ウインチドラムアセンブリ及びラインを巻き取る方法
ウインチドラム(1)アセンブリは、ラインを受け入れる胴(b)と、胴上にラインを案内する巻き取り装置(50)とを有する。ラインは、胴に対して軸方向に移動する地点において胴に巻き付けられ、胴上におけるラインの方向は、胴の一回転あたり少なくとも1回変化するように適合されており、その結果、ラインの半径方向に隣接する層(L1、L2)は、非平行である。巻き取りギアは、ラインを案内するために記載され、胴は、異なる方向にラインを案内するように斜面及び壁(34、35)を有することができる。ラインの非平行な層は、互いを妨げるのが低減した傾向を呈し、その結果、巻き取られたラインは、より一貫して胴から外れる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインチドラムアセンブリ、及び、ロープ等のラインを巻き取る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ライン及びロープは、従来的に、格納するために且つ必要なときにラインの繰り出しを容易とするために、フランジ状のドラム又は胴に巻き付けられる(又は「巻き取られる」)。ラインは、通常、ラインの最大量が単一の胴に巻き付けられることができるように、胴の軸の長さに沿って均一に配置される。この目的のために、巻き取りギアが、胴の軸に沿った所望の位置において胴の表面上にラインを案内するために通常使用される。巻き取りギアの既存の設計は、円筒状の巻き取り棒に沿って動くように制約されたライン受け入れ巻き取りヘッドを備える。棒は、通常、ラインを案内する巻き取りヘッドに接続された隆起部又はいくつかの他の構造を保持するために、その長さに沿った螺旋状の経路又はスレッドカットを有する。巻き取り棒が螺旋状のスロット内に位置する巻き取りヘッドの隆起部とともに回転されるのに伴い、巻き取りヘッドは、好ましい軸方向間隔で胴の表面上にラインを案内するために巻き取り棒の軸に沿って移動する。通常、その上でラインが巻き取られているウインチドラムの回転は、巻き取りヘッドの水平移動がウインチドラムの速度に関連するように、適切なギア機構を介して巻き取り棒を回転駆動する。巻き取りヘッドが巻き取り棒上のスロットの端部に到達した場合に、これは、通常、ウインチ胴の反対側のフランジに到達しているラインと一致し、そして、巻き取りヘッドにおける隆起部は、通常、巻き取りヘッドの開始位置の方に逆に横切る戻りスロットに入る。通常、2つのスロットは、巻き取り棒の表面で交差し、ダイヤモンド形のパターンを形成する。したがって、巻き取り棒は、巻き取り棒の回転方向を変化させることなく、胴の一方の面から他方まで巻き取りヘッドを駆動する。このプロセスを使用して、ラインの第1の層は、巻き取りの代表的な従来の方法を図示する図1において示されるように胴に十分に巻き付けられる。
【0003】
この従来の方法において、各層における連続的な列は、ドラムの軸を交差する角度で真っ直ぐ且つ平行に配置されている。また、第2の層P2が第1の層P1の頂上に巻き取られるのに伴い、第2の層P2の各列は、図2において示されるように、第2の層P2の下のP1の層の隣接する列間に形成された溝内に案内される。これは、第2の層P2に安定性を与え、第2の層P2における列の滑りを緩和する。
【0004】
この方法は、ワイヤ、及び、低負荷に適している従来の繊維ロープで非常に良好に作用する。しかしながら、高強度繊維ロープに関して、より重い負荷下においた場合にその下方の層における列間において軟かい繊維ロープのいかなる所与の上層も変形して圧迫する(又は「咬む」)傾向があり、これは、ロープを捕捉する又は擦り減らすことができることから、この方法は不適切な傾向がある。
【0005】
繊維ラインに関してこの問題を回避するために、胴に対する巻き取り棒の速度は、一般に、ワイヤラインについてのものよりも高速である。これは、直前の層におけるラインの列間において滑ることができないような角度でその下方の層を横切るパターンを生み出すことによってラインが任意の1つの層において先の層内に咬むのを防止する。一般に、繊維ラインが巻き取られる角度は、図1及び図2において示される垂直に近い構成に対するよりもドラムの軸に対して非常に近い。
【0006】
このようにしてラインの巻き取り速度を上げることは、位置決めネジ上のコーススレッドカットと同様にウインチ胴に沿った長くて浅いピッチの螺旋にラインを設ける。したがって、ラインは、平行な列を有する滑らかな平坦層としてもはや位置せず、隣接する列間に各層において間隙を形成する。間隙は、胴に巻き取られることができるライン量を低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この方法は、2層又は3層のラインに非常に適しているが、層が積み上がるのに伴い、結局、各層における列間の間隙は増加し、上層におけるラインは、最終的には、その下方の層における間隙内で滑る又は咬むことがあり、ライン上に騒音及び不必要な摩耗を引き起こす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ラインを受け入れるようになっている胴と、胴に対して軸方向に移動する地点でラインが胴に巻き取られるように胴及び巻き取り装置が互いに回転し合うのに伴い胴上にラインを案内する巻き取り装置とを有し、胴に巻き取られるラインの軸方向が、巻き取り装置に対する胴の一回転あたり少なくとも1回変化するように適合されている、ウインチドラムアセンブリを提供する。
【0009】
いくつかの実施形態において、胴は、胴に対して回転静止したままである巻き取りヘッドに対して回転する。他の実施形態において、胴は、静止したままとすることができ、巻き取り装置は、胴の周囲に回転することができる。
【0010】
通常、胴上におけるラインの方向性は、ラインを受け入れ、且つ、胴の軸に沿ってラインの供給点(ラインがその上に巻き取られる胴上の位置)を案内するように通常は胴に対して軸方向に移動する巻き取りヘッド等の巻き取り装置によって制御される。ある実施形態において、胴上へのラインの巻き取りは、ラインが胴に巻き付けられるのに伴い選択された方向、向き、又は、位置へとラインの最初の層を案内する胴内又は胴上に形成された溝によって制御又は案内されることができる。巻き取り装置及び/又は溝は、場合により、ラインが胴に巻き付けられるようにラインの方向における変化を管理することができ、その結果、胴に巻き付けられたラインの連続的な層は、直上及び直下の層に対して非平行である。巻き取りの軸方向は、通常、各回転において少なくとも1回逆転する。例えば、半周期において、ラインは、胴の一方のフランジの方に巻き取られることができ、他の半周期において、ラインは、反対側のフランジの方に巻き取られることができる。
【0011】
本発明はまた、ウインチの胴にラインを巻き取る方法を提供し、本方法は、巻き取り装置によって胴上にラインを案内するステップを備え、巻き取り装置及び胴が、胴へのラインの巻き取り中に互いに回転しあい、胴が回転するのに伴い、巻き取り装置が胴に対して軸方向にラインを移動させ、巻き取り装置が、巻き取り装置に対する胴の一回転あたり少なくとも1回、巻き取りの軸方向にラインを変化させる。
【0012】
通常、ラインは、胴が巻き取り装置に対して回転するのに伴い胴に対して軸方向に移動する巻き取りヘッドによって回転している胴上に案内され、巻き取り装置は、胴の一回転あたり少なくとも1回、方向を変化させる。
【0013】
通常、胴は、フランジを有するウインチ胴である。通常、ウインチは、250kgを上回る、場合により500kgを超える荷重負担能力を有し、特に重量物を持ち上げる海洋ウインチに関しては、例えば20〜100トン等の20トンを上回る荷重負担能力を有する。
【0014】
巻き取り装置は、通常、胴が回転するのに伴い胴上にラインを案内するために胴の軸に対して平行に駆動される巻き取りヘッドを備える。
【0015】
通常、それは、ヘッドが(例えば)右から左へと胴の軸に沿った移動を逆転して左から右に移動し始めるように変化する巻き取りヘッドの軸方向移動である。通常、巻き取りヘッドがドラムに対して軸方向に移動する一方で、ドラムは、軸方向に静止したままであるが、それは2つの間における相対移動のために必要なだけである。
【0016】
巻き取り装置の軸方向は、通常、胴の各回転において2回変化する(例えば逆転する)。通常、胴が0°から180°までの間の前半周期にある場合、ラインは、第1の方向において胴に巻き付けられ、180°から360°までの間の胴の後半周期において、ラインは、第2の方向において胴に巻き付けられる。第1の方向は、通常、第1の角度成分を有し、第2の方向は、第2の角度成分を有する。通常、第1の角度成分は、胴の軸に対する垂線からおよそ1°から10°の偏差である。好ましい範囲は、3°から5°である。第2の角度成分は、通常、反対方向ではあるが略同値である。胴の次の回転において、巻き取りヘッドは、通常、胴がその第1の回転の終わりに到達してその第2の回転を開始するのに伴い、再度その移動を逆転することによって第1の方向における移動を再開する。
【0017】
巻き取りヘッドは、モータ若しくはシリンダを使用した油圧手段によって、又は、胴の各回転に対する巻き取りヘッドの方向の逆転に同期させることができるリニアーモータによって制御されることができる。軸方向移動に変化させるクラッチ、カム、及び、他の手段を有する機械的手段がまた、使用されることができる。しかしながら、本発明の好ましい実施形態において、巻き取りヘッドの移動は、プログラム可能な電子サーボモータによって制御される。これは、巻き取りヘッドが胴の軸に対して平行ないずれかの方向に駆動されるネジ付き棒を駆動することができる。
【0018】
巻き取りヘッドは、通常、ラインを捕捉し、且つ、ラインを案内して巻き取りヘッドにラインを保持して巻き取りヘッドに対するラインの摩擦を低減するためのローラ装置を設けたローラガイドを有する。
【0019】
巻き取りヘッドは、例えば所望により胴の一回転あたり1回のみ又は2回以上等、方向を任意の適切な回数逆転することができる。好ましくは、巻き取りヘッドの方向の変化、したがって、胴上のラインの経路の変化は、各回転について胴上の同じ回転位置において起こり、そのため、隣接するラインは、胴の外周の同じ回転位置において屈曲し、互いに平行に位置し、胴上のフランジの間で軸方向空間の最少量を巻き取る。これがライン上における最少量の摩耗を発生させ、胴上における軸方向空間の最大使用を可能とすることから、回転あたりの巻き取りヘッドの方向の逆転は、(第2の回転についての第1の方向の再開を含み)2回が好ましい。
【0020】
半径方向に隣接する層は、通常、胴の反対側の端部から配置されている。したがって、回転の開始時における巻き取りヘッドの移動の第1の方向は、通常、胴上のラインの半径方向に隣接する層間で異なる。胴上に巻き取られているラインの第1の層において、巻き取りヘッドは、例えば左側フランジ等の胴の一端において開始し、胴が回転するのに伴い胴の軸に対して平行に軸方向に右へと移動する。例えば胴が半回転した場合には、巻き取り棒は、その後、右から左へと横切るように逆転されて左側フランジの方に戻り、再度、胴が回転するのに伴い通常は胴の軸に対して平行のままとされる。したがって、ラインは、胴の前半の回転(0°から180°までの間)において左から右へとから延出し、胴の外周上の180°において方向を逆転し、その後、後半の回転(180°から360°までの間)中に右から左へと移動する。胴の後半の回転中における巻き取りヘッドの戻り軌跡は、通常、巻き取りヘッドを始点に戻さない。戻り軌跡中に移動される軸方向距離は、僅かに、左から右への外側への軌跡中に移動される軸方向距離未満とすることができる。2つの軌跡間の差異は、通常、胴表面におけるラインの厚みを占めるために巻き取りヘッド用の制御機構にプログラミングされる。したがって、10cmの厚みのラインについて、左から右への外側への軌跡は50cmであり、戻り軌跡40cmであるかもしれない。胴が1つの回転を完了して胴の回転位置が胴の外周上の0°における始点まで戻った場合には、巻き取り棒の軸方向移動は、再度、第1の列に対して平行なラインの第2の列を配置するために次の前半の回転中にさらに50cmの外側への軌跡について左から右へと戻るように変化する。胴の回転位置が第2の回転における180°に再度到達した場合に、巻き取りヘッドは、再度、第1の列の後半に対して平行な第2の列の後半を配置するために、40cmの右から左への戻り軌跡を開始するようにその軸方向移動を変化させる。それは、接触されることになる各層における隣接する列について有益ではあるが必須ではなく、それらは、ある実施形態において、ラインの幅よりも大きい巻き取りヘッドの外側への軌跡と戻り軌跡との間の差異をプログラミングすることによって間隔をあけて配置されることができる。例えば、10cmのライン幅について、回転あたり10cmの差異(又は「ずれ」)を有し、外側への軌跡は70cmであり、戻り軌跡は50cmとすることができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、本構造は、胴の回転軸に対して垂直な胴の表面から外側に半径方向に延出して形成されることができる。本構造は、半径方向の突起とすることができ、通常、ライン(及び巻き取りヘッド)が方向を変化させる胴上の回転位置において間隔をあけて配置されることができ、そのため、ラインは、胴の表面から延出している半径方向の突起周囲で屈曲し、胴の表面にわたって始点の方に滑って戻らない。半径方向の突起は、壁又は隆起部等とすることができ、通常、ラインが胴に巻き取られるのに伴いラインの半径方向に隣接する層間の摩擦が、大抵は、ラインの方向が胴の表面上において変化した場合であっても、滑りを防止するのに十分であることから、胴に巻き取られるラインの第1の層において必要なだけであるが、本構造は、所望により後の層のために場合により設けられる。本構造又は各構造は、例えば胴上のラインの最外側層の範囲まで、いくつかの場合において第1の層をはるかに越えて半径方向に延出することができるか、又は、任意に第1の層の範囲までのみ延出することができる。本構造の壁は、回転軸に対して垂直とすることができるか、又は、より浅い角度で傾けられることができる。
【0022】
ある実施形態において、本構造は、胴に対してラインの半径方向且つ軸方向の経路を案内するように適合されることができる。いくつかの場合において、本構造は、段付きとすることができる。例えば、壁等の半径方向及び軸方向寸法は、胴の半径方向の深さに対して可変とすることができ、その結果、例えばラインの第1の層等のラインの1つの層において、壁は、フランジからフランジ間の中央点の方に軸方向内側に延出することができる。場合により、壁の段は、ライン厚みに対して同様の半径方向の深さからなることができるか、又は、その厚みの倍数とすることができ、そのため、例えば第2の層等のラインの次の層は、場合により、第2の層における列の残りとさらに並べられながら、第1の壁の頂部にわたって第1の層の端部から延出することができる。通常、第2の(又はさらなる)層を軸方向に支持する壁は、第1の壁よりも短い軸方向延伸部を有することができる。本構造は、溝付きとすることができる。
【0023】
場合により、壁は、フランジ間におけるドラムの中央点周囲で対称とすることができる。しかしながら、いくつかの場合において、各フランジ上において壁の非対称構成を有するのが有利である。段付きの実施形態において、段は非対称とすることができる。
【0024】
ある実施形態において、壁は、半径方向及び軸方向においてラインの経路を徐々に案内するために斜面を有することができる。これは、ラインの経路の突然の転換が、巻き付けられたラインの層の表面にバンプ及びピット等の不連続をもたらすことができる範囲を低減する。通常、層が巻き付けられているフランジにおける壁は、それがラインの岐路に接近するのに伴い1つの層から次までラインの半径方向の高さを徐々に上げるために斜面を有する。通常、斜面は、1つの層(例えば第1の層)の深さから、次の層(例えば第2の層)の第1の列についての正しい深さまでラインの経路を案内する。斜面の深さにおける変化は、徐々に、又は段階的に行うことができる。斜面は、溝付きとすることができる。
【0025】
ある実施形態において、胴に巻き取られるラインの層は、異なる方向に巻き取られるラインから形成されることができる。例えば、胴上の1つの層上に巻き取られたラインの単一層は、一方向に移動している巻き取りヘッドの1つの軌跡上に巻き付けられたラインと、巻き取りヘッドが他の方向に移動している場合には他の軌跡に巻き付けられたラインとから形成されることができる。換言すれば、単一方向における巻き取りヘッドの単一軌跡は、例えば、2つの層、3つの層、又は、それより多くの層など、2つ以上の層上にラインを巻き取ることができる。この変化は、より小型化した方法でドラム上にラインを巻き取るのに役立つことができ、軸方向により狭い胴をもたらす。
【0026】
いくつかの実施形態において、胴の外面は、胴表面の特定の領域上にラインの第1の層を案内するために溝付きとすることができる。
【0027】
当然のことながら、ラインが方向(又は「頂点」)を変化させる胴の回転位置において、ラインと胴表面におけるフランジとの間の使用されていない間隙があってもよい。本発明のある実施形態において、全ての第2の層(例えば第1、第3、及び、第5の層)は、胴外周における同じ回転位置において互いの頂上に半径方向に巻き取られることができ、これにより、胴上の同じ回転位置において各層における間隙を形成する。本構造が間隙領域内に侵入するように成形された場合に、ラインの頂点が胴上のラインの予測可能で一貫した移動を実現するように形成することができる半径方向突起を形成する場合には、これは有益であり得る。しかしながら、ある場合において、ラインの各第2の層は、胴が通常は完全な回転未満の短い距離だけ回転しながら、戻り道の前に反対側のフランジにおいて巻き取りヘッドの軸方向移動を停止することにより、異なる回転位置において巻き取られることができる。したがって、胴上の第2の層の始点は、第1の層の始点から外周上に異なることがあり得る。隣接する層は、このようにして互い違いにされることができ、又は、全ての第2の層のような隣接しない層は、同様に互い違いにされることができる。この胴上のラインの分散は、ラインが内部に引き込まれることがある間隙の形成を防止することができる。
【0028】
ラインは、通常、1000kgを上回る能力を有する高強度繊維ロープである。本発明が適しているラインの代表的な能力は、20〜200トンである。
【0029】
本発明はまた、層における胴上にラインを受け入れるようになっているウインチドラムであって、胴上の1つの層におけるラインの列が1つの層の上方及び/又は下方の隣接する層のラインの列に対して非平行である、ウインチドラムを提供する。
【0030】
本発明はまた、非平行な層でウインチドラム上にラインを案内する巻き取りギアを提供する。
【0031】
本発明はまた、胴上にラインを案内するガイド装置を有する胴の周囲に巻き付けられたラインを受け入れるようになっている胴を有するウインチドラムであって、胴が回転するのに伴い、ガイド装置が胴に対して軸方向に移動する地点において胴上にラインを案内し、ガイド装置が、巻き付け回転あたり少なくとも1回胴上へのラインの巻き付けの軸方向を変化させるようになっている、ウインチドラムを提供する。
【0032】
各層における列が互いに平行であり得ることから、胴に巻き取られることができるラインの量は、以前に実現されることができた量よりも大きいが、互いに非平行であるように層が胴上に配置されることから、これは、半径方向に隣接する層が互いを妨げる傾向を低減し、したがって、ラインは、より一貫して胴から巻き取られることができる。
本発明の実施形態は、ここで、例示として且つ添付図面を参照して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】ラインを巻き付ける従来の方法を示している。
【図2】ラインを巻き付ける従来の方法を示している。
【図3】(3次元胴において)360°において表された頂上が0°において表された底部と継ぎ目なく接続する0°から360°まで平坦な薄板として表されたウインチ胴の表面の概略平面図を示している。
【図4】胴に巻き付けられたラインの第1の層の同様の平面図を示している。
【図5】図4の胴の端面図を示している。
【図6】図4の胴に巻き付けられた第1の層を有する図4と同様の図を示している。ここで留意すべきは、平面図のそれぞれにおける明確化のために、ラインの始め及び終わりの列が示されているが、(同一である)中央の列が示されていないことである。
【図7】巻き取られた第2の層のみを示している図4の胴の平面図を示している。
【図8】図7の胴の端面図を示している。
【図9】巻き取られた第1及び第2の層の双方を有する図7の胴を示している。
【図10】適所に第3の層を有する図4及び図7と同様の平面図を示している。
【図11】図10の胴の端面図を示している。
【図12】巻き取られた第1、第2、及び、第3の層を有する図9及び図6と同様の累積した図を示している。
【図13】巻き取られた第1及び第2の層を有するウインチ胴の平面図を示している。
【図14】7つの層が巻き取られた後の胴の端面図を示している。
【図15】張り出しフランジを有するウインチ胴のさらなる実施形態を示している。
【図16】7°の角度でラインを巻き取る方法のさらなる実施形態の概略図を示しており、胴が明確化のため省略され且つラインの第1の層の軌道が示されている。
【図17】ライン1及びラインの第2の層の始点を示している図16と同様の概略図を示している。
【図18】ラインの第2の層を示している図16と同様の概略図を示している。
【図19】ライン2及びラインの第3の層の始点を示している図16と同様の概略図を示している。
【図20】ラインの第3の層を示している図16と同様の概略図を示している。
【図21】ライン3及びラインの第4の層の始点を示している図16と同様の概略図を示している。
【図22】ラインの第4の層を示している図16と同様の概略図を示している。
【図23】ライン4及びラインの第5の層の始点を示している図16と同様の概略図を示している。
【図24】ラインの第5の層を示している図16と同様の概略図を示している。
【図25】ライン5及びラインの第6の層の始点を示している図16と同様の概略図を示している。
【図26】ラインの第6の層を示している図16と同様の概略図を示している。
【図27】ライン6及びラインの第7の層の始点を示している図16と同様の概略図を示している。
【図28】ラインの第7の層を示している図16と同様の概略図を示している。
【図29】ライン6及び7並びにラインの第8の層の始点を示している図16と同様の概略図を示している。
【図30】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図31】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図32】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図33】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図34】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図35】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図36】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図37】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図38】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図39】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図40】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図41】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図42】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図43】ラインの経路を案内するために段付き構造を有するウインチ胴を通る横断面図を示しており、ラインの異なる層が異なる斜交平行模様によって示されている。
【図44】図43の胴の(図4、図7、図10、及び、図13と同様に)展開された平面図である。
【図45】巻き付けパターンを有するさらなるウインチ胴の横断面図であり、巻き取りヘッドの単一軌跡が胴上に2つ以上のラインの層を巻き取り、胴の2等分を接続するラインが、ラインの内側層間の関係を示している。
【図46】図45と同様の図であるが、胴の2等分を接続するラインが、ラインの外側層間の関係を示している。
【図47】図45の胴の(図4、図7、図10、及び、図13と同様に)展開された平面図である。
【図48】図43と同様であるが、胴の表面上に溝を有するウインチドラムのさらなる実施形態の断面図を示している。
【図49】図43と同様のウインチドラム胴のさらなる設計の正面図を示している。
【図50】図49の胴の(反対側からの)背面図を示している。
【図51】一方の側面及び背面からの図49の胴の斜視図を示している。
【図52】他方の側面及び背面からの図49の胴の斜視図を示している。
【図53】図48の胴のフランジの拡大斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0034】
ここで図面を参照すると、海洋ウインチドラム1(図3)は、ラインが巻き付けられる筒状胴Bと、巻き取られたラインが胴Bの端部から外れるのを防止するための筒状胴Bの各端部においてフランジFとを有する。図3の図は概略図である。3次元の胴B及びフランジFの真の筒状の描写を示すのではなく、ドラムは、あたかもその表面が軸に対して平行なラインに沿って切断され且つ平面に配置されており、その結果、ラインが巻き付けられる胴の表面全体が図面の平面内にみられることができるように示されている。図4、図6、図7、図9、図10、及び、図12は、同様の図を示している。
【0035】
ラインは、最初に、第1の層についての開始位置(始点O1)を画成する、通常は胴BとフランジFとの間の接点においてアンカーポイントに固定される。胴上の始点O1の回転位置は、概念上、0°として画成される。当然のことながら、図面中のウインチドラムの平面描写において、0°及び360°におけるライン及び胴の頂部及び底部は、3次元のウインチドラムにおける始点O1において継ぎ目なく接続している。
【0036】
一旦ラインが始点O1においてドラムに固定されると、ラインは、巻き取りヘッドがネジ付き巻き取り棒とかみ合うようにナット又は他のネジ付きコネクタを介して接続されたネジ付き巻き取り棒を回転するプログラム可能な電子サーボモータによって制御される巻き取りヘッドにおけるローラ装置に通される。ネジ付き巻き取り棒の回転は、ウインチドラム1の回転から入力を受ける論理回路によって制御され、その結果、論理回路のプログラミングにしたがって、ネジ付き巻き取り棒は、ウインチドラム1の回転にしたがって回転される。巻き取り棒の回転は、棒に沿って軸方向に巻き取りヘッドを駆動する。巻き取り棒は、ドラム1の軸に対して平行に配設されている。
【0037】
一旦ラインが始点O1に取り付けられて巻き取りヘッドに通されると、ウインチドラム1は、時計回りに回転され、第1の層L1R1の第1の列が胴Bの外面上に配置される。ドラム1が回転するのに伴い、巻き取り棒は、各層における異なる列間の所望の間隔及びラインの幅に依存する初期角度θ、通常は約3°から10°、より有効には5°から7°でドラム上に第1の列を巻き付けるために、左から右へと軸方向に巻き取りヘッドを駆動する。したがって、ドラム上のラインによって取られる通路は、フランジFに対して垂直及び平行ではないが、角度θだけ外れる。実際の角度θは、ラインの幅及び他の要因に応じて変化させることができる。
【0038】
巻き取りヘッドの速度は一定とすることができ、そのため、ラインは、始点O1と頂点A1との間の一直線のラインとして配置されるが、ある実施形態において、巻き取りヘッドの線速度は、場合により、ドラムが180°に接近するのに伴い低減し、その結果、ラインの角度は、弓形であり、その角度が180°に近付くのに伴い徐々に垂直に近付く。胴上における180°の地点において(図3の頂点A1において)、ラインは、実際には、フランジFに対して平行に配置される。
【0039】
したがって、第1の層L1R1の第1の列は、ドラム1が始点O1から第1の180°の地点を通って回転するのに伴い、始点O1と胴Bの始点O1の対角線上の反対側の180°の地点との間において左から右へと配置される。ドラムが始点O1と180°の地点との間で回転するのに伴いネジ付き巻き取り棒に沿った巻き取りヘッドの直線状の外側への軌跡は、論理回路のプログラミング及び棒上のネジのピッチによって決定され、巻き取りヘッドの左から右への移動速度は、通常、論理回路にしたがって与えられる量だけ巻き取りヘッドを移動するのに十分である。この例において、180°の地点(又はD180)におけるフランジから巻き取りヘッドの直線状の軸方向移動は、約50cmである。
【0040】
この時点で、ウインチドラム1は、180°を越えて回転し続けるが、巻き取りヘッドの直線方向の移動は、0°から180°までの間の外側軌跡と比較して僅かに低減した速度でフランジFの方に右から左へと戻り軌跡に移動して戻るように逆転する。したがって、胴上の180°の地点は、ラインL1R1の第1の列において頂点A1を画成する。頂点A1は、頂点からフランジの方に戻るラインの滑りを防止し、且つ、頂点A1において変位D180を保持するために、胴上の隆起部又はくさび等の半径方向突起と一致する。
【0041】
第1の列L1R1は、ドラム1がその第1の回転を完了し、且つ、図3の上部において示されるように360°の地点に到達するまで、180°から360°までの間においてフランジの方に戻り続ける。この時点で、巻き取りヘッドは、フランジFに接近しているが、その戻りの軌跡が外側軌跡よりも遅いことから、ラインは、360°の地点においてフランジまで正確に戻らないが、巻き取りヘッドの外側軌跡と戻り軌跡との間の差異によって決定された距離だけ間隔があけられる。この例において、巻き取りヘッドの外側への変位は50cmであり、より遅い戻り路の戻り変位は40cmであり、したがって、360°の地点(又はD360)におけるラインの第2の列L1R2のフランジからの最後の変位はおよそ10cmである。D360の値は、巻き取りヘッドの外側軌跡と戻り軌跡との間の差異によって画成される。
【0042】
360°の地点に到達することにより、第1の層L1R1の第1の列は、図3における描写の下部に示されるように、第1の層L1R2の第2の列と継ぎ目なく接続する。この時点で、巻き取りヘッドの移動方向は、第1の列L1R1に対して平行な第1の層の第2の列L1R2を配置するために、同様のより速い初期速度で第2の外側軌跡において左から右へと移動するように再度変化する。第2の列L1R2は、第1の列L1R1と同様に始点O1から180°において頂点A1における方向の変化をともなって、第1の列L1R1に対して平行に配置される。第2の列L1R2についての巻き取りヘッドの戻り軌跡は、再度、外側軌跡よりも遅く、論理制御回路の指示にしたがって第1の列L1R1の上端部から第2の列L1R2の上端部の軸方向移動を引き起こす。さらに、第1の列L1R1から第2の列L1R2の360°における変位は、この例によれば10cmとすることができるが、他の実施形態によれば変更することができる。
【0043】
このプロセスは、ラインがドラムの外面上に配置されて反対側のフランジが胴Bの他の端部に到達するまで、L1R2の上端部をL1R3の底端部等に結合し続ける。この時点で、ラインは、通常、胴Bの外面全部を覆う第1の層L1をともなって図4及び図6において示される形態である。第1の層における列が互いに平行であり、且つ、同じ頂点A1において屈曲することから、ラインがない胴上の間隙のみが第1の層の端部に起こる。
【0044】
胴の右側端部が到達してラインが反対側のフランジに接近している場合、第2の層は、その後、第1の層L1の頂上に配置される。第2の層L2が配置された場合、ドラム1は、同一速度で同一方向に回転し続けるが、巻き取りヘッドの移動は逆転され、その結果、第2の層の第1の列L2R1が配置された場合、巻き取りヘッドは、始点O2において(隣接する反対側のフランジでないが第1の層L1についての始点O1と同様の外周位置において)始まり、第1の速度で外側軌跡において右から左へと移動し、頂上A2の通過後に、180°から360°までの間において、より遅い戻り軌跡を開始する。したがって、第2の層の第1の列L2R1は、第1の列L2R1から10cmだけ移動された360°/0°の地点において且つ軸方向位置において第2の層の第2の列L2R2に結合する。第2の層L2の連続する列L2R3及びL2R4等は、同様の方法で第1の層の頂上に巻き取られ、左側のフランジが巻き取りヘッドまで到達するまで頂点A2において屈曲している。
【0045】
ここで留意すべきは、第1の層L1が胴の左側側面から始まり、頂点A1まで胴を横切って右へと移動した後、360°の地点に向かって左へと戻るのに対して、第2の層L2は、右側フランジに隣接する胴Bの右側端部から始まり、その外側軌跡における胴B上の180°の地点において頂点A2まで左へと移動し、360°の地点に接近するのに伴い右へと戻るということである。そのため、隣接する層L1及びL2は、第2の層L2における個々の列が下層L1における個々の列を大幅に越えるように互いに非平行である。したがって、各層内の個々の列が互いに平行であるにもかかわらず、個々の列L2は、隣接する下層L1における個々の列に対して略平行ではなく、したがって、上層L2における列が下層L1における列を圧迫する又は咬む可能性が大いに低減される。
【0046】
第2の層の巻き取り後の最終的なパターンは、第2の層が第1の層の頂上に巻き取られた状態の図8及び図9に示されている。図9は、特に、互いに平行な各層内の列を保つことによってドラム1の間隔を保持しながら、L1における列がL2における列を越えることによって層間を咬むのを十分に防止する旨を示している。
【0047】
図10は、図4において示されたような第1の層L1と同様の方法で、図10の左側下隅部における始点3から上側左まで適用される第3の層L3を示している。第3の層の始点O3は、一般に、第1の層の始点O1と一致する。
【0048】
図12において示されるように、第3の層L3は、第1の層L1の上に横たわるが、第2の層L2がそれらの双方の間を越えることから、層間において十分な咬合が生じない。第3の層L3における列は、第2の層L2における列を越え、したがって、上述されたように咬合を十分に回避することができる。
【0049】
この方法で第2の層のそれぞれを重ねることは、胴B上の180°の地点において形成する間隙を強調することが図12からわかる。これは、ある状況において、ラインが滑る可能性がある空間を作り出す傾向があることがあり、同じ始点で始めることが第2層のそれぞれについて十分である間に、有益な効果が胴Bの外周周囲の層の始点の、より互い違いの分散によって時々得られることができる。
【0050】
これは、巻き取りヘッドがフランジに隣接する胴Bの最も遠い範囲に到達し且つ次の層の第1の列を回転し始めるためにまさに実行しようとする時に巻き取りヘッドに作用する論理制御回路によってプログラムされた動作によって実現されることができる。いくつかの実施形態において(図面において示されるように)、次の層についての巻き取りは、胴上の同じ360°/0°の地点において始めることができ、その結果、例えば、第3の層は、第1の層の頂上に重ね合わせられ、第4の層は、第2の層の頂上に重ね合わせられる。しかしながら、論理制御回路が、場合により、胴Bがその軸周りに短く回転(例えば半回転)するのに伴い軸方向に静止したままとするように巻き取りヘッドに信号を送る場合には、第2の層の始点は、次の層の巻き取りが始まる前に360°/0°の地点から離れて回転可能に互い違いとすることができる。次の層の巻き取りは、次の層の始点が前の層の巻き取りに対して0°から360°までの間のどこかにあるという唯一の例外を有して、第2の層及び第3の層について上述されたのと同一方法で実施されることができる。この「互い違い回転」の特徴は、各層の頂点において形成された間隙を互い違いにするために、隣接する層間に、又は、より有益には全ての第2の他の層間に導入されることができ、その結果、間隙は、より下層における間隙に重ね合わせられない。したがって、ドラム上のより多い空間は、ラインの列によって塞がれ、ラインが滑ることができる深い間隙を形成する傾向は軽減される。
【0051】
2つの層の巻き付けの後、胴全体は、図の方法で展開された平面に再度表示された図13において示されるものと同様の外観を有する。図13において、より暗い第1の層が左上から右下に巻き取られ、より明るい色の付いた層が左下から右上に巻き取られる。第1の層について180°において形成された間隙は、極めて明らかであり、第2の層について反対側のフランジに形成された間隙はまた、180°において明示される。
【0052】
上述されたように、互い違いの間隙の1つの利点は、7つの層が巻き取られた後の端面図で間隙の位置を図示する図14における描写からわかる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態において、ウインチドラム1は、図15において示されるように張り出し又はテーパ付きフランジを用いて形成されることができる。この張り出し又はテーパは、巻き取りギア又はフランジの損傷又は障害がなくフランジにできる限り近く、胴の端部に接近して各層の第1の列と最後の列とを巻き取るために、巻き取りギアについて、より大きい空間を形成する。テーパはまた、ラインがドラム上に巻き取られる又はドラムから巻き取られるときに、ライン上の摩耗及び裂傷を防止するのを助けることができる。
【0054】
本発明の実施形態は、ワイヤーロープについて一般的な速度よりも高い巻き取り速度(回転あたりのラインのより大きな軸方向移動)を可能とするが、胴上の利用可能な空間の有効な使用も可能とする。通常、巻き取り速度は、ワイヤラインについての速度の少なくとも2倍であり、好ましくは、ワイヤラインについての速度の約4倍である。
【0055】
ここで図16〜図29を参照すると、ラインの第1の層L1は、胴上の概念的な0°において始点O1から、(明確化のために図16〜図42から省略された)胴に巻き取られる。図16〜図42は、ラインの各層の前半及び後半を示しており、そのため、これらの図面のそれぞれの下部における始点O1は、0°及び360°の位置を示しており、180°における頂点A1は、図の上部に示されている。ラインの前半L1aは、巻き取りヘッドから胴の軸方向に対して(左下から右上へと)7°の初期角度で繰り出され、巻き取りヘッドは、方向を逆転して右上から左下に約7°で移動して第1の列の後半L1bを巻き取るように、左から右へと移動して始点から180°の回転位置における頂点A1において遅くなる。第1の層L1の連続する列は、このように巻き取られる。例えば、第2の層L2は、第1の層L1の最後の列から推移するO2において開始し、前半L2aは、右下から左上に巻き取られ、180°の頂点A2において方向を変化し、後半L2bは、左上から右下などに巻き取られる。当業者は、図16〜図42から、その後の列がより大きな直径を有することが分かる。
【0056】
ここで図43及び図44を参照すると、各側面のフランジ11fに固定された構造14及び15を有して変更された胴11が示されている。本構造は、胴11の平面胴体12にボルトで固定されたナイロンブロックから形成されることができる。構造14及び15は、互いに且つそれら自身の軸に対して非対称である。
【0057】
第1の構造14を参照すると、第1の構造14は、ラインの第1の層を軸方向に支持する半径方向最内側の第1の部分14aと、第1の部分14aよりも広く第1及び第2の層を軸方向に支持する第2の部分14bと、第2の部分14bよりも広くラインの第2及び第3の層を軸方向に支持する第3の部分14cと、第3の部分よりも広く第3及び第4の層を軸方向に支持する第の4部分14dと、第4の部分よりも広くラインの第4及び第5の層を軸方向に支持する第5の部分14eとを備える。ラインの第6の層は、上部においてフランジ11fによって支持されている。
【0058】
図43の右側の第1の構造15を参照すると、第1の構造15は、ラインの第1の層を軸方向に支持する半径方向最内側の第1の部分15aと、第1の部分15aよりも広く第1及び第2の層を軸方向に支持する第2の部分15bと、第2の部分15bよりも広くラインの第2及び第3の層を軸方向に支持する第3の部分15cと、第3の部分よりも広く第4の層を軸方向に支持する第4の部分15dと、第4の部分よりも広くラインの第3、第4及び第5の層を軸方向に支持する第5の部分15eと、第5の部分よりも広くラインの第6及び第7の層を支持する第6の部分15fとを備える。
【0059】
構造14及び15の異なる部分は、互いに結合する。
【0060】
始点Oから開始する図43をここで参照すると、第1の層(空円)は、0°から180°までラインの傾斜を付けられた経路を半径方向に支持する壁部分14aの半径方向最内側により、左下から右上へと胴体12上に巻き取られる。L1R1の180°の地点において、巻き取りヘッドの軸方向は変化し、左から右に代わって右から左へと移動し始め、これにより、前半(0°から180°まで)とは反対方向に、(任意に溝を付けることができる)胴体12上にL1R1の180°から360°/0°まで後半を巻き取る。巻き取りヘッドが再度360°/0°の地点に到達し、L1R2の前半をいつでも始めることができる場合、巻き取りヘッドは、その始点を軸方向の左から右へと再開する。これは、最後の列L1R22が15aの上面の上に斜面をのぼってL2R1になる場合、第1の層の終わりまで継続し、壁部分15bによる巻き取りの前半において右から左へと案内される。同様に、第2の層L2R28の最後の列は、壁部分14aの上面の上にまくれ上がり、壁部分14dによって軸方向に支持される第3の層L3R1の第1の列となる。巻き取りは、先の実施形態において指示されたように、隣接する層のいかなる部分も平行方向に及ぶことなく、できる限り範囲を最大化するように層が互いの頂上に巻き取られる地点にフランジ11Fが到達されるまで、このようにして継続する。図44は、(より少ない列を有する)図43のドラムの平面(概略)図を示している。ここで留意すべきは、図44の各側面における列を接続するラインは、ラインの初期角度を示すために真っ直ぐであるが、実際には、ラインの個々の列の経路を案内するこれらの溝及び壁部分は弓形であるということである。
【0061】
ここで図45及び図46を参照すると、第1の層L1が複数の高さにおいて胴21上に巻き取られる変形例が記載されている。これは、軸方向により短い長さを有するより小型の胴と、ラインを案内するための軸方向により小型の構造24及び25とを可能とする。胴21の始点Oは、胴21の胴体22よりもむしろ左側構造24の第1の部分24aの上表面に示されている。第1の層L1は、第3の列L1R3及び第4の列L1R4において胴体22に対して十分に傾斜し、その後、最後の列L1REの直前まで胴体22に沿って及び、第1の層が右側構造25aの第1の部分の半径方向最外側表面の上に立ち上がり始める。そして、第2の層L2R1は、壁部分25aの上表面において開始する。各層の順次的な列を接続するラインが図45において示されており、これにより、巻き取りヘッドの単一軌跡における胴21上の半径方向に異なる高さ間を移動する方法を明示している。図46は、図45と同一構造の同様の図であるが、ラインの外側層における列間の相互接続を示している。図47は、同じ細部を有する平面図を示しており、ラインは、各列間の相互接続を示している。
【0062】
図48は、図43の実施形態における胴11と同様のウインチドラムの胴11’のさらなる実施形態を示しているが、胴の表面の大部分が、ラインの最初の層を受け入れて案内するように溝が付けられている。
【0063】
ここで図49〜図53を参照すると、図43のウインチドラム11と同様のウインチドラム31のさらなる実施形態が示されている。ウインチドラム31は、フランジ31a及び31bと、ラインを固定するための始点Oと、ラインの内側層を案内するために胴の半径方向最内側部分上に溝が付けられた表面とを有する。ウインチドラム31は、ドラム11の壁14及び15と同様の壁34及び35を有する。
【0064】
始点Oから開始して、ラインは、溝及び巻き取りヘッドによって案内され、矢印によって示されるように、フランジ31aからフランジ31bの方に、0°から180°までの間において図49において示された前表面の上に巻き取られる。図49において示される図の頂上における180°の段階において、溝(及び巻き取りヘッド)は、方向を変化し、(図50において示される)溝の後半は、フランジ31bからフランジ31aに向かって反対方向に(巻き取りヘッドとともに)ラインを案内する。ラインの最初の列は、壁34aの側面によって案内される。ラインが180°線において地点40aに到達する地点において、ラインが溝付きの内側部分上に巻き取られるまで、巻き取りは胴の各回転方向の変化を継続する。地点40aにおいて、内側の溝付き部分の高さから半径方向外側に立ち上がる傾斜を付けられた壁35aの始めにおいて溝がある。ラインは、40aにおいて溝によって傾斜を付けられた壁まで案内されるが、ラインが180°線に到達するという事実にかかわらず、ラインは、前の列のようにその方向を変化させないが、代わりに、フランジ31aからフランジ31bに向かう方向を維持し、巻き取りヘッド及び壁35bの側面によって案内される。第2の層の第1の列においてラインがフランジ31bからフランジ31aの方に離れて移動するように巻き取りヘッド及び壁35bの側面によって案内される方向を変化させる地点40bにおいて360°/0°の地点に到達するまで、ラインは、(図50において示される)背面下に巻き取られる。
【0065】
これにより、第2の層は、第1の層(31aから31b)と比較して反対方向(31bから31a)に開始される。同様に、第2の層の後半は、第1の層の後半に対して逆の角度で配置される。第2の層は、ラインが180°線において地点40cに到達するまで、同一方向(31bから31a)に壁35a及び第1の層にわたって巻き付けられ、その地点において、ラインは、溝に係合し、傾斜を付けられた壁35aと同様にして前の層から立ち上がる傾斜を付けられた壁部分35b上にまくれ上がる。ラインは、地点40dにおいて360°/0°に到達するまで同一方向(31bから31a)に胴の背面下の壁部分35cの側面に対して軸方向に案内される。40dにおいて、ラインは、第3の層の第1の列において、フランジ31aからフランジ31bの方に離れて移動するように巻き取りヘッド及び壁34cの側面によって案内される方向を変化させる。
【0066】
ここで留意すべきは、第3の層はまた、第2の層(31bから31a)と比較して反対方向(31aから31b)に開始され、第1の層と同一方向に巻き取られるということである。第3の層は、ラインが180°線において地点40eに到達するまで、同一方向(31aから31b)に壁34bの上面及び第2の層にわたって巻き付けられ、その地点において、ラインは、溝に係合し、傾斜を付けられた壁部分35c上にまくれ上がり、地点40fにおいて360°/0°に到達するまで同一方向(31aから31b)に胴の背面下の壁部分35dの側面に対して軸方向に案内され、その地点において、第4の層の第1の列において、フランジ31bからフランジ31aに向かって離れて移動するように巻き取りヘッド及び壁35dの側面によって案内される方向を変化させる。
【0067】
したがって、第4の層は、これにより、第3及び第1の層(31aから31b)と比較して反対方向(31bから31a)に開始され、第2の層と同一方向に巻き取られる。第4の層は、ラインが180°線において地点40gに到達するまで、同一方向(31bから31a)に壁35cの頂上にわたって且つ第3の層にわたって巻き付けられ、その地点において、ラインは、溝に係合し、傾斜を付けられた壁部分34d上にまくれ上がり、地点40hにおいて360°/0°に到達するまで同一方向(31bから31a)に胴の背面下の壁部分34eの側面に対して案内され、その地点において、第5の層の第1の列において、フランジ31aからフランジ31bに向かって離れて移動するように巻き取りヘッド及び壁35dの側面によって案内される方向を変化させる。
【0068】
上述したように、第5の層は、偶数層(31bから31a)と比較して反対方向(31aから31b)に胴上に巻き取られ、第3及び第1の層と同一方向に巻き取られる。第5の層は、ラインが180°線において地点40iに到達するまで、同一方向(31aから31b)に壁34dの頂上にわたって且つ第4の層にわたって巻き付けられ、その地点において、ラインは、溝に係合し、傾斜を付けられた壁部分35e上にまくれ上がり、地点40jにおいて360°/0°に到達するまで同一方向(31aから31b)に胴の背面下の壁部分35fの側面に対して案内され、その地点において、第6の層の第1の列において、フランジ31bからフランジ31aに向かって離れて移動するように巻き取りヘッド及び壁35fの側面によって案内される方向を変化させる。
【0069】
最後に、第6の層は、奇数層(31aから31b)と比較して反対方向(31bから31a)において胴上に巻き取られ、第2及び第4の層と同一方向に巻き取られる。第6の層は、ラインが180°線において地点40kに到達するまで、同一方向(31bから31a)に壁34eの頂上にわたって且つ第5の層の頂上にわたって巻き付けられ、その地点において、ラインは、溝に係合し、傾斜を付けられた壁部分34fの上にまくれ上がる。この点で、ラインを巻き取る選択肢は様々である。いくつかの実施形態において、ラインは、フランジ31aの側面に、及び、フランジ31aからフランジ31bまで基準として巻き取られる最後の層に、溝及び/又は巻き取りヘッドによって案内されることができる。いくつかの実施形態において、第6の層は、壁34、35に実質的に係合することなく、前の層の頂上に巻き取られるように軸方向に短縮されることができる。ここで留意すべきは、ラインの偶数層が、奇数層のように同一方向に配置されるが、半径方向に隣接する各列がその上方及び下方の隣接した列に対して非平行であるように、奇数及び偶数層の各半分が反対方向に配置されるということである。また、ここで留意すべきは、偶数の(及び奇数)層が同一地点において開始しないように、斜面及び溝の始点が胴の表面周辺で外周上に移動する(例えば約4°だけ)ということである。これは、胴表面上においてラインを均一に分散するのを助ける。壁のそれぞれは、通常、傾斜を付けられて先の壁の平面から生じる。したがって、例えば、図53において明示されているように、壁35eは、通常、壁35dの平面から徐々に発生する。斜面のそれぞれの半径方向の表面は、通常、これらの地点におけるラインの方向及び半径方向の高さにおける変化を容易とするためにずれて始まり且つ終わる。
【0070】
図54及び図55は、巻き取りヘッド50についての第1の選択肢を示している。巻き取りヘッド50は、各端部における(キャプティブナット等の)ネジ付き移動器52を有するローラケージ51(明確化のために図55においては示されていない)を備え、各ネジ付き移動器52は、モータ57及びベルト58によって駆動されるネジ付き棒53に係合している。モータは、電動とすることができ、その速度及び方向は、電子プロセッサ59によって制御されることができる。ローラケージ51は、一体となってラインLを包囲して案内する一対の水平ローラ55及び一対の垂直ローラ56とを担持する。垂直及び水平ローラは、場合により、接合部において起こるかもしれないようにラインLのより厚い部分の容易な通過を可能とするために、互い違いにされることができるか、又は、互いに間隔をあけて配置されることができる。モータ57は、プロセッサ59から供給される信号にしたがって、棒を(1つは直接的に、また、1つはベルト58を介して)駆動する。ネジ付き移動器52は、回転棒53に沿って軸方向に移動し、プロセッサ59からの信号にしたがって様々なドラム胴に対して軸方向に巻き取りヘッド50を移動する。
【0071】
図56は、ローラケージ61と、移動器62と、棒63と、ローラ65、66とを有し、棒及び移動器62が滑らかであって互いに摺動し合う点以外はヘッド50と同様である巻き取りヘッド60の他の設計を示している。ヘッド60は、プロセッサ69からの信号にしたがってシリンダ67から推し進められる油圧ピストン68によって駆動される。
【0072】
ローラ65、66は、場合により、異なる平面において互いから互い違いにされることができ、その結果、ラインの直径よりも大きい距離だけ間隔をあけて配置されることができるが、示されるように、水平ローラ65に対してラインの各辺にさらに係合することができる。これは、ローラを捕捉することなく、ライン直径の不連続が巻き取りヘッドを通過するのを可能とする。場合により、ローラケージは、そのようなバンプを収容するためにラインから(例えば軌道において)離れるローラの僅かな半径方向の移動を可能とすることができ、その結果、接合部又は結び目等の不連続は、ローラ間で移動させることによって、又は、僅かに互いから離れるように不連続を移動させることによってローラケージを通過する。ローラヘッドは、場合により、プロセッサ59、69にフィードバックして接合部等のラインにおけるバンプを検出するセンサ装置54、64を組み込むことができる。バンプが胴に巻き取られる前に巻き取りヘッドにおいて検出された場合、巻き取りヘッドは、場合により、接合部等の最適配置を可能とするように巻き取りを停止させることができるか、又は、例えばフランジに近い2つの岐路40の間において外周上等、胴上におけるラインの凹部領域内に胴上で接合部を巻き取る位置まで軸方向に自動的に移動することができ、その結果、接合部によって引き起こされるライン直径の不連続は、胴上へのラインの層形成に対する最小の影響を有し、できる限り均一なままである。
【0073】
変更例及び改善例は、本発明の範囲を逸脱することなく盛り込まれることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインチドラムアセンブリ、及び、ロープ等のラインを巻き取る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ライン及びロープは、従来的に、格納するために且つ必要なときにラインの繰り出しを容易とするために、フランジ状のドラム又は胴に巻き付けられる(又は「巻き取られる」)。ラインは、通常、ラインの最大量が単一の胴に巻き付けられることができるように、胴の軸の長さに沿って均一に配置される。この目的のために、巻き取りギアが、胴の軸に沿った所望の位置において胴の表面上にラインを案内するために通常使用される。巻き取りギアの既存の設計は、円筒状の巻き取り棒に沿って動くように制約されたライン受け入れ巻き取りヘッドを備える。棒は、通常、ラインを案内する巻き取りヘッドに接続された隆起部又はいくつかの他の構造を保持するために、その長さに沿った螺旋状の経路又はスレッドカットを有する。巻き取り棒が螺旋状のスロット内に位置する巻き取りヘッドの隆起部とともに回転されるのに伴い、巻き取りヘッドは、好ましい軸方向間隔で胴の表面上にラインを案内するために巻き取り棒の軸に沿って移動する。通常、その上でラインが巻き取られているウインチドラムの回転は、巻き取りヘッドの水平移動がウインチドラムの速度に関連するように、適切なギア機構を介して巻き取り棒を回転駆動する。巻き取りヘッドが巻き取り棒上のスロットの端部に到達した場合に、これは、通常、ウインチ胴の反対側のフランジに到達しているラインと一致し、そして、巻き取りヘッドにおける隆起部は、通常、巻き取りヘッドの開始位置の方に逆に横切る戻りスロットに入る。通常、2つのスロットは、巻き取り棒の表面で交差し、ダイヤモンド形のパターンを形成する。したがって、巻き取り棒は、巻き取り棒の回転方向を変化させることなく、胴の一方の面から他方まで巻き取りヘッドを駆動する。このプロセスを使用して、ラインの第1の層は、巻き取りの代表的な従来の方法を図示する図1において示されるように胴に十分に巻き付けられる。
【0003】
この従来の方法において、各層における連続的な列は、ドラムの軸を交差する角度で真っ直ぐ且つ平行に配置されている。また、第2の層P2が第1の層P1の頂上に巻き取られるのに伴い、第2の層P2の各列は、図2において示されるように、第2の層P2の下のP1の層の隣接する列間に形成された溝内に案内される。これは、第2の層P2に安定性を与え、第2の層P2における列の滑りを緩和する。
【0004】
この方法は、ワイヤ、及び、低負荷に適している従来の繊維ロープで非常に良好に作用する。しかしながら、高強度繊維ロープに関して、より重い負荷下においた場合にその下方の層における列間において軟かい繊維ロープのいかなる所与の上層も変形して圧迫する(又は「咬む」)傾向があり、これは、ロープを捕捉する又は擦り減らすことができることから、この方法は不適切な傾向がある。
【0005】
繊維ラインに関してこの問題を回避するために、胴に対する巻き取り棒の速度は、一般に、ワイヤラインについてのものよりも高速である。これは、直前の層におけるラインの列間において滑ることができないような角度でその下方の層を横切るパターンを生み出すことによってラインが任意の1つの層において先の層内に咬むのを防止する。一般に、繊維ラインが巻き取られる角度は、図1及び図2において示される垂直に近い構成に対するよりもドラムの軸に対して非常に近い。
【0006】
このようにしてラインの巻き取り速度を上げることは、位置決めネジ上のコーススレッドカットと同様にウインチ胴に沿った長くて浅いピッチの螺旋にラインを設ける。したがって、ラインは、平行な列を有する滑らかな平坦層としてもはや位置せず、隣接する列間に各層において間隙を形成する。間隙は、胴に巻き取られることができるライン量を低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この方法は、2層又は3層のラインに非常に適しているが、層が積み上がるのに伴い、結局、各層における列間の間隙は増加し、上層におけるラインは、最終的には、その下方の層における間隙内で滑る又は咬むことがあり、ライン上に騒音及び不必要な摩耗を引き起こす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ラインを受け入れるようになっている胴と、胴に対して軸方向に移動する地点でラインが胴に巻き取られるように胴及び巻き取り装置が互いに回転し合うのに伴い胴上にラインを案内する巻き取り装置とを有し、胴に巻き取られるラインの軸方向が、巻き取り装置に対する胴の一回転あたり少なくとも1回変化するように適合されている、ウインチドラムアセンブリを提供する。
【0009】
いくつかの実施形態において、胴は、胴に対して回転静止したままである巻き取りヘッドに対して回転する。他の実施形態において、胴は、静止したままとすることができ、巻き取り装置は、胴の周囲に回転することができる。
【0010】
通常、胴上におけるラインの方向性は、ラインを受け入れ、且つ、胴の軸に沿ってラインの供給点(ラインがその上に巻き取られる胴上の位置)を案内するように通常は胴に対して軸方向に移動する巻き取りヘッド等の巻き取り装置によって制御される。ある実施形態において、胴上へのラインの巻き取りは、ラインが胴に巻き付けられるのに伴い選択された方向、向き、又は、位置へとラインの最初の層を案内する胴内又は胴上に形成された溝によって制御又は案内されることができる。巻き取り装置及び/又は溝は、場合により、ラインが胴に巻き付けられるようにラインの方向における変化を管理することができ、その結果、胴に巻き付けられたラインの連続的な層は、直上及び直下の層に対して非平行である。巻き取りの軸方向は、通常、各回転において少なくとも1回逆転する。例えば、半周期において、ラインは、胴の一方のフランジの方に巻き取られることができ、他の半周期において、ラインは、反対側のフランジの方に巻き取られることができる。
【0011】
本発明はまた、ウインチの胴にラインを巻き取る方法を提供し、本方法は、巻き取り装置によって胴上にラインを案内するステップを備え、巻き取り装置及び胴が、胴へのラインの巻き取り中に互いに回転しあい、胴が回転するのに伴い、巻き取り装置が胴に対して軸方向にラインを移動させ、巻き取り装置が、巻き取り装置に対する胴の一回転あたり少なくとも1回、巻き取りの軸方向にラインを変化させる。
【0012】
通常、ラインは、胴が巻き取り装置に対して回転するのに伴い胴に対して軸方向に移動する巻き取りヘッドによって回転している胴上に案内され、巻き取り装置は、胴の一回転あたり少なくとも1回、方向を変化させる。
【0013】
通常、胴は、フランジを有するウインチ胴である。通常、ウインチは、250kgを上回る、場合により500kgを超える荷重負担能力を有し、特に重量物を持ち上げる海洋ウインチに関しては、例えば20〜100トン等の20トンを上回る荷重負担能力を有する。
【0014】
巻き取り装置は、通常、胴が回転するのに伴い胴上にラインを案内するために胴の軸に対して平行に駆動される巻き取りヘッドを備える。
【0015】
通常、それは、ヘッドが(例えば)右から左へと胴の軸に沿った移動を逆転して左から右に移動し始めるように変化する巻き取りヘッドの軸方向移動である。通常、巻き取りヘッドがドラムに対して軸方向に移動する一方で、ドラムは、軸方向に静止したままであるが、それは2つの間における相対移動のために必要なだけである。
【0016】
巻き取り装置の軸方向は、通常、胴の各回転において2回変化する(例えば逆転する)。通常、胴が0°から180°までの間の前半周期にある場合、ラインは、第1の方向において胴に巻き付けられ、180°から360°までの間の胴の後半周期において、ラインは、第2の方向において胴に巻き付けられる。第1の方向は、通常、第1の角度成分を有し、第2の方向は、第2の角度成分を有する。通常、第1の角度成分は、胴の軸に対する垂線からおよそ1°から10°の偏差である。好ましい範囲は、3°から5°である。第2の角度成分は、通常、反対方向ではあるが略同値である。胴の次の回転において、巻き取りヘッドは、通常、胴がその第1の回転の終わりに到達してその第2の回転を開始するのに伴い、再度その移動を逆転することによって第1の方向における移動を再開する。
【0017】
巻き取りヘッドは、モータ若しくはシリンダを使用した油圧手段によって、又は、胴の各回転に対する巻き取りヘッドの方向の逆転に同期させることができるリニアーモータによって制御されることができる。軸方向移動に変化させるクラッチ、カム、及び、他の手段を有する機械的手段がまた、使用されることができる。しかしながら、本発明の好ましい実施形態において、巻き取りヘッドの移動は、プログラム可能な電子サーボモータによって制御される。これは、巻き取りヘッドが胴の軸に対して平行ないずれかの方向に駆動されるネジ付き棒を駆動することができる。
【0018】
巻き取りヘッドは、通常、ラインを捕捉し、且つ、ラインを案内して巻き取りヘッドにラインを保持して巻き取りヘッドに対するラインの摩擦を低減するためのローラ装置を設けたローラガイドを有する。
【0019】
巻き取りヘッドは、例えば所望により胴の一回転あたり1回のみ又は2回以上等、方向を任意の適切な回数逆転することができる。好ましくは、巻き取りヘッドの方向の変化、したがって、胴上のラインの経路の変化は、各回転について胴上の同じ回転位置において起こり、そのため、隣接するラインは、胴の外周の同じ回転位置において屈曲し、互いに平行に位置し、胴上のフランジの間で軸方向空間の最少量を巻き取る。これがライン上における最少量の摩耗を発生させ、胴上における軸方向空間の最大使用を可能とすることから、回転あたりの巻き取りヘッドの方向の逆転は、(第2の回転についての第1の方向の再開を含み)2回が好ましい。
【0020】
半径方向に隣接する層は、通常、胴の反対側の端部から配置されている。したがって、回転の開始時における巻き取りヘッドの移動の第1の方向は、通常、胴上のラインの半径方向に隣接する層間で異なる。胴上に巻き取られているラインの第1の層において、巻き取りヘッドは、例えば左側フランジ等の胴の一端において開始し、胴が回転するのに伴い胴の軸に対して平行に軸方向に右へと移動する。例えば胴が半回転した場合には、巻き取り棒は、その後、右から左へと横切るように逆転されて左側フランジの方に戻り、再度、胴が回転するのに伴い通常は胴の軸に対して平行のままとされる。したがって、ラインは、胴の前半の回転(0°から180°までの間)において左から右へとから延出し、胴の外周上の180°において方向を逆転し、その後、後半の回転(180°から360°までの間)中に右から左へと移動する。胴の後半の回転中における巻き取りヘッドの戻り軌跡は、通常、巻き取りヘッドを始点に戻さない。戻り軌跡中に移動される軸方向距離は、僅かに、左から右への外側への軌跡中に移動される軸方向距離未満とすることができる。2つの軌跡間の差異は、通常、胴表面におけるラインの厚みを占めるために巻き取りヘッド用の制御機構にプログラミングされる。したがって、10cmの厚みのラインについて、左から右への外側への軌跡は50cmであり、戻り軌跡40cmであるかもしれない。胴が1つの回転を完了して胴の回転位置が胴の外周上の0°における始点まで戻った場合には、巻き取り棒の軸方向移動は、再度、第1の列に対して平行なラインの第2の列を配置するために次の前半の回転中にさらに50cmの外側への軌跡について左から右へと戻るように変化する。胴の回転位置が第2の回転における180°に再度到達した場合に、巻き取りヘッドは、再度、第1の列の後半に対して平行な第2の列の後半を配置するために、40cmの右から左への戻り軌跡を開始するようにその軸方向移動を変化させる。それは、接触されることになる各層における隣接する列について有益ではあるが必須ではなく、それらは、ある実施形態において、ラインの幅よりも大きい巻き取りヘッドの外側への軌跡と戻り軌跡との間の差異をプログラミングすることによって間隔をあけて配置されることができる。例えば、10cmのライン幅について、回転あたり10cmの差異(又は「ずれ」)を有し、外側への軌跡は70cmであり、戻り軌跡は50cmとすることができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、本構造は、胴の回転軸に対して垂直な胴の表面から外側に半径方向に延出して形成されることができる。本構造は、半径方向の突起とすることができ、通常、ライン(及び巻き取りヘッド)が方向を変化させる胴上の回転位置において間隔をあけて配置されることができ、そのため、ラインは、胴の表面から延出している半径方向の突起周囲で屈曲し、胴の表面にわたって始点の方に滑って戻らない。半径方向の突起は、壁又は隆起部等とすることができ、通常、ラインが胴に巻き取られるのに伴いラインの半径方向に隣接する層間の摩擦が、大抵は、ラインの方向が胴の表面上において変化した場合であっても、滑りを防止するのに十分であることから、胴に巻き取られるラインの第1の層において必要なだけであるが、本構造は、所望により後の層のために場合により設けられる。本構造又は各構造は、例えば胴上のラインの最外側層の範囲まで、いくつかの場合において第1の層をはるかに越えて半径方向に延出することができるか、又は、任意に第1の層の範囲までのみ延出することができる。本構造の壁は、回転軸に対して垂直とすることができるか、又は、より浅い角度で傾けられることができる。
【0022】
ある実施形態において、本構造は、胴に対してラインの半径方向且つ軸方向の経路を案内するように適合されることができる。いくつかの場合において、本構造は、段付きとすることができる。例えば、壁等の半径方向及び軸方向寸法は、胴の半径方向の深さに対して可変とすることができ、その結果、例えばラインの第1の層等のラインの1つの層において、壁は、フランジからフランジ間の中央点の方に軸方向内側に延出することができる。場合により、壁の段は、ライン厚みに対して同様の半径方向の深さからなることができるか、又は、その厚みの倍数とすることができ、そのため、例えば第2の層等のラインの次の層は、場合により、第2の層における列の残りとさらに並べられながら、第1の壁の頂部にわたって第1の層の端部から延出することができる。通常、第2の(又はさらなる)層を軸方向に支持する壁は、第1の壁よりも短い軸方向延伸部を有することができる。本構造は、溝付きとすることができる。
【0023】
場合により、壁は、フランジ間におけるドラムの中央点周囲で対称とすることができる。しかしながら、いくつかの場合において、各フランジ上において壁の非対称構成を有するのが有利である。段付きの実施形態において、段は非対称とすることができる。
【0024】
ある実施形態において、壁は、半径方向及び軸方向においてラインの経路を徐々に案内するために斜面を有することができる。これは、ラインの経路の突然の転換が、巻き付けられたラインの層の表面にバンプ及びピット等の不連続をもたらすことができる範囲を低減する。通常、層が巻き付けられているフランジにおける壁は、それがラインの岐路に接近するのに伴い1つの層から次までラインの半径方向の高さを徐々に上げるために斜面を有する。通常、斜面は、1つの層(例えば第1の層)の深さから、次の層(例えば第2の層)の第1の列についての正しい深さまでラインの経路を案内する。斜面の深さにおける変化は、徐々に、又は段階的に行うことができる。斜面は、溝付きとすることができる。
【0025】
ある実施形態において、胴に巻き取られるラインの層は、異なる方向に巻き取られるラインから形成されることができる。例えば、胴上の1つの層上に巻き取られたラインの単一層は、一方向に移動している巻き取りヘッドの1つの軌跡上に巻き付けられたラインと、巻き取りヘッドが他の方向に移動している場合には他の軌跡に巻き付けられたラインとから形成されることができる。換言すれば、単一方向における巻き取りヘッドの単一軌跡は、例えば、2つの層、3つの層、又は、それより多くの層など、2つ以上の層上にラインを巻き取ることができる。この変化は、より小型化した方法でドラム上にラインを巻き取るのに役立つことができ、軸方向により狭い胴をもたらす。
【0026】
いくつかの実施形態において、胴の外面は、胴表面の特定の領域上にラインの第1の層を案内するために溝付きとすることができる。
【0027】
当然のことながら、ラインが方向(又は「頂点」)を変化させる胴の回転位置において、ラインと胴表面におけるフランジとの間の使用されていない間隙があってもよい。本発明のある実施形態において、全ての第2の層(例えば第1、第3、及び、第5の層)は、胴外周における同じ回転位置において互いの頂上に半径方向に巻き取られることができ、これにより、胴上の同じ回転位置において各層における間隙を形成する。本構造が間隙領域内に侵入するように成形された場合に、ラインの頂点が胴上のラインの予測可能で一貫した移動を実現するように形成することができる半径方向突起を形成する場合には、これは有益であり得る。しかしながら、ある場合において、ラインの各第2の層は、胴が通常は完全な回転未満の短い距離だけ回転しながら、戻り道の前に反対側のフランジにおいて巻き取りヘッドの軸方向移動を停止することにより、異なる回転位置において巻き取られることができる。したがって、胴上の第2の層の始点は、第1の層の始点から外周上に異なることがあり得る。隣接する層は、このようにして互い違いにされることができ、又は、全ての第2の層のような隣接しない層は、同様に互い違いにされることができる。この胴上のラインの分散は、ラインが内部に引き込まれることがある間隙の形成を防止することができる。
【0028】
ラインは、通常、1000kgを上回る能力を有する高強度繊維ロープである。本発明が適しているラインの代表的な能力は、20〜200トンである。
【0029】
本発明はまた、層における胴上にラインを受け入れるようになっているウインチドラムであって、胴上の1つの層におけるラインの列が1つの層の上方及び/又は下方の隣接する層のラインの列に対して非平行である、ウインチドラムを提供する。
【0030】
本発明はまた、非平行な層でウインチドラム上にラインを案内する巻き取りギアを提供する。
【0031】
本発明はまた、胴上にラインを案内するガイド装置を有する胴の周囲に巻き付けられたラインを受け入れるようになっている胴を有するウインチドラムであって、胴が回転するのに伴い、ガイド装置が胴に対して軸方向に移動する地点において胴上にラインを案内し、ガイド装置が、巻き付け回転あたり少なくとも1回胴上へのラインの巻き付けの軸方向を変化させるようになっている、ウインチドラムを提供する。
【0032】
各層における列が互いに平行であり得ることから、胴に巻き取られることができるラインの量は、以前に実現されることができた量よりも大きいが、互いに非平行であるように層が胴上に配置されることから、これは、半径方向に隣接する層が互いを妨げる傾向を低減し、したがって、ラインは、より一貫して胴から巻き取られることができる。
本発明の実施形態は、ここで、例示として且つ添付図面を参照して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】ラインを巻き付ける従来の方法を示している。
【図2】ラインを巻き付ける従来の方法を示している。
【図3】(3次元胴において)360°において表された頂上が0°において表された底部と継ぎ目なく接続する0°から360°まで平坦な薄板として表されたウインチ胴の表面の概略平面図を示している。
【図4】胴に巻き付けられたラインの第1の層の同様の平面図を示している。
【図5】図4の胴の端面図を示している。
【図6】図4の胴に巻き付けられた第1の層を有する図4と同様の図を示している。ここで留意すべきは、平面図のそれぞれにおける明確化のために、ラインの始め及び終わりの列が示されているが、(同一である)中央の列が示されていないことである。
【図7】巻き取られた第2の層のみを示している図4の胴の平面図を示している。
【図8】図7の胴の端面図を示している。
【図9】巻き取られた第1及び第2の層の双方を有する図7の胴を示している。
【図10】適所に第3の層を有する図4及び図7と同様の平面図を示している。
【図11】図10の胴の端面図を示している。
【図12】巻き取られた第1、第2、及び、第3の層を有する図9及び図6と同様の累積した図を示している。
【図13】巻き取られた第1及び第2の層を有するウインチ胴の平面図を示している。
【図14】7つの層が巻き取られた後の胴の端面図を示している。
【図15】張り出しフランジを有するウインチ胴のさらなる実施形態を示している。
【図16】7°の角度でラインを巻き取る方法のさらなる実施形態の概略図を示しており、胴が明確化のため省略され且つラインの第1の層の軌道が示されている。
【図17】ライン1及びラインの第2の層の始点を示している図16と同様の概略図を示している。
【図18】ラインの第2の層を示している図16と同様の概略図を示している。
【図19】ライン2及びラインの第3の層の始点を示している図16と同様の概略図を示している。
【図20】ラインの第3の層を示している図16と同様の概略図を示している。
【図21】ライン3及びラインの第4の層の始点を示している図16と同様の概略図を示している。
【図22】ラインの第4の層を示している図16と同様の概略図を示している。
【図23】ライン4及びラインの第5の層の始点を示している図16と同様の概略図を示している。
【図24】ラインの第5の層を示している図16と同様の概略図を示している。
【図25】ライン5及びラインの第6の層の始点を示している図16と同様の概略図を示している。
【図26】ラインの第6の層を示している図16と同様の概略図を示している。
【図27】ライン6及びラインの第7の層の始点を示している図16と同様の概略図を示している。
【図28】ラインの第7の層を示している図16と同様の概略図を示している。
【図29】ライン6及び7並びにラインの第8の層の始点を示している図16と同様の概略図を示している。
【図30】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図31】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図32】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図33】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図34】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図35】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図36】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図37】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図38】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図39】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図40】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図41】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図42】図16〜図29において示された図と同様であるが、4°のラインの角度を有するラインを巻き取る方法のさらなる実施形態を示している。
【図43】ラインの経路を案内するために段付き構造を有するウインチ胴を通る横断面図を示しており、ラインの異なる層が異なる斜交平行模様によって示されている。
【図44】図43の胴の(図4、図7、図10、及び、図13と同様に)展開された平面図である。
【図45】巻き付けパターンを有するさらなるウインチ胴の横断面図であり、巻き取りヘッドの単一軌跡が胴上に2つ以上のラインの層を巻き取り、胴の2等分を接続するラインが、ラインの内側層間の関係を示している。
【図46】図45と同様の図であるが、胴の2等分を接続するラインが、ラインの外側層間の関係を示している。
【図47】図45の胴の(図4、図7、図10、及び、図13と同様に)展開された平面図である。
【図48】図43と同様であるが、胴の表面上に溝を有するウインチドラムのさらなる実施形態の断面図を示している。
【図49】図43と同様のウインチドラム胴のさらなる設計の正面図を示している。
【図50】図49の胴の(反対側からの)背面図を示している。
【図51】一方の側面及び背面からの図49の胴の斜視図を示している。
【図52】他方の側面及び背面からの図49の胴の斜視図を示している。
【図53】図48の胴のフランジの拡大斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0034】
ここで図面を参照すると、海洋ウインチドラム1(図3)は、ラインが巻き付けられる筒状胴Bと、巻き取られたラインが胴Bの端部から外れるのを防止するための筒状胴Bの各端部においてフランジFとを有する。図3の図は概略図である。3次元の胴B及びフランジFの真の筒状の描写を示すのではなく、ドラムは、あたかもその表面が軸に対して平行なラインに沿って切断され且つ平面に配置されており、その結果、ラインが巻き付けられる胴の表面全体が図面の平面内にみられることができるように示されている。図4、図6、図7、図9、図10、及び、図12は、同様の図を示している。
【0035】
ラインは、最初に、第1の層についての開始位置(始点O1)を画成する、通常は胴BとフランジFとの間の接点においてアンカーポイントに固定される。胴上の始点O1の回転位置は、概念上、0°として画成される。当然のことながら、図面中のウインチドラムの平面描写において、0°及び360°におけるライン及び胴の頂部及び底部は、3次元のウインチドラムにおける始点O1において継ぎ目なく接続している。
【0036】
一旦ラインが始点O1においてドラムに固定されると、ラインは、巻き取りヘッドがネジ付き巻き取り棒とかみ合うようにナット又は他のネジ付きコネクタを介して接続されたネジ付き巻き取り棒を回転するプログラム可能な電子サーボモータによって制御される巻き取りヘッドにおけるローラ装置に通される。ネジ付き巻き取り棒の回転は、ウインチドラム1の回転から入力を受ける論理回路によって制御され、その結果、論理回路のプログラミングにしたがって、ネジ付き巻き取り棒は、ウインチドラム1の回転にしたがって回転される。巻き取り棒の回転は、棒に沿って軸方向に巻き取りヘッドを駆動する。巻き取り棒は、ドラム1の軸に対して平行に配設されている。
【0037】
一旦ラインが始点O1に取り付けられて巻き取りヘッドに通されると、ウインチドラム1は、時計回りに回転され、第1の層L1R1の第1の列が胴Bの外面上に配置される。ドラム1が回転するのに伴い、巻き取り棒は、各層における異なる列間の所望の間隔及びラインの幅に依存する初期角度θ、通常は約3°から10°、より有効には5°から7°でドラム上に第1の列を巻き付けるために、左から右へと軸方向に巻き取りヘッドを駆動する。したがって、ドラム上のラインによって取られる通路は、フランジFに対して垂直及び平行ではないが、角度θだけ外れる。実際の角度θは、ラインの幅及び他の要因に応じて変化させることができる。
【0038】
巻き取りヘッドの速度は一定とすることができ、そのため、ラインは、始点O1と頂点A1との間の一直線のラインとして配置されるが、ある実施形態において、巻き取りヘッドの線速度は、場合により、ドラムが180°に接近するのに伴い低減し、その結果、ラインの角度は、弓形であり、その角度が180°に近付くのに伴い徐々に垂直に近付く。胴上における180°の地点において(図3の頂点A1において)、ラインは、実際には、フランジFに対して平行に配置される。
【0039】
したがって、第1の層L1R1の第1の列は、ドラム1が始点O1から第1の180°の地点を通って回転するのに伴い、始点O1と胴Bの始点O1の対角線上の反対側の180°の地点との間において左から右へと配置される。ドラムが始点O1と180°の地点との間で回転するのに伴いネジ付き巻き取り棒に沿った巻き取りヘッドの直線状の外側への軌跡は、論理回路のプログラミング及び棒上のネジのピッチによって決定され、巻き取りヘッドの左から右への移動速度は、通常、論理回路にしたがって与えられる量だけ巻き取りヘッドを移動するのに十分である。この例において、180°の地点(又はD180)におけるフランジから巻き取りヘッドの直線状の軸方向移動は、約50cmである。
【0040】
この時点で、ウインチドラム1は、180°を越えて回転し続けるが、巻き取りヘッドの直線方向の移動は、0°から180°までの間の外側軌跡と比較して僅かに低減した速度でフランジFの方に右から左へと戻り軌跡に移動して戻るように逆転する。したがって、胴上の180°の地点は、ラインL1R1の第1の列において頂点A1を画成する。頂点A1は、頂点からフランジの方に戻るラインの滑りを防止し、且つ、頂点A1において変位D180を保持するために、胴上の隆起部又はくさび等の半径方向突起と一致する。
【0041】
第1の列L1R1は、ドラム1がその第1の回転を完了し、且つ、図3の上部において示されるように360°の地点に到達するまで、180°から360°までの間においてフランジの方に戻り続ける。この時点で、巻き取りヘッドは、フランジFに接近しているが、その戻りの軌跡が外側軌跡よりも遅いことから、ラインは、360°の地点においてフランジまで正確に戻らないが、巻き取りヘッドの外側軌跡と戻り軌跡との間の差異によって決定された距離だけ間隔があけられる。この例において、巻き取りヘッドの外側への変位は50cmであり、より遅い戻り路の戻り変位は40cmであり、したがって、360°の地点(又はD360)におけるラインの第2の列L1R2のフランジからの最後の変位はおよそ10cmである。D360の値は、巻き取りヘッドの外側軌跡と戻り軌跡との間の差異によって画成される。
【0042】
360°の地点に到達することにより、第1の層L1R1の第1の列は、図3における描写の下部に示されるように、第1の層L1R2の第2の列と継ぎ目なく接続する。この時点で、巻き取りヘッドの移動方向は、第1の列L1R1に対して平行な第1の層の第2の列L1R2を配置するために、同様のより速い初期速度で第2の外側軌跡において左から右へと移動するように再度変化する。第2の列L1R2は、第1の列L1R1と同様に始点O1から180°において頂点A1における方向の変化をともなって、第1の列L1R1に対して平行に配置される。第2の列L1R2についての巻き取りヘッドの戻り軌跡は、再度、外側軌跡よりも遅く、論理制御回路の指示にしたがって第1の列L1R1の上端部から第2の列L1R2の上端部の軸方向移動を引き起こす。さらに、第1の列L1R1から第2の列L1R2の360°における変位は、この例によれば10cmとすることができるが、他の実施形態によれば変更することができる。
【0043】
このプロセスは、ラインがドラムの外面上に配置されて反対側のフランジが胴Bの他の端部に到達するまで、L1R2の上端部をL1R3の底端部等に結合し続ける。この時点で、ラインは、通常、胴Bの外面全部を覆う第1の層L1をともなって図4及び図6において示される形態である。第1の層における列が互いに平行であり、且つ、同じ頂点A1において屈曲することから、ラインがない胴上の間隙のみが第1の層の端部に起こる。
【0044】
胴の右側端部が到達してラインが反対側のフランジに接近している場合、第2の層は、その後、第1の層L1の頂上に配置される。第2の層L2が配置された場合、ドラム1は、同一速度で同一方向に回転し続けるが、巻き取りヘッドの移動は逆転され、その結果、第2の層の第1の列L2R1が配置された場合、巻き取りヘッドは、始点O2において(隣接する反対側のフランジでないが第1の層L1についての始点O1と同様の外周位置において)始まり、第1の速度で外側軌跡において右から左へと移動し、頂上A2の通過後に、180°から360°までの間において、より遅い戻り軌跡を開始する。したがって、第2の層の第1の列L2R1は、第1の列L2R1から10cmだけ移動された360°/0°の地点において且つ軸方向位置において第2の層の第2の列L2R2に結合する。第2の層L2の連続する列L2R3及びL2R4等は、同様の方法で第1の層の頂上に巻き取られ、左側のフランジが巻き取りヘッドまで到達するまで頂点A2において屈曲している。
【0045】
ここで留意すべきは、第1の層L1が胴の左側側面から始まり、頂点A1まで胴を横切って右へと移動した後、360°の地点に向かって左へと戻るのに対して、第2の層L2は、右側フランジに隣接する胴Bの右側端部から始まり、その外側軌跡における胴B上の180°の地点において頂点A2まで左へと移動し、360°の地点に接近するのに伴い右へと戻るということである。そのため、隣接する層L1及びL2は、第2の層L2における個々の列が下層L1における個々の列を大幅に越えるように互いに非平行である。したがって、各層内の個々の列が互いに平行であるにもかかわらず、個々の列L2は、隣接する下層L1における個々の列に対して略平行ではなく、したがって、上層L2における列が下層L1における列を圧迫する又は咬む可能性が大いに低減される。
【0046】
第2の層の巻き取り後の最終的なパターンは、第2の層が第1の層の頂上に巻き取られた状態の図8及び図9に示されている。図9は、特に、互いに平行な各層内の列を保つことによってドラム1の間隔を保持しながら、L1における列がL2における列を越えることによって層間を咬むのを十分に防止する旨を示している。
【0047】
図10は、図4において示されたような第1の層L1と同様の方法で、図10の左側下隅部における始点3から上側左まで適用される第3の層L3を示している。第3の層の始点O3は、一般に、第1の層の始点O1と一致する。
【0048】
図12において示されるように、第3の層L3は、第1の層L1の上に横たわるが、第2の層L2がそれらの双方の間を越えることから、層間において十分な咬合が生じない。第3の層L3における列は、第2の層L2における列を越え、したがって、上述されたように咬合を十分に回避することができる。
【0049】
この方法で第2の層のそれぞれを重ねることは、胴B上の180°の地点において形成する間隙を強調することが図12からわかる。これは、ある状況において、ラインが滑る可能性がある空間を作り出す傾向があることがあり、同じ始点で始めることが第2層のそれぞれについて十分である間に、有益な効果が胴Bの外周周囲の層の始点の、より互い違いの分散によって時々得られることができる。
【0050】
これは、巻き取りヘッドがフランジに隣接する胴Bの最も遠い範囲に到達し且つ次の層の第1の列を回転し始めるためにまさに実行しようとする時に巻き取りヘッドに作用する論理制御回路によってプログラムされた動作によって実現されることができる。いくつかの実施形態において(図面において示されるように)、次の層についての巻き取りは、胴上の同じ360°/0°の地点において始めることができ、その結果、例えば、第3の層は、第1の層の頂上に重ね合わせられ、第4の層は、第2の層の頂上に重ね合わせられる。しかしながら、論理制御回路が、場合により、胴Bがその軸周りに短く回転(例えば半回転)するのに伴い軸方向に静止したままとするように巻き取りヘッドに信号を送る場合には、第2の層の始点は、次の層の巻き取りが始まる前に360°/0°の地点から離れて回転可能に互い違いとすることができる。次の層の巻き取りは、次の層の始点が前の層の巻き取りに対して0°から360°までの間のどこかにあるという唯一の例外を有して、第2の層及び第3の層について上述されたのと同一方法で実施されることができる。この「互い違い回転」の特徴は、各層の頂点において形成された間隙を互い違いにするために、隣接する層間に、又は、より有益には全ての第2の他の層間に導入されることができ、その結果、間隙は、より下層における間隙に重ね合わせられない。したがって、ドラム上のより多い空間は、ラインの列によって塞がれ、ラインが滑ることができる深い間隙を形成する傾向は軽減される。
【0051】
2つの層の巻き付けの後、胴全体は、図の方法で展開された平面に再度表示された図13において示されるものと同様の外観を有する。図13において、より暗い第1の層が左上から右下に巻き取られ、より明るい色の付いた層が左下から右上に巻き取られる。第1の層について180°において形成された間隙は、極めて明らかであり、第2の層について反対側のフランジに形成された間隙はまた、180°において明示される。
【0052】
上述されたように、互い違いの間隙の1つの利点は、7つの層が巻き取られた後の端面図で間隙の位置を図示する図14における描写からわかる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態において、ウインチドラム1は、図15において示されるように張り出し又はテーパ付きフランジを用いて形成されることができる。この張り出し又はテーパは、巻き取りギア又はフランジの損傷又は障害がなくフランジにできる限り近く、胴の端部に接近して各層の第1の列と最後の列とを巻き取るために、巻き取りギアについて、より大きい空間を形成する。テーパはまた、ラインがドラム上に巻き取られる又はドラムから巻き取られるときに、ライン上の摩耗及び裂傷を防止するのを助けることができる。
【0054】
本発明の実施形態は、ワイヤーロープについて一般的な速度よりも高い巻き取り速度(回転あたりのラインのより大きな軸方向移動)を可能とするが、胴上の利用可能な空間の有効な使用も可能とする。通常、巻き取り速度は、ワイヤラインについての速度の少なくとも2倍であり、好ましくは、ワイヤラインについての速度の約4倍である。
【0055】
ここで図16〜図29を参照すると、ラインの第1の層L1は、胴上の概念的な0°において始点O1から、(明確化のために図16〜図42から省略された)胴に巻き取られる。図16〜図42は、ラインの各層の前半及び後半を示しており、そのため、これらの図面のそれぞれの下部における始点O1は、0°及び360°の位置を示しており、180°における頂点A1は、図の上部に示されている。ラインの前半L1aは、巻き取りヘッドから胴の軸方向に対して(左下から右上へと)7°の初期角度で繰り出され、巻き取りヘッドは、方向を逆転して右上から左下に約7°で移動して第1の列の後半L1bを巻き取るように、左から右へと移動して始点から180°の回転位置における頂点A1において遅くなる。第1の層L1の連続する列は、このように巻き取られる。例えば、第2の層L2は、第1の層L1の最後の列から推移するO2において開始し、前半L2aは、右下から左上に巻き取られ、180°の頂点A2において方向を変化し、後半L2bは、左上から右下などに巻き取られる。当業者は、図16〜図42から、その後の列がより大きな直径を有することが分かる。
【0056】
ここで図43及び図44を参照すると、各側面のフランジ11fに固定された構造14及び15を有して変更された胴11が示されている。本構造は、胴11の平面胴体12にボルトで固定されたナイロンブロックから形成されることができる。構造14及び15は、互いに且つそれら自身の軸に対して非対称である。
【0057】
第1の構造14を参照すると、第1の構造14は、ラインの第1の層を軸方向に支持する半径方向最内側の第1の部分14aと、第1の部分14aよりも広く第1及び第2の層を軸方向に支持する第2の部分14bと、第2の部分14bよりも広くラインの第2及び第3の層を軸方向に支持する第3の部分14cと、第3の部分よりも広く第3及び第4の層を軸方向に支持する第の4部分14dと、第4の部分よりも広くラインの第4及び第5の層を軸方向に支持する第5の部分14eとを備える。ラインの第6の層は、上部においてフランジ11fによって支持されている。
【0058】
図43の右側の第1の構造15を参照すると、第1の構造15は、ラインの第1の層を軸方向に支持する半径方向最内側の第1の部分15aと、第1の部分15aよりも広く第1及び第2の層を軸方向に支持する第2の部分15bと、第2の部分15bよりも広くラインの第2及び第3の層を軸方向に支持する第3の部分15cと、第3の部分よりも広く第4の層を軸方向に支持する第4の部分15dと、第4の部分よりも広くラインの第3、第4及び第5の層を軸方向に支持する第5の部分15eと、第5の部分よりも広くラインの第6及び第7の層を支持する第6の部分15fとを備える。
【0059】
構造14及び15の異なる部分は、互いに結合する。
【0060】
始点Oから開始する図43をここで参照すると、第1の層(空円)は、0°から180°までラインの傾斜を付けられた経路を半径方向に支持する壁部分14aの半径方向最内側により、左下から右上へと胴体12上に巻き取られる。L1R1の180°の地点において、巻き取りヘッドの軸方向は変化し、左から右に代わって右から左へと移動し始め、これにより、前半(0°から180°まで)とは反対方向に、(任意に溝を付けることができる)胴体12上にL1R1の180°から360°/0°まで後半を巻き取る。巻き取りヘッドが再度360°/0°の地点に到達し、L1R2の前半をいつでも始めることができる場合、巻き取りヘッドは、その始点を軸方向の左から右へと再開する。これは、最後の列L1R22が15aの上面の上に斜面をのぼってL2R1になる場合、第1の層の終わりまで継続し、壁部分15bによる巻き取りの前半において右から左へと案内される。同様に、第2の層L2R28の最後の列は、壁部分14aの上面の上にまくれ上がり、壁部分14dによって軸方向に支持される第3の層L3R1の第1の列となる。巻き取りは、先の実施形態において指示されたように、隣接する層のいかなる部分も平行方向に及ぶことなく、できる限り範囲を最大化するように層が互いの頂上に巻き取られる地点にフランジ11Fが到達されるまで、このようにして継続する。図44は、(より少ない列を有する)図43のドラムの平面(概略)図を示している。ここで留意すべきは、図44の各側面における列を接続するラインは、ラインの初期角度を示すために真っ直ぐであるが、実際には、ラインの個々の列の経路を案内するこれらの溝及び壁部分は弓形であるということである。
【0061】
ここで図45及び図46を参照すると、第1の層L1が複数の高さにおいて胴21上に巻き取られる変形例が記載されている。これは、軸方向により短い長さを有するより小型の胴と、ラインを案内するための軸方向により小型の構造24及び25とを可能とする。胴21の始点Oは、胴21の胴体22よりもむしろ左側構造24の第1の部分24aの上表面に示されている。第1の層L1は、第3の列L1R3及び第4の列L1R4において胴体22に対して十分に傾斜し、その後、最後の列L1REの直前まで胴体22に沿って及び、第1の層が右側構造25aの第1の部分の半径方向最外側表面の上に立ち上がり始める。そして、第2の層L2R1は、壁部分25aの上表面において開始する。各層の順次的な列を接続するラインが図45において示されており、これにより、巻き取りヘッドの単一軌跡における胴21上の半径方向に異なる高さ間を移動する方法を明示している。図46は、図45と同一構造の同様の図であるが、ラインの外側層における列間の相互接続を示している。図47は、同じ細部を有する平面図を示しており、ラインは、各列間の相互接続を示している。
【0062】
図48は、図43の実施形態における胴11と同様のウインチドラムの胴11’のさらなる実施形態を示しているが、胴の表面の大部分が、ラインの最初の層を受け入れて案内するように溝が付けられている。
【0063】
ここで図49〜図53を参照すると、図43のウインチドラム11と同様のウインチドラム31のさらなる実施形態が示されている。ウインチドラム31は、フランジ31a及び31bと、ラインを固定するための始点Oと、ラインの内側層を案内するために胴の半径方向最内側部分上に溝が付けられた表面とを有する。ウインチドラム31は、ドラム11の壁14及び15と同様の壁34及び35を有する。
【0064】
始点Oから開始して、ラインは、溝及び巻き取りヘッドによって案内され、矢印によって示されるように、フランジ31aからフランジ31bの方に、0°から180°までの間において図49において示された前表面の上に巻き取られる。図49において示される図の頂上における180°の段階において、溝(及び巻き取りヘッド)は、方向を変化し、(図50において示される)溝の後半は、フランジ31bからフランジ31aに向かって反対方向に(巻き取りヘッドとともに)ラインを案内する。ラインの最初の列は、壁34aの側面によって案内される。ラインが180°線において地点40aに到達する地点において、ラインが溝付きの内側部分上に巻き取られるまで、巻き取りは胴の各回転方向の変化を継続する。地点40aにおいて、内側の溝付き部分の高さから半径方向外側に立ち上がる傾斜を付けられた壁35aの始めにおいて溝がある。ラインは、40aにおいて溝によって傾斜を付けられた壁まで案内されるが、ラインが180°線に到達するという事実にかかわらず、ラインは、前の列のようにその方向を変化させないが、代わりに、フランジ31aからフランジ31bに向かう方向を維持し、巻き取りヘッド及び壁35bの側面によって案内される。第2の層の第1の列においてラインがフランジ31bからフランジ31aの方に離れて移動するように巻き取りヘッド及び壁35bの側面によって案内される方向を変化させる地点40bにおいて360°/0°の地点に到達するまで、ラインは、(図50において示される)背面下に巻き取られる。
【0065】
これにより、第2の層は、第1の層(31aから31b)と比較して反対方向(31bから31a)に開始される。同様に、第2の層の後半は、第1の層の後半に対して逆の角度で配置される。第2の層は、ラインが180°線において地点40cに到達するまで、同一方向(31bから31a)に壁35a及び第1の層にわたって巻き付けられ、その地点において、ラインは、溝に係合し、傾斜を付けられた壁35aと同様にして前の層から立ち上がる傾斜を付けられた壁部分35b上にまくれ上がる。ラインは、地点40dにおいて360°/0°に到達するまで同一方向(31bから31a)に胴の背面下の壁部分35cの側面に対して軸方向に案内される。40dにおいて、ラインは、第3の層の第1の列において、フランジ31aからフランジ31bの方に離れて移動するように巻き取りヘッド及び壁34cの側面によって案内される方向を変化させる。
【0066】
ここで留意すべきは、第3の層はまた、第2の層(31bから31a)と比較して反対方向(31aから31b)に開始され、第1の層と同一方向に巻き取られるということである。第3の層は、ラインが180°線において地点40eに到達するまで、同一方向(31aから31b)に壁34bの上面及び第2の層にわたって巻き付けられ、その地点において、ラインは、溝に係合し、傾斜を付けられた壁部分35c上にまくれ上がり、地点40fにおいて360°/0°に到達するまで同一方向(31aから31b)に胴の背面下の壁部分35dの側面に対して軸方向に案内され、その地点において、第4の層の第1の列において、フランジ31bからフランジ31aに向かって離れて移動するように巻き取りヘッド及び壁35dの側面によって案内される方向を変化させる。
【0067】
したがって、第4の層は、これにより、第3及び第1の層(31aから31b)と比較して反対方向(31bから31a)に開始され、第2の層と同一方向に巻き取られる。第4の層は、ラインが180°線において地点40gに到達するまで、同一方向(31bから31a)に壁35cの頂上にわたって且つ第3の層にわたって巻き付けられ、その地点において、ラインは、溝に係合し、傾斜を付けられた壁部分34d上にまくれ上がり、地点40hにおいて360°/0°に到達するまで同一方向(31bから31a)に胴の背面下の壁部分34eの側面に対して案内され、その地点において、第5の層の第1の列において、フランジ31aからフランジ31bに向かって離れて移動するように巻き取りヘッド及び壁35dの側面によって案内される方向を変化させる。
【0068】
上述したように、第5の層は、偶数層(31bから31a)と比較して反対方向(31aから31b)に胴上に巻き取られ、第3及び第1の層と同一方向に巻き取られる。第5の層は、ラインが180°線において地点40iに到達するまで、同一方向(31aから31b)に壁34dの頂上にわたって且つ第4の層にわたって巻き付けられ、その地点において、ラインは、溝に係合し、傾斜を付けられた壁部分35e上にまくれ上がり、地点40jにおいて360°/0°に到達するまで同一方向(31aから31b)に胴の背面下の壁部分35fの側面に対して案内され、その地点において、第6の層の第1の列において、フランジ31bからフランジ31aに向かって離れて移動するように巻き取りヘッド及び壁35fの側面によって案内される方向を変化させる。
【0069】
最後に、第6の層は、奇数層(31aから31b)と比較して反対方向(31bから31a)において胴上に巻き取られ、第2及び第4の層と同一方向に巻き取られる。第6の層は、ラインが180°線において地点40kに到達するまで、同一方向(31bから31a)に壁34eの頂上にわたって且つ第5の層の頂上にわたって巻き付けられ、その地点において、ラインは、溝に係合し、傾斜を付けられた壁部分34fの上にまくれ上がる。この点で、ラインを巻き取る選択肢は様々である。いくつかの実施形態において、ラインは、フランジ31aの側面に、及び、フランジ31aからフランジ31bまで基準として巻き取られる最後の層に、溝及び/又は巻き取りヘッドによって案内されることができる。いくつかの実施形態において、第6の層は、壁34、35に実質的に係合することなく、前の層の頂上に巻き取られるように軸方向に短縮されることができる。ここで留意すべきは、ラインの偶数層が、奇数層のように同一方向に配置されるが、半径方向に隣接する各列がその上方及び下方の隣接した列に対して非平行であるように、奇数及び偶数層の各半分が反対方向に配置されるということである。また、ここで留意すべきは、偶数の(及び奇数)層が同一地点において開始しないように、斜面及び溝の始点が胴の表面周辺で外周上に移動する(例えば約4°だけ)ということである。これは、胴表面上においてラインを均一に分散するのを助ける。壁のそれぞれは、通常、傾斜を付けられて先の壁の平面から生じる。したがって、例えば、図53において明示されているように、壁35eは、通常、壁35dの平面から徐々に発生する。斜面のそれぞれの半径方向の表面は、通常、これらの地点におけるラインの方向及び半径方向の高さにおける変化を容易とするためにずれて始まり且つ終わる。
【0070】
図54及び図55は、巻き取りヘッド50についての第1の選択肢を示している。巻き取りヘッド50は、各端部における(キャプティブナット等の)ネジ付き移動器52を有するローラケージ51(明確化のために図55においては示されていない)を備え、各ネジ付き移動器52は、モータ57及びベルト58によって駆動されるネジ付き棒53に係合している。モータは、電動とすることができ、その速度及び方向は、電子プロセッサ59によって制御されることができる。ローラケージ51は、一体となってラインLを包囲して案内する一対の水平ローラ55及び一対の垂直ローラ56とを担持する。垂直及び水平ローラは、場合により、接合部において起こるかもしれないようにラインLのより厚い部分の容易な通過を可能とするために、互い違いにされることができるか、又は、互いに間隔をあけて配置されることができる。モータ57は、プロセッサ59から供給される信号にしたがって、棒を(1つは直接的に、また、1つはベルト58を介して)駆動する。ネジ付き移動器52は、回転棒53に沿って軸方向に移動し、プロセッサ59からの信号にしたがって様々なドラム胴に対して軸方向に巻き取りヘッド50を移動する。
【0071】
図56は、ローラケージ61と、移動器62と、棒63と、ローラ65、66とを有し、棒及び移動器62が滑らかであって互いに摺動し合う点以外はヘッド50と同様である巻き取りヘッド60の他の設計を示している。ヘッド60は、プロセッサ69からの信号にしたがってシリンダ67から推し進められる油圧ピストン68によって駆動される。
【0072】
ローラ65、66は、場合により、異なる平面において互いから互い違いにされることができ、その結果、ラインの直径よりも大きい距離だけ間隔をあけて配置されることができるが、示されるように、水平ローラ65に対してラインの各辺にさらに係合することができる。これは、ローラを捕捉することなく、ライン直径の不連続が巻き取りヘッドを通過するのを可能とする。場合により、ローラケージは、そのようなバンプを収容するためにラインから(例えば軌道において)離れるローラの僅かな半径方向の移動を可能とすることができ、その結果、接合部又は結び目等の不連続は、ローラ間で移動させることによって、又は、僅かに互いから離れるように不連続を移動させることによってローラケージを通過する。ローラヘッドは、場合により、プロセッサ59、69にフィードバックして接合部等のラインにおけるバンプを検出するセンサ装置54、64を組み込むことができる。バンプが胴に巻き取られる前に巻き取りヘッドにおいて検出された場合、巻き取りヘッドは、場合により、接合部等の最適配置を可能とするように巻き取りを停止させることができるか、又は、例えばフランジに近い2つの岐路40の間において外周上等、胴上におけるラインの凹部領域内に胴上で接合部を巻き取る位置まで軸方向に自動的に移動することができ、その結果、接合部によって引き起こされるライン直径の不連続は、胴上へのラインの層形成に対する最小の影響を有し、できる限り均一なままである。
【0073】
変更例及び改善例は、本発明の範囲を逸脱することなく盛り込まれることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラインを受け入れるようになっている胴と、前記胴に対して軸方向に移動する地点で前記ラインが前記胴に巻き取られるように前記胴及び巻き取り装置が互いに回転し合うのに伴い前記胴上に前記ラインを案内する巻き取り装置とを有し、前記胴に巻き取られる前記ラインの軸方向が、前記巻き取り装置に対する前記胴の一回転あたり少なくとも1回変化するように適合されている、ウインチドラムアセンブリ。
【請求項2】
前記巻き取り装置が、前記ラインを受け入れ、且つ、前記胴が回転するのに伴い前記胴の軸に沿って前記ラインの供給点を案内するように前記胴に対して軸方向に移動する巻き取りヘッドを備え、前記巻き取りヘッドの軸方向移動が、前記巻き取り装置に対して前記胴の一回転あたり少なくとも1回逆転するように適合されている、請求項1に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項3】
前記巻き取りヘッドが、モータによる回転で駆動されるネジ付き棒に取り付けられており、前記モータの速度及び方向が、電子的に制御される、請求項2に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項4】
前記巻き取りヘッドが、油圧ピストン及びシリンダ構成によって軸方向に駆動される、請求項2に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項5】
前記胴に巻き付けられた前記ラインの層が、それらの直上及び直下の層に対して略非平行である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項6】
前記ラインが前記胴に巻き付けられるのに伴い選択された方向へ、向きへ、又は、位置へと前記ラインの最初の層を案内する前記胴内又は前記胴上に形成された溝を備えるガイド装置を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項7】
前記ガイド装置が、前記ラインが方向を変化させるのに伴い半径方向突起の周囲で屈曲するように、使用中に前記ラインが前記胴上において方向を変化させる場所に一致する位置において前記胴の外面に位置する少なくとも1つの半径方向突起を備える、請求項6に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項8】
前記半径方向突起が壁を備える、請求項7に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項9】
前記壁が前記胴の回転軸に対して垂直である、請求項8に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項10】
前記壁が少なくとも1つの段部を有する、請求項9に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項11】
前記壁の半径方向寸法が、前記ライン厚みと同様である、又は、その厚みの倍数である、請求項8〜10のいずれか一項に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項12】
前記ガイド手段が、前記胴に巻き付けられるのに伴い前記ラインの半径方向の位置を変化させるようになっている、前記胴に形成された少なくとも1つの斜面を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの斜面が、当該斜面上の前記ラインの位置を案内するために溝を備える、請求項12に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項14】
前記巻き取り装置が、外側軌跡上の前記ラインを案内し、巻き取り方向を逆転し、戻り軌跡上の前記ラインを案内するように構成されており、前記戻り軌跡の軸方向距離が、前記外側軌跡の軸方向距離未満である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項15】
前記巻き取り装置が、前記胴が回転する間、外側軌跡と戻り軌跡との間において軸方向に静止したままであるように構成されており、これにより前記胴上において半径方向に隣接する層の始点を外周上でオフセットする、請求項14に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項16】
前記ラインが1000kgを上回る能力を有する高強度繊維ロープを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項17】
ウインチの胴にラインを巻き取る方法であって、巻き取り装置によって前記胴上に前記ラインを案内するステップを備え、前記巻き取り装置及び前記胴が、前記胴上への前記ラインの巻き取り中に互いに回転しあい、前記胴が回転するのに伴い、前記巻き取り装置が前記胴に対して軸方向に前記ラインを移動させ、前記巻き取り装置が、当該巻き取り装置に対する前記胴の一回転あたり少なくとも1回、前記ラインが巻き取りの軸方向を変化させる、ウインチの胴にラインを巻き取る方法。
【請求項18】
前記巻き取り装置が巻き取りヘッドを備え、前記ラインが、前記胴が回転するのに伴い前記胴に対して軸方向に移動する前記巻き取りヘッドを介して、回転している前記胴上に案内され、前記巻き取りヘッドが、前記胴の一回転あたり少なくとも1回軸方向に逆転し、これによって前記胴上に巻き取られた前記ラインの軸方向移動を逆転する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
単一方向における前記巻き取りヘッドの単一軌跡が、前記胴の2つ以上の層上にラインを巻き取る、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ラインの軸方向が前記胴の各回転で2回変化する、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ラインが、前記胴が0°から180°までの第1の半周期にある場合に第1の軸方向において前記胴上に巻き取られ、前記胴が当該胴の180°から360°までの第2の半周期にある場合に前記ラインが第2の軸方向において前記胴に巻き取られる、請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の軸方向が、前記胴の軸に対する垂線から1°から10°の偏差から構成される第1の角度成分を有し、前記第2の軸方向が、前記第1の角度成分と略同値であるが反対方向である第2の角度成分を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記胴がその第1の回転の終わりに到達してその第2の回転を開始するのに伴い、前記ラインが再度前記第1の方向に巻き取られる、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記胴の第1の半周期中に前記ラインによって前記第1の方向に移動される軸方向距離が、第2の半周期中に前記第2の方向に移動される軸方向距離を上回る、請求項21〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記ラインの選択された層が、異なる回転始点から巻き取られ、これにより、少なくとも2つの層におけるラインの最初の軸方向移動が異なる外周位置で起こる、請求項17〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記ラインの軸方向に隣接する列が、互いに平行に前記胴に巻き取られる、請求項17〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記ラインの半径方向に隣接する層が、前記胴の反対側の端部から配置される、請求項17〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
複数層で胴上にラインを受け入れるようになっているウインチドラムであって、前記胴上の1つの層におけるラインの列が、前記1つの層の上方及び/又は下方の隣接する層におけるラインの列に対して略非平行である、ウインチドラム。
【請求項29】
非平行な層でウインチドラム上にラインを案内する巻き取りギア。
【請求項30】
胴の周囲に巻き付けられる前記ラインを受け入れるようになっている胴を有するウインチドラムであって、前記胴は、前記胴上にラインを案内するガイド装置を有し、前記ガイド装置が、前記胴が回転するのに伴い前記胴に対して軸方向に移動する地点において前記胴上に前記ラインを案内し、巻き付け回転あたり少なくとも1回、前記胴上への前記ラインの巻き付けの軸方向を変化させるようになっている、ウインチドラム。
【請求項31】
前記ガイド装置が、巻き付け回転あたり少なくとも1回、前記胴上への前記ラインの巻き付けの軸方向を逆転するように適合されている、請求項30に記載のウインチドラム。
【請求項32】
前記ガイド装置が、当該ウインチドラムの表面の少なくとも一部に1つ以上の溝を備える、請求項30又は31に記載のウインチドラム。
【請求項1】
ラインを受け入れるようになっている胴と、前記胴に対して軸方向に移動する地点で前記ラインが前記胴に巻き取られるように前記胴及び巻き取り装置が互いに回転し合うのに伴い前記胴上に前記ラインを案内する巻き取り装置とを有し、前記胴に巻き取られる前記ラインの軸方向が、前記巻き取り装置に対する前記胴の一回転あたり少なくとも1回変化するように適合されている、ウインチドラムアセンブリ。
【請求項2】
前記巻き取り装置が、前記ラインを受け入れ、且つ、前記胴が回転するのに伴い前記胴の軸に沿って前記ラインの供給点を案内するように前記胴に対して軸方向に移動する巻き取りヘッドを備え、前記巻き取りヘッドの軸方向移動が、前記巻き取り装置に対して前記胴の一回転あたり少なくとも1回逆転するように適合されている、請求項1に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項3】
前記巻き取りヘッドが、モータによる回転で駆動されるネジ付き棒に取り付けられており、前記モータの速度及び方向が、電子的に制御される、請求項2に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項4】
前記巻き取りヘッドが、油圧ピストン及びシリンダ構成によって軸方向に駆動される、請求項2に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項5】
前記胴に巻き付けられた前記ラインの層が、それらの直上及び直下の層に対して略非平行である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項6】
前記ラインが前記胴に巻き付けられるのに伴い選択された方向へ、向きへ、又は、位置へと前記ラインの最初の層を案内する前記胴内又は前記胴上に形成された溝を備えるガイド装置を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項7】
前記ガイド装置が、前記ラインが方向を変化させるのに伴い半径方向突起の周囲で屈曲するように、使用中に前記ラインが前記胴上において方向を変化させる場所に一致する位置において前記胴の外面に位置する少なくとも1つの半径方向突起を備える、請求項6に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項8】
前記半径方向突起が壁を備える、請求項7に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項9】
前記壁が前記胴の回転軸に対して垂直である、請求項8に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項10】
前記壁が少なくとも1つの段部を有する、請求項9に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項11】
前記壁の半径方向寸法が、前記ライン厚みと同様である、又は、その厚みの倍数である、請求項8〜10のいずれか一項に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項12】
前記ガイド手段が、前記胴に巻き付けられるのに伴い前記ラインの半径方向の位置を変化させるようになっている、前記胴に形成された少なくとも1つの斜面を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの斜面が、当該斜面上の前記ラインの位置を案内するために溝を備える、請求項12に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項14】
前記巻き取り装置が、外側軌跡上の前記ラインを案内し、巻き取り方向を逆転し、戻り軌跡上の前記ラインを案内するように構成されており、前記戻り軌跡の軸方向距離が、前記外側軌跡の軸方向距離未満である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項15】
前記巻き取り装置が、前記胴が回転する間、外側軌跡と戻り軌跡との間において軸方向に静止したままであるように構成されており、これにより前記胴上において半径方向に隣接する層の始点を外周上でオフセットする、請求項14に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項16】
前記ラインが1000kgを上回る能力を有する高強度繊維ロープを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載のウインチドラムアセンブリ。
【請求項17】
ウインチの胴にラインを巻き取る方法であって、巻き取り装置によって前記胴上に前記ラインを案内するステップを備え、前記巻き取り装置及び前記胴が、前記胴上への前記ラインの巻き取り中に互いに回転しあい、前記胴が回転するのに伴い、前記巻き取り装置が前記胴に対して軸方向に前記ラインを移動させ、前記巻き取り装置が、当該巻き取り装置に対する前記胴の一回転あたり少なくとも1回、前記ラインが巻き取りの軸方向を変化させる、ウインチの胴にラインを巻き取る方法。
【請求項18】
前記巻き取り装置が巻き取りヘッドを備え、前記ラインが、前記胴が回転するのに伴い前記胴に対して軸方向に移動する前記巻き取りヘッドを介して、回転している前記胴上に案内され、前記巻き取りヘッドが、前記胴の一回転あたり少なくとも1回軸方向に逆転し、これによって前記胴上に巻き取られた前記ラインの軸方向移動を逆転する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
単一方向における前記巻き取りヘッドの単一軌跡が、前記胴の2つ以上の層上にラインを巻き取る、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ラインの軸方向が前記胴の各回転で2回変化する、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ラインが、前記胴が0°から180°までの第1の半周期にある場合に第1の軸方向において前記胴上に巻き取られ、前記胴が当該胴の180°から360°までの第2の半周期にある場合に前記ラインが第2の軸方向において前記胴に巻き取られる、請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の軸方向が、前記胴の軸に対する垂線から1°から10°の偏差から構成される第1の角度成分を有し、前記第2の軸方向が、前記第1の角度成分と略同値であるが反対方向である第2の角度成分を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記胴がその第1の回転の終わりに到達してその第2の回転を開始するのに伴い、前記ラインが再度前記第1の方向に巻き取られる、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記胴の第1の半周期中に前記ラインによって前記第1の方向に移動される軸方向距離が、第2の半周期中に前記第2の方向に移動される軸方向距離を上回る、請求項21〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記ラインの選択された層が、異なる回転始点から巻き取られ、これにより、少なくとも2つの層におけるラインの最初の軸方向移動が異なる外周位置で起こる、請求項17〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記ラインの軸方向に隣接する列が、互いに平行に前記胴に巻き取られる、請求項17〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記ラインの半径方向に隣接する層が、前記胴の反対側の端部から配置される、請求項17〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
複数層で胴上にラインを受け入れるようになっているウインチドラムであって、前記胴上の1つの層におけるラインの列が、前記1つの層の上方及び/又は下方の隣接する層におけるラインの列に対して略非平行である、ウインチドラム。
【請求項29】
非平行な層でウインチドラム上にラインを案内する巻き取りギア。
【請求項30】
胴の周囲に巻き付けられる前記ラインを受け入れるようになっている胴を有するウインチドラムであって、前記胴は、前記胴上にラインを案内するガイド装置を有し、前記ガイド装置が、前記胴が回転するのに伴い前記胴に対して軸方向に移動する地点において前記胴上に前記ラインを案内し、巻き付け回転あたり少なくとも1回、前記胴上への前記ラインの巻き付けの軸方向を変化させるようになっている、ウインチドラム。
【請求項31】
前記ガイド装置が、巻き付け回転あたり少なくとも1回、前記胴上への前記ラインの巻き付けの軸方向を逆転するように適合されている、請求項30に記載のウインチドラム。
【請求項32】
前記ガイド装置が、当該ウインチドラムの表面の少なくとも一部に1つ以上の溝を備える、請求項30又は31に記載のウインチドラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【公表番号】特表2010−517894(P2010−517894A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547755(P2009−547755)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【国際出願番号】PCT/GB2008/000323
【国際公開番号】WO2008/093089
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(509215684)ディープ テック ウィンチ アイピー リミテッド (1)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【国際出願番号】PCT/GB2008/000323
【国際公開番号】WO2008/093089
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(509215684)ディープ テック ウィンチ アイピー リミテッド (1)
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