説明

エアシャワ装置

【課題】清浄度を維持するために、塵埃漏れの少ないエアシャワ装置を提供する。
【解決手段】第1の側面部筐体には、送風装置からの空気を浄化するためのエアフィルタと、該エアフィルタを支持するエアフィルタ1次側チャンバおよびエアフィルタを囲むように設けられたエアフィルタ2次側チャンバとで構成された機密封じのフイルタ構造体と、該機密封じのフイルタ構造体の前記エアフィルタ2次側チャンバにエアジェットノズルを多数個分散して形成されたジェットパネルとを有し、送風装置からの加圧空気を前記エアフィルタ1次側チャンバと、エアフィルタおよびエアフィルタ2次側チャンバを通過してエアジェットノズルから送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアシャワ装置に関し、特に、半導体及び精密機械等の製造、または食品製造・加工を行なうクリーンルーム又は作業室の出入り口や通路に設置され、クリーンルーム及び作業室への塵埃の流入を防止するエアシャワ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体及び精密機械等の製造、食品製造・加工を行なうクリーンルーム又は作業室の出入り口にクリーンルーム等に塵埃や菌を持ち込まないようにエアシャワ装置が設置され、入退室者に高速のエアジェット気流を吹き付けて衣類や頭部からの塵埃、頭髪等の付着物を吹き落としてから作業をさせている。
【0003】
このエアシャワ装置において、エアジェット気流によりシャワ室内に舞い上がった塵埃を速やかに排除するために循環気流を形成させているものと、低価格化を優先し循環気流の形成がないものとが存在する。
【0004】
循環気流を形成させているタイプのものは、例えば、図9で示すように本体ケース901、902および天井ケース903で構成され、本体ケース901には、送風装置であるエアブロワ904とエアを浄化(除塵)するエアフイルタ905が設けられている。この本体ケース901内は、エアブロワ904でエアジエットを発生し、流路ダクト(矢印で示すエアの通路)を介してエアシャワの噴出し口からエアを噴出すように構成されている。このような従来のエアシャワ装置では、本体ケース901内は、正圧となるため、流路ダクト等の接合部からエアの漏れ(リーク)が発生する。従って、流路ダクト等の接合部からのエアの漏れを防ぐため接合部をシールすることでエアの漏れを防いでいるが、本体ケース901は、極めて大きい、例えば、高さH200cm×幅W20cm×奥行きD100cmの大きさのためシール作業長が長く、作業が大変であり、また、シールしたとしても漏れる心配があった。更に、本体ケース902を本体ケース901と同様の構成とした場合、シール作業長が2倍となり、作業も2倍になる等の問題があった。
【0005】
また、かかるエアシャワ装置は、従来、門型に完成させた状態で出荷することが通常行われており、そのため、容積が大きくなり、現地での据付けのための発送コストが高くなるという問題点があった。上記のような問題点を解消するため、従来、エアシャワ装置を複数のケース体に分解し、すなわち、各ケース単体の分解状態で出荷することも行われていた。
【0006】
例えば特許文献1は、3体の分離可能な3のケース(筐体)を門型に組み立て、シャワ室となる空間を形成し、その内部に設けたエアブロワからのエアを筐体に形成した流通ダクトを通してシャワ室内に噴出するエアシャワ装置において、天井ケース(筐体)の一部に流路ダクトから流体的に独立した部屋を設け、この部屋内に貫通孔を形成し、貫通孔を介して連結ボルトで連結して組み立てた構成が開示されている。
【0007】
上記によれば、筐体を複数に分離可能で、連結部分の気密性を向上させ、現地での組立据付けを簡易可能としている。
【0008】
また特許文献2においては、フィルタとファンを備える機械室と、これに連接されるシャワ室とを備え、前記機械室内で清浄化された清浄空気を前記シャワ室内に吹き出すようにしたエアシャワ装置であって、前記機械室のケーシングを、前記シャワ室側が開口する複数のケーシングユニットに分割し、前記フィルタと圧力室形成部材の収容部を少なくとも2分割されたケーシングユニットで構成し、これらケーシングユニットを端部の折り曲げフランジを介して連結するようにした。
【0009】
上記によれば、塗装作業や組み付け作業に大きなスペースを要することなく、また、組み立て前の搬送や、組み立てに際して、作業性がよく、しかも軽量化を達成できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−62413号公報
【特許文献2】特開2003−254572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上説明したように、従来のエアシャワ装置では、側面部筐体内が正圧となり、流路ダクト等の接合部からエアの漏れ(リーク)が発生する。従って、リークを防ぐ為に接合部をシールすることにより漏れを防いでいるが、側面部筐体は、極めて大きいためシール作業長が長く、作業が大変であり、また、シールしたとしても漏れの可能性が高いものであった。
【0012】
そこで、本発明の第1の目的は、流路ダクト等の接合部からのエアの漏れを極力少なくしたエアシャワ装置を提供することにある。
【0013】
本発明の第2の目的は、複数のケース体に分解し、出荷すると共に、組み立て容易なエアシャワ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための本発明の第1のエアシャワ装置は、第1と第2の側面部筐体と、前記第1と第2の側面部筐体と組み合わされた天井部筐体により囲まれ、シャワ室となる空間を門型に形成し、少なくとも前記第1の側面部筐体内部に設けた送風装置からの空気を前記第1の側面部筐体に形成した開口部から前記シャワ室内に供給するエアシャワ装置において、前記第1の側面部筐体には、前記送風装置からの空気を浄化するためのエアフィルタと、該エアフィルタを支持するエアフィルタ1次側チャンバおよび前記エアフィルタを囲むように設けられたエアフィルタ2次側チャンバとで構成された機密封じのフイルタ構造体と、該機密封じのフイルタ構造体の前記エアフィルタ2次側チャンバにエアジェットノズルを多数個分散して形成されたジェットパネルとを有し、前記送風装置からの加圧空気を前記エアフィルタ1次側チャンバと、前記エアフィルタおよび前記エアフィルタ2次側チャンバを通過して前記エアジェットノズルから送出する構成とした。
【0015】
本発明の第2のエアシャワ装置は、第1のエアシャワ装置において、更に、前記機密封じのフイルタ構造体の上部には、圧力遮蔽用仕切り板が設けられていること構成とした。
【0016】
本発明の第3のエアシャワ装置は、第1または第2のエアシャワ装置において、前記天井部筐体にエアカーテン用のファンが設けられている構成とした。
【0017】
本発明の第4のエアシャワ装置は、第1から第3のいずれかのエアシャワ装置において、前記天井部筐体の少なくとも三隅には、前記第1と第2の側面部筐体と嵌合する接続部を有し、前記第1と第2の側面部筐体の前記天井部筐体の前記接続部に対応する部分に前記天井部筐体と嵌合する接続部を有する構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のエアシャワ装置の一実施例の分解構成図を示す。
【図2】本発明のエアシャワ装置の側面部筐体の一実施例の分解構成図を示す。
【図3】本発明の側面部筐体の組み立て途中の一実施例を示す図である。
【図4】本発明の側面部筐体の組み立て後の一実施例を示す図である。
【図5】本発明のエアシャワ装置の正面の断面構成の一実施例を示す図である。
【図6】本発明のエアシャワ装置の正面の断面構成の他の一実施例を示す図である。
【図7】本発明のエアシャワ装置の他の一実施例を示す図である。
【図8】本発明のエアシャワ装置の更に他の一実施例示す図である。
【図9】従来のエアシャワ装置の一例の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態のエアシャワ装置について図を用いて説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は本発明のエアシャワ装置の一実施例の分解構成図を示す。図1に示すように、本実施例のエアシャワ装置は、第1の側面部筐体102と、第2の側面部筐体103と、天井部筐体101と、人がエアシャワ装置に入室するための入り口扉104と、人がエアシャワ装置から退室するための出口扉105とを取り付け可能な構成である。なお、入り口扉と、出口扉とは、必須の構成ではなく、入り口扉と、出口扉が存在しない簡潔なドアなしタイプのエアシャワ装置も存在する。
【0021】
本実施例のエアシャワ装置は、側面部筐体102と、側面部筐体103と、天井部筐体101とで門型に形成し、さらに入り口扉104と、人がエアシャワ装置から退室するための出口扉105とを設け、エアシャワ室内を形成する。
【0022】
図5は、図1に示すエアシャワ装置の正面の断面構成の概略図を示す。なお、入り口扉104は、省略してある。図5において、第1の側面部筐体102と、天井部筐体101および第2の側面部筐体103は、その筺体内部にエア(空気)が流路する流路ダクトが形成され、これにより、上記複数筐体102、101、103が門形に組み立てられて据付た状態で、図中に矢印で示すようなエアの流れを生じる。
また、第1の側面部筐体102内には、例えば、送風装置であるファンモータ18やエアを浄化(除塵)するエアフィルタ12等が設けられており、かかる構成によりエアは、加圧され、上記エアシャワ装置の筐体内に送風されると共に、第1の側面部筐体102、天井部筐体101および第2の側面部筐体103にそれぞれ設けられた複数の開口部からシャワ室内に向けてエアが噴出されることとなる。
また、第1の側面部筐体102内には、圧力遮蔽用仕切板15、エアフィルタ一次側チャンバ11、エアフィルタ12およびエアフィルタ二次側チャンバ13が設けられている。なお、501は、エアシャワ装置内を照明する照明装置、502は、例えば、エアシャワ装置内を除湿する除湿機あるいはクーラー装置である。なお、図5では、第2の側面部筐体103は、流路ダクトが形成され、ファンモータ18からのエアが矢印で示すように流れる場合のエアシャワ装置が示されている。しかしながら第1の側面部筐体102と同様に、送風装置であるファンモータやエアフィルタを設けた構成とすることもできることは言うまでもない。
【0023】
次に、本発明の特徴である第1の側面部筐体102の構成について図2を用いて更に詳しく説明する。図2は、本実施例の第1の側面部筐体102の分解した構成の一実施例を示す。図2では、第1の側面部筐体102の構成を示しているが、第2の側面部筐体103の構成も同様の構成とすることができる。
【0024】
さて、図2を用いて、第1の側面部筐体102の組み立てと、構造について詳細に説明する。図2に示すように、本実施例の第1の側面部筐体102は、空気を清浄化するエアフィルタ12と、エアフィルタ12を支持するエアフイルタ1次側チャンバ11と、エアフイルタ2次側チャンバ13と、エアジェットノズル204を多数個分散して形成されたエアジェットパネル14と、圧力遮蔽用仕切り板15(後述する)が順次組み立てられた、所謂、機密封じのフイルタ構造体を構成している。そして、この機密封じのフイルタ構造体は、第1の側面部筐体102の空間201に収納される。また、第1の側面部筐体102の空間203には、防塵部材16と、配電盤171が設けられた配電パネル17が収納される。更に、第1の側面部筐体102の空間202には、送風装置であるファンモータ18と、空気を吸引する吸気孔19とが取り付けられる構成である。
次に、先に説明した機密封じのフイルタ構造体の組み立て手順について、更に、詳細に図2と図5を用いて説明する。まず、フイルタ一次側チャンバ11にエアフィルタ12を密着させる。このフイルタ一次側チャンバ11は、エアフィルタ12を取付ける部分以外は、密封容器を構成している。従って、ファンモータ18からの加圧エアは、全てエアフィルタ12に送られる。
続いて、フイルタ二次側チャンバ13がエアフィルタ12を囲むようにエアフィルタ12に被せ、フイルタ一次側チャンバ11とフイルタ二次側チャンバ13とを、例えば、ネジ止め等で機密封止する。このフイルタ二次側チャンバ13は、フイルタ一次側チャンバ11からの加圧エアが全てエアフィルタ12を通過するように密封容器を構成している。
なお、フイルタ二次側チャンバ13の前面上部503(図5に示す。)は、開放され、エアフィルタ12で浄化されたエアは、天井部筐体101および第2の側面部筐体103に矢印のように供給される。図3は、第1の側面部筐体102の空間201にフイルタ一次側チャンバ11、エアフィルタ12およびフイルタ二次側チャンバ13を取付けた状態を示す図である。
次に、フイルタ一次側チャンバ11とフイルタ二次側チャンバ13の上部に圧力遮蔽用仕切板15を密着して取り付け、フイルタ一次側チャンバ11とフイルタ二次側チャンバ13との接続部分からのエアが流路ダクトに漏れないようにしている。更に、ジェットパネル14を上記フイルタ構造体に取り付け、第1の側面部筐体102の空間201に上記フイルタ構造体の装着を完了する。図4は、第1の側面部筐体102の完成図を示す。
このように構成すると、フイルタ一次側チャンバ11には、ファンモータ18からエアが開口部205を介してフイルタ一次側チャンバ11内に供給される。フイルタ一次側チャンバ11に供給されたエアは、全てエアフィルタ12で浄化され、フイルタ二次側チャンバ13に供給される。結果としてフイルタ二次側チャンバ13に供給されるエアは、図5の矢印で示すように第1の側面部筐体102、天井部筐体101および第2の側面部筐体103の流路ダクトを経由してシャワ室に供給される。一方、シャワ室で汚れた空気は、吸気孔19を介してファンモータ18に戻り、このエアは、再度、上記フイルタ構造体に送られる。この動作が繰り返される。
これによってフイルタ一次側チャンバ11とエアフィルタ12およびフイルタ二次側チャンバ13内を正圧とし、流路ダクト内の大半を負圧とすることができるので、従来のエアシャワ装置のようにエアシャワ装置の筐体の大部分をシールする必要がなく、エアシャワ装置の組み立ての作業性が飛躍的に向上する。
【0025】
ファンモータ18は、第1の側面部筐体102内部にエアジェット気流を形成する。形成されたエアジェット気流は、エアジェットノズル204によりシャワ室に吹き出される。シャワ室の汚れたエアは、吸気孔19から吸い込まれ、ファンモータ18によりエアジェット気流を生成し、エアフィルタ12で清浄化して塵埃を捕集したクリーンな空気とする。
【0026】
エアジェットノズル204から噴出すエアは、約13Hzから15Hzの振動でクリーンルーム内へと吹き出される。エアジェットノズルから吹き出される空気は、フラットなエアよりも強弱の振動を起こし吹き出された空気の方がクリーンルーム内の清浄化を促進する。
【0027】
防塵部材16は、側面部筐体102の天井部に位置し、機密封じのフイルタ構造体からのエアジェット気流を運ぶ流通ダクトを形成すると共に、エアジェット気流が筐体外へと漏れないようにされている。配電盤171が設けられた配電パネル17は、ビス止め等によって取り付け、取り外し自在に設けられている。このように、吸気孔19によって空気を取り込み、エアジェットノズルによって空気がエアシャワ室外へ流れ出し、クリーンルーム内への塵埃流入を防止する。
【0028】
なお、本実施例では、給気口は室内側給気口のみを設けたが、室外側吸込み口を設け、バイオ関係の実験室のように、クリーンルーム内から外部への菌等の漏洩を防止する目的の場合、出口側扉105の開放時に、室外側吸込み口を開放し、ファンモータ18を動作させ、クリーンルーム内の空気を浄化するような構成としてもよい。
このように構成すれば、エアシャワ室内からクリーンルーム内へ気流が流れ出したとしても、エアジェット気流はエアフィルタ12により塵埃を捕集したクリーンな空気であり、クリーンルーム内に流れ出しても、クリーンルームの清浄度は維持できる。
【0029】
次に、上述した機密封じのフイルタ構造体を第1の側面部筐体102内に形成することによって従来のように流路ダクト等の接合部からのエアの漏れを防ぐための接合部のシール作業を低減できる理由を詳細に説明する。まず、フイルタ一次側チャンバ11とエアフィルタ12を囲むフイルタ二次側チャンバ13の上部に圧力遮蔽用仕切り板15を設けたことで、ファンモータ18により加圧されエアフィルタ12を通過していない空気、所謂、浄化されない空気がフイルタ一次側チャンバ11とフイルタ二次側チャンバ13の繋ぎ目部分から漏れることを防止できる。また、エアフィルタ12を囲むフイルタ二次側チャンバ13を設けることによって、この空間が密閉状態となり、ファンモータ18により加圧された空気が確実にエアフィルタ12を通り、清浄空気となる。これによって、空気が清浄化されずに残った塵埃が継ぎ目等から外へと漏れる可能性を大幅に防止することができる。また、従来においては、この部分には、シール作業によって、空気が清浄化されずに残った塵埃が外へと漏れることを防いでいたので、その作業時間と労力を費やしていたが本実施例によれば、作業時間を大幅に減らすことが可能となる。
【実施例2】
【0030】
次に、本発明の他の一実施例を図6を用いて説明する。図6は、本発明のエアシャワ装置の第2の実施例を示す。図6は、天井筐体101の内部にエアカーテン用のファン20を有するエアシャワ装置である。なお、図5と同様の構成部分については、同じ符号が付されており、説明を省略する。
【0031】
本実施例では、第1の実施例と比較して、圧力遮蔽用仕切板15は有しないが、図5に示すエアフィルタ2次側チャンバ13とは、異なったエアフィルタ2次側チャンバ601を有している構造である。即ち、このような構成のエアシャワ装置は、天井部筐体101および第2の側面部筐体103、フイルタ一次側チャンバ11とエアフィルタ12を囲むフイルタ二次側チャンバ601により機密構造となり、結果として、エアフィルタ12で浄化されない空気が側面部筐体102に漏れてしまうのを防止することができる。また、シール作業は、大変作業時間と手間がかかるが、本実施例によれば、簡単な構成で、外への塵埃の漏れを防止することが可能となる。
【0032】
このような構成により、天井にエアカーテン用のファンを有するエアシャワ装置の機種と、エアカーテン用のファンを有しない機種は同一の第1の側面部筐体102または第2の側面部筐体103を使用することが出来、側面部筐体内を正圧にしない為のフィルタ2次側チャンバの形状を若干変更することによって、図5に示す構成のエアシャワ装置か、図6に示す構成のエアシャワ装置とすることができる。よって、側面部筐体の共用化を図ることが可能となるので、エアシャワ装置の低コスト化が図れる。
【実施例3】
【0033】
図7は本発明の第3の実施例を示す。図7は、天井筐体101及び側面部筐体102および側面部筐体103との接続部を示している。天井筐体101の四隅には、それぞれ嵌合穴701−1、701−2、701−3、701−4(以下、接続部ともいう。)を有する補強部材702−1、702−2、702−3、702−4を有している。一方、側面部筐体102および側面部筐体103には、凸形状の突起部703−1、703−2、703−3、703−4(以下、接続部ともいう。)
天井筐体101と側面部筐体102および側面部筐体103とを組み立て時においては、天井筐体101の嵌合穴701−1、701−2、701−3、701−4と側面部筐体102および側面部筐体103の突起部703−1、703−2、703−3、703−4がそれぞれ嵌合し、天井筐体101、側面部筐体102および側面部筐体103が組み立てられ、エアシャワ装置が形成される。
【0034】
通常、組立時及び据付時は、天井筐体101を側面部筐体102および側面部筐体103の上に載せる必要があるが、2つの側面部筐体に天井筐体を載せるためには、天井筐体101、側面部筐体102および側面部筐体103の位置合わせや、整合性を取るのが難しく、時間の掛かる作業であった。しかしながら、本実施例のように、嵌合穴と凸形状の突起部を有することにより、天井筐体を載せた際に凸形状の突起部と嵌合穴がはまり、位置決めすることが出来る。これにより、組立及び据付作業時間を短縮でき、天井筐体のずれを防ぐことが可能となる。
【実施例4】
【0035】
図8は本発明の第4の実施例を示す。図8は、天井筐体101及び側面部筐体102および側面部筐体103の接続部を示している。天井筐体101の三隅には、それぞれ嵌合穴701−1、701−2、701−3を有する補強部材702−1、702−2、702−3を有している。しかし、図7に示す実施例と異なる点は、補強部材702−4には、嵌合穴を有していない。
【0036】
このように構成すると、天井筐体101と側面部筐体102および側面部筐体103とを組み立て時においては、天井筐体101の嵌合穴701−1、701−2、701−3と側面部筐体102および側面部筐体103の突起部703−1、703−2、703−3がそれぞれ嵌合し、エアシャワ装置が形成される。
【0037】
図8は、図7と比較して、突起部と嵌合穴の組合せが一箇所だけ有していない。これにより、天井筐体を側面部筐体に載せる際に、天井筐体の向きを間違えることがなくなり、据付作業が容易となり、作業性を向上することが可能となる。
【0038】
なお、上記第3と第4の実施例では、天井筐体101に嵌合穴を設け、側面部筐体102および側面部筐体103に突起部を設ける構成について説明したが、天井筐体101に突起部を設け、側面部筐体102および側面部筐体103に嵌合穴を設けるようにすることもできる。
【0039】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載されたエアシャワ装置の実施例に限定されるものではなく、他のエアシャワ装置にも容易に適用することが出来ることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0040】
側面部筐体…102、側面部筐体…103、天井部筐体…101、入り口扉104…出口扉…105、エアフィルタ…12、1次側チャンバ…11、2次側チャンバ…13、601、エアジェットパネル…14、圧力遮蔽用仕切り板…15、防塵部材…16、配電盤…171、配電パネル…17、ファンモータ…18、吸気孔…19、エアジェットノズル…204、照明装置…501、クーラー装置…502、嵌合穴…701−1、701−2、701−3、701−4、補強部材…702−1、702−2、702−3、702−4、凸形状の突起部…703−1、703−2、703−3、703−4。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1と第2の側面部筐体と、前記第1と第2の側面部筐体と組み合わされた天井部筐体により囲まれ、シャワ室となる空間を門型に形成し、少なくとも前記第1の側面部筐体内部に設けた送風装置からの空気を前記第1の側面部筐体に形成した開口部から前記シャワ室内に供給するエアシャワ装置において、
前記第1の側面部筐体には、前記送風装置からの空気を浄化するためのエアフィルタと、該エアフィルタを支持するエアフィルタ1次側チャンバおよび前記エアフィルタを囲むように設けられたエアフィルタ2次側チャンバとで構成された機密封じのフイルタ構造体と、該機密封じのフイルタ構造体の前記エアフィルタ2次側チャンバにエアジェットノズルを多数個分散して形成されたジェットパネルとを有し、前記送風装置からの加圧空気を前記エアフィルタ1次側チャンバと、前記エアフィルタおよび前記エアフィルタ2次側チャンバを通過して前記エアジェットノズルから送出することを特徴とするエアシャワ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエアシャワ装置において、更に、前記機密封じのフイルタ構造体の上部には、圧力遮蔽用仕切り板が設けられていることを特徴とするエアシャワ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエアシャワ装置において、
前記天井部筐体にエアカーテン用のファンが設けられていることを特徴とするエアシャワ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のエアシャワ装置において、
前記天井部筐体の少なくとも三隅には、前記第1と第2の側面部筐体と嵌合する接続部を有し、前記第1と第2の側面部筐体の前記天井部筐体の前記接続部に対応する部分に前記天井部筐体と嵌合する接続部を有することを特徴とするエアシャワ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−276213(P2010−276213A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126231(P2009−126231)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】