説明

ウイルス感染および細菌感染の一体検出のための方法および装置

側方流動アッセイは、ウイルス感染と細菌感染を検出するとともに区別する。組み合わされたポイントオブケア診断装置は、ウイルス感染と細菌感染の迅速な区別を効率的に促進するために、ウイルス感染のためのマーカーと細菌感染のためのマーカーを検査する。1つの好適な実施形態において、細菌マーカーはCRPである。別の好適な実施形態において、ウイルスマーカーはMxAである。いくつかの実施形態において、サンプルを装置に塗布する前に、サンプル中の細胞を溶解する必要はない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年9月22日に出願された仮特許出願第61/098,935号(発明の名称「IN SITU LYSIS OF CELLS IN LATERAL FLOW IMMUNOASSAYS」)と、2009年5月18日に出願された仮特許出願第61/179,059号(発明の名称「METHOD AND DEVICE FOR COMBINED DETECTION OF VIRAL AND BACTERIAL INFECTIONS」)で開示された1以上の発明を主張するものである。米国仮特許出願の合衆国法典35章119条(e)(USC 119(e))での利益が本明細書で主張され、前述の出願は参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、同様に、2009年7月14日に出願された米国特許出願第12/502,662号(発明の名称「IN SITU LYSIS OF CELLS IN LATERAL FLOW IMMUNOASSAYS」)で開示された1以上の発明を主張するものである。前述の出願は参照することによって本明細書で組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
本発明は、側方流動イムノアッセイの分野に関する。より具体的には、本発明は、ウイルス感染および細菌感染を迅速に検出する側方流動イムノアッセイに関する。
【0004】
発熱は、幼児期に家庭医療および小児科施設の双方の応急手当センターを訪れる一般的な原因である。通常、これは、呼吸器感染または胃腸炎のいずれかに関連する。小児期における発熱の高い発生率と不必要な抗生物質の慎重な投与とが、ウイルス感染および/または細菌感染を示すバイオマーカーのための迅速なスクリーニング検査を開発する理由である。
【0005】
ウイルス感染を細菌感染と区別することが困難なときがある。これはとりわけ、自分の症状を言語化できない幼い子どもや、検査診断の利用が高額かつ時間を消費し、結果を得るまでに数日を要する外来診療の場において真実である。最近になって、多くの新しい診断バイオマーカーが知られてきた。このようなマーカーのいくつかは、ウイルス感染を細菌感染と区別するのに大いに有望である。2つのこのようなタンパク質は、MxAとC反応性タンパク質(CRP)を含む。ほとんどの呼吸器感染は咽頭炎に関し、咽頭炎の40%はウイルスによって引き起こされ、25−50%はA群β溶血性連鎖球菌によって引き起こされる。少ないほうの原因は、急性の細気管支炎と肺炎である。
【0006】
重篤な市中肺炎は約60%のケースで細菌感染によって引き起こされ、患者の約10%が集中治療室(ICU)への入院を必要とする。残りの30%は呼吸器系ウイルスに関する。
【0007】
すべての抗菌剤の約80%はプライマリケアで処方され、このような抗菌剤の最大で80%までが気道の適用のためのものである。気道感染は、プライマリケアでの咳の圧倒的にもっとも一般的な原因である。広域スペクトル抗生物質は、急性気管支炎を含む咳のためにしばしば処方され、このような処方箋の多くは、仮にあるとしても、患者にはごくわずかに有効なだけで、副作用を引き起こして、抗生物質に対する耐性を強化しかねない。医師に抗生物質を与えさせる要因は、細菌感染の適切な診断バイオマーカーの欠如、患者の経過観察を行っていないことへの懸念、および、時間的制約を含む。
【0008】
Mxタンパク質は、高分子量GTPアーゼ(GTPase)のスーパーファミリーのメンバーである。したがって、このようなGTPアーゼはI型α/βまたはII型インターフェロン(IFN)によって上方制御される。MxGTPアーゼは、IFNα/βインターフェロンでもっぱら発現されるが、IFNγ処理細胞では発現されない。I型インターフェロンは先天性免疫応答に重要な役割を果たし、免疫調節性の、抗増殖性の、および、抗ウイルス性の作用を有する。ヒトMxAの78kDaタンパク質は、IFN処理細胞の細胞質で蓄積するが、様々なウイルスの複製を抑制する。MxAタンパク質は、基礎濃度が低く、半減期が長く(2.3日)、誘導が速いため、ウイルス感染のためのマーカーとしては、2’,5’−オリゴアデニル酸シンセターゼなどの他の誘導タンパク質を上回る特定の利点を提供することができる。MxAのmRNAは、IFN誘導の1−2時間以内にIFNで刺激した、分離した末梢血管の白血球細胞中で検出可能であり、MxAタンパク質はその後まもなく蓄積し始める。
【0009】
諸研究によって、末梢血中でのMxAタンパク質の発現は、ウイルス感染のための感受性マーカー、および、特異的マーカーであることが分かっている。細菌感染群と比較して、ウイルス感染群でMxAレベルが高いのは、MxAタンパク質がI型IFNによってもっぱら誘導され、IFNγ、IL−1、TNF−α、または、細菌感染による他のサイトカインのいずれかによっては誘導されないという事実から説明することができる。
【0010】
同様に、ほとんどのウイルス感染は、急性の位相応答をあまり引き起こさないことが報告されており、低いC反応性タンパク質(CRP)濃度が、ウイルス性由来の病気と細菌性病因の病気を区別するために使用されてきた。CRPの血漿濃度が刺激後に急速に増加し、半減期が短いために急速に減少することから、CRPは感染と炎症性疾患とを診断およびモニタするのに非常に役に立つ道具であり得る。スカンジナビアでは、ポイントオブケアCRP検査は、一般診療における呼吸器感染症患者の日常的な評価の一部であり、その使用は費用効率が良いことが証明されている。一般診療において、CRPは細菌性疾患の診断において有用であり、および、細菌感染とウイルス感染を区別するのにも有用であることが分かっている。しばしば、CRPの診断値は、赤血球沈降速度(ESR)の診断値よりも優れていることが分かっており、白血球数(WBC)の診断値と同等であるか、または、それよりも優れている。
【0011】
臨床的に、特定の全身性のウイルス感染と細菌感染を区別することは困難になりかねない。肺炎などの重篤な感染の場合、または、誤った診断の結果が連鎖球菌性咽頭炎などの重篤な合併症につながりかねない場合、細菌の培養が通常は行われる。多くの場合、培養物を得るのは困難である。残念なことに、ウイルス培養は、結果を知る時間が著しく遅れてしまうために日常的には行われない。新しいウイルススクリーニングPCRパネルは役に立つが、高価であり、ポイントオブケアで情報を提供できない。したがって、ウイルス感染と細菌感染を区別することができる診断検査を容易に使用しやすくすることが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ウイルス感染および細菌感染を検出するとともに区別することができる側方流動アッセイを提供する。組み合わされたポイントオブケア診断装置は、ウイルス感染および細菌感染の迅速な区別に効果的に役立つために、ウイルス感染のためのマーカーと細菌感染のマーカーとを検査する。1つの好適な実施形態において、細菌マーカーはCRPである。別の好適な実施形態において、ウイルスマーカーはMxAである。本発明のいくつかの実施形態において、サンプルを装置に塗布する前に、サンプル中の細胞を溶解させる必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ウイルス感染と細菌感染を識別するための迅速なスクリーニング検査ウィンドウの目視検査結果とその結果の解釈を示す。
【図2】様々な色の検査ラインを備えた3つのカセットを示す。
【図3】ともに同じ色をした二線検出器(line detector)と、2つの線が異なる超高感度の二線検出器との比較を示す。
【図4A】本発明の実施形態において、ウイルスマーカーの存在に対応する検査ラインと、細菌バイオマーカーの存在を検出する第2の別の検査ラインとを備えた装置を示す。
【図4B】本発明の別の実施形態において、ウイルスマーカーの存在に対応する検査ラインと、細菌バイオマーカーの存在を検出する第2の別の検査ラインとを備えた装置を示す。
【図5A】本発明の実施形態において、サンプル塗布領域と試薬領域との間に配された溶解領域を含む、サンプル分析装置を示す。
【図5B】本発明の実施形態において、サンプル塗布領域に重なる溶解領域を含む、サンプル分析装置を示す。
【図5C】本発明の実施形態において、試薬領域に重なる溶解領域を含む、サンプル分析装置を示す。
【図5D】本発明の実施形態において、サンプル塗布領域と試薬領域とに重なる溶解領域を含む、サンプル分析装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、ウイルス感染と細菌感染を区別することができる側方流動アッセイを提供する。組み合わされたポイントオブケア診断装置は、ウイルス感染と細菌感染の両方のマーカーを検査し、例えば、外来患者診療室で、または、応急手当外来の間に、ウイルス感染と細菌感染とを迅速に区別するのに効果的に役立つ。この能力は、誤診とその後の抗生物質の過剰使用とを制限することによって、医療費を劇的に削減することができる。上記を実践することで、抗生物質アレルギー、有害な事象、および、抗生物質耐性を制限することができる。検査で結果がすぐに得られることで、患者が従事者の検査をまだ受けている間に診断を下すこともできる。好適な実施形態において、検査結果は、装置にサンプルを塗布して10分後には得られ、好ましくは約10分で読まれる。高い陽性のサンプルにおいて、検査ラインは約1乃至5分以内に目に見える。
【0015】
本発明の好適な実施形態において、本発明の側方流動イムノアッセイ装置は、サンプルを輸送する液体を含み、この液体は緩衝液でもよい。該装置は、サンプルが流れる毛細管の特徴を備えた1以上のフリース素材または膜を包含するクロマトグラフィ検査ストリップを含む。検査ストリップのためのいくつかの好適な材料または膜には、Dacron(登録商標)繊維などのポリエチレンテレフタラート(PET)繊維、ニトロセルロース、ポリエステル、ナイロン、酢酸セルロース、ポリプロピレン、ガラス繊維、および、このような材料および裏当て材(backings)の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本発明のいくつかの実施形態において、サンプルを検査ストリップに塗布する前に、サンプル中の細胞を溶解させる必要はない。
【0016】
本発明の1つの好適な方法は、感染が細菌かウイルスかどうかを特定するために、例えば、クロマトグラフィ検査ストリップなどのサンプル分析装置を用いる。この方法において、サンプルが採取され、クロマトグラフィ検査ストリップに移される。好適な実施形態において、サンプルは白血球を含むサンプルである。検査ストリップは試薬領域を含む。試薬領域は、好ましくは、細菌マーカーに特異的な少なくとも1つの第1の試薬を含み、サンプル中に存在する細菌マーカーがこの第1の試薬に触れると、第1の標識された複合体が形成される。試薬領域は、好ましくは、ウイルスマーカーに特異的な少なくとも1つの第2の試薬も含み、サンプル中に存在するウイルスマーカーがこの第2の試薬に触れると、第2の標識された複合体が形成される。検出領域は、第1の標識された複合体に結合する細菌マーカーの結合パートナーと、第2の標識された複合体に結合するウイルスマーカーの結合パートナーを両方含む。サンプルはその後、ウイルスマーカーおよび/または細菌マーカーの存在について分析される。
【0017】
本発明の装置の好適な実施形態は、サンプル塗布領域を含む。本装置は試薬領域も含み、該領域は細菌マーカーに特異的な少なくとも1つの第1の試薬を含み、サンプル中に存在する細菌マーカーが第1の試薬に触れると、第1の標識された複合体が形成され、該領域は、細菌マーカーに特異的な少なくとも1つの第2の試薬を含み、サンプル中に存在するウイルスマーカーが第2の試薬に触れると、第2の標識された複合体が形成される。装置上の検出領域は、第1の標識された複合体と結合する細菌マーカーと、第2の標識された複合体と結合するウイルスマーカーとを含む。使用可能な装置の一例は、クロマトグラフィ検査ストリップである。
【0018】
好適な実施形態において、ウイルスマーカーまたは細菌マーカーの存在は、肉眼で見える検査ラインによって示される。ウイルスマーカーの存在は、第1の検査ラインによって示され、その一方で、細菌マーカーは第2の検査ラインによって示される。いくつかの実施形態において、第1の検査ラインは陽性の際に第1の色を表示し、第2の検査ラインは陽性の際に第1の色とは異なる第2の色を表示する。第1の検査ラインと第2の検査ラインの両方がサンプル分析装置上の同じ空間内に配される実施形態において、第3の色は、第1の検査ラインと第2の検査ラインの両方が陽性の際に好ましくは形成される。他の実施形態において、2つの検査ラインは装置上で互いから空間的に離れている。
【0019】
1つの好適な実施形態において、細菌マーカーはCRPである。別の好適な実施形態において、ウイルスマーカーはMxAである。いくつかの好適な実施形態において、検出領域は、装置が作動している際に、肉眼で見える制御ラインを同様に含む。
【0020】
1つの好適な実施形態において、ウイルス感染のためのマーカーはMxAであり、細菌感染のためのマーカーはC反応性タンパク質(CRP)である。高MxAタンパク質レベルは、全身性ウイルス感染と強く相関し、CRPの増加は細菌感染に多く関連する。本発明は、サンプル中のMxAとCRPとを識別するための、迅速な感染のスクリーニング検査を含む。MxAは白血球(leukocite、white blood cells)中に存在する。したがって、サンプルは、白血球が利用可能な場所で、例えば、末梢血サンプル、鼻咽頭吸引物、涙、髄液、および、中耳吸引物で、採取することができる。
【0021】
他の実施形態において、ウイルス感染および/または細菌感染のための他のマーカーを用いることができる。例えば、宿主遺伝子の約12%は、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)感染後にその発現を変化させ、そのような遺伝子のサブセットは毒性感染と非毒性LCMV感染とを区別することができる。主要な転写の変化は、定量PCRとタンパク質研究とによって予備確認を与えられ、アレナウイルス性疾患のためのバイオマーカーとして潜在的に価値のある候補である。細菌感染のための他のマーカーには、プロカルシトニン、尿性トリプシンインヒビター(uTi)、リポ多糖類、IL−1、IL−6、IL−8、IL−10、ESR、および、白血球数の上昇(バンドの増加)、乳酸、トロポニン、血管内皮増殖因子、血小板由来増殖因子、コルチゾール、プロアドレノメデュリン、マクロファージ遊走阻止マーカー、活性化タンパク質C、CD4、8、13,14、または、64、カスパーゼ、胎盤由来成長因子、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、高移動度群1、コペプチン、ナトリウム利尿ペプチド(naturietic peptide)、リポ多糖結合タンパク質、腫瘍壊死因子α、循環血管内皮前駆細胞、補体3a、および、骨髄系細胞(trem−1)上で発現した誘発受容体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
1つの好適な実施形態において、区別される感染は呼吸器感染である。他の実施形態において、細菌性またはウイルス性の他の感染の種類は、本発明のシステムを用いて区別される。いくつかの実施例には、脳炎、髄膜炎、胃腸炎、発熱性呼吸器疾患(気管支炎、咽頭炎、肺炎を含む)、副鼻腔炎、中耳炎、尿路感染、および、結膜炎が挙げられるが、これらに限定されない。側方流動装置は既知のものであり、例えば、米国公開特許出願第2005/0175992号および第2007/0059682号に記載されている。これらの出願の両方の内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。当該技術分野で知られている他の側方流動装置は、本発明のシステムおよび方法とともに交互に使用することができる。
【0023】
米国公開特許第2007/0059682号は、検体と、1以上の妨害物質を包含可能なサンプルとを検出することを開示している。この公報は、クロマトグラフィ担体上で妨害物質を捕捉することによって、妨害物質と検体とを区別し、妨害物質とは分離された担体上の検体を検出することを教示している。
【0024】
米国公開特許出願第2007/0175992号は、ヒトの体液サンプルがスワブ材(swab member)などの採取装置によって採取される場合に、ヒトの体液において標的、例えば、病原体および/またはアレルギー関連成分などを検出する方法を開示している。サンプルはスワブ材からサンプル分析装置へと移され、その装置上で標的の分析を免疫化学的手段または酵素的手段によって行うことができる。検査結果は非常に短時間で表示することができ、ユーザによって直接読み取られる。このことは、患者の外来の間に結果を入手できるポイントオブケア検査を可能にする。この同時係属出願で開示される発明は、結膜炎の診断に特に有利である。
【0025】
本発明の方法において、分析されるサンプルはクロマトグラフィ担体上に塗布される。担体は、1つの単一のクロマトグラフィ材料で作ることができるか、または、好ましくは、同じ材料または異なる材料から作られた、および、担体裏打ち材(carrier backing)上に固定された、いくつかの毛細管の活性物質で作ることができる。このような材料は互いに密接に接触することによって輸送経路を形成し、この輸送経路沿いに毛細管力によって運ばれる液体が、塗布領域から試薬領域を通って、1以上の検出領域と任意で担体の他の端部上の廃棄物領域へと流れる。他の実施形態において、液体は、サンプル塗布領域に流れ込む前に試薬領域を通過する。特に好適な実施形態において、担体はクロマトグラフィ検査ストリップである。
【0026】
好ましくは、サンプルは、塗布領域をサンプルに浸すことによって担体に直接塗布される。代替的に、サンプルの担体への塗布は、乾燥したふき取り要素または濡れたふき取り要素でサンプルを採取することによって行うことができ、サンプルは該要素から、任意で湿潤後に、担体の塗布領域に移すことができる。通常は、ふき取り要素は無菌であり、乾燥しているか、または、採取工程の前に流体によって事前に処理される。本発明によると、ふき取り要素に適切な材料は、合成材料、織物、または、繊維ウェブを含む。そのようなふき取り要素のいくつかの例は、ドイツ特許DE4439429号とDE19622503号に記載され、それらは参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0027】
検出方法の種類に依存して、様々な試薬が担体の試薬領域には存在し、いくつかの実施形態では、試薬領域は好ましくは、塗布領域と検出領域との間に配され、または、他の実施形態では、好ましくは塗布領域の前に配される。サンドイッチ免疫測定法において、検出される各々の細菌マーカーおよびウイルスマーカーに特異的な試薬領域に、標識された非固定化試薬を有するのが好ましい。したがって、サンプル中に存在するウイルスマーカーまたは細菌マーカーが、試薬領域中に存在する対応する標識されたウイルス試薬または細菌試薬に触れると、標識された複合体がマーカーと対応する標識された試薬との間に形成される。標識された複合体は、今度は、検出領域内の検査ラインで、固定化されたウイルスまたは細菌マーカー結合パートナーを備えたさらなる複合体を形成することができる。競合イムノアッセイにおいて、試薬領域は、好ましくは、標識された非固定化マーカーアナログを含み、該アナログは、検出領域内の固定化されたマーカー結合パートナーのためのマーカーと競合する。試薬領域および検出領域中のマーカー結合パートナーは、好ましくは、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、または、組み換え抗体、あるいは、対応するマーカーに特異的に結合することができる抗体のフラグメントである。
【0028】
好適な実施形態において、本発明は、検査されるサンプル中に存在する妨害物質を減少させる。妨害物質、例えば、ヒトの抗マウス抗体(HAMA)は、試薬領域の標識された非固定化された試薬と検出領域の固定化された結合パートナーとを備えた複合体を形成することもでき、したがってイムノアッセイでは陽性の検査結果を示すため、担体は少なくとも1つの捕捉領域をさらに備えることができる。各々の捕捉領域は、特定の妨害物質に特異的に結合する固定化された捕捉試薬を含み、これによって、捕捉領域中の妨害物質を固定化する。捕捉領域は空間によって検出領域から離されており、サンプルは担体の検出領域に到達する前に、試薬領域と捕捉領域上で移動し始めるため、本方法は妨害物質を所望の検体から分離することができる。好ましくは、捕捉領域は試薬領域と検出領域の間に配される。しかしながら、捕捉領域は塗布領域と試薬領域の間に配することもできる。
【0029】
マーカーの検出は検出領域で行われる。結合分子は、検出領域内の免疫反応または他の反応によって、標識された複合体または標識されたマーカーアナログを固定化することで、工程中に検出領域内で目に見える検査ラインを構築する。好ましくは、標識は光学的に検出が可能な標識である。検査ラインで複合体を形成することで、標識を集中させて固定化し、検査ラインが肉眼で見えるようになり、陽性の検査結果を示す。特に好ましいのは直接標識で、さらに具体的には、肉眼でもっとも認識されやすい金標識が好ましい。代替的に、電子読み出し装置(例えば、測光トランスデューサー、音響トランスデューサー、インピーダンス変換器(impedimetrical transducer)、電位差変換器、および/または、電流測定変換器に基づく)は、さらに正確な結果と検体の半定量化検体を得るために使用することができる。他の標識は、ラテックス、フルオロフォア、または、ホスホロフォア(phosphorophore)であってもよい。
【0030】
1つの実施形態において、視覚的に読み取られる側方流動イムノアッセイ検査の感度は、少量の蛍光染料または蛍光ラテックスビーズ複合体を、最初の複合体材料に加えることによって高められる。可視スペクトル検査ラインが目に見えて存在する際、検査結果が観察され、記録される。しかしながら、明白に目に見える検査ラインを生じさせるものではない弱陽性の場合、UVスペクトルなどの適切なスペクトル光線が検査ラインに投げかけられることによって、検査ラインで視認できる色を鮮やかにするために、検査ラインで結合される蛍光ラテックスビーズを励起するとともに該蛍光ラテックスビーズの蛍光を発する。
【0031】
好適な実施形態において、ウイルスマーカーの存在に対応する目に見える検査ラインが細菌マーカーの存在に対応する検査ラインとは分離するように、試薬は形成される。したがって、検出領域内の検査ラインの展開位置だけで、サンプルが細菌またはウイルスマーカー(または両方)を含んでいたかどうかをすぐに決定することができる。別の好適な実施形態において、様々な色の検査ラインが展開されるように、試薬は選択される。すなわち、ウイルスマーカーの存在は、細菌マーカーの存在によって展開したラインとは異なる色のラインを展開させる。例えば、ウイルスマーカーを認識する試薬に対応する標識は赤であり、一方で、細菌マーカーを認識する試薬に対応する標識は緑である。非固定化試薬に取り付けられる、異なるように色付けされた標識は周知である。いくつかの実施例には、コロイド金、コロイドセレン、コロイド状炭素、ラテックスビーズ、常磁性ビーズ、蛍光体および化学発光体、および、それらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
図4Aおよび図4Bは、ウイルスマーカーの存在に対応する検査ライン(402)と、細菌マーカーの存在を検出する第2の別の検査ライン(403)とを備えた、クロマトグラフィ検査ストリップ(400)を示す。サンプルは、クロマトグラフィ検査ストリップ(400)の塗布領域(401)に塗布される。図4Aに示されるように、サンプルはその後、少なくとも1つの標識されたウイルス結合パートナーと、少なくとも1つの標識された細菌結合パートナーとを含む試薬領域(460)を通過し、該結合パートナーはサンプル輸送液体(例えば、緩衝溶液)によって溶出され、その後、該サンプル輸送液体とともに移動することができる。代替的に、図4Bに示すように、試薬領域中の標識された結合パートナーがサンプル輸送液体によって溶出されてサンプルに移動するように、試薬領域(460)はサンプル塗布領域(401)の上流に配される。標識されたウイルス結合パートナーは、所望のウイルスマーカーと特異的に結合することができ、検出領域内の別の特定の試薬または結合パートナーと交互に特異的に結合することが可能な複合体を形成する。標識された細菌結合パートナーは所望の細菌マーカーと特異的に結合することができることで、検出領域内の別の特定の試薬または結合パートナーと交互に特異的に結合可能な複合体を形成する。これらの図には示されていないが、吸収パッドと、同様に、他に知られている側方流動イムノアッセイの構成要素(廃棄物領域、担体裏当て材、ハウジング、および、結果読み出しのためのハウジング内の開口部を含むが、これらに限定されない)は、この実施形態において、任意で検査ストリップ(400)の構成要素でもあってもよい。
【0033】
検査ストリップ(400)は、例えば、検査ライン(402)などのウイルスマーカーの検出のための少なくとも1つの第1区域を含む検出領域(405)をさらに含み、該区域は、ウイルスマーカーによって形成されたウイルス試薬複合体に相補的な固定化された特定の結合パートナーとその標識された結合パートナーとを含む。したがって、検査ライン(402)で、検出領域結合パートナーは、結合されたウイルスマーカーとともに、試薬領域(460)から標識されたウイルス結合パートナーを捕捉する。標識された結合パートナーによるウイルスマーカーのこの局在化によって、検査ライン(402)で表示を生じさせる。検査ライン(402)で、ウイルスマーカーの存在は、標識された結合パートナーの蓄積に由来する検査ライン(402)の表示の、質的なおよび/または量的な読み出しによって決定される。
【0034】
検出領域(405)は、例えば、検査ライン(403)などの少なくとも1つの細菌マーカーの検出のための第2区域も含み、該区域は、細菌マーカーによって形成された細菌試薬複合体に相補的な固定化された特定の結合パートナーと、その標識された結合パートナーとを含む。したがって、検査ライン(403)で、検出領域結合パートナーは、結合された細菌マーカーとともに、試薬領域(460)から標識された細菌結合パートナーを捕捉する。標識された結合パートナーによる細菌マーカーのこの局在化によって、検査ライン(403)で表示を生じさせる。検査ライン(403)で、細菌マーカーの存在は、標識された結合パートナーの蓄積に由来する検査ライン(403)の表示の、質的なおよび/または量的な読み出しによって決定される。検査ライン(402)が図の流れ(408)の方向に対して検査ライン(403)の上流にある一方で、代替的な実施形態では、検査ライン(403)は検査ライン(402)の上流にある。さらに他の実施形態において、検査ライン(402)と(403)は、検査ストリップ上の同じ位置に配される。
【0035】
任意で、検出領域(405)は、制御ライン(404)と同様に、ウイルスマーカーまたは細菌マーカーを検出するさらなる検査ラインを含むことができる。制御ライン(404)は、標識された特異的な結合パートナーがどのウイルスマーカーまたは細菌マーカーも結合させていないかもしれないにもかかわらず、アッセイの長さにわたって移動したことを示しており、したがって、アッセイの適切な操作を確認している。図4Aおよび4Bに示されるように、制御ライン(404)は、好ましくは、検査領域(402)と(403)の下流である。しかしながら、他の実施形態において、制御ライン(404)は、検査領域(402)と(403)のいずれかのまたは両方の上流に配されてもよい。
【0036】
好適な実施形態において、制御ライン(404)は、検査で用いられている溶出培地の成分または他の成分と結合する抗体または他の組み換えタンパク質を含む。核酸が標的である実施形態において、制御ライン(404)は、好ましくは、標的核酸のための結合パートナーとして用いられる標識された核酸に相補的な核酸を含む。
【0037】
ウイルスマーカーまたは細菌マーカーの各々について、図面では検査ラインが1つしか示されていないが、ウイルスマーカーまたは細菌マーカーの両方またはいずれかのための複数の検査ラインは、本発明の精神の範囲内で使用可能である。複数の細菌および/またはウイルス標的があるいくつかの実施形態において、各標的の存在は、好ましくは、別の検査ライン(402)または(403)に対応する。他の実施形態において、細菌マーカーおよびウイルスマーカーの両方が単一の検査ライン上で検出される。このような実施形態において、同じ検査ライン上に細菌マーカーとウイルスマーカーの両方が存在すると、細菌マーカーまたはウイルスマーカーのいずれかが単独で存在する場合とは異なる特徴を有する。例えば、同じ検査ライン上に細菌マーカーとウイルスマーカーの両方が存在すると、細菌マーカーまたはウイルスマーカーのいずれかが単独で存在する場合とは異なる色で、目に見えるように表示されることができる。
【0038】
ウイルス感染と細菌感染とを区別するための迅速なスクリーニング検査の一例が、図1に示される。先に議論されたように、MxAはウイルス感染のための診断マーカーであり、CRPは細菌感染のための診断マーカーである。この例において、青色ライン(図のA−Dの「制御ライン」)は、対照を示す。緑色ラインは、C反応性タンパク質(CRP)レベル>15mg/l(図のA−Dにおける「CRP」検査)を表す。赤色ラインは、MxAレベル>235ng/ml(図のA−Dにおける「MxA検査」)を表す。CRPタンパク質の陰性結果を伴う、MxAタンパク質の陽性結果は、ウイルス感染のみを示す(目視検査結果A)。MxAタンパク質の陰性結果を伴う、CRPタンパク質の陽性結果は、細菌感染のみを示す(目視検査結果B)。MxAとCRPの両方に対しての陽性結果は、同時感染(細菌とウイルスの両方による感染)を示す(目視検査結果C)。細菌感染もウイルス感染のいずれにも感染していない場合は、MxAおよびCRPの両方の陰性結果によって示される(目視検査結果D)。特定の色のラインがこの実施例で議論されているが、他の色、または、ウイルスマーカーまたは細菌マーカーを示す検査ストリップ上の異なる位置の同じ色も、本発明の精神の範囲内である。
【0039】
異なる色のラインの展開が利用される際、ラインは空間によって離されても離されなくてもよい。後者の例では、両方のマーカーが存在する際に見える色が個々のマーカー存在する際に見える色とは異なるように、標識は選択される。例えば、ウイルスマーカーの存在は赤色ラインによって示され、細菌マーカーの存在は青色ラインによって示され、両方のマーカーの存在は紫色(赤色と青色を組み合わせて)のラインによって示される。
【0040】
急性の感染と慢性の感染とを区別するために2つの色を用いることが、図2に示される。第1のカセットでは、IgMの抗体のみが存在しており、これは、急性の感染を示す。このカセットにおいて、検査ラインは赤色である。第2のカセットでは、免疫グロブリンはIgGであるため、検査ラインは青色である。第3のカセットは、IgMとIgG双方の抗体が存在する中間のケースを示す。その結果として、検査ラインは紫色である。この例はIgMとIgGを検査するために示されるが、同じ概念が、感染のためのウイルスマーカーと細菌マーカーの両方を検出する単一のラインによって代替的に使用される。
【0041】
別の好適な実施形態において、検査ストリップは、検査ストリップの機能を示す制御区域をさらに備えることができる。図1は、制御ラインを示す。図2は、3つのカセットすべてのための制御区域がある例を示す。制御区域が存在する場合、装置が作動したという信号をユーザに送るために設計することができる。例えば、制御区域は、試薬領域から標識された試薬に結合する試薬(例えば、抗体)を含むことができる。例えば、抗マウス抗体は、標識された抗体がマウス由来の場合に使用され、サンプルが検査ストリップに染み込んだことを確認する。代替的に、制御区域は無水試薬を含むことができ、該無水試薬は、例えば、水性サンプルで湿らすと青色に変色する無水硫酸銅のように、湿らすと色の変化または色の形成をもたらす。さらなる代替例として、制御区域は、固定化されたウイルスマーカーと細菌マーカーを含むことができ、これらは試薬領域からの過剰に標識された試薬と反応する。制御区域は、検出領域から上流または下流に配されてもよい。陽性の制御指標(A Positive control indicator)は、サンプルが検査装置を介して必要とされる距離を通過したことをユーザに伝える。
【0042】
図3は、2つの検査ストリップ、「Adeno 1」と「Adeno HS」とを比較しており、両方とも制御ラインを含む。Adeno 1において、制御ライン(各々のカセット上の上方ライン)と検査ライン(各々のカセット上の下方ライン)は赤色である。Adeno HSでは、制御ラインは青色であり、検査ラインは赤色である。制御ラインが検査ラインとは異なる色である実施形態において、2つのラインを区別して、検査が確実に行われているかを確認することは容易である。
【0043】
いくつかの好適な実施形態において、本発明の装置と方法は、ウイルス感染と細菌感染とを識別するのに役立つ溶解領域を含む。このような実施形態において、採取されたサンプルは採取前およびサンプル分析装置への移動前には溶解されない。これによって分析用のサンプルを採取及び準備するのに必要な工程の数は減少する。溶解剤がアッセイの効率を改善する1つの状況は、MxAの存在についてアッセイする場合である。本明細書で議論したように、このタンパク質の存在が、発熱をした子供において細菌感染とウイルス感染とを区別するのに役立つ。溶解剤として、1%乃至6%重量/容積のCHAPSと0.5%乃至2%重量/容積のNP40との組み合わせを用いるインサイツでの溶解は、新鮮な全血または冷凍した全血中のMxAの検出を改善する。
【0044】
サンプル負荷後に溶解剤を利用する実施形態において、輸送液体(緩衝液)とともに移動するサンプルは、溶解剤と遭遇する。溶解剤は、好ましくは、検査ストリップの溶解領域上で事前に負荷されているか、または、乾燥されており、および、輸送液体によって溶出される。最初に乾燥させた溶解剤は、好ましくは、サンプル塗布領域と試薬領域との間で局在化する。試薬領域がサンプル塗布領域の上流にある実施形態において、溶解領域は、サンプル塗布領域の下流にある。溶解領域は好ましくは、サンプル輸送液体中で溶けやすく、溶解剤は、サンプル輸送液体に接触すると、可溶化するとともに活性化する。サンプル輸送液体は、このとき、溶液または懸濁液中の溶解剤と、懸濁液中のサンプル成分を両方とも含有する。サンプル中の任意の溶解しやすい成分は、その後、懸濁液中で溶解剤に晒され、インサイツでそれ自体が溶解する。流れている緩衝液(running buffer)は、その後、任意の溶解から解放された成分を含む検体を検出領域へと運ぶ。
【0045】
溶解剤が事前に負荷されて乾燥する位置は、必要に応じて変えることができる。サンプルが溶解剤と相互作用しなければならない時間を最大化するために、同様に、溶解剤が検出領域に到達する時間を最小化するために、乾燥させた溶解剤は、サンプル塗布領域内またはサンプル塗布領域のちょうど下流に配されてもよい。あるいは、溶解した生成物が試薬領域に到達する前に移動しなければならない距離を最小化するために、乾燥させた溶解剤は、試薬領域のさらに近傍に配されてもよい。
【0046】
サンプルの負荷の後に、輸送液体とともに移動するサンプルは、溶解剤と遭遇する。溶解剤は、検査ストリップ上で事前に負荷されており、輸送液体によって溶出される。いくつかの好適な実施形態において、溶解剤は、検査ストリップ内で乾燥する。代替的に、溶解剤をフリーズドライまたは凍結乾燥によって事前に乾燥させてもよく、その後、検査ストリップ上に付加してもよい。他の実施形態において、溶解剤は、検査ストリップ上で吸収されたり、吸着されたり、埋め込められたり、または、捕捉されたりしてもよい。好適な実施形態において、溶解剤は、サンプル塗布領域と試薬領域との間で局在化する。溶解剤は、好ましくは、サンプル輸送液体中に溶けやすくまたは混和でき、溶解剤は、サンプル輸送液体に接触すると、可溶化するとともに活性化する。サンプル輸送液体は、このとき、溶液または懸濁液中の溶解剤と、懸濁液中のサンプル成分を両方とも含有する。サンプル中の任意の溶解しやすい成分は、その後、懸濁液中で溶解剤に晒され、インサイツでそれ自体が溶解する。流れている緩衝液は、その後、任意の溶解から解放された成分を含む検体を、試薬領域を通って検出領域へと運ぶ。
【0047】
溶解剤が事前に負荷された位置は、必要に応じて変えることができる。サンプルが溶解剤と相互作用しなければならない時間を最大化するために、同様に、溶解剤が検出領域に到達する時間を最小化するために、乾燥させた溶解剤、吸収された溶解剤、吸着された溶解剤、埋め込まれた溶解剤、または、捕捉された溶解剤は、サンプル塗布領域内またはサンプル塗布領域のちょうど下流に配されてもよい。あるいは、溶解した生成物が試薬領域に到達する前に移動しなければならない距離を最小化するために、溶解剤は試薬領域のさらに近傍に配されてもよい。
【0048】
検査ストリップ上に事前に負荷された溶解剤の濃度は、好ましくは、0.001%および5%重量/容量の間である。事前に負荷される容量は、溶解剤が事前に負荷される場所に依存する。適切な範囲は、サンプル採取器のフリース(collector fleece)(サンプル塗布領域)に事前に負荷される際は、1乃至10マイクロリットルであり、吸収パッドまたは検査ストリップ内の他の位置に事前に負荷される際は、5乃至50マイクロリットルである。理想的には、事前に負荷される量は、採取器のフリースに事前に負荷される約3マイクロリットルか、または、吸収パッドまたは検査ストリップ内の他の位置に事前に負荷される約10マイクロリットルでなければならない。
【0049】
特異的な溶解環境および溶解剤の選択は、ウイルスマーカーと細菌マーカー、および、アッセイに依存するであろう。pHとイオン強度は、溶解環境の鍵となる。溶解剤によって確立されるpHに関しては、4.0以下のpHは、材料、特にタンパク質を沈殿させる傾向がある。約10.0以上の高pHは、タンパク質および細胞壁などの材料を溶解させる傾向がある。したがって、約10.0またはそれ以上のpHが、多くの応用例で好ましい。代替的に、低pHは、核酸標的に好ましいこともある。
【0050】
溶解剤によって確立されるイオン強度に関して、高イオン強度および低イオン強度の双方が溶解のために用いられてもよい。例えば、低イオン強度(低浸透圧性)は、赤血球を破壊する傾向がある。例えば、水それ自体は、赤血球を溶解することができる。高イオン強度環境は、特定の細胞壁および膜を破裂させるために用いられてもよい。
【0051】
特異的な溶解剤に関して、これらの溶解剤は、その性質:塩、両性およびカチオン活性剤、イオン性および非イオン性洗剤に基づいて分類および選択される。塩、塩化アンモニウム(NHCl)は、赤血球を溶解する。高濃度の塩化ナトリウム(NaCl)および塩化カリウム(KCl)を含むが、これらに限定されない他の塩は、特定の細胞壁および膜を破裂させることもある。他の溶解剤は、LysoPC、CHAPS、および、両性洗浄剤(Zwittergent)を含むがこれらに限定されない両性剤である。代替的に、C16TABおよび塩化ベンザルコニウムを含むがこれらに限定されないカチオン剤が、溶解剤として用いられてもよい。イオン性および非イオン性洗剤は両方とも、リポタンパク質および糖タンパク質などの細胞壁または細胞膜成分を破壊または溶解するためにしばしば用いられる。一般的なイオン性洗剤は、SDS、コール酸、および、デオキシコール酸を含むが、これらに限定されない。イオン性洗剤は、優れた可溶化剤である。抗体は、0.1%SDSまたはそれ未満で活性を維持する。一般的な非イオン性洗剤は、オクチルグルコシド、ジギトニン、C12E8、ルブロール、トリトンX100、Noniodet P−40、Tween 20、および、Tween 80を含むがこれらに限定されない。非イオン性洗剤および弱イオン性洗剤は、弱変性剤であり、ウイルス表面タンパク質などの膜たんぱく質を可溶化するためにしばしば用いられる。さらなる溶解剤は、尿素および酵素を含むが、これらに限定されない。異なる溶解剤の組み合わせが、溶解環境を最適化するために用いられてもよい。
【0052】
界面活性剤は、一般的に、湿潤剤であり、液体の表面張力を低下させる。これによって、液体間の界面張力を低下させることで容易に拡散することが可能になる。こうして、界面活性剤は、抗原と抗体の自然結合、または、リガンドと受容体の自然結合に干渉することができる。その濃度は、したがって、溶解剤の各々のクラスから実験的に選択される。溶解が生じると、所望の結合反応が阻害されないことが重要である。一般的に、0.001%の溶解剤濃度が下限とみなされ、上限は約1%である。溶解剤の組み合わせが用いられると、追加的なまたは相乗的な効果がある。これは、濃度の動作範囲を約0.001%から1%まで拡大する。最終的に、いくつかの望ましくない非特異的な結合は、5%濃度のTween 20で妨げられてもよい。すべての場合において、個々の検査ストリップ上のすべての位置に事前に負荷された溶解剤の総量は、免疫検出に対する障壁を溶解するほどに十分なもので、検査ストリップの実務作業を可能にするものでなければならない。
【0053】
溶解剤それ自体は、任意の他のアッセイ検出器または指示薬に干渉してはならず、したがって、アッセイの実務作業を妨げてしまうほどには、任意の他のアッセイの相互作用および反応には干渉しない。溶解剤は、ポイントオブケア検査で検査ストリップを使用する前に、製造、分配、および、保存を可能にするほどの十分な有効期間を有していなければならない。
【0054】
MxAがウイルスマーカーである好適な実施形態において、溶解剤として、1%乃至6%重量/容積のCHAPSと0.5%乃至2%重量/容積のNP40との組み合わせを用いるインサイツでの溶解が好適に用いられる。さらに特異的な例として、150mMの塩化ナトリウムを有する5%のCHAPSおよび2%のNP−40と、0.1%のBSAと、0.1%のアジ化ナトリウムと(すべての割合は重量/容積)を含有する、2マイクロリットルの100mMのHEPES緩衝液(pH8.0)は、検査ストリップの溶解領域上で乾燥される。
【0055】
好適な実施形態において、図5A乃至図5Dに示すように、サンプルは、クロマトグラフィ検査ストリップ(200)上の塗布領域(201)に塗布される。サンプルは溶解領域(250)を通過し、ここで、溶解剤が好ましくは、検査ストリップ上で事前に負荷されており、輸送液体によって溶出される。溶解剤は、インサイツでサンプル中の任意の溶解しやすい成分を溶解する。
【0056】
クロマトグラフィ検査ストリップは、サンプル塗布領域(201)、溶解剤を含む溶解領域(250)、および、ウイルスマーカーと結合する少なくとも1つの標識された結合パートナーと、細菌マーカーと結合する少なくとも1つの標識された結合パートナーとを含む試薬領域(260)を備え、該結合パートナーは、サンプル輸送液体(例えば、緩衝溶液)によって溶出され、その後、該サンプル輸送液体とともに移動することができる。試薬領域(260)がこのような図のサンプル塗布領域の下流に示される一方で、代替的な実施形態において、サンプルが溶解領域に到達して効果的に溶解された後に、試薬がいくつかのポイントでサンプルと遭遇する限り、試薬領域(260)をサンプル塗布領域の上流に配することが可能である(図5Bを参照)。標識された結合パートナーは、所望のウイルスマーカーまたは細菌マーカーと特異的に結合することができ、検出領域内の別の特異的な試薬または結合パートナーと交互に特異的に結合することができる複合体を形成する。これらの図には示されていないが、吸収パッドと、同様に、他に知られている側方流動イムノアッセイの構成要素(廃棄物領域、担体裏当て材、ハウジング、および、結果読み出しのためのハウジング内の開口部を含むが、これらに限定されない)は、このような実施形態において、任意で検査ストリップ(200)の構成要素でもあってもよい。
【0057】
好適な実施形態において、溶解剤は、サンプル塗布領域(201)と試薬領域(260)との間の溶解領域(250)で局在化する。溶解剤は、好ましくは、サンプル輸送液体中に溶けやすくまたは混和でき、溶解剤は、サンプル輸送液体に接触すると、可溶化するとともに活性化する。サンプル輸送液体は、このとき、溶液または懸濁液中の溶解剤と、懸濁液中のサンプル成分を両方とも含有する。サンプル中の任意の溶解しやすい成分は、その後、懸濁液中で溶解剤に晒され、インサイツでそれ自体が溶解する。流れている緩衝液は、その後、任意の溶解から解放された成分を含むサンプルを、検出領域(205)へと運ぶ。
【0058】
溶解領域(250)は、図5Aに示すように、好ましくは、サンプル塗布領域(201)と試薬領域(260)との間で局在化する。他の実施形態において、溶解剤(250)は、図5B、5C、および5Dに夫々示すように、サンプル塗布領域(201)に、試薬領域(260)に、または、サンプル塗布領域(201)と試薬領域(260)の双方に重なる。図は概略図であり、縮尺通りには描かれてはいないことを強調しておく。異なる領域(図5B乃至5Dで示すように)間の重複量は、非常に貴重である。
【0059】
検査ストリップ(200)は、例えば、検査ライン(203)などの少なくとも1つの細菌マーカーの検出のための第1区域を含有する検出領域(205)もさらに含み、該区域は、細菌マーカーによって形成される細菌複合体に相補的な固定化した特異的な結合パートナーと、その標識された結合パートナーとを含む。したがって、検査ライン(203)で、検出領域の結合パートナーは、結合した細菌マーカーとともに、試薬領域(260)から細菌標識された結合パートナーを捕捉する。標識された結合パートナーによる細菌マーカーのこの局在化によって、検査ライン(203)で表示を生じさせる。検査ライン(203)で、細菌マーカーの存在は、標識された結合パートナーの蓄積に由来する検査ライン(203)の表示の、質的なおよび/または量的な読み出しによって決定される。
【0060】
検出領域(205)は、例えば、検査ライン(202)などの少なくとも1つのウイルスマーカーの検出のための第2区域も含み、該区域は、ウイルスマーカーによって形成されたウイルス複合体に相補的な固定化された特異的な結合パートナーと、その標識された結合パートナーとを含む。したがって、検査ライン(202)で、検出領域の結合パートナーは、結合されたウイルスマーカーとともに、試薬領域(260)からウイルス標識された結合パートナーを捕捉する。標識された結合パートナーによるウイルスマーカーのこの局在化によって、検査ライン(202)で表示を生じさせる。検査ライン(202)で、ウイルスマーカーの存在は、標識された結合パートナーの蓄積に由来する検査ライン(202)の表示の、質的なおよび/または量的な読み出しによって決定される。検査ライン(203)が図の流れ(208)の方向に対して検査ライン(202)の上流にある一方で、代替的な実施形態では、検査ライン(202)は検査ライン(203)の上流にある。さらに他の実施形態において、検査ライン(202)と(203)は、検査ストリップ上の同じ位置に配される。
【0061】
任意で、検出領域(205)は、他の細菌マーカーとウイルスマーカーを検出するために、制御ライン(204)と同様に、さらなる検査ラインを含んでもよい。制御ライン(204)は、標識された特異的な結合パートナーがどのマーカーも結合させていないかもしれないにもかかわらず、アッセイの長さにわたって移動したことを示しており、したがって、アッセイの適切な操作を確認している。図5A乃至5Dに示されるように、制御ライン(204)は、好ましくは、検査ライン(203)と(202)の下流にある。しかしながら、他の実施形態において、制御ライン(204)は、検査ライン(202)と(203)のいずれかのまたは両方の上流に配されてもよい。
【0062】
好適な実施形態において、制御ライン(204)は、検査で用いられている溶出培地の成分または他の成分と結合する抗体または他の組み換えタンパク質を含む。核酸が標的である実施形態において、制御ライン(204)は、好ましくは、標的核酸のための結合パートナーとして用いられる標識された核酸に相補的な核酸を含む。
【0063】
図面では検査ラインが1つしか示されていないが、複数の検査ラインは、本発明の精神の範囲内である。複数の標的があるいくつかの実施形態において、各標的の存在は、好ましくは、別の検査ライン(202)に対応する。複数の標的があるいくつかの実施形態において、複数の標的の存在は、1以上の標的の存在が単一の標的の存在とは異なる特徴を有するように、同じ検査ラインで表示される。例えば、同じ検査ライン上に複数の標的が存在すると、各々の標的が単独で存在する場合とは異なる色で、目に見えるように表示されることができる。
【0064】
他の実施形態において、流れている緩衝液それ自体に、1以上の弱溶解剤を含ませることができる。このような実施形態において、下流にある試薬領域上には副作用はないため、サンプルは試薬領域の上流または下流のいずれかであってもよい。流れている緩衝液中の溶解酵素は、その基質を「標的とする」ことができ、細胞壁を開くために該基質を切断することができる。例として、ペニシリンは、感受性細菌中に、穴を切り取るかまたは「穴を開ける」ことができる。他の実施形態において、溶解剤はサンプル採取材料に塗布されると、このとき、試薬領域はサンプル塗布領域の上流にあってもよい。
【0065】
一例として、1以上の溶解剤を側方流動ストリップのサンプル塗布領域上で乾燥させる。ストリップごとに、溶解剤は、150mMの塩化ナトリウムを含む5%のCHAPSおよび2%のNP−40と、0.1%のBSAと、および、0.1%のアジ化ナトリウム(すべての割合が重量/容量)とを含む、約2マイクロリットルの100mMのHEPES緩衝液(pH8.0)で作られる。インサイツで溶解させるために、全血液の最大で10マイクロリットルまでをその後、サンプル塗布領域に加える。MxAタンパク質は白血球細胞の内部から放出されることで、目に見えるタグ(コロイド金または目に見えるラテックスビーズ)の付いたMxAモノクローナル抗体と反応する。この複合体は、トリトンX100を含有する使用中の緩衝液によって移動し、ニトロセルロース膜の検査ラインで固定されたMxAモノクローナル抗体によって捕捉される。検査ラインでのこの結合が、目に見える表示を生じさせる。
【0066】
これに応じて、本明細書に記載の本発明の実施形態は、たんに本発明の原則の適用を反映したものにすぎないことを理解されたい。例示の実施形態の詳細に対する本明細書における参照は、本発明に必要不可欠とみなされる特徴を列挙している特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感染が細菌によるものかウイルスによるものかを決定する方法であって、
前記方法は、
a)サンプルを採取する工程と、
b)前記サンプルをサンプル分析装置へと移す工程を備え、
前記サンプル分析装置が
試薬領域を備え、
前記試薬領域は、
細菌マーカーに特異的な少なくとも1つの第1の試薬を備え、これによって、前記サンプル中に存在する前記細菌マーカーが前記第1の試薬に触れると、第1の標識された複合体が形成され、
前記試薬領域は、
ウイルスマーカーに特異的な少なくとも1つの第2の試薬を備え、これによって、前記サンプル中に存在する前記ウイルスマーカーが前記第2の試薬に触れると、第2の標識された複合体が形成され、
前記試薬領域はさらに、
前記第1の標識された複合体と結合する第1の結合パートナーと、前記第2の標識された複合体と結合する第2の結合パートナーとを含む検出領域を備え、
前記方法はさらに、
c)前記ウイルスマーカーおよび/または前記細菌マーカーの存在に関して前記サンプルを分析する工程を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記細菌マーカーがCRPであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ウイルスマーカーがMxAであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記工程c)が
i)前記サンプルを前記サンプル分析装置上で溶出する下部工程と、
ii)前記検出領域から結果を視覚的に測定する下部工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ウイルスマーカーまたは前記細菌マーカーの前記存在は、肉眼で見える前記検出領域内に配された検査ラインによって示されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ウイルスマーカーの前記存在が前記検出領域内に配された第1の検査ラインによって示され、前記細菌マーカーの前記存在が前記検出領域内に配された第2の検査ラインによって示されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の検査ラインは陽性の際に第1の色を表示し、前記第2の検査ラインは陽性の際に前記第1の色とは異なる第2の色を表示することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の検査ラインと前記第2の検査ラインの両方が前記サンプル分析装置上の同じ空間に配されることで、前記第1の検査ラインと前記第2の検査ラインの両方が陽性の際に、第3の色が形成されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の検査ラインは、前記サンプル分析装置上で前記第2の検査ラインと空間的に離れていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記サンプルが血液サンプルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記サンプルが白血球を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記サンプルが、末梢血、鼻咽頭吸引物、涙、髄液、および、中耳吸引物からなる群から選択される位置から採取されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
細菌マーカーまたはウイルスマーカーの検出のための装置であって、
前記装置は、
a)サンプルを前記装置に塗布するためのサンプル塗布領域と、
b)試薬領域とを備え、
前記試薬領域は、
細菌マーカーに特異的な少なくとも1つの第1の試薬を備え、これによって、前記サンプル中に存在する細菌マーカーが前記第1の試薬に触れると、第1の標識された複合体が形成され、
前記試薬領域はさらに、
ウイルスマーカーに特異的な少なくとも1つの第2の試薬を備え、これによって、前記サンプル中に存在するウイルスマーカーが前記第2の試薬に触れると、第2の標識された複合体が形成され、
前記装置はさらに、
c)検出領域を備え、
前記検出領域は、
前記第1の標識された複合体に結合する第1の結合パートナーと
前記第2の標識された複合体に結合する第2の結合パートナーとを備えることを特徴とする装置。
【請求項14】
前記細菌マーカーがCRPであることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ウイルスマーカーがMxAであることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記検出領域は、前記サンプルが前記細菌マーカーに関して陽性の際に肉眼で見える第1の検査ラインと、前記サンプルが前記ウイルスマーカーに関して陽性の際に肉眼で見える第2の検査ラインとを備えることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の検査ラインは前記第2の検査ラインから空間的に離れていることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の検査ラインは陽性の際に第1の色を表示し、前記第2の検査ラインは陽性の際に前記第1の色とは異なる第2の色を表示することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の検査ラインと前記第2の検査ラインの両方が同じ空間に配されることで、前記第1の検査ラインと前記第2の検査ラインの両方が陽性の際に、第3の色が形成されることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記検出領域は、前記装置が作動している際に肉眼で見える制御ラインを備えることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項21】
前記サンプルが血液サンプルであることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項22】
前記サンプルが白血球を含むことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項23】
前記サンプルが、末梢血、鼻咽頭吸引物、涙、髄液、および、中耳吸引物からなる群から選択される位置から採取されることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項24】
前記サンプル塗布領域が前記試薬領域と前記検出領域の上流にあり、前記検出領域が前記試薬領域の下流にあることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項25】
少なくとも1つの溶解剤を含む溶解領域をさらに備え、
前記溶解領域が前記装置上で前記サンプルと接触することを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項26】
前記サンプル塗布領域が前記試薬領域の下流にあり、前記検出領域の上流にあることを特徴とする請求項13に記載の装置。

【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−503205(P2012−503205A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528055(P2011−528055)
【出願日】平成21年9月22日(2009.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/057775
【国際公開番号】WO2010/033963
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(511012204)ラピッド パトゲン スクリーニング,インク. (4)
【Fターム(参考)】