説明

インタラクティブビデオ再生システム及び方法

ビデオプレイヤー(20)はメディア(10)を用いてビデオ(30)を再生する。これによって、メニュー表示40を行い、トリガー(50)を認識するとともに、ユーザー(15)のインプットに基づいてセグメントスキップ(60)を行い、グラフィックス挿入(70)を行って、ゲームをプレイするようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルビデオ制御に関し、特にインタラクティブゲーム又は教育体験などを提供するための新規なシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インタラクティブマルチメディアは、ユーザーに対して利用可能な種々のマルチメディアソースから探索した対象物を十分に鑑賞できる機会を与える。インタラクティブマルチメディアは、テキスト、音響、グラフィックス、画像、及び動画を単一の、コンピュータ制御されたマルチメディア製品として含む。インタラクティブマルチメディアに対する要求は、これらのプログラムに対する保存データの増大の要求に伴って増大している。
【0003】
高画像ビデオプレイヤーやソフトウエアDVD−ROMのなどの、DVD及びその他のデジタルマルチプレーヤーにおいては、データの記憶容量が増大するとともに、メディアインテグレーションのための手段として機能している。データ容量が増大することによって、より多くの情報を単一のディスクあるいはドライブ中に保存することができるようになる。また、このようなデータ容量の増大に加えて、このようなデジタルメディアはより高品質のビデオ及びオーディオを提供することができる。
【0004】
高品質のオーディオ及びビデオ製品には数多くの用途が存在するが、エンターテイメント産業においては、より高品質のオーディオ及びビデオが要求されており、特にビデオゲーム産業においてはその度合いが大きい。このビデオゲーム産業においては、低価格で高品質のものが求められている。動画を含んだビデオゲームを作製するに際して、そのオーディオ及びビデオの品質はコスト制限を受けることになる。また、高品質の製品を製造するに際し、利益を生ぜしめるためには値段を高くする必要がある。
【0005】
過去数年の間、エンターテイメント産業においては、動画像をビデオゲーム中に取り込むことを試みてきた。この試みにおいては、ハリウッドのプロダクションバリューを有するようなゲームの生産を予定しており、ストーリーを部分的に取り入れることによって、またはスプライトオーバーレイ(sprite overlays)などを通じた双方向性を付加することを予定したものである。“スプライト”とは、複数の画素のパターンから構成されるグラフィックス対象であって、コンピュータープログラマーによって画定されるものである。この対象物は、巧みに操作されるとともに結合されて、アニメゲームやグラヒックスクリーンディスプレイを構成する。このような技術を用いることによって、これらの対話型ムービーは、かつてビデオゲーム産業の将来を担うものと考えられていた。パソコンや家庭用ゲーム機器メーカーは、画像制作に関して多大な費用がかかることを早くに気づいていた。
【0006】
ビデオゲーム産業においては、アニメーションやコンピュータグラフィック画像よりも、むしろビデオ画像をゲーム中に挿入する試みを行っていた。このようなビデオゲームにおいては、多量のビデオクリップを保持することができる。したがって、ユーザーの行動に依存して、ビデオゲームは相当するビデオクリップを再生する。しかしながら、このようなシステムにおいては、少なくとも2つの欠点が存在する。第1に、ビデオ画像がゲームの全体を通じて連続して再生されないという問題がある。第2に、ビデオ画像は動画から容易に移送することができないという問題がある。代わりに、ビデオクリップを再画像化し、適当な媒体中に保存しなければならない。パソコン及び家庭用ゲームメーカーの双方ともに、ビデオクリップに基づいてゲームをオーバーレイする試みがなされている。
【0007】
ビデオ画像に基づいてインタラクティブゲームを再生した従来の試みの一つとして、”Dragon’s Lair”がある。この”Dragon’s Lair”においては、ビデオパスをブランチングすることによって、テレビゲームを製造していた。しかしながら、このゲームはアナログ形式のレーザーディスクに基づくものであって、デジタルビデオに基づくものではなかった。デジタルビデオはその品質においてアナログ形式のものよりも優れている。また、アナログビデオパスをブランチングするための技術は、デジタル技術に対してそのまま転用することはできない。
【0008】
デジタルビデオを用いた最初のゲームは”Sherlock Holmes:Consulting Detective”である。その制作費用は莫大なものであって、その画像はプロの俳優を実際のセット中に配置させることによって、映画会社が制作したものである。しかしながら、その高いコスト及びシーンをフィルム分割するという技術は、インタラクティブゲームに対しては望ましいものではなかった。
【0009】
最初のフルモーションビデオ(FMV)は、”Digital Pictures”による”Night Trap”であって、レーザーディスクとCDプラットフォームの双方の形態で製造されている。FMVは、連続した動きを再生することができるビデオシステムである。低速のCD−ROMドライブや低帯域のネットワークにおいては、フルモーションビデオに要求される多量のデータを処理しきれない場合がある。その結果、ビデオ再生が不規則になったりする場合がある。また、ビデオ画像が粗くなったり、不鮮明になったりする場合がある。”Night Trap”は、実際の俳優の映像からなる最初のインタラクティブゲームの一つである。”Digital Pictures”は、後にセガのCDプラットフォームのために”Sewer Shark”をリリースしている。解像度やカラーパレットなどの特性はビデオにおいては十分ではない。結果として、FMVはインタラクティブ動画に対しては適していない。
【0010】
他のゲームにおいては、コンピュータグラフィックと俳優の実際の演技画像とを付加的に複雑に組み合わせたものであります。”Star Wars: Rebel Assault II”は、”LucasArts Entertainment Company”によって提供されたものであり、これはプロの俳優を用いた場面に基づいて記録したビデオ画像を利用したものである。真実味を与えるために、オリジナルなプロップとコスチュームとは実際の映画から取ってきたものである。俳優は、船やビル、あるいは他のセットが存在しない状態で演じており、代わりに、青色のシェイドで色づけされた大きなブルースクリーンルームで演じている。俳優の演技映像が記憶され、デジタル化された後は、特殊効果の技術者がコンピューターを操作して、画像中の総ての青色部分をコンピュータで製造した適当な画像によって代替する。この製品の制作費用は莫大なものであり、必要なコンピュータグラフィック処理を施すに際しては大量の時間を要していた。
【0011】
インタラクティブ画像に対するその他の従来的な試みは、Trilobyteによる”The 7th GUEST”であり、パズルを解き明かした際に報酬としてビデオクリップを再生するものである。しかしながら、そのビデオクリップの画像は、俳優がブルースクリーンで演じて際の画像の品質が悪いという問題があった。また、クリーンキーが存在しない状態では、俳優の周囲において青色のハローが出現してしまう。また、ゲーム再生は、ビデオの連続性と関連していない。
【0012】
その他の従来の試みとしては、ユーザーの動きに関連してビデオクリップをロードすることがなされている。”Electronic Arts”による”The Psychic Detective”は、アドベンチャーゲームであって、ビデオブランチ及びスプライトオーバーレイを用いることによってユーザーに対して双方向性を付与するようにしている。このゲームは、ユーザーに対してRun way”又は”Knock on the Door”などのオプションを提供することができ、これによって、ユーザーの選択により透視画像が変化する。このような選択を通じて、前記ゲームは、ユーザーに対して種々の異なる結末を与えることができる。
【0013】
”The Psychic Detective”は、ゲームの全体を通じて定常的な動きを提供することができる。また、誤った選択を実施した場合においても、ビデオ画像は連続して上映される。しかしながら、このゲームは連続したビデオ再生を行うものではなく、ユーザーの選択に基づいて連続したビデオ再生を行うものである。実際、”The Psychic Detective”は、3つのCDを用いてビデオクリップの再生とプログラミングとを行っている。
【0014】
しかしながら、”The Psychic Detective”は、動画像とビデオゲームとが混合した製品とはかけ離れたものしか提供していない。また、このような従来の試みにおいては、映像メーカーやゲーム開発者の製品を十分に取り込んだインタラクティブ画像を提供してはいない。このように、インタラクティブムービー産業においては、従来のインタラクティブメディアに取り込まれていないような特徴を要求している。このような従来のインタラクティブメディアにおいては、ユーザーがムービー中に参加することができず、ユーザーはアクションシーンにおいて、キャラクターの役割を演じることができないとともにアシストすることもできない。また、従来の試みにおいては、パソコンとVCRのようなビデオ再生機との双方を用いていたが、パソコンは理想的なビデオ再生機器ではないともに、ビデオ再生機器はパソコンのような演算能力を有していない。
【0015】
また、ビデオゲームに対してオリジナルなビデオコンテンツを生成しようとすると、ハリウッド映画のような画像品質を有しないようなものでも非常に高いコストがかかるようになる。利益を考慮した場合にこのようなカスタム化されたビデオコンテンツを利用しているために、従来の試みにおいては、真のインタラクティブムービーを制作するのに成功していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、ユーザーが映像スタジオでの高品質の映像と双方向性を有することができるようなムービーを提供することが望ましい。
【発明を解決するための手段】
【0017】
本発明では、インタラクティブビデオ再生のシステム及び方法が開示されている。本発明においては、DVDや高解像度ビデオプレイヤーなどの再生機においてインタラクティブなゲーム体験を提供する。予め存在するメディアを再生することによってユーザーに対し、インタラクティブなゲーム体験を提供するものである。メディア再生装置は、メディア内のオリジナルな情報を直接的に編集し圧縮して、ゲームプレイに対してより実効性のある双方向性を実現している。グラフィックス、テキストあるいはその他のビデオ画像がメディア上に重畳され、インタラクティブ体験を形成する。
【0018】
インタラクティブメディアプレイヤーとしては、例えばDVDプレイヤーやパソコン、高解像度プレイヤー、ソフトウエアプレイヤーを例示することができる。一例において、前記メディアは、テレビ番組や映画などとすることができる。
【0019】
例えば、映画を含むDVDはインタラクティブゲームを製造するためのデータ手段として用いることができる。一般に、映画は多くのシーンが編集され、その内のいくつかは削除されている。しかしながら、インタラクティブゲームにおいては、そのような削除されたシーンは望ましくない。したがって、ビデオ編集は、動きの遅いシーンや削除されたシーンなどの望ましくないものを削除し、連続した動作に関するシーンのみを残存画像として残すようにする。
【0020】
一例において、ビデオ編集は、ビデオをいつ停止していつスタートさせるか、あるいはどのくらいの長さで編集するかなどの時間あるいはトリガーのテーブルあるいはリストを利用することによって行う。メディアプレイヤープロセッサは、ビデオストリームを十分なメモリを用いて直接的に編集して、セグメントをバッファリングし、セグメント間の移行をスムースにする。上記システムは、ゲームプレイ又は双方向性に対してグラフィックス又はテキストをオーバーレイさせる。また、前記システムは、ビデオ及びオーディオをオーバーレイさせることができる。
【0021】
他の例においては、ビデオ再生を通じてインタラクティブゲームを提供するための方法を提供するものであって、この方法では、ユーザーからのインプットを受信し、ビデオ再生の上方部分にグラフィックス又はテキストを描写するとともに音響再生を制御するプロセッサーを有するビデオプレイヤーを提供するステップと、標準再生のためのビデオストリームを有するとともに複数のセグメント識別子を有し、ゲームのプレイに際して前記ビデオストリームのセグメントが再生されるように前記プロセッサーに対して指令を出すようなメディアを提供するステップと、前記ビデオ上でグラフィックス又はテキストを重畳し、インタラクティブなゲーム体験を生成するステップとを具える。また、ゲームの連続したプレイを妨害するような前記ビデオストリームのセグメントはスキップする。さらに、ユーザーの双方向性に基づいて、前記ビデオストリームのセグメントを再生する。また、前記セグメント識別子はトリガーとすることができる。さらに、前記セグメント識別子は編集決定リスト中に取り込むことができる。また、ユーザーは遠隔装置に対してインプット動作を行うことができる。前記遠隔装置は、キーボード、マウス、遠隔制御器、又はゲームコントローラーとすることができる。
【0022】
その他の例においては、インタラクティブメディアシステムを提供する。このインタラクティブメディアシステムは、メディアを再生するためのビデオプレイヤーと、前記メディア内に存在し、前記ビデオプレイヤーによって認識されるとともに、選択したセグメント間のセグメントをプレイさせるようにするための、複数のセグメント識別子と、ユーザーがプレイ中のセグメントと双方向性を形成するようなオーバーレイとを具える。セグメントのプレイの管理及びプレイ中のセグメントに対するオーバーレイの管理はCPUで行うことができる。また、前記複数のセグメント識別子は、編集決定リスト中に取り込むことができる。さらに、前記編集決定リストは、ブランチング(branching)編集決定リストであって、ユーザーインプットに応じてセグメントをプレイするようにすることができる。また、前記セグメント識別子はトリガーとすることができる。前記オーバーレイは、グラフィックス又はテキストを含むことができる。前記ビデオプレイヤーは、DVDプレイヤー、高解像度プレイヤー、又はパソコンとすることができる。前記メディアは、DVD、DVD−ROM、CD、CD−ROM、又はLANベースの記憶装置、インターネット、サーバー又はハードドライブにおけるメディアとすることができる。前記オーバーレイはオーディオを含むことができる。
【0023】
さらに他の例においては、メディアとのインタラクティブ方法を提供する。この方法は、メディア再生装置に対してメディアを提供するステップと、前記メディアの一部を削除して、実質的に連続したシーンの再現を可能とするステップと、前記メディアの残存した部分にグラフィックスを挿入し、ユーザーが前記メディアの前記残存部分と双方向性を形成するようにアシストするステップとを具える。前記メディアの削除すべき部分に対してマーキングを行うことができる。また、ユーザーとの双方向性に基づいて前記メディアの残存部分をプレイする。さらに、前記メディアからのシーン削除を開始し、終了するタイムリストを提供することができる。
【0024】
前述した目的及びその他の目的、並びに特徴、利点については、以下に図面を参照しながら具体例に基づいて詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明のインタラクティブビデオ再生システム及び方法は、ビデオプレイヤーに対してムービー機能を付加する。図1には、インタラクティブムービーを提供する方法が示されている。メディア10は、慣用の方法でメディア10に基づいてビデオ30を再生するビデオプレイヤー20中に挿入される。ビデオプレイヤーとしては、DVDプレイヤー、高解像度ビデオプレイヤー、ソフトウエアDVD−ROMなどを含むことができるが、これらに限定されるものではない。メディアとしては、DVDやその他の大容量記憶装置を含むことができるが、これらに限定されるものではない。ビデオプレイヤーの一例として、DVDプレイヤーを用いてDVDに記憶したムービーを再生するようにすることができる。
【0026】
ビデオプレイヤー20は、従来のビデオプレイヤーと異なるような機能を有している。第1に、ビデオプレイヤー20は、ユーザーに対してオンスクリーンメニューを提供することができる。第2に、ビデオプレイヤー20は、DVDの特性に合致している。第3に、ビデオプレイヤー20はオーバーレイを行うことができる。第4に、ビデオプレイヤー20は好ましくないシーンをスキップすることができる。
【0027】
本発明の方法及びシステムは、与えられたメディアを通じ、ユーザーに対してゲームをプレイし、その他のインタラクティブ体験を可能としている。リモートコントロールやジョイスティック、キーボード上のボタンを押すこと、又はマウスをクリックしたり、遠隔装置をオンするなどの操作によって、ユーザー15は、ビデオプレイヤー20のCPUすなわちプロセッサー24に対して指令を送り、メニュー40を表示するようにすることができる。CPU24は、メディアコプロセッサ22に対して指令を送り、スクリーン上に表示される以前に、メニュー40におけるグラフィックス及びテキストを送信し、スムースな移行を可能とするとともに、フレームドリフトを防止するようにしている。メニュー40はメディア10の動作中あるいは再生中に、ユーザーに対して表示することができる。また、メニュー40は、メディアの再生前又は再生中において存在するようにすることができる。再生前又は再生中において、他の操作又は他の手段を用いることによって、前記システムは、オンスクリーンメニュー50を表示するようにすることができる。また、同様の動作を通じて、ユーザーはメニュー50からゲームプレイ又はその他のインタラクティブプログラム60を選択するようにすることができる。また、リモートコントロールやジョイスティック、キーボード上のボタンを押すこと、又はマウスをクリックしたり、遠隔装置をオンするなどの操作によって、前記システムは、メニューを使用することなく、ゲームやその他のインタラクティブプログラムをロードすることができる。例えば、遠隔装置のボタン上に、“スタート“あるいは”ゲーム“などを表示するようにすることができる。
【0028】
前記システムは、双方向性を確保するために、従来の一方向性のメディアを再利用することができるように構成されている。メディア10は、ビデオプレイヤー20のメディアインターフェイス21に対してストリームする。メディア10内に選択的に与えられている実行ファイルは、メディアインターフェイス21からCPU24に対して提供される。ビデオストリームはメディアコプロセッサー22に対して連続している。効果的な双方向性を達成するために、メディア10内にはトリガー50が設けられ、CPU24はそれを認識する。
【0029】
前記システムは、任意のリアルタイム編集機能を有するインタラクティブビデオ再生プラットフォームを提供する。ゲーム又はインタラクティブプログラムの実行において、CPU24はメディア10内のトリガー又はセグメント識別子をサーチする。セグメント識別子は、前記メディアの使用に際して動作させるべきセグメントを識別する。ムービーに対して、前記セグメントは連続して、又は任意の順番で再生される。残存するセグメントは、ゲームの性質に応じてフィルタリング除去することができる。例えば、連続したムービーの一部のシーンを削除したりすることができる。撮影画面に基づいたゲームをプレイする場合、前記システムは選択的に場面を削除することができ、連続したアクションが続くようにすることができる。セグメント識別子は、シーンの中断部分における最初の場所に位置づけることもできるし、最後の場所に位置づけることもできる。セグメント識別子は、少なくとも2つの方法の内の1つの方法で表示することができる。一例において、トリガーは、メディアのコード内に埋め込むようにすることができる。また、他の例では、コントロールプログラムが、相当するセグメントのタイミングに関するリストを利用するようにすることができる。
【0030】
一例において、トリガーはメディア中に埋め込むようにすることができる。メディア10がメディアインターフェイス21内にストリームされる際、CPU24は、セグメントの最初の位置においてスターティングトリガーを認識する。CPU24はメディアコプロセッサーに対して指令を送り、スターティングトリガーと次のトリガーとの間のセグメントをスキップするようにすることができる。このとき、出力バッファー23は表示すべきセグメントを受信しない。結果として、出力バッファーはセグメントをスムースに移行させ、連続したムービーを保持する十分な能力を有しなければならない。ビデオプレイヤー20は、次のトリガーの後、他のスターティングトリガーが出現するまでメディアを再生する。
【0031】
セグメントをスキップさせる他の例としては、ゲームを再生するために必要なデータを用い、前記CPUが双方向性のための編集決定リスト(edit decision list (“EDL”))を加工する。このインタラクティブEDLは、メディア内に埋め込まれた形態で存在することができるとともに、ビデオストリーム内にコード化した形態で存在することができ、さらにコンピューターネットワークからロードする及び/又はストリームして存在することができる。慣用のムービー再生モードにおいて、前記EDLは無視することができ、前記メディアはそのオリジナルな形態で再生できるようにすることができる。前記プレイヤーがインタラクティブモードあるいはゲームモードにある場合、前記CPUは前記プレイヤーに対してインタラクティブ体験を損なうような前記メディアの部分をスキップするようにする。ゲームのプレイの最中において、CPUのロジックはEDLを検査し、ビデオのある特定のフレームに到達した際に、そのリードヘッドを数秒の間ジャンプさせ、非インタラクティブな部分をスキップするようにすることができる。また、EDLはビデオストリームを後方に任意にジャンプさせ、所定のショットを再利用することによりゲーム時間を増大するようにすることができる。
【0032】
一例において、ビデオプレイヤーはEDLを利用し、ユーザーのゲームとの双方向性に依存させて、メディアのセグメントを再生するようにすることができる。前記CPUは、ユーザーの双方向性を利用して、他のセグメントあるいはユーザーがゲーム内で正当な行動を採ることによる、任意のセグメントを再度再生するようにすることができる。例えば、ユーザーがゲームをプレイしている際に、ある目的を達成した場合において、CPUを駆動させてハイレベルなゲームプレイにスキップするようにすることができる。この場合においては、前記CPUがEDLに基づいて他のセグメントに進むことになる。しかしながら、もしユーザーがある目的を達成しなかった場合において、前記CPUはEDL上のあるセグメントを再度再生し、ユーザーに対して同レベルのゲームプレイを与えるようにすることができる。したがって、EDLはダイナミックなものとすることができるし、固定したものとすることができ、ユーザーの能力に応じてそのレベルを種々変化させることができる。
【0033】
ビデオストリームにおける任意のジャンプを可能とするためには、前記ビデオプレイヤーがビデオ再生速度よりも早い速度でメモリー中にビデオデータを読み込むようにする。このようなバッファリングシステムは、再生機器がDVDプレイヤーのリードヘッドとシンクロせずに、一時的に新規なビデオデータを読み込むことができないような場合でも、ビデオ再生を中断することなく実施することを可能とする。前記リードヘッドは、小さな電磁コイルと金属ポールを有しており、ディスク上の磁気パターンを読み込むようにする。ビデオデータの読み込みは、リード/ライトヘッドを特定のデータトラック上に移動させることによって実施する。
【0034】
例えば、サイエンティフィックフィクションの映画から宇宙船による戦闘シーンの部分を取り出し、双方向性とすることは比較的容易である。プレイヤーはカーソルをスクリーンに対して移動させ、悪者を打ち落とした時は点を得、良者を打ち落とした時は点を失うとうようにすることができる。船を射撃するような場合は、探検物のアニメーションとし、それに応じたような音響を生成するようにする。実際、インタラクティブデザイナーは、シーンの大部分が、インタラクティブデザインを構成しないような種々の削除すべきシーン及び場面展開を含むことを見出す。
【0035】
メディアコプロセッサー22は、ゲームプレイ中において、グラフィックス及びテキスト70同様にビデオセグメントをビデオストリーム中に提供する。このグラフィックス及びテキストには、ゲームのスコアや遠隔装置に対するカーソル、ビデオ上にオバーレイされたその他のグラフィックスなどを含むが、これらに限定されるものではない。グラフィックスやテキストは、ユーザーがゲームをプレイするための案内役を果たすとともに、CPUに対して指令を発し、付加的なグラフィックスやテキストを提供するための手段として用いることもできる。CPU24は、メディアコプロセッサー22に対して指令を発し、ユーザーがゲーム80をプレイできるような、ある特定の形態のグラフィックス及びテキストを含むようにすることができる。ゲームの全体を通じ、ユーザー双方向性、プレイに際して選択したセグメント、及び実行ファイルからのデータに依存した形で、メディアコプロセッサー22はセグメントに対してグラフィックオーバーレイを提供し、再生のためのバッファーを出力する。遠隔装置を通じて、ユーザー15は、前記オーバーレイのグラフィック及びテキストを用いることにより、オリジナルなムービーコンテンツに基づいて、ゲーム80をプレイすることができる。一方、メディアの連続した線形性を妨害するようなセグメントについては同時にスキップすることができる。
【0036】
また、一例において、図2に示すように、ビデオストリームはスペイスシップ200を有する。ゲームコントローラーのボタンを押すことによってメニューがオンとなり、スクリーン上において”Activity”に対するオプション210が出現する。
【0037】
図3に示すように、ユーザーによる”Activity”の選択によって、”Rocket Zapper”に対するオプション320が”Activity”に対するオプション210に加えて出現する。過去に選択したメニューオプションは、スクリーン上において選択的に表示することができる。また、メニューアイテムを使用することによって、ビデオストリームを停止しないようにすることができる。なお、前記メニューアイテムは、メディアの再生以前に選択することができる。図3において、スペイスシップ300はスクリーン上を飛ぶ。
【0038】
”Rocket Zapper”の選択に基づいて、ビデオプレイヤーはゲームプレイモードとなり、制御プログラム及びプロセッサーはEDLを認識し、ゲームプレイを行うために、スクリーン上にグラフィックス及びテキストを記述する。図4では、2プレイヤーゲームが示されている。プレイヤーの名前であるドナルド(Donald)及びミッキー(Mickey)はテキストボックス405及び410内に出現する。本例において、ターゲット415及び420はこの2プレイヤーのために使用され、他のスペイスシップを標的として狙撃する。ターゲット415及び420に対する狙撃は遠隔装置によって行うことができる。慣用のプレイングモードにおいては、スペイスシップ425は同一の方法でスクリーン上を飛翔する。
【0039】
本例においては、オリジナルなビデオストリームから所定の部分をフィルタリングして削除することができる。図5に示すように、EDL内における時間に応答して、前記プロセッサーは画像及びシーンをフィルタリングする。このような画像削除などは、ゲームの連続的な進行を妨げることになる。したがって、このような事項は削除される必要があり、リードヘッドはDVDにおける次の位置にシークし、ゲームの連続したプレイを可能とする。
【0040】
ゲームプレイは、ユーザーがシーン削除に気づかない状態で進行する。図6に示すように、カウンター630は同じカウントダウンを表示し、図5における画像削除に要する時間よりもほんの僅かな時間経過において、例えば図4に示すように、11秒という値を表示する。2プレイヤーはゲームプレイを続行することができる。
【0041】
図7では、プレイヤー“ミッキー“はターゲット710を介してスペイスシップ730に対してレーザシューティングを行う。
【0042】
図8では、レーザがスペイスシップ830を狙撃した場合の爆発状態840を示している。スペイスシップ830はメディアにおけるムービーからのオリジナルなビデオコンテンツとすることができる。しかしながら、爆発840は、本システムによって描写されたものであり、あたかもスペイスシップ830が爆発したかのように、スクリーン上において、スペイスシップ830にオーバーレイさせている。
【0043】
図9では、爆発940は、スペイスシップ930がスクリーン上を横切って飛翔する際に、スペイスシップ930にオーバーレイするようにしている。
【0044】
図10では、ターゲット1010及び1020が各ユーザーに対して出現している。ユーザーがターゲットをヒットした場合、メディアあるいはその他のソース源からのムービートレイラー(movie trailer)がスクリーン上にストリームされる。図11では、1プレイヤーがターゲット1120をヒットした状態を示している。他のプレイヤーはターゲット1110をヒットし損なっているので、“次の機会の幸運を祈る(better luck next time)”なる文言が表示されている。
【0045】
図12では、ターゲットをヒットしたユーザーが”Download Now”1210あるいは”Later”1220のオプションを選択できるような状態を示している。これらのオプションは、上述したようなメニューファンクションと同様なボタンとして出現する。図13では、”Download Now”1310が選択され、グラフィックオーバーレイが出現してボタン1310が光輝いている。
【0046】
図14では、ボタン1410はアルファトランスペアレント(alpha transparent)の状態となっており、トレイラー1420がディスプレイ上に出現している。トレイラー1420はインターネットからダウンロードすることもできるし、メディアからストリームすることもできるし、その他の記憶装置から得るようにすることもできる。図15では、トレイラー1520が最大化されてディスプレイ上に表示されている。図16では、トレイラー1620が十分に最大化されてディスプレイ上に表示されている。図17では、トライラー1720の再生完了に基づいて、トレイラー1720はアルファトランスペアレント(alpha transparent)の状態となり、消滅する。ユーザーは引き続いてムービーを見ることもできるし、再度同じゲームをプレイすることもできるし、異なるゲームをプレイすることもできる。また、再度メニューに戻ることもできる。
【0047】
本システムは、ゲームに対して音響及びビデオ画像の双方を提供する。動作中のセグメントからの音響も選択的に含めるようにすることができる。また、実行ファイルからの音響もグラフィックオーバーレイあるいはユーザーの選択に基づいて含めるようにすることができる。
【0048】
本システム及び方法は、実施例に基づいて詳細に説明したが、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、当業者は変形及び変更を行うことができる。したがって、このような変形及び変更に関する開示もここに記載されているような本発明の範疇に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1a】本発明の一例におけるフローチャートである。
【図1b】同じく、本発明の一例におけるフローチャートである。
【図2】本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図3】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図4】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図5】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図6】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図7】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図8】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図9】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図10】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図11】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図12】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図13】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図14】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図15】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図16】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図17】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。
【図18】同じく、本発明の一例におけるスクリーンショットの例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ再生を通じてインタラクティブゲームを提供するための方法であって、
ユーザーからのインプットを受信し、ビデオ再生を制御するプロセッサーを有するビデオプレイヤーを提供するステップと、
標準再生のためのビデオストリームを有するとともに複数のセグメント識別子を有し、ゲームのプレイに際して前記ビデオストリームのセグメントが再生されるように前記プロセッサーに対して指令を出すようなメディアを提供するステップと、
前記ビデオ上でグラフィックス又はテキストを重畳し、インタラクティブなゲーム体験を生成するステップと、
を具えることを特徴とする、インタラクティブゲームの提供方法。
【請求項2】
ゲームの連続したプレイを妨害するような前記ビデオストリームのセグメントをスキップするステップを具えることを特徴とする、請求項1に記載のインタラクティブゲームの提供方法。
【請求項3】
ユーザーの双方向性に基づいて、前記ビデオストリームのセグメントを再生するステップを具えることを特徴とする、請求項1に記載のインタラクティブゲームの提供方法。
【請求項4】
前記セグメント識別子はトリガーであることを特徴とする、請求項1に記載のインタラクティブゲームの提供方法。
【請求項5】
前記セグメント識別子は編集決定リスト中に取り込まれていることを特徴とする、請求項1に記載のインタラクティブゲームの提供方法。
【請求項6】
ユーザーが遠隔装置を用いるインプット動作を行うステップを具えることを特徴とする、請求項1に記載のインタラクティブゲームの提供方法。
【請求項7】
前記遠隔装置は、キーボード、マウス、遠隔制御器、又はゲームコントローラーであることを特徴とする、請求項6に記載のインタラクティブゲームの提供方法。
【請求項8】
前記グラフィックス又はテキストと関連した音響を提供するステップを具えることを特徴とする、請求項1に記載のインタラクティブゲームの提供方法。
【請求項9】
ユーザーのインプットに応答して、付加的なグラフィックス及びテキストを表示するステップを具えることを特徴とする、請求項1に記載のインタラクティブゲームの提供方法。
【請求項10】
メディアを再生するためのビデオプレイヤーと、
前記メディア内に存在し、前記ビデオプレイヤーによって認識されるとともに、選択したセグメント間のセグメントをプレイさせるようにするための、複数のセグメント識別子と、
ユーザーがプレイ中のセグメントと双方向性を形成するようなオーバーレイと、
を具えることを特徴とする、インタラクティブメディアシステム。
【請求項11】
セグメントのプレイを管理するとともに、プレイ中のセグメントに対するオーバーレイを管理するためのCPUを具えることを特徴とする、請求項10に記載のインタラクティブメディアシステム。
【請求項12】
前記複数のセグメント識別子は、編集決定リスト中に取り込まれていることを特徴とする、請求項10に記載のインタラクティブメディアシステム。
【請求項13】
前記編集決定リストは、ブランチング(branching)編集決定リストであって、ユーザーインプットに応じてセグメントをプレイすることを特徴とする、請求項12にインタラクティブメディアシステム。
【請求項14】
前記セグメント識別子はトリガーであることを特徴とする、請求項10に記載のインタラクティブメディアシステム。
【請求項15】
前記オーバーレイは、グラフィックス又はテキストを含むことを特徴とする、請求項10に記載のインタラクティブメディアシステム。
【請求項16】
前記ビデオプレイヤーは、DVDプレイヤー、高解像度プレイヤー、又はパソコンであることを特徴とする、請求項10に記載のインタラクティブメディアシステム。
【請求項17】
前記メディアは、DVD、DVD−ROM、CD、CD−ROM、又はLANベースの記憶装置、インターネット、サーバー又はハードドライブにおけるメディアであることを特徴とする、請求項10に記載のインタラクティブメディアシステム。
【請求項18】
前記オーバーレイはオーディオを含むことを特徴とする、請求項10に記載のインタラクティブメディアシステム。
【請求項19】
メディア再生装置に対してメディアを提供するステップと、
前記メディアの一部を削除して、実質的に連続したシーンの再現を可能とするステップと、
前記メディアの残存した部分にグラフィックスを挿入し、ユーザーが前記メディアの前記残存部分と双方向性を形成するようにアシストするステップと、
を具えることを特徴とする、メディアとのインタラクティブ方法。
【請求項20】
前記メディアの削除すべき部分に対してマーキングを行うステップを具えることを特徴とする、請求項19に記載のメディアとのインタラクティブ方法。
【請求項21】
ユーザーとの双方向性に基づいて前記メディアの残存部分をプレイするステップを具えることを特徴とする、請求項19に記載のメディアとのインタラクティブ方法。
【請求項22】
前記メディアからのシーン削除を開始し、終了するタイムリストを提供するステップを具えることを特徴とする、請求項19に記載のメディアとのインタラクティブ方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2007−526657(P2007−526657A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515111(P2006−515111)
【出願日】平成16年6月2日(2004.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/017410
【国際公開番号】WO2004/109463
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.レーザーディスク
【出願人】(504399716)ディズニー エンタープライゼス インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】