説明

エア搬送コンベヤのガイド装置

【課題】エア搬送コンベヤにより搬送されるボトルの胴部を案内するガイドバーの間隔調整と高さの変更を可能にし、しかも少ない駆動手段によって調整を行えるようにする。
【解決手段】ボトル2のネック部2bを支持して吊り下げた状態で搬送するエア搬送コンベヤ1において、ボトル2の胴部2aを両側から案内するガイドバーの間隔および高さを調整する構成であり、各ガイドバーが取り付けられた支持部材26A、26Bの上下方向の移動を案内する上下方向案内部材28A、28Bを、カムプレート40A、40Bのカム溝に係合するピン38A、38Bを介して互いに接近離隔させ、また、両支持部材が連結された横方向案内部材34を、搬送方向に伸びるレール46に固定し、昇降レバー50で昇降させる。複数箇所のカムプレートの移動および昇降レバーの動作は、それぞれ連動ロッド46等によって連動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PETボトル等の樹脂製ボトルを吊り下げた状態で搬送するエア搬送コンベヤに係り、特に、搬送されるボトルの胴部を両側からガイドするガイド部材の、間隔の調整および高さの変更を行うことができるガイド装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エア搬送コンベヤは、一般に、PETボトル等の樹脂製ボトルのネック部に形成されたフランジの下面側を、平行に配置された2本のネックガイドによって支持し、そのネック部のフランジよりも上方の部分に、搬送方向の後方側から加圧エアを吹き付けて搬送するようになっている。ネック部のフランジを支持されて搬送されるボトルは、下方の胴部が大きく振れると安定した搬送が行えず、噛み込み等のトラブルが起こるおそれがあるので、エア搬送コンベヤには、容器の胴部の直径よりもやや大きい間隔で、搬送方向に延びる2本の平行なガイド部材(ガイドバー)を設置し、搬送されるボトルの横方向の振れを規制するようにしている。
【0003】
前記エア搬送コンベヤでは、各種サイズのボトルに兼用できるように両側のガイドバーの間隔や、高さを調整できるようにしている。このような調整を手動により行うと、多くの人手と長い時間がかかるという問題があった。そこで、両側のガイドバーの間隔を自動で調整できるようにしたエア搬送コンベヤがすでに提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
前記特許文献1に記載されたエア搬送コンベヤでは、ガイドバーの間隔を調整する機構が、「エアガイドボックスには移送方向の両側に規則的な間隔で、下方に延伸する竪方向支柱が配置されており、移送方向に平行に延伸するガイドバーが調整用駆動装置により横方向に調節できるように支持され」た構成になっている。また、別の実施例では、ガイドバーの高さ調節を、竪方向に設けられた調整用駆動装置によって自動化した構成も開示されている。
【特許文献1】特表2006−525926号公報(第5−6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された発明に係るエア搬送コンベヤの構成は、長い搬送経路に沿って所定位置毎に調整用駆動装置(エアシリンダ)を設置しており、エア搬送コンベヤ全体として多数のエアシリンダを設置する必要が有り、コスト高であるという問題があった。また、調整できる範囲が、予め設定した位置に限定されるという問題もあった。
【0006】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、多数の駆動手段を設置する必要のないエア搬送コンベヤのガイド装置を提供することを目的とするものである。また、無段階で調整することができ、容器の形状に応じて細かな設定が可能なエア搬送コンベヤのガイド装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ボトルのネック部に形成されたフランジの下面を支持して、ボトルを吊り下げた状態で搬送するエア搬送コンベヤの、ボトル搬送経路の両側に配置されて、搬送されるボトルの両側をガイドするガイド部材を備えたガイド装置において、前記ボトル搬送経路の両側の複数箇所に設けられ、前記ガイド部材の上下方向の移動を案内する上下方向案内部材と、ボトル搬送経路の下方の複数箇所に設けられ、両ガイド部材の互いに接近離隔する方向への移動を案内する横方向案内部材と、前記両側の上下方向案内部材を互いに接近離隔する方向に移動させる搬送方向に複数配置された横方向移動手段と、前記横方向案内部材を昇降させる搬送方向に複数配置された昇降移動手段と、搬送方向に隣接する横方向移動手段を連動させる横方向連動ロッドと、搬送方向に隣接する昇降移動手段を連動させる昇降連動ロッドと、前記横方向連動ロッドを介して複数の上下方向案内部材を接近離隔させる横方向駆動手段と、昇降連動ロッドを介して複数の横方向案内部材を昇降させる昇降駆動手段とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るエア搬送コンベヤのガイド装置は、ガイド部材を接近離隔させる際にその移動を案内する横方向案内部材に加えて、ガイド部材を上下方向に移動させる際に案内する上下方向案内部材を設け、しかも、ボトル搬送経路に沿って複数箇所に設けたこれら横方向案内部材と上下方向案内部材を移動させる手段を、それぞれ連動ロッドによって連動させるようにしたので、ボトル搬送経路に沿って多数の駆動手段を設置する必要がなく、構造が簡素化する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ボトル搬送経路の両側に配置されて搬送されるボトルの両側をガイドするガイド部材の上下方向の移動を案内する上下方向案内部材と、両ガイド部材を互いに接近離隔させる際の移動を案内する横方向案内部材を、それぞれボトル搬送方向に沿って複数箇所に設け、しかも、複数の上下方向案内部材を接近離隔させる横方向移動手段を横方向連動ロッドによって連動させて、横方向駆動手段によって駆動するとともに、複数の横方向案内部材を昇降させる昇降移動手段を昇降連動ロッドによって連動させて、昇降駆動手段によって昇降させるようにしたことにより、エア搬送コンベヤによって搬送されるボトルの両側を案内する両側ガイド部材の間隔の調整と高さの変更を、駆動手段の数を少なくした簡単な構成で行うという目的を達成する。
【実施例1】
【0010】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係るガイド装置を備えた樹脂製ボトル搬送用のエア搬送コンベヤ(全体として符号1で示す)の縦断面図、図2は前記ガイド装置の調整を行う駆動部の平面図、図3は駆動部の側面図である。このエア搬送コンベヤ1によって搬送される容器2は、樹脂製ボトルであり、大径の胴部2aと、上方の小径ネック部2bと、胴部2aから上方へ向かって次第に径が細くなってネック部2bに繋がる肩部2cとを有しており、前記ネック部2bの外周にフランジ2dが形成されている。このエア搬送コンベヤ1は、両側の側壁6、8間に樹脂製ボトル2の搬送経路が形成されており、その上部側が推進用エアダクト10、下部側が胴部2aの移動空間12になっている。
【0011】
側壁6、8の上部6A、8Aと天面壁14と下部側の水平な仕切り板16とにより囲まれた、断面が方形の空間10が推進用エアダクトであり、外部に設置された図示しない加圧エア供給手段から加圧エアが供給されている。推進用エアダクト10の下面(仕切り板16)の中央部に、両側面18a、18bと天面18cとからなるエア通路18が形成されている。このエア通路18は樹脂製ボトル2のネック部2bのフランジ2dおよびこれよりも上方の部分が通過するようになっており、このフランジ2dよりも上方の部分が通過可能なサイズを有している。
【0012】
このエア通路18の両側面18a、18bおよび天面18cには、長手方向に等間隔で多数の加圧エア吹き出し口20が形成されており、エアダクト10内の加圧エアがこれら吹き出し口20を介してエア通路18内に吹き出している。これら吹き出し口20からのエアは、樹脂製ボトル2の搬送方向後方側から前方側に向けて吹き出されており、このエアが樹脂製ボトル2のネック部2bのフランジ2dよりも上方の部分に吹き付けられて樹脂製ボトル2を前進させる。
【0013】
前記エア通路18の下面側に、一対のネックガイド22、22が固定されている。これら両側に配置されたネックガイド22、22の先端面(互いに向かい合う面)間の距離は、樹脂製ボトル2のネック部2bの外径よりもやや大きくなっており、搬送中の樹脂製ボトル2の前後左右やその他の方向の揺動を許容するようになっている。また、先端面間の距離は、フランジ2dの外径よりも小さくなっており、樹脂製ボトル2が落下しないようになっている。
【0014】
前記エアダクト10の下方側は樹脂製ボトル2の胴部2aが通過する移動空間12になっており、両側壁下部6B、8Bの内面側に、搬送中のボトル2の胴部2aをガイドする一対のガイド部材(ガイドバー)24A、24Bが配置されている。これらガイドバー24A、24Bは、ボトル2の高さおよび外径等に応じて、その間隔および高さを調整できるようになっている。以下に、両ガイドバー24A、24Bの間隔を調整する機構と高さを変更する機構について説明する。両ガイドバー24A、24Bは、このエア搬送コンベヤ1の全長に渡って配置されており、これら両ガイドバー24A、24Bを昇降させる機構(昇降移動手段)および間隔を拡縮する機構(横方向移動手段)は、所定の間隔で配置され、しかも連続する複数の昇降移動手段、横方向移動手段がそれぞれ連動ロッドによって連結されて連動するようになっている。
【0015】
各ガイドバー24A、24Bは、ボトル2の搬送経路の両側に所定の間隔で配置されている直立した支持部材26A、26Bの上端に取り付けられている。これら各支持部材26A、26Bが設けられている位置の、両側壁下部6B、8Bの内面側に、直立した上下方向案内部材28A、28Bが配置され、水平な進退動部材30A、30Bの先端に取り付けられて、ボトル搬送方向を横断する方向(図1の左右方向)に進退動できるようになっている。各支持部材26A、26Bの背面側(前記上下方向案内部材28A、28Bと向かい合う側)の、前記ガイドバー24A、24Bが取り付けられている位置の下方に、スライダ32A、32Bが固定されており、これら各スライダ32A、32Bが上下方向案内部材(ガイドレール)28A、28Bに係合している。支持部材26A、26Bが昇降する際には、各支持部材26A、26Bのスライダ32A、32Bが上下方向案内部材28A、28Bに沿って上下動することにより案内される。
【0016】
両支持部材26A、26Bの下端部26Aa、26Baは、ボトル2の搬送経路の中央部方向に直角に折り曲げられて水平になっている。これら両支持部材26A、26Bの下端に設けられた水平部26Aa、26Baの下方に、ボトル2の搬送経路を横断する方向の横方向案内部材34が水平に配置されている。この横方向案内部材34には、長手方向に並ぶ二つの長孔34a、34b(図2参照)が、上下に貫通して設けられている。両支持部材26A、26Bの下端水平部26Aa、26Baに、それぞれ連結ピン36A、36Bが取り付けられ、前記各長孔34a、34bを貫通して連結され、長孔34a、34bに沿って移動できるようになっている。従って、各支持部材26A、26Bは、横方向案内部材34の長孔34a、34bに沿って横方向(ボトル搬送経路を横断する方向)に移動して、互いに接近離隔することができ、また、横方向案内部材34と一体的に昇降するようになっている。
【0017】
前記両支持部材26A、26B、上下方向案内部材28A、28Bおよび横方向案内部材34等は、このエア搬送コンベヤ1の全長に渡って、所定の間隔で多数箇所に配置されており、後に説明するように、連続して配置されている複数箇所のこれら各部材が一組として連動されるようになっており、一つの駆動手段によって複数の支持部材および横方向案内部材が一体的に昇降され、一つの駆動手段によって複数の支持部材および上下方向案内部材が一体的に横移動するようになっている。
【0018】
上下方向案内部材28A、28Bが取り付けられている水平な進退動部材30A、30Bには、上下方向のピン38A、38Bが挿通され、その下端が水平進退動部材30A、30Bの下面側に突出している。各水平進退動部材30A、30Bの下面側に、水平なカムプレート40A、40Bがそれぞれ配置されている。両カムプレート40A、40Bには、逆方向を向いた斜めのカム溝40Aa、40Baが形成されており、前記水平進退動部材30A、30Bのピン38A、38Bがこのカム溝40Aa、40Ba内に係合している。これらピン38A、38Bおよびカムプレート40A、40Bによって、水平方向案内部材28A、28Bを横方向に移動させる横方向移動手段が構成されており、カムプレート40A、40Bをボトル2の搬送方向に移動させることにより、両側の上下方向案内部材28A、28B、支持部材26A、26Bおよび一対のガイドバー24A、24Bの間隔を拡大縮小する。
【0019】
前述のように複数箇所の上下方向案内部材28A、28Bが単一の駆動手段によって移動するようになっており、その複数箇所の内の一箇所のカムプレート40A、40Bが横方向駆動手段(横方向移動用電動シリンダ)42A、42Bのピストンロッド42Aa、42Baに連結されている。その一組を構成している他のカムプレート40A、40Bは、横方向連動ロッド44A、44Bを介して順次連結されており、横方向移動用電動シリンダ42A、42Bの作動によって一箇所のカムプレート40A、40B(横方向移動用電動シリンダ42A、42Bに直接連結されているカムプレート40A、40B)がボトル搬送方向に移動すると、他のカムプレート40A、40Bも同方向に同距離だけ移動する。なお、横方向移動用電動シリンダ42A、42Bは、サーボモータを内蔵しており、ピストンロッド42Aa、42Baの移動量をほぼ無段階に調節できるようになっている。
【0020】
横方向移動用電動シリンダ42A、42Bの作動によってカムプレート40A、40Bがボトル2の搬送方向に移動すると、カム溝40Aa、40Ba内に係合しているピン38A、38Bがボトル搬送方向に対して横方向に移動し、このピン38A、38Bが取り付けられている水平進退動部材30A,30Bおよびこの水平進退動部材30A、30Bの先端に取り付けられている上下方向案内部材28A、28Bが互いに接近離隔する方向に移動する。上下方向案内部材28A、28Bが互いに接近、離隔する方向に移動すると、スライダ32A、32Bを介して上下方向案内部材28A、28Bの内面側に連結されている支持部材26A、26Bが互いに接近離隔する方向に移動する。これら支持部材26A、26Bが、互いに接近しまたは離隔する方向に移動する際は、その下端の水平部26Aa、26Baに取り付けられた連結ピン36A、36Bが、横方向案内部材34の長孔34a、34b内を移動することにより案内される。
【0021】
前記横方向案内部材34の下面中央に、ボトル搬送経路に沿って伸びる断面コ字状のレール46が固定されている。また、前記両側壁6、8の下端部に、ボトル搬送経路を横断する方向の回転軸48が、所定の間隔で回転自在に支持されている。各回転軸48に、昇降用レバー50の一端が連結されて一体的に回転するようになっている。これら各昇降用レバー50の他端(上端)にローラ52が取り付けられ、前記コ字状のレール46内に係合している。これら回転軸48および昇降用レバー50が、横方向案内部材34を昇降させる昇降移動手段を構成している。
【0022】
前記各回転軸48には、昇降用レバー50が固定されている位置と別の位置に、それぞれ連動用レバー54の一端が連結されて回転軸48および前記昇降用レバー50と一体的に回転するようになっている。これら各連動用レバー54の他端(上端)に、昇降用連動ロッド56が連結されている。なお、昇降用連動ロッド56を昇降用レバー50に設けて連動用レバー54を省略することもできる。
【0023】
回転軸48は、ボトル2の搬送経路に沿って所定の間隔で配置されており、これら多数の回転軸48の複数本に一箇所ずつ、昇降駆動手段(昇降用電動シリンダ)58が設けられている。昇降用電動シリンダ58のピストンロッド58aに、その回転軸48(昇降用電動シリンダ58によって直接回転される回転軸48)に一端が固定されて一体的に回転する伝達レバー60の他端が連結されている。従って、昇降用電動シリンダ58の作動によってピストンロッド58aを伸縮させると、伝達レバー60が回動してその回転軸48を回転させる。この回転軸48が回転すると、回転軸48に固定されている連動用レバー54および昇降用レバー50が回転軸48と一体的に回転する。連動用レバー54の先端には昇降用連動ロッド56が連結され、隣接する連動用レバー54との間を順次接続しており、昇降用電動シリンダ58の作動によって一箇所の回転軸48が回転すると、複数本の回転軸48が一組として昇降用連動ロッド56を介して連結されているため、これらの回転軸48が同方向に同角度だけ回転する。すると、これら一組の回転軸48にそれぞれ連結されている昇降用レバー50が、同時に同角度だけ回転する。このように複数の昇降用レバー50を同時に同角度だけ回転させることにより、前記コ字状のレール46を水平な状態のまま昇降させることができる。コ字状のレール46が昇降すると、このレール46上に固定されている複数の横方向案内部材34が一体的に昇降し、さらに、この横方向案内部材34に連結ピン36A、36Bを介して連結されている支持部材26A、26Bが一体的に昇降する。なお、昇降用電動シリンダ58も、前記横方向移動用電動シリンダ42A、42Bと同様にサーボモータを内蔵しており、ピストンロッド58aの移動量をほぼ無段階に調節できるようになっている。
【0024】
以上の構成に係るガイド装置を備えたエア搬送コンベヤ1の作動について説明する。図1は大型のボトル2(図1中の大型のボトルを符号2Aで示す)を搬送する場合の構成を示す縦断面図、図4は小型のボトル2(図1中の小型のボトルを符号2Bで示す)を搬送する場合を示す縦断面図である。大型のボトル2Aを搬送する場合には、ボトル2Aの胴部2aを案内する両側のガイドバー24A、24Bの間隔を、このボトル2Aの外径よりもやや大きい間隔となるように広げておき、背丈の高いボトル2Aの胴部2aの適切な位置をガイドするとともに、このボトル2Aが通過できるように、ガイドバー24A、24Bが固定されている両支持部材26A、26Bおよび横方向案内部材34を下降させておく。
【0025】
両側のガイドバー24A、24Bの間隔を広げる場合には、横方向移動用電動シリンダ42A、42Bによってカムプレート40A、40Bをボトル搬送経路に沿って(図2の左右方向に)移動させる。この実施例の構成では、カムプレート40A、40Bを図2の右方向に移動させると、水平な進退動部材30A、30Bの連結ピン36A、36Bがカム溝40Aa、40Baに沿って外側に移動し、上下方向案内部材28A、28Bおよび支持部材26A、26Bが外側に移動して、両ガイドバー24A、24Bの間隔が広がる。
【0026】
ボトル2Aの搬送経路に沿って所定の間隔で設置されている複数の上下方向案内部材28A、28B、支持部材26A、26Bおよびガイドバー24A、24Bを横方向に移動させるカムプレート40A、40Bは、横移動連動ロッド44A、44Bによって順次連結されており、横方向移動用電動シリンダ42A、42Bの作動によって、そのピストンロッド42Aa、42Baに固定されているカムプレート40A、40Bを搬送方向に沿って移動させると、その他のカムプレート40A、40Bも同方向に同じ距離だけ移動され、ボトル2の搬送経路に沿って複数配置されている前記上下方向案内部材28A、28B、支持部材26A、26Bおよびガイドバー24A、24Bの間隔が広げられて、大きいボトル2A用の設定になる。
【0027】
また、大きいボトル2A用に横方向案内部材34を下降させる場合には、昇降用電動シリンダ58のピストンロッド58aを収縮させる(図3参照)。すると、このピストンロッド58aの先端に連結されている伝達レバー60が、図3の反時計回り方向に回転し、回転軸48とともに昇降用レバー50および連動用レバー54が同時に反時計回り方向に回転する。複数箇所に配置されている各回転軸48の連動用レバー54が昇降用連動ロッド56を介して連結されており、一組として連結されている複数の回転軸48および昇降用レバー50が一体的に図3の反時計回り方向へ回転する。昇降用レバー50の傾きが大きくなると、その先端に取り付けられているローラ52が下降し、コ字状のレール46が下降する(図3に想像線で示す伝達レバー60、昇降用レバー50、連動用レバー54、コ字状のレール46および連動ロッド56等を参照)。コ字状のレール46の上面に横方向案内部材34が連結されており、コ字状のレール46とともに横方向案内部材34が下降し、ガイドバー24A、24Bが取り付けられている支持部材26A、26Bが下降する。
【0028】
図4に示すように小型のボトル2Bを搬送する場合には、ボトル搬送経路の両側に配置されているガイドバー24A、24Bの間隔を、ボトル2Bの外径よりもやや大きい間隔となるように接近させる。また、ボトル2Bのサイズに応じて、両ガイドバー24A、24Bの高さを適正な位置になるように上昇させる。このときには、前述の動作と逆に、横方向移動用電動シリンダ42A、42Bによってカムプレート40A、40Bを図2の左方向へ移動させる。カムプレート40A、40Bが移動すると、そのカム溝40Aa、40Baに係合しているピン38A、38Bが互いに接近する方向に移動し、ピン38A、38Bが取り付けられている両水平進退動部材30A、30B、これら水平進退動部材30A、30Bに固定されている両側の上下方向案内部材28A、28Bおよび両ガイドバー24A、24Bが取り付けられている支持部材26A、26Bが接近し、両ガイドバー24A、24Bの間隔が狭くなる。このときの支持部材26A、26Bの移動は、その下端の水平部26Aa、26Baに連結されている連結ピン36A、36Bが、横方向案内部材34に形成されている長孔34a、34Bに沿って移動することにより案内される。
【0029】
一方、両ガイドバー24A、24Bを上昇させるには、昇降用電動シリンダ58のピストンロッド58aを伸張させ、その先端に連結されている伝達レバー60を図3の時計回り方向に回転させる。この伝達レバー60の回転によって回転軸48、連動用レバー54および昇降用レバー50が一体的に時計回り方向に回転する。連動用レバー54は、昇降連動ロッド56を介して他の回転軸48に固定されている連動用レバー54と連結されており、前記昇降用電動シリンダ58によって連動して作動されるように連結されている複数の回転軸48および昇降用レバー50が同時に回転し、昇降用レバー50の上端に取り付けられているローラ52がコ字状レール46を押し上げる(図3に実線で示す伝達レバー60、昇降用レバー50、連動用レバー54、コ字状のレール46および連動ロッド56等を参照)。エア搬送コンベヤ1は全長が長いので、所定間隔毎に設置した多数の横方向案内部材34や上下方向案内部材28A、28Bを単一の駆動手段で移動することは困難であり、そこでこの実施例では、複数箇所毎に一つの駆動手段(横方向駆動手段42A、42Bと昇降駆動手段58)を設けて、全体を一斉に動作させるようにしたので、多数の駆動手段を使用することなくガイドバー24A、24Bの間隔調整および高さの変更が可能である。なお、ガイドバー24A、24Bの位置は、ボトル2の胴部2aをガイドする位置に限らず、肩部2c等ボトル2の形状に応じて設定することができる。前述のように移動手段として電動シリンダ42A、42B、58を用いているので、その位置を無段階に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施例に係るガイド装置を備えたエア搬送コンベヤの縦断面図であり、大型のボトルを搬送する状態を示す。(実施例1)
【図2】前記ガイド装置の調整を行う駆動部の平面図である。
【図3】前記ガイド装置の調整を行う駆動部の側面図である。
【図4】図1に示すエア搬送コンベヤで小型のボトルを搬送する状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 エア搬送コンベヤ
2 ボトル
2b ボトルのネック部
2d ボトルのフランジ
24A ガイド部材(ガイドバー)
24B ガイド部材(ガイドバー)
28A 上下方向案内部材
28B 上下方向案内部材
34 横方向案内部材
38A 横方向移動手段(ピン)
38B 横方向移動手段(ピン)
40A 横方向移動手段(カムプレート)
40B 横方向移動手段(カムプレート)
42A 横方向駆動手段(電動シリンダ)
42B 横方向駆動手段(電動シリンダ)
44A 横方向連動ロッド
44B 横方向連動ロッド
48 昇降移動手段(回転軸)
50 昇降移動手段(昇降用レバー)
56 昇降連動ロッド
58 昇降駆動手段(電動シリンダ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトルのネック部に形成されたフランジの下面を支持して、ボトルを吊り下げた状態で搬送するエア搬送コンベヤの、ボトル搬送経路の両側に配置されて、搬送されるボトルの両側をガイドするガイド部材を備えたガイド装置において、
前記ボトル搬送経路の両側の複数箇所に設けられ、前記ガイド部材の上下方向の移動を案内する上下方向案内部材と、ボトル搬送経路の下方の複数箇所に設けられ、両ガイド部材の互いに接近離隔する方向への移動を案内する横方向案内部材と、前記両側の上下方向案内部材を互いに接近離隔する方向に移動させる搬送方向に複数配置された横方向移動手段と、前記横方向案内部材を昇降させる搬送方向に複数配置された昇降移動手段と、搬送方向に隣接する横方向移動手段を連動させる横方向連動ロッドと、搬送方向に隣接する昇降移動手段を連動させる昇降連動ロッドと、前記横方向連動ロッドを介して複数の上下方向案内部材を接近離隔させる横方向駆動手段と、昇降連動ロッドを介して複数の横方向案内部材を昇降させる昇降駆動手段とを備えたことを特徴とするエア搬送コンベヤのガイド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−23789(P2009−23789A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−188400(P2007−188400)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】