説明

インゴット供給装置

【課題】効率よくインゴットの予熱ができ、鋳造品質の向上、及び、大幅なガス使用量の削減が可能なインゴット供給装置を提供する。
【解決手段】加熱部により加熱されボールインゴット10を溶解させて溶湯状態で保持する保持炉100と、加熱部の排煙及び排熱を行なう煙突200と、煙突を中心に螺旋状に巻回されボールインゴット10を上部の供給部から下部の保持炉100まで誘導する供給通路300と、供給通路300の一部に設けられ、煙突200からの余熱によりボールインゴット10を第1の予熱温度まで予熱する第1の予熱部400と、供給通路300から煙突200を貫通して煙突内に設けられ、煙突内の排熱によりボールインゴット10を第2の予熱温度まで予熱する第2の予熱部500と、第2の予熱部から所定のタイミングでボールインゴット10を保持炉100内へ投入する投入部600、及び、これらの各部の制御を行なう制御部700とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インゴット供給装置に関し、特に、インゴットを溶解させて溶湯状態で保持する保持炉へ投入制御するインゴット供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、パーツフィーダから供給されるインゴットを供給通路で案内し、供給通路から複数の分岐通路に振り分け、予熱装置を介して保持炉に投入制御するインゴット供給装置がある(例えば、特許文献1)。この装置は、供給通路から分岐通路内に供給するインゴット量を第1制御装置により切換部材を作動させて制御すると共に、分岐通路から予熱装置内に供給するインゴット量を第2制御装置により切換部材を作動させて制御することで、インゴットを溶解させて溶湯状態で保持する保持炉に投入制御するものである。
【0003】
このインゴット供給装置によれば、供給通路から分岐通路に過不足なく適量のインゴットを供給することができると共に、分岐通路から予熱装置内に適量のインゴットを供給することができて保持炉湯面を一定レベルに保持することができるとされている。
【特許文献1】特開昭59−118263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のインゴット供給装置によれば、保持炉の煙突に螺旋状に巻回された分岐通路を予熱装置としているので、予熱装置内のすべてのインゴットに加熱して熱が分散してしまう。これにより、予熱されるインゴットの温度が十分に上昇しない状態で保持炉に投入されるという問題がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、効率よくインゴットの予熱ができ、鋳造品質の向上、及び、大幅なガス使用量の削減が可能なインゴット供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明は、上記目的を達成するため、加熱部により加熱され、ボールインゴットを溶解させて溶湯状態で保持する保持炉と、前記加熱部の排煙及び排熱を行なう煙突と、前記煙突を中心に螺旋状に巻回され、前記ボールインゴットを上部の供給部から下部の前記保持炉まで誘導する供給通路と、前記供給通路の一部に設けられ、前記煙突からの余熱により前記ボールインゴットを第1の予熱温度まで予熱する第1の予熱部と、前記供給通路から前記煙突を貫通して前記煙突内に設けられ、前記煙突内の排熱により前記ボールインゴットを第2の予熱温度まで予熱する第2の予熱部と、前記第2の予熱部から所定のタイミングで前記ボールインゴットを前記保持炉内に投入する投入部と、を有することを特徴とするインゴット供給装置を提供する。
【0007】
[2]前記煙突は、前記第2の予熱部の上方に、前記煙突を遮断する遮断部を備えたことを特徴とする上記[1]に記載のインゴット供給装置であってもよい。
【0008】
[3]また、前記供給通路は、前記ボールインゴットを前記第1の予熱部へ所定個数だけ供給する切出部を備えたことを特徴とする上記[1]に記載のインゴット供給装置であってもよい。
【0009】
[4]また、前記第1の予熱部は、前記保持炉内の湯量の検出結果に基づいて、前記供給部から前記ボールインゴットが供給されることを特徴とする上記[1]に記載のインゴット供給装置であってもよい。
【0010】
[5]また、前記第2の予熱部は、前記保持炉内の湯量の検出結果に基づいて、前記第1の予熱部から前記ボールインゴットが供給されることを特徴とする上記[1]に記載のインゴット供給装置であってもよい。
【0011】
[6]また、前記第2の予熱部は、前記煙突を貫通する前記煙突内に位置し、入口部及び出口部に前記供給通路を遮断する入口遮断部及び出口遮断部を備えたことを特徴とする上記[1]に記載のインゴット供給装置であってもよい。
【0012】
[7]また、前記投入部は、前記保持炉内の溶湯温度の検出結果に基づいて、前記出口遮断部を開動作することを特徴とする上記[1]に記載のインゴット供給装置であってもよい。
【0013】
[8]また、前記加熱部は、バーナーであることを特徴とする上記[1]に記載のインゴット供給装置であってもよい。
【0014】
[9]また、前記ボールインゴットは、亜鉛ボールであることを特徴とする上記[1]に記載のインゴット供給装置であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、効率よくインゴットの予熱ができ、鋳造品質の向上、及び、大幅なガス使用量の削減が可能なインゴット供給装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[本発明の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係るインゴット供給装置1を含む全体装置のシステム構成図である。図2は、本発明の実施の形態に係るインゴット供給装置1の断面図である。図3は、本発明の実施の形態に係るインゴット供給装置1の上平面図である。図4は、本発明の実施の形態に係るインゴット供給装置1の制御ブロック図である。図5は、ボールインゴット10を保持炉内へ投入するまでのフローを示すフローチャートである。
【0017】
(全体システム構成)
本発明の実施の形態に係るインゴット供給装置1は、インゴット供給装置1にボールインゴット10を搬送して供給するための搬送部800と共に、全体システムを構成し、この全体システムは、図示しない鋳造機に併設されて溶湯状態のダイカスト材料を鋳造機に供給する。
【0018】
(インゴット供給装置1の構成)
インゴット供給装置1は、加熱部により加熱されボールインゴット10を溶解させて溶湯状態で保持する保持炉100と、加熱部の排煙及び排熱を行なう煙突200と、煙突を中心に螺旋状に巻回されボールインゴット10を上部の供給部から下部の保持炉100まで誘導する供給通路300と、供給通路300の一部に設けられ、煙突200からの余熱によりボールインゴット10を第1の予熱温度まで予熱する第1の予熱部400と、供給通路300から煙突200を貫通して煙突内に設けられ、煙突内の排熱によりボールインゴット10を第2の予熱温度まで予熱する第2の予熱部500と、第2の予熱部から所定のタイミングでボールインゴット10を保持炉100内へ投入する投入部600、及び、これらの各部の制御を行なうための制御部700から構成されている。
【0019】
(保持炉100)
保持炉100は、溶解されたボールインゴット10を溶湯状態で保持するメルティングポット110、メルティングポット110内の材料を溶解する加熱部としてのバーナー120、及び、メルティングポット110内の溶湯温度を検出する熱電対湯温センサ130、湯量を検出するための湯量センサ140を有して構成される。湯量は湯面111に浮かぶフロート112の移動を湯量センサ140にて測定し、湯温は湯温センサにて測定され、制御部700に湯量、湯温データが出力される。
【0020】
また、湯量センサ140は、フロート112の上下の位置を検出可能なAセンサ141、Bセンサ142とから構成されている。図示しない鋳造機に溶湯が供給されて湯面111が低下するとフロート112も連動して位置が低下する。例えば、Aセンサ141はボールインゴット1個分の湯面低下の位置にセットされ、また、Bセンサ142はボールインゴット2個分の湯面低下の位置にセットされる。Aセンサ141及びBセンサ142の検出信号は制御部700に出力される。
【0021】
ここで、溶解されるボールインゴット10は、ダイカストに適した材料であれば種々のものが適用可能である。例えば、亜鉛、アルミ、マグネシウム、鋳鉄等であるが、以下においては、亜鉛ボールインゴットを使用するものとして説明する。
【0022】
(煙突200)
煙突200は、バーナー120からの排煙及び排熱を行なうもので、保持炉100から上方へ突設して設けられている。煙突200の上部には、後述する第2の予熱部500での予熱後、保持炉内の放熱を少なくするため、煙突200内部を遮断して熱気の温度低下を防ぐための遮断部としてのダンパー210が出し入れ自由に設けられている。尚、ダンパー210の出し入れは、ダンパ用シリンダ装置220で制御される。
【0023】
(供給通路300)
供給通路300は、煙突200を中心に螺旋状に巻回され、ボールインゴット10を上部の供給部310から下部の保持炉100まで誘導する筒状の通路である。供給部310は、後述する搬送部800からボールインゴット10がインゴット供給装置1に供給される部分であって、搬送部800の上昇装置820から供給されたボールインゴット10の有り無しを確認するための有無確認センサ330が設けられている。
【0024】
(第1の予熱部400)
第1の予熱部400は、供給通路300の一部であって、煙突200を中心に螺旋状に巻回されて煙突200からの余熱で供給通路300内のボールインゴット10が予熱される部分である。本実施の形態では、この第1の予熱部400に10個程度のボールインゴット10が供給される。そして、第1の予熱部400の出口部には、ボールインゴット10を必要個数だけ第2の予熱部500へ供給するための切出し装置320が設けられている。
【0025】
切出し装置320は、供給部310のボールインゴット10が通過する領域に第1ストッパ321及び第2ストッパ322と、これらのストッパ部材を出し入れするストッパ用シリンダ装置323,324で構成され、制御部700により制御される。第2ストッパ322は、ストッパ用シリンダ装置324の開閉制御により開閉され、第2の予熱部500へボールインゴット10が通過できるかできないかを制御するものである。また、第1ストッパ321は、第2ストッパ322が開状態のときにボールインゴット10が連続して第2の予熱部500へ供給されないようにするもので、第1ストッパ321と第2ストッパ322との間には1個のボールインゴット10が滞留できるよう設定されている。これにより、第2ストッパ322が開状態のときに第1ストッパ321を閉状態に制御することで、ボールインゴット10を1個ずつ第2の予熱部500へ供給することが可能となる。
【0026】
(第2の予熱部500)
第2の予熱部500は、第1の予熱部400の下部に位置する供給通路300の一部であって、煙突200を貫通し煙突内に位置する部分である。第2の予熱部500に対応する煙突200の側面には、第2の予熱部500の入り口、及び、出口に対応して穴部が形成されている。この穴部を供給通路300が貫通すると共に、予熱効率を向上させるために、それぞれ入口側シャッタ部510、出口側シャッタ部520が設けられている。このシャッタ部510,520は、供給通路300内へそれぞれ入口側シリンダ装置511,出口側シリンダ装置521で出し入れされる。
【0027】
制御部700により入口側シリンダ装置511が開閉制御されて入口側シャッタ部510が閉じた状態から開くと、第1の予熱部400で予熱されて待機していたボールインゴット10が第2の予熱部500内に導入される。入口側シリンダ装置511,出口側シリンダ装置521が制御部700により開閉制御されて入口側シャッタ部510、出口側シャッタ部520が共に閉じた状態になる。すなわち、保持炉100に投入される前に、ボールインゴット10は前後をシャッタ部510,520で遮蔽された状態で第2の予熱部500内で予熱される。図3に示すように、第2の予熱部500内での供給通路300は、一部に切欠部300aが形成されており、煙突200内を下から上に上昇する熱気を直接ボールインゴット10が受けることで、予熱の効率が向上する。
【0028】
(投入部600)
投入部600は、ボールインゴット10を第2の予熱部500から保持炉100のメルティングポット110まで導く供給通路300の一部である。尚、投入部600は、制御部700により制御されてボールインゴット10の投入を行なうので、上記示した供給通路300の一部に加えて、開閉によりボールインゴット10の投入を制御する第2の予熱部500の出口側シャッタ部520を含めることができる。
【0029】
(制御部700)
制御部700は、制御プログラムや各種パラメータを記憶した記憶部、図5に示すフローに従って演算処理するCPU等から構成される。湯温センサ130、湯量センサ140(Aセンサ141、Bセンサ142)、有無確認センサ330からの出力信号が制御部700に入力される。一方、制御部700からは、バーナー120、ダンパ用シリンダ装置220、ストッパ用シリンダ装置323,324、入口側シリンダ装置511、出口側シリンダ装置521、上昇装置820へ制御信号が出力される。
【0030】
(搬送部800)
搬送部800は、簡易式供給部810と、この簡易式供給部810から供給されたボールインゴット10を供給部310まで上昇させて搬送する上昇装置820とから構成されている。簡易式供給部810は、インゴット台車830に積載されたボールインゴット10を定量だけ上昇装置820に供給する。上昇装置820に供給されたボールインゴット10は、下方から上方まで押し上げられて、保持炉100へ投入された個数分だけ供給部310に補給される。
【0031】
(インゴット供給装置1の動作)
ボールインゴット10として亜鉛ボールインゴットを使用した場合のインゴット供給装置1の動作を説明する。以下の説明では、メルティングポット110内に溶湯状態の亜鉛が所定の温度で保持されている定常状態から、鋳造機へ供給されたために湯面が低下、あるいは、時間の経過と共に湯温が低下してきた場合の動作を説明する。
【0032】
(湯温の低下)
制御部700は、熱電対湯温センサ130からの入力を所定時間間隔で常時監視し、熱電対湯温センサ130の出力が所定値(409℃)以下かを判断する(Step1)。Yesの判断がされるまでStep1の始めに戻って繰り返す。
【0033】
(ダンパー210を開く)
制御部700は、ダンパ用シリンダ装置220を制御してダンパー210を開き、次のステップでのバーナー点火の準備を行なう(Step2)。ダンパー210を開いた後、Step3のバーナー点火に進むと共に、Step7〜Step13のボールインゴット投入フローに進む。
【0034】
(バーナーの点火)
バーナー点火前のパージとして約30秒程度エアブローを行ない、その後、
バーナー120がON(点火)される(Step3)。これにより、保持炉100のメルティングポット110内の溶湯を加熱すると共に、第1の予熱部400及び第2の予熱部500の予熱を行なう。尚、定常状態においては、第1の予熱部400におけるボールインゴット10は、約100℃程度までは予熱されている。このStep3においては、第2の予熱部500で250〜350℃まで予熱する。予熱時間は、バーナーの燃焼能力により異なるが、例えば、60秒で200〜250℃、120秒で300〜350℃程度まで予熱される。尚、予熱は、溶融点(約380℃)まで予熱することが可能であるが、溶融点まで予熱すると保持炉100内へボールインゴット10が溶け流れてしまうためバーナーの能力に応じて時間制御を行なう必要がある。
【0035】
(湯温の判断)
制御部700は、熱電対湯温センサ130からの入力を所定時間間隔で常時監視し、熱電対湯温センサ130の出力が所定値(410℃)以上かを判断する(Step4)。Yesの判断がされるまでStep4の始めに戻って繰り返す。
【0036】
湯温が410℃以上と判断されると、バーナー120の燃焼を停止させ(Step5)、制御部700は、ダンパ用シリンダ装置220を制御してダンパー210を閉める(Step6)。
【0037】
(補給量の確認)
湯量センサ140により、湯面低下量に応じたボールインゴット投入個数(0、1、2個)を判断し、この投入個数に応じて第1の予熱部400、第2の予熱部500へ補給する個数を確認する(Step7)。補給量が0個の場合はStep3へ戻り、補給量が1個又は2個の場合はStep8に進む。
【0038】
第2の予熱部500の入口側シリンダ装置511を開き(Step8)、第1の予熱部400よりストッパ用シリンダ装置323,324を動作させ、必要数(1個又は2個)だけ第2の予熱部500へ補給する(Step9)。補給後、制御部700は、搬送部800の簡易式供給部810から上昇装置820を制御することで、必要個数を供給部310に補給する。また、入口側シリンダ装置511を閉じる(Step10)。
【0039】
(ボールインゴットの投入判断)
ボールインゴットの投入は、バーナー120がOFFになったことを判断して行なわれる(Step11)。Yesの判断がされるまでStep11の始めに戻って繰り返す。Yesの判断がされると、次のStep12のボールインゴット投入ステップに進む。
【0040】
(ボールインゴットの投入)
制御部700は、第2の予熱部500の出口側シリンダ装置521を制御して、出口側シャッタ部520を開状態にすることでボールインゴット10をメルティングポット110内へ投入する(Step12)。投入後、出口側シリンダ装置521を閉じる(Step13)。
【0041】
図5に示したフローによりボールインゴット10の一連の投入動作が終了するが、鋳造機が稼動中は常時上記のフローが制御部700により実行される。
【0042】
[本発明の実施の形態の効果]
上記示した本発明の実施の形態によれば以下のような効果を有する。
(1)第1の予熱部400で予熱されたボールインゴット10を、第2の予熱部500でさらに予熱するので、高効率の予熱が可能である。特に、第2の予熱部500は、煙突内に設けられているので、従来に比べて極めて予熱効率に優れるインゴット供給装置1が可能となる。
(2)保持炉内の溶湯温度をボールインゴットの投入によっても温度低下を最小に抑えて一定化できる。また、バーナーにより予熱された溶湯は、必要温度(410℃)をオーバーシュートしてしまうが、300℃程度まで予熱された溶ける前の材料を投入するため、必要以上に上がる熱を抑えることができる。これにより、鋳造機へ安定した溶湯状態で供給できるので、高い鋳造品質の製品が可能となる。
(3)上記示した高い予熱効率により、装置の小型化が可能となり、設置スペースの削減も可能となる。
(4)排熱利用によりボールインゴット10を予熱するので、大幅な省エネが可能となる。本発明の実施の形態では、10個程度のボールインゴットを3分程度で約300℃まで予熱できることにより、新材を溶かすために必要なバーナー120のガス消費量が約60%削減可能である。
【0043】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るインゴット供給装置1を含む全体装置のシステム構成図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係るインゴット供給装置1の断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係るインゴット供給装置1の上平面図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係るインゴット供給装置1の制御ブロック図である。
【図5】図5は、ボールインゴット10を保持炉内へ投入するまでのフローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1…インゴット供給装置、10…ボールインゴット、100…保持炉、110…メルティングポット、111…湯面、112…フロート、120…バーナー、130…熱電対湯温センサ、140…湯量センサ、200…煙突、210…ダンパー、220…ダンパ用シリンダ装置、300…供給通路、310…供給部、320…切出し装置、330…有無確認センサ、400…第1の予熱部、500…第2の予熱部、510,520…シャッタ部、511,521…シリンダ装置、600…投入部、700…制御部、800…搬送部、810…簡易式供給部、820…上昇装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱部により加熱され、ボールインゴットを溶解させて溶湯状態で保持する保持炉と、
前記加熱部の排煙及び排熱を行なう煙突と、
前記煙突を中心に螺旋状に巻回され、前記ボールインゴットを上部の供給部から下部の前記保持炉まで誘導する供給通路と、
前記供給通路の一部に設けられ、前記煙突からの余熱により前記ボールインゴットを第1の予熱温度まで予熱する第1の予熱部と、
前記供給通路から前記煙突を貫通して前記煙突内に設けられ、前記煙突内の排熱により前記ボールインゴットを第2の予熱温度まで予熱する第2の予熱部と、
前記第2の予熱部から所定のタイミングで前記ボールインゴットを前記保持炉内に投入する投入部と、
を有することを特徴とするインゴット供給装置。
【請求項2】
前記煙突は、前記第2の予熱部の上方に、前記煙突を遮断する遮断部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のインゴット供給装置。
【請求項3】
前記供給通路は、前記ボールインゴットを前記第1の予熱部へ所定個数だけ供給する切出部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のインゴット供給装置。
【請求項4】
前記第1の予熱部は、前記保持炉内の湯量の検出結果に基づいて、前記供給部から前記ボールインゴットが供給されることを特徴とする請求項1に記載のインゴット供給装置。
【請求項5】
前記第2の予熱部は、前記保持炉内の湯量の検出結果に基づいて、前記第1の予熱部から前記ボールインゴットが供給されることを特徴とする請求項1に記載のインゴット供給装置。
【請求項6】
前記第2の予熱部は、前記煙突を貫通する前記煙突内に位置し、入口部及び出口部に前記供給通路を遮断する入口遮断部及び出口遮断部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のインゴット供給装置。
【請求項7】
前記投入部は、前記保持炉内の溶湯温度の検出結果に基づいて、前記出口遮断部を開動作することを特徴とする請求項1に記載のインゴット供給装置。
【請求項8】
前記加熱部は、バーナーであることを特徴とする請求項1に記載のインゴット供給装置。
【請求項9】
前記ボールインゴットは、亜鉛ボールであることを特徴とする請求項1に記載のインゴット供給装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−36211(P2010−36211A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201623(P2008−201623)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)