説明

インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサ

本発明の第1の実施例では、導電性の材料から3つの縦長で互いに平行で部分的に分離され区分された導電性の連続する閉ループに形成されたアクティブなインタラクティブ静電界帯電電極(10)の形態の帯電電極を具え、帯電電極は中間区分(12)と、その両側に1つずつの2つの外側区分(13及び14)とを有するインタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサを提供する。アクティブなインタラクティブ静電界帯電電極(10)の形態の帯電電極は誘電体材料(22)により負電極(27)に容量的に結合され、負電極(27)には電気回路に接続するためのコネクタ(15)が設けられている。中間区分(12)にはこれを電源に接続する手段としてコネクタ(15)が設けられており、2つの外側区分(13及び14)は(16及び17)で中間区分(12)に電気接続され、これらに反対方向の帯電電流が流れるようになっている。アクティブな静電界反転用帯電電極が帯電されると、帯電電流がアクティブなインタラクティブ静電界帯電電極(10)の中間区分(12)を囲んで流れてこれを帯電させ、その外側エッジに沿って集中する静電界を生ぜしめる。次いで、2つの外側区分(13及び14)を囲んで同じ帯電電流が反対方向に流れてこれらを帯電させ、これらの外側エッジに沿って反対方向の集中静電界を生ぜしめる。これにより、アクティブなインタラクティブ静電界帯電電極(10)を負電極(27)に容量的に結合させる誘電体材料(22)内で静電界を、アクティブなインタラクティブ静電界帯電電荷を囲むように均一に分布させる。静電界の局部的な集中を全て回避し、充電しうる電圧を増大させることにより、電気エネルギー蓄積容量を増大させるとともに交流電流を遮断しうるようにする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
あらゆるコンデンサ(キャパシタ)は以下の関係式に応じて電気エネルギーのEジュールを蓄積する。
E=CV/2ジュール
ここで、Cはキャパシタンスであり、
C=KKoA/dファラッド
である。上述したエネルギーに基づくことにより充分に分かるように、コンデンサが充電される電圧(Vボルト)を充分に増大させることができ、コンデンサがバッテリよりも大きい電荷密度を有するとともにバッテリを充電するのに要する時間の一部で再充電しうるようになる可能性があれば、バッテリを高密度の電気エネルギー蓄積装置として優れたものとする。誘電率が充分に大きい誘電体材料を用いるか、又は帯電電極の表面積を増大させるか、又は電極を分離させる誘電体材料の厚さを減少させるか、或いはこれらの任意の組み合わせを達成させることにより、コンデンサのキャパシタンスを増大させることができる。この場合の問題は、上述した何れかの手段によりコンデンサのキャパシタンスを増大させる場合、現在のコンデンサの設計によると静電界を集中させ、これにより正電極と負電極との間の点における電位差を増大させ、これにより明らかに誘電体材料の誘電強度を弱めてしまうということである。このことには、充電しうる電圧を減少させ、絶縁破壊が阻止されるようになり、これにより蓄積しうるエネルギー量を減少させる影響がある。その理由は、あらゆるコンデンサは、電極を分離する誘電体材料の誘電強度に依存している為であり、従来のコンデンサは、充電されると静電荷を電極の端部に集中させ、コンデンサの電極上の静電荷の分布を不均一にする。連続的な電気閉ループとした電極設計とした米国特許第7,782,595号明細書に規定されたバッファコンデンサは、電極端部が存在せず、電極端部における静電界の集中を完全に排除し、静電界を電極上に均一に分布させるが、その代り静電界の集中を電極のエッジ(縁部)に沿って均一に分布させる。従って、上述したバッファコンデンサの電極設計によれば双方とも静電界を集中させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】米国特許第7,782,595号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電流が導電性材料を流れると、電界を生ぜしめ、電界が導電性材料を横切ると電流を生ぜしめるということは周知である。コンデンサが電流により充電されると、電界と同じ特性である静電界が生ぜしめられる。充電中のコンデンサの端部又はエッジの何れかに静電界が集中すると、これらの集中点における電圧が、コンデンサが充電される電圧を超えて増大する。その理由は、静電界の集中が増大すると、そのエネルギーが増大し、このエネルギーの増大により、正に帯電された電極と負電極との間の電位差が静電界の集中点において増大される為である。更に、静電界は尖鋭な点又はエッジに引き付けられ、局部的な静電界が集中する点又はエッジが引き付けられるのがこれらの点又はエッジであり、正電極及び負電極間の局部的な静電界の集中により電位差を更に増大させる影響がある。従って、コンデンサを充電する場合、この増大した電位差が帯電電極と負電極とを分離させる誘電体材料の破壊電位差に到達する。これにより、誘電体材料に絶縁破壊を生ぜしめ、これにより電荷を低電圧での電流としてコンデンサの負電極に放電させ、これによりキャパシタが電気エネルギーを蓄積しうる電圧を制限する。この状態は、高エネルギー蓄積コンデンサの誘電率を増大させることにより、コンデンサの蓄積容量を増大させた場合に更に悪化する。その理由は、おそらく、誘電体が直流(DC)電圧よりも低い交流(AC)電圧で絶縁破壊する為であり、その理由は、そのピーク特性により静電界の集中を強め、コンデンサがAC電流を透過するようにしうる為である。静電界を制御して静電界を引き付ける点及びエッジの影響を無くしたり低減させたりすることにより、静電界が集中する点を排除することにより、AC電流を遮断し、充電電圧を高くした、従って、エネルギーの蓄積を高くしたコンデンサを達成しうる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサを提供するものであり、本発明の第1の例は、導電性の材料から3つの縦長で互いに平行で部分的に分離され区分された導電性の連続する閉ループに形成されたアクティブなインタラクティブ静電界帯電電極の形態の帯電電極を具え、この帯電電極は中間区分と、その両側に1つずつの計2つの外側区分とを有する。アクティブなインタラクティブ静電界帯電電極の形態の帯電電極は誘電体材料により負電極に容量的に結合され、この負電極には電気回路に接続するためのコネクタが設けられている。中間区分にはこれを電源に接続する手段としてコネクタが設けられており、2つの外側区分は中間区分に電気接続され、これらには中間区分に対して反対方向の帯電電流が流れるようになっている。アクティブなインタラクティブ静電界帯電電極が帯電されると、帯電電流が帯電電極の中間区分を囲んで流れてこれを帯電させ、その外側エッジに沿って集中する静電界を生ぜしめる。次いで、2つの外側区分を囲んで同じ帯電電流が反対方向に流れてこれらを帯電させ、これらの外側エッジに沿って反対方向の集中静電界を生ぜしめる。
【0005】
本発明の第2の例は、3つの縦長で互いに平行で分離され区分された導電性の連続する閉ループに形成された導電性の材料を有するパッシブなインタラクティブ静電界帯電電極の形態の帯電電極であり、この帯電電極は中間区分と、その両側に1つずつの計2つの外側区分とを有する。パッシブなインタラクティブ静電界帯電電極の形態のこの帯電電極は、誘電体材料により負電極に容量的に結合されており、この負電極には、電気回路に接続するためのコネクタが設けられている。中間区分には、これを電源に接続する手段としてコネクタが設けられており、パッシブな反転用区分である2つの外側区分は中間区分に電気的に接続されていない。アクティブなインタラクティブ静電界帯電電極が帯電されると、帯電電流がこの帯電電極の中間区分を囲んで流れてこれを帯電させ、その外側エッジに沿って集中された静電界を発生する。パッシブなインタラクティブ静電界帯電電極の中間区分の外側エッジに沿う集中された静電界は、パッシブなインタラクティブ静電界帯電電極の、電気的に接続されていない2つの外側区分に反対方向の帯電電流を誘起させ、これらを帯電させ、パッシブなインタラクティブ静電界帯電電極の2つの外側区分内に反対方向の静電界を生ぜしめる。
【0006】
本発明の第3の例は、導電性の連続する閉ループから形成され、二重エッジを長手方向に沿って折り畳んだインタラクティブ静電界帯電電極の形態の帯電電極を具える。そのために、充分な幅の導電性材料で前記導電性の連続する閉ループを形成し、この導電性の連続する閉ループの2つの側部からそれぞれ二重エッジを、この導電性の連続する閉ループの長手方向に沿って互いの方向に折り畳むとともに、折り畳みが行われる導電性材料に対して対向させ且つ折り畳みが行われる導電性材料から誘電体材料により電気的に分離させる。連続的な導電性の閉ループの同じ側で、導電性材料の2つの二重エッジを同じ平面内で電気接触させることなく互いの方向に折り畳むことにより、2つの二重エッジの静電界が互いに作用しうるようにする。2重エッジのインタラクティブ静電界帯電電極の形態の帯電電極は、誘電体材料により負電極に容量的に結合されているとともに、電源に接続するためのコネクタを具えており、負電極には電気回路に接続するためのコネクタが設けられている。
【0007】
本発明の第4の例は、連続的な導電性閉ループから形成された単一エッジの折り畳まれたインタラクティブ静電界帯電電極の形態の帯電電極を具えている。そのために、連続的な導電性閉ループの各側部における端部を導電性材料が充分な幅となるように切断し、連続的な導電性閉ループの2つの側部の各々の2つの対向エッジである各エッジを互いに離れる方向に折り畳む。連続的な導電性閉ループの同じ側で、導電性材料の対抗する幅を互いの方向に折り畳むとともに、折り畳みが行われる導電性材料に対して対向させ且つ折り畳みが行われる導電性材料から誘電体材料により電気的に分離させる。連続的な導電性の閉ループの同じ側で、導電性材料のエッジの各々を同じ平面内で電気接触させることなく互いの方向に折り畳むことにより、エッジの各々の静電界が互いに作用しうるようになる。導電性材料の折り畳まれた部分の端部における切断幅に沿ってこの端部を電気的に接続することにより、静電界の集中が生じないようにしうる。単一エッジの折り畳まれたインタラクティブ静電界帯電電極の形態の帯電電極は誘電体材料により負電極に容量的に結合されているとともに、この帯電電極には電源に接続するためのコネクタが設けられており、負電極には電気回路に接続するためのコネクタが設けられている。
【0008】
アクティブなインタラクティブ静電界帯電電極、パッシブなインタラクティブ静電界帯電電極、二重エッジの折り畳まれたインタラクティブ静電界帯電電極及び単一エッジの折り畳まれたインタラクティブ静電界帯電電極であって、それぞれ連続的な導電性閉ループから形成されており、それぞれ本発明の第1、第2、第3及び第4の例となるようにした帯電電極の構成はそれぞれ、誘電体材料により負電極に容量的に結合されている。従って、各例の帯電電極が帯電されると、電荷が連続的な導電性閉ループの各構成のエッジに集中された静電界を生ぜしめ、これらを反発力により互いに作用させ、このようにすることにより互いに打ち消しあい、静電界の集中を回避させ、静電界を誘電体材料内で帯電電極を囲むように均一に分布させる。静電界の集中を誘電体材料内で帯電電極を囲むように均一に分布させることにより、帯電電極と負電極との間の電位差が局部的に如何に増大するのをも回避し、従って、帯電電極は電源電圧の同じ又はほぼ同じ値でこの帯電電極の表面に亘って均一な電位差分布を有するようになる。帯電電極と、容量的に結合された負電極とが充分な力で互いに固定されていれば、反対方向の静電界が互いに対向して均一に分布することにより、それぞれ反対方向の静電界が容量結合性の誘電体材料を経て負電極内に誘起されてこの負電極内に電流を流すのを回避し、電圧にかかわらずAC電流を遮断する。これにより、帯電電極と負電極とを結合する誘電体材料の絶縁破壊電圧を著しく高める効果を得ることにより、インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積ACブロッキングコンデンサを、上述した以外で静電界の集中点がある際に可能となる場合に比べて高電圧で充電しうるようになり、従って、充電電圧を著しく高め、これによりインタラクティブ静電界高エネルギー蓄積ACブロッキングコンデンサのエネルギー蓄積容量を高めることができる。
【0009】
本発明の第5の例は、連続的な導電性閉ループを有する平行エッジ折り畳みインタラクティブ静電界帯電電極の形態の帯電電極を具えており、連続的な導電性閉ループの各側部の、同じ側における対向エッジの対は、これらが互いの方向に折り畳まれるように構成されている。このことは、連続的な導電性閉ループの一方の面の幅をその両側でこの連続的な導電性閉ループの長手方向に沿って減少させることにより、この一方の面の表面積を低減させることにより達成される。他方の面の両側の幅は、反対側を減少させるのと殆ど同じ量だけ大きくし、これにより、その表面積を両側で連続的な導電性閉ループの長手方向に沿って、他方の面の表面積を低減させるのと殆ど同じ量だけ大きくする。幅を大きくした連続的な導電性閉ループの面を、その長手方向に沿って且つ幅を低減させた面に向けてしかも互いに電気接触しないように、この連続的な導電性閉ループの双方の面を分離する誘電体材料を囲むように折り畳む。平行エッジ折り畳みインタラクティブ静電界帯電電極には、電源に接続するためのコネクタが設けられており、且つ誘電体材料により負電極が容量的に結合されている。この負電極には電気回路に接続するためのコネクタが設けられている。平行エッジ折り畳みインタラクティブ静電界帯電電極が帯電されると、帯電電流が、連続的な導電性閉ループの対向する折り畳みエッジには、対向する静電界を生ぜしめ、これらの静電界が引力により互いに作用しあって、誘電体材料内の静電界の分布を均一にし、電荷の集中を回避するか又は著しく低減させる。帯電電極と負電極との間の誘電体材料の絶縁破壊電圧を著しく増大させ、AC電流を遮断する効果があり、これによりインタラクティブ静電界高エネルギー蓄積装置を高電圧に充電でき、そのエネルギー蓄積容量が増大される。
【0010】
上述した5つの例の帯電電極は、インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積ACブロッキングコンデンサの負電極を形成する導電性材料により長手方向で包囲されている。この導電性材料は、誘電体材料により帯電電極に容量的に結合されているとともに、この導電性材料には、負電極を電気回路に接続するための手段としてコネクタが設けられている。負電極を形成する導電性材料の包囲配置は、そのエッジが帯電電極のエッジから離され、帯電電極上の如何なる残留電荷の集中にも対する全ての通路が負電極に向かうのが回避されるようにする構成となっている。このことには、インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積ACブロッキングコンデンサの充電電圧を更に増大させる効果がある。
【0011】
本発明を以下の図面を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1の実施例を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第2の実施例を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第3の実施例を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第4の実施例を示す断面図である。
【図4a】図4aは、本発明の第4の実施例を示す端面図である。
【図5】図5は、本発明の第5の実施例を示す断面図である。
【図5a】図5aは、本発明の第5の実施例を示す端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に本発明の第1実施例のインタラクティブ静電界高エネルギー蓄積コンデンサを示す。この第1実施例のコンデンサは、導電材料から成るアクティブなインタラクティブ静電界帯電電極10の形態の帯電電極を有し、この帯電電極は、3つの縦長で互いに平行で部分的に分離され区分された導電性の連続する閉ループであって、中間区分12と、その両側に1つずつで計2つの外側区分13及び14とを有する。アクティブなインタラクティブ静電界帯電電極10の形態の帯電電極は誘電体材料22により負電極27に容量的に結合されており、負電極27には電気回路に接続するためのコネクタ15が設けられている。中間区分12には、これを電源に接続する手段としてコネクタ15が設けられており、このコネクタは外側区分13及び14から電気絶縁されており、これらの外側区分13及び14は、反対方向の帯電電流が流れるように中間区分12に電気接続されている。アクティブな静電界反転用帯電電極が帯電されると、帯電電流がアクティブなインタラクティブ静電界帯電電極10の中間区分12を囲んで流れてこれを帯電させ、その外側エッジに沿って集中する静電界を生ぜしめる。従って、2つの外側区分13及び14を囲んで同じ帯電電流が反対方向に流れてこれらを帯電させ、これらの外側エッジに沿って反対方向の集中静電界を生ぜしめる。
【0014】
図2に、本発明の第2実施例であるパッシブなインタラクティブ静電界帯電電極10aの形態の帯電電極を示す。この帯電電極は、3つの縦長で互いに平行で区分された導電性の連続する閉ループであって、中間区分12と、その両側に1つずつで計2つの外側区分13及び14とを有する。アクティブなインタラクティブ静電界帯電電極10aの形態の帯電電極は誘電体材料22により負電極27に容量的に結合されており、負電極27には電気回路に接続するためのコネクタ15が設けられている。中間区分12には、これを電源に接続する手段としてコネクタ15が設けられており、このコネクタは外側区分13及び14から電気絶縁されており、パッシブな反転用区分であるこれらの外側区分13及び14は電気接続されていない。パッシブなインタラクティブ静電界帯電電極10aが帯電されると、帯電電流がこのパッシブなインタラクティブ静電界帯電電極10aの中央区分12を囲んで流れてこれを帯電させ、その外側エッジに沿って集中された静電界を生ぜしめる。このパッシブなインタラクティブ静電界帯電電極10aの中央区分12の外側エッジに沿う集中静電界は、このパッシブなインタラクティブ静電界帯電電極の2つの外側区分13及び14内に反対方向の帯電電流を誘起させてこれらを帯電させ、このパッシブなインタラクティブ静電界帯電電極10aの2つの外側区分13及び14内に反対方向の静電界を生ぜしめ、これら静電界が中央区分12と外側区分13及び14とのエッジに集中される。
【0015】
図3に示す本発明の第3の実施例は、連続的な導電性閉ループから形成された二重エッジの折り畳まれたインタラクティブ静電界帯電電極19の形態の帯電電極を具えている。そのために、2対のエッジ23、24及び25、26の各々を、連続的な導電性閉ループの各々の側部から、この連続的な導電性閉ループを形成する導電性材料の充分な幅をもって、この連続的な導電性閉ループの長手方向に沿って互いの方向に折り畳むとともに、折り畳みが行われる導電性材料に対して対向させ且つ折り畳みが行われる導電性材料から誘電体材料22により電気的に分離させる。連続的な導電性の閉ループの同じ側で、導電性材料の2対のエッジ23、24及び25、26の各々を同じ平面内で電気接触させることなく互いの方向に折り畳むことにより、2対のエッジ23、24及び25、26の各々の静電界が互いに作用しうるようにする。2重エッジの折り畳まれたインタラクティブ静電界帯電電極19には、電源に接続するためのコネクタ15が設けられており、且つ誘電体材料22により負電極27が容量的に結合されている。この負電極27には電気回路に接続するためのコネクタ15が設けられている。2重エッジの折り畳まれたインタラクティブ静電界帯電電極19の形態の帯電電極が帯電されると、電荷が2対のエッジ23、24及び25、26に集中する。
【0016】
本発明の第4の実施例は、連続的な導電性閉ループから形成された単一エッジの折り畳まれたインタラクティブ静電界帯電電極19aの形態の帯電電極を具えている。そのために、連続的な導電性閉ループの各側部における端部を導電性材料が充分な幅となるように切断し、連続的な導電性閉ループの2つの側部の各々の2つの対向エッジである各エッジ23、24及び25、26を互いに離れる方向に折り畳む。連続的な導電性閉ループの同じ側で、導電性材料の対抗する幅を互いの方向に折り畳むとともに、折り畳みが行われる導電性材料に対して対向させ且つ折り畳みが行われる導電性材料から誘電体材料により電気的に分離させる。連続的な導電性の閉ループの同じ側で、導電性材料のエッジ23、24及び25、26の各々を同じ平面内で電気接触させることなく互いの方向に折り畳むことにより、エッジ23、25及び24、26の各々の静電界が互いに作用しうるようになる。図4aに示すように、導電性材料の折り畳まれた部分の端部における切断幅に沿ってこの端部を電気的に接続することにより、静電界の集中が生じないようにしうる。単一エッジの折り畳まれたインタラクティブ静電界帯電電極19aには、電源に接続するためのコネクタ15が設けられ、且つ誘電体材料22により負電極27が容量的に結合されている。この負電極27には電気回路に接続するためのコネクタ15が設けられている。単一エッジの折り畳まれたインタラクティブ静電界帯電電極19aの形態の帯電電極が帯電されると、電荷が2つの対向エッジ23、25及び24、26に集中する。
【0017】
アクティブなインタラクティブ静電界帯電電極10、パッシブなインタラクティブ静電界帯電電極10a、二重エッジの折り畳まれたインタラクティブ静電界帯電電極19及び単一エッジの折り畳まれたインタラクティブ静電界帯電電極19aであって、それぞれ連続的な導電性閉ループから形成されており、それぞれ本発明の第1、第2、第3及び第4の実施例となるようにした帯電電極の構成はそれぞれ、誘電体材料により負電極27に容量的に結合されている。従って、各実施例の帯電電極が帯電されると、電荷が連続的な導電性閉ループの各構成のエッジに集中させた静電界を生ぜしめ、これらを反発力により互いに作用させ、このようにすることにより互いに打ち消しあい、静電界の集中を回避させ、静電界を誘電体材料22内で各実施例の帯電電極を囲むように均一に分布させる。静電界の集中を誘電体材料22内で各実施例の帯電電極を囲むように均一に分布させることにより、帯電電極と負電極27との間の電位差が局部的に如何に増大するのをも回避し、従って、帯電電極は電源電圧の同じ又はほぼ同じ値でこの帯電電極の表面に亘って均一な電位差分布を有するようになる。負電極27と、容量的に結合された帯電電極とが充分な力で互いに固定されていれば、反対方向の静電界が互いに対向して均一に分布することにより、それぞれ反対方向の静電界が容量結合性の誘電体材料22を経て負電極27内に誘起されてこの負電極27内に電流を流すのを回避し、電圧にかかわらずAC電流を遮断する。これにより、帯電電極と負電極27とを結合する誘電体材料22の絶縁破壊電圧を著しく高める効果を得ることにより、インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積ACブロッキングコンデンサを、上述した以外で静電界の集中点がある際に可能となる場合に比べて高電圧で充電しうるようになり、従って、充電電圧を著しく高め、これによりインタラクティブ静電界高エネルギー蓄積ACブロッキングコンデンサのエネルギー蓄積容量を高めることができる。
【0018】
図5及び図5aに示す本発明の第5の実施例は、連続的な導電性閉ループを有する平行エッジ折り畳みインタラクティブ静電界帯電電極19bの形態の帯電電極を具えており、連続的な導電性閉ループの各側部の、同じ側における対向エッジの対23、24及び25、26は、これらが互いの方向に折り畳まれるように構成されている。このことは、連続的な導電性閉ループの一方の面28の幅をその両側でこの連続的な導電性閉ループの長手方向に沿って減少させることにより、この一方の面28の表面積を低減させることにより達成される。他方の面29の両側の幅は、反対側を減少させるのと殆ど同じ量だけ大きくし、これにより、その表面積を両側で連続的な導電性閉ループの長手方向に沿って、他方の面の表面積を低減させるのと殆ど同じ量だけ大きくする。幅を大きくした連続的な導電性閉ループの面29を、その長手方向に沿って且つ幅を低減させた面28に向けてしかも互いに電気接触しないように、この連続的な導電性閉ループの双方の面28及び29を分離する誘電体材料22を囲むように折り畳む。面29を大きくし、面28を低減させるための連続的な導電性閉ループの各端部における切断部は、図5aに示すようにその切断長に沿って電気接続し、電荷の集中を回避する。平行エッジ折り畳みインタラクティブ静電界帯電電極19bには、電源に接続するためのコネクタ15が設けられており、且つ誘電体材料22により負電極27が容量的に結合されている。この負電極27には電気回路に接続するためのコネクタ15が設けられている。平行エッジ折り畳みインタラクティブ静電界帯電電極19bが帯電されると、反対方向に流れる帯電電流が連続的な導電性閉ループの対向する折り畳みエッジ24及び25と25及び26とに対向する静電界を生ぜしめ、これら静電界が引力により互いに作用しあって、誘電体材料22内の静電界の分布を均一にし、電荷の集中を回避するか又は著しく低減させる。帯電電極と負電極27との間の誘電体材料22のみかけの絶縁破壊電圧を著しく増大させ、AC電流を遮断する効果があり、これによりインタラクティブ静電界高エネルギー蓄積装置を高電圧に充電でき、そのエネルギー蓄積容量が増大される。
【0019】
上述した5つの実施例の帯電電極は、インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積装置の負電極27を形成する導電性材料により長手方向で包囲される(図示せず)。この導電性材料は、誘電体材料22により帯電電極に容量的に結合されているとともに、この導電性材料には、負電極27を電気回路に接続するための手段としてコネクタ15が設けられている。負電極27を形成する導電性材料の包囲配置は、そのエッジが帯電電極のエッジから離され、帯電電極上の残留電荷の集中が負電極27に向かう如何なる通路も回避されるようにする構成となっている。このことには、誘電体材料の絶縁破壊電圧や、インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積ACブロッキングコンデンサの充電電圧を更に増大させたり、このコンデンサのエネルギー蓄積容量を更に増大させたりする効果がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の材料から少なくとも2つの縦長で互いに平行で部分的に分離され区分された導電性の連続する閉ループに形成されたアクティブなインタラクティブ静電界帯電電極の形態の少なくとも1つの帯電電極を具えるインタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサであって、
前記少なくとも2つの縦長で互いに平行で部分的に分離され区分された導電性の連続する閉ループのうちの1つのループに、これを電源に接続する手段として少なくとも1つのコネクタが設けられており、
アクティブなインタラクティブ静電界帯電電極の形態の帯電電極には、このアクティブなインタラクティブ静電界帯電電極に容量的に結合された少なくとも1つの負電極が設けられ、この少なくとも1つの負電極には、電気回路に接続するための手段として少なくとも1つのコネクタが設けられており、
前記少なくとも2つの縦長で互いに平行で部分的に分離され区分された導電性の連続する閉ループの区分が互いに電気的に接続されており、アクティブなインタラクティブ静電界帯電電極は電源に接続された際に帯電されるようになっており、
前記少なくとも2つの縦長で互いに平行で部分的に分離され区分された導電性の連続する閉ループの区分は、帯電電流を互いに反対方向に流し、これら少なくとも2つの縦長で互いに平行で部分的に分離され区分された導電性の連続する閉ループに反対方向の静電界を生ぜしめ、アクティブなインタラクティブ静電界帯電電極の形態の帯電電極が帯電されると、これら少なくとも2つの縦長で互いに平行で部分的に分離され区分された導電性の連続する閉ループにおける反対方向の静電界が互いに作用しあって互いに打ち消しあい、静電界の集中を回避し、静電界を、アクティブなインタラクティブ静電界帯電電極の形態の帯電電極を囲んで且つ誘電体材料内で均一に分布させ、反対方向の静電界の各々が分離用の誘電体材料を介して前記負電極内に誘起されないようにし、充電電圧の増大を可能にし、これによりエネルギー蓄積容量を高めるとともに交流電流を遮断するようにする手段である
インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサ。
【請求項2】
導電性の材料から少なくとも2つの縦長で互いに平行で分離され区分された導電性の連続する閉ループに形成されたパッシブなインタラクティブ静電界帯電電極の形態の少なくとも1つの帯電電極を具えるインタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサであって、
前記少なくとも2つの縦長で互いに平行で分離され区分された導電性の連続する閉ループのうちの1つのループに、これを電源に接続する手段として少なくとも1つのコネクタが設けられており、
パッシブなインタラクティブ静電界帯電電極には、このパッシブなインタラクティブ静電界帯電電極に容量的に結合された少なくとも1つの負電極が設けられ、この少なくとも1つの負電極には、電気回路に接続するための手段として少なくとも1つのコネクタが設けられており、
前記少なくとも2つの縦長で互いに平行で分離され区分された導電性の連続する閉ループの区分が互いに電気的に分離されており、帯電電流が電気接続された連続する閉ループの区分に流れると、発生静電界が電気接続されていない連続する閉ループの区分内に誘起され、前記少なくとも2つの縦長で互いに平行で部分的に分離され区分された導電性の連続する閉ループの区分内に反対方向の静電界を発生させ、パッシブなインタラクティブ静電界帯電電極が帯電されると、これら少なくとも2つの縦長で互いに平行で分離され区分された導電性の連続する閉ループにおける反対方向の静電界が互いに作用しあって互いに打ち消しあい、静電界の集中を回避し、静電界が、パッシブなインタラクティブ静電界帯電電極を囲んで且つ誘電体材料内で均一に分布されるようにし、反対方向の静電界の各々が分離用の誘電体材料を介して前記負電極内に誘起されないようにし、充電電圧の増大を可能にし、これによりエネルギー蓄積容量を高めるとともに交流電流を遮断するようにする
インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサ。
【請求項3】
導電性の連続する閉ループから形成されたエッジ折り畳みインタラクティブ静電界帯電電極の形態の少なくとも1つの帯電電極を具えるインタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサであって、
前記導電性の連続する閉ループの長手方向に沿うエッジが互いに対向するように折り畳まれており、前記エッジ折り畳みインタラクティブ静電界帯電電極には、このエッジ折り畳みインタラクティブ静電界帯電電極を電源に接続する手段として少なくとも1つのコネクタが設けられており、
エッジ折り畳みインタラクティブ静電界帯電電極の形態の前記帯電電極には、誘電体材料によりこのエッジ折り畳みインタラクティブ静電界帯電電極に容量的に結合された少なくとも1つの負電極が設けられ、この負電極には、電気回路に接続するための手段として少なくとも1つのコネクタが設けられており、
前記帯電電極が帯電されると、前記導電性の連続する閉ループの折り畳まれたエッジにおける集中静電界が互いに反対方向となり、互いに作用しあい、互いに打ち消しあい、静電界の集中を回避し、静電界が、前記帯電電極を囲み且つ容量的に結合を行う前記誘電体材料内で均一に分布されるようにし、反対方向の静電界の各々が、容量的に結合を行う前記誘電体材料を介して前記負電極内に誘起されないようにし、充電電圧の増大を可能にし、これによりエネルギー蓄積容量を高めるとともに交流電流を遮断するようにする
インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサ。
【請求項4】
請求項1に記載のインタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサにおいて、
前記少なくとも2つの縦長で互いに平行で部分的に分離され区分された導電性の連続する閉ループは、反対方向の帯電電流の流れにより反対方向の静電界を発生させ、これらの静電界が互いに作用し、互いに打ち消しあい、これにより交流電流を遮断するようにする手段である
インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサ。
【請求項5】
請求項2に記載のインタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサにおいて、
前記少なくとも2つの縦長で互いに平行で分離され区分された導電性の連続する閉ループのうちの1つのループは、他の少なくとも2つの縦長で互いに平行な区分内に電流を誘起させ、反対方向の静電界を発生させ、これらが互いに作用するとともに互いに打ち消しあい、これにより交流電流を遮断するようにする手段である
インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサ。
【請求項6】
請求項3に記載のインタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサにおいて、
前記導電性の連続する閉ループの長手方向に沿って互いに対向するように折り畳まれた前記エッジは、反対方向の集中静電界が互いに作用するとともに互いに打ち消しあい、これにより交流電流を遮断するようにする手段である
インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサ。
【請求項7】
請求項1〜3の何れか一項に記載のインタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサにおいて、
前記負電極は、そのエッジが前記帯電電極のエッジから離間され、前記帯電電極上の如何なる残留電荷の集中にも対する全ての経路が排除され、高充電電圧時における誘電体の絶縁破壊を回避するように構成されている
インタラクティブ静電界高エネルギー蓄積交流ブロッキングコンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4a】
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【図5】
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【図5a】
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【公表番号】特表2013−521672(P2013−521672A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556578(P2012−556578)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【国際出願番号】PCT/GB2011/000320
【国際公開番号】WO2011/110805
【国際公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(511056529)
【Fターム(参考)】