説明

エアロゲルの製造装置

【課題】乾燥工程での亀裂の発生や多孔体破壊などを防止しつつ、エアロゲルを効率良く製造するための有用な製造装置を提供する。
【解決手段】第一の液体溶媒を含有する湿潤体中の該第一の溶媒を、高圧状態の第二の溶媒で置換しつつ乾燥処理してエアロゲルを製造する様に構成されたエアロゲルの製造装置において、前記第一の溶媒と同一または互いに相溶である溶媒を高圧状態にして供給する第一溶媒高圧供給部と、前記第二の溶媒を高圧状態にして供給する第二溶媒高圧供給部と、前記第一の溶媒と第二の溶媒を高圧状態で混合する高圧混合部と、前記高圧混合部から供給された高圧混合溶媒を、処理槽内に設置された湿潤体と接触させて処理するエアロゲル処理部と、を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゲル等の多孔体の製造方法およびその為の装置に関するものであり、特に乾燥工程において多孔体にクラック等が発生するのを防止しつつ多孔体を製造することのできる方法、およびその為の有用な装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光透過性または光半透過性の無機多孔体としては、例えばアルコキシシランを加水分解、縮重合して得られるゲル状化合物(湿潤ゲル)を生成した後、このゲル状化合物を生成するために用いられた溶媒を除去して乾燥して得られるエアロゲルが知られている。このエアロゲルは、軽量で且つ優れた断熱性を有することから、様々な分野で有用な断熱材の素材として注目されている。
【0003】
エアロゲルを製造するに際して、上記ゲル状化合物(湿潤ゲル)を生成する際に用いられた溶媒をゲル状化合物から効果的に除去して乾燥ゲルを得る必要がある。しかしながら、湿潤ゲルをそのままの状態で乾燥すれば、ゲル状化合の構造が破壊され、形状を保ったまま乾燥することができない。これは、気体などの界面で発生する界面張力に起因する応力が原因であると考えられている。
【0004】
こうした構造の破壊を防止する手段は、代表的なものとして超臨界条件下で乾燥する方法が知られている(例えば、非特許文献1)。この方法は、雰囲気を超臨界状態にすれば気液の区別が無くなり、界面における界面張力の発生が理論上無くなることを原理とするものである。
【0005】
上記の原理を応用した技術として、例えば特許文献1に示すような技術も提案されている。この技術では、ゲル状化合物中に含まれる溶媒(例えば、アルコール)を超臨界の二酸化炭素で置換しつつ乾燥する方法である。この方法によれば、二酸化炭素における臨界温度・圧力が比較的低いことから、比較的容易に、また安価に超臨界状態を実現できる。
【0006】
しかしながら、超臨界状態の二酸化炭素を供給するときに、ゲル周辺の溶媒の置換速度が速過ぎると、ゲル内の急速な濃度変化等に起因する湿潤ゲル内の界面張力等の発生、溶媒の拡散や膨張に伴う応力が大きくなり、エアロゲルに亀裂が生じるという問題が依然と残っている。このため、長時間をかけて超臨界状態の二酸化炭素を供給するなどの方法が採られている。
【0007】
一方、亀裂の発生を防止するという観点から、特許文献2のような技術も提案されている。この技術では、溶媒置換の後に、溶媒の沸点以上の温度で高圧容器内を保持することによって、雰囲気中に残存する溶媒が液化することを防ぎ、これによって界面の発生を防ぎ、ゲル状化合物の構造が破壊することを防止するものである。しかしながら、こうした処理を施しても、それほど操業効率が向上するとは言えず、また置換速度が速過ぎると、クラック発生という問題は、依然として存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「ゾル−ゲル法の科学」、1990年5月1日、(株)アグネ承風社発行、第37頁
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4610863号公報
【特許文献2】特許第3048276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はこうした状況の下でなされたものであって、その目的は、乾燥工程での亀裂の発生やエアロゲル破壊などを防止しつつ、エアロゲルを効率良く製造することのできる有用な装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決することのできた本発明の製造装置とは、第一の液体溶媒を含有する湿潤体中の該第一の溶媒を、高圧状態の第二の溶媒で置換しつつ乾燥処理してエアロゲルを製造する様に構成されたエアロゲルの製造装置において、
前記第一の溶媒と同一または互いに相溶である溶媒を高圧状態にして供給する第一溶媒高圧供給部と、
前記第二の溶媒を高圧状態にして供給する第二溶媒高圧供給部と、
前記第一の溶媒と第二の溶媒を高圧状態で混合する高圧混合部と、
前記高圧混合部から供給された高圧混合溶媒を、処理槽内に設置された湿潤体と接触させて処理するエアロゲル処理部と、
を備えた点に要旨を有するエアロゲルの製造装置である。
【0012】
上記本発明の装置においては、前記第一の溶媒と同一または互いに相溶である溶媒の供給量と前記第二の溶媒の供給量の比率を変化させつつ操業するように構成することが好ましい。また、前記第二溶媒高圧供給部からの前記第二の溶媒の供給量を制御することによって、前記溶媒混合部から前記エアロゲル処理部に供給される溶媒中における該第二の溶媒の混合比率を変化させつつ操業するように構成することが好ましい。更に、エアロゲル処理部から排出された高圧溶媒を循環供給する高圧溶媒循環部と、前記高圧溶媒循環部からの溶媒と前記第二溶媒高圧供給部からの前記第二の溶媒を高圧状態で混合し、その後、前記エアロゲル処理部に混合溶媒を供給する高圧混合部と、を備えたものであることも好ましい。
【0013】
本発明の装置においては、エアロゲル処理後の混合溶媒から、前記第一の溶媒と同一または互いに相溶である溶媒を分離する第一溶媒分離部を備えていることが好ましい。また、前記第一溶媒分離部で分離された前記第一の溶媒と同一または互いに相溶である溶媒を蓄える第一溶媒貯蔵部を備え、該第一溶媒貯蔵部からの前記第一の溶媒と同一または互いに相溶である溶媒を、前記第一溶媒高圧供給部に循環して再利用するように構成することも好ましい。
【0014】
更に、前記エアロゲル処理部以降に減圧手段を備えると共に、前記エアロゲル処理部に供給される高圧混合溶媒の圧力を検出する圧力検出手段を該エアロゲル処理部に備え、前記圧力検出手段で検出された信号に基づき、前記減圧手段を制御して、前記高圧混合溶媒の圧力を徐々に小さくしつつ操業するように構成することも好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明装置では、溶媒を置換しつつ湿潤体(湿潤ゲル)を乾燥してエアロゲルを製造するに際して、置換用の溶媒だけを供給するのではなく、湿潤体中に含まれている溶媒と同一または互いに相溶である溶媒と置換用溶媒を混合した混合溶媒を供給するようにしたので、両溶媒間に二相(液/液或は気/液)界面が生じたり、置換速度が速過ぎることに起因する湿潤ゲル内に発生する応力を緩和することができ、亀裂の発生やゲル状化合物の構造の破壊を防止しつつ、効率良くエアロゲルを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の製造装置の一構成例を示す概略説明図である。
【図2】本発明の製造装置の他の構成例を示す概略説明図である。
【図3】本発明の製造装置の更に他の構成例を示す概略説明図である。
【図4】本発明の製造装置の他の構成例を示す概略説明図である。
【図5】第一の溶媒にイソプロパノール、第二の溶媒に二酸化炭素を採用した場合の、両者の相平衡図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明者らは、上記目的を達成する為に様々な角度から検討した。その結果、溶媒を置換しつつ湿潤体(湿潤ゲル)を乾燥して多孔体(エアロゲル)を製造するに際して、湿潤体中に含まれている溶媒と同一または同種の溶媒と置換用溶媒を混合した混合溶媒を供給するようにすれば、上記目的が見事に達成されることを見出し、本発明を完成した。尚、ここで言う「同種」とは、互いに相溶であることを言い、例えばアルコールと水、エタノールと水、エタノールとメタノール等の組み合わせが例として挙げられる。また、本発明で言う「循環して再利用」、或いは「循環供給して再利用」には、全部を循環する場合だけでなく、一部のみを循環する場合も含まれる。
【0018】
乾燥工程において置換用の溶媒だけを高圧状態(特に超臨界状態)で供給すると、両溶媒間に二相界面が生じたり、置換速度が速くなり過ぎることに起因し、湿潤ゲルに応力が発生することになる。これに対して、上記のような混合溶媒の形態で置換用溶媒を供給することによって、多孔体内の溶媒と外部から供給される溶媒の濃度差を任意に制御でき、湿潤体に負荷する応力が極力低減できるのである。
【0019】
本発明では、置換用溶媒を上記のような混合溶媒の形態で供給するだけでも、その効果が発揮されるのであるが、前記混合溶媒中の各溶媒の混合比率を変化させ、第二の溶媒に混合比率を徐々に大きくして供給することが好ましい。尚、ここで言う「第二の溶媒の混合比率が徐々に大きくなるように供給する」とは、混合溶媒を供給する過程を経るに従って、第二の溶媒の混合比率が大きくなるように供給するという意味である。またその意味するところは、第二の溶媒の混合比率が連続的に滑らかに大きくなるように混合溶媒を供給することに限定されるものではなく、その混合比率が段階的に大きくなるように、混合溶媒を供給するものであっても良い。こうした構成を採用することによって、多孔体内外の濃度差をできるだけ抑えつつ、速やかに溶媒置換を図ることができることになる。
【0020】
本発明で対象とする多孔体としては、シリカエアロゲルが挙げられるが、これに限らず、例えば金属酸化物エアロゲル/多孔体(例えば、単一酸化物触媒、複合酸化物触媒、触媒単体等の用途で、TiO2,Al23,MgO,SiO2−TiO2,SiO2−Al23,Pd−Al23,Ni−SiO2,ゼオライト,BaAl1219,TiCl4−Al23等)、ポリマーエアロゲル(例えば、レゾルシノールホルムアルデヒド樹脂、Cuを含むコポリマー等)、粘土層間架橋多孔体等の多孔体、或いは、通常の乾燥では毛管力によって破壊してしまう脆い物質(バイオポリマーの一種であるフミン酸乾燥体等)、凝集してしまう物質(Y−Ba−Cu−O系複酸化物微粉末等)、等を対象とすることができる。こうした多孔体においても、乾燥工程において同様な問題が生じ、本発明を適用することによって、こうした問題が解消できる。
【0021】
本発明を実施するに際して、湿潤体(例えば、湿潤ゲル)中に含まれる第一の溶媒としては、多孔体の湿潤ゲルの製造に使用される溶媒が該当し、一般的には、アルコール類が使用される例が多い。また、このアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のいずれも使用でき、特に限定されない。
【0022】
またこの第一の溶媒は、例えばエアロゲルを製造する段階で含まれるアルコールを想定したものであるが、エアロゲルを製造する段階で含まれるアルコールを、一旦別の溶媒で置換して製造段階で含まれる触媒等を除去した段階の溶媒、或いは、エアロゲルを疎水化処理した段階の触媒、更に、超臨界二酸化炭素への溶解性が高い溶媒に置換した段階での溶媒、例えば、アセトン、ヘキサン等の有機溶媒であっても良い。
【0023】
一方、本発明で第一の溶媒と置換する為に用いる第二の溶媒としては、容易に高圧状態(特に、超臨界状態)を達成できるものであれば、特に限定するものではなく、例えば、二酸化炭素、亜酸化窒素、プロパン、アンモニア等が挙げられる。このうち、臨界温度・臨界圧力が比較的低い、安全な流体、安価という観点から、二酸化炭素が好ましいものとして推奨される。特に、二酸化炭素では、超臨界状態のアルコールを使用する場合と比較して、安価に処理を行うことができるという利点がある。
【0024】
上記第二の溶媒の供給は、第一の溶媒と第二の溶媒が二相状態(液/液或いは気液共存相)を形成しない二成分系の臨界状態以上の条件であれば良く、第一の溶媒、或いは、第二の溶媒の臨界状態以上であることを必須とするものではない。また、混合された段階での第一の溶媒は、第一の溶媒の臨界状態以上、また、第二の溶媒の臨界状態以上であることを必須とするものではないが、ゲル内の置換を効率的に行うためには、第二の溶媒の臨界条件以上の圧力・温度の方がより好ましい。尚、本発明での「臨界状態以上」とは、「超臨界状態、臨界状態または亜臨界状態」を言う。
【0025】
例えば、第一の溶媒にイソプロパノール(IPA)、第二の溶媒に二酸化炭素を採用した場合について、60℃、50℃、20℃での相平衡を示す図5に基づいて説明する。尚、図5の縦軸に示される圧力は、いわゆるゲージ圧にて表記されている。図5から理解されるように、60℃での二相共存相は10.5MPa以下で存在するため、60℃の場合の圧力は10.5MPa以上であれば良い。イソプロパノールの臨界温度は235℃であるため、60℃は臨界温度以下であるが、それでも二相共存相を経由せずに置換、乾燥が可能である。また、二酸化炭素の臨界温度31℃以下、例えば25℃で処理する場合は、二相共存相に達する前に温度を上げる等の処理を行い、置換しても良い。
【0026】
こうした観点からして、本発明で用いる混合溶媒としては、第一の溶媒がアルコールであり、第二の溶媒が超臨界状態の二酸化炭素である組み合わせが好ましい。
【0027】
次に、本発明に係る装置の構成について、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の製造装置の一構成例を示す概略説明図である。この装置においては、基本的な構成として、多孔体処理部(エアロゲル処理部)1、第一溶媒高圧供給部2、第二溶媒高圧供給部3、高圧混合部4を備えたものである。これらの基本構成に付随して、第一溶媒分離部5、第二溶媒受槽6、冷却手段7、加熱手段8a,8b、減圧手段9が設けられ、また必要によって第一溶媒貯蔵部10aが設けられる。尚、取り扱う第一の溶媒、第二の溶媒の種類、条件等により、高圧混合部4の前や減圧手段9の前など、図1と異なる位置に加熱手段8a、加熱手段8bを設置したり、或いは、それらを設置しない場合もある。
【0028】
こうした装置において、第一溶媒高圧供給部2には、多孔体処理部1で処理される湿潤体(例えば、湿潤ゲル)中に含まれる液体溶媒(第一の液体溶媒)と同種の液体溶媒が供給されており、この液体溶媒は第一溶媒高圧供給部2から高圧状態で高圧混合部4に供給される。また、第二溶媒高圧供給部3には置換用の第二の溶媒が供給されており、この溶媒は第二溶媒高圧供給部3から高圧状態で高圧混合部4に供給される。尚、第二溶媒高圧供給部3には、第二溶媒受槽6から冷却手段7を介して、低圧の第二の溶媒が供給される。図1に示していないが、第一溶媒分離部5から排出される第二の溶媒を熱交換器、或いは、精製器等を経由した後に、第二溶媒受槽6に戻し、再利用しても良い。
【0029】
高圧混合部4では、供給されてきた各溶媒(第一の溶媒と同種の溶媒および第二の溶媒)が所定の割合で混合されて混合溶媒とされる。そして、この混合溶媒は加熱手段8aによって加熱された後、多孔体処理部1に送られる。このときの加熱では、混合溶媒が超臨界状態となる温度に設定される。
【0030】
多孔体処理部1には、第一の液体溶媒を含有する湿潤体(例えば、湿潤ゲル)が設置されており、この湿潤体は供給されてきた混合溶媒と接触され、湿潤体中の第一の溶媒は混合溶媒中の第二の溶媒と徐々に置換されることになる。混合溶媒の供給に際しては、前記第一溶媒供給部2および第二溶媒高圧供給部3からの各溶媒の供給量を制御することによって、混合溶媒中の各溶媒の混合比率を変えることができ、第二の溶媒の混合比率が徐々に大きくなるように制御できる。
【0031】
即ち、図1に示した多孔体の製造装置では、前記第一溶媒供給部2および第二溶媒高圧供給部3からの各溶媒の供給量を制御することによって、混合溶媒中の各溶媒の混合比率を変える第一の溶媒の供給量と第二の溶媒の供給量の比率を変化させつつ操業するように構成したものである。尚、第一の溶媒高圧供給部2および第二溶媒高圧供給部3からの各溶媒の供給量を制御するに当って、第一溶媒高圧供給部2および第二溶媒高圧供給部3が供給しようとする各溶媒の供給量を正しく供給することが可能になるよう、いわゆるフィードバック制御等にて各溶媒の供給量を制御する構成であることが好ましい。例えば、第一溶媒高圧供給部2および第二溶媒高圧供給部3が、各溶媒の供給口付近に流量計等を内蔵するものであることが好ましい。尚且つ、第一溶媒高圧供給部2および第二溶媒高圧供給部3が、前記流量計等から出力される検出量と、供給の過程に応じて予め設定された供給量とに基づいて、設定通りに各溶媒が供給されるように、制御するものであることが好ましい。但し、本発明はこうした構成に限定されるものではなく、要するに、混合溶媒中の各溶媒の混合比率を変えることのできるように構成されていれば足りる。
【0032】
多孔体処理部1に供給された混合溶媒は、減圧手段9、加熱手段8b、第一溶媒分離部5に送られ、第一の溶媒と第二の溶媒に分離される。混合溶媒中における第二の溶媒の比率を増大、すなわち第一の溶媒の比率を低下させつつ混合溶媒を供給し、次いで第一の溶媒の供給を停止し、第二の溶媒のみを供給する。そのうち混合溶媒中における第一の溶媒の混合比率は概ね零となるが、その後も第二の溶媒の供給を継続する。それによって、多孔体処理部1内の湿潤体は、溶媒置換が行われつつ乾燥され、溶媒置換が完了した後には第一の溶媒の混合比率が概ね零である混合溶媒、すなわちほぼ第二の溶媒のみによって乾燥が継続される。最終的には、第二の溶媒の供給が止められ、多孔体処理部1内を減圧した後に、元は湿潤体であった、乾燥された多孔体が多孔体処理部1から取り出される。
【0033】
この装置においては、必要によって第一溶媒貯蔵部10aが設けられ、この第一溶媒貯蔵部10aには、第一溶媒分離部5で分離された第一の溶媒を蓄えるようにされる。そして、蓄えられた第一の溶媒は、第一溶媒高圧供給部2に循環して再利用される。尚、第一溶媒分離部5の分離条件によっては、分離された第一の溶媒中に本来含まれるべきでない第二の溶媒が多量に溶解している場合がある。従って、第一溶媒貯蔵部10aには、溶媒を加熱する機能等を付属させて、第一の溶媒中に溶解している第二の溶媒を除去するようにしても良い。
【0034】
図2は、本発明に係る製造装置の他の構成例を示す概略説明図である。この装置の基本的構成は、前記図1に示した装置構成と類似し、対応する部分には同一の参照を付すことによって重複説明を避ける。
【0035】
この装置においては、図1に示した装置における第一溶媒高圧供給部2の代わりに、高圧溶媒循環部12を設け、湿潤体中に含まれる第一の溶媒を循環して混合溶媒の一部として利用するように構成したものである。この装置においては、第一の溶媒を含有する湿潤体は、多孔体処理部1内に設置されるが、この湿潤体に含まれる第一の溶媒を予め高圧溶媒循環部12に送って高圧混合部4から多孔体処理部1で循環させておく。この溶媒の循環は、溶媒が高圧状態にあるままで行われる。そして第二溶媒高圧供給部3からの第二の溶媒を、加熱手段8cを介して高圧混合部4に供給することによって、高圧混合部4内で第一の溶媒と第二の溶媒が所定の混合比率で混合されて混合溶媒とされた後、多孔体処理部1に送られ、同様の処理が行われる。このとき、第二溶媒高圧供給部3からの第二の溶媒の供給量を変化させることによって、溶媒混合部4から多孔体処理部1に供給される混合溶媒中における第二の溶媒の混合比率を変化させることができる。
【0036】
尚、この装置においても、必要によって第一溶媒貯蔵部10bが設けられ、この第一溶媒貯蔵部10bには、第一溶媒分離部5で分離された第一の溶媒を蓄えるようにできる。そして、蓄えられた第一の溶媒は、多孔体処理部1に循環して再利用される。ここで第一の溶媒の多孔体処理部1への供給は、多孔体処理部1が常圧にある時にのみ行われる。
【0037】
他の構成は、基本的に前記図1に示した装置と同じであるが、こうした装置構成によっても本発明方法を有効に実施することができる。
【0038】
図3は、本発明に係る製造装置の更に他の構成例を示す概略説明図である。この装置の基本的構成は、前記図1に示した装置構成と類似し、対応する部分には同一の参照を付すことによって重複説明を避ける。
【0039】
この装置においては、図1に示した装置に加え、前記多孔体処理部1に、該多孔体処理部に供給される高圧混合溶媒の圧力を検出する圧力検出手段13を備えている。そして、前記圧力検出手段13で検出された信号に基づき、前記減圧手段9を制御して、前記高圧混合溶媒の圧力を徐々に小さくしつつ操業するように構成したものである。尚、ここで言う「高圧混合溶媒の圧力を徐々に小さく」とは、混合溶媒を供給する過程を経るに従って、混合溶媒の圧力が小さくなるように供給するという意味である。またその意味するところは、混合溶媒の圧力が連続的に滑らかに小さくなるように混合溶媒を供給することに限定されるものではなく、その圧力が段階的に小さくなるように、混合溶媒を供給するものであっても良い。
【0040】
図4は、本発明に係る製造装置の他の構成例を示す概略説明図である。この装置の基本的構成は、前記図2に示した装置構成と類似し、対応する部分には同一の参照を付すことによって重複説明を避ける。
【0041】
この装置においては、図2に示した装置に加え、前記多孔体処理部1に、該多孔体処理部に供給される高圧混合溶媒の圧力を検出する圧力検出手段14を備えている。そして、前記圧力検出手段13で検出された信号に基づき、前記減圧手段9を制御して、前記高圧混合溶媒の圧力を徐々に小さくしつつ操業するように構成したものである。尚、ここで言う「高圧混合溶媒の圧力が徐々に小さく」とは、前記図3に示した装置に関して述べた意味と同じである。
【0042】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【実施例】
【0043】
シリカエアロゲルを得るために、アルコキシシラン、テトラメトキシシラン、溶媒として、エタノールを使用し、触媒および加水分解用の水としてアンモニア水溶液を添加混合して、アルコキシシランを加水分解し、縮重合させ、ゲル状化合物を得た。このゲル状化合物にイソプロパノールを添加し、加熱処理した後(いわゆる熟成工程)、溶媒部分を完全に置換したもの(これを「アルコゲル」と呼ぶ)を得た。
【0044】
こうして得られたアルコゲル(湿潤ゲル)を用い、その雰囲気条件を下記(A)〜(G)に示す各方法で処理して乾燥させ、そのときのエアロゲルの生成状態について調査した。このときの乾燥に際しては、ガラス窓付きの高圧容器を用い、該容器内を観察しながら行った。
【0045】
[(A)高圧容器内に超臨界二酸化炭素を供給する方法]
高圧容器内にイソプロパノール(IPA)を満たし、前記アルコゲルを1枚入れた蓋を閉じ、高圧容器を60℃に(図5のA)、二酸化炭素で13MPaまで加圧し(図5のB)、その後60℃、13MPaの超臨界二酸化炭素を供給し続け、高圧容器内のIPAを二酸化炭素で置換し(図5のBからC)、その後高圧容器内を減圧し(図5のCからD)、ゲルを容器内から取り出した。
【0046】
その結果、全ての処理を7時間で終えた場合、高圧容器内のIPAを超臨界二酸化炭素で置換する工程において、イソプロパノールと超臨界二酸化炭素との間に明確な界面が生じ、結果としてゲルにクラックが入ることが確認できた。尚、イソプロパノールと二酸化炭素の相互拡散で二相界面が生じないように、置換する工程で超臨界二酸化炭素の供給を一時停止するか、非常にゆっくりと流すようにした場合は、ゲルにクラックが入らないことも確認できた。但し、その場合は全ての処理に9時間もの長時間を要することとなった。また、容器内のスペーサを外し、容器深さを1.6倍とし、アルコゲルを容器内に2枚入れて乾燥した場合には、ゲルにクラックが入らないようにするために、置換工程で、上記と同じように、60℃、13MPaの超臨界二酸化炭素を10cc/minの流量で流した場合、770分間流し続けることが必要となり、全ての処理には約14時間もの長時間を必要とした。
【0047】
[(B)高圧容器内に超臨界二酸化炭素とイソプロパノールの混合溶媒を供給する方法]
前記図1に示した装置を用い、高圧容器(多孔体処理部1に相当)内にイソプロパノールを満たし、前記アルコゲルを入れて蓋を閉じ、高圧容器を60℃に加熱した後、二酸化炭素で13MPaまで加圧し、その後60℃、13MPaの超臨界二酸化炭素とイソプロパノールの混合溶媒を供給した。このとき、イソプロパノールの質量比が徐々に減少するように(例えば95質量%→90質量%→85質量%…)イソプロパノールと二酸化炭素を混合し、高圧容器内に供給した。こうした供給では、イソプロパノールの質量比が減少するに従って、高圧容器内のイソプロパノール濃度も減少している。
【0048】
供給する混合流体中のイソプロパノールの質量比を0%とした後、しばらくの時間を超臨界二酸化炭素だけの供給とし、高圧容器内のイソプロパノールが0.5%以下になってから減圧した。
【0049】
こうした方法によれば、上記(A)ではゲルにクラックが入ることになった処理時間(7時間)であっても界面ができることなく、乾燥工程中にゲルにクラックが入ることはなかった。
【0050】
[(C)高圧容器から排出された溶媒を循環させ、徐々に超臨界二酸化炭素を混合する方法]
前記図4に示した装置を用い、高圧容器(多孔体処理部1に相当)内にイソプロパノールを満たし、前記アルコゲルを入れて蓋を閉じ、高圧容器を60℃に加熱した後、二酸化炭素で13MPaまで加圧し、高圧容器から排出された溶媒を循環ポンプ(高圧溶媒循環部12)によって高圧混合部4を介して高圧容器に供給することにより、この溶媒を循環させた。その後この溶媒を循環させたままで、60℃、13MPaの超臨界二酸化炭素を供給した。このとき、高圧容器内の圧力が13MPaで維持できるように混合溶媒を系外に排出されるように、圧力検出手段14の信号に基づき、減圧手段9を制御した。その結果、高圧容器内のイソプロパノールの濃度が徐々に減少し、最終的に超臨界二酸化炭素のみの状態となった。その後しばらくの時間超臨界二酸化炭素を供給し、高圧容器内のイソプロパノールが完全になくなってから減圧した。
【0051】
こうした方法によっても、上記(A)ではゲルにクラックが入ることになった処理時間(7時間)であっても界面ができることなく、乾燥工程中にゲルにクラックが入ることが無かった。すなわち、上記(A)の場合は、溶媒の相互拡散速度等に依存した二相界面が生じない条件で処理する必要があり、そのためには長時間が処理に必要となる。これに対して、本発明[(B),(C)]の場合は、ゲルの周囲の混合溶媒の濃度を自由に制御できるため、混合溶媒の流量に制限がなく、大型或いは、複数枚のゲルの周囲の流速を自由に設定でき、短時間での均一な処理が可能となる。
【0052】
[(D)高圧容器から排出された溶媒を循環させ、徐々に超臨界二酸化炭素を混合する他の方法]
前記図2に示した装置を用い、高圧容器(多孔体処理部1に相当)内にイソプロパノールを満たし、前記アルコゲルを入れて蓋を閉じ、高圧容器を60℃に加熱した後、二酸化炭素で13MPaまで加圧し、高圧容器から排出された溶媒を循環ポンプ(高圧溶媒循環部12)によって高圧混合部4を介して高圧容器に供給することにより、この溶媒を循環させた。その後この溶媒を循環させたままで、高圧混合部4を介して60℃、13MPaの超臨界二酸化炭素を供給した。但し、超臨界二酸化炭素の供給量を当初20cc/minとしたが、と超臨界二酸化炭素の供給を開始してから180分経過後に、超臨界二酸化炭素の供給量を35cc/minに増加した。即ち、第二の溶媒である超臨界二酸化炭素の混合比率を徐々に大きくするに当って、その超臨界二酸化炭素の混合比率の増加の割合自体を段階的に(徐々に)大きくした。その結果、超臨界二酸化炭素の供給量を増加してから100分後には、高圧容器内のイソプロパノール濃度は0.5%以下となった。イソプロパノール濃度が0.5%以下となってから、更に30分かけて減圧した。結果的に、全ての処理に必要な時間は約5.7時間であった。
【0053】
こうした方法[本発明方法(D)]によっても、多孔体にクラック等が発生するのを防止しつつ多孔体を効率的に製造することができる。尚、このように、超臨界二酸化炭素の混合比率の増加の割合自体を段階的(徐々に)大きくしながら操業することにより、処理時間を上記(C)の場合よりも短くすることが可能になった。
【0054】
[(E)高圧容器から排出された溶媒を循環させ、徐々に超臨界二酸化炭素を混合する更に他の方法]
前記図2に示した装置を用い、高圧容器(多孔体処理部1に相当)内にイソプロパノールを満たし、前記アルコゲルを入れて蓋を閉じ、高圧容器を60℃に加熱した後、二酸化炭素で13MPaまで加圧し、高圧容器から排出された溶媒を循環ポンプ(高圧溶媒循環部12)によって高圧混合部4を介して高圧容器に供給することにより、この溶媒を循環させた。その後この溶媒を循環させたままで、60℃の超臨界二酸化炭素を供給した。このとき、高圧混合溶媒(当初はイソプロパノールのみ)の圧力を、当初13MPaとしたが、超臨界二酸化炭素の供給開始後、40分後には11.5MPaへ、80分後には10MPaへ低下させた。即ち、高圧混合溶媒に圧力を徐々に小さくした。その結果、300分後の高圧容器内のイソプロパノール濃度は0.5%以下となった。結果的に、全ての処理に必要な時間は約6時間であった。
【0055】
こうした方法[本発明方法(E)]によっても、多孔体にクラック等が発生するのを防止しつつ多孔体を効率的に製造することができる。尚、このように、混合溶媒の圧力を徐々に小さくすることにより、処理時間を上記(C)の場合よりも短くすることが可能になった。
【0056】
[(F)高圧容器から排出された溶媒を循環させ、徐々に超臨界二酸化炭素を混合する他の方法]
前記図4に示した装置を用い、高圧容器(多孔体処理部1に相当)内にイソプロパノールを満たし、前記アルコゲルを1枚入れて蓋を閉じ、高圧容器を60℃に加熱した後、二酸化炭素で13MPaまで30分かけて加圧し、その後、循環ポンプ(高圧溶媒循環部12)によって高圧容器から排出された溶媒を循環させ、超臨界二酸化炭素を20cc/minで供給した。このとき、高圧容器内の圧力が13MPaを維持できるように、圧力検出手段14の信号に基づき、減圧手段9を、高圧容器から排出される混合溶媒を系外に排出するように制御した。その結果、高圧容器内のイソプロパノール濃度は徐々に減少し、360分後にイソプロパノール濃度を測定すると、0.5%以下となっていたため、その後、30分かけて減圧した。結果的に、全ての処理に必要な時間は約7時間であった。
【0057】
[(G)高圧容器から排出された溶媒を循環させ、徐々に超臨界二酸化炭素を混合する他の方法]
上記(F)の方法とほぼ同様の手順としたが、この方法で容器内のスペーサを外し、容器深さを1.6倍とし、アルコゲルを容器内に2枚入れ、超臨界二酸化炭素の供給量を32cc/minとした。その結果、上記(F)の方法と同様、全ての処理に必要な時間は約7時間であった。
【0058】
こうした方法[本発明方法(F),(G)]によっても、上記(A)ではゲルにクラックが入ることになった処理時間(7時間)であっても界面ができることなく、乾燥工程中にゲルにクラックが入ることが無かった。また、上記(F),(G)のように、アルコゲルの枚数を増やしても、容器内の濃度の変化を自由に設定できるので、1枚しか処理できない場合と同様に、短時間での処理が可能となり、効率的な多孔体の工業的生産が可能である。
【0059】
従来のように、置換用の溶媒だけを供給する方法では、置換速度を制限すると、処理容器の大きさを大きくすればするほど処理時間が長くなる。しかしながら、本発明では、湿潤体中に含まれている溶媒と同一または同種の溶媒と置換用溶媒を混合した混合溶媒を供給するようにしたので、処理容器内全体の溶媒濃度を均一に連続的に変化させ、置換用の溶媒へ効率良く置換することができる。その結果として、処理容器の大きさを大きくしても、処理時間が長くならず、多孔体の効率的な生産が可能となる。
【0060】
また、第二の溶媒の混合比率を徐々に大きくするに当って、その第二の溶媒の混合比率の増加の割合自体を徐々に大きくすることにより、クラック発生に影響のある、置換初期の置換速度を抑えながら、置換後期の置換速度を上げることができる。その結果として、処理時間を短くすることができ、更に多孔体の効率的な生産が可能となる。
【0061】
更に、混合溶媒の圧力を徐々に小さくすることによって、置換用の溶媒の濃度が低下し、湿潤体中に含まれる溶媒と置換用の溶媒の濃度が相対的に小さくなることから、置換速度が向上し、多孔体の効率的な生産が可能となる。
【符号の説明】
【0062】
1 多孔体処理部(エアロゲル処理部)
2 第一溶媒高圧供給部
3 第二溶媒高圧供給部
4 高圧混合部
5 第一溶媒分離部
12 高圧溶媒循環部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の液体溶媒を含有する湿潤体中の該第一の溶媒を、高圧状態の第二の溶媒で置換しつつ乾燥処理してエアロゲルを製造する様に構成されたエアロゲルの製造装置において、
前記第一の溶媒と同一または互いに相溶である溶媒を高圧状態にして供給する第一溶媒高圧供給部と、
前記第二の溶媒を高圧状態にして供給する第二溶媒高圧供給部と、
前記第一の溶媒と第二の溶媒を高圧状態で混合する高圧混合部と、
前記高圧混合部から供給された高圧混合溶媒を、処理槽内に設置された湿潤体と接触させて処理するエアロゲル処理部と、
を備えたものであることを特徴とするエアロゲルの製造装置。
【請求項2】
前記第一の溶媒と同一または互いに相溶である溶媒の供給量と前記第二の溶媒の供給量の比率を変化させつつ操業するように構成したものである請求項1に記載のエアロゲルの製造装置。
【請求項3】
前記第二溶媒高圧供給部からの前記第二の溶媒の供給量を制御することによって、前記溶媒混合部から前記エアロゲル処理部に供給される溶媒中における該第二の溶媒の混合比率を変化させつつ操業するように構成したものである請求項1に記載のエアロゲルの製造装置。
【請求項4】
更に、エアロゲル処理部から排出された高圧溶媒を循環供給する高圧溶媒循環部と、
前記高圧溶媒循環部からの溶媒と前記第二溶媒高圧供給部からの前記第二の溶媒を高圧状態で混合し、その後、前記エアロゲル処理部に混合溶媒を供給する高圧混合部と、
を備えたものである請求項1〜3のいずれかに記載のエアロゲルの製造装置。
【請求項5】
エアロゲル処理後の混合溶媒から、前記第一の溶媒と同一または互いに相溶である溶媒を分離する第一溶媒分離部を備えたものである請求項1〜4に記載のエアロゲルの製造装置。
【請求項6】
前記第一溶媒分離部で分離された前記第一の溶媒と同一または互いに相溶である溶媒を蓄える第一溶媒貯蔵部を備え、該第一溶媒貯蔵部からの前記第一の溶媒と同一または互いに相溶である溶媒を、前記第一溶媒高圧供給部に循環して再利用するように構成されたものである請求項5に記載のエアロゲルの製造装置。
【請求項7】
前記エアロゲル処理部以降に減圧手段を備えると共に、前記エアロゲル処理部に供給される高圧混合溶媒の圧力を検出する圧力検出手段を該エアロゲル処理部に備え、前記圧力検出手段で検出された信号に基づき、前記減圧手段を制御して、前記高圧混合溶媒の圧力を徐々に小さくしつつ操業するように構成したものである請求項1〜6のいずれかに記載のエアロゲルの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−173790(P2011−173790A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87772(P2011−87772)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【分割の表示】特願2005−126791(P2005−126791)の分割
【原出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】