エアレスタイヤ
【課題】圧力や衝撃などが発生してスポーク緩衝部などが変形することがあっても、タイヤとしての機能を十分に行うことができるほどその変形が小さく、圧力や衝撃が除去されると、元の形態に戻す復元力に優れた、オーゼティック(Auxetic)形態のスポーク緩衝部により緩衝作用をし、タイヤに加えられた圧力を支えるように構成されたエアレスタイヤ(Airless tire)を提供する。
【解決手段】本発明は、地面に接触する円筒形の地面接触部と、地面接触部よりも小さい円周を形成し、地面接触部の内側に位置する回転軸固定部と、地面接触部と回転軸固定部を連結して緩衝作用をするオーゼティック形態のスポーク緩衝部と、を有するエアレスタイヤを特徴とする。
【解決手段】本発明は、地面に接触する円筒形の地面接触部と、地面接触部よりも小さい円周を形成し、地面接触部の内側に位置する回転軸固定部と、地面接触部と回転軸固定部を連結して緩衝作用をするオーゼティック形態のスポーク緩衝部と、を有するエアレスタイヤを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧を使用せず、オーゼティック(Auxetic)形態のスポーク部材の緩衝部により緩衝作用をし、タイヤに加えられた圧力を支えるように形成されたエアレス(Airless)タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤは、車両などの走行時に車体、搭乗者、貨物などの重さにより相当な圧力を受けるが、このような圧力に耐えるだけでなく、道路の形状などにより車体に加えられた衝撃などを吸収する緩衝作用をするように形成され、上記のような条件下でも自動車を円滑に駆動させるように形成される。
【0003】
このような構造のタイヤは、自動車だけでなく、自転車、人力車、トラクターなどの大部分の移動手段にも適用される。
【0004】
上記のように加えられた圧力に耐え、緩衝作用をし、元の形態を維持するためには、通常、空気を満たすように構成された空気圧タイヤを使用してきた。
【0005】
このような空気充填式タイヤは、充填された空気の圧力に応じて、その作用、効果に相当な差があり、パンクが発生した場合、元の形態を維持できなくなって車両などの走行が困難であり、寿命が短いという問題がある。
【0006】
特に、空気圧タイヤの空気充填空間が穿孔により空気充填空間としての役割ができなくなる場合、すなわちパンクは、空気充填式タイヤの最も大きい短所であり、車両の走行時に発生するパンクは交通事故などを誘発する虞がある。
【0007】
上記のような空気充填式タイヤの問題を解消するために、エアレスタイヤ(Airless tire)の開発が進まれており、従来、様々な形態のエアレスタイヤが提案されてきた。
【0008】
初期段階のエアレスタイヤは、自転車などの小さな荷重を受ける条件下でその使用が可能になり、耐久性と復原力に優れたゴムや合成樹脂などの材質を用いてタイヤを成形した。
【0009】
現在、エアレスタイヤに対する技術の発展に伴って、車両に使用できる構造のエアレスタイヤも案出されたが、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4などのハニカム形態のスポーク緩衝部300を有することが大部分である(図1参照)。
【0010】
具体的には、地面に接触する円筒形の地面接触部と、前記地面接触部よりも小さい円周を形成して地面接触部の内側に位置する回転軸固定部と、地面接触部と回転軸固定部を連結して緩衝作用をするハニカム形態のスポーク緩衝部と、を有する非空気圧のエアレスタイヤを開示している。
【0011】
しかしながら、図1に示すようなハニカム形態のスポーク緩衝部300を有する従来のエアレスタイヤは、圧力や衝撃を受けてこのスポーク緩衝部300が変形される場合(通常の歪みなど)、変形が激しくて地面との接触面があまりにも広くなるなど、タイヤの主要機能を十分に行いにくくなり、圧力を除去して緩衝部をその元の形態に戻しようとしても迅速に戻すことができない問題があった。
【0012】
また、前記スポーク緩衝部300が十分にその役割を行う時点までの寿命は短いため、エアレスタイヤの寿命も短いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許登録第5494090号
【特許文献2】米国特許登録第7143797号
【特許文献3】韓国特許出願第10−1990−0015355号
【特許文献4】PCT国際出願US2008/058308号(WO2008/118983)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記のような問題点を解決するためのものであり、より詳しくは、圧力や衝撃などが発生して変形することがあっても、タイヤとしての機能を十分に行うことができるほどその変形が小さく、圧力や衝撃が除去されると、元の形態に戻す復原力に優れただけでなく、長い間、その本来の機能を十分に行うことができるオーゼティック(Auxetic)形態のスポーク緩衝部を備えたエアレスタイヤを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明では地面接触部、回転軸固定部、及びオーゼティック形態のスポーク緩衝部を備えたエアレスタイヤを形成するが、前記スポーク緩衝部は放射状隔壁と連結隔壁によりオーゼティック形態の構造を形成し、前記放射状隔壁は地面接触部から回転軸固定部に向かって延びており、複数の突出部をもって放射状に配列され、連結隔壁は配列された放射状隔壁の間に位置して複数の放射状隔壁を連結するが、それぞれの放射状隔壁に形成された突出部が互いに反対方向に向かっている地点間を連結している形態を有する。
【0016】
これによって、圧力や衝撃などが発生して変形することがあっても、タイヤとしての機能を十分に行うことができるほどその変形が小さく、圧力や衝撃が除去されると、元の形態に戻す復元力に優れただけでなく、長い間、その本来の機能を十分に行うことができるエアレスタイヤを形成することができる。
【0017】
したがって、本発明のエアレスタイヤは、地面に接触する円筒形の地面接触部を有する。
【0018】
また、地面接触部よりも小さい円周を形成して地面接触部10の内側に位置する回転軸固定部を有する。
【0019】
また、地面接触部と回転軸固定部を連結して緩衝作用をするオーゼティック形態のスポーク緩衝部を有する。
【0020】
また、前記緩衝部は、地面接触部から回転軸固定部に向かって延びており、複数の突出部をもって放射状に配列されている複数の放射状隔壁と、前記配列された放射状隔壁の間に位置して複数の放射状隔壁を連結し、それぞれの放射状隔壁に形成された突出部が互いに反対方向に向かっている地点間を連結する複数の連結隔壁により、複数の空間を有するオーゼティック構造を形成して前記地面接触部と回転軸固定部を連結する形態である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ハニカム構造のスポーク緩衝部を有する従来のエアレスタイヤを説明するための概略正面図である。
【図2】本発明のエアレスタイヤを説明するための概略正面図である。
【図3】本発明のエアレスタイヤを説明するための斜視図である。
【図4】本発明の他の形態のエアレスタイヤを説明するための概略正面図である。
【図5】本発明の構成要素の放射状隔壁と連結隔壁の作用を説明するための概略図であって、(A)は荷重が加えられる前の状態、(B)は荷重が加えられて変形された状態、(C)は荷重が加えられる前の状態を点線で示し、荷重が加えられて変形された状態を実線で示す概略図である。
【図6】本発明の構成要素の放射状隔壁と連結隔壁の作用を説明するための図面であって、荷重(P)が加えられる前の状態を点線で示し、荷重(P)が加えられた後の状態を実線で示し、連結隔壁や放射状隔壁の動き方向を矢印で示す概略図である。
【図7】本発明の接地面が変わる状態を説明するための概略図であって、(A)は接地面が変わる前の状態、(B)は接地面が変わった後の状態を示す概略図である。
【図8】本発明の放射状隔壁が互い違いに位置して段を形成する構造を説明するための概略正面図である。
【図9】本発明の放射状隔壁が段を形成しており、段を形成する放射状隔壁と放射状隔壁との間に段形成連結体が位置することを説明するための概略正面図である。
【図10】本発明の放射状隔壁の突出部が「<」形状または「>」形状である時、突出部を形成するために延びた線と垂直線がなす角度の適正範囲を測定するための実験において、角度が30°である場合を説明するためのグラフである。
【図11】本発明の放射状隔壁の突出部が「<」形状または「>」形状である時、突出部を形成するために延びた線と垂直線がなす角度の適正範囲を測定するための実験において、角度が45°である場合を説明するためのグラフである。
【図12】本発明の放射状隔壁の突出部が「<」形状または「>」形状である時、突出部を形成するために延びた線と垂直線がなす角度の適正範囲を測定するための実験において、角度が15°である場合を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の技術的思想を図面を参照して具体的に説明する。
【0023】
しかし、添付した図面は本発明の技術的思想を具体的を説明するための実施例に過ぎず、本発明の技術的思想が図面の形態に限定されることはない。
【0024】
本発明は、砂時計状と称するオーゼティック(Aucetic)構造のスポーク緩衝部を有するエアレスタイヤに関する。
【0025】
本発明のエアレスタイヤも従来技術のように地面に接触する円筒形の地面接触部10を有する。
【0026】
また、前記地面接触部10よりも小さい円周を有し、地面接触部10の内側に同心円上に位置する回転軸固定部20を有する。
【0027】
また、前記地面接触部10と回転軸固定部20を連結して緩衝作用をするオーゼティック形態のスポーク緩衝部30を有する。
【0028】
上記のような地面接触部10、回転軸固定部20、及びスポーク緩衝部30を有するエアレスタイヤは既に公知のものであり、地面接触部10、回転軸固定部20、スポーク緩衝部30の形態も多様に提示されており、様々な形態に変形実施が可能なものであるため、この部分に対する具体的な説明は省略する。
【0029】
本発明は、圧力や衝撃などが発生して変形することがあっても、タイヤとしての機能を十分に行うことができるほどその変形が小さく、圧力や衝撃が除去されると、元の形態に戻す復元力に優れただけでなく、長い間、その本来の機能を十分に行うことができるエアレスタイヤを提供する。
【0030】
従来技術が上述した問題点を有する主要原因は、図1に示されたハニカム形態のスポーク緩衝部300がその機能を十分に行うことができなかったからである。
【0031】
本出願の発明者は、長期間の研究の結果、前記スポーク緩衝部30が、図2から図4に示すように、地面接触部10から回転軸固定部20を向かって延びており、複数の突出部31a,31b,32a,32bをもって放射状に配列されている複数の放射状隔壁31,32と、前記配列された放射状隔壁31,32の間に位置して複数の放射状隔壁31,32を連結し、それぞれの放射状隔壁31,32に形成された突出部31a,31b,32a,32bが互いに反対方向に向かっている地点間を連結する複数の連結隔壁33,34と、を有する構造を案出した。
【0032】
すなわち、上記のような放射状隔壁31,32と連結隔壁33,34を用いて複数の空間からなるオーゼティック構造のスポーク緩衝部30を有するエアレスタイヤが得られた。
【0033】
上記のような構造によれば、図5に示すように、荷重が加えられた時、図5の(A)の状態から図5の(B)の状態にスポーク緩衝部30が変形する。
【0034】
図6を参照して具体的に説明すると、複数の放射状隔壁31,32において、垂直に加えられた荷重(P)により直接的な影響を受ける放射状隔壁の突出部31a,32bは圧縮され、対向している放射状隔壁31,32間の距離(L)は狭くなる。
【0035】
そして、圧縮される突出部31a,32bに一側が連結された連結隔壁33,34は、突出部31a,32bと共に圧縮されて前記連結隔壁33に連結された他の放射状隔壁の突出部を引き寄せるが、図2に示すように、この時、引き寄せられた連結隔壁33に連結された放射状隔壁31及びこの放射状隔壁31に連結された他の連結隔壁34などに伝達された力により、荷重(P)により圧縮された放射状隔壁31,32の突出部31a,32bを除いた他の放射状隔壁の突出部がなす角度(θ)は大きくなる。
【0036】
また、荷重(P)が除去されると、放射状隔壁31,32と突出部31a,32bは元の状態に戻す。
【0037】
これによって、荷重が加えられた時、タイヤを圧縮し過ぎることなく、タイヤの本来の機能を十分に行うことができる。
【0038】
しかし、前記放射状隔壁31,32に形成された突出部31a,31b,32a,32bが、図4に示すように1つであれば、図7の(A)の状態から(B)の状態に接地面が変わる時の本発明の目的達成効果は低下する。
【0039】
したがって、前記スポーク緩衝部30などが適正水準に変形され、優れた復原力を維持しようとする本発明の目的を考慮して、放射状隔壁31,32は、図2及び図3に示すように、左側に向かって突出した突出部31b,32bを複数有するか、右側に向かって突出した突出部31a,32aを複数有することが好ましい。
【0040】
また、前記放射状隔壁31,32に形成された突出部31a,31b,32a,32bが互いに反対方向に向かっている地点は、全て連結隔壁33,34により連結されることが好ましい。
【0041】
図2で放射状隔壁31,32に形成された突出部31a,31b,32a,32bが互いに反対方向に向かっている地点は、全て連結隔壁33,34により連結されている。
【0042】
前記スポーク緩衝部30などが適正水準に変形され、優れた復原力を維持しようとする本発明の目的を考慮して、連結隔壁33,34は、突出部31a,31b,32a,32bの最も高い地点(最も高く突出した地点)間を連結することが好ましい。
【0043】
また、図2に示すように、複数の連結隔壁33,34が円周を形成する形態に配列されることが好ましい。
【0044】
これはホイールの全体的な形状が円筒形になるため、連結隔壁33,34が円周を形成する形態に配列されることにより、その作用効果が向上するからである。
【0045】
本発明の目的を考慮して、放射状隔壁31,32の突出部31a,31b,32a,32bは、図2に示すように、「<」形状または「>」形状であることが好ましい。
【0046】
また、研究実験の結果、前記放射状隔壁31,32の突出部31a,31b,32a,32bを形成するために延びた線と垂直線がなす角度(α)は、15°〜53°であることが好ましい。
【0047】
その理由は、15°以下であれば、空圧式タイヤのような垂直剛性を作りにくく、53°以上であれば、ある突出部とそれに隣接している突出部との間の距離(L)が狭すぎるようになって干渉が発生する虞があるからである。
【0048】
図10から図12に示すように、前記角度(α)は30°〜45°であることが最も好ましい。
【0049】
図10から図12は、放射状隔壁31,32の突出部31a,31b,32a,32bを形成するために延びた線と垂直線がなす角度(α)の適正範囲を測定するための研究結果を示すグラフである。
【0050】
図10から図12のグラフにおいて、A15、A30、A45は前記角度(α)を意味する。
【0051】
また、空気圧(pneumatic)とは、比較のための空圧式タイヤの実験結果を意味する。
【0052】
本発明で放射状隔壁31,32は、複数の突出部31a,31b,32a,32bを有することが好ましいが、突出部が「<」形状または「>」形状であっても、突出部を複数備えた図8及び図9のような形態になることが好ましい。
【0053】
本発明において、前記スポーク緩衝部30の高さ(地面接触部10から回転軸固定部20までの距離)が大きいほど、緩衝効果を奏するが、このために放射状隔壁31,32があまりにも多くの突出部31a,31b,32a,32bを有する場合、却って緩衝効果が低下し、圧力を受けてから元に戻すことが円滑でない。
【0054】
本出願の発明者は、約2つの突出部31a,31b,32a,32bを有することが好ましいという結果が得られた。
【0055】
前記スポーク緩衝部30の高さを高くしながらも、本発明の目的達成効果の低下を防止するために、図8及び図9に示すように、緩衝部30の放射状隔壁31,32が段を形成する形態にしてもよい。
【0056】
すなわち、図8に示すように、放射状隔壁31,32は、地面接触部10から回転軸固定部20に向かって段を形成しながら複数形成され、段を形成するための放射状隔壁と放射状隔壁が互い違いに配列される。
【0057】
また、他の形態として、図9に示すように、放射状隔壁31,32は、地面接触部10から回転軸固定部20に向かって段を形成しながら複数形成され、段を形成するための放射状壁格と放射状隔壁31,32との間に地面接触部10よりも小さい円周を形成する円筒形の段形成連結体40が位置してもよい。
【0058】
本出願の発明者は、長期間の研究の結果、本発明の目的を考慮して、スポーク緩衝部30を形成するための放射状隔壁が、図2に示すように第1放射状隔壁31と第2放射状隔壁32に分けられることが好ましいと結論付けた。
【0059】
図2の第1放射状隔壁31は、右側に向かって突出した複数の右側突出部31a及び複数の前記右側突出部31aの間で左側に向かって突出した左側突出部31bを有する。
【0060】
また、前記第2放射状隔壁32は、左側に向かって突出した複数の左側突出部32b及び複数の前記左側突出部32bの間で右側に向かって突出した右側突出部32aを有する。
【0061】
また、第1放射状隔壁31と第2放射状隔壁32が交互に放射状に配列される。
【0062】
この時、連結隔壁の好ましい形態は、図2に示すように、連結隔壁が第1連結隔壁33と第2連結隔壁34に分けられ、第1連結隔壁33は第1放射状隔壁31の右側突出部31aと第2放射状隔壁32の左側突出部32bを連結し、第2連結隔壁34は第1放射状隔壁31の左側突出部31bと第2放射状隔壁32の右側突出部32aを連結する。
【0063】
すなわち、第1連結隔壁33は、第1放射状隔壁31の右側突出部31aと第2放射状隔壁32の左側突出部32bを連結するが、互いに反対方向に向かって突出している右側突出部31aと左側突出部32bを連結することになる。
【0064】
また、第2連結隔壁34は、第1放射状隔壁31の左側突出部31bと第2放射状隔壁32の右側突出部32aを連結するが、互いに反対方向に向かって突出している左側突出部31bと右側突出部32aを連結することになる。
【0065】
本発明のエアレスタイヤは、地面接触部、回転軸固定部、及びオーゼティック形態のスポーク緩衝部で構成されるが、前記スポーク緩衝部は、放射状隔壁と連結隔壁によりオーゼティック形態の構造を形成し、前記放射状隔壁は地面接触部から回転軸固定部に向かって延びており、複数の突出部をもって放射状に配列されており、連結隔壁は放射状隔壁の間に位置して複数の放射状隔壁を連結し、それぞれの放射状隔壁に形成された突出部が互いに反対方向に向かっている地点間を連結する。
【0066】
したがって、圧力や衝撃などが発生して変形することがあっても、タイヤとしての機能を十分に行うことができるほどその変形が小さく、圧力や衝撃が除去されると、元の形態に戻す復元力に優れただけでなく、長い間、その本来の機能を十分に行うことができるという特徴がある。
【0067】
本発明は、前記放射状隔壁が左側に向かって突出した突出部を複数有するか、右側に向かって突出した突出部を複数有する形態にすることにより、タイヤが適正水準に変形し、優れた復元力が得られるため、本発明の目的達成効果がさらに向上する。
【0068】
また、前記連結隔壁は突出部の最も高い地点間を連結することにより、タイヤが適正水準に変形し、優れた復元力が得られるため、本発明の目的達成効果がさらに向上する。
【0069】
また、複数の連結隔壁が円周を形成する形態に配列されることにより、タイヤが適正水準に変形し、優れた復元力が得られるため、本発明の目的達成効果がさらに向上する。
【0070】
本発明において、放射状隔壁が、地面接触部から回転軸固定部に向かって段を形成しながら複数形成され、段を形成するための放射状隔壁と放射状壁格が互い違いに配列される場合、スポーク緩衝部の高さを高くしながらもこのスポーク緩衝部の機能を十分に行うことができるという特徴がある。
【0071】
また、放射状隔壁が、地面接触部から回転軸固定部に向かって段を形成しながら複数形成され、段を形成するための放射状壁格と放射状隔壁との間に、地面接触部よりも小さい円周を形成する円筒形の段形成連結体が位置する場合、緩衝部の高さを高くしながらも緩衝部の機能を十分に行うことができる。
【符号の説明】
【0072】
300 スポーク緩衝部
10 地面接触部
20 回転軸固定部
30 スポーク緩衝部
31,32 放射状隔壁
31a,31b,32a,32b 突出部
33,34 連結隔壁
40 段形成連結体
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧を使用せず、オーゼティック(Auxetic)形態のスポーク部材の緩衝部により緩衝作用をし、タイヤに加えられた圧力を支えるように形成されたエアレス(Airless)タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤは、車両などの走行時に車体、搭乗者、貨物などの重さにより相当な圧力を受けるが、このような圧力に耐えるだけでなく、道路の形状などにより車体に加えられた衝撃などを吸収する緩衝作用をするように形成され、上記のような条件下でも自動車を円滑に駆動させるように形成される。
【0003】
このような構造のタイヤは、自動車だけでなく、自転車、人力車、トラクターなどの大部分の移動手段にも適用される。
【0004】
上記のように加えられた圧力に耐え、緩衝作用をし、元の形態を維持するためには、通常、空気を満たすように構成された空気圧タイヤを使用してきた。
【0005】
このような空気充填式タイヤは、充填された空気の圧力に応じて、その作用、効果に相当な差があり、パンクが発生した場合、元の形態を維持できなくなって車両などの走行が困難であり、寿命が短いという問題がある。
【0006】
特に、空気圧タイヤの空気充填空間が穿孔により空気充填空間としての役割ができなくなる場合、すなわちパンクは、空気充填式タイヤの最も大きい短所であり、車両の走行時に発生するパンクは交通事故などを誘発する虞がある。
【0007】
上記のような空気充填式タイヤの問題を解消するために、エアレスタイヤ(Airless tire)の開発が進まれており、従来、様々な形態のエアレスタイヤが提案されてきた。
【0008】
初期段階のエアレスタイヤは、自転車などの小さな荷重を受ける条件下でその使用が可能になり、耐久性と復原力に優れたゴムや合成樹脂などの材質を用いてタイヤを成形した。
【0009】
現在、エアレスタイヤに対する技術の発展に伴って、車両に使用できる構造のエアレスタイヤも案出されたが、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4などのハニカム形態のスポーク緩衝部300を有することが大部分である(図1参照)。
【0010】
具体的には、地面に接触する円筒形の地面接触部と、前記地面接触部よりも小さい円周を形成して地面接触部の内側に位置する回転軸固定部と、地面接触部と回転軸固定部を連結して緩衝作用をするハニカム形態のスポーク緩衝部と、を有する非空気圧のエアレスタイヤを開示している。
【0011】
しかしながら、図1に示すようなハニカム形態のスポーク緩衝部300を有する従来のエアレスタイヤは、圧力や衝撃を受けてこのスポーク緩衝部300が変形される場合(通常の歪みなど)、変形が激しくて地面との接触面があまりにも広くなるなど、タイヤの主要機能を十分に行いにくくなり、圧力を除去して緩衝部をその元の形態に戻しようとしても迅速に戻すことができない問題があった。
【0012】
また、前記スポーク緩衝部300が十分にその役割を行う時点までの寿命は短いため、エアレスタイヤの寿命も短いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許登録第5494090号
【特許文献2】米国特許登録第7143797号
【特許文献3】韓国特許出願第10−1990−0015355号
【特許文献4】PCT国際出願US2008/058308号(WO2008/118983)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記のような問題点を解決するためのものであり、より詳しくは、圧力や衝撃などが発生して変形することがあっても、タイヤとしての機能を十分に行うことができるほどその変形が小さく、圧力や衝撃が除去されると、元の形態に戻す復原力に優れただけでなく、長い間、その本来の機能を十分に行うことができるオーゼティック(Auxetic)形態のスポーク緩衝部を備えたエアレスタイヤを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明では地面接触部、回転軸固定部、及びオーゼティック形態のスポーク緩衝部を備えたエアレスタイヤを形成するが、前記スポーク緩衝部は放射状隔壁と連結隔壁によりオーゼティック形態の構造を形成し、前記放射状隔壁は地面接触部から回転軸固定部に向かって延びており、複数の突出部をもって放射状に配列され、連結隔壁は配列された放射状隔壁の間に位置して複数の放射状隔壁を連結するが、それぞれの放射状隔壁に形成された突出部が互いに反対方向に向かっている地点間を連結している形態を有する。
【0016】
これによって、圧力や衝撃などが発生して変形することがあっても、タイヤとしての機能を十分に行うことができるほどその変形が小さく、圧力や衝撃が除去されると、元の形態に戻す復元力に優れただけでなく、長い間、その本来の機能を十分に行うことができるエアレスタイヤを形成することができる。
【0017】
したがって、本発明のエアレスタイヤは、地面に接触する円筒形の地面接触部を有する。
【0018】
また、地面接触部よりも小さい円周を形成して地面接触部10の内側に位置する回転軸固定部を有する。
【0019】
また、地面接触部と回転軸固定部を連結して緩衝作用をするオーゼティック形態のスポーク緩衝部を有する。
【0020】
また、前記緩衝部は、地面接触部から回転軸固定部に向かって延びており、複数の突出部をもって放射状に配列されている複数の放射状隔壁と、前記配列された放射状隔壁の間に位置して複数の放射状隔壁を連結し、それぞれの放射状隔壁に形成された突出部が互いに反対方向に向かっている地点間を連結する複数の連結隔壁により、複数の空間を有するオーゼティック構造を形成して前記地面接触部と回転軸固定部を連結する形態である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ハニカム構造のスポーク緩衝部を有する従来のエアレスタイヤを説明するための概略正面図である。
【図2】本発明のエアレスタイヤを説明するための概略正面図である。
【図3】本発明のエアレスタイヤを説明するための斜視図である。
【図4】本発明の他の形態のエアレスタイヤを説明するための概略正面図である。
【図5】本発明の構成要素の放射状隔壁と連結隔壁の作用を説明するための概略図であって、(A)は荷重が加えられる前の状態、(B)は荷重が加えられて変形された状態、(C)は荷重が加えられる前の状態を点線で示し、荷重が加えられて変形された状態を実線で示す概略図である。
【図6】本発明の構成要素の放射状隔壁と連結隔壁の作用を説明するための図面であって、荷重(P)が加えられる前の状態を点線で示し、荷重(P)が加えられた後の状態を実線で示し、連結隔壁や放射状隔壁の動き方向を矢印で示す概略図である。
【図7】本発明の接地面が変わる状態を説明するための概略図であって、(A)は接地面が変わる前の状態、(B)は接地面が変わった後の状態を示す概略図である。
【図8】本発明の放射状隔壁が互い違いに位置して段を形成する構造を説明するための概略正面図である。
【図9】本発明の放射状隔壁が段を形成しており、段を形成する放射状隔壁と放射状隔壁との間に段形成連結体が位置することを説明するための概略正面図である。
【図10】本発明の放射状隔壁の突出部が「<」形状または「>」形状である時、突出部を形成するために延びた線と垂直線がなす角度の適正範囲を測定するための実験において、角度が30°である場合を説明するためのグラフである。
【図11】本発明の放射状隔壁の突出部が「<」形状または「>」形状である時、突出部を形成するために延びた線と垂直線がなす角度の適正範囲を測定するための実験において、角度が45°である場合を説明するためのグラフである。
【図12】本発明の放射状隔壁の突出部が「<」形状または「>」形状である時、突出部を形成するために延びた線と垂直線がなす角度の適正範囲を測定するための実験において、角度が15°である場合を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の技術的思想を図面を参照して具体的に説明する。
【0023】
しかし、添付した図面は本発明の技術的思想を具体的を説明するための実施例に過ぎず、本発明の技術的思想が図面の形態に限定されることはない。
【0024】
本発明は、砂時計状と称するオーゼティック(Aucetic)構造のスポーク緩衝部を有するエアレスタイヤに関する。
【0025】
本発明のエアレスタイヤも従来技術のように地面に接触する円筒形の地面接触部10を有する。
【0026】
また、前記地面接触部10よりも小さい円周を有し、地面接触部10の内側に同心円上に位置する回転軸固定部20を有する。
【0027】
また、前記地面接触部10と回転軸固定部20を連結して緩衝作用をするオーゼティック形態のスポーク緩衝部30を有する。
【0028】
上記のような地面接触部10、回転軸固定部20、及びスポーク緩衝部30を有するエアレスタイヤは既に公知のものであり、地面接触部10、回転軸固定部20、スポーク緩衝部30の形態も多様に提示されており、様々な形態に変形実施が可能なものであるため、この部分に対する具体的な説明は省略する。
【0029】
本発明は、圧力や衝撃などが発生して変形することがあっても、タイヤとしての機能を十分に行うことができるほどその変形が小さく、圧力や衝撃が除去されると、元の形態に戻す復元力に優れただけでなく、長い間、その本来の機能を十分に行うことができるエアレスタイヤを提供する。
【0030】
従来技術が上述した問題点を有する主要原因は、図1に示されたハニカム形態のスポーク緩衝部300がその機能を十分に行うことができなかったからである。
【0031】
本出願の発明者は、長期間の研究の結果、前記スポーク緩衝部30が、図2から図4に示すように、地面接触部10から回転軸固定部20を向かって延びており、複数の突出部31a,31b,32a,32bをもって放射状に配列されている複数の放射状隔壁31,32と、前記配列された放射状隔壁31,32の間に位置して複数の放射状隔壁31,32を連結し、それぞれの放射状隔壁31,32に形成された突出部31a,31b,32a,32bが互いに反対方向に向かっている地点間を連結する複数の連結隔壁33,34と、を有する構造を案出した。
【0032】
すなわち、上記のような放射状隔壁31,32と連結隔壁33,34を用いて複数の空間からなるオーゼティック構造のスポーク緩衝部30を有するエアレスタイヤが得られた。
【0033】
上記のような構造によれば、図5に示すように、荷重が加えられた時、図5の(A)の状態から図5の(B)の状態にスポーク緩衝部30が変形する。
【0034】
図6を参照して具体的に説明すると、複数の放射状隔壁31,32において、垂直に加えられた荷重(P)により直接的な影響を受ける放射状隔壁の突出部31a,32bは圧縮され、対向している放射状隔壁31,32間の距離(L)は狭くなる。
【0035】
そして、圧縮される突出部31a,32bに一側が連結された連結隔壁33,34は、突出部31a,32bと共に圧縮されて前記連結隔壁33に連結された他の放射状隔壁の突出部を引き寄せるが、図2に示すように、この時、引き寄せられた連結隔壁33に連結された放射状隔壁31及びこの放射状隔壁31に連結された他の連結隔壁34などに伝達された力により、荷重(P)により圧縮された放射状隔壁31,32の突出部31a,32bを除いた他の放射状隔壁の突出部がなす角度(θ)は大きくなる。
【0036】
また、荷重(P)が除去されると、放射状隔壁31,32と突出部31a,32bは元の状態に戻す。
【0037】
これによって、荷重が加えられた時、タイヤを圧縮し過ぎることなく、タイヤの本来の機能を十分に行うことができる。
【0038】
しかし、前記放射状隔壁31,32に形成された突出部31a,31b,32a,32bが、図4に示すように1つであれば、図7の(A)の状態から(B)の状態に接地面が変わる時の本発明の目的達成効果は低下する。
【0039】
したがって、前記スポーク緩衝部30などが適正水準に変形され、優れた復原力を維持しようとする本発明の目的を考慮して、放射状隔壁31,32は、図2及び図3に示すように、左側に向かって突出した突出部31b,32bを複数有するか、右側に向かって突出した突出部31a,32aを複数有することが好ましい。
【0040】
また、前記放射状隔壁31,32に形成された突出部31a,31b,32a,32bが互いに反対方向に向かっている地点は、全て連結隔壁33,34により連結されることが好ましい。
【0041】
図2で放射状隔壁31,32に形成された突出部31a,31b,32a,32bが互いに反対方向に向かっている地点は、全て連結隔壁33,34により連結されている。
【0042】
前記スポーク緩衝部30などが適正水準に変形され、優れた復原力を維持しようとする本発明の目的を考慮して、連結隔壁33,34は、突出部31a,31b,32a,32bの最も高い地点(最も高く突出した地点)間を連結することが好ましい。
【0043】
また、図2に示すように、複数の連結隔壁33,34が円周を形成する形態に配列されることが好ましい。
【0044】
これはホイールの全体的な形状が円筒形になるため、連結隔壁33,34が円周を形成する形態に配列されることにより、その作用効果が向上するからである。
【0045】
本発明の目的を考慮して、放射状隔壁31,32の突出部31a,31b,32a,32bは、図2に示すように、「<」形状または「>」形状であることが好ましい。
【0046】
また、研究実験の結果、前記放射状隔壁31,32の突出部31a,31b,32a,32bを形成するために延びた線と垂直線がなす角度(α)は、15°〜53°であることが好ましい。
【0047】
その理由は、15°以下であれば、空圧式タイヤのような垂直剛性を作りにくく、53°以上であれば、ある突出部とそれに隣接している突出部との間の距離(L)が狭すぎるようになって干渉が発生する虞があるからである。
【0048】
図10から図12に示すように、前記角度(α)は30°〜45°であることが最も好ましい。
【0049】
図10から図12は、放射状隔壁31,32の突出部31a,31b,32a,32bを形成するために延びた線と垂直線がなす角度(α)の適正範囲を測定するための研究結果を示すグラフである。
【0050】
図10から図12のグラフにおいて、A15、A30、A45は前記角度(α)を意味する。
【0051】
また、空気圧(pneumatic)とは、比較のための空圧式タイヤの実験結果を意味する。
【0052】
本発明で放射状隔壁31,32は、複数の突出部31a,31b,32a,32bを有することが好ましいが、突出部が「<」形状または「>」形状であっても、突出部を複数備えた図8及び図9のような形態になることが好ましい。
【0053】
本発明において、前記スポーク緩衝部30の高さ(地面接触部10から回転軸固定部20までの距離)が大きいほど、緩衝効果を奏するが、このために放射状隔壁31,32があまりにも多くの突出部31a,31b,32a,32bを有する場合、却って緩衝効果が低下し、圧力を受けてから元に戻すことが円滑でない。
【0054】
本出願の発明者は、約2つの突出部31a,31b,32a,32bを有することが好ましいという結果が得られた。
【0055】
前記スポーク緩衝部30の高さを高くしながらも、本発明の目的達成効果の低下を防止するために、図8及び図9に示すように、緩衝部30の放射状隔壁31,32が段を形成する形態にしてもよい。
【0056】
すなわち、図8に示すように、放射状隔壁31,32は、地面接触部10から回転軸固定部20に向かって段を形成しながら複数形成され、段を形成するための放射状隔壁と放射状隔壁が互い違いに配列される。
【0057】
また、他の形態として、図9に示すように、放射状隔壁31,32は、地面接触部10から回転軸固定部20に向かって段を形成しながら複数形成され、段を形成するための放射状壁格と放射状隔壁31,32との間に地面接触部10よりも小さい円周を形成する円筒形の段形成連結体40が位置してもよい。
【0058】
本出願の発明者は、長期間の研究の結果、本発明の目的を考慮して、スポーク緩衝部30を形成するための放射状隔壁が、図2に示すように第1放射状隔壁31と第2放射状隔壁32に分けられることが好ましいと結論付けた。
【0059】
図2の第1放射状隔壁31は、右側に向かって突出した複数の右側突出部31a及び複数の前記右側突出部31aの間で左側に向かって突出した左側突出部31bを有する。
【0060】
また、前記第2放射状隔壁32は、左側に向かって突出した複数の左側突出部32b及び複数の前記左側突出部32bの間で右側に向かって突出した右側突出部32aを有する。
【0061】
また、第1放射状隔壁31と第2放射状隔壁32が交互に放射状に配列される。
【0062】
この時、連結隔壁の好ましい形態は、図2に示すように、連結隔壁が第1連結隔壁33と第2連結隔壁34に分けられ、第1連結隔壁33は第1放射状隔壁31の右側突出部31aと第2放射状隔壁32の左側突出部32bを連結し、第2連結隔壁34は第1放射状隔壁31の左側突出部31bと第2放射状隔壁32の右側突出部32aを連結する。
【0063】
すなわち、第1連結隔壁33は、第1放射状隔壁31の右側突出部31aと第2放射状隔壁32の左側突出部32bを連結するが、互いに反対方向に向かって突出している右側突出部31aと左側突出部32bを連結することになる。
【0064】
また、第2連結隔壁34は、第1放射状隔壁31の左側突出部31bと第2放射状隔壁32の右側突出部32aを連結するが、互いに反対方向に向かって突出している左側突出部31bと右側突出部32aを連結することになる。
【0065】
本発明のエアレスタイヤは、地面接触部、回転軸固定部、及びオーゼティック形態のスポーク緩衝部で構成されるが、前記スポーク緩衝部は、放射状隔壁と連結隔壁によりオーゼティック形態の構造を形成し、前記放射状隔壁は地面接触部から回転軸固定部に向かって延びており、複数の突出部をもって放射状に配列されており、連結隔壁は放射状隔壁の間に位置して複数の放射状隔壁を連結し、それぞれの放射状隔壁に形成された突出部が互いに反対方向に向かっている地点間を連結する。
【0066】
したがって、圧力や衝撃などが発生して変形することがあっても、タイヤとしての機能を十分に行うことができるほどその変形が小さく、圧力や衝撃が除去されると、元の形態に戻す復元力に優れただけでなく、長い間、その本来の機能を十分に行うことができるという特徴がある。
【0067】
本発明は、前記放射状隔壁が左側に向かって突出した突出部を複数有するか、右側に向かって突出した突出部を複数有する形態にすることにより、タイヤが適正水準に変形し、優れた復元力が得られるため、本発明の目的達成効果がさらに向上する。
【0068】
また、前記連結隔壁は突出部の最も高い地点間を連結することにより、タイヤが適正水準に変形し、優れた復元力が得られるため、本発明の目的達成効果がさらに向上する。
【0069】
また、複数の連結隔壁が円周を形成する形態に配列されることにより、タイヤが適正水準に変形し、優れた復元力が得られるため、本発明の目的達成効果がさらに向上する。
【0070】
本発明において、放射状隔壁が、地面接触部から回転軸固定部に向かって段を形成しながら複数形成され、段を形成するための放射状隔壁と放射状壁格が互い違いに配列される場合、スポーク緩衝部の高さを高くしながらもこのスポーク緩衝部の機能を十分に行うことができるという特徴がある。
【0071】
また、放射状隔壁が、地面接触部から回転軸固定部に向かって段を形成しながら複数形成され、段を形成するための放射状壁格と放射状隔壁との間に、地面接触部よりも小さい円周を形成する円筒形の段形成連結体が位置する場合、緩衝部の高さを高くしながらも緩衝部の機能を十分に行うことができる。
【符号の説明】
【0072】
300 スポーク緩衝部
10 地面接触部
20 回転軸固定部
30 スポーク緩衝部
31,32 放射状隔壁
31a,31b,32a,32b 突出部
33,34 連結隔壁
40 段形成連結体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に接触する円筒形の地面接触部10、前記地面接触部10よりも小さい円周を形成して地面接触部10の内側に同心円上に位置する回転軸固定部20、地面接触部10と回転軸固定部20を連結して緩衝作用をするスポーク緩衝部30を含むエアレスタイヤであって、
前記スポーク緩衝部30は、地面接触部10から回転軸固定部20に向かって延びており、複数の突出部31a,31b,32a,32bをもって放射状に配列されている複数の放射状隔壁31,32と、前記配列された放射状隔壁31,32の間に位置して複数の放射状隔壁31,32を連結し、それぞれの放射状隔壁31,32に形成された突出部31a,31b,32a,32bが互いに反対方向に向かっている地点間を連結する複数の連結隔壁33,34により、複数の空間を有するオーゼティック構造を形成して前記地面接触部10と回転軸固定部20を連結することを特徴とするエアレスタイヤ。
【請求項2】
前記放射状隔壁31,32は、左側に向かって突出した突出部31b,32bを複数有するか、右側に向かって突出した突出部31a,32aを複数有することを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項3】
前記放射状隔壁31,32に形成された突出部31a,31b,32a,32bが互いに反対方向に向かっている地点は、全て連結隔壁33,34により連結されることを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項4】
前記連結隔壁33,34は、突出部31a,31b,32a,32bの最も高い地点間を連結することを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項5】
前記複数の連結隔壁33,34は、円周を形成する形態に配列されることを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項6】
前記放射状隔壁31,32は、地面接触部10から回転軸固定部20に向かって段を形成しながら複数形成され、段を形成するための放射状隔壁と放射状壁格は互い違いに配列されることを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項7】
前記放射状隔壁31,32は、地面接触部10から回転軸固定部20に向かって段を形成しながら複数形成され、段を形成するための放射状隔壁と放射状隔壁との間に、地面接触部10よりも小さい円周を形成する円筒形の段形成連結体40が位置することを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項8】
前記放射状隔壁31,32の突出部は、「<」形状または「>」形状であることを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項9】
前記放射状隔壁31,32の突出部を形成するために延びた線と垂直線がなす角度は15°〜53°であることを特徴とする請求項8に記載のエアレスタイヤ。
【請求項10】
前記放射状隔壁31,32は、第1放射状隔壁31と第2放射状隔壁32に分けられ、第1放射状隔壁31は右側に向かって突出した複数の右側突出部31a及び複数の前記右側突出部31aの間で左側に向かって突出した左側突出部31bを有し、前記第2放射状隔壁32は左側に向かって突出した複数の左側突出部32b及び複数の前記左側突出部32bの間で右側に向かって突出した右側突出部32aを有し、前記第1放射状隔壁31と第2放射状隔壁32が交互に放射状に配列されることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のエアレスタイヤ。
【請求項11】
前記連結隔壁33,34は、第1連結隔壁33と第2連結隔壁34に分けられ、第1連結隔壁33は第1放射状隔壁31の右側突出部31aと第2放射状隔壁32の左側突出部32bを連結し、第2連結隔壁34は第1放射状隔壁31の左側突出部31bと第2放射状隔壁32の右側突出部32aを連結することを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項1】
地面に接触する円筒形の地面接触部10、前記地面接触部10よりも小さい円周を形成して地面接触部10の内側に同心円上に位置する回転軸固定部20、地面接触部10と回転軸固定部20を連結して緩衝作用をするスポーク緩衝部30を含むエアレスタイヤであって、
前記スポーク緩衝部30は、地面接触部10から回転軸固定部20に向かって延びており、複数の突出部31a,31b,32a,32bをもって放射状に配列されている複数の放射状隔壁31,32と、前記配列された放射状隔壁31,32の間に位置して複数の放射状隔壁31,32を連結し、それぞれの放射状隔壁31,32に形成された突出部31a,31b,32a,32bが互いに反対方向に向かっている地点間を連結する複数の連結隔壁33,34により、複数の空間を有するオーゼティック構造を形成して前記地面接触部10と回転軸固定部20を連結することを特徴とするエアレスタイヤ。
【請求項2】
前記放射状隔壁31,32は、左側に向かって突出した突出部31b,32bを複数有するか、右側に向かって突出した突出部31a,32aを複数有することを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項3】
前記放射状隔壁31,32に形成された突出部31a,31b,32a,32bが互いに反対方向に向かっている地点は、全て連結隔壁33,34により連結されることを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項4】
前記連結隔壁33,34は、突出部31a,31b,32a,32bの最も高い地点間を連結することを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項5】
前記複数の連結隔壁33,34は、円周を形成する形態に配列されることを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項6】
前記放射状隔壁31,32は、地面接触部10から回転軸固定部20に向かって段を形成しながら複数形成され、段を形成するための放射状隔壁と放射状壁格は互い違いに配列されることを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項7】
前記放射状隔壁31,32は、地面接触部10から回転軸固定部20に向かって段を形成しながら複数形成され、段を形成するための放射状隔壁と放射状隔壁との間に、地面接触部10よりも小さい円周を形成する円筒形の段形成連結体40が位置することを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項8】
前記放射状隔壁31,32の突出部は、「<」形状または「>」形状であることを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【請求項9】
前記放射状隔壁31,32の突出部を形成するために延びた線と垂直線がなす角度は15°〜53°であることを特徴とする請求項8に記載のエアレスタイヤ。
【請求項10】
前記放射状隔壁31,32は、第1放射状隔壁31と第2放射状隔壁32に分けられ、第1放射状隔壁31は右側に向かって突出した複数の右側突出部31a及び複数の前記右側突出部31aの間で左側に向かって突出した左側突出部31bを有し、前記第2放射状隔壁32は左側に向かって突出した複数の左側突出部32b及び複数の前記左側突出部32bの間で右側に向かって突出した右側突出部32aを有し、前記第1放射状隔壁31と第2放射状隔壁32が交互に放射状に配列されることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のエアレスタイヤ。
【請求項11】
前記連結隔壁33,34は、第1連結隔壁33と第2連結隔壁34に分けられ、第1連結隔壁33は第1放射状隔壁31の右側突出部31aと第2放射状隔壁32の左側突出部32bを連結し、第2連結隔壁34は第1放射状隔壁31の左側突出部31bと第2放射状隔壁32の右側突出部32aを連結することを特徴とする請求項1に記載のエアレスタイヤ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−62045(P2012−62045A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186074(P2011−186074)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(504037531)韓国タイヤ株式會社 (5)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(504037531)韓国タイヤ株式會社 (5)
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