説明

ウェブガイドコントロール、ウェブ処理装置、およびこの操作方法

ウェブをガイドするためのウェブガイドコントロールであって、該ウェブガイドコントロールは第1のガイドローラ(201)と第2のガイドローラとを有し、該第1のガイドローラ(201)は調整ユニット(310)を備え、該第2のガイドローラは張力測定ユニット(300)を備え、該ウェブガイドコントロールは、該張力測定ユニットからの張力データによって該調整ユニットをサポートするためのデータコネクションを備える。

【発明の詳細な説明】
【発明の技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、ウェブガイドコントロールおよびウェブ処理装置に関する。本発明はとりわけ、原材料および/またはコイリング設備(coiling installation)における欠陥を補償するためのウェブガイドコントロールと、真空設備においてウェブをコーティングするためのウェブ処理装置とに関する。本発明はまた、ウェブをガイドするための方法、とりわけ、ウェブガイド中にウェブの欠陥を補償するための方法に関する。
【発明の背景】
【0002】
[0002]ウェブの取り扱いは、連続ウェブを処理するための設備において重要な問題である。ここでは、数百メートルまたは数キロメートルにも及ぶウェブを取り扱う多数のコイルが、しわ、切り取り線(trumlines)、切取り部分(tear-offs)などのダメージがウェブに生じないように、配列および操作されなければならない。
【0003】
[0003]ウェブコーティングなどのウェブ処理中に欠陥が生じることは、当然望ましくない。これらの欠陥は、処置されるウェブの一部または全部の生産の完全停止および/または拒絶をもたらすこともある。言い換えると、ウェブガイドの不具合は、非常にコストがかかり、かつ時間のかかる恐れがある。
【0004】
[0004]ウェブ処理装置の不具合を回避するために、ウェブガイド装置の各ガイドロールに特定の許容誤差を提供することが当分野では既知である。このように、ウェブの幅に沿ったウェブの厚さの、例えば最大0.02mmの差が取り扱い可能である。しかしながら、コイリング長が長い設備において、許容誤差のあるガイドローラの追加は、設備における傾斜供給をもたらす可能性がある。さらに、真空用途においては、厚さにおける非常に小さな偏差が、周囲圧力では生じない混乱(complication)や欠陥をもたらす恐れがある。
【発明の概要】
【0005】
[0005]目下の問題は、請求項1に記載のウェブガイドコントロール、請求項10に記載のウェブ処理装置、および請求項12に記載のウェブガイド方法によって少なくとも部分的に克服される。さらなる態様、詳細および利点は従属請求項、説明および添付の図面によって明らかになる。
【0006】
[0006]上記の点から、ウェブをガイドするためのウェブガイドコントロールが提供される。該ウェブガイドコントロールは2つのガイドローラと、該第1のガイドローラの調整ユニットと、該第2のガイドローラの張力測定ユニットと、該張力測定ユニットからの張力データによって該調整ユニットをサポートするためのデータコネクションとを含んでいる。
【0007】
[0007]本発明の別の態様にしたがって、ここに記載されているような少なくとも1つのガイドコントロールを具備するウェブ処理装置が提供される。
【0008】
[0008]本発明の別の態様にしたがって、ウェブガイド方法が提供される。該方法は、第1のガイドローラの一方の側部を移動させることによって該第1のガイドローラの位置を調整するステップと、第2のガイドローラに作用する該ウェブの張力を測定して、測定結果を受け取るステップとを含んでおり、調整ステップは該測定結果に基づいている。
【0009】
[0009]ウェブ処理装置の一般的な用途は高真空ウェブ膜堆積である。例えば、これらの用途においては、保護層が、薄いプラスチック、紙または金属箔などのパッケージ基板上に堆積される。薄い金属膜または酸化膜が、鮮度を高め、かつこれらの膜を使用する消費者製品の保管寿命(shelf life)を延ばす水分または酸素のバリアを生成するために該パッケージ基板上に堆積されてもよい。
【0010】
[0010]ウェブ処理装置のさらなる用途は、電子製品製造の分野である。導電層が、コンデンサおよびタッチパネルなどの用途において導電性コーティングとして作用する該ウェブ上に堆積されてもよい。
【0011】
[0010]本発明の上記特徴および利点は、添付の図面を参照して、好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明にしたがったウェブ処理装置の一実施形態の概略図を示している。
【図2】本発明の一実施形態にしたがったウェブガイドコントロールシステムの断面図の概略図を示している。
【図3】本発明の別の実施形態にしたがったウェブガイドコントロールシステムの平面図の概略図を示している。
【図4】本発明の別の実施形態にしたがったウェブガイドコントロールシステムの平面図の概略図を示している。
【図5】本発明の一実施形態にしたがったウェブガイド方法のフローチャートを示している。
【実施形態の詳細な説明】
【0013】
[0011]次に本発明の種々の実施形態を詳細に参照するが、この1つ以上の実施例は図面に図示されている。各実施例は、本発明を説明するために提供されており、本発明を制限する意図はない。例えば、一実施形態の一部として図示または説明されている特徴は、さらなる実施形態を生み出すために他の実施形態に対して、またはこれと共に使用可能である。本発明がこのような修正および変形を含むことが意図されている。
【0014】
[0012]図1は、本発明にしたがったウェブガイドコントロール10が具現化されているウェブ処理装置の一実施形態を示している。ウェブ処理装置はウェブ処理ユニット100を備えており、ここでウェブ140が供給される。さらに、ウェブ保存ユニット110が示されており、ここではウェブ140がコイル状にされている。ウェブ140は入口ポート120を介してウェブ処理ユニット100に入る。処理済みウェブ150は出口ポート130を介してウェブ処理ユニット100から外にガイドされる。とりわけ周囲圧力では、上記のような入口または出口ポート、あるいは他のユニットを使用しない設備もある。一般的に、ウェブ処理ユニット100は、シリアルウェブ処理のために、本発明にしたがった1つ、2つ、3つまたはこれ以上のウェブガイドコントロールを備えている。本出願で使用されている用語「ウェブ」の同義語はストリップや柔軟性基板などである。
【0015】
[0013]一般的に、ウェブは3次元の固体であり、この厚さは最大1mm、より一般的には1μm〜500μmの範囲であり、またこの幅は、10cm〜4.5m、より一般的には30cm〜3mである。一般的な実施形態では、ウェブの長さは10mより長い。一般的に、ウェブは、薄くて柔軟性のある材料の連続シートからなる。一般的なウェブ材料は、金属、プラスチック、紙などである。
【0016】
[0014]本発明の一実施形態によると、ウェブ140はウェブサプライからウェブ処理ユニット100に供給される。一般的に、ウェブサプライはウェブ保存ユニット110であり、ここでウェブはコイル状にされている。コイル上のウェブの一般的な長さは500m〜50kmの範囲である。他の実施形態では、ウェブサプライは、例えば、ウェブ処理ユニット100(図示せず)に供給されるためにウェブがセクションを出る出口ポートを具備するか具備しないセクションから連続している。一般的なガイド速度は0.1〜20メートル毎秒の範囲である。一般的に、ウェブ処理ユニット100においては、ウェブのクリーニング、コーティング、冷却、加熱または構築などの異なる処理ステップが実行される。
【0017】
[0015]ウェブ処理ユニット100においてウェブが処理された後、処理済みウェブ150は、出口ポート130でウェブ処理ユニット100を出る。一般的に、処理済みウェブ150は第2の処理ユニットに供給されたり、外にガイドされて保存されたりする。
【0018】
[0016]一般的に、本発明にしたがった1つ以上のウェブガイドコントロールを備えるウェブ処理装置が、種々の用途においてウェブをガイドするために使用可能である。このウェブ処理装置は、金属ウェブ、とりわけアルミニウムウェブ、および薄いプラスチックウェブなどの難しいウェブにとりわけ適している。この点で薄いウェブとは、1μm〜200μm、とりわけ30μm〜140μmの厚さを有するものと理解されるべきである。
【0019】
[0017]図2は、本発明のウェブガイドコントロール10の一実施形態の断面図を示している。ウェブガイドコントロール10は、対応するシャフト軸205を具備する第1のガイドローラ201と、対応するシャフト軸215を具備する第2のガイドローラ202とを備えている。ウェブ140は第1のガイドローラ201および第2のガイドローラ202を介してガイドされる。ウェブ140は未処理であるか、1つ以上の処理ステップをすでに経ていることもある。一般的に、第1のガイドローラ201は第2のガイドローラ202の上流に位置決めされている。本出願における用語「下流」および「上流」は、ウェブの移動方向に対して理解されるべきである。本発明のウェブガイドコントロール10は、ウェブ処理装置における具現化に制限されるわけではない。例えば、ウェブガイドコントロールは、移送が必要とされるプラントを製造する際にも具現化可能である。原則として、第2のガイドローラ202の下流にガイドローラ201を位置決めすることも可能である。
【0020】
[0018]本発明によると、両シャフト軸205と215間の距離は、両ガイドローラ201および202間を移動するウェブに作用する横方向の張力を補償するように調整可能である。補償を可能にするために、第2のガイドローラには、張力センサなどのウェブ張力測定ユニットが装備される。張力センサは、ピエゾ抵抗または圧電張力センサであってもよい。代替的に、このセンサには、張力を判断するためにホール素子やコンデンサが装備されてもよい。他の実施形態では、第1のガイドローラおよび第2のガイドローラの両方とも張力測定ユニットが装備されている。図面に示されている本発明の一実施形態によると、ウェブ張力測定ユニットは第2のガイドローラ202で囲まれている。一般的に、測定センサは、0〜400N/mの張力を測定するようになっている。一般的に、この距離は、第1のガイドローラ201の一方の側部に置かれた調整ユニットを使用して調整される。ローラの「側部」とは、ローラまたはこの軸の端部における、またはこれに近接する位置として理解されるべきである。本発明で使用されているガイドローラの一般的な直径は65mm〜300mmである。
【0021】
[0019]シングルローラシステムではなく、測定および調整に2ローラシステムを使用することの利点は、例えば、コントロールループによってもたらされる振動のより良好な取り扱いである。
【0022】
[0020]原則として、調整ユニットは、ウェブに作用する横方向の張力を回避するために必要なガイドローラの整列に適用されてもよい。一般的に、本発明のウェブガイドコントロール10は、ガイドローラ201および202における異なるコイリング強度を補償するのにとりわけ有用である。異なるコイリング強度は、ウェブの幅に沿った異なる厚さの、もっとも一般的な結果である。これは傾斜供給、ひいては、熱的な問題に付随する恐れのある、ガイドローラとウェブ間の様々な接触をもたらしうる。隣接するガイドローラの軸間の1m未満の、一般的により短い距離は、ウェブの適切な取り扱いについてより重要である。
【0023】
[0021]本発明の一部の実施形態では、第1のガイドローラ201および/または第2のガイドローラ202は冷却または加熱ローラである。代替的または付加的に、第1のガイドローラ201と第2のガイドローラ202との間、第1のガイドローラ201および第2のガイドローラ202の上流、または第1ガイドローラおよび第2のガイドローラの下流にさらなる冷却または加熱ガイドローラが位置決めされてもよい。クリーニングやコーティングなどの他の処理ステップが、第1のガイドローラの前、第1のガイドローラと第2のガイドローラの間、または第2のガイドローラの後で行われてもよい。
【0024】
[0022]図3は、本発明の一般的な実施形態の平面図を示している。横方向のウェブ張力の調整の一部を形成する本実施形態の異なる要素が図面に示されている。すなわち、第1のガイドローラ201における調整ユニット310、第2のガイドローラ202におけるウェブ張力測定ユニット300、および調整ユニット310に張力データを供給するための、両ガイドローラ201と202間のデータコネクション330。一般的に、第1のガイドローラ201は第2のガイドローラ202の上流に位置決めされる。
【0025】
[0023]データコネクション330は、測定ユニットから調整ユニット310に情報を送信するために使用される。データコネクション330は、調整ユニット310から外部インタフェースに情報を送信するためにも使用可能である。一般的に、このインタフェースは、調整ユニット310からのデータを処理するパーソナルコンピュータからなる。このインタフェースもまた、調整ユニット310をチューニングするために異なる要素を備えており、例えば、異なる電位差計、ダイアル、スイッチおよびディスプレイを使用するアナログフロントパネルからなってもよい。さらに、このインタフェースはまた、数字パッド、グラフィカルディスプレイ、テキストコマンドまたはグラフィカルユーザーインタフェースを含むディジタルデバイスからなってもよい。一般的に、これらのインタフェースすべては、コントローラ関数、システムの較正、周囲条件の補償、あるいは張力ユニット300または調整ユニット310からの波形の取得および記録などの異なる特徴を含む。
【0026】
[0024]異なるデバイスにデータコネクション330を接続するために、異なるポートタイプが使用される。一般的に、シリアル通信が使用される場合、ポートはRS232、RS422、RS485またはユニバーサルシリアルバス(USB)ポートである。一般的に、パラレル通信デバイスは、データコネクション330とコンピュータ間の通信が必要な場合に使用される。もっとも頻繁に使用されるパラレル通信デバイスはDB−25、Centronics36、SPP、EPPまたはECPパラレルポートである。データコネクション330は、調整ユニット310をトランジスタ・トランジスタ論理回路(TTL)やプログラマブル論理コントローラ(PLC)と互換性をもたせるために使用可能である。付加的に、データコネクション330は、調整ユニット310とネットワークを接続するために使用可能である。
【0027】
[0025]本発明の一実施形態によると、第2のガイドローラ202の両シャフト軸215および216に作用する張力は個別に取得される。取得されたデータは、第1のガイドローラ201において処理されて、調整ユニット310に送られる。調整ユニット310は、第1のガイドローラ201の一方の側部でシャフト軸の位置を調整する。これによって、第1のガイドローラのシャフト軸と第2のガイドローラのシャフト軸との間の距離が調整される。調整ユニット300は、第2のガイドローラ202の両側部のシャフト軸間で測定された張力を等しくするために操作される。しかしながら、第1のガイドローラ201(図示せず)の両側部のシャフト軸の位置を調整することも可能である。
【0028】
[0026]図4は、調整ユニットが回転シャフト軸420および変換要素411からなる本発明のウェブガイドコントロール10の別の実施形態の平面図を示している。ウェブ張力測定ユニット300は第2のガイドローラ202のベアリング431および432に置かれる。一般的に、変換要素411は、モータ、およびマシーンフレーム452に沿って変位可能な移動ベアリング415等のドライブ410を囲んでいる。シャフト軸206は、ドライブ410を囲む移動ベアリング415に取り付けられる。回転シャフト軸420は、マシーンフレーム451に対して回転自由度をもって取り付けられているシャフト軸205を囲んでいる。
【0029】
[0027]異なる種類のモータが、本発明の調整ユニットで使用可能である。第1のガイドローラ201において、2つのガイドローラ201および202のベアリング間の距離は一方の側部で調整可能である。こうするために、駆動エンジンが一般的に使用される。一般的に、調整用ドライブは、本発明にしたがった電気または油圧いずれかのモータである。第1のガイドローラ201の移動ベアリング415の位置は、第2のガイドローラ202における両張力測定センサが同一ローディングに面するように調整される。
【0030】
[0028]本発明の一般的な実施形態では、ウェブ張力測定ユニットはトランスデューサおよび歪みゲージからなる。一般的に、トランスデューサは、様々な張力に応答して伸長または圧縮するビームからなる。歪みゲージは、対応する電気抵抗の変化を測定する。一般的に、歪みゲージによって実行される測定は増幅されて、さらなる処理の電圧または電流に変換される。概して、ウェブ張力測定ユニットは、張力測定のさらなる処理のために、アナログまたはディジタルのフロントエンドを囲んでいる。一般的に、ウェブ張力測定ユニットは、第1および第2のガイドローラ間のウェブの移動方向の張力の測定を最大化するように整列される。一般的に、ウェブ張力測定ユニットは、異なるオプションを使用するガイドローラにおいて、つまり軸受(pillow blocks)間に、カンチレバーブラケットを使用して、フランジまたはクランプによる固定を使用して、スタッドを使用して、あるいはスルーホールにネジ切りされて搭載される。
【0031】
[0029]図5は、本発明の一実施形態にしたがったウェブガイドコントロールシステムの信号フローチャートを示しており、これは、横方向の張力測定のネガティブフィードバック500に基づいた閉ループコントローラを含んでいる。閉ループシステムは、コントローラ自体の出力である被コントロールシステムに供給されたフィードバック信号533およびコントロール信号532の先の値を使用することによって、セットポイント534の値に等しい被コントロールシステムの出力、例えばフィードバック信号533を維持する。フローチャートの主要要素は、本発明にしたがったウェブガイドコントロール10を構成するコントローラ501およびウェブガイドシステム502である。第2のガイドローラ202の両側部の張力差はフィードバック信号533である。一般的に、本発明のコントローラのセットポイント534は、ウェブに作用する横方向の張力に対応する張力差を補償するために中立(null)値を有する。したがって、本発明の一般的な実施形態では、コントローラの誤差531は、張力差測定値、つまりフィードバック信号533に正確に対応する。本発明の一般的な実施形態では、コントローラは、調整ユニット310を使用して誤差531のゼロからの偏差を補償する。一般的に、この誤差531の補償は、両ガイドローラ201および202の一方の側部のシャフト軸205および215の距離調整に変換する。したがって、コントロール信号532、例えばコントローラ出力は一般的に、両ガイドローラ201および202の一方の側部のシャフト軸間の距離に対応する。
【0032】
[0030]原則として、異なるコントロールアプローチがコントローラ501で具現化可能である。一般的に、比例・積分・微分(PID)コントロール、比例・積分(PI)コントロール、比例・微分(PD)コントロールおよび比例(P)コントロールから選択する線形コントロールアプローチがコントローラ501で具現化される。しかしながら、例えば適応利得、不感時間補償、ファジー論理、神経ネットワークまたはフィードフォワードコントロールなどの非線形コントロールアプローチを使用する他の高度コントロールも本発明の実施形態で具現化可能である。本出願で具現化されたコントローラは、トランジスタ・トランジスタ論理回路(TTL)との互換性を含むアナログまたはディジタルインタフェースであってもよい。一般的に、ディジタルインタフェースは、一定の固定期間Δt後に調整ユニットの値がリフレッシュされる離散的な方法で動作する。他の特殊な特徴は、セルフチューニング、信号算出またはフィルタリング、あるいはビルトインインジケーターなどの本発明のコントローラに見ることができる。
【0033】
[0031]本発明の実施形態にしたがったコントローラの機能の図示として、以下、離散PIDコントローラの具現化が説明される。所与のコントロールステップiのフィードバック信号は、両張力測定値T215とT216の差に対応する。一般的に、本発明に対応する実施形態について、コントローラは、ウェブに作用する横方向の力を補償すべきであるため、つまり第2のガイドローラ202の両側部の張力が等しくあるべきであるため、セットポイントはゼロに保たれる。したがって、所与の処理ステップiの誤差信号は、
=T215−T216
に対応する。PIDコントローラは、
i+1=D+K+K(E−Ei−1
を使用して出力値Di+1を算出する。ここで、第1の項はコントローラの積分部分に対応し、第2の項は比例部分に対応し、第3の項は微分部分に対応する。Kは比例バンドであり、Kは微分利得である。一般的に、ゼロ以外のDi+1−Dの値は、第1のガイドローラ201の一方の側部の位置の変動に対応する。本発明の他の実施形態では、これは、第1のガイドローラ201の調整ユニットにおいてドライブ410を操作する信号に対応する。
【0034】
[0032]ここに記された説明は実施例を使用して、最良の形態を含む本発明を開示し、当業者が本発明を為し、かつこれを使用できるようにする。本発明は種々の特定の実施形態に関して説明されてきたが、当業者は、本発明が、請求項の趣旨および範囲内の修正によって実践可能であることを認識するであろう。特に、上記実施形態の非制限的特徴は相互に組み合わせ可能である。本発明の特許可能な範囲は請求項によって定義されており、また当業者が想起する他の実施例を含んでもよい。このような他の実施例は、請求項の文言と違わない構造的要素を有する場合、あるいは請求項の文言とはわずかな差があるが等価的な構造的要素を含む場合に、特許請求の範囲内にあるとするものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブをガイドするためのウェブガイドコントロールであって、第1のガイドローラ(201)と第2のガイドローラ(202)とを有するウェブガイドコントロールであって、
前記第1のガイドローラが調整ユニット(310)を備え、
前記第2のガイドローラが張力測定ユニット(300)を備え、
前記ウェブガイドコントロールが、前記張力測定ユニットからの張力データによって前記調整ユニットをサポートするためのデータコネクション(330)を備えるウェブガイドコントロール。
【請求項2】
前記張力測定ユニット(300)が、前記第2のガイドローラ(202)の第1の側部に位置決めされた第1の張力センサを備える、請求項1に記載のウェブガイドコントロール。
【請求項3】
前記張力測定ユニット(310)が、前記第2のガイドローラ(202)の第2の側部に位置決めされた第2の張力センサを備える、請求項1に記載のウェブガイドコントロール。
【請求項4】
前記調整ユニット(310)が、前記第1のガイドローラの一方の側部に位置決めされた、前記第1のガイドローラを移動させるためのモータを備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のウェブガイドコントロール。
【請求項5】
前記調整ユニットが閉ループコントローラを使用してコントロールされ、前記張力データが可変フィードバック信号として使用される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のウェブガイドコントロール。
【請求項6】
前記閉ループがアナログエレクトロニクスを備える、請求項5に記載のウェブガイドコントロール。
【請求項7】
前記閉ループがディジタルエレクトロニクスを備える、請求項5に記載のウェブガイドコントロール。
【請求項8】
前記第1のガイドローラが、ウェブガイド方向に対して、前記第2のガイドローラの上流に位置決めされている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のウェブガイドコントロール。
【請求項9】
前記第1のガイドローラが、ウェブガイド方向に対して、前記第2のガイドローラの下流に位置決めされている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のウェブガイドコントロール。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の少なくとも1つのウェブガイドコントロールを有するウェブ処理装置。
【請求項11】
前記ウェブをコーティングするためのコーティングユニットをさらに備える、請求項10に記載のウェブ処理装置。
【請求項12】
第1のガイドローラの一方の側部を移動させることによって前記第1のガイドローラの位置を調整するステップと、
第2のガイドローラに作用する前記ウェブの張力を測定して、測定結果を受け取るステップと、
を備えており、
調整ステップが前記測定結果に基づく、ウェブガイド方法。
【請求項13】
前記測定ステップが、第2のガイドローラの第1の側部と、前記第2のガイドローラの第2の側部とで行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記調整ステップが、前記第1のガイドローラの一方の側部で行われる、請求項12〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記測定ステップが、ウェブガイド方向に対して、前記調整ステップの上流で行われる、請求項12〜14のいずれか一項に記載のウェブガイドコントロール。
【請求項16】
前記測定ステップが、ウェブガイド方向に対して、前記調整ステップの下流で行われる、請求項12〜14のいずれか一項に記載のウェブガイドコントロール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−520131(P2010−520131A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551934(P2009−551934)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/052438
【国際公開番号】WO2008/104593
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】