に示すようにインクチューブ３４を係合部５６の下面７６に接着剤で接着する構成としている点である。第２の実施例においてもインクチューブ３４は、係合部５６の下面７６に前記水平方向に整列するように接着剤で接着されている。
【００５９】
本実施例においても、チューブ係合部材３０の係合部５６の上下方向の位置は、チューブ係合部材３０の係合部５６の下面７６に固定されたインクチューブ３４とヘッドユニット２６の低位置部６２に設けられた案内部６８に固定されたインクチューブ３４とが干渉しないように設定されている。
【００６０】
<<<第１、第２の実施例の変形例>>>
尚、上述した第１、第２の実施例は、以下の様に変形しても良い。
（１）インクチューブ３４を係合部５６に接着剤で接着する構成に代えて、両面テープ等の粘着部材でインクチューブ３４を貼り付ける構成としても良い。
（２）インクチューブ３４をインクチューブ固定部７４に接着剤で接着する構成に代えて、インクチューブ３４を両面テープ等の粘着部材でインクチューブ固定部７４に貼り付ける構成としてもよく、或いはインクチューブ固定部７４を介さずにインクチューブ３４を直接ハウジング１８の前面２８に固定しても良い（以降説明する他の実施例でも同様）。
【００６１】
（３）インクチューブ固定部７４をハウジング１８の前面２８から前方に突出させる構成とし、インクチューブ３４をインクチューブ固定部７４に水平方向に整列させて固定しても良い（以降説明する他の実施例でも同様）。
（４）チューブ係合部材３０は、ハウジング１８に対し接着剤で固定されていても良いし、粘着材で貼り付け固定されていても良いし、ねじ固定されていても良いし、種々の固定方法を採用し得る。
【００６２】
■■■第３の実施例■■■■■
図６及び図７を参照するに、本発明に係るチューブ係合部材の第３の実施例が示されている。本実施例は、複数のインクチューブ３４がチューブ係合部材８０の係合部８２の上面８４に設けられた案内部８６によって案内されているという点で第１の実施例と相違する。その他の構成については、第１の実施例と同じである。
【００６３】
本実施例では、係合部８２の上面８４に上方へ向けて突出し、前記水平方向に延びる板状の案内部８６が設けられている。案内部８６には、インクチューブ３４の数に対応する数の穴８８が主走査方向に向けて開口するように前記水平方向に整列して設けられている。案内部８６の穴８８には、それぞれインクチューブ３４が通されている。インクチューブ３４は、案内部８６により前記水平方向に配列させられている。
【００６４】
本実施例においてもインクチューブ３４は、係合部８２の上面８４の案内部８６からその延出方向を変えて、ハウジング１８の前面２８側に向けて延出している。さらにインクチューブ３４は、ハウジング１８の前面２８に沿ってハウジング１８の右側方へ延び、ハウジング１８の外側の離れた位置に配置された外部インク収容部３２に接続されている。
【００６５】
<<<第３の実施例の変形例>>>
尚、上述した第３の実施例は、以下の様に変形しても良い。
（１）案内部８６をチューブ係合部材８０の係合部８２の上面８４に設ける構成に代えて、案内部８６を係合部８２の下面９４に設ける構成としても良い。
（２）案内部８６は、チューブ係合部材８０に対し接着剤で固定されていても良いし、粘着材で貼り付け固定されていても良いし、ねじ固定されていても良いし、種々の固定方法を採用し得る。また、案内部８６は、チューブ係合部材８０に一体的に形成されていても良い。
【００６６】
（３）チューブ係合部材８０は、ハウジング１８に対し接着剤で固定されていても良いし、粘着材で貼り付け固定されていても良いし、ねじ固定されていても良いし、種々の固定方法を採用し得る。
（４）インクチューブ３４は、案内部８６の穴８８において、接着剤等で固定されていても良いし、固定されずに単に穴８８に通されているのみでも良い。
【００６７】
■■■第４の実施例■■■■■
図８及び図９を参照するに、本発明に係るチューブ係合部材の第４の実施例が示されている。本実施例は、複数のインクチューブ３４がチューブ係合部材１００の係合部１０２の上面１０４に設けられた支持部１０６によって支持されているという点で第１の実施例と相違する。その他の構成については、第１の実施例と同じである。
【００６８】
本実施例では、係合部１０２の上面１０４に上方へ向けて突出し、前記水平方向に延びる板状の支持部１０６が設けられている。支持部１０６には、その上端１０８に複数の半円状の切欠き１１０が前記水平方向に沿って設けられている。切欠き１１０は、インクチューブ３４の数に対応し、インクチューブ３４を支持している。支持部１０６は、インクチューブ３４を前記水平方向に配列している。
【００６９】
本実施例においてもインクチューブ３４は、係合部１０２の上面１０４の支持部１０６からその延出方向を変えて、ハウジング１８の前面２８側に向けて延出している。インクチューブ３４は、ハウジング１８の前面２８に沿ってハウジング１８の右側方へ延び、ハウジング１８の外側の離れた位置に配置された外部インク収容部３２に接続されている。
【００７０】
<<<第４の実施例の変形例>>>
尚、上述した第４の実施例は、以下の様に変形しても良い。
（１）支持部１０６をチューブ係合部材１００の係合部１０２の上面１０４に設ける構成に代えて、下面に設ける構成としても良い。
（２）支持部１０６は、チューブ係合部材１００に対し接着剤で固定されていても良いし、粘着材で貼り付け固定されていても良いし、ねじ固定されていても良いし、種々の固定方法を採用し得る。また、支持部１０６は、チューブ係合部材１００に一体的に形成されていても良い。
【００７１】
（３）チューブ係合部材１００は、ハウジング１８に対し接着剤で固定されていても良いし、粘着材で貼り付け固定されていても良いし、ねじ固定されていても良いし、種々の固定方法を採用し得る。
（４）インクチューブ３４は、支持部１０６において、接着剤や粘着材等の種々の固定手段で固定することができる。
【００７２】
■■■第５の実施例■■■■■
図１０及び図１１を参照するに、本発明に係るチューブ係合部材の第５の実施例が示されている。本実施例は、複数のインクチューブ３４がチューブ係合部材１２０の係合部１２２の下面１２４から吊り下げられているという点で第１の実施例と相違する。その他の構成については、第１の実施例と同じである。
【００７３】
本実施例では、係合部１２２の下面１２４に下方へ向けて突出する複数の吊り下げ具１２６が平行に設けられている。吊り下げ具１２６には、その先端にインクチューブ３４を保持する保持環１２８が設けられている。インクチューブ３４は、吊り下げ具１２６の保持環１２８に通され、下面１２４に吊り下げられている。
【００７４】
本実施例において係合部１２２及び吊り下げ具１２６は、ヘッドユニット２６が主走査方向に移動するとき、ヘッドユニット２６の低位置部６２に設けられた案内部６８に固定されたインクチューブ３４に干渉しないように配置されている。
【００７５】
本実施例においてもインクチューブ３４は、係合部１２２の下面１２４の吊り下げ具１２６からその延出方向を変えて、ハウジング１８の前面２８側に向けて延出している。インクチューブ３４は、ハウジング１８の前面２８に沿ってハウジング１８の右側方へ延び、ハウジング１８の外側の離れた位置に配置された外部インク収容部３２に接続されている。
【００７６】
■■■第６の実施例■■■■■
図１２を参照するに、本発明に係るチューブ係合部材の第６の実施例が示されている。本実施例は、チューブ係合部材１３０が、ヘッドユニット２６の移動方向と交差する方向（本実施例では直交する方向）に沿って延びる部分である係合部１３２に加え、ヘッドユニット２６の移動方向に沿って延びる部分である板状部１３４を有しているという点で第１の実施例と相違する。その他の構成については、第１の実施例と同じである。
【００７７】
本実施例では、係合部１３２にさらに前記主走査方向に沿って延びている板状部１３４が設けられている。本実施例においてインクチューブ３４は、係合部１３２の上面１３６及び板状部１３４の上面１３８にインクチューブ３４の複数の個所を接着剤で接着されている。このようにすれば、インクチューブ３４の位置の規制を確実なものとすることができる。
【００７８】
<<<第６の実施例の変形例>>>
尚、上述した第６の実施例は、以下の様に変形しても良い。
（１）板状部１３４は係合部１３２から開口部２４の左端側に延びる構成に代えて、係合部１３２から開口部２４の右端側に延びる構成としても良い。
（２）係合部１３２の上面１３６及び板状部１３４の上面１３８にインクチューブ３４の複数の箇所を接着する構成に代えて、第２の実施例（図５）のように係合部１３２の下面１４０及び板状部１３４の下面１４２にインクチューブ３４の複数の箇所を接着する構成としても良い。
【００７９】
（３）係合部１３２の上面１３６及び板状部１３４の上面１３８若しくは係合部１３２の下面１４０及び板状部１３４の下面１４２に、第３の実施例（図６）の案内部８６を設ける構成としても良く、係合部１３２の上面１３６及び板状部１３４の上面１３８に第４の実施例（図８）の複数の支持部１０６を設ける構成としても良く、係合部１３２の下面１４０及び板状部１３４の下面１４２に第５の実施例（図１０）の複数の吊り下げ具１２６を設ける構成としても良い。
【００８０】
■■■第７の実施例■■■■■
図１３及び図１４を参照するに、本発明に係るチューブ係合部材の第７の実施例が示されている。本実施例は、チューブ係合部材１５０の係合部１５２がさらに前記上下方向に延びている板状部１５４を有し、インクチューブ３４がヘッドユニット１５６の低位置部１５８において前記上下方向に配列されているという点で第１の実施例と相違する。その他の構成については、第１の実施例と同じである。
【００８１】
本実施例において、ヘッドユニット１５６の上部１６０には、高低差ｈが形成され、その高位置に高位置部１６２が設けられ、低位置に低位置部１５８が設けられている。高位置部１６２とハウジング１８のカバー部２０との間に第１の空間１６４（図１５の空間Ｃに相当）が形成され、低位置部１５８とカバー部２０との間に第２の空間１６６（図１５の空間Ａ＋Ｂに相当）が形成されている。また、低位置部１５８と高位置部１６２との間には第３の空間１６７（図１５の空間Ａに相当）が形成されている。
【００８２】
ヘッドユニット１５６から延出されたインクチューブ３４は低位置部１５８から上方に突出し、上方に延びる案内部１６８に前記上下方向に沿って配列され、接着剤で接着されている。インクチューブ３４は、案内部１６８から前記上下方向に整列して前記主走査方向に延びている。
【００８３】
また、チューブ係合部材１５０の係合部１５２においては、その先端に前記上下方向において上方へ延びる延出板状部１５４が設けられている。インクチューブ３４は、延出板状部１５４の背面１７０に前記上下方向に整列するように接着剤で接着されている。すなわち、本実施例では、ヘッドユニット１５６から延出したインクチューブ３４は、前記上下方向に整列した状態で開口部２４内を右端側から左端側へ伸び、該左端側で湾曲して右端側へ向きを変えて延出板状部１５４の背面１７０に前記上下方向に整列した状態で接着されている。
【００８４】
本実施例においてもインクチューブ３４は、係合部１５２の延出板状部１５４の背面１７０からその延出方向を変えて、ハウジング１８の前面２８側に向けて延出している。インクチューブ３４は、ハウジング１８の前面２８に沿ってハウジング１８の右側方へ延び、ハウジング１８の外側の離れた位置に配置された外部インク収容部３２に接続されている。
【００８５】
<<<第７の実施例の変形例>>>
尚、上述した第７の実施例は、以下の様に変形しても良い。
（１）インクチューブ３４を延出板状部１５４の背面１７０に接着する構成に代えて、インクチューブ３４を延出板状部１５４の前面１７２に接着する構成としても良い。
（２）延出板状部１５４を係合部１５２から上方に延出する構成に代えて、係合部１５２から下方に延出する構成としても良い。このとき、係合部１５２から下方に延出した延出板状部１５４は、ヘッドユニット１５６の低位置部１５８及び該低位置部から突出する案内部１６８に固定されたインクチューブ３４と干渉しないように配置される。
【００８６】
（３）延出板状部１５４の背面１７０又は前面１７２に第３の実施例の案内部８６を設ける構成としても良く、第４の実施例の支持部１０６を設ける構成としても良く、第５の実施例の複数の吊り下げ具１２６を設ける構成としても良い。
【００８７】
■■■その他のバリエーション■■■
以上説明した各実施形態は一例であり、本発明はこれら各実施形態に限られない。例えば、以上説明し各実施形態における各構成要素は、更に、以下の様なバリエーションを取りうる。但し、以下のバリエーションは一例であり、本発明が以下に記載されたバリエーションに限定されないことは言うまでもない。
【００８８】
（１）第１の実施例ないし第７の実施例のプリンター１０において、インクチューブ３４は、複数のインクチューブ３４をまとめるためにヘッドユニット２６，１５６と外部インク収容部３２との間で適宜結束手段１７４により結束されている。結束手段１７４は、プラスチック等で形成された結束バンドや、ゴム状部材などである。結束手段１７４は、図示した位置のほか、その他の適宜の位置に設けても良く、また更に多くの位置で設けても良い。逆に、結束手段１７４を設けなくても良い。
【００８９】
（２）第１の実施例ないし第７の実施例のプリンター１０において、カバー２２はハウジング１８から取り外した状態としても良く、又はハウジング１８に対して開いた状態としても良い。
【００９０】
（３）第１の実施例ないし第７の実施例のプリンター１０において、インクチューブ３４をハウジング１８の前面２８を経てハウジング１８の右側方へ延出させる構成としたが、他の実施例として、インクチューブ３４をハウジング１８の前面２８を経てハウジング１８の左側方へ延出させる構成としても良く、インクチューブ３４の一部をハウジング１８の右側方に延出させ、インクチューブ３４の残りをハウジング１８の左側方に延出させる構成としても良い。加えて、インク収容部３２を装置左側に配置しても良い。
【００９１】
（４）第１の実施例ないし第７の実施例のプリンター１０において、外部インク収容部３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄをハウジング１８の右側方の離れた位置に配置する構成としたが、他の実施例として、外部インク収容部３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄをハウジング１８の左側方の離れた位置に配置する構成としても良く、外部インク収容部３２ａ，３２ｂをハウジング１８の右側方に、外部インク収容部３２ｃ，３２ｄをハウジング１８の左側方に配置する構成としても良く、外部インク収容部３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄをハウジング１８の側面に一体に設ける構成としても良い。
【００９２】
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【００９３】
１０ インクジェットプリンター、１２ 被記録媒体差し込み口、１４ ホッパー、１６ 排出口、１８ ハウジング、２０ カバー部、２２ カバー、２４ 開口部、２６，１５６ ヘッドユニット、２８ ハウジングの前面、３０ チューブ係合部材、３２，３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄ 外部インク収容部、３４ インクチューブ、３６ 給送部、３８ 記録部、４０ 給送ローラー、４２ 被記録媒体ガイド、４４ 搬送ローラー、４４ａ 主搬送ローラー、４４ｂ 従動搬送ローラー、４６ 媒体支持部材、４８ 記録ヘッド、５０ ヘッドユニットガイド軸、５２ 排紙ローラー、５２ａ 主排紙ローラー、５２ｂ 従動排紙ローラー、５４ 排紙ガイド、５６，８２，１０２，１２２，１３２，１５２ 突出部位、５８，１６０ ヘッドユニットの上部、６０，１６２ 高位置部、６２，１５８ 低位置部、６４，１６４ 第１の空間、６６，１６６ 第２の空間、６８，１６８ 案内部、７０ 第２の空間と上下方向において同じ位置にある空間、７２，８４，１０４，１３６ 突出部位の上面、７４ インクチューブ固定部、７６，９４，１２４，１４０ 突出部位の下面、８０，１００，１２０，１３０，１５０ チューブ係合部材、８６ 案内、８８ 案内の穴、９０ 案内の前端、９２ 案内の後端、１０６ 支持、１０８ 支持の上端、１１０ 支持の切欠き、１１２ 支持の前端、１１４ 支持の後端、１２６ 吊り下げ具、１２８ 保持環、１３４，１５４ 延出部分、１３８ 延出部分の上面、１４２ 延出部分の下面、１７０ 延出部分の背面、１７２ 延出部分の前面、１７４ 結束手段、ｈ 高低差
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ファクシミリやプリンターに代表されるインクジェット記録装置に関し、特に記録ヘッドを備えるとともに所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、当該ヘッドユニットから独立したインク収容部と、ヘッドユニットとインク収容部との間のインク流路を形成するインクチューブと、を備えたインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
ファクシミリやプリンターに代表される記録装置、その中でも特にインクジェット記録装置には、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに所定の移動方向に移動可能なヘッドユニット（キャリッジと呼ばれる場合もある）を備えた、所謂シリアル式のインクジェット記録装置がある。
【０００３】
ここで、ヘッドユニットには、インクを収容するインク収容部（以下では適宜「インクカートリッジ」と言う）を搭載するものと、インクカートリッジを搭載しないものとがある。
【０００４】
ヘッドユニットにインクカートリッジを搭載するものは、ヘッドユニットはインクカートリッジを搭載した状態で所定方向に往復動し、ヘッドユニット内部で、インクカートリッジから記録ヘッドへとインクが供給される。インクカートリッジを搭載しないものは、インクカートリッジがヘッドユニットから独立して設けられ、インクカートリッジとヘッドユニット（記録ヘッド）とは、インク供給用のインクチューブによって連通される（例えば、特許文献１）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２０１０−１３１８９３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
このインクジェット記録装置において、インクチューブの一端側はヘッドユニットに接続され、他端側はインク収容部に接続されている。このインクチューブは、ヘッドユニットから延出し、ヘッドユニットの移動方向すなわち主走査方向に沿って引き回され、そしてインク収容部へ延びている。
【０００７】
上述のインクチューブは或る程度の長さを有しており、またヘッドユニットの移動動作に伴って変形もすることから、装置内部で完全に自由な状態で引き回すことは不適切であり、従って装置内部の適宜の場所で固定されていた。しかしながら従来、インクチューブは装置レイアウト上必ずしも適切な位置では固定されておらず、インクジェット記録装置の大型化を招く場合があった。
【０００８】
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、前記インクジェット記録装置の小型化を考慮したインクジェット記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を達成するため、本発明の第１の態様のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブの位置を規制する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、ことを特徴とする。
【００１０】
本態様によれば、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、ヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際に、ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいることから、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００１１】
上記課題を達成するため、本発明の第２の態様のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブの位置を規制する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と高位置との間の空間に入り込んでいる、ことを特徴とする。
【００１２】
本態様によれば、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、ヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際に、ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間に入り込んでいることから、前記ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００１３】
本発明の第３の態様のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを固定する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、ことを特徴とする。
【００１４】
本態様によれば、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、ヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際に、ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間に入り込んでいることから、前記ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００１５】
本発明の第４の態様のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを支持する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、ことを特徴とする。
【００１６】
本態様によれば、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、ヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際に、ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間に入り込んでいることから、前記ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００１７】
本発明の第５の態様のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブをガイドする部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、ことを特徴とする。
【００１８】
本態様によれば、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、ヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際に、ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間に入り込んでいることから、前記ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００１９】
本発明の第６の態様のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを載置する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、ことを特徴とする。
【００２０】
本態様によれば、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、ヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際に、ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間に入り込んでいることから、前記ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００２１】
本発明の第７の態様のインクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを吊り下げる部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、ことを特徴とする。
【００２２】
本態様によれば、前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、ヘッドユニットの移動方向からヘッドユニットとチューブ係合部材を見た際に、ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間に入り込んでいることから、前記ヘッドユニットにおける高位置と低位置との間の空間を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００２３】
本発明の第８の態様は、第１から第７のいずれか一の態様において、前記チューブ係合部材は、前記インクジェット記録装置において記録が行われた被記録媒体が排出される排出口が設けられた側を装置前方側としたとき、前記開口部の装置前方側において前記ハウジングに支持されている、ことを特徴とする。
【００２４】
本発明の第９の態様は、第８の態様において、前記インクチューブは、前記チューブ係合部材を経て、前記ハウジングの前面側に延出していることを特徴とする。
【００２５】
本発明の第１０の態様は、第９の態様において、前記インクチューブは、前記ハウジングの前面を通り、前記ハウジングの側方へ出ていることを特徴とする。
【００２６】
本発明の第１１の態様は、第１から第７のいずれか一の態様において、前記インクチューブを複数本有し、当該複数本のインクチューブが前記係合部において水平方向に配列されていることを特徴とする。
【００２７】
本発明の第１２の態様は、第１から第７のいずれか一の態様において、前記インクチューブを複数本有し、当該複数本のインクチューブが前記係合部において前記上下方向に配列されていることを特徴とする。
【００２８】
本発明の第１３の態様は、第１から第７のいずれか一の態様において、前記係合部は、前記ヘッドユニットの移動方向と交差する方向に沿った部分と、前記ヘッドユニットの移動方向に沿った部分と、を有することを特徴とする。
【００２９】
本発明の第１４の態様は、第１から第７のいずれか一の態様において、前記ハウジングの外側に前記インク収容部を備えていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【００３０】
【図１】本発明に係るインクジェットプリンターの斜視図。
【図２】本発明に係るインクジェットプリンター内部の概略を示す側断面図。
【図３】第１の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図。
【図４】第１の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図。
【図５】第２の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図。
【図６】第３の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図。
【図７】第３の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図。
【図８】第４の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図。
【図９】第４の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図。
【図１０】第５の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図。
【図１１】第５の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図。
【図１２】第６の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図。
【図１３】第７の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図。
【図１４】第７の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図。
【図１５】ヘッドユニット上部の領域を示す、ヘッドユニットの側面図。
【発明を実施するための形態】
【００３１】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施例において同一の構成については、同一の符号を付し、最初の実施例においてのみ説明し、以後の実施例においてはその構成の説明を省略する。
【００３２】
図１は本発明に係るインクジェット記録装置としてのインクジェットプリンターの外観を示す斜視図であり、図２は本発明に係るインクジェットプリンター内部の概略を示す側断面図であり、図３は本発明に係る第１の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図であり、図４は第１の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図である。
【００３３】
また、図５は第２の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図であり、図６は本発明に係る第３の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図である。更に、図７は第３の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図であり、図８は本発明に係る第４の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図であり、図９は第４の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図である。
【００３４】
また、図１０は本発明に係る第５の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図であり、図１１は第５の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図であり、図１２は第６の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図である。更に、図１３は本発明に係る第７の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材及びヘッドユニットの側面図であり、図１４は第７の実施例のチューブ係合部材を示す当該チューブ係合部材の斜視図である。加えて図１５はヘッドユニット上部の領域を示す、ヘッドユニットの側面図である。
尚、上記各側面図は、ヘッドユニットの移動方向から当該ヘッドユニット及びチューブ係合部材を見た際の図である。
【００３５】
図１を参照するに、本発明に係るインクジェットプリンター１０（以下、プリンター１０という。）の外観が示されている。プリンター１０の背面側（図１紙面左側）には、被記録媒体差し込み口１２が設けられている。被記録媒体差し込み口１２は、プリンター１０の内部に設けられたホッパー１４（図２参照）に被記録媒体を外部から供給する。
また、プリンター１０の正面側（図１紙面右側）には、記録された被記録媒体を排出する排出口１６が設けられている。
【００３６】
さらに、プリンター１０は、その外観がハウジング１８によって構成されている。ハウジング１８は、後述するヘッドユニット２６の所定の移動方向として主走査方向（プリンター１０の長辺方向）における移動領域の一部の上方及び前方を露呈させる開口部２４を有しており、開口部２４の両側が、ヘッドユニット２６の移動領域上方を覆うカバー部２０を構成している。開口部２４には、カバー２２が回動可能に設けられており、開いた状態においてハウジング１８の内部空間に開口部２４を介して外部からアクセス可能なように開口部２４を開放する。尚、本実施形態においてはカバー２２が設けられているが、カバー２２を設けない構成であっても構わない。
【００３７】
また、ハウジング１８の前面２８に開口部２４の内側に突出するチューブ係合部材３０が設けられている。さらに、プリンター１０のハウジング１８の外側の離れた位置には、複数の外部インク収容部３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄが配置されている。
【００３８】
ヘッドユニット２６から開口部２４内に延出させられた複数の可撓性のインクチューブ３４は、チューブ係合部材３０及びハウジング１８の前面２８を経てハウジング１８の右側方に延び、外部インク収容部３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄにそれぞれ接続されている。
【００３９】
図２を参照するに、プリンター１０の背面側には、被記録媒体が積層されるホッパー１４が、該ホッパーの上方を支点に揺動可能に設けられている。ホッパー１４の最上位に積層された被記録媒体は、給送部３６によって、搬送方向下流側である記録部３８へ給送される。
【００４０】
具体的には、ホッパー１４に積層された被記録媒体は、給送用モーター（図示せず）によって駆動する給送ローラー４０によりピックアップされて、一対の被記録媒体ガイド４２（図１参照）に案内されながら搬送方向の下流側の一対の搬送ローラー４４へと給送される。搬送ローラー４４まで給送された被記録媒体は、搬送用モーター（図示せず）によって駆動される主搬送ローラー４４ａと主搬送ローラー４４ａの動きに従動する従動搬送ローラー４４ｂとに挟持されて、さらに搬送方向の下流側の記録部３８へと搬送される。
【００４１】
記録部３８は、被記録媒体を下方から支持する媒体支持部材４６と、該媒体支持部材の上方側に対向するように設けられた後述する記録ヘッド４８とによって構成される。ヘッドユニット２６は、所定の移動方向である主走査方向（図２の例では、紙面に垂直な方向）へ延びたヘッドユニットガイド軸５０に案内されながら、ヘッドユニットモーター（図示せず）によって往復動可能に主走査方向へ駆動させられる。さらに、ヘッドユニット２６の底面部には、被記録媒体へ向かってインクを吐出する記録ヘッド４８が設けられている。
【００４２】
記録部３８で記録された被記録媒体は、さらに下流側に搬送され、一対の排紙ローラー５２へと搬送される。排紙ローラー５２まで搬送された被記録媒体は、排紙用モーター（図示せず）によって駆動される主排紙ローラー５２ａと主排紙ローラー５２ａの動きに従動する従動排紙ローラー５２ｂとに挟持され、プリンター１０の正面側に設けられた排出口１６から排出される。
【００４３】
さらに、本実施例においてプリンター１０は、媒体支持部材４６及び排紙ローラー５２の下方に格納され、プリンター１０の正面側に引き出すことが可能な引き出し式の排紙ガイド５４を備えている。
【００４４】
■■■第１の実施例■■■■■
図３及び図４を参照するに、本発明に係るチューブ係合部材の第１の実施例が示されている。尚、図４において、カバー２２は取り外された状態である。
チューブ係合部材３０は、ハウジング１８の前面２８に支持され、開口部２４の内側に向けて突出している係合部５６を有している。ここで、係合部５６のプリンター１０の高さ方向すなわち上下方向（図３の例では紙面上下方向）における開口部２４内での位置について説明する。
【００４５】
図３にはヘッドユニット２６の移動方向から当該ヘッドユニット２６とチューブ係合部材３０を見た際の、チューブ係合部材３０の係合部５６との関係が示されている。
ヘッドユニット２６の上部５８には、高低差ｈが形成されている。ヘッドユニット２６の高さ方向すなわち上下方向（図３の紙面上下方向）において高低差ｈにおける高位置を上部５８の高位置部６０とし、低位置を上部５８の低位置部６２とする。
【００４６】
また、ヘッドユニット２６は、その位置が主走査方向における右端又は左端にあるとき、ヘッドユニット２６の一部又は全部の上方がハウジング１８のカバー部２０に覆われている。このとき、高位置部６０とカバー部２０との間に第１の空間６４が形成され、低位置部６２とカバー部２０との間に第２の空間６６が形成されている。第２の空間６６は、第１の空間６４よりも大きい。
【００４７】
尚、ここで厳密には、第１の空間６４とは、図１５に示す空間Ｃに相当する。空間Ｃは、ヘッドユニット２６の一部又は全部がカバー部２０の下に位置する状態において、カバー部２０と、ヘッドユニット２６の高位置部６０と、線Ｌ３（高位置部６０の後端を通る垂線）及び線Ｌ４（高位置部６０の前端を通る垂線）と、のこれらに囲われた空間である。
【００４８】
また第２の空間６６とは、図１５に示す空間Ａ＋Ｂに相当する。空間Ａ＋Ｂは、ヘッドユニット２６の一部又は全部がカバー部２０の下に位置する状態において、カバー部２０と、ヘッドユニット２６の低位置部６２と、線Ｌ１（低位置部６２の前端を通る垂線）及び線Ｌ３（高位置部６０の最高部を通る水平線）と、のこれらに囲われた空間である。尚、空間Ａは、ヘッドユニット２６において高位置部６０と低位置部６２との間に形成された空間であり、より具体的には線Ｌ１と、線Ｌ２と、ヘッドユニット２６と、の間に形成された空間である（以下、空間Ａを第３の空間６７と言う）。以降説明する他の実施例でも、第１、第２、第３の空間のこれらの具体的領域は、上述の通りとする。
【００４９】
本実施例では、ヘッドユニット２６から延出されたインクチューブ３４は、主走査方向に沿って左方向に延びた後、湾曲して右方向に向きを変え、チューブ係合部材３０の係合部５６において水平方向に整列した状態で固定されている。より具体的には、インクチューブ３４は、チューブ係合部材３０の係合部５６の上面７２に水平方向に整列するように接着剤で接着されている。
【００５０】
尚、係合部５６は、本実施例ではインクチューブ３４を固定する部分であるが、インクチューブ３４の位置を規制する機能を有していても良いし、或いはインクチューブ３４を支持する機能を有していても良いし、或いはインクチューブ３４をガイドする機能を有していても良いし、或いはインクチューブ３４を載置するものであっても良いし、或いはインクチューブ３４を吊り下げるものであっても良い。これは、以降説明する他の実施例でも同様である。
【００５１】
ここで、チューブ係合部材３０の係合部５６は、図３において前記上下方向における位置が第２の空間６６に位置し、更に本実施形態では第３の空間６７に位置している。即ち、本実施形態では係合部５６は上下方向においてヘッドユニット２６よりも上方に突出しない位置にあり、また水平方向ではヘッドユニット２６よりも前方（図３の右方）に突出しない位置にある。尚、係合部５６は、より具体的には図１５に示すチューブ係合部材３０における、インクチューブ３４と係合している領域（符号Ｔで示す範囲）である。
【００５２】
さらに、本実施例において係合部５６は、図３においてヘッドユニット２６の低位置部６２に設けられた案内部６８に固定されたインクチューブ３４よりも上方に位置する。これにより、係合部５６は、ヘッドユニット２６が主走査方向に移動するとき、ヘッドユニット２６から延出したインクチューブ３４と干渉しない。
【００５３】
そして図４を参照するに、インクチューブ３４は、係合部５６から左方向に延び、更にハウジング１８の前面２８側に向けて延出し、ハウジング１８の前面２８に沿ってハウジング１８の右側方へ延びている。図４の例では、インクチューブ３４は、ハウジング１８の前面２８に設けられた板状のインクチューブ固定部７４に上下方向に整列するように接着剤で接着されている。
【００５４】
インクチューブ３４は、ハウジング１８の右側方から延出し、ハウジング１８の外側の離れた位置に配置された外部インク収容部３２に接続されている。これにより、インクチューブ３４は、外部インク収容部３２からヘッドユニット２６を介して記録ヘッド４８にインクを供給する。
【００５５】
以上説明した様に、本実施例によれば、チューブ係合部材３０においてインクチューブ３４と係合する係合部５６が、ヘッドユニット２６の移動方向からヘッドユニット２６とチューブ係合部材３０を見た際に（図３、図１５）、第２の空間６６に位置し、特に本実施例では第３の空間６７に収まっていることから、第２の空間６６を有効に活用し、インクジェット記録装置の小型化を図ることが可能となる。
【００５６】
尚、本実施形態では、係合部５６と当該係合部５６におけるインクチューブ３４（インクチューブ３４において係合部５６と係合する部分）が、第３の空間６７（図１５の領域Ａ）に収まる様に設けられているが、一部が領域Ｂに掛かる様に設けられていても良いし、或いは一部が図１５の直線Ｌ１より右側に位置していても良い。即ち本発明は、係合部５６或いはインクチューブ３４において係合部５６と係合する部分が第３の空間６７を利用することに特徴があり、係合部５６或いはインクチューブ３４において係合部５６と係合する部分の少なくとも一部が第３の空間６７を利用していれば、本発明の範囲に含まれるものとなる。
【００５７】
例えば、図１５に示す位置よりも係合部５６が上方にあり、係合部５６は領域Ａにあるがインクチューブ３４が領域Ｂにある様な状態でも良い。或いは、係合部５６が領域Ａと領域Ｂの双方に掛かっていても良い。或いは、図１５に示す位置よりも係合部５６が右方にあり、４本のインクチューブ３４のうち１本〜３本が図１５の直線Ｌ１より右方にあっても良い。即ち、係合部５６の少なくとも一部、或いはインクチューブ３４の少なくとも一部が、第３の空間６７（図１５の領域Ａ）を利用していれば良い。
【００５８】
■■■第２の実施例■■■■■
図５は第２の実施例を示している。本実施例において上述した第１の実施例と異なるのは、図５に示すようにインクチューブ３４を係合部５６の下面７６に接着剤で接着する構成としている点である。第２の実施例においてもインクチューブ３４は、係合部５６の下面７６に前記水平方向に整列するように接着剤で接着されている。
【００５９】
本実施例においても、チューブ係合部材３０の係合部５６の上下方向の位置は、チューブ係合部材３０の係合部５６の下面７６に固定されたインクチューブ３４とヘッドユニット２６の低位置部６２に設けられた案内部６８に固定されたインクチューブ３４とが干渉しないように設定されている。
【００６０】
<<<第１、第２の実施例の変形例>>>
尚、上述した第１、第２の実施例は、以下の様に変形しても良い。
（１）インクチューブ３４を係合部５６に接着剤で接着する構成に代えて、両面テープ等の粘着部材でインクチューブ３４を貼り付ける構成としても良い。
（２）インクチューブ３４をインクチューブ固定部７４に接着剤で接着する構成に代えて、インクチューブ３４を両面テープ等の粘着部材でインクチューブ固定部７４に貼り付ける構成としてもよく、或いはインクチューブ固定部７４を介さずにインクチューブ３４を直接ハウジング１８の前面２８に固定しても良い（以降説明する他の実施例でも同様）。
【００６１】
（３）インクチューブ固定部７４をハウジング１８の前面２８から前方に突出させる構成とし、インクチューブ３４をインクチューブ固定部７４に水平方向に整列させて固定しても良い（以降説明する他の実施例でも同様）。
（４）チューブ係合部材３０は、ハウジング１８に対し接着剤で固定されていても良いし、粘着材で貼り付け固定されていても良いし、ねじ固定されていても良いし、種々の固定方法を採用し得る。
【００６２】
■■■第３の実施例■■■■■
図６及び図７を参照するに、本発明に係るチューブ係合部材の第３の実施例が示されている。本実施例は、複数のインクチューブ３４がチューブ係合部材８０の係合部８２の上面８４に設けられた案内部８６によって案内されているという点で第１の実施例と相違する。その他の構成については、第１の実施例と同じである。
【００６３】
本実施例では、係合部８２の上面８４に上方へ向けて突出し、前記水平方向に延びる板状の案内部８６が設けられている。案内部８６には、インクチューブ３４の数に対応する数の穴８８が主走査方向に向けて開口するように前記水平方向に整列して設けられている。案内部８６の穴８８には、それぞれインクチューブ３４が通されている。インクチューブ３４は、案内部８６により前記水平方向に配列させられている。
【００６４】
本実施例においてもインクチューブ３４は、係合部８２の上面８４の案内部８６からその延出方向を変えて、ハウジング１８の前面２８側に向けて延出している。さらにインクチューブ３４は、ハウジング１８の前面２８に沿ってハウジング１８の右側方へ延び、ハウジング１８の外側の離れた位置に配置された外部インク収容部３２に接続されている。
【００６５】
<<<第３の実施例の変形例>>>
尚、上述した第３の実施例は、以下の様に変形しても良い。
（１）案内部８６をチューブ係合部材８０の係合部８２の上面８４に設ける構成に代えて、案内部８６を係合部８２の下面９４に設ける構成としても良い。
（２）案内部８６は、チューブ係合部材８０に対し接着剤で固定されていても良いし、粘着材で貼り付け固定されていても良いし、ねじ固定されていても良いし、種々の固定方法を採用し得る。また、案内部８６は、チューブ係合部材８０に一体的に形成されていても良い。
【００６６】
（３）チューブ係合部材８０は、ハウジング１８に対し接着剤で固定されていても良いし、粘着材で貼り付け固定されていても良いし、ねじ固定されていても良いし、種々の固定方法を採用し得る。
（４）インクチューブ３４は、案内部８６の穴８８において、接着剤等で固定されていても良いし、固定されずに単に穴８８に通されているのみでも良い。
【００６７】
■■■第４の実施例■■■■■
図８及び図９を参照するに、本発明に係るチューブ係合部材の第４の実施例が示されている。本実施例は、複数のインクチューブ３４がチューブ係合部材１００の係合部１０２の上面１０４に設けられた支持部１０６によって支持されているという点で第１の実施例と相違する。その他の構成については、第１の実施例と同じである。
【００６８】
本実施例では、係合部１０２の上面１０４に上方へ向けて突出し、前記水平方向に延びる板状の支持部１０６が設けられている。支持部１０６には、その上端１０８に複数の半円状の切欠き１１０が前記水平方向に沿って設けられている。切欠き１１０は、インクチューブ３４の数に対応し、インクチューブ３４を支持している。支持部１０６は、インクチューブ３４を前記水平方向に配列している。
【００６９】
本実施例においてもインクチューブ３４は、係合部１０２の上面１０４の支持部１０６からその延出方向を変えて、ハウジング１８の前面２８側に向けて延出している。インクチューブ３４は、ハウジング１８の前面２８に沿ってハウジング１８の右側方へ延び、ハウジング１８の外側の離れた位置に配置された外部インク収容部３２に接続されている。
【００７０】
<<<第４の実施例の変形例>>>
尚、上述した第４の実施例は、以下の様に変形しても良い。
（１）支持部１０６をチューブ係合部材１００の係合部１０２の上面１０４に設ける構成に代えて、下面に設ける構成としても良い。
（２）支持部１０６は、チューブ係合部材１００に対し接着剤で固定されていても良いし、粘着材で貼り付け固定されていても良いし、ねじ固定されていても良いし、種々の固定方法を採用し得る。また、支持部１０６は、チューブ係合部材１００に一体的に形成されていても良い。
【００７１】
（３）チューブ係合部材１００は、ハウジング１８に対し接着剤で固定されていても良いし、粘着材で貼り付け固定されていても良いし、ねじ固定されていても良いし、種々の固定方法を採用し得る。
（４）インクチューブ３４は、支持部１０６において、接着剤や粘着材等の種々の固定手段で固定することができる。
【００７２】
■■■第５の実施例■■■■■
図１０及び図１１を参照するに、本発明に係るチューブ係合部材の第５の実施例が示されている。本実施例は、複数のインクチューブ３４がチューブ係合部材１２０の係合部１２２の下面１２４から吊り下げられているという点で第１の実施例と相違する。その他の構成については、第１の実施例と同じである。
【００７３】
本実施例では、係合部１２２の下面１２４に下方へ向けて突出する複数の吊り下げ具１２６が平行に設けられている。吊り下げ具１２６には、その先端にインクチューブ３４を保持する保持環１２８が設けられている。インクチューブ３４は、吊り下げ具１２６の保持環１２８に通され、下面１２４に吊り下げられている。
【００７４】
本実施例において係合部１２２及び吊り下げ具１２６は、ヘッドユニット２６が主走査方向に移動するとき、ヘッドユニット２６の低位置部６２に設けられた案内部６８に固定されたインクチューブ３４に干渉しないように配置されている。
【００７５】
本実施例においてもインクチューブ３４は、係合部１２２の下面１２４の吊り下げ具１２６からその延出方向を変えて、ハウジング１８の前面２８側に向けて延出している。インクチューブ３４は、ハウジング１８の前面２８に沿ってハウジング１８の右側方へ延び、ハウジング１８の外側の離れた位置に配置された外部インク収容部３２に接続されている。
【００７６】
■■■第６の実施例■■■■■
図１２を参照するに、本発明に係るチューブ係合部材の第６の実施例が示されている。本実施例は、チューブ係合部材１３０が、ヘッドユニット２６の移動方向と交差する方向（本実施例では直交する方向）に沿って延びる部分である係合部１３２に加え、ヘッドユニット２６の移動方向に沿って延びる部分である板状部１３４を有しているという点で第１の実施例と相違する。その他の構成については、第１の実施例と同じである。
【００７７】
本実施例では、係合部１３２にさらに前記主走査方向に沿って延びている板状部１３４が設けられている。本実施例においてインクチューブ３４は、係合部１３２の上面１３６及び板状部１３４の上面１３８にインクチューブ３４の複数の個所を接着剤で接着されている。このようにすれば、インクチューブ３４の位置の規制を確実なものとすることができる。
【００７８】
<<<第６の実施例の変形例>>>
尚、上述した第６の実施例は、以下の様に変形しても良い。
（１）板状部１３４は係合部１３２から開口部２４の左端側に延びる構成に代えて、係合部１３２から開口部２４の右端側に延びる構成としても良い。
（２）係合部１３２の上面１３６及び板状部１３４の上面１３８にインクチューブ３４の複数の箇所を接着する構成に代えて、第２の実施例（図５）のように係合部１３２の下面１４０及び板状部１３４の下面１４２にインクチューブ３４の複数の箇所を接着する構成としても良い。
【００７９】
（３）係合部１３２の上面１３６及び板状部１３４の上面１３８若しくは係合部１３２の下面１４０及び板状部１３４の下面１４２に、第３の実施例（図６）の案内部８６を設ける構成としても良く、係合部１３２の上面１３６及び板状部１３４の上面１３８に第４の実施例（図８）の複数の支持部１０６を設ける構成としても良く、係合部１３２の下面１４０及び板状部１３４の下面１４２に第５の実施例（図１０）の複数の吊り下げ具１２６を設ける構成としても良い。
【００８０】
■■■第７の実施例■■■■■
図１３及び図１４を参照するに、本発明に係るチューブ係合部材の第７の実施例が示されている。本実施例は、チューブ係合部材１５０の係合部１５２がさらに前記上下方向に延びている板状部１５４を有し、インクチューブ３４がヘッドユニット１５６の低位置部１５８において前記上下方向に配列されているという点で第１の実施例と相違する。その他の構成については、第１の実施例と同じである。
【００８１】
本実施例において、ヘッドユニット１５６の上部１６０には、高低差ｈが形成され、その高位置に高位置部１６２が設けられ、低位置に低位置部１５８が設けられている。高位置部１６２とハウジング１８のカバー部２０との間に第１の空間１６４（図１５の空間Ｃに相当）が形成され、低位置部１５８とカバー部２０との間に第２の空間１６６（図１５の空間Ａ＋Ｂに相当）が形成されている。また、低位置部１５８と高位置部１６２との間には第３の空間１６７（図１５の空間Ａに相当）が形成されている。
【００８２】
ヘッドユニット１５６から延出されたインクチューブ３４は低位置部１５８から上方に突出し、上方に延びる案内部１６８に前記上下方向に沿って配列され、接着剤で接着されている。インクチューブ３４は、案内部１６８から前記上下方向に整列して前記主走査方向に延びている。
【００８３】
また、チューブ係合部材１５０の係合部１５２においては、その先端に前記上下方向において上方へ延びる延出板状部１５４が設けられている。インクチューブ３４は、延出板状部１５４の背面１７０に前記上下方向に整列するように接着剤で接着されている。すなわち、本実施例では、ヘッドユニット１５６から延出したインクチューブ３４は、前記上下方向に整列した状態で開口部２４内を右端側から左端側へ伸び、該左端側で湾曲して右端側へ向きを変えて延出板状部１５４の背面１７０に前記上下方向に整列した状態で接着されている。
【００８４】
本実施例においてもインクチューブ３４は、係合部１５２の延出板状部１５４の背面１７０からその延出方向を変えて、ハウジング１８の前面２８側に向けて延出している。インクチューブ３４は、ハウジング１８の前面２８に沿ってハウジング１８の右側方へ延び、ハウジング１８の外側の離れた位置に配置された外部インク収容部３２に接続されている。
【００８５】
<<<第７の実施例の変形例>>>
尚、上述した第７の実施例は、以下の様に変形しても良い。
（１）インクチューブ３４を延出板状部１５４の背面１７０に接着する構成に代えて、インクチューブ３４を延出板状部１５４の前面１７２に接着する構成としても良い。
（２）延出板状部１５４を係合部１５２から上方に延出する構成に代えて、係合部１５２から下方に延出する構成としても良い。このとき、係合部１５２から下方に延出した延出板状部１５４は、ヘッドユニット１５６の低位置部１５８及び該低位置部から突出する案内部１６８に固定されたインクチューブ３４と干渉しないように配置される。
【００８６】
（３）延出板状部１５４の背面１７０又は前面１７２に第３の実施例の案内部８６を設ける構成としても良く、第４の実施例の支持部１０６を設ける構成としても良く、第５の実施例の複数の吊り下げ具１２６を設ける構成としても良い。
【００８７】
■■■その他のバリエーション■■■
以上説明した各実施形態は一例であり、本発明はこれら各実施形態に限られない。例えば、以上説明し各実施形態における各構成要素は、更に、以下の様なバリエーションを取りうる。但し、以下のバリエーションは一例であり、本発明が以下に記載されたバリエーションに限定されないことは言うまでもない。
【００８８】
（１）第１の実施例ないし第７の実施例のプリンター１０において、インクチューブ３４は、複数のインクチューブ３４をまとめるためにヘッドユニット２６，１５６と外部インク収容部３２との間で適宜結束手段１７４により結束されている。結束手段１７４は、プラスチック等で形成された結束バンドや、ゴム状部材などである。結束手段１７４は、図示した位置のほか、その他の適宜の位置に設けても良く、また更に多くの位置で設けても良い。逆に、結束手段１７４を設けなくても良い。
【００８９】
（２）第１の実施例ないし第７の実施例のプリンター１０において、カバー２２はハウジング１８から取り外した状態としても良く、又はハウジング１８に対して開いた状態としても良い。
【００９０】
（３）第１の実施例ないし第７の実施例のプリンター１０において、インクチューブ３４をハウジング１８の前面２８を経てハウジング１８の右側方へ延出させる構成としたが、他の実施例として、インクチューブ３４をハウジング１８の前面２８を経てハウジング１８の左側方へ延出させる構成としても良く、インクチューブ３４の一部をハウジング１８の右側方に延出させ、インクチューブ３４の残りをハウジング１８の左側方に延出させる構成としても良い。加えて、インク収容部３２を装置左側に配置しても良い。
【００９１】
（４）第１の実施例ないし第７の実施例のプリンター１０において、外部インク収容部３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄをハウジング１８の右側方の離れた位置に配置する構成としたが、他の実施例として、外部インク収容部３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄをハウジング１８の左側方の離れた位置に配置する構成としても良く、外部インク収容部３２ａ，３２ｂをハウジング１８の右側方に、外部インク収容部３２ｃ，３２ｄをハウジング１８の左側方に配置する構成としても良く、外部インク収容部３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄをハウジング１８の側面に一体に設ける構成としても良い。
【００９２】
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【００９３】
１０ インクジェットプリンター、１２ 被記録媒体差し込み口、１４ ホッパー、１６ 排出口、１８ ハウジング、２０ カバー部、２２ カバー、２４ 開口部、２６，１５６ ヘッドユニット、２８ ハウジングの前面、３０ チューブ係合部材、３２，３２ａ，３２ｂ，３２ｃ，３２ｄ 外部インク収容部、３４ インクチューブ、３６ 給送部、３８ 記録部、４０ 給送ローラー、４２ 被記録媒体ガイド、４４ 搬送ローラー、４４ａ 主搬送ローラー、４４ｂ 従動搬送ローラー、４６ 媒体支持部材、４８ 記録ヘッド、５０ ヘッドユニットガイド軸、５２ 排紙ローラー、５２ａ 主排紙ローラー、５２ｂ 従動排紙ローラー、５４ 排紙ガイド、５６，８２，１０２，１２２，１３２，１５２ 突出部位、５８，１６０ ヘッドユニットの上部、６０，１６２ 高位置部、６２，１５８ 低位置部、６４，１６４ 第１の空間、６６，１６６ 第２の空間、６８，１６８ 案内部、７０ 第２の空間と上下方向において同じ位置にある空間、７２，８４，１０４，１３６ 突出部位の上面、７４ インクチューブ固定部、７６，９４，１２４，１４０ 突出部位の下面、８０，１００，１２０，１３０，１５０ チューブ係合部材、８６ 案内、８８ 案内の穴、９０ 案内の前端、９２ 案内の後端、１０６ 支持、１０８ 支持の上端、１１０ 支持の切欠き、１１２ 支持の前端、１１４ 支持の後端、１２６ 吊り下げ具、１２８ 保持環、１３４，１５４ 延出部分、１３８ 延出部分の上面、１４２ 延出部分の下面、１７０ 延出部分の背面、１７２ 延出部分の前面、１７４ 結束手段、ｈ 高低差
【特許請求の範囲】
【請求項１】
インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、
前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブの位置を規制する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、
前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、
前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項２】
インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、
前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブの位置を規制する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、
前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、
前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と高位置との間の空間に入り込んでいる、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項３】
インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、
前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを固定する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、
前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、
前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項４】
インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、
前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを支持する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、
前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、
前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項５】
インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、
前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブをガイドする部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、
前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、
前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項６】
インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、
前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを載置する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、
前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、
前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項７】
インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、
前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを吊り下げる部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、
前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、
前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項８】
請求項１から７のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置において、前記チューブ係合部材は、前記インクジェット記録装置において記録が行われた被記録媒体が排出される排出口が設けられた側を装置前方側としたとき、前記開口部の装置前方側において前記ハウジングに支持されている、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項９】
請求項８に記載のインクジェット記録装置において、前記インクチューブは、前記チューブ係合部材を経て、前記ハウジングの前面側に延出している、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項１０】
請求項９に記載のインクジェット記録装置において、前記インクチューブは、前記ハウジングの前面を通り、前記ハウジングの側方へ出ている、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項１１】
請求項１から７のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置において、前記インクチューブを複数本有し、
当該複数本のインクチューブが前記係合部において水平方向に配列されている、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項１２】
請求項１から７のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置において、前記インクチューブを複数本有し、
当該複数本のインクチューブが前記係合部において上下方向に配列されている、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項１３】
請求項１から７のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置において、前記係合部は、前記ヘッドユニットの移動方向と交差する方向に沿った部分と、前記ヘッドユニットの移動方向に沿った部分と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項１４】
請求項１から７のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置において、前記ハウジングの外側に前記インク収容部を備えている、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項１】
インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、
前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブの位置を規制する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、
前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、
前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項２】
インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、
前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブの位置を規制する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、
前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、
前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と高位置との間の空間に入り込んでいる、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項３】
インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、
前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを固定する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、
前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、
前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項４】
インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、
前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを支持する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、
前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、
前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項５】
インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、
前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブをガイドする部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、
前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、
前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項６】
インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、
前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを載置する部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、
前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、
前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項７】
インクを吐出する記録ヘッドを備えるとともに、所定の移動方向に移動可能なヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットの移動領域における少なくとも一部の移動領域上部を露呈させる開口部を備えたハウジングと、
前記ヘッドユニットに接続され、インクが収容されたインク収容部から送られるインクを前記記録ヘッドへと導く、可撓性を有するインクチューブと、
前記インクチューブと直接又は間接に係合する係合部において前記インクチューブを吊り下げる部材であり、少なくとも前記係合部が前記開口部の内側に位置する、前記開口部に配設されるチューブ係合部材と、を備え、
前記ヘッドユニットの上側に高低差が形成され、
前記係合部の少なくとも一部、或いは前記インクチューブにおいて前記係合部と係合する部分の少なくとも一部が、前記ヘッドユニットの移動方向から前記ヘッドユニットと前記チューブ係合部材を見た際に、前記ヘッドユニットにおける低位置と前記ハウジングとの間の空間に入り込んでいる、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項８】
請求項１から７のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置において、前記チューブ係合部材は、前記インクジェット記録装置において記録が行われた被記録媒体が排出される排出口が設けられた側を装置前方側としたとき、前記開口部の装置前方側において前記ハウジングに支持されている、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項９】
請求項８に記載のインクジェット記録装置において、前記インクチューブは、前記チューブ係合部材を経て、前記ハウジングの前面側に延出している、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項１０】
請求項９に記載のインクジェット記録装置において、前記インクチューブは、前記ハウジングの前面を通り、前記ハウジングの側方へ出ている、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項１１】
請求項１から７のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置において、前記インクチューブを複数本有し、
当該複数本のインクチューブが前記係合部において水平方向に配列されている、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項１２】
請求項１から７のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置において、前記インクチューブを複数本有し、
当該複数本のインクチューブが前記係合部において上下方向に配列されている、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項１３】
請求項１から７のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置において、前記係合部は、前記ヘッドユニットの移動方向と交差する方向に沿った部分と、前記ヘッドユニットの移動方向に沿った部分と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項１４】
請求項１から７のいずれか１項に記載のインクジェット記録装置において、前記ハウジングの外側に前記インク収容部を備えている、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【公開番号】特開２０１３−４６９８７（Ｐ２０１３−４６９８７Ａ）
【公開日】平成２５年３月７日（２０１３．３．７）
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願２０１２−３３８１３（Ｐ２０１２−３３８１３）
【出願日】平成２４年２月２０日（２０１２．２．２０）
【出願人】（０００００２３６９）セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年３月７日（２０１３．３．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１２−３３８１３（Ｐ２０１２−３３８１３）
【出願日】平成２４年２月２０日（２０１２．２．２０）
【出願人】（０００００２３６９）セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Ｆターム（参考）】
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