説明

エキスパートシステムに基づくインスリンポンプ

装置は、インスリンを送達するように構成されているポンプと、血糖データを受信するように構成されている入力部と、ユーザーインターフェースと、ポンプ、入力部、およびユーザーインターフェースと通信可能に結合されたコントローラーとを備えている。コントローラーは、血糖データをインスリンポンプユーザーに対する目標血糖値と比較するための血糖データモジュールを含む。コントローラーは、血糖値が目標血糖値と異なるときユーザーインターフェースを介して該血糖値に関連した質問を提示し、ユーザーインターフェースを介して質問への応答を受信し、少なくとも部分的に該応答に基づいて推奨ユーザー行動を提示するように構成されている。他のデバイス、システム、および方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
分野は、概して患者インスリン管理デバイスに関連し、特に、しかし限定としてではなく、インスリン療法を管理するためのシステム、デバイスおよび方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
糖尿病に罹患している人々は、血糖値をできるだけ正常値に近く保つためにインスリンを必要とする。糖尿病に罹患している人々が血糖値を正常の範囲内に管理することは、不可欠である。糖尿病の合併症は、心臓病(心血管系疾患)、盲(網膜症)、神経損傷(神経病)、および腎損傷(腎症)を含み得る。インスリンは、身体において血糖値を低減するホルモンである。通常、インスリンは、脾臓においてベータ細胞によって生成される。糖尿病でない人々において、ベータ細胞は、二つのタイプのインスリンへの必要性を満たすようにインスリンを放出する。第一のタイプは、一日を通して放出される低いレベルのバックグラウンドインスリンである。第二のタイプは、食事への反応である、より高いレベルの素早い放出である。インスリン療法は、脾臓によって生成されるインスリンに取って代わるか、または不足を補う。
【0003】
従来のインスリン療法は、典型的には1日に1回または2回の注射を伴う。少ない回数の注射は、人のインスリン値においてより大きく変動させるという不都合を有する。糖尿病に罹患している一部の人々は、1日複数回注射療法(MDI)によって彼らの血糖値を管理する。MDIは、1日に3回より多い注射および1日に4回以上の血糖検査を伴い得る。MDIは、従来の療法よりも良い管理を提供する。しかしながら、インスリン注射は不便であり、糖尿病に罹患している人に、制御すべき他の重大な情報の中でもインスリン投与量、摂取された炭水化物の量、および彼らの血糖値を追跡させる必要がある。
【0004】
糖尿病に罹患している人が適正な量のインスリンを処置されることは重要である。上記で論じられたように、高血糖は、重い合併症につながり得る。逆に、低血糖の人は、低血糖症になり得る。理想的には、インスリン療法は、身体が機能する態様を模倣する。インスリンポンプは、身体のインスリン生成を模倣する一つの態様である。インスリンポンプは、一日中、インスリンのバックグラウンド注入または基礎注入を提供し得、炭水化物が摂取されたときにはインスリンの素早い放出またはインスリンのボーラスを提供し得る。人が高血糖になる場合には、それを補正するために、補正ボーラスがポンプによって送達され得る。インスリンポンプは、糖尿病に罹患している人に対して利便性と柔軟性を改善するが、インスリンポンプは、高度なデバイスであり得る。一部のインスリンポンプは、プログラムするのが困難であり得る。インスリンポンプの適正な使用は、ユーザーがインスリンポンプを用いて糖尿病を適正に処置するようになる学習曲線を経ることを必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(概要)
本書は、とりわけインスリン療法を管理するためのデバイスおよび方法を論じる。デバイスは、インスリンを送達するように構成されているポンプと、血糖データを受信するように構成されている入力部と、ユーザーインターフェースと、ポンプに通信可能に結合されたコントローラー、入力部、およびユーザーインターフェースとを含む。コントローラーは、血糖データを、インスリンポンプユーザーに対する目標血糖値と比較するために、血糖データモジュールを含む。コントローラーは、血糖値が目標血糖値と異なっているときユーザーインターフェースを介して血糖値に関連した質問を提示し、ユーザーインターフェースを介して質問への応答を受信し、少なくとも部分的に応答に基づいて推奨ユーザー行動を提示するように構成される。
【0006】
方法の例は、血糖データをインスリンポンプを含むデバイスの中に受信することと、血糖データから血糖値が目標血糖値と異なっていることを決定するときに、インスリンポンプユーザーの血糖値に関連した質問を提示することと、質問への少なくとも一つの応答をインスリンポンプデバイスの中に受信することと、少なくとも部分的に応答に基づいてユーザーが取るべき推奨行動を提示することとを含む。
【0007】
システムの例は、第一のデバイスおよび第二のデバイスを含む。第一のデバイスは、インスリンを送達するように構成されているポンプと、血糖データを受信するように構成されている通信ポートを含む入力部と、ユーザーインターフェースと、ポンプ機構、入力部、およびユーザーインターフェースに通信可能に結合されたコントローラーとを含む。コントローラーは、血糖データをインスリンポンプユーザーに対する目標血糖値と比較するように構成されている血糖データモジュールを含む。コントローラーは、血糖値が目標血糖値と異なっているとき血糖値に関連した質問を提示し、ユーザーインターフェースを介して質問への応答を受信し、ユーザーが取るべき推奨行動を少なくとも部分的に応答に基づいて提示するように構成されている。第二のデバイスは、ユーザーインターフェースと、ユーザーインターフェースを介してルールを開発するように構成されているルール開発モジュールを含むプロセッサーと、ルールを第一のデバイスに通信するように構成されている通信ポートとを含む。
【0008】
本概要は、本特許出願の内容の概観を提供するように意図されている。本概要は、本発明の排他的または網羅的な説明を提供するようには意図されていない。詳細な説明は、本特許出願の内容に関連するさらなる情報を提供するために含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
(図面の簡単な説明)
【図1A】図1Aおよび図1Bは、インスリンポンプを含むデバイスの一部分を図示する。
【図1B】図1Aおよび図1Bは、インスリンポンプを含むデバイスの一部分を図示する。
【図2】図2は、インスリンポンプデバイスの一部分の例のブロック図である。
【図3】図3は、インスリン療法を管理するための方法の例を示す。
【図4】図4は、インスリンポンプデバイスのユーザーに対する一つ以上の質問を決定する決定樹の例の一部分を示す。
【図5】図5は、インスリンポンプデバイスに対するルールをカスタマイズするための環境を提供するシステムの一部分の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(詳細な説明)
以下の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、図示として、その中において本発明が実施され得る特定の実施形態を示す。本明細書で「例」としてもまた参照され得るこれらの実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするように十分詳細に説明される。実施形態は、組み合わされ得、他の実施形態が利用され得るか、または構造的、論理的および電気的変更が、本発明の範囲から逸脱することなく行われ得る。したがって、以下の詳細な説明は、限定する意味において取られるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって規定される。
【0011】
本書において、用語「a」または「an」は、特許文書において一般的なように、一または一より多いことを含むように用いられる。本書において、用語「または」は、排他的でないことを指すように、または、別途指示されない限りは「AまたはB」が「AであってBでない」、「BであってAでない」、および「AであってBである」であることを含むように用いられる。さらには、本書で参照されるすべての出版物、特許、および特許文書は、あたかも個別に参照によって援用されるように、本明細書においてその全体が参照によって援用される。本書と参照によってそのように援用される文書との間に矛盾する用法がある場合には、援用される参照における用法は、本書の用法に対する補足と見なされるべきであり、相容れない矛盾に関連しては、本書における用法が効力を有する。
【0012】
図1Aおよび図1Bは、インスリンポンプを含むデバイス100の一部分を図示する。デバイス100は、インスリンのカセットまたはカートリッジである。カートリッジは、例えばLuerロック145または注入セット142によって、患者に接続可能な注入チュービング140に接続可能である。デバイス100は、ディスプレイ102と、ディスプレイ102を含み得、一つ以上のキー104を含むユーザーインターフェースとを含む。インスリンポンプの適正な使用は、ポンプを用いて糖尿病を適正に治療するために、ユーザーが学習曲線を経ることを必要とするので、ユーザーが糖尿病患者であれ、治療提供者(caregiver)であれ、または臨床医であれ、ポンプがユーザーに補助を提供することが望ましい。インスリンポンプデバイスにおいてエキスパートシステムを提供することは、ユーザーがインスリンポンプデバイスを用いて糖尿病を効果的に治療することに補助を提供する。
【0013】
図2は、インスリンポンプデバイス200の一部分の例のブロック図である。インスリンポンプデバイス200は、インスリンを、例えば容積式ポンプのような、被検者に送達するためのポンプ205またはポンプ機構を含む。インスリンポンプデバイス200はまた、ユーザーインターフェース210、入力部215、およびコントローラー220を含む。ユーザーインターフェース210は、ユーザーからの手動入力を受信し、一つ以上のプッシュボタンまたはキーパッドを含み得る。ユーザーインターフェース210は、ユーザーに指示を提供するためにディスプレイ202を含み得る。デバイスのユーザーは、臨床医または糖尿病患者であり得る。ディスプレイ202は、タッチスクリーンを含み得る。
【0014】
入力部215は、患者または被検者の血糖データを受信するように構成される。入力部215は、インスリンポンプデバイス200内に含まれた血糖モニター(GM)に結合され得るか、または入力部215は、第二の独立したデバイスからの血糖データを受信する通信ポートを含み得る。一部の実施形態において、通信ポート235は、独立したデバイスからワイヤレスで血糖データを受信するように構成されているワイヤレス通信ポートである。GMが連続式GMである場合には、連続式GMは、試料とされる血糖データを自動的にリアルタイムで収集する。インスリンポンプデバイス200は、それが取得されるか、または後の時刻に通信されるとき、リアルタイムで血糖を受信し得る。データが後の時刻に通信される場合には、何時にデータが収集されたかを示すために、タイムスタンプが血糖データとともに含まれ得る。一部の実施形態において、入力部215はユーザーインターフェース210に結合され、ユーザーは、ユーザーインターフェース210に含まれたキーパッドを介して、インスリンポンプデバイス200の中に手動でデータを入力し得る。
【0015】
一部の例において、血糖データを取得するために、GMは、血糖データ測定を始めるためにユーザーからのプロンプトを必要とし得る。例えば、GMは、血糖データ測定を行うために、糖尿病テストストリップを必要とし得る。コントローラー220は、GMを用いて血糖測定を始めるために、ユーザーへプロンプトを繰り返し提示し、血糖データを取得する。ある例において、プロンプトは、周期的に提示される。プロンプトは、ディスプレイ202を介して提示され得る。プロンプトは、インスリンポンプデバイス200に含まれた発光ダイオード(LED)を作動させることによって提示され得る。一部の例において、プロンプトは、例えば変換器によってまたはユーザーに指示するスピーカーによって、可聴音で提示される。次いで、ユーザーは、補正係数(correction factor)テスト中にプロンプトを出されるとき、新しいテストストリップをGMに提供する。別の例において、GMは、糖尿病テストストリップのドラムを含み得、コントローラー220によってプロンプトを出されるとき、ユーザーは、新鮮なまたは使われていないテストストリップにドラムを前進させる。
【0016】
インスリンポンプデバイス200が連続式GMを含む場合には、入力部215は、血糖センサー回路に結合され得る。血糖センサー回路は、血糖センサーを含み、患者の血糖値を表す血糖信号を生成する。血糖センサーは、血液または間隙の流体から血糖濃度を感知し得る。血糖センサー回路は、血糖信号を試料とするためのセンサーインターフェース回路を含み得、例えばフィルタリングまたは増幅のような付加的な信号処理を提供し得る。血糖センサー回路は、試料にされた血糖データを入力部215に提供し得る。血糖センサー回路の説明は、2000年6月1日に出願されたSteil他の米国特許第6,558,351号に見出され得る。
【0017】
コントローラー220は、ポンプ機構205、入力部215、およびユーザーインターフェース210に動作可能に結合される。コントローラー220は、ハードウェア回路、ファームウェア、ソフトウェアまたはハードウェア回路、ファームウェアおよびソフトウェアの任意の組み合わせを用いて実装され得る。例は、マイクロコントローラー、論理状態マシン(logical state machine)、および、例えばマイクロプロセッサー、特定用途向け集積回路(ASIC)、または他のタイプのプロセッサーのようなプロセッサーを含む。コントローラー220は、一つまたは複数の機能を実行または遂行するように構成される。そのような機能は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはそれらの任意の組み合わせであるモジュールに対応する。複数の機能は、一つ以上のモジュールにおいて実行される。
【0018】
コントローラー220は、被検者の血糖データをモニターする。コントローラー220は、血糖データモジュール230を含む。血糖データモジュール230は、被検者の血糖値が目標血糖値と異なっているか否かを決定するために、血糖データを用いる。目標血糖値は、特定の範囲の血糖値を含み得、血糖データモジュール230は、ポンプユーザーの血糖を示す血糖データが血糖値の特定の範囲の外にあるか否かを決定し得る。範囲の外にあることは、高すぎるかまたは低すぎる血糖値を有することを含み得る。血糖データモジュール230は、血糖値がより高いほうの血糖値の受容可能な範囲より上にあるか、または低い血糖値の受容可能な範囲より下にあることを決定し得る。目標または範囲は、メモリーに記憶され得、血糖データモジュール230に利用可能なプログラム可能パラメーターであり得る。臨床医は、患者に対して血糖値の範囲を特定し得る。範囲は、体重、年齢、および患者の活動レベルのような、患者に関連するさまざまなデータに依存し得る。
【0019】
血糖データモジュール230が、被検者の血糖値が目標または特定の範囲の血糖値とは異なっていることを決定する場合には、コントローラー220は、ユーザーインターフェース210を介して血糖値に関連する一つ以上の質問を提示する。好適には、質問は、ディスプレイ202を用いて提示される。しかしながら、一部の例において、質問は、可聴音で提示され得る。質問を可聴音で提示することは、インスリンポンプユーザーがディスプレイ202を見るときに困難を有する場合に、有用であり得る。質問は、インスリンポンプデバイス200を用いて、インスリンポンプデバイス200をプログラムすることだけによって、ユーザーが糖尿病を適正に治療することを助けるように立案される。一部の例において、コントローラー220は、異なる血糖値に関連した異なる質問を提示し得る。例えば、コントローラー220は、患者の血糖値が200mg/dlより上か、または300mg/dlより上か、または400mg/dlより上かに従って、異なる質問を提示し得る。臨床医は、インスリンポンプデバイス200の中に異なる値をプログラムし得る。
【0020】
ユーザーは、ユーザーインターフェース210を介して質問に応答する。少なくとも部分的に一つ以上の応答に基づいて、コントローラー220は、ユーザーが取るべき少なくとも一つの推奨行動を表示する。以下に論じられるように、推奨行動は、例えばインスリンポンプデバイス200の問題解決をすること、インスリンポンプデバイス200を用いてインスリンを送達すること、インスリンポンプデバイス200を用いて測定またはテストを開始すること、あるいは例えばライフスタイルの変化を起こさせることのような、さまざまなユーザーの行動を包含し得る。一部の例において、ディスプレイ用の推奨行動は、臨床医に連絡することを含み得る。一部の例において、推奨行動は、患者の血糖値に従って異なり得る。例えば、コントローラー220は、患者の血糖値が200mg/dlより上か、または300mg/dlより上か、または400mg/dlより上かに従って、異なる行動を提示し得る。
【0021】
質問がディスプレイ202を用いて提示される場合には、デバイスは、ユーザーの注意をディスプレイ202に引くために、コントローラー220に結合された警報回路245を含み得る。警報回路245は、可聴の警報、ディスプレイ上の点滅光または点滅アイコンのような視覚による指示を含み得るか、または警報回路は、ユーザーの注意を引くために、インスリンポンプデバイスを機械的に振動させ得る。コントローラー220は、被検者の血糖値が血糖値の特定の範囲の外にあることが決定される場合には、警報回路245を作動させる。
【0022】
図3は、インスリン療法を管理するための方法300の例を示す。ブロック305において、血糖データは、インスリンポンプデバイス200の中に受信される。ブロック310において、患者の血糖値に関連した少なくとも一つの質問が、血糖データから、血糖値が血糖値の範囲の外にあることを決定するときに提示される。質問は、インスリンポンプデバイス200に含まれたディスプレイ202上に提示され得るか、または、質問は、例えばコンピューターのようなディスプレイ用の第二のデバイスに送信され得る。このことは、インスリンポンプデバイス200上のディスプレイ202が、ユーザーが読むことが困難である場合に、有用であり得る。一部の例において、第二のデバイスは、質問を可聴音で提示する。インスリンポンプおよび第二のデバイスは、無線周波数(RF)または赤外線(IR)通信のようなワイヤレスで通信し得る。ブロック315において、質問に対する少なくとも一つの応答が、インスリンポンプデバイス200の中に受信される。応答は、ユーザーインターフェースを介して受信され得る。ブロック320において、少なくとも一つの推奨行動が、少なくとも部分的に応答に基づいて、ユーザーが取るように提示される。
【0023】
図2に戻ると、一部の実施形態において、コントローラー220は、ルールモジュール225を含み、提示されるべき質問を決定するために、血糖データに少なくとも一つのルールを適用する。一部の実施形態において、ルールは決定樹を含む。図4は、インスリンポンプデバイス200のユーザーに対する一つ以上の質問を決定するための決定樹400の例の一部分を示す。ある例において、決定樹400は、一連のIF−THEN論理文によって実装され得る。コントローラー220は、血糖データ、ユーザーからの応答、または他のデータのようなさまざまな情報を用いて、決定樹400を通る。血糖が高い場合には、決定樹400の左の部分を、ブロック405において通る。コントローラー220は、一つ以上の質問をする前に、ブロック410において例えばユーザーが補正ボーラスをとるような推奨行動を表示し得る。血糖が低い場合には、決定樹400の右の部分を、415において通る。コントローラー220は、一つ以上の質問をする前に、ブロック420においてユーザーが例えば食物を食べるような推奨行動を表示し得る。コントローラー220は、推奨を行うとき、食物の絵またはアイコンを表示し得る。
【0024】
一部の例において、ルールモジュール225は、ディスプレイ用の推奨行動を決定するために、血糖データと、質問に対する少なくとも一つのユーザーの応答とにルールを適用する。例えば、血糖値が高い場合には、決定樹400を用いて、コントローラー220は、ブロック425において注入部位が赤であるか否かを尋ねる質問を表示し得る。ユーザーインターフェース210が部位が赤であるユーザーから応答を受信する場合には、コントローラー220は、ユーザーがブロック430で注入部位を変えることの推奨を表示し得る。
【0025】
一部の実施形態において、ルールモジュール225は、メモリーに記憶されたルックアップ表を含み得る。例えば、血糖が低い場合には、ルックアップ表は、患者が高い活動レベルを有していたか否かに関連する質問を含み得る。ユーザーインターフェース210が活動レベルが高かったという応答を受信する場合には、ルックアップ表は、低血糖および高い活動状態に対する表項目に対応する推奨行動を含む。表項目は、患者が活動の前に食べるように、あるいは、活動の前または途中でインスリンのプログラム可能な基礎レートを下げることの推奨行動を含み得る。表は、複数の要因、応答、または他のデータを考慮に入れるために、複数の次元を含み得る。一部の例において、ルールモジュール225は、表項目の補正に重みを割り当てる。例えば、注入セットが可視の血液を有するという応答を受信することは、注入部位が赤であるという応答が受信される場合よりも、注入部位を変えるようにという、より強い指示として重みづけされ得る。一部の例において、ルールモジュール225は、ディスプレイ用の質問および任意の推奨行動を決定するための一つ以上のファジィ論理ルールを用いる。ファジィ論理ルールは、任意の重みづけされた質問、応答、または行動を混合するために用いられ得る。一部の例において、ルールモジュール225は、提示されるべき質問および行動を決定するために、人工知能の方法の応用を包含するルールを用いる。
【0026】
一部の例において、ルールモジュール225は、血糖データにルールを適用し得、ユーザーが少なくとも一つの血糖測定を開始することの推奨を提示し得る。測定は、GMを含む第二の独立したデバイスを用いて行われ得るか、または、行動は、デバイスがGMを含む場合には、インスリンポンプデバイス200によって測定を行うことを推奨し得る。
【0027】
ルールモジュール225によるルールの適用は、一連の、表示される質問、ユーザーによる応答、および推奨行動を結果として生じ得ることに留意されたい。例えば、インスリンポンプデバイス200は、推奨行動が取られたという表示を受信し得る。ルールモジュール225は、提示されるべき少なくとも一つのさらなる質問および推奨行動を決定するために、血糖データ、質問への応答、および行動が取られたという表示に対してルールを適用し得る。
【0028】
一部の例において、ルールモジュール225は、血糖データにルールを適用し得、ユーザーが基礎レートテストを開始することの推奨を提示し得る。基礎レートは、インスリンポンプによる、インスリンのあるタイプの24時間バックグラウンド注入のことを指し、それは正常なすい臓からのインスリンの連続バックグラウンド放出を模倣する。基礎レートは、患者が食事の消化から独立に、正常に必要とするインスリン送達のレートである。基礎レートが不適切な場合には、血糖濃度値は、推奨されるまたは所望される範囲の外になることが結果として生じ得る。インスリンポンプユーザーは、適切な基礎レートを見出す前に、数回の試行錯誤を繰り返すことを経験し得る。患者の基礎的なインスリンへの必要性が、時間とともに、例えば体重の変化または健康状態レベルの変化によって変わり得るので、適切な基礎レートがインスリンポンプによって送達されることを保証するように、基礎レートをテストすることが周期的に実行され得る。血糖値に基づいて、ルールモジュール225は、(インスリンポンプデバイス200または独立したデバイスによる)基礎レートテストを行うことの推奨が、(例えばディスプレイによって)提示されるべきであることを決定する。基礎レートテストの結果として、コントローラーは、プログラム可能な基礎レートパターンまたはインスリンポンプデバイス200の特性を変えることの推奨を表示し得る。基礎レートテストを実行するデバイスおよび方法の説明は、2007年3月13日に出願された、Blomquist他による米国特許出願公開第11/685,617号「Basal Rate Testing Using Frequent Blood Glucose Input」に見出され、同出願公開は、本明細書で参照により援用される。
【0029】
一部の例において、ルールモジュール225は、血糖データにルールを適用し得、血糖値が所望される範囲の外にある場合には、炭水化物比テストを開始することの推奨を提示し得る。炭水化物比は、ある単位のインスリンによって処理される炭水化物の量をいう。時として、炭水化物比は、炭水化物ファクター、またはカーブ(carb)ファクターといわれ、典型的には、インスリンの単位当たりの炭水化物のグラムとして特定される。インスリンポンプデバイス200は、患者によって摂取される複数の炭水化物に適合するために、または少なくとも食後の血糖値を患者対して健康に良い範囲内に保つために必要とされる炭水化物インスリンボーラスの量を自動的に決定するために、炭水化物比を用い得る。例えば、患者は、70グラムの炭水化物を食べることを計画し得る。炭水化物比がインスリンの単位当たり10グラムの炭水化物である場合には、インスリンポンプデバイス200は、7単位のインスリンが炭水化物を処理するために必要とされることを決定し得る。
【0030】
適切な炭水化物比は人によって変わり得るが、インスリンポンプが適切な炭水化物比を用いることは重要である。炭水化物比が過小な場合には、ポンプは、消費される炭水化物に対して過大な炭水化物ボーラスを決定し得る。このことは、炭水化物ボーラスの数時間以内に低血糖値をもたらし得る(例えば、血糖値が70mg/dlよりも下がる)。炭水化物比が過大な場合には、インスリンポンプデバイス200は、消費される炭水化物に対して過小な炭水化物ボーラスを決定し得る。このことは、炭水化物ボーラスの数時間以内に高血糖値をもたらし得る。血糖値に基づいて、ルールモジュール225は、炭水化物比テストを行うことの推奨が提示されるべきであることを決定する。炭水化物比テストの結果として、コントローラー220は、炭水化物インスリンボーラスパターンまたはインスリンポンプデバイス200によって送達される特性を変えるという推奨を提示し得る。例えば、コントローラー220は、拡張された炭水化物ボーラスまたは組み合わせボーラスを含む炭水化物ボーラスパターンを推奨し得る。炭水化物比テストを実行するデバイスおよび方法の説明は、2007年2月27日に出願された、Blomquistの米国特許出願公開第11/679,712号「Carbohydrate Ratio Testing Using Frequent Blood Glucose Input」に見出され、同出願公開は、本明細書で参照により援用される。
【0031】
一部の例において、ルールモジュール225は、血糖データにルールを適用し得、ユーザーが補正係数テストを開始することの推奨を提示し得る。補正係数は、インスリンの一単位に対する血中糖類または血中グルコースの低下の量をいう。補正係数は、米国では単位当たりのデシリットル(mg/dl)当たりのミリグラムで、他の国々では単位当たりのミリモル(nmol)で測定される。インスリンポンプデバイス200は、高い指示値に対して必要とされるボーラス量または目標未満の指示値に対する食事ボーラスの低減を自動的に決定するために、補正係数を用い得る。インスリンポンプデバイス200はまた、低血糖を目標の血糖値まで上げるように、患者が食べるべき炭水化物の量を計算するために、補正係数を用い得る。適切な補正係数は、自動的に決定される補正ボーラスを用いて、栄養価が低くなるリスクなしに高血糖の指示値を下げる。
【0032】
適切な補正係数は、人によって変わる。インスリンポンプが効果的な補正係数を用いることが重要である。ポンプに対して補正係数が高く設定されすぎている場合には、血糖は、実際には見積もられたほどには下がらない可能性があり、高血糖値につながり得る。補正係数が低く設定されすぎている場合には、補正ボーラスは、多すぎるインスリンを提供し得、低血糖値を結果として生じ得る。炭水化物比テストの結果として、コントローラー220は、例えば拡張されたボーラスまたは組み合わせボーラスを含むようにというような、インスリン補正ボーラスのパターンまたは特性を変えることの推奨を表示し得る。炭水化物比テストを実行するデバイスおよび方法の説明は、2007年1月24日に出願された、Blomquist他の米国特許出願公開第11/626,653号「Correction Factor Testing Using Frequent Blood Glucose Input」に見出され、同出願公開は、本明細書で参照により援用される。
【0033】
一部の実施形態において、ルールモジュール225は、更新されたまたは新しいルールあるいはルールに対する修正を受信し得る。所定の実施形態において、インスリンポンプデバイス200は、入力部215に結合された通信ポート235を含む。通信ポート235は、第二の独立したデバイスからインスリンポンプデバイスの中にルールを受信する。一部の例において、通信ポート235は、ワイヤレスポートであり、ワイヤレスでルールを受信する。第二のデバイスは、コンピューターまたはパーソナルデータアシスタント(PDA)であり得る。第二のデバイスは、糖尿病専門家、臨床医、または他の治療提供者がルールをカスタマイズする、(例えば、ソフトウェアを介してのような)環境を提供し得る。一部の例において、環境は、臨床医が決定樹またはルックアップ表をカスタマイズすることを可能にする。
【0034】
図5は、ルールモジュール225においてルールをカスタマイズするための環境を提供する、システム500の一部分の実施形態を示す。システム500は、インスリンポンプデバイス200および演算デバイス550を含む。インスリンポンプデバイス200は、演算デバイス550と情報を通信するための通信ポート235とを含む。示される通信ポート235は、例えば無線周波数(RF)ポートまたは赤外線(IR)ポートのような通信デバイスとワイヤレスで通信する、ワイヤレスポートである。通信ポート235は、例えばGMのような、第三のデバイスから血糖データを受信し得る。ある例において、GMが通信ポート235と通信可能に結合されるとき、インスリンポンプデバイス200は、GMから血糖データを受信する。GMがインスリンポンプデバイス200と通信可能に結合されていないとき、インスリンポンプデバイス200は、演算デバイス550と情報を通信する能力がある。一部の例において、通信ポート235は、演算デバイス550と通信するために、例えばシリアルポートのような、有線ポートであり得る。
【0035】
演算デバイス550は、パーソナルコンピューター(PC)、ラップトップコンピューター、またはパーソナルデータアシスタント(PDA)であり得る。演算デバイス550は、ディスプレイを含むユーザーインターフェース555を含み、キーパッドまたはキーボードおよびコンピューターマウスのうちの少なくとも一つを含み得る。演算デバイス550はまた、ユーザーインターフェース555と通信可能に結合されたプロセッサー560を含む。プロセッサー560は、マイクロプロセッサー、特定用途向け集積回路(ASIC)、または他のタイプのプロセッサーであり得る。
【0036】
プロセッサー560は、ユーザーインターフェース555を介して新しいルールまたはルールセットを開発および生成するか、あるいはルールを修正する能力を医師または臨床専門家に提供する、ルール開発モジュール565を含む。演算デバイス550は、図示の決定樹、多次元の表、または他のタイプの論理ルールを更新することによるような、ルールを作るか、または修正する柔軟な枠組みを提供するソフトウェアを含む。ソフトウェアは、例えばコンパクトディスク(CD)のような、コンピューター読み取り可能な媒体の中に含まれ得るか、または、ソフトウェアは、例えばサーバーからのように、遠隔記憶装置から演算デバイス550にダウンロードされ得る。ルール開発モジュール565は、インスリンポンプデバイス200の中に受信された血糖データに適用されるべきルールを開発し、生理学的データ、人口学的データ、患者のライフスタイルデータ、インスリン送達履歴データ、および血糖履歴データのうちの少なくとも一つに適用されて推奨行動を生成するルールを開発し得る。演算デバイス550は、インスリンポンプデバイス200と情報を通信する通信ポート535を含む。演算デバイス550は、インスリンポンプデバイス200にルールを通信するために通信ポート535を用いる。
【0037】
いったんルールが開発されると、医師または臨床専門家は、ルールまたはルールのセットを発表し得るか、あるいは他の方法で共有し得る。一部の実施形態において、ルールセットは、例えばサーバーのような遠隔記憶装置の中に記憶され得る。演算デバイス550は、例えばインターネットまたはセル電話セットワークのような通信ネットワークに接続され得る。医師または臨床専門家は、遠隔記憶装置からルールまたはルールセットをダウンロードし得、演算デバイス550から直接ルールセットをインスリンポンプデバイス200の中にダウンロードするか、または修正されたルールまたはルールセットをインスリンポンプデバイス200にダウンロードする前にルールまたはルールセットを修正するか、のいずれかを行い得る。
【0038】
図2に戻ると、一部の実施形態において、ユーザーインターフェース210および入力部215は、ユーザーインターフェース210を介してインスリンポンプデバイス200の中にユーザーによって手動で入力される、ルールへの修正を受信する。例えば、ユーザーは、ディスプレイ202の助けによってルールのステップを踏み得る。次いで、ユーザーは、ユーザーインターフェース210の中に含まれたキーパッドによってルールを変更し得る。例えば、ユーザーは、キーパッドを用いて新しいルックアップ表の入力を入力し得るか、または決定樹に別の枝を追加し得るか、または決定樹の枝を編集し得る。所定の実施形態において、新しいルール全体またはルールセットは、インスリンポンプデバイス200の中にユーザーインターフェース210を介して手動で入力される。
【0039】
一部の実施形態において、インスリンポンプデバイス200は、新しいルールまたは修正されたルールの効果を追跡するためにデータを記憶する。例えば、インスリンポンプデバイス200は、ルールの適用後に患者の血糖値が目標血糖値または血糖値の目標範囲内に戻った回数を追跡し得る。効果は、インスリンポンプのディスプレイ202上か、または、例えば図5における演算デバイス550のような独立したデバイス上にアップロードされ表示されるかのいずれかで、パーセンテージとして、またはYの適用のうちのXの成功として、表示され得る。
【0040】
ルールまたはルールセットが複数のデバイスの中にダウンロードされる場合には、複数のデバイスに対するルールセットの効果が追跡され得る。効果に関連して記憶されたデータは、遠隔サーバーにアップロードされ得、サーバーは、複数のデバイスに対するルールの全体的な効果を追跡する。全体的な効果は、ルールまたはルールセットをインスリンポンプデバイス200にダウンロードすべきか否かを決定する際に、臨床医にとって有用であり得る。
【0041】
一部の実施形態において、コントローラー220は、血糖データから被検者の血糖値の変化のレートを決定する。例えば、コントローラー220は、血糖濃度値が2mg/dl/分(分当たりデシリットル当たりミリグラム)から4mg/dl/分のレートに増加または減少させつつあることを決定し得る。ルールモジュール225は、ディスプレイ用の少なくとも一つの質問またはディスプレイ用の一つ以上の推奨行動を決定するために、血糖値の変化のレートに一つ以上のルールを適用し得る。例えば、ユーザーの血糖値は高くないかもしれないが、血糖値の変化のレートは、血糖値が高くなる危険にさらされていることを示すようなレートで増加していることがあり得る。逆に、ユーザーの血糖値は、血糖値の目標より下であり得るが、血糖の変化のレートは、血糖値が低くなる危険にさらされていることを示すようなレートでしていることがあり得る。
【0042】
一部の例において、ルールモジュール225は、コントローラー220によるディスプレイ用の後続の質問または推奨行動を決定するために、血糖データ、血糖データの変化のレート、および質問への応答のうちの少なくとも一つにルールを適用し得る。例えば、血糖値が高く、所定のレートで増加している場合には、ルールモジュール225は、補正ボーラスを取ることの推奨行動が質問を提示する前に提示されるべきであることを決定するために、ルールを適用し得る。別の例において、血糖値が高く、所定のレートで減少している場合には、ルールモジュール225は、補正ボーラスを取ることの推奨行動が表示されるべきでなく、炭水化物を見積もることが困難なものを患者が食べたか否かのような質問を表示することに進むべきであることを決定するために、ルールを適用し得る。
【0043】
一部の実施形態に従って、コントローラー220は、血糖値が低いか、または血糖値が低くなる危険にさらされている場合には、患者が炭水化物を消費することの推奨を表示し得る。一部の例において、メモリー240は、既知の量の炭水化物との関係で食物選択のデータベースを記憶し得る。コントローラー220によって提示される推奨行動は、データベースに含まれている消費用の食物のオプションを表示することを含み得る。
【0044】
一部の実施形態において、コントローラー220は、患者が消費すべき炭水化物の量を決定し、それに応じて食物選択を提示する。例えば、患者の血糖値が所望される範囲の血糖値より下の40mg/dlであると仮定する。補正係数は、インスリンポンプデバイス200に記憶され、80mg/dl当たり1単位である。コントローラー220は、血糖値を目標の値または範囲に戻すために−0.5単位のインスリン(−40/80)が必要とされることを決定する。さらに、患者の炭水化物比がインスリンの単位当たり20グラムの炭水化物(20g/u)であると仮定する。コントローラー220は、インスリンの量に炭水化物比を掛けて、患者が10グラムの炭水化物[(0.5)(20)]を食べるべきだと決定する。インスリン計算モジュール125は、炭水化物量を計算する際に、患者の健康状態および患者の活動レベルのような付加的な要因を考慮に入れ得る。一部の例において、食物選択は、食物の絵またはアイコンを用いて表示され得る。
【0045】
一部の実施形態に従って、入力部215は、独立した第二のデバイスからインスリンポンプデバイス200の中に生理学的データを受信する。データは、入力部215または別の入力を介して受信され得る。一部の実施形態において、インスリンポンプデバイス200は、通信ポート235を介して生理学的データを受信する。一部の例において、インスリンポンプデバイス200は、血糖データを受信するのと同じ通信ポート235を介して生理学的データを受信する。一部の例において、第二のデバイスは、温度モニターを含み、生理学的データは、患者の体温を含む。一部の例において、第二のデバイスは、活動モニターを含み、生理学的データは、患者の活動のレベルの指示を含む。
【0046】
ルールモジュール225は、ディスプレイ用の質問を決定するために生理学的データに一つ以上のルールを適用し得る。ルールモジュール225は、ディスプレイ用の一つ以上の推奨行動を決定するために、生理学的データおよび質問への応答に一つ以上のルールを適用し得る。一部の例において、ルールモジュール225は、ディスプレイ用の質問または推奨行動を決定するために、生理学的データ、血糖データ、少なくとも一つの質問応答に一つ以上のルールを適用し得る。コントローラー220は、質問および推奨行動を表示する。
【0047】
一部の実施形態において、インスリンポンプデバイス200は、コントローラー220と通信可能に結合されたメモリー240を含む。メモリー240は、被検者の人口学的データを記憶し得る。人口学的データは、例えば患者の体重、年齢、および性別のような情報を含む。人口学的データは、第二のデバイスから、またはユーザーインターフェース210を介して受信され得る。ルールモジュール225は、提示されるべき質問を決定するために、人口学的データに一つ以上のルールを適用し得る。ルールモジュール225は、一つ以上の推奨行動を決定および/または調整するために、人口学的データおよび質問への応答に一つ以上のルールを適用し得る。一部の例において、ルールモジュール225は、ディスプレイ用の質問または推奨行動を決定するために、人口学的データ、血糖データ、少なくとも一つの質問応答に一つ以上のルールを適用し得る。
【0048】
一部の実施形態において、コントローラー220は、人口学的データに基づいて、質問および推奨行動を調整する。例えば、コントローラー220は、人口学的データが患者が成人であることを示すのでなく、人口学的データが患者が小児であることを示すときには、異なる一組の質問および推奨行動を用い得る。
【0049】
一部の実施形態において、メモリー240は、被検者のライフスタイルデータを記憶し得る。ライフスタイルデータは、例えば、患者が高血糖インデックスの食物を食べ、アルコールを飲み、タバコを吸い、寝る前の軽い食事を取る傾向があるか、患者の健康状態、患者が一般的にストレス状態にあるか、患者が活動的な傾向があるか、および患者が運動に費やす時間の長さに関連する情報を含む。ライフスタイルデータは、第二のデバイスから受信され得、ユーザーインターフェース210を介して入力され得る。ルールモジュール225は、ディスプレイ用の質問を決定するために、ライフスタイルデータに一つ以上のルールを適用し得る。ルールモジュール225は、ディスプレイ用の一つ以上の推奨行動を決定するために、ライフスタイルデータおよび質問への応答に一つ以上のルールを適用し得る。一部の例において、ルールモジュール225は、ディスプレイ用の質問または推奨行動を決定するために、ライフスタイルデータ、血糖データ、少なくとも一つの質問応答に一つ以上のルールを適用し得る。
【0050】
推奨行動は、例えば寝る前の軽い食事を抜くこと、またはより低い血糖インデックスの食事を食べることというような、患者のライフスタイルの少なくとも一つの側面に対する変更を含み得る。一部の例において、推奨行動は、患者の訓練を推奨することを含み得る。ある例において、インスリンポンプデバイス200は、患者が炭水化物計算の訓練を受けることの推奨を提示し得る。ある例において、インスリンポンプデバイス200は、患者が自分の運動を管理する訓練を受けるようにと推奨し得る。ある例において、インスリンポンプデバイス200は、患者が病気のときにインスリンポンプを用いる訓練を受けるようにと推奨し得る。ある例において、インスリンポンプデバイス200は、患者が適正な注入部位治療の訓練を受けるようにと推奨し得る。
【0051】
一部の実施形態において、メモリー240は、患者のインスリン送達履歴データを記憶し得る。インスリン送達履歴データは、最後の食事ボーラス以後の時間の継続、カートリッジ交換後どれだけ時間が経過したか、およびパラメーターのプログラミングに最近変更があったか、および、例えばそれらがどんな変更であったかを含み得る。ルールモジュール225は、提示されるべき質問を決定するために、インスリン送達履歴データに一つ以上のルールを適用し得る。ルールモジュール225は、一つ以上の推奨行動を決定するために、インスリン送達履歴データ、血糖データ、および質問への応答のうちの少なくとも一つに、一つ以上のルールを適用し得る。
【0052】
一部の実施形態において、メモリー240は、被検者の血糖履歴データを記憶し得る。血糖履歴データは、例えば過去における2時間または24時間のような、以前の期間からの血糖データを含み得る。データは、インスリンポンプデバイス200の中に含まれたGMから、または独立したデバイスの中に含まれたGMから受信され得る。一部の例において、血糖履歴データは、例えばPC、ラップトップ、またはインスリンポンプデバイス200と通信するように構成されているPDAのような、独立した演算デバイスから受信され得る。コントローラー220は、例えばディスプレイ202上のプロンプト、LEDのプロンプト、または可聴のプロンプトのような、第二の独立したデバイスから血糖履歴データをダウンロードするためのプロンプトを生成し得る。ルールモジュール225は、提示されるべき質問を決定するために、血糖履歴データに一つ以上のルールを適用し得る。ルールモジュール225は、一つ以上の推奨行動を決定するために、血糖履歴データ、リアルタイムで収集された血糖データ、および質問への応答のうちの少なくとも一つに、一つ以上のルールを適用し得る。
【0053】
患者は、インスリンポンプデバイス200自体に関連してトラブルを経験し得る。一部の実施形態に従って、コントローラー220によって提示される推奨行動は、インスリンポンプデバイス200の問題解決のための行動を含む。血糖値が低い場合には、推奨行動は、インスリンカートリッジ、注入セット、注入セットチュービング、および/または注入部位の点検または変更を含み得る。例えば、インスリンポンプデバイス200がカートリッジが交換されて以降の時間を記憶する場合には、ルールモジュール225は、カートリッジが低くなっているか点検するか、またはカートリッジを交換するために、今がまさに新しいカートリッジおよびディスプレイ命令のための時間であることを決定し得る。カートリッジが交換されて以降の時間が短い場合には、ルールモジュール225は、問題としてカートリッジを取り除き得、注入セットまたは注入部位を点検または交換するための命令を表示し得る。
【0054】
別の例において、ユーザーは、カートリッジが点検されたと応答し得る。ルールモジュール225は、血糖値および応答にルールを適用し得、問題としてカートリッジを取り除き得る。インスリンポンプデバイス200およびユーザーは、次いで、注入セットおよび注入部位の問題解決をするようユーザーに命令する応答と行動とに進み得る。コントローラー220はまた、インスリンのタイプを変えることの推奨を提示し得る。例えば、ルールモジュール225は、取り込みの遅れが遅すぎることを決定し得、患者が取り込みのより早いタイプのインスリンを用いるように推奨し得る。コントローラー220はまた、インスリンポンプが遂行可能なプログラムを変えて、糖尿病専門家に診てもらうことの推奨を提示し得る。コントローラーは、注入セットが目に見える血液を有するか質問を提示し得、目に見える血液がある場合には、注入部位が変えられるように推奨し得る。一部の例において、コントローラー220は、デバイスエラーコードを表示し得、ユーザーまたは患者にポンププログラムが変えられるべきであるという命令を提示するのではなく、糖尿病専門家に診てもらうことの推奨を提示し得る。糖尿病専門家は、推奨行動を決定するために、エラーコードを解釈する。
【0055】
一部の例に従って、血糖データモジュール230は、被検者の血糖値が目標血糖値に、または血糖値の特定の範囲内にあることを、血糖データから決定し得る。ルールモジュール225は、正常血糖を維持することに関連した、患者が取るべき一つ以上の推奨行動を決定し得る。ルールモジュール225は、血糖データに、および生理学的データと、人口学的データと、ライフスタイルデータと、血糖履歴データと、インスリン送達履歴データと、質問応答と、推奨を行うために以前に取られた行動とのうちの少なくとも一つに、ルールを適用し得る。コントローラー220は、推奨行動を表示する。例えば、コントローラー220は、血糖データが正常血糖の範囲内にあるとき、ライフスタイルの質問をし得る。コントローラー220は、血糖データの値が範囲内にあったとき、インスリンポンプデータおよびさまざまな時刻からの質問への回答を集積し得、患者が良好な血糖抑制を促進するライフタイルまたは治療パターンを識別することを助け得る。
【0056】
上記の説明は例示的なものであって、限定的なものではないように意図されていることが理解されるべきである。例えば、上記で説明された実施形態(および/またはそれらの局面)は、相互の組み合わせにおいて用いられ得る。多くの他の実施形態は、上記の説明を検討するときに、当業者には明らかである。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の完全な範囲とともに、添付の特許請求の範囲への参照によって決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、用語「を含めて」および用語「その中において(in which)」は、それぞれの用語「を備えて」および用語「そこで(wherein)」のプレイン・イングリッシュの均等物として用いられる。また、以下の特許請求の範囲において、用語「を含めて」および「を備えて」は、制限がない。すなわち、要素を含むシステム、デバイス、物品、またはプロセスは、請求項におけるそのような用語の後で、リストされたものに加えて、依然としてその請求項の範囲内に入ると見なされる。さらには、以下の特許請求の範囲において、用語「第一」、「第二」、および「第三」などは、単にラベルとして用いられ、数字が付された物体に対して数字が示す要件を強いるようには意図されていない。
【0057】
本開示の要約書は、読者が技術的開示の性質を迅速に確かめることを可能にする要約書を要求する、37C.F.R.§1.72(b)に準拠するように提供される。本開示の要約書は、それが特許請求の範囲または意味を解釈または限定するようには用いられていないことの理解とともに、提出される。加えて、上記の具体的な説明において、開示の効率化のために、さまざまな特性が単一の実施形態の中に一緒にグループ化されていることが見られ得る。この開示の方法は、述べられた実施形態が各請求項において明示的に列挙されるよりも多くの特性を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映しているように、発明の主題は、単一の開示された実施形態のすべての特性よりも少ない特性の中にある。こうして、以下の特許請求の範囲は、本明細書で詳細な説明の中に一体として組み込まれ、各請求項は、それ自体で独立している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インスリンを送達するように構成されているポンプと、
血糖データを受信するように構成されている入力部と、
ユーザーインターフェースと、
該ポンプ、該入力部、および該ユーザーインターフェースと通信可能に結合されたコントローラーと
を備え、
該コントローラーは、該血糖データをインスリンポンプユーザーに対する目標血糖値と比較するように構成されている血糖データモジュールを含み、
該コントローラーは、
該血糖値が該目標血糖値と異なるとき、該ユーザーインターフェースを介して該血糖値に関連した質問を提示し、
該ユーザーインターフェースを介して該質問への応答を受信し、
少なくとも部分的に該応答に基づいて推奨ユーザー行動を提示するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記コントローラーは、前記質問を決定するためにルールを前記血糖データに適用するように構成されているルールモジュールを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ルールモジュールは、前記推奨行動を決定するために前記ルールを前記応答に適用するように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記入力部は、少なくとも一つの第二のデバイスからデバイスの中に生理学的データを受信するように構成され、
前記ルールモジュールは、前記質問を決定するために前記ルールを前記生理学的データに適用するように構成され、
前記コントローラーは、少なくとも部分的に前記生理学的データに基づいて前記推奨行動を決定するように構成されている、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラーと通信可能に結合されて、前記インスリンポンプユーザーの人口学的データを記憶するメモリーを含み、
前記ルールモジュールは、前記質問を決定するために前記ルールを該人口学的データに適用するように構成され、
該コントローラーは、該人口学的データに基づいて前記推奨行動の提示を調整するように構成されている、請求項2、3または4に記載の装置。
【請求項6】
前記コントローラーと通信可能に結合されて、前記インスリンポンプユーザーのライフスタイルデータを記憶するメモリーを含み、
前記ルールモジュールは、前記質問を決定するために前記ルールを該ライフスタイルデータに適用するように構成され、
該コントローラーは、少なくとも部分的に該ライフスタイルデータに基づいて前記推奨行動を決定するように構成されている、請求項2、3、4、または5に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラーは、前記インスリンポンプユーザーのライフスタイルの状況への推奨された変更を提示するように構成されている、請求項2、3、4、5、または6に記載の装置。
【請求項8】
前記コントローラーは、前記血糖データから前記インスリンポンプユーザーの血糖値の変化のレートを決定するように構成され、
前記ルールモジュールは、前記質問と前記推奨行動とのうちの少なくとも一つを決定するために、前記ルールを血糖値の変化の該レートに適用するように構成されている、請求項2、3、4、5、6、または7に記載の装置。
【請求項9】
前記コントローラーと通信可能に結合されて、前記インスリンポンプユーザーのインスリン送達履歴データを記憶するメモリーを含み、
前記ルールモジュールは、前記質問と前記推奨行動とのうちの少なくとも一つを決定するために、前記ルールを前記血糖データおよび前記インスリン送達履歴データに適用するように構成されている、請求項2、3、4、5、6、7、または8に記載の装置。
【請求項10】
前記コントローラーと通信可能に結合された通信ポートを含み、該通信ポートは、第二の独立したデバイスからデバイスの中に前記ルールを受信するように構成されている、請求項2、3、4、5、6、7、8、または9に記載の装置。
【請求項11】
前記ユーザーインターフェースおよび前記入力部は、前記ルールへの修正を受信するように構成されている、請求項2、3、4、5、6、7、8、または9に記載の装置。
【請求項12】
前記推奨行動は、前記インスリンポンプデバイス、インスリンカートリッジ、注入セット、注入セットチュービング、および注入部位のうちの少なくとも一つの問題解決を含む、請求項1−11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記推奨行動は、インスリンカートリッジ、注入セット、インスリンタイプ、インスリンボーラスパターン、インスリン基礎レートパターン、およびインスリンポンプ実行可能プログラムのうちの少なくとも一つを変更することを含む、請求項1−12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記推奨行動は、前記血糖モジュールが血糖値が高いことの危険にさらされていることを決定するとき、補正ボーラスを開始することの推奨を含む、請求項1−13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記推奨行動は、少なくとも一つの血糖測定を開始することの推奨を含む、請求項1−14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記推奨行動は、基礎レートテスト、炭水化物比テスト、および補正係数テストのうちの少なくとも一つを実行することの推奨を含む、請求項1−15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記推奨行動は、血糖値が低いことの危険にさらされている場合には、炭水化物を消費することの推奨を含む、請求項1−16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記コントローラーと通信可能に結合され、炭水化物の既知の量に関係して食物選択のデータベースを記憶するメモリーを含み、
該コントローラーは、該データベースに含まれた食物選択を提示するように構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記推奨行動は、臨床医に連絡することを含む、請求項1−18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記コントローラーは、
前記ユーザーインターフェースを介して推奨行動が取られたという表示を受信した後に質問を提示し、かつ、
該表示を受信した後に提示された該質問への応答に少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザーが取るべきさらなる推奨行動を提示するように構成されている、請求項1−19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記コントローラーと通信可能に結合されて、前記ポンプユーザーの血糖履歴データを記憶するメモリーを含み、
前記ルールモジュールは、前記血糖履歴データと、前記入力部によって受信された前記血糖データとに、前記ルールを適用するように構成されている、請求項1−20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記入力部は、第二の独立したデバイスから血糖履歴データを受信するように構成されている通信ポートを含み、前記コントローラーは、該第二の独立したデバイスから血糖履歴データをダウンロードするためのプロンプトを提示するように構成されている、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記入力部と通信可能に結合された血糖モニターを含み、該入力部は、該血糖モニターから前記血糖データを受信するように構成されている、請求項1−22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記血糖モニターは、リアルタイムでサンプリングされる前記血糖データを自動的に収集するように構成されている連続式血糖モニターである、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記入力部は、第二の独立したデバイスから血糖データを受信するように構成されている通信ポートを含む、請求項1−22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記通信ポートは、前記第二の独立したデバイスからワイヤレスで前記血糖データを受信するように構成されているワイヤレス通信ポートである、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記コントローラーは、前記独立したデバイスを用いて血糖データを取得するために周期的に前記ユーザーにプロンプトを出すように構成されている、請求項25または26に記載の装置。
【請求項28】
前記ユーザーインターフェースおよび前記入力部は、前記血糖データを受信するように構成されている、請求項1−22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記コントローラーに結合された警報回路を含み、被検者の血糖値が目標血糖値と異なっていることが決定される場合には、該コントローラーは、可聴の警報を起動させるように構成されている、請求項1−28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
前記血糖データモジュールは、前記血糖データから、被検者の血糖値が前記目標血糖値にあるか否かを決定するように構成され、該血糖値が該目標血糖値に近いとき、前記コントローラーは、推奨ユーザー行動を表示するように構成され、該推奨行動は、正常血糖を維持することに関連している、請求項1−29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
第一のデバイスであって、
インスリンを送達するように構成されているポンプと、
血糖データを受信するように構成されている通信ポートを含む入力部と、
ユーザーインターフェースと、
該ポンプ、該入力部、および該ユーザーインターフェースと通信可能に結合されたコントローラーであって、該コントローラーは、
該血糖データをインスリンポンプユーザーに対する目標血糖値と比較するように構成されている血糖データモジュールと、
ルールモジュールであって、
該入力部を介してルールを受信し、
該血糖値が該目標血糖値と異なっているとき、該ユーザーインターフェースを介して該血糖値に関連した質問を決定するように構成され、そして、
該血糖データおよび該ユーザーインターフェースを介して受信された該質問への回答に該ルールを適用することによって、該ユーザーが取るべき推奨行動を決定するように構成される、ルールモジュールとを含み、
該コントローラーは、該質問および該推奨行動を提示するように構成されている、コントローラーとを含む、第一のデバイスと、
第二のデバイスであって、
ユーザーインターフェースと、
該ユーザーインターフェースと通信可能に結合されたプロセッサーであって、該プロセッサーは、該ユーザーインターフェースを介して該ルールを開発するように構成されているルール開発モジュールを含む、プロセッサーと、
該プロセッサーと通信可能に結合された通信ポートであって、該通信ポートは、該ルールを該第一のデバイスに通信するように構成されている、通信ポートと
を備えている、第二のデバイスと
を備えているシステム。
【請求項32】
前記ルール開発モジュールは、前記ルールを開発するように構成され、該ルールは、推奨行動を決定するために、前記血糖データと、生理学的データ、人口学的データ、患者のライフスタイルデータ、インスリン送達履歴データ、および血糖履歴データのうちの少なくとも一つとに適用される、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記第一のデバイスの前記入力部は、第三のデバイスから前記血糖データを受信するように構成されている通信ポートを含む、請求項31または32に記載のシステム。
【請求項34】
前記第一のデバイスは、前記血糖データを提供するために前記入力部と通信可能に結合された血糖モニターを含む、請求項31、32または33に記載のシステム。
【請求項35】
血糖データを、インスリンポンプを含むデバイスの中に受信することと、
該血糖データから、インスリンポンプユーザーの血糖値が目標血糖値と異なっていることを決定するときに、該デバイスを介して、該血糖値に関連した質問を提示することと、
該質問への応答を該インスリンポンプデバイスの中に受信することと、
該ユーザーが取るべき推奨行動を、少なくとも部分的に該応答に基づいて提示することと
を包含する、方法。
【請求項36】
前記質問を決定するために、前記デバイスに記憶されたルールを前記血糖データに適用することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記推奨行動を決定するために、前記ルールを前記血糖データに適用することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
生理学的データを第二のデバイスから前記デバイスの中に受信することを含み、
前記ルールを適用することは、前記質問を決定するために該ルールを該生理学的データに適用することを含み、
前記推奨行動を表示することは、少なくとも部分的に該該生理学的データに基づいて該推奨行動を表示することを含む、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
ユーザーの人口学的データを前記デバイスの中に受信することを含み、
前記ルールを適用することは、前記質問を決定するために該ルールを該人口学的データに適用することを含み、
前記推奨行動を提示することは、該人口学的データに従って該推奨行動の提示を調整することを含む、請求項36、37、または38に記載の方法。
【請求項40】
ユーザーのライフスタイルデータを前記デバイスの中に受信することを含み、
前記ルールを適用することは、前記質問を決定するために該ルールを該ライフスタイルデータに適用することを含み、
前記推奨行動を提示することは、少なくとも部分的に該ライフスタイルデータに基づいて推奨行動を表示することを含む、請求項36、37、38、または39に記載の方法。
【請求項41】
前記血糖データから、前記ユーザーの血糖値の変化のレートを決定することと、
前記質問と前記推奨行動とのうちの少なくとも一つを決定するために、前記ルールを血糖値の変化の該レートに適用することと
を含む、請求項36、37、38、39、または40に記載の方法。
【請求項42】
デバイスの通信ポートを介して、第二の独立したデバイスから該デバイスの中に前記ルールを受信することを含む、請求項36、37、38、39、または40に記載の方法。
【請求項43】
ユーザーインターフェースを介して、前記デバイスの中に前記ルールを受信することを含む、請求項36、37、38、39、または40に記載の方法。
【請求項44】
前記インスリンポンプデバイスの中に前記ポンプユーザーのインスリン送達履歴データを記憶することと、
前記質問と前記推奨行動とのうちの少なくとも一つを決定するために、前記ルールを前記血糖データと該インスリン送達履歴データに適用することと
を含む、請求項36、37、38、39、40、41、42、または43に記載の方法。
【請求項45】
前記推奨行動を提示することは、ユーザーのライフスタイルの少なくとも一つの状況への推奨された変更を表示することを含む、請求項35−44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記推奨行動を提示することは、前記インスリンポンプデバイス、インスリンカートリッジ、注入セット、注入セットチュービング、基礎レートパターン、および注入部位のうちの少なくとも一つの問題解決に関連する推奨を提示することを含む、請求項35−44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記推奨行動を提示することは、インスリンカートリッジ、注入セット、インスリンタイプ、インスリンボーラスパターン、およびインスリンポンプ実行可能プログラムのうちの少なくとも一つを変更することの推奨を提示することを含む、請求項35−46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記推奨行動を提示することは、前記血糖値が高いことの危険にさらされているとき、前記インスリンポンプデバイスから補正ボーラスを開始することの推奨を提示することを含む、請求項35−47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記推奨行動を提示することは、血糖測定を開始することの推奨を提示することを含む、請求項35−48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記推奨行動を提示することは、基礎レートテスト、炭水化物比テスト、および補正係数テストのうちの少なくとも一つを実行することの推奨を提示することを含む、請求項35−49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記推奨行動を提示することは、前記血糖値が低いことの危険にさらされているとき、炭水化物を消費することの推奨を提示することを含む、請求項35−50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
炭水化物の既知の量に関係した食物選択のデータベースを記憶することを含み、
炭水化物を消費することの推奨を提示することは、該データベースに含まれた食物選択を提示することを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記推奨行動を提示することは、臨床医に連絡することの推奨を提示することを含む、請求項35−52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記推奨行動が取られたことの表示を前記デバイスの中に受信した後に質問を提示することと、
該表示が受信された後に提示された該質問への前記応答に少なくとも部分的に基づいて、ユーザーが取るべきさらなる推奨行動を提示することと
を含む、請求項35−53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記インスリンポンプデバイスの中に前記ユーザーの血糖履歴データを記憶することと、
前記推奨行動を決定するために、該血糖履歴データおよび血糖モニターから受信された前記血糖データにルールを適用することと
を含む、請求項35−53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
独立した第二のデバイスから前記インスリンポンプデバイスに血糖履歴データをダウンロードするために、前記ポンプユーザーにプロンプトを提示することを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
血糖データを受信することは、前記インスリンポンプデバイスに含まれた血糖モニターから該血糖データを自動的に受信することを含む、請求項35−56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
血糖データを受信することは、
前記インスリンポンプデバイスから独立した第二のデバイスを用いて該血糖データを取得することと、
該第二のデバイスから通信ポートを介して該血糖データを該インスリンポンプデバイスの中に受信することと
を含む、請求項35−56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
血糖データを受信することは、該血糖データを前記第二のデバイスからワイヤレス通信ポートを介して前記インスリンポンプデバイスの中にワイヤレスで受信することを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
血糖データを受信することは、該血糖データが前記第二のデバイスによって取得されるとき、該血糖データをリアルタイムで前記インスリンポンプデバイスの中に受信することを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
血糖データを受信することは、前記インスリンポンプデバイスのユーザーに、前記第二のデバイスを用いて血糖データを取得するように周期的にプロンプトを表示することを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
血糖データを受信することは、血糖データの手動入力のために構成されている前記インスリンポンプデバイスのユーザーインターフェースを介して、該血糖データを受信することを含む、請求項35−56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記ポンプユーザーの前記血糖値が前記目標血糖値と異なっていることが決定される場合には、可聴の警報を起動させることを含む、請求項35−62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記血糖データから、前記血糖値が前記目標血糖値に近いことを決定する場合、正常血糖を維持することに関連している、前記ユーザーが取るべき推奨行動を提示することを含む、請求項35−63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
インスリンポンプを含むデバイスの中に血糖データを受信するための手段と、
該血糖データから、インスリンポンプユーザーの血糖値が目標血糖値と異なっていることを決定するとき、該血糖値に関連した質問を提示するための手段と、
該質問への応答を該インスリンポンプデバイスの中に受信するための手段と、
前記ユーザーが取るべき推奨行動を、少なくとも部分的に該応答に基づいて提示するための手段と
を備えている、装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−528703(P2010−528703A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510339(P2010−510339)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/006801
【国際公開番号】WO2008/153819
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(507268097)スミス メディカル エーエスディー, インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】SMITHS MEDICAL ASD, INC.
【住所又は居所原語表記】160 Weymouth St. Rockland MA 02370−1136 United States of America
【Fターム(参考)】