説明

イン・ビトロおよびイン・ビボにおける成人歯髄幹細胞

【課題】ヒトに歯を作り出すために用いることができる象牙質/歯髄組織に分化し得る単離した成人歯髄幹細胞の培養物の提供。
【解決手段】単離したクロノジェニック成人歯髄幹細胞の培養物であって、該幹細胞が脂肪細胞分化性(adipogenic)でない該培養物であって、該幹細胞が象牙芽細胞に分化し得る、イン・ビボ(in vivo)において象牙質/歯髄構造を再生し得る培養物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ヒトにおける修復歯科学の分野に関する。詳細には、本発明は、象牙質/歯髄に分化し得る細胞の集団および象牙質/歯髄を再生する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
歯の形成の間には、上皮と歯乳頭細胞との間の相互作用が、間葉細胞の特定の集団の後に原生象牙質を形成する象牙芽細胞への分化を刺激することによって歯の形態形成を促進する。形態学的に、象牙芽細胞は、象牙質の外側端部に整列した偏心的な核および長い細胞突起を有する円柱状の一方向に並んだ細胞である(1)。歯の萌出後に、一般的な機械的腐食または破壊に応答し、かつ細菌によって引起こされる歯の分解を介して、象牙芽細胞によって第二象牙質が形成される(2)。この象牙芽細胞は、歯髄組織の何処かに存在する前駆体集団の増殖および分化から発生すると考えられている(3)。歯の発生および種々の分化した歯に関連する細胞型の膨大な知見にもかかわらず、出生後の生物におけるそれらの各々前駆細胞集団の特徴および性質に関してはほとんど知られていない。
【0003】
出生後の生物における歯科修復は、歯髄組織と関連する未だ明確になっていない前駆集団によって維持されると考えられている分化した細胞、すなわち象牙芽細胞の活性を介して生じる(1)。現在までに、成人の歯髄組織からの歯牙発生前駆細胞の同定および単離はいまだ行われていない。ある条件下では、初期発生歯根組織および歯髄組織に由来する歯髄細胞の培養物が、イン・ビトロ(in vitro)で石灰化小節を形成する能力を有する象牙芽細胞様の外観を発生させ得ることが知られており(4)、この特性は通常、骨または骨髄細胞の培養物のものである(5、6)。多分化能骨髄ストローマ細胞(BMSC)およびその骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、骨髄支持性繊維ストローマ(myelosupportive fibrous-stroma)およびおそらくは筋肉および神経組織にさえも発達する能力についてはよく知られている(7−12)。それらは、多様なストローマ細胞系統に分化するそれらの能力を維持しつつ、エクス・ビボ(ex vivo)におけるそれらの高い増殖能力によって特徴付けられる。
【0004】
象牙質/歯髄組織を再生するためまたは修復目的でヒトの歯を作り出すための先行技術は提供されていないため、機能的な歯に分化し得る組織を作り出す手段を見出すことの要望がおおいにある。本実験においては、成人歯髄からの細胞のクロノジェニック(clonogenic;コロニー形成能を有する)で、迅速に増殖性の集団を単離した。ついで、この歯髄幹細胞(DPSC)を、骨芽細胞の知られている前駆体であるヒト骨髄ストローマ細胞(BMSC)と比較した。それらはイン・ビトロ(in vitro)では同様の免疫表現型を共有するが、機能実験では、DPSCが散発性であるが密に石灰化した小節しか生成せずに脂肪細胞を形成しないのに対して、BMSCは脂質を載せた脂肪細胞の集団で接着細胞層全体を日常的に石灰化することが示された。DPSCを免疫無防備マウスに移植すると、それは歯髄様間質組織を取囲む、ヒト象牙芽細胞様細胞と並んだ象牙質様構造を生成した。それに対して、BMSCは、活性造血を有する繊維性脈管系組織(fibrous vascular tissue)および脂肪細胞を取囲む、骨細胞および表面に並んだ骨芽細胞を含む層状骨を形成した。本実験は、象牙質/歯髄複合体を形成する能力を有する出生後ヒト歯髄幹細胞を最初に単離した実験である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、象牙質/歯髄組織に分化し得る成人歯髄幹細胞(DPSC)ならびに象牙質/歯髄を再生する方法およびヒト歯を作り出す方法を提供することによって当該技術分野における以前の限界および短所を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、単離した成人歯髄幹細胞の培養物を提供する。
また、本発明は、a)単離した成人歯髄幹細胞の培養物からの細胞とヒドロキシアパタイト/リン酸三カルシウムとを接触させ、ついでb)工程a)からの細胞を哺乳動物に移植することを含むヒト象牙質/歯髄組織を再生する方法も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A−1E】イン・ビトロにおけるコロニー形成効率および細胞増殖性。14日後の代表的な高(A)および低(B)密度コロニー。形態は繊維芽細胞様細胞の典型である(C)。種々の平板密度における歯髄組織および骨髄からのコロニー形成細胞の発生率は、骨髄よりも歯髄により多くのクロノジェニック細胞が存在することを示している(D)。BrdU陽性細胞の数は、DPSCおよびBMSCについて計数した細胞の合計数のパーセントとして表した(E)。統計学的有意性(*)は、スチュデントt検定(p0.05)を用いて判定した。
【0008】
【図2A−2L】培養したDPSCの免疫表現型。免疫ペルオキシダーゼ反応性に基づく実験は、DPSCの第一継代培養物に対して行った。代表的な染色パターンを:インテグリンβ1、(A);CD44、(B);I型コラーゲン、(C);III型コラーゲン、(D);FGF−2、(E);オステオネクチン、(F);オステオカルシン、(G);MUC−18、(H);α−平滑筋アクチン、(I);オステオポンチン、(J);VCAM−1、(K)について示す。内因性のアルカリホスファターゼ活性を(L)に示す。
【0009】
【図3A−3D】イン・ビトロにおける発生能力。培養したDPSC(AおよびB)ならびにBMSC(CおよびD)の接着層を、L−アスコルビン酸−2−リン酸およびデキサメタゾンとともに無機リン酸で誘導した6週間後のカルシウム蓄積の尺度としてアリザリンレッド染色で示す(AおよびC)。無機リン酸を含まない以外は同一の培地における6週間後では、BMSC(D)では脂質蓄積が記録されたが、DPSC(B)では記録されなかった。
【0010】
【図4A−4F】イン・ビボにおける発生能力。断面図は、移植6週間後のヘマトキシリンおよびエオシンで染色したDPSC移植片(A、C、D)およびBMSC移植片(B、E、F)の標本である。DPSC移植片においては、HA/TCP担体表面(c)が象牙質様マトリックス(d)と並んでおり、血管(bv)および象牙芽細胞様細胞(od)の界面層で歯髄様組織を取囲んでいる(A)。象牙質マトリックス(d)の拡大写真では、象牙芽細胞様層(od)および象牙芽細胞突起(矢印)を強調している(C)。偏光下では、形成している表面に対するコラーゲン繊維の垂直の整列(破線)が示された(D)。BMSC移植片においては、層状骨(b)がHA/TCP表面(c)上に形成され、蓄積した脂肪細胞(a)で脈管系、造血骨髄器官(hp)を取囲んでいる(B)。拡大写真では、新しい骨が石灰化したマトリクス内に埋め込まれた骨細胞(oc)および骨表面に並んだ骨芽細胞(ob)を含むことが示されている(E)。偏光下では、コラーゲンフィブリルが形成している表面と平行に沈澱していることが示されている(破線)(F)。
【0011】
【図5A−5B】ヒト特異的alu DNA配列に対するイン・サイチュ・ハイブリダイゼーション。歯髄組織中(大きな矢印)、および象牙質マトリックス(d)に近接する象牙芽細胞様層中(小さい矢印)のAlu陽性細胞は、6週のDPSC移植片において簡単に認められる(A)。新たな骨マトリックス中に包まれた骨細胞(小さな矢印)および骨(b)の表面に並んだ骨芽細胞(大きな矢印)は、BMSC移植片においてaluプローブと陽性反応性を示している(B)。骨髄様器官中の造血要素(hp)はaluプローブと反応性を示していない。
【0012】
【図6A−6C】DPSC移植片におけるヒト特異的象牙質シアロホスホタンパク質(Dentin Sialophosphoprotein)(DSPP)、オステオカルシン(OC)、骨シアロタンパク質(BSP)のmRNAの発現。DSPP、BSP、OCおよびGAPDHについての転写物を、6週齢のDSPC移植片から単離した全RNAを用いたRT−PCRによって検出した(A)。DSPP陽性細胞は、イン・サイチュ・ハイブリダイゼーションによって歯髄組織、および象牙質マトリックス(d)に近接する象牙芽細胞層(矢印)にも見出された。プローブの特異性は、ヒト歯髄(p)組織の象牙芽細胞層(矢印)におけるハイブリダイゼーションによって確認した(C)。DSPP特異的プローブの反応性は、ヒトの骨、骨髄および筋肉組織において検出されなかった。
【0013】
【図7A−7D】ヒトDSPPの免疫組織化学染色。骨および関連する骨髄要素は、BMSC移植片におけるDSPP抗体染色に対して陰性であった(A)。新たに形成した象牙質はDPSC移植片中のDSPP抗体染色に対して陽性であった(矢印、B)。ヒト歯髄中の通常のヒト象牙質および象牙芽細胞はDSPPに対して陽性であった(各々、CおよびD)。
【0014】
【図8A−8B】DSPC移植片における象牙質形成。8週齢ヒトDPSC移植片における象牙質(矢印)のトリクローム(青色)染色(A)。通常の歯の横方向の切片は、イン・サイチュの象牙質のトリクローム染色(矢印)を示している(B)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明
原文明細書中で用いる“a”、“an”または”the”は1以上のものを意味し得る。例えば、“a”cellは1以上の細胞を意味し得る。さらに、“the”cellも1以上の細胞を意味し得る。
【0016】
本発明は、単離した成人歯髄幹細胞の培養物を提供する。成人歯髄幹細胞はいずれのヒト永久歯からも単離し得る。別法として、本発明の歯髄幹細胞は少なくとも約18歳のヒト対象からも単離し得る。本明細書中で用いる“単離した”とは、本発明の細胞と一緒に天然に見出される夾雑物または他の細胞型を十分に含まない本発明の細胞を意味する。さらに、本発明の単離した細胞は、試料中に重要な細胞しか存在しないような濃度で存在する。“単離した”とは調製物が技術的に純粋(均一)である必要はないが、臨床的または研究用に使用し得る形態で細胞を提供するために十分に純粋である。
【0017】
“幹”細胞とは、多分化能のある、クロノジェニックな、非常に増殖性が高く、かつ、組織を再生できる細胞である。したがって、幹細胞は、その微小環境中の他の細胞に影響を及ぼして特定のセルラインに分化させるか、または自身を特定の機能を有するもう1の細胞型に分化させ得るかのいずれかの能力を有する。したがって、本発明の成人歯髄幹細胞は、成人からの歯の歯髄組織から得た細胞である。本発明の幹細胞は、より成熟した機能性の細胞、例えば象牙芽細胞に分化し得る。象牙芽細胞は、血管結合組織歯髄を含みおよび覆い、かつ、完全に形成された歯の外側エナメル層によって覆われた組織である象牙質を作り出す、哺乳動物の口腔中に見出される細胞である。本発明の歯髄幹細胞は、イン・ビボ(in vivo)およびイン・ビトロ(in vitro)で象牙質/歯髄組織構造を作り出すことができる。この構造を図1に例示する。
【0018】
本発明は脂肪細胞分化性(adipogenic)でない幹細胞を提供する。したがって、本発明のDPSCは脂肪細胞に分化しない。さらに、本発明の幹細胞は骨シアロタンパク質を産生しない。したがって、本発明の幹細胞は、脂肪細胞に分化することができ、骨シアロタンパク質を産生する細胞である骨髄幹細胞ではない。しかしながら、本発明の幹細胞は、各々、象牙質シアロホスホタンパク質(DSPP)として知られている象牙芽細胞特異的遺伝子によってコードされた象牙芽細胞特異的象牙質シアロタンパク質および象牙質ホスホタンパク質は産生する。
【0019】
本発明は、a)単離した成人DPSCの培養物からの細胞と鉱物供給源とを接触させ、ついでb)工程a)からの細胞を哺乳動物に移植することを含む、ヒト象牙質/歯髄組織を再生する方法を提供する。本発明の方法の幹細胞は、鉱物供給源、例えばヒドロキシアパタイト/リン酸三カルシウムと混合する。ついで、この細胞/鉱物組成物は、当業者に知られている方法によって哺乳動物に移植し得る。幹細胞/鉱物組成物は、免疫無防備哺乳動物、例えばマウスに移植することができ、そこで、移植した組織は、ヒトに移植するために採取し得るヒト象牙質/歯髄組織を作り出すことができる。該哺乳動物はマウス、ヒツジ、ウシ、またはヒトを含む移植実験に使用されかつ当業者に知られているいずれの哺乳動物ともし得る。さらに、幹細胞/鉱物組成物のヒト受容者は、他のヒト歯科患者にさらに移植するために象牙質/歯髄組織を採取し得る中間宿主ともなり得る。別法として、幹細胞/鉱物組成物のヒト受容者は、移植した組織の供与者および受容者の両方ならびに受容者のみとなり得る。
【0020】
さらに、本発明は、a)単離した成人DPSCの培養物からの細胞と鉱物供給源とを接触させ、ついでb)工程a)からの細胞を哺乳動物に移植することを含むヒト象牙質/歯髄組織を作り出す方法を提供する。本発明の幹細胞は、鉱物供給源、例えばヒドロキシアパタイト/リン酸三カルシウムと混合し得る。
【0021】
当業者であれば、幹細胞/鉱物組成物を、皮下組織および口腔組織を含む哺乳動物の種々の部位に移植し得る。当業者であれば幹細胞/鉱物組成物を歯槽に移植し、それによって、ヒト患者に象牙質/歯髄組織を作り出し得ることは予想される。
【0022】
さらに、移植した幹細胞/鉱物組成物は、エナメル質を作り出す細胞であるエナメル芽細胞と一緒に移植するかまたはそれとイン・ビトロで接触させて、エナメル質によって覆われた象牙質/歯髄組織を含む完全に形成された機能性の歯を作り出すことができる。同様にして、歯の硬エナメル層を模倣する生体適合性材料から作成した人工歯冠を作成し、それを鋳型として使用し得る。移植した幹細胞/鉱物組成物は人工歯冠の腔に直接的に移植し得、そこで細胞はイン・ビボで象牙質/歯髄組織に分化し得、それによって機能性の歯を形成し得る。
【0023】
以下の実施例は、本明細書で特許請求する組成物および方法をいかにして製造および評価するかを完全な開示および記載でもって当業者に提供するために記載するものであって、本発明の純粋な例示を意図するものであって本発明者がその発明とみなすものの範囲を限定することを意図するものではない。数(例えば、量、温度ほか)に関する正確さを完全にする努力はしているが、ある程度の誤差およびふれも考慮すべきである。本発明を以下の実施例により詳細に説明するが、その膨大な修飾および変形が当業者に明らかであろうため、説明目的のみを意図している。
【実施例】
【0024】
対象および細胞培養
NIH Office of Human Subjects Researchによって設定された認可ガイドラインで、Dental Clinic of the National Institute of Dental & Craniofacial Researchにおいて成人(19-29歳)から通常のヒトの埋伏した第三大臼歯を収集した。歯表面を清掃し、消毒した歯科用裂溝状バーを用いてセメント質−エナメル質接合部のまわりに切断して、髄室を暴露させた。歯冠および歯根から歯髄組織を静かに分離し、ついで、3mg/mlのI型コラゲナーゼ(Worthington Biochem, Freehold, NJ)および4mg/mlのディスパーゼ(Boehringer Mannheim, GMBH, Germany)の溶液中、37℃にて1時間消化した。70μm濾過器(strainer)(Falcon, BD Labware, Franklin Lakes, NJ)に細胞を通すことによって単一細胞懸濁液を得た。正常な成人ボランティア(20−35歳)の骨髄吸引物から処理した骨髄細胞は、Poietic Technologies, Gaithersburg, Marylandから購入し、ついで増殖培地で洗浄した。歯髄および骨髄の単一細胞懸濁液(0.01ないし1×10/ウェル)を、20%子ウシ胎児血清(Equitech-Bio Inc, Kerrville, TX)、100μMのL−アスコルビン酸 2−リン酸(WAKO, Tokyo, Japan)、2mMのL−グルタミン、100U/mlのペニシリンおよび100mg/mlのストレプトマイシン(Biofluids Inc, Rockville, MD)を補充したイーグル培地(GIBCO BRL, Grand Island, NY)の修飾物を含む6−ウェルプレート(Costar, Cambridge, MA)に播き、ついで、5%のCO中、37℃にてインキュベートした。コロニー形成効率を評価するために、14日目に培養物を4%のホルマリンで固定し、ついで0.1%のトルイジンブルーで染色した。50細胞の塊をコロニーとしてスコアした。イン・ビトロの石灰化骨マトリックス沈澱物を誘導する条件は以前に報告されている(6)。DPSCおよびBMSCの準融合培養物(第一継代)の増殖率は、Zymed Laboratories BrdU染色キット(Vector Laboratories, Burlingame, CA)を用いて、24時間のブロモデオキシウリジン(BrdU)の取込みによって評価した。
【0025】
免疫組織化学
第一代DPSCおよびBMSCを8−チャンバースライド(2×10細胞/ウェル)(NUNC Inc, Naperville, IL)に継代培養した。その細胞を4%のホルマリン中で固定し、ついでZymed広域スペクトル・免疫ペルオキシダーゼキット(Vector Laboratories)を用いて、飽和レベルの一次抗体および対応する対照抗体と反応させた。
【0026】
用いた抗体は:マウス(IgG)対照 (Caltag, Burlingame, CA). ウサギ(Ig)対照、TUK4(抗-CD14)、QBEND 10(抗-CD34)、2B11/PD7(抗-CD45)、M318(抗-MyoD)、1A4(抗-α平滑筋アクチン)、2F1l(抗-ニューロフィラメント)、(Dako, Carpinteria, CA);H9H11(抗-CD44)、6G10(抗-VCAM-1)(Dr. P. J. Simmons, HCCR, Adelaide, South Australia);CC9(抗-MUC-18)(Dr. S. Gronthos NIDCR/NIH, MD);MAB1343(抗-COLIII)、MAB1959(抗-β1)(Chemicon, Temecula, CA);LF67(抗-COL I)、LF32(抗-OC)、BON-1(抗-ON)、LF100(抗-BSP)、LF123(抗-OP)(Dr. L. Fisher, NIDCR/NIH, MD);MAB 1104(抗-COL II)(RDI, Flanders, NJ);E-8(抗-PPARγ)、147(抗-FGF-2)、(Santa Cruz, Santa Cruz, CA)であった。ウサギ血清 (1/500)、モノクローナル上清(1/4)および精製抗体 (10 μg/ml)の作業希釈物を用いた。
【0027】
免疫組織化学
第二代DPSCおよびBMSC培養物をPBS中で洗浄し、ついで4%のホルマリンを用いて固定した。アルカリホスファターゼ活性をSigma in vitro アルカリホスファターゼ基質キット(85L-2)を用いて評価した。カルシウム沈澱は2%のアリザリンレッドS(pH4.2)で処理することによって検出した。
【0028】
移植
ほぼ5.0×10のDPSCおよびBMSC(第三継代)を40mgのヒドロキシアパタイト/リン酸三カルシウム(HA/TCP)セラミック粉末(Zimmer Inc, Warsaw, IN)と混合し、ついで以前に記載されているごとく(9)、10週齢の免疫無防備ベージュマウス(NIH-bg-nu-xid、Harlan Sprague Dawley, Indianapolis, IN)の背面に皮下移植した。これらの手法は、認可された小動物プロトコールの規定(NIDCR#97-024)に準じて行った。移植片を移植6週間後に回収し、4%のホルマリンで固定し、緩衝化した10%のEDTA(pH8.0)で脱灰させ、ついでパラフィンに包埋した。切片(5m)を脱パラフィンし、H&Eで染色した。
【0029】
RT−PCR
全RNAは、RNA STAT−60(TEL−TEST Inc. Friendswood, TX)を用いて、6週齢のDPSC移植片のコラゲナーゼ/ディスパーゼ消化細胞懸濁液から調製した。第一鎖cDNA合成は、オリゴ−dTプライマーを用いて第一鎖cDNA合成キット(GIBCO BRL, Life Technologies)を用いて行った。第一鎖cDNA(2μl)を1×PCR反応緩衝液:1.5mMのMgCl、200mMの各dNTP、0.2単位のAmpliTaq DNAポリメラーゼ(Perkin−Elmer Inc, Norwalk, CT)ならびに10ピコモルの各ヒト特異的プライマーセット:BSP(センス(配列番号:1)
【0030】
【化1】

【0031】
S(アンチセンス(配列番号:2)
【0032】
【化2】

【0033】
OC(センス(配列番号:3)
【0034】
【化3】

【0035】
アンチセンス(配列番号:4)
【0036】
【化4】

【0037】
DSPP(センス(配列番号:5)
【0038】
【化5】

【0039】
アンチセンス、5'−(配列番号:6)
【0040】
【化6】

【0041】
GAPDH(センス(配列番号;7)
【0042】
【化7】

【0043】
アンチセンス(配列番号:8)
【0044】
【化8】

【0045】
の50μl PCR反応物中に希釈した。その反応物をPCR Express Hybaidサーマルサイクラー (Hybaid, Franklin, MA)中、1サイクルについて94℃にて2分間、その後35サイクルについて94℃/(45秒)、56℃/(45秒)、72℃/(60秒)、最後に72℃にて10分間延長してインキュベートした。増幅後に、10μlの各反応物を1.5%アガロースゲル電気泳動によって分析し、エチジウムブロマイド染色によって視覚化した。
【0046】
イン・サイチュ・ハイブリダイゼーション
ヒト特異的alu反復配列に対するジゴキシゲニン−標識プローブを、以前に記載されているごとく(13)、aluに対するプライマーを用いるPCRによって調製した。同様にして、ヒトDSPPのmRNAに特異的なジゴキシゲニン−標識プローブも、前記したのと同一のPCR条件下でDSPPプライマーを用いて調製した。両プローブの特異性はDNA配列決定によって確認した。非染色切片を脱パラフィンし、mRNA locator-Hyb Kit(カタログ番号1800;Ambion, Inc., Austin, TX)を用いてジゴキシゲニン−標識aluプローブ(9)またはDSPPプローブのいずれかとハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションの後に、組織切片中のaluおよびDSPPの両方のmRNAの存在を、抗−ジゴキシゲニン・アルカリホスファターゼコンジュゲート・Fabフラグメント(Boehringer Mannheim)との免疫反応性によって検出した。
【0047】
DPSCのクロノジェニック集団の単離
骨前駆細胞(osteoprogenitor)は、プラスチック基層に接着するその能力および適当な刺激によって増殖を開始する能力によって、骨髄の吸引物から単離し得る(13−15)。各コロニーは単一の前駆細胞(コロニー形成単位−繊維芽細胞、CFU-F)から発生し、細胞形態および増殖能力において幅広い変化を示す(13−18)。本明細書において、歯髄組織におけるクロノジェニック細胞集団の存在(図1AおよびB)を最初に立証している。各コロニー内の細胞は、ヒト骨髄CFU−Fの子孫に類似する典型的な繊維芽細胞様の形態(19)によって特徴付けられた(図1C)。歯髄組織由来のコロニー形成細胞の頻度(平板した10細胞当り22ないし70コロニーの範囲)は、同様の平板密度(平板した0.1ないし2.5×10細胞)上での骨髄CFU−F(2.4ないし3.1コロニー/平板した10細胞)の発生率と比較して有意に高かった(図1D)。さらに、DPSC培養物中の増殖する細胞の数も、BrdU取込み方法を用いてBMSC培養物(46%BrdU陽性細胞±1.96 SEM、n=3)と比較した場合に有意に高かった(平均72%BrdU陽性細胞±3.48 SEM、n=3)(t−検定 p0.05)(図1E)。
【0048】
イン・ビトロでのDPSCの免疫表現型の特徴付け
DPSCおよびBMSCクロノジェニック集団の子孫を特徴付けるために、異なる表現型と関連する公知の抗原に特異的な大きな一連の抗体を用いて免疫組織化学実験を行った。両方の細胞集団について典型的な免疫反応特性を表1に示す。DPSCおよびBMSCの第一代培養物は、造血系マーカーCD14(単球/マクロファージ)、CD45(一般的白血球抗原)、CD34(造血幹細胞/前駆細胞/内皮細胞)、ならびにMyoD(平滑筋)、ニューロフィラメント(神経)、II型コラーゲン(軟骨)およびPPARγ(脂肪)のごとき他のマーカーと反応しなかった。一般的に、DPSCおよびBMSCは、内皮細胞(VCAM−1およびMUC−18)、平滑筋(α−平滑筋アクチン)、骨(アルカリホスファターゼ、I型コラーゲン、オステオネクチン、オステオポンチン、オステオカルシン)および繊維芽細胞(III型コラーゲン、FGF−2)と関連する種々のマーカーについて同様の発現パターンを示す。骨マトリックスタンパク質である骨シアロタンパク質はDPSC培養物中に存在しないが、BMSC培養物中には低レベルで存在した。DPSCについての代表的な免疫反応性パターンを図2に示す。多くのマーカーは均一に発現されていないが、細胞のサブセット中に見出され、DSPC集団は、BMSC集団について示されたのと同様に異種であることを示している。
【0049】
イン・ビトロにおけるDPSCの分化能
L−アスコルビン酸−2−リン酸、グルココルチコイド、デキサメタゾン、および無機リン酸塩の存在下で増殖させたDPSCの長期培養(5ないし6週間)により、高レベルのカルシウムを含むアリジリンレッド陽性の凝集した小節を形成する能力を実証した(図3A)。沈澱物は、単一石灰化ゾーンとして接着層全体にわたってばらばらに散乱していた。それに対して、BMSC培養物は、誘導の3ないし4週間後に接着層全体にわたって石灰化した沈澱物の広いシートを生成した(図3C)。デキサメタゾンを用いた刺激の6週間後に第一代DPSC培養物における脂肪生成の事実は存在せず(図3C)、一方、脂質を含有する脂肪細胞のクラスターがBMSCの第一代培養物においては2週間ほども早期に検出された(図3D)。
【0050】
エクス・ビボ(ex vivo)で拡大させたDPSCは、イン・ビボで象牙質/歯髄構造を生成し得る。適当な組織構造の完全な発生能および形成がイン・ビトロで十分に認識できない場合があるため、DPSCはヒドロキシアパタイト/リン酸三カルシウム(HA/TCP)粉末と結合して免疫無防備マウスに移植した。移植6週間後に、DPSCはHA/TCP粒子の表面に並ぶ象牙質様構造を生成し、それは偏光下で観察した場合に象牙芽細胞様層に垂直に沈澱した非常に規則正しいコラーゲンマトリックスからなるものであった(図4A、C、D)。免疫学的実験により、該マトリックスはI型コラーゲンから主としてなることが示された。象牙芽細胞様細胞は細胞質突起を象牙質マトリックスに伸長させ、それは血管が侵入した歯髄様間質組織と境界面を接している。歯髄および象牙芽細胞様細胞は、そのヒトalu特異的プローブに対する反応性に基づいて、供与者起源のものであることが判明した(図5A)。さらに、DPSC移植片は、RT−PCRおよびイン・サイチュ・ハイブリダイゼーションによって、骨シアロタンパク質、オステオカルシンおよび象牙質シアロホスホタンパク質(DSPP)を含む象牙質マトリックス成分のヒト特異的な転写物を発現した(図6)。対応するBMSC転写物は、異なる層の骨をHA/TCPの表面に形成し、そこでは、コラーゲン繊維は骨形成表面上の骨芽細胞に対して平行に配列していた(図4B、E、F)。骨マトリックス内に埋没する骨細胞、および骨芽細胞も供与者起源のものであることが判明した(図5B)。新たに形成した骨は間質組織を取囲み、これは活性な造血および脂肪細胞蓄積の広範な領域で、髄質様器官に似ているシヌソイド網目構造によって侵入されていた。興味深いことには、DPSC移植片は、移植4ヶ月後でも、造血細胞を支持できず、または脂肪細胞形成を開始できなかった。
【0051】
ヒトDSPPに対する免疫組織化学染色
DPSCおよびBMSCの移植は前記と同様にして行った。移植片は移植8週間後に回収し、4%の新たに調製したパラホルムアルデヒドを用いて24時間固定化し、10%のEDTA(pH8.0)を用いて7日間脱灰した。ついで、その移植片を70%のエタノールに移し、パラフィンブロック中に包埋した。DSPP抗体はDr. Larry Fisher(NIDCR/NIH)から寄贈いただいた。脱パラフィンし、脱水し、内因性ペルオキシダーゼを除去した後に、切片をDSPP一次抗体と一緒に室温にて1時間インキュベートした。ついで、第二抗体および酵素コンジュゲートのインキュベーションに、指示書に従ってHistostain SPキットを用いた(Zymed Laboratories Inc. South San Francisco, CA, U.S.A.)。ヒトの歯髄および脱灰した象牙質組織を陽性対照として用いた。この手法により、DPSC移植片中の新たに形成した象牙質が象牙質特異的DSPP抗体に対して陽性であることが示された(図7)。このことは、イン・ビボにおいてヒトDPSCが象牙芽細胞に分化してヒト象牙質を再生することのさらなる証拠である。
【0052】
DPSC移植片における象牙質形成のトリクローム染色
DPSCおよびBMSCの移植は、前記と同様にして行った。8週齢のヒトDPSC移植片を4%の新たに調製したパラホルムアルデヒドで24時間固定し、70%のエタノールに移し、プラスチック包埋した。Trichrome染色(GOMORI)キット(Sigma, #HT10516)を製造業者のプロトコールに従って染色に用いた。通常の歯のプラスチック包埋切片を陽性対照として用いた。この染色により、DPSCが普通のヒト象牙質と同様の無機物化したコラーゲン構造を含む象牙質を再生することが示された(図8)。
【0053】
本明細書に示すデータは、クロノジェニックで、非常に増殖性が高く、かつ組織を再生することができる(それを幹細胞として有効に定義する特性である)細胞を出生後の歯髄が含むことを最初に実証するものである。筋肉、神経組織および象牙質関連組織は出生後の生活間には改造しないが、それらはすべて傷害に応答して分化する能力を有する幹細胞を含有する。ヒトDPSCの免疫無防備マウスへの移植により、さらにこれらの幹細胞を特徴付けするための新たなモデルが提供された。さらに、これらの移植片中に形成された象牙質および歯髄様組織の量は、生物の生涯の間にイン・サイチュで生成されるであろう量を遥かに超える。したがって、単一の歯からの多数のDPSCの今回の単離により、多くの歯の歯科学的修復が可能となる。さらに、エクス・ビボで拡大させたDPSCと結合した適当な形態および組成を有する担体の使用を介して、生存能力のある(viable)歯科インプラントの作製が提供される。
【0054】
本願全体を通して種々の刊行物を参照する。これらの刊行物は、関係する技術の状態をより完全に説明するために、本発明がその全体の開示を出典明示して本明細書の一部とみなす。
【0055】
本発明の趣旨から逸脱することなく、種々の修飾および変易を本発明に成し得ることは当業者に明らかであろう。本発明の他の態様は、明細書の考察および本明細書に開示した本発明の実施から当業者に明らかであろう。本明細書および実施例は単なる例示のみとみなし、本発明の真正な範囲および意図は以下の請求の範囲によって示されることを意図する。
【0056】
参考文献
1. Smith, A. J., Cassidy, N., Perry, H., Begue-Kirn, C., Ruch, J. V.およびLesot, H. (1995) Int J Dev Biol 39, 273-80.
2. Kitamura, C., Kimura, K., Nakayama, T.およびTerashita, M. (1999) J Dent Res 78, 673-80.
3. Ruch, J. V. (1998) Biochem Cell Biol 76, 923-38.
4. Couble, M. L., Farges, J. C., Bleicher, F., Perrat-Mabillon, B., Boudeulle, M.およびMagloire, H. (2000) Calcif Tissue Int 66, 129-38.
5. Cheng, S. L., Yang, J. W., Rifas, L., Zhang, S. F.およびAvioli, L. V. (1994) Endocrinology 134,277-86.
6. Gronthos, S., Graves, S. E., Ohta, S.およびSimmons, P. J. (1994) Blood 84, 416473.
7. Friedenstein, A. J., Ivanov-Smolenski, A. A., Chajlakjan, R. K., Gorskaya, U. F., Kuralesova, A. I., Latzinik, N. W.およびGerasimow, U. W. (1978) Exp Hemato 6, 4404.
8. Bennett, J. H., Joyner, C. J., Triffitt, J. T.およびOwen, M. E. (1991) J Cell Sci 99, 131-9.
9. Kuznetsov, S. A., Krebsbach, P. H., Satomura, K., Kerr, J., Riminucci, M., Benayahu, D.およびRobey, P. G. (1997) J Bone Miner Res 12, 1335-47.
10. Ferrai, G., Cusella-De Angelis, G., Coletta, M., Paolucci, E., Stornaiuolo, A., Cossu, G.およびMavilio, F. (1998) Science 279,1528-30.
11. Azizi, S. A.ら (1998) Proc Natl Acad Sci U S A. 95, 3908-13.
12. Pittenger, M. F., Mackay, A. M., Beck, S. C., Jaiswal, R. K., Douglas, R., Mosca, J. D., Moorman, M. A., Simonetti, D. W., Craig, S.およびMarshak, D. R. (1999) Science 284,143-7.
13. Bianco, P.およびRobey, P. G. (2000) J. Clin. Invest. 105.
14. Robey, P. G. (2000) J Clin Invest 105, 1489-91.
15. Nakashima, M., Nagasawa, H., Yamada, Y.およびReddi, A. H. (1994) Dev Biol 162,18-28.
16. Shiba, H., Fujita, T., Doi, N., Nakamura, S., Nakanishi, K., Takemoto, T., Hino, T., Noshiro, M., Kawamoto, T., Kurihara, H.およびKato, Y. (1998) J Cell Physiol 174, 194-205.
17. Onishi, T., Kinoshita, S., Shintani, S., Sobue, S.およびOoshima, T. (1999) Arch Oral Biol 44, 361-71.
18. Kettunen, P., Karavanova, I.およびThesleff, I. (1998) Dev Genet 22,374-85.
19. Kuo, M. Y., Lan, W. H., Lin, S. K., Tsai, K. S.およびHahn, L. J. (1992) Arch Oral Biol 37,945-52.
20. Tsukamoto, Y., Fukutani, S., Shin-Ike, T., Kubota, T., Sato, S., Suzuki, Y.およびMori, M. (1992) Arch Oral Biol 37, 1045-55.
21. Buurma, B., Gu, K.およびRutherford, R. B. (1999) Eur J Oral Sci 107, 282-9.
22. Ritchie, H. H., Hou, H., Veis, A.およびButler, W. T. (1994) JBiol Chem 269, 3698-702.
23. Gorter de Vries, I., Quartier, E., Van Steirteghem, A., Boute, P., Coomans, D.およびWisse, E. (1986) Arch Oral Biol 31, 57-66.
24. MacDougall, M., Simmons, D., Luan, X., Nydegger, J., Feng, J.およびGu, T. T. (1997) J Biol Chem 272,835-42.
25. Feng, J. Q., Luan, X., Wallace, J., Jing, D., Ohshima, T., Kulkarni, A. B., D'Souza, R. N., Kozak, C. A.およびMacDougall, M. (1998) J Biol Chem 273, 9457-64.
26. Owen, M. E. (1998) (Combridge University Press, Cambridge), pp. 1-9.
27. Friedenstein, A. J. (1980) in Immunology of Bone Marrow Eransplantation (Springer-Verlag, Berlin), pp. 19-29.
28. Bianco, P.およびCossu, G. (1999) Exp Cell Res 251,257-63.
29. Bianco, P.およびRiminucci, M. (1998) in Marrow stronlal cell culture, eds. Owen, M. A.およびBeresford, J. N. (Cambridge University Press, Cambridge UK), pp. 10-25.
30. Doherty, M. J., Ashton, B. A., Walsh, S., Beresford, J. N., Grant, M. E.およびCanfield, A. E. (1998) JBone Miner Res 13, 828-38.
31. Shiba, H., Nakamura, S., Shirakawa, M., Nakanishi, K., Okamoto, H., Satakeda, H., Noshiro, M., Kamihagi, K., Katayama, M.およびKato, Y. (1995) Dev Biol 170, 457-66.
32. Majors, A. K., Boelun, C. A., Nitto, H., Midura, R. J.およびMuschler, G. F. (1997) J Orthop Res. 15, 546-57.
33. Ishizeki, K., Nawa, T.およびSugawara, M. (1990) Anat Rec 226,279-87.
34. Holtgrave, E. A.およびDonath, K. (1995) Biomaterials 16,155-9.
35. Lyaruu, D. M., van Croonenburg, E. J., van Duin, M. A., Bervoets, T. J.,
Woltgens, J. H.およびde Blieck-Hogervorst, J. M. (1999) J Oral Pathol Med 28, 293-6.
36. Prime, S. S., Sim, F. R.およびReade, P. C. (1982) Transplantation 33,561-2.
37. Schultz, E.およびMcCormick, K. M. (1994) Rev. Physio. Biochein. Pharmacol. 123,213-257.
38. Johansson, C. B., Svensson, M., Wallstedt, L., Janson, A. M.およびFrisen, J. (1999) Exp Cell Res 253, 733-6.
39. Doetsch, F., Caille, I., Lim, D. A., Garcia-Verdugo, J. M.およびAlvarez-Buylla, A. (1999) Cell 97,703-16.
【0057】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離したクロノジェニック成人歯髄幹細胞の培養物であって、該幹細胞が脂肪細胞分化性(adipogenic)でない該培養物。
【請求項2】
幹細胞が象牙芽細胞に分化し得る請求項1記載の培養物。
【請求項3】
幹細胞がイン・ビボ(in vivo)において象牙質/歯髄構造を再生し得る請求項1記載の培養物。
【請求項4】
細胞が骨シアロタンパク質を産生しない請求項1記載の培養物。
【請求項5】
請求項1記載の培養物をヒドロキシアパタイト/リン酸三カルシウムと混合することにより得られる細胞であって、哺乳動物に移植することによりヒト象牙質/歯髄組織を再生するための細胞。
【請求項6】
請求項1記載の培養物をヒドロキシアパタイト/リン酸三カルシウムと混合することにより得られる細胞であって、哺乳動物に移植することによりヒト象牙質/歯髄組織を作り出すための細胞。
【請求項7】
ヒト歯髄をI型コラゲナーゼおよびディスパーゼ中で消化して、単一細胞懸濁液を形成させ;
単一細胞懸濁液を、子ウシ胎児血清を補充したイーグル培地の修飾物中で培養してコロニーを形成させ;ついで
コロニーを単離し、それによって単離されたヒト歯髄幹細胞を作り出す
ことを含む方法によって作り出した単離された成人歯髄幹細胞。
【請求項8】
ヒト歯髄をI型コラゲナーゼおよびディスパーゼ中で消化して、単一細胞懸濁液を形成させ;
単一細胞懸濁液を、子ウシ胎児血清を補充したイーグル培地の修飾物中で培養してコロニーを形成させ;ついで
コロニーを単離し、それによって単離されたヒト歯髄幹細胞を作り出す
工程を含む、単離された成人歯髄幹細胞を作り出す方法。
【請求項9】
請求項1に記載の培養物をヒドロキシアパタイト/リン酸三カルシウムと混合することにより得られる細胞であって、哺乳動物に移植することによりヒト象牙質様構造を再生するための細胞。
【請求項10】
ヒト歯髄を3mg/mlのI型コラゲナーゼおよび4mg/mlのディスパーゼを含む溶液中、37℃にて1時間消化して、単一細胞懸濁液を形成させ;
単一細胞懸濁液を、20%子ウシ胎児血清を補充したイーグル培地の修飾物中で培養してコロニーを形成させ;ついで
コロニーを単離し、それによって単離されたヒト歯髄幹細胞を作り出す
方法によって作り出した単離された成人歯髄幹細胞。
【請求項11】
単離された成人歯髄幹細胞を調製する方法であって、
(1)ヒト歯髄を3mg/mlのI型コラゲナーゼおよび4mg/mlのディスパーゼを含む溶液中、37℃にて1時間消化して、単一細胞懸濁液を形成させ;
(2)単一細胞懸濁液を、20%子ウシ胎児血清を補充したイーグル培地の修飾物中で培養してコロニーを形成させ;ついで
(3)コロニーを単離し、それによって単離されたヒト歯髄幹細胞を作り出す
工程を含む該方法。
【請求項12】
歯髄幹細胞とヒドロキシアパタイト/リン酸三カルシウムとを8mg/10細胞の割合で混合し、ついでそれを哺乳動物に6週間移植することによって得られる細胞であって、ヒト象牙質様構造を再生するための細胞。
【請求項13】
ヒト象牙質様組織を再生することにおいて使用するための、鉱物供給源と混合した請求項1記載の培養物の細胞を含む組成物。
【請求項14】
鉱物供給源がヒドロキシアパタイト/リン酸三カルシウムである請求項13記載の組成物。

【図1A−1E】
image rotate

【図2A−2L】
image rotate

【図3A−3D】
image rotate

【図4A−4F】
image rotate

【図5A−5B】
image rotate

【図6A−6C】
image rotate

【図7A−7D】
image rotate

【図8A−8B】
image rotate


【公開番号】特開2012−187107(P2012−187107A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−103397(P2012−103397)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【分割の表示】特願2002−513417(P2002−513417)の分割
【原出願日】平成13年7月23日(2001.7.23)
【出願人】(502006782)アメリカ合衆国 (47)
【Fターム(参考)】