インクリボンおよびインパクトプリンタ
【課題】 インクリボンの種類の正確な検出が可能なインパクトプリンタ、および、このインパクトプリンタに好適なインクリボンを提供する。
【解決手段】 インクリボンが、インクリボンの走行方向に関し継ぎ目に先立つ位置に設けられた、インクリボンの種類により異なる継ぎ目予告マークを有するものであって、継ぎ目予告マークを読み取るマーク読取センサと、マーク読取センサにより読み取られたマークに応じた、インクリボンの種類を表示する表示部と、マーク読取センサにより継ぎ目予告マークを読み取ることにより、インクリボンの、継ぎ目の部分の印字への使用を避けるようにインクリボンの走行および印字を制御する印字制御部とを備えた。
【解決手段】 インクリボンが、インクリボンの走行方向に関し継ぎ目に先立つ位置に設けられた、インクリボンの種類により異なる継ぎ目予告マークを有するものであって、継ぎ目予告マークを読み取るマーク読取センサと、マーク読取センサにより読み取られたマークに応じた、インクリボンの種類を表示する表示部と、マーク読取センサにより継ぎ目予告マークを読み取ることにより、インクリボンの、継ぎ目の部分の印字への使用を避けるようにインクリボンの走行および印字を制御する印字制御部とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、両端が互いに接合された継ぎ目を有するエンドレスのインクリボン、および、このインクリボンを装着するインパクトプリンタに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、両端が互いに接合された継ぎ目を有するエンドレスのインクリボンが、所定経路に沿って循環的に走行するように装着され、走行させたインクリボンを介して印字体で記録媒体を打撃することによりこの記録媒体上に印刷を行うインパクトプリンタが知られている。
【０００３】
インクリボンは、印刷の用途に応じて使い分ける必要があることから、オペレータは、印刷開始前にインクリボンの種類がその用途に合致したものであるか否かを確認する必要がある。
【０００４】
そこで、インクリボンを収容するリボンカセットに印を付けておき、リボンカセットが装填された際にその印を読み取ることでそのリボンカセットに収容されているインクリボンの種類を特定する提案がなされている（特許文献１参照）。
【特許文献１】特開平７−１７９０１３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上記提案のリボンカセットが、インクリボンの詰め替えが可能なものであると、リボンカセットに付けられた印を読み取ることで得られたインクリボンの種類と、実際にリボンカセットに収容されているインクリボンの種類とが異なる事態もあり得る。
【０００６】
本発明は、上記事情に鑑み、装着されているインクリボンの種類の正確な検出が可能なインパクトプリンタ、および、このインパクトプリンタに好適なインクリボンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するための本発明のインパクトプリンタは、
両端が互いに接合された継ぎ目を有するエンドレスのインクリボンが、所定経路に沿って循環的に走行するように装着され、このインクリボンを走行させながらこのインクリボンを介して印字体で記録媒体を打撃することによりこの記録媒体上に印字するインパクトプリンタにおいて、
上記インクリボンが、このインクリボンの走行方向に関し上記継ぎ目に先立つ位置に設けられた、このインクリボンの種類により異なる継ぎ目予告マークを有するものであって、
上記継ぎ目予告マークを読み取るマーク読取センサと、
上記マーク読取センサにより読み取られたマークに応じた、インクリボンの種類を表示する表示部と、
上記マーク読取センサにより上記継ぎ目予告マークを読み取ることにより、このインクリボンの、上記継ぎ目の部分の印字への使用を避けるようにこのインクリボンの走行および印字を制御する印字制御部とを備えたことを特徴とする。
【０００８】
本発明のインパクトプリンタでは、継ぎ目の部分の接近とインクリボンの種類とを表す継ぎ目予告マークが設けられたインクリボンが装着される。つまり、本発明のインパクトプリンタでは、継ぎ目予告マークの読取りを通じてインクリボンの種類をインクリボンから直接読み取ることができる。したがって、本発明のインパクトプリンタによれば、装着されているインクリボンの種類を正確に検出することができる。
【０００９】
ここで、インクリボンの新たな装着を受けて、上記マーク読取センサによりこのインクリボンの継ぎ目予告マークが読み取られるまでこのインクリボンの走行を連続し、この継ぎ目予告マークが読み取られた後に印刷可能状態に制御する初期制御部を備えることが好ましい。
【００１０】
インクリボンの新たな装着の際には、この様に、継ぎ目予告マークを読み取った後に印刷可能状態とすることで、インクリボンの種類の表示部への表示がなされていない段階での印刷を防止することにより、新たに装着されたインクリボンが予定していた種類のインクリボンとは異なる種類のインクリボンであった場合の、記録媒体の徒な浪費を防止することができる。
【００１１】
また、上記目的を達成するための本発明のインクリボンは、
両端が互いに接合された継ぎ目を有し、循環的に送り出されながら印字に使用されるエンドレスのインクリボンにおいて、
このインクリボンの走行方向に関し上記継ぎ目に先立つ位置に設けられた継ぎ目予告マークを有し、
この継ぎ目予告マークが、このインクリボンの種類を表すマークであることを特徴とする。
【００１２】
ここで、上記継ぎ目予告マークが、ストライプの数によりこのインクリボンの種類を表すものであってもよい。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、装着されているインクリボンの種類の正確な検出が可能なインパクトプリンタ、および、このインパクトプリンタに好適なインクリボンを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【００１５】
図１は、本発明のインクリボンの一実施形態を装着した、本発明のインパクトプリンタの一実施形態の側面図である。
【００１６】
図１に示すインパクトプリンタ１は、両端が互いに接合された継ぎ目を有するエンドレスのインクリボン１１０が、所定経路に沿って循環的に走行するように装着され、走行させたインクリボン１１０を介して印字ヘッド１１２で、ページ同士が連結された連続紙１００を打撃することによりこの連続紙上に印字を行うプリンタである。
【００１７】
図１には、印字ヘッド１１２、連続紙１００と印字ヘッド１１２との間に位置するインクリボン１１０、印字ヘッド１１２に打撃される連続紙１００を受け止めるプラテン１１１、および、印字ヘッド１１２等の駆動を制御する制御部１５を構成要素とする印字部１１が示されている。
【００１８】
ここで、図１に示すインパクトプリンタ１に装着された、両端が互いに接合された継ぎ目を有するエンドレスのインクリボン１１０には、インクが乗っていない継ぎ目の部分の印字への使用を避けるために継ぎ目の接近を予告する継ぎ目予告マークが設けられている。この継ぎ目予告マークは、そのインクリボンの種類も表している。つまり、このインクリボン１１０が装着されたインパクトプリンタ１では、継ぎ目予告マークを読み取ることで、装着されたインクリボンの種類をインクリボンから直接読み取ることとなる。
【００１９】
図１に示すインパクトプリンタ１は、連続紙１００に印字を行う印字部１１の他、筐体１０、印字前の連続紙１００を収容する用紙ホッパー部１２、および、印字後の連続紙１００を回収する用紙ストッカー部１３を有している。
【００２０】
図２は、図１に示す印字部の概略構成図である。
【００２１】
図２に示す印字部１１は、図２の下方に示す、４つの懸架ローラ１１５により長方形をなす経路に沿って循環的に走行するインクリボン１１０が収容されたリボンカートリッジ１１３、リボンカートリッジ１１３の上に示す印字ヘッド１１２、インクリボン１１０を介して印字ヘッド１１２で打撃される連続紙１００、連続紙１００を印字ヘッド１１２と共に挟むプラテン１１１、および、前述したように、インクが乗っていない継ぎ目の部分の印字への使用を避けるために継ぎ目の接近を予告すると共にそのインクリボンの種類を表す継ぎ目予告マーク１１０ａを読み取るリボン継ぎ目センサ１１４で構成されている。尚、図２には、印刷部１１の他に、リボン継ぎ目センサ１１４による信号を受信すると共にリボンカートリッジ１１３や印字ヘッド１１２の駆動を制御する制御部１５と、リボン継ぎ目センサ１１４からの信号を受けた制御部１５によりインクリボン１１０の種類の表示が行われる、筐体１０の上部に備えられた表示部１４（図１参照）とが示されている。
【００２２】
制御部１５は、リボン継ぎ目センサ１１４から受信した信号をインクリボン１１０の種類に対応づけるテーブルが格納されたメモリ１５１を有している。
【００２３】
また、図２には、インクリボンの循環方向に関する、継ぎ目予告マーク１１０ａの上流側に継ぎ目１１０ｂが位置している様子が示されている。
【００２４】
図３は、図２に示すインクリボンを、長方形をなす循環経路の内側から見た場合を示す図である。
【００２５】
図３には、インクリボン１１０に設けられている、継ぎ目１１０ｂと継ぎ目予告マーク１１０ａとが示されている。
【００２６】
図３（ａ）には、矢印方向に循環中のインクリボン１１０に設けられている継ぎ目１１０ｂ、および、継ぎ目１１０ｂよりも下流側に位置する、インクリボン１１０の種類を表す、継ぎ目予告マーク１１０ａであるストライプが１本示されており、また、図３（ｂ）には、矢印方向に循環中のインクリボン１１０に設けられている継ぎ目１１０ｂ、および、継ぎ目１１０ｂよりも下流側に位置する、インクリボン１１０の種類を表すストライプが２本示されている。
【００２７】
図４は、図３に示す継ぎ目予告マークの読取りにより得られた出力信号を示す図である。
【００２８】
図４には、図３に継ぎ目予告マークをリボン継ぎ目センサ１１４で読み取った際にこのセンサから出力される信号が示されている。
【００２９】
このインパクトプリンタ１では、図４に示す信号をリボン継ぎ目センサ１１４から受信すると、制御部１５が、インクリボン１１０の継ぎ目１１０ｂの部分の印字への使用を避けるようにインクリボン１１０の走行および印字を制御すると共に、この受信信号と、メモリ１５１に格納されているテーブルとに基づいて決定したインクリボン１１０の種類を表示部１４に表示する。つまり、このインパクトプリンタ１では、装着されたインクリボン１１０に備えられている継ぎ目予告マーク１１０ａを読み取ることで、インクリボン１１０の種類をインクリボンから直接読み取り、オペレータに知らせることができる。したがって、本実施形態のインクリボン１１０を装着した本実施形態のインパクトプリンタ１によれば、装着されているインクリボン１１０の種類をそのインクリボンから直接検出でき、インクリボンの種類を正確に検出することができる。
【００３０】
また、このインパクトプリンタ１では、インクリボンが新たに装着された際も含めプリンタを起動させる際に、継ぎ目予告マーク１１０ａを読み取るまでインクリボン１１０を連続的に走行させ、継ぎ目予告マーク１１０ａを読み取ってから印刷可能状態となるようにされており、これにより、インクリボンの種類の表示部への表示がなされていない段階での印刷を防止することにより、新たに装着されたインクリボンが予定していた種類のインクリボンとは異なる種類のインクリボンであった場合の、記録媒体の徒な浪費を防止することができる。
【００３１】
図５は、インパクトプリンタの電源が投入されることで起動されるルーチンのフローチャートである。
【００３２】
図５に示すステップＳ１では、インクリボン１１０の循環走行を指示し、ステップＳ２にでは、継ぎ目予告マーク１１０ｂを読み取ったか否かを判定する。
【００３３】
ステップＳ２において、読み取っていないと判定すると、ステップＳ３に進み、表示部１４に‘プリント準備中’の表示を指示し、ステップＳ１に戻る。
【００３４】
ステップＳ２において、継ぎ目予告マーク１１０ａを読み取ったと判定すると、ステップＳ４に進み、読み取った継ぎ目予告マーク１１０ａに基づいたインクリボン１１０の種類の、表示部１４への表示を指示する。ステップＳ５では、プリント指示があったか否かを判定し、プリント指示が無ければステップＳ４に戻り、プリント指示があればステップＳ６に進む。ステップＳ６では、サブルーチン‘プリント’を起動し、その後、ステップＳ４に戻る。尚、このサブルーチン‘プリント’の内容は、通常のインパクトプリンタにおける印字動作であり、公知の技術であるので説明は省略する。
【００３５】
以上に説明した実施形態では、継ぎ目予告マーク１１０ａであるストライプの数がインクリボン１１０の種類を表している場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、ストライプの幅がインクリボン１１０の種類を表すものであってもよく、また、形状がストライプに限るものでもない。
【図面の簡単な説明】
【００３６】
【図１】本発明のインクリボンの一実施形態を装着した、本発明のインパクトプリンタの一実施形態の側面図である。
【図２】図１に示す印字部の概略構成図である。
【図３】図２に示すインクリボンを、長方形をなす循環経路の内側から見た場合を示す図である。
【図４】図３に示す継ぎ目予告マークの読取りにより得られた出力信号を示す図である。
【図５】インパクトプリンタの電源が投入されることで起動されるルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
【００３７】
１ インパクトプリンタ
１０ 筐体
１００ 連続紙
１１ 印字部
１１０ インクリボン
１１０ａ 継ぎ目予告マーク
１１０ｂ 継ぎ目
１１１ プラテン
１１２ 印字ヘッド
１１３ リボンカートリッジ
１１４ リボン継ぎ目センサ
１１５ 懸架ローラ
１２ 用紙ホッパー部
１３ 用紙ストッカー部
１４ 表示部
１５ 制御部
１５１ メモリ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、両端が互いに接合された継ぎ目を有するエンドレスのインクリボン、および、このインクリボンを装着するインパクトプリンタに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、両端が互いに接合された継ぎ目を有するエンドレスのインクリボンが、所定経路に沿って循環的に走行するように装着され、走行させたインクリボンを介して印字体で記録媒体を打撃することによりこの記録媒体上に印刷を行うインパクトプリンタが知られている。
【０００３】
インクリボンは、印刷の用途に応じて使い分ける必要があることから、オペレータは、印刷開始前にインクリボンの種類がその用途に合致したものであるか否かを確認する必要がある。
【０００４】
そこで、インクリボンを収容するリボンカセットに印を付けておき、リボンカセットが装填された際にその印を読み取ることでそのリボンカセットに収容されているインクリボンの種類を特定する提案がなされている（特許文献１参照）。
【特許文献１】特開平７−１７９０１３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上記提案のリボンカセットが、インクリボンの詰め替えが可能なものであると、リボンカセットに付けられた印を読み取ることで得られたインクリボンの種類と、実際にリボンカセットに収容されているインクリボンの種類とが異なる事態もあり得る。
【０００６】
本発明は、上記事情に鑑み、装着されているインクリボンの種類の正確な検出が可能なインパクトプリンタ、および、このインパクトプリンタに好適なインクリボンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成するための本発明のインパクトプリンタは、
両端が互いに接合された継ぎ目を有するエンドレスのインクリボンが、所定経路に沿って循環的に走行するように装着され、このインクリボンを走行させながらこのインクリボンを介して印字体で記録媒体を打撃することによりこの記録媒体上に印字するインパクトプリンタにおいて、
上記インクリボンが、このインクリボンの走行方向に関し上記継ぎ目に先立つ位置に設けられた、このインクリボンの種類により異なる継ぎ目予告マークを有するものであって、
上記継ぎ目予告マークを読み取るマーク読取センサと、
上記マーク読取センサにより読み取られたマークに応じた、インクリボンの種類を表示する表示部と、
上記マーク読取センサにより上記継ぎ目予告マークを読み取ることにより、このインクリボンの、上記継ぎ目の部分の印字への使用を避けるようにこのインクリボンの走行および印字を制御する印字制御部とを備えたことを特徴とする。
【０００８】
本発明のインパクトプリンタでは、継ぎ目の部分の接近とインクリボンの種類とを表す継ぎ目予告マークが設けられたインクリボンが装着される。つまり、本発明のインパクトプリンタでは、継ぎ目予告マークの読取りを通じてインクリボンの種類をインクリボンから直接読み取ることができる。したがって、本発明のインパクトプリンタによれば、装着されているインクリボンの種類を正確に検出することができる。
【０００９】
ここで、インクリボンの新たな装着を受けて、上記マーク読取センサによりこのインクリボンの継ぎ目予告マークが読み取られるまでこのインクリボンの走行を連続し、この継ぎ目予告マークが読み取られた後に印刷可能状態に制御する初期制御部を備えることが好ましい。
【００１０】
インクリボンの新たな装着の際には、この様に、継ぎ目予告マークを読み取った後に印刷可能状態とすることで、インクリボンの種類の表示部への表示がなされていない段階での印刷を防止することにより、新たに装着されたインクリボンが予定していた種類のインクリボンとは異なる種類のインクリボンであった場合の、記録媒体の徒な浪費を防止することができる。
【００１１】
また、上記目的を達成するための本発明のインクリボンは、
両端が互いに接合された継ぎ目を有し、循環的に送り出されながら印字に使用されるエンドレスのインクリボンにおいて、
このインクリボンの走行方向に関し上記継ぎ目に先立つ位置に設けられた継ぎ目予告マークを有し、
この継ぎ目予告マークが、このインクリボンの種類を表すマークであることを特徴とする。
【００１２】
ここで、上記継ぎ目予告マークが、ストライプの数によりこのインクリボンの種類を表すものであってもよい。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、装着されているインクリボンの種類の正確な検出が可能なインパクトプリンタ、および、このインパクトプリンタに好適なインクリボンを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【００１５】
図１は、本発明のインクリボンの一実施形態を装着した、本発明のインパクトプリンタの一実施形態の側面図である。
【００１６】
図１に示すインパクトプリンタ１は、両端が互いに接合された継ぎ目を有するエンドレスのインクリボン１１０が、所定経路に沿って循環的に走行するように装着され、走行させたインクリボン１１０を介して印字ヘッド１１２で、ページ同士が連結された連続紙１００を打撃することによりこの連続紙上に印字を行うプリンタである。
【００１７】
図１には、印字ヘッド１１２、連続紙１００と印字ヘッド１１２との間に位置するインクリボン１１０、印字ヘッド１１２に打撃される連続紙１００を受け止めるプラテン１１１、および、印字ヘッド１１２等の駆動を制御する制御部１５を構成要素とする印字部１１が示されている。
【００１８】
ここで、図１に示すインパクトプリンタ１に装着された、両端が互いに接合された継ぎ目を有するエンドレスのインクリボン１１０には、インクが乗っていない継ぎ目の部分の印字への使用を避けるために継ぎ目の接近を予告する継ぎ目予告マークが設けられている。この継ぎ目予告マークは、そのインクリボンの種類も表している。つまり、このインクリボン１１０が装着されたインパクトプリンタ１では、継ぎ目予告マークを読み取ることで、装着されたインクリボンの種類をインクリボンから直接読み取ることとなる。
【００１９】
図１に示すインパクトプリンタ１は、連続紙１００に印字を行う印字部１１の他、筐体１０、印字前の連続紙１００を収容する用紙ホッパー部１２、および、印字後の連続紙１００を回収する用紙ストッカー部１３を有している。
【００２０】
図２は、図１に示す印字部の概略構成図である。
【００２１】
図２に示す印字部１１は、図２の下方に示す、４つの懸架ローラ１１５により長方形をなす経路に沿って循環的に走行するインクリボン１１０が収容されたリボンカートリッジ１１３、リボンカートリッジ１１３の上に示す印字ヘッド１１２、インクリボン１１０を介して印字ヘッド１１２で打撃される連続紙１００、連続紙１００を印字ヘッド１１２と共に挟むプラテン１１１、および、前述したように、インクが乗っていない継ぎ目の部分の印字への使用を避けるために継ぎ目の接近を予告すると共にそのインクリボンの種類を表す継ぎ目予告マーク１１０ａを読み取るリボン継ぎ目センサ１１４で構成されている。尚、図２には、印刷部１１の他に、リボン継ぎ目センサ１１４による信号を受信すると共にリボンカートリッジ１１３や印字ヘッド１１２の駆動を制御する制御部１５と、リボン継ぎ目センサ１１４からの信号を受けた制御部１５によりインクリボン１１０の種類の表示が行われる、筐体１０の上部に備えられた表示部１４（図１参照）とが示されている。
【００２２】
制御部１５は、リボン継ぎ目センサ１１４から受信した信号をインクリボン１１０の種類に対応づけるテーブルが格納されたメモリ１５１を有している。
【００２３】
また、図２には、インクリボンの循環方向に関する、継ぎ目予告マーク１１０ａの上流側に継ぎ目１１０ｂが位置している様子が示されている。
【００２４】
図３は、図２に示すインクリボンを、長方形をなす循環経路の内側から見た場合を示す図である。
【００２５】
図３には、インクリボン１１０に設けられている、継ぎ目１１０ｂと継ぎ目予告マーク１１０ａとが示されている。
【００２６】
図３（ａ）には、矢印方向に循環中のインクリボン１１０に設けられている継ぎ目１１０ｂ、および、継ぎ目１１０ｂよりも下流側に位置する、インクリボン１１０の種類を表す、継ぎ目予告マーク１１０ａであるストライプが１本示されており、また、図３（ｂ）には、矢印方向に循環中のインクリボン１１０に設けられている継ぎ目１１０ｂ、および、継ぎ目１１０ｂよりも下流側に位置する、インクリボン１１０の種類を表すストライプが２本示されている。
【００２７】
図４は、図３に示す継ぎ目予告マークの読取りにより得られた出力信号を示す図である。
【００２８】
図４には、図３に継ぎ目予告マークをリボン継ぎ目センサ１１４で読み取った際にこのセンサから出力される信号が示されている。
【００２９】
このインパクトプリンタ１では、図４に示す信号をリボン継ぎ目センサ１１４から受信すると、制御部１５が、インクリボン１１０の継ぎ目１１０ｂの部分の印字への使用を避けるようにインクリボン１１０の走行および印字を制御すると共に、この受信信号と、メモリ１５１に格納されているテーブルとに基づいて決定したインクリボン１１０の種類を表示部１４に表示する。つまり、このインパクトプリンタ１では、装着されたインクリボン１１０に備えられている継ぎ目予告マーク１１０ａを読み取ることで、インクリボン１１０の種類をインクリボンから直接読み取り、オペレータに知らせることができる。したがって、本実施形態のインクリボン１１０を装着した本実施形態のインパクトプリンタ１によれば、装着されているインクリボン１１０の種類をそのインクリボンから直接検出でき、インクリボンの種類を正確に検出することができる。
【００３０】
また、このインパクトプリンタ１では、インクリボンが新たに装着された際も含めプリンタを起動させる際に、継ぎ目予告マーク１１０ａを読み取るまでインクリボン１１０を連続的に走行させ、継ぎ目予告マーク１１０ａを読み取ってから印刷可能状態となるようにされており、これにより、インクリボンの種類の表示部への表示がなされていない段階での印刷を防止することにより、新たに装着されたインクリボンが予定していた種類のインクリボンとは異なる種類のインクリボンであった場合の、記録媒体の徒な浪費を防止することができる。
【００３１】
図５は、インパクトプリンタの電源が投入されることで起動されるルーチンのフローチャートである。
【００３２】
図５に示すステップＳ１では、インクリボン１１０の循環走行を指示し、ステップＳ２にでは、継ぎ目予告マーク１１０ｂを読み取ったか否かを判定する。
【００３３】
ステップＳ２において、読み取っていないと判定すると、ステップＳ３に進み、表示部１４に‘プリント準備中’の表示を指示し、ステップＳ１に戻る。
【００３４】
ステップＳ２において、継ぎ目予告マーク１１０ａを読み取ったと判定すると、ステップＳ４に進み、読み取った継ぎ目予告マーク１１０ａに基づいたインクリボン１１０の種類の、表示部１４への表示を指示する。ステップＳ５では、プリント指示があったか否かを判定し、プリント指示が無ければステップＳ４に戻り、プリント指示があればステップＳ６に進む。ステップＳ６では、サブルーチン‘プリント’を起動し、その後、ステップＳ４に戻る。尚、このサブルーチン‘プリント’の内容は、通常のインパクトプリンタにおける印字動作であり、公知の技術であるので説明は省略する。
【００３５】
以上に説明した実施形態では、継ぎ目予告マーク１１０ａであるストライプの数がインクリボン１１０の種類を表している場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、ストライプの幅がインクリボン１１０の種類を表すものであってもよく、また、形状がストライプに限るものでもない。
【図面の簡単な説明】
【００３６】
【図１】本発明のインクリボンの一実施形態を装着した、本発明のインパクトプリンタの一実施形態の側面図である。
【図２】図１に示す印字部の概略構成図である。
【図３】図２に示すインクリボンを、長方形をなす循環経路の内側から見た場合を示す図である。
【図４】図３に示す継ぎ目予告マークの読取りにより得られた出力信号を示す図である。
【図５】インパクトプリンタの電源が投入されることで起動されるルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
【００３７】
１ インパクトプリンタ
１０ 筐体
１００ 連続紙
１１ 印字部
１１０ インクリボン
１１０ａ 継ぎ目予告マーク
１１０ｂ 継ぎ目
１１１ プラテン
１１２ 印字ヘッド
１１３ リボンカートリッジ
１１４ リボン継ぎ目センサ
１１５ 懸架ローラ
１２ 用紙ホッパー部
１３ 用紙ストッカー部
１４ 表示部
１５ 制御部
１５１ メモリ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
両端が互いに接合された継ぎ目を有し、循環的に送り出されながら印字に使用されるエンドレスのインクリボンにおいて、
該インクリボンの走行方向に関し前記継ぎ目に先立つ位置に設けられた継ぎ目予告マークを有し、
該継ぎ目予告マークが、該インクリボンの種類を表すマークであることを特徴とするインクリボン。
【請求項２】
前記継ぎ目予告マークが、ストライプの数により該インクリボンの種類を表すものであることを特徴とする請求項１記載のインクリボン。
【請求項３】
両端が互いに接合された継ぎ目を有するエンドレスのインクリボンが、所定経路に沿って循環的に走行するように装着され、該インクリボンを走行させながら該インクリボンを介して印字体で記録媒体を打撃することにより該記録媒体上に印字するインパクトプリンタにおいて、
前記インクリボンが、該インクリボンの走行方向に関し前記継ぎ目に先立つ位置に設けられた、該インクリボンの種類により異なる継ぎ目予告マークを有するものであって、
前記継ぎ目予告マークを読み取るマーク読取センサと、
前記マーク読取センサにより読み取られたマークに応じた、インクリボンの種類を表示する表示部と、
前記マーク読取センサにより前記継ぎ目予告マークを読み取ることにより、該インクリボンの、前記継ぎ目の部分の印字への使用を避けるように該インクリボンの走行および印字を制御する印字制御部とを備えたことを特徴とするインパクトプリンタ。
【請求項４】
インクリボンの新たな装着を受けて、前記マーク読取センサにより該インクリボンの継ぎ目予告マークが読み取られるまで該インクリボンの走行を連続し、該継ぎ目予告マークが読み取られた後に印刷可能状態に制御する初期制御部を備えたことを特徴とする請求項３記載のインパクトプリンタ。
【請求項１】
両端が互いに接合された継ぎ目を有し、循環的に送り出されながら印字に使用されるエンドレスのインクリボンにおいて、
該インクリボンの走行方向に関し前記継ぎ目に先立つ位置に設けられた継ぎ目予告マークを有し、
該継ぎ目予告マークが、該インクリボンの種類を表すマークであることを特徴とするインクリボン。
【請求項２】
前記継ぎ目予告マークが、ストライプの数により該インクリボンの種類を表すものであることを特徴とする請求項１記載のインクリボン。
【請求項３】
両端が互いに接合された継ぎ目を有するエンドレスのインクリボンが、所定経路に沿って循環的に走行するように装着され、該インクリボンを走行させながら該インクリボンを介して印字体で記録媒体を打撃することにより該記録媒体上に印字するインパクトプリンタにおいて、
前記インクリボンが、該インクリボンの走行方向に関し前記継ぎ目に先立つ位置に設けられた、該インクリボンの種類により異なる継ぎ目予告マークを有するものであって、
前記継ぎ目予告マークを読み取るマーク読取センサと、
前記マーク読取センサにより読み取られたマークに応じた、インクリボンの種類を表示する表示部と、
前記マーク読取センサにより前記継ぎ目予告マークを読み取ることにより、該インクリボンの、前記継ぎ目の部分の印字への使用を避けるように該インクリボンの走行および印字を制御する印字制御部とを備えたことを特徴とするインパクトプリンタ。
【請求項４】
インクリボンの新たな装着を受けて、前記マーク読取センサにより該インクリボンの継ぎ目予告マークが読み取られるまで該インクリボンの走行を連続し、該継ぎ目予告マークが読み取られた後に印刷可能状態に制御する初期制御部を備えたことを特徴とする請求項３記載のインパクトプリンタ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００７−３８５６９（Ｐ２００７−３８５６９Ａ）
【公開日】平成１９年２月１５日（２００７．２．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−２２６５３９（Ｐ２００５−２２６５３９）
【出願日】平成１７年８月４日（２００５．８．４）
【出願人】（０００００５４９６）富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年２月１５日（２００７．２．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年８月４日（２００５．８．４）
【出願人】（０００００５４９６）富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Ｆターム（参考）】
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