説明

ウエットブラスト装置

【課題】本発明は良好なウエットブラスト処理を可能とするウエットブラスト装置を提供するものである。
【解決手段】砥粒と液体とが混合されたスラリが導入されて一時貯溜されるスラリ貯溜室1の近傍にエア噴射部2が設けられ、このエア噴射部2から加圧されたエアが噴射されることにより前記スラリ貯溜室1から前記スラリが導出されて該スラリと前記エアが混合室3に送られ混合し、前記エアと前記スラリとが混合された噴射材4をスリット状の噴射部5から噴射するノズル体6を具備したウエットブラスト装置であって、前記エア噴射部2は前記混合室3に開口するエア噴射孔7を複数並設した多孔構造であり、前記各エア噴射孔7には前記エアを供給するエア供給部8が連設され、この各エア供給部8には、前記エアの供給を停止するエア供給制御機構が設けられているウエットブラスト装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエットブラスト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、砥粒と液体とが混合されたスラリを加圧エアにより加圧した所謂ウエットブラストを噴射口からワークに噴射し、該ウエットブラストによってワークにバリ処理等の加工や摩耗試験等の検査を施すウエットブラスト技術について種々の提案がなされており、このウエットブラストを良好に噴射する為のノズル体も種々提案されている。
【0003】
ところで、例えば、巾600mm等の大きなワークの表面をウエットブラスト技術によって均一に加工する為には、ノズル体の噴射口を巾600mm以上のスリット状としたウエットブラスト用のノズル体を用意し、該ノズル体に対してワークを移動させることで該ワークの表面全面を可及的に同時に加工する手段が採用される。
【0004】
しかし、このようなスリット状の噴射口からウエットブラストを均一な混合状態で噴射することは極めて厄介である。なぜなら、噴射口が巾広であればある程、スラリ中の砥粒の濃度が場所によって濃くなったり薄くなったりし易くなるからである。
【0005】
従って、巾200mm以上のようなスリット状の噴射口を有するノズル体では、該噴射口から噴射されるスラリ(砥粒と液体)とエアとを均一な混合状態とすることができず、ワークに加工ムラが発生してしまうことになり、精密な加工や検査が行えないという問題点があった。
【0006】
そこで、本出願人は、前述した問題点を解消すべく、特許第3540713号に開示されるノズル体を提案しており、このノズル体は、スラリ貯留室に貯留されるスラリが導出する導出通路を、小孔が並設される多孔構造に設け、また、このスラリをスラリ貯留室から導出するエアが通過するエア噴射通路を、小孔が並設される多孔構造に設けたものであり、この構成から、長尺スリット状の噴射口から噴射されるスラリ(砥粒と液体)とエアとを均一な混合状態とすることができ、非常に実用性に秀れて画期的である。
【0007】
【特許文献1】特許第3540713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者は、このエアとスラリとが混合された噴射材をスリット状の噴射部から噴射するノズル体を具備したウエットブラスト装置について更なる研究・開発を進め、その結果、従来に無い作用効果を発揮する画期的なウエットブラスト装置を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0010】
砥粒と液体とが混合されたスラリが導入されて一時貯溜されるスラリ貯溜室1の近傍にエア噴射部2が設けられ、このエア噴射部2から加圧されたエアが噴射されることにより前記スラリ貯溜室1から前記スラリが導出されて該スラリと前記エアが混合室3に送られ混合し、前記エアと前記スラリとが混合された噴射材4をスリット状の噴射部5から噴射するノズル体6を具備したウエットブラスト装置であって、前記エア噴射部2は前記混合室3に開口するエア噴射孔7を複数並設した多孔構造であり、前記各エア噴射孔7には前記エアを供給するエア供給部8が連設され、この各エア供給部8には、前記エアの供給を停止するエア供給制御機構が設けられていることを特徴とするウエットブラスト装置に係るものである。
【0011】
また、請求項1記載のウエットブラスト装置において、前記各エア供給路部8には前記エアの通過を阻止する弁部11が設けられて前記エア供給制御機構が構成されていることを特徴とするウエットブラスト装置に係るものである。
【0012】
また、請求項1,2いずれか1項に記載のウエットブラスト装置において、前記混合室3は、スリット状の前記噴射部5のスリット巾方向に長さを有するものであることを特徴とするウエットブラスト装置に係るものである。
【0013】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載のウエットブラスト装置において、前記スラリは、前記エア噴射部2からエアが噴射された際、前記スラリ貯留室1から所定長さを有するスラリ導出部12を介して導出される構成であり、前記スラリ導出部12は前記混合室3に開口するスラリ導出孔13を複数並設した多孔構造であることを特徴とするウエットブラスト装置に係るものである。
【0014】
また、請求項4記載のウエットブラスト装置において、前記各エア噴射孔7と前記各スラリ導出孔13とは対応する位置関係に設けられていることを特徴とするウエットブラスト装置に係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上述のように構成したから、スリット状の噴射部の全域から噴射材を所定の噴射圧で噴射することのみならず、部分的に所定の噴射圧で噴射することが可能となり、よって、例えばワークの大きさ(巾)に応じて噴射材の噴射巾を可変することができ、無駄の無い効率の良い加工が行えることになり、しかも、噴射材をワーク表面に対して部分的に噴射することで任意の加工(例えばワーク表面の性質を変える加工や、ワーク表面に柄を形成する加工などの種々の加工)が行えることになるなど従来にない作用効果を発揮する画期的なウエットブラスト装置となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて簡単に説明する。
【0017】
エア噴射部2から加圧されたエアが噴射されると、スラリ貯溜室1からスラリが導出されて該スラリとエアが混合室3に送られ混合し、このエアとスラリとが混合された噴射材4はスリット状の噴射部5から噴射される。
【0018】
エア噴射部2は混合室3に開口するエア噴射孔7を複数並設した多孔構造であり、この構成から、エアとスラリとが混合されて噴射される噴射材4は良好にワークに噴射される。
【0019】
具体的には、エア噴射部2に設けた各エア噴射孔7がオリフィスの役割を果たし、更に、エア噴射部2から噴射されるエアは整流状態で噴射されることになり、乱流状態で噴射する場合と比較すると、該エアの圧力のわりに該エアの流速が速く且つ一定になり、従って、この構造のノズル体6は、エアのエネルギー損失が極めて少なく(エアの圧力と噴射材4の流速とを比較した場合、噴射材4の流速が著しく低くなったりしない)、よって、エアとスラリとが混合されて噴射される噴射材4は良好にワークに噴射され、良好な加工が行われることになる。
【0020】
また、本発明は、各エア噴射孔7にエアを供給するエア供給部8が連設され、このエア供給部8には、前記エアの供給を停止するエア供給制御機構が設けられているから、従来では不可能であった良好な加工が行えることになる。
【0021】
即ち、スリット状の噴射部の巾よりもワークの巾が狭い場合、従来においてはワークに噴射されない噴射材の無駄や、必要以上に電力が使用され、エネルギー損失などの問題点が生じていた(ワークの巾に応じて異なる巾の噴射部を有するノズル体を複数用意していたのではコスト高となってしまう。)。
【0022】
この点、本発明は、前述した構成から、一のエア噴射孔7のエア供給部8のエア供給を停止すると、スラリは加速されず加工力が得られない為、任意の部分において加工力を得ることが可能となる。
【0023】
従って、常にスリット状の噴射部5の全域から噴射材4を所定の噴射圧で噴射することのみならず、部分的に所定の噴射圧で噴射することが可能となり、よって、ワークの大きさ(巾)に応じて噴射材4の噴射巾を可変することができ、無駄の無い効率の良い加工が行えることになる。
【0024】
また、本発明は、噴射材4をワーク表面に対して部分的に噴射することで任意の加工、例えばワーク表面の性質を変える加工や、ワーク表面に柄(グラデーション模様など)を形成する加工などの種々の加工が行えることになる。
【0025】
また、本発明は、従来からマスクを使用しながら行っていた加工を適宜噴射材4の噴射部位を可変することでマスク無しでも行うことができる。
【実施例】
【0026】
本発明の具体的な一実施例について図面に基づいて説明する。
【0027】
本実施例は、砥粒と液体とが混合されたスラリが導入されて一時貯溜されるスラリ貯溜室1の近傍にエア噴射部2が設けられ、このエア噴射部2から加圧されたエアが噴射されることにより前記スラリ貯溜室1から前記スラリが導出されて該スラリと前記エアが混合室3に送られ混合し、前記エアと前記スラリとが混合された噴射材4をスリット状の噴射部5から噴射するノズル体6を具備したウエットブラスト装置である。
【0028】
具体的には、本実施例は、図1に図示したようにワークを収納する処理本体21の下方位置に配設されるスラリ貯溜部22と、このスラリ貯溜部22からポンプ装置23を介して処理本体21内へスラリを搬送するスラリ搬送部24と、処理本体21内に配設され、スラリ搬送部24で搬送されたスラリを噴射するスラリ噴射部としてのノズル体6とで構成されており、このノズル体6から噴射されたスラリが処理本体21の下方のスラリ貯溜部22へ貯留されて再利用される構成である。
【0029】
ノズル体6は、図1〜4に図示したように巾方向に長く前後方向に短い長尺部材14と、この長尺部材14の下部に垂設状態で連設され巾方向に長く肉薄の長尺の板状部材15と、長尺部材14の上部に被嵌状態に連設されるブロック状の被嵌部材16(前体16A及び後体16B)とから構成されている。尚、長尺部材14,板状部材15及び被嵌部材16は、可及的に寸法変形しない素材、例えば、金属材により形成されている。
【0030】
図4に図示したように長尺部材14の下部と板状部材15の上部との間には混合室1が設けられ、この長尺部材14の下部にはこの混合室1に開口するエア噴射孔7(丸孔部)を並設して成るエア噴射部2が設けられている。
【0031】
このエア噴射孔7は、図3,4,5に図示したように長尺部材14に設けた貫通孔14aと連設され、この長尺部材14は被嵌部材16(後体16B)に設けた貫通孔16aと連結されている。
【0032】
長尺部材14の貫通孔14aは、該長尺部材14の長さ方向に複数(8本)並設されており、一端が前記エア噴射孔7と連結し、他端が長尺部材14の一側面に開口するように設けられている。
【0033】
被嵌部材16の貫通孔16aは、前述した長尺部材14の一側面に開口する各貫通孔14aに一端が連設するように複数(8本)設けられており、この各貫通孔16aの他端は被嵌部材16の上面に開口するように設けられている。
【0034】
この貫通孔14a,貫通孔16aは、エア供給部8の構成部分であり、(貫通孔14a,貫通孔16a,エア供給路10aによりエア供給部8が構成される。)各貫通孔16aには、エア供給源10から延設され8経路に分岐するエア供給路10aが連設されている。
【0035】
また、各エア供給部8、具体的には、各エア供給路10aには、エアの通過を阻止する弁部11(電磁弁)が設けられており、この各弁部11はコンピュータ(図示省略)により作動制御されている。
【0036】
従って、このエア供給制御機構により、エアを噴射する各エア噴射孔7を制御することで、即ち、エアの供給を弁部11を閉じることで停止すると、その停止したエア噴射孔7に対応するスラリ導出孔13からのスラリの導出は抑制され、スラリの作用は発揮されず(スラリは加速されない為、加工力は得られない。)、よって、スリット状の噴射部5から所定の噴射圧の噴射材4を任意の位置から任意の巾で噴射することができる。
【0037】
即ち、図5は8本のエア噴射孔7のうち、3本のエア噴射孔7にのみエアを供給し、このエアが噴射されたエア噴射孔7と直線状に位置する噴射部5の部位から所定の噴射圧にて噴射材4を噴射させた場合であるが、エアを噴射させるエア噴射孔7の位置及び数は任意に設定可能であり、よって、噴射部5から所定の噴射圧の噴射材4を任意の位置から任意の巾で噴射させることができる。
【0038】
尚、エア供給路10a夫々に独立したエア供給源10を設けても良く、任意の数のエア噴射孔7から噴射させるエアの圧力を可変し、噴射部5から噴射させる噴射材4の噴射圧を部位によって異ならせるようにしても良い。
【0039】
また、長尺部材14の下部には混合室3に開口するスラリ噴射孔13を並設して成るスラリ導出部12が設けられている。
【0040】
具体的には、このスラリ導出部12は、図4に図示したように長尺部材14に貫通状態に設けたスラリ導出孔13で構成されている。
【0041】
このスラリ導出孔13は、該長尺部材14の長さ方向に複数(8本)並設されており、一端が長尺部材14の下部に設けた混合室3に開口し他端が長尺部材14の他側面に開口する状態で並設されている。
【0042】
従って、スラリ導出部12は、後述するスリット状の噴射部5のスリット巾方向に長さを有しており、このスラリ導出部12の長さ方向にスラリ導出孔13が並設された構造となる。
【0043】
また、この各スラリ導出孔13は前記各エア噴射孔7と一対一に対応する位置関係に設定されている。即ち、平面視において貫通孔14a,エア噴射孔7,スラリ導出孔13は同一垂直平面上に設けられている。
【0044】
また、このスラリ導出孔13における長尺部材14の他側面に開口する開口部は、スラリ貯留室1に連設される。
【0045】
このスラリ貯留室1は、図4,6に図示したように被嵌部材16(前体16A)の内部に設けられており、このスラリ貯留室1の上部には前述したスラリ搬送部24が接続されスラリを導入するスラリ導入部17が被嵌部材16の上面に開口状態に設けられ、また、スラリ貯留室1の側部には該スラリ貯留室1からスラリを導出するスリット状のスラリ導出通路18が被嵌部材16の内壁面に開口状態に設けられている。
【0046】
このスラリ導出通路18は、図4に図示したように長尺部材14に被嵌部材16を被嵌した際、長尺部材14に設けた各スラリ導出孔13に連通状態となるように構成されている。
【0047】
本実施例では、前述したエア噴射部2における各エア噴射孔7の混合室3側開口部は、前述したスラリ導出部12における各スラリ導出孔13の混合室3側開口部よりも下方に位置するように設定されている。
【0048】
この構成によりエア噴射孔7から混合室3へエアが供給されると、該エアの下方への通過移動により、エア噴射部2の混合室3側開口部とスラリ導出部12の混合室3側開口部の間が負圧となり、よって、該スラリ導出部12の混合室3側開口部からスラリが吸引されて混合室3内に導出され、該混合室3内にて該スラリと前記エアとが混合されることになる。
【0049】
板状部材15は、内部に前記混合室3と連通するスリット状の通過経路15aが設けられ、この通過経路15aの下部は開口され、この開口が前記スリット状の噴射部5に設定されている。
【0050】
また、本実施例は、上記各構成の内、スラリの通過する経路には図示省略のウレタン樹脂製の保護層が被覆されている。この保護層は、スラリ(特に砥粒)により該スラリの通過する経路が研磨されてしまうことを防止するものであり、この保護層の存在により、ノズル体の寿命が数倍に延びることが確認されている。
【0051】
また、このウレタン樹脂は、前記長尺部材,板状部材及び被嵌部材の各部材同志が当接する部位にもシール部材として設けられている。
【0052】
また、エアのみが通過する経路には、可及的にウレタン樹脂を設けない構成が採用されている。これは、ウレタン樹脂は表面摩擦抵抗が大きい為、ウレタン樹脂が存在すると、このウレタン樹脂と加圧エアとの接触により該加圧エアの圧力を損じてしまうからである。
【0053】
本実施例は上述のように構成したから、エア噴射部2には各エア噴射孔7にエアを供給するエア供給部8が連設され、このエア供給部8は、前記エアの供給を停止し得るエア供給制御機構を有しており、この構成から、一のエア噴射孔7のエア供給部8のエアの供給を停止すると、このエア噴射孔7に対応するスラリ導出孔13から導出されるスラリは加速されず加工力が得られず、よって、スリット状の噴射部5の任意の部分において所定の加工力を得ることが可能となる。従って、常にスリット状の噴射部5の全域から噴射材4を所定の噴射圧で噴射する加工のみならず、部分的に所定の噴射圧で噴射することが可能となり、よって、ワークの大きさ(巾)に応じて噴射部5から噴射する噴射材4の噴射巾を可変することができ、無駄の無い効率の良い加工が行えることになる。
【0054】
また、本実施例は、噴射材4をワーク表面に対して部分的に噴射することで任意の加工、例えばワーク表面の性質を変える加工や、ワーク表面に柄(グラデーション模様など)を形成する加工などの種々の加工が行えることになる。
【0055】
また、本実施例は、従来からマスクを使用しながら行っていた加工を適宜噴射材4の噴射部位を可変することでマスク無しでも行うことができる。
【0056】
また、本実施例は、エア供給源10から分岐するエア供給路10aを混合室3に先端部が開口するエア噴射孔7夫々の基端部に接続して成る構成であり、この各エア供給路10aにエアの通過を阻止する弁部11を設けてエア供給制御機構を構成したから、各エア噴射孔7を制御し得ることで任意の加工が良好に行えることになる。
【0057】
また、本実施例は、エア噴射部2はスリット状の噴射部5のスリット長さ方向に長さを有するものであり、エア噴射部2の長さ方向にエア噴射孔7が複数並設されているから、特許第3540713号に開示されるように、噴射部5からスラリ(砥粒及び液体)とエアとを均一な混合状態で噴射することができることになる。
【0058】
また、本実施例は、エア噴射部2からエアが噴射された際、スラリ貯留室1から所定長さを有するスラリ導出部12を介してスラリが導出する構成であり、スラリ導出部12は混合室3に開口するスラリ導出孔13を複数並設した多孔構造であるから、特許第3540713号に開示されるように、噴射部5からスラリ(砥粒及び液体)とエアとを均一な混合状態で噴射することができることになる。
【0059】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施例の使用状態を示す概略説明図である。
【図2】本実施例の斜視図である。
【図3】本実施例の後体及び長尺部材の要部を断面にした説明分解斜視図である。
【図4】本実施例の側断面図である。
【図5】本実施例の使用状態を示す図4中のA−A断面図である。
【図6】本実施例の要部を示す図4中のB−B断面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 スラリ貯留室
2 エア噴射部
3 混合室
4 噴射材
5 噴射部
6 ノズル体
7 エア噴射孔
8 エア供給部
11 弁部
12 スラリ導出部
13 スラリ導出孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
砥粒と液体とが混合されたスラリが導入されて一時貯溜されるスラリ貯溜室の近傍にエア噴射部が設けられ、このエア噴射部から加圧されたエアが噴射されることにより前記スラリ貯溜室から前記スラリが導出されて該スラリと前記エアが混合室に送られ混合し、前記エアと前記スラリとが混合された噴射材をスリット状の噴射部から噴射するノズル体を具備したウエットブラスト装置であって、前記エア噴射部は前記混合室に開口するエア噴射孔を複数並設した多孔構造であり、前記各エア噴射孔には前記エアを供給するエア供給部が連設され、この各エア供給部には、前記エアの供給を停止するエア供給制御機構が設けられていることを特徴とするウエットブラスト装置。
【請求項2】
請求項1記載のウエットブラスト装置において、前記各エア供給路部には前記エアの通過を阻止する弁部が設けられて前記エア供給制御機構が構成されていることを特徴とするウエットブラスト装置。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載のウエットブラスト装置において、前記混合室は、スリット状の前記噴射部のスリット巾方向に長さを有するものであることを特徴とするウエットブラスト装置。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項に記載のウエットブラスト装置において、前記スラリは、前記エア噴射部からエアが噴射された際、前記スラリ貯留室から所定長さを有するスラリ導出部を介して導出される構成であり、前記スラリ導出部は前記混合室に開口するスラリ導出孔を複数並設した多孔構造であることを特徴とするウエットブラスト装置。
【請求項5】
請求項4記載のウエットブラスト装置において、前記各エア噴射孔と前記各スラリ導出孔とは対応する位置関係に設けられていることを特徴とするウエットブラスト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−166209(P2009−166209A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−9500(P2008−9500)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(591205732)マコー株式会社 (12)