エコランシステム、エコラン制御装置
【課題】エコランシステムに対する利用者の理解や安心感を高めることができ、エコランシステムについて十分な知識を有していない一般的な利用者であっても、エコランシステムに備わっている機能を十分に駆使することができ、エコラン制御による効果を十分に発揮させることができるエコランシステムを提供すること。
【解決手段】車両の状態に応じて内燃機関を停止させたり再始動させる機能を有するエコランシステムにおいて、内燃機関の停止中にある始動条件が成立して内燃機関が再始動される場合、成立した始動条件が利用者に告知されるように構成されている。
【解決手段】車両の状態に応じて内燃機関を停止させたり再始動させる機能を有するエコランシステムにおいて、内燃機関の停止中にある始動条件が成立して内燃機関が再始動される場合、成立した始動条件が利用者に告知されるように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエコランシステム、及びエコラン制御装置に関し、より詳細には、車両の状態に応じてエンジンを停止させたり再始動させる機能を有するエコランシステム、及びエコラン制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃費の低減、排気ガスの低減を目的として、エンジンの作動が不要の時(例えば、信号待ち、電車通過待ち、人待ち等をしている時の車両の停止時)にエンジンを自動的に停止させ、エンジンの作動が必要になった時に再びエンジンを自動的に始動(再始動)させるエコノミーランニングシステム(エコランシステム)が開発され、実用化もされている。
【0003】
このようなエコランシステムが搭載された車両には、エンジンの自動停止再始動、すなわちエコランを実施している場合に、そのことを利用者(運転者等)に知らせるためのインジケータや、逆にエコランを実施していない場合にそのことを利用者に知らせるインジケータが装備されており、利用者は、これらのインジケータを参照することにより、エコランが実行されているか否かを確認することができるようになっている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0004】
現状、自家用車両へのエコランシステムの普及はまだまだ進んでいないため、エコランシステムの正しい仕組み等については広く認知されておらず、一般的には、車両が停止状態になれば、エンジンが自動停止されるシステムであるとの認識が強い。
【0005】
しかしながら、実際のエコラン制御では、例えば、シフトレバーがDレンジのままエンジンを自動停止させる場合、車両が停止状態(車速が0km/h)、かつアクセルオフ(アクセルペダルが踏み込まれていない状態)、かつブレーキオン(ブレーキペダルが踏み込まれている状態)、かつパニックブレーキ(急ブレーキ)ではない状態、かつエンジン自動停止時に使用されるバッテリの蓄電量が所定レベル以上である状態、かつその他複数の状態が含まれる停止条件がすべて成立した場合に、エンジンが自動停止されるようになっている。
【0006】
したがって、車両が停止状態(すなわち、車速が0km/h)であるにもかかわらず、その他の停止条件のうちのいずれかの条件が成立していない場合、エンジンが自動停止されない現象が生じることとなる。従来、このような現象が生じた場合、エコランが実行されていないことが、インジケータによって示されるだけなので、利用者が、車両が停止状態となるだけで、エンジンが自動停止されるものとシステムを誤認識している場合、なぜ、車両が停止状態であるにもかかわらずエンジンが自動停止されないのかといった疑問を抱くこととなり、さらに、エコラン制御が正常に機能していないのではないかといった不安を利用者に与えたり、利用者が故障と勘違いしてしまうこともあるという課題があった。
【0007】
また、このような現象が生じた場合、利用者が所定の操作を行うことにより、成立していなかった停止条件を成立させて、エンジンを自動停止させることができる場合も想定されている。例えば、急ブレーキをかけて停止すると「パニックブレーキ状態」と認識されるシステムの場合、急ブレーキにより車両が停止状態となっても、エンジンは自動停止されない。この場合、シフトレバーをPレンジに入れ替えて、ブレーキオフ(ブレーキペダルを開放)することにより「パニックブレーキ状態」を解除させることができ、この操作によりエンジンを自動停止させることができるようになっている。
【0008】
しかしながら、エンジンを自動停止させることができない原因(すなわち不成立となっている停止条件)と、その原因に対する対処方法とを利用者が予め正しく理解していなければ、エコラン制御によりエンジンを自動停止させることができない。一般的な利用者にとって、上記した複数の停止条件や、エンジンが自動停止されない場合の対処方法などを予め正確に理解しておくことは容易ではなく、そのため、利用者がエコランシステムによる機能を十分に使いこなすことが難しいという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−88580号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段及びその効果】
【0010】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、エコランシステムに対する利用者の理解や安心感を高めることができ、エコランシステムについて十分な知識を有していない一般的な利用者であっても、エコランシステムに備わっている機能を十分に使いこなすことができ、エコラン制御による効果を十分に発揮させることができるエコランシステム、及びエコラン制御装置を提供することを目的としている。
【0011】
上記目的を達成するために本発明に係るエコランシステム(1)は、車両の状態に応じて内燃機関を停止させたり再始動させる機能を有するエコランシステムにおいて、前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合、成立した始動条件が利用者に告知されるように構成されていることを特徴としている。
上記エコランシステム(1)によれば、前記ある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動された場合、前記成立した始動条件に関連する情報が利用者に告知される。したがって、どういった始動条件によって前記内燃機関が再始動されたのかを利用者に把握させることができ、エコラン制御(特に再始動時の制御)に対する利用者の理解や安心感を高めることができる。
【0012】
また本発明に係るエコランシステム(2)は、上記エコランシステム(1)において、前記ある始動条件が、利用者による前記内燃機関の再始動操作を必要としない始動条件であることを特徴としている。
上記エコランシステム(2)によれば、前記ある始動条件が、利用者による前記内燃機関の再始動操作(例えば、アクセルペダルの踏み込み操作や、ブレーキペダルの開放操作など)を必要としない始動条件(例えば、バッテリの蓄電量が所定レベル以下となった場合に再始動する条件など)であるので、利用者による前記内燃機関の再始動操作を伴わない、すなわち利用者の意図とは無関係に前記内燃機関が再始動された場合に、なぜ、前記内燃機関が再始動されたのかを利用者に把握させることができ、エコラン制御(特に再始動時の制御)に対する利用者の理解や安心感を一層高めることができる。
【0013】
また本発明に係るエコランシステム(3)は、上記エコランシステム(1)又は(2)において、複数の前記内燃機関の再始動条件に対応して前記内燃機関が再始動する原因が記憶装置に記憶されており、前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合、前記記憶装置から前記再始動する原因を読み出し前記成立した始動条件として利用者に告知されることを特徴としている。
【0014】
上記エコランシステム(3)によれば、前記記憶手段に、複数の前記内燃機関の再始動条件に対応して前記内燃機関が再始動する原因が記憶されているので、前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合に、前記記憶手段から前記再始動する原因を読み出し前記成立した始動条件として利用者に告知することができる。
【0015】
また本発明に係るエコランシステム(4)は、上記エコランシステム(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記車両が停止状態であるにもかかわらず前記内燃機関の停止条件が成立していない場合、不成立の停止条件及び/又は前記不成立の停止条件を成立させる方法が利用者に告知されるように構成されていることを特徴としている。
【0016】
上記エコランシステム(4)によれば、前記車両が停止状態であるにもかかわらず前記内燃機関の停止条件が成立していない場合、すなわち前記車両が停止していても前記内燃機関を停止させることができない場合に、前記不成立の停止条件及び/又は前記不成立の停止条件を成立させる方法が利用者に告知されるように構成されているので、前記不成立の停止条件及び/又は前記不成立の停止条件を成立させる方法を利用者に告知することができ、なぜ前記車両が停止状態であるにもかわらず前記内燃機関を停止させることができないのかを利用者に把握させることができる。したがって、エコランシステムに対する利用者の理解や安心感を高めることができ、故障と勘違いして混乱を招くようなこともなくすことができる。
さらに、前記不成立の停止条件(すなわち、前記内燃機関の停止条件のうち成立していない条件)が利用者に告知されることにより、前記内燃機関を停止させることができない原因を利用者に把握させることができ、エコランシステムの仕組みを利用者に正しく理解させることができる。
また、前記不成立の停止条件を成立させる方法(すなわち、前記内燃機関の停止条件のうち成立していない条件を成立させる方法)が利用者に告知される。したがって、前記不成立の停止条件を成立させるように利用者を促すことが可能となり、エコランシステムについて十分な知識を有していない一般的な利用者であっても、エコランシステムに備わっている機能を十分に使いこなすことができ、エコラン制御による効果(例えば、エンジンの自動停止回数を増やすことにより、燃料を節約する効果等)を十分に発揮させることができる。
【0017】
なお、前記内燃機関の停止条件としては、車両が停止状態であり、さらに、ブレーキペダルが踏み込まれている状態、シフトレバーの位置が所定位置にある状態、アクセルペダルが開放されている状態、バッテリの蓄電量が所定レベル以上である状態、IGスイッチがオンされてから一定時間経過している状態、車両のボンネットが開いていない状態、運転席のドアが開いていない状態、パニックブレーキ(急ブレーキ)状態ではない状態、エコラン制御装置に異常がない状態、エンジン制御装置やブレーキ制御装置などに異常がない状態などの複数の状態が成立していることが挙げられる。
【0018】
また本発明に係るエコランシステム(5)は、上記エコランシステム(4)において、前記内燃機関の複数の停止条件に対応して、前記内燃機関が不停止となる原因及びその対処方法が記憶装置に記憶されており、前記車両が停止状態であるにもかかわらず前記内燃機関の停止条件が成立していない場合、前記記憶装置から前記内燃機関が不停止となる原因及び/又はその対処方法を読み出し、前記不成立の停止条件及び/又は前記不成立の停止条件を成立させる方法として利用者に告知されるように構成されていることを特徴としている。
【0019】
上記エコランシステム(5)によれば、前記記憶装置に、前記内燃機関の複数の停止条件に対応して、前記内燃機関が不停止となる原因及びその対処方法が記憶されているので、前記車両が停止状態であるにもかかわらず前記内燃機関の停止条件が成立していない場合、前記記憶装置から前記内燃機関が不停止となる原因及び/又はその対処方法を読み出し、前記不成立の停止条件及び/又は前記不成立の停止条件を成立させる方法として利用者に告知することができる。
【0020】
また本発明に係るエコラン制御装置(1)は、車両の状態に応じて内燃機関を停止させたり再始動させる制御を行うエコラン制御装置において、前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される状態を判断する再始動状態判断手段と、該再始動状態判断手段により、前記ある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動された状態であると判断された場合、成立した始動条件を利用者に告知するための制御を行う成立告知制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0021】
上記エコラン制御装置(1)によれば、前記ある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動された状態であるか否かが前記再始動状態判断手段により判断され、前記ある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動された状態であると判断された場合、前記成立した始動条件に関連する情報を利用者に告知するための制御が前記成立告知制御手段により行われる。したがって、どういった始動条件によって前記内燃機関が再始動されたのかを利用者に把握させることが可能となり、エコラン制御(特に再始動時の制御)に対する利用者の理解や安心感を高めることができる。
【0022】
また本発明に係るエコラン制御装置(2)は、上記エコラン制御装置(1)において、前記ある始動条件が、利用者による前記内燃機関の再始動操作を必要としない始動条件であることを特徴としている。
上記エコラン制御装置(2)によれば、前記ある始動条件が、利用者による前記内燃機関の再始動操作(例えば、アクセルペダルの踏み込み操作や、ブレーキペダルの開放操作など)を必要としない始動条件(例えば、バッテリの蓄電量が所定レベル以下となった場合に再始動する条件など)であるので、利用者による前記内燃機関の再始動操作を伴わない、すなわち利用者の意図とは無関係に前記内燃機関が再始動された場合に、なぜ、前記内燃機関が再始動されたのかを利用者に把握させることができ、エコラン制御(特に再始動時の制御)に対する利用者の理解や安心感を一層高めることができる。
【0023】
また本発明に係るエコラン制御装置(3)は、上記エコラン制御装置(1)又は(2)において、複数の前記内燃機関の再始動条件に対応して前記内燃機関が再始動する原因を記憶する記憶手段を備え、前記成立告知制御手段は、前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合、前記記憶手段から前記再始動する原因を読み出し前記成立した始動条件として利用者に告知することを特徴としている。
【0024】
上記エコラン制御装置(3)によれば、前記記憶手段に、複数の前記内燃機関の再始動条件に対応して前記内燃機関が再始動する原因が記憶されているので、前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合に、前記記憶手段から前記再始動する原因を読み出し前記成立した始動条件として利用者に告知する制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態(1)に係るエコランシステムの要部を概略的に示したブロック図である。
【図2】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するエコランECUのROMに記憶されている不成立の停止条件に関連する情報を説明するための図である。
【図3】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するエコランECUのROMに記憶されている成立した始動条件に関連する情報を説明するための図である。
【図4】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置の表示部に表示された告知内容の形式設定画面の表示例を示した図である。
【図5】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置の表示部に表示された告知方法の設定画面の表示例を示した図である。
【図6】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置の表示部に表示された優先機能の設定画面の表示例を示した図である。
【図7】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するエコランECUにおけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図8】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置におけるナビマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図9】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置の表示部に表示されたエコラン情報の表示例を示した図である。
【図10】実施の形態(2)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置におけるナビマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図11】実施の形態(2)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置の表示部に表示されたエコラン情報の表示例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るエコランシステム、エコラン制御装置、及びナビゲーション装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、実施の形態(1)に係るエコランシステムの要部を概略的に示したブロック図である。
【0027】
図中10はエコランECU(Electronic Control Unit)を示しており、エコランECU10は、通信ライン1を介して、エンジンECU11、ブレーキECU12、メータECU13、及びナビマイコン21等に接続されている。
【0028】
これら各ECU10、11、12、13は、各種の演算処理を実行するCPU、処理プログラム等が記憶されたROM、及び一時的に処理データを記憶するRAMを含んで構成されるマイクロコンピュータ(マイコン)と、各種信号の入出力インターフェースと(いずれも図示せず)を含んで構成されており、ROMから読み出された処理プログラムに応じてCPUが必要な演算処理を実行し、その演算結果に基づいて各種制御が実行されるようになっている。
【0029】
各ECU10、11、12、13で検出された信号や演算処理データは、通信ライン1を介して、各ECU10、11、12、13、及びナビマイコン21の間で相互に通信が行えるように構成されており、必要に応じてデータ通信を行い、相互に連動して制御が行われるようになっている。これら各ECU10、11、13、13、及びナビマイコン21を含んでエコランシステムが構成されている。
【0030】
エコランECU10へは、エコランスイッチからのエコランシステムのオン・オフ(起動有無)信号、ボンネットスイッチからのボンネット開閉信号、運転席(D席)のドアカーテシスイッチからのD席ドア開閉信号、エンジンの自動停止状態(始動待機状態)時に使用されるバッテリ(例えばLi電池)の蓄電量を検出センサからの蓄電量信号、イグニッション(IG)スイッチからのIGオン・オフ信号、及びその他の信号が、それぞれ入力されるようになっている。エコランECU10では、各ECU10、11、12、13で検出された車両の状態に応じてエンジンを停止させたり再始動させるエコラン制御(自動停止・再始動制御)が行われるようになっている。
【0031】
また、エンジンECU11へは、IGスイッチからのIGオン・オフ信号、エンジン回転数センサからのエンジン回転数信号、エンジンに取り付けられた水温センサからのエンジン冷却水温信号、駆動輪に取り付けられた車速センサからの車速信号、アクセルペダルの踏み込み有無を検出するアクセルペダルセンサからのアクセルオン・オフ信号、舵角センサからのステアリングの操舵角信号、シフトレバーの操作位置(P、R、N、D、2、L)を検出するシフト位置センサからのシフト位置信号、エアコンスイッチからのエアコンオン・オフ信号、及びその他の信号が入力されるようになっている。エンジンECU11では、燃料噴射制御などのエンジン制御やトランスミッションの変速制御制御等が実行されるようになっている。
【0032】
また、ブレーキECU12へは、ブレーキペダルの踏み込み有無を検出するブレーキペダルセンサからのブレーキオン・オフ信号、及びその他ブレーキ制御に必要な信号が入力されるようになっている。また、運転席前方に配設されたメータパネルへの表示事項を制御するメータECU13へは、燃料の残量を検出する燃料センサからの残量信号、左・右のウインカースイッチからの操作信号、及びその他メータ制御に必要な信号が入力されるようになっている。
【0033】
また、ナビマイコン21には、液晶ディスプレイを有する表示部22と、GPS受信機を含む自車位置検出部23と、地図表示、経路探索、及び経路案内等のナビゲーション機能を実行させるのに必要なデータが記憶されている記憶部24と、表示部22に設けられたボタンスイッチやタッチパネルなどから構成される操作部25と、アンプやスピーカなどを含んで構成される音声出力部26とが接続されており、ナビマイコン21、表示部22、自車位置検出部23、記憶部24、及び操作部25を含んでナビゲーション装置20が構成されている。
【0034】
またエコランECU10は、車両が停止状態(車速が0km/h)であるにもかかわらずエンジンの停止条件が成立していない場合、不成立の停止条件に関連する情報を利用者に告知するための制御を行う機能(不成立告知制御手段)と、ある始動条件が成立してエンジンが再始動された場合、成立した始動条件に関連する情報を利用者に告知するための制御を行う機能(成立告知制御手段)とを備えており、これら不成立告知制御手段や成立告知制御手段によって、ナビゲーション装置20を通じて、前記不成立の停止条件に関連する情報や前記成立した始動条件に関連する情報が利用者に告知されるように制御されている。
【0035】
なお、車両が停止状態であるにもかかわらずエンジンの停止条件が成立していない場合としては、車両が停止状態、かつ他の複数の停止条件のうちのいずれか1つでも成立していない場合が挙げられる。なお前記複数の停止条件としては、例えば、ボンネットが開いていない状態、運転席のドアが開いていない状態、車両が坂道で停止していない状態、シフトレバーの位置が検出されている(不定でない)状態、パニックブレーキ状態ではない状態、ハンドルの操舵角が所定角度より大きくない状態、バッテリの蓄電量が所定レベル以上である状態などが含まれている。
【0036】
また、前記ある始動条件としては、利用者によるエンジンの再始動操作(例えば、アクセルペダルの踏み込み操作や、ブレーキペダルの開放操作などの停止状態解除操作)を必要としない始動条件、例えば、バッテリの蓄電量が所定レベルよりも低下した状態などが含まれている。
【0037】
また、エコランECU10のROMには、利用者に告知するための「不成立の停止条件に関連する情報」が記憶されている。図2は、ROMに記憶されている不成立の停止条件に関連する情報の一部を示している。図2に示した不成立の停止条件に関連する情報には、エンジンの停止条件に対応して、2つの告知内容の項目、すなわちエンジン不停止の原因と、その対処方法とが設けられており、エンジンの停止条件毎に、エンジンの不成立の停止条件と、不成立の停止条件を成立させる方法との告知内容が記憶されている。
【0038】
ROMに記憶されている不成立の停止条件に関連する情報は、エコランECU10において、車両が停止状態であるにもかかわらずエンジンの停止条件が成立していない状態であると判断された場合に、対応する不成立の停止条件に関連する情報が読み出されて、他の告知制御情報とともにナビマイコン21へ送出されるようになっている。
【0039】
また、エコランECU10のROMには、利用者に告知するための「成立した始動条件に関連する情報」が記憶されている。図3、ROMに記憶されている成立した始動条件に関連する情報の一部を示している。図3に示した成立した始動条件に関連する情報には、、始動条件ごとに、エンジン再始動の原因、すなわちエンジンの再始動成立条件の告知内容が記憶されている。
【0040】
ROMに記憶されている成立した始動条件に関連する情報は、エコランECU10において、ある始動条件が成立してエンジンが再始動されたと判断された場合に、再始動のきっかけとなった始動条件に対応する情報(成立した始動条件)が読み出されて、他の告知制御情報とともにナビマイコン21ヘ送出されるようになっている。
【0041】
なお、他の告知制御情報には、利用者に告知する情報の告知内容の形式の設定情報と、利用者に告知する情報の告知方法の設定情報と、エコラン情報の告知機能又はナビゲーション機能のどちらの機能を優先させるのかを示す優先機能の設定情報とが含まれている。
【0042】
これら設定情報は、ナビゲーション装置20を通じて利用者に設定させるように構成されている。図4は、表示部に表示される「告知内容の形式設定」画面の表示例を示しており、この「告知内容の形式設定」画面を通じて、エンジン不停止の原因(不成立の停止条件)のみ告知、エンジン不停止時の対処方法(不成立の停止条件を成立させる方法)のみ告知、エンジン不停止の原因とその対処方法を告知、及び告知しないの4つの形式の中から所望の形式を利用者に適宜選択させることができるようになっている。
【0043】
例えば、不成立の停止条件さえ分かれば、対処方法の告知がなくても、不成立の停止条件を成立させることができる利用者(エコランシステムについて十分な知識を有している利用者)であれば、「エンジン不停止の原因のみ告知」を、エンジンの自動停止はできるだけ行いたいが、不成立の停止条件までは知る必要がないと考える利用者であれば、「エンジン不停止時の対処方法のみ告知」を、不成立の停止条件を知った上で、エンジンの自動停止も行いたいと考える利用者であれば、「エンジン不停止の原因とその対処方法を告知」を、告知の必要がない(告知されることに不快感を持つ)利用者であれば、「告知しない」を選択すればよい。
【0044】
図5は、表示部に表示される「告知方法の設定」画面の表示例を示しており、この「告知方法の設定」画面を通じて、画面表示による告知、音声による告知、及び画面表示と音声による告知の3つの告知方法の中から所望の告知方法を利用者に適宜選択させることができるようになっている。
【0045】
例えば、音声による案内を煩わしく感じる利用者であれば、「画面表示による告知」を、ナビゲーション画面が切り替わるのを好まない利用者であれば、「音声による告知」を、画面表示と音声により告知を行って欲しい利用者であれば、「画面表示を音声による告知」を選択すればよい。
【0046】
図6は、表示部に表示される「優先機能の設定」画面の表示例を示しており、この「優先機能の設定」画面を通じて、通常に、エコラン情報の告知機能を優先させるのか、又はナビゲーション機能を優先させるのかを利用者に適宜選択させることができるようになっている。これらの設定画面は、例えば、メニュー画面の選択操作を通じて適宜読み出されるようになっている。
【0047】
これら設定画面を通じて設定された各設定情報は、ナビマイコン21からエコランECU10へ送信され、エコランECU10では、ナビマイコン21から受信した設定情報に基づいて、告知内容の形式、告知方法、及び優先機能の各設定情報を新しい設定情報に切り替えて記憶する処理が行われるようになっている。
【0048】
また、ナビゲーション装置20のナビマイコン21は、エコランECU10からの告知制御信号に基づいて、不成立の停止条件に関連する情報や成立した始動条件に関連する情報の告知処理、すなわち、これらの情報を表示部22に表示させたり、音声出力部26から音声出力させたりする処理を行う機能(告知処理手段)を備えている。
【0049】
次に実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するエコランECU10におけるマイコンの行う処理動作を図7に示したフロ−チャ−トに基づいて説明する。なお、本処理動作は、エコランスイッチがオンされている場合に、所定周期で繰り返し実行される。
【0050】
まず、ステップS1では、エコラン制御を行うための各種信号の入力処理を実行し、その後ステップS2に進み、ステップS2では、エコラン中であるか否か、すなわち、エンジンがエコラン制御によって自動停止状態になっているか否かを判断し、エコラン中ではない、すなわち、エンジンが自動停止状態になっていないと判断すればステップS3に進む。
【0051】
ステップS3では、エコラン条件が成立しているか否か、すなわち上述のエンジンの停止条件がすべて成立しているか否かを判断し、エコラン条件が成立していないと判断すればステップS4に進む。ステップS4では、車両が停止状態であるか(すなわち、車速が0km/h、または車速が0km/hに近い所定速度以下であるか)否かを判断し、車両が停止状態ではない(すなわち、車両が走行中である)と判断すればその後リターンする一方、車両が停止状態であると判断すればステップS5に進む。
【0052】
ステップS5では、エコラン条件のうちの不成立の停止条件を抽出し、その後ステップS6に進む。ステップS6では、抽出された不成立の停止条件に対応する「不成立の停止条件に関連する情報」をROMから読み出し、その後ステップS7に進む。
【0053】
ステップS7では、利用者へ告知する情報(不成立の停止条件に関連する情報)の告知内容の形式、告知方法、及び優先機能の設定情報を読み出し、次のステップS8では、告知内容の形式が、利用者へ告知する情報を告知しない設定であるか否かを判断し、告知しない設定であると判断すればその後リターンする。
【0054】
一方、ステップS8において、告知しない設定ではない、すなわち告知内容の形式が、エンジン不停止の原因のみ告知、エンジン不停止時の対処方法のみ告知、又はエンジン不停止の原因とその対処方法を告知する設定のいずれかであると判断すればステップS9に進む。
【0055】
ステップS9では、ナビゲーション装置20に対する告知制御処理を行い、すなわち、ステップS7で読み出された告知内容の形式、告知方法、及び優先機能に関する設定情報と、ステップS6で読み出された不成立の停止条件に関連する情報とを含む告知制御情報をナビマイコン21へ送信する処理を行い、その後リターンする。例えば、告知内容の形式が、エンジン不停止の原因のみ告知に設定され、告知方法が画面表示に設定され、さらに優先機能がエコラン情報の告知機能に設定されている場合、不成立の停止条件に関連する情報のうちのエンジン不停止の原因情報と、該原因情報を画面表示させる制御信号と、エコラン情報の告知機能を優先する制御信号とを含む告知制御情報をナビマイコン21に送信する処理を行うようになっている。
【0056】
一方、ステップS3において、エコラン条件が成立したと判断すればステップS10に進み、ステップS10では、エンジン自動停止処理、すなわち、エコランECU10からエンジンECU11へ燃料カット等の制御信号の出力処理を行い、エンジンを停止させ、その後リターンする。
【0057】
また一方、ステップS2において、エコラン中である、すなわち、エンジンがエコラン制御によって自動停止状態(始動待機状態)にあると判断すればステップS11に進む。ステップS11では、エコラン復帰条件、すなわちエンジンを再始動させる条件(始動条件)が成立したか否かを判断し、エコラン復帰条件が成立したと判断すればステップS12に進む。ステップS12では、エンジン再始動処理、すなわち、エコランECU10からエンジンECU11へ燃料供給を再開してエンジンを再始動させる制御信号の出力処理を行い、エンジンを再始動させて、その後ステップS13に進む。
【0058】
ステップS13では、エコラン復帰条件が、利用者によるエンジンの再始動操作(例えば、アクセルペダルの踏み込み操作や、ブレーキペダルの開放操作などの停止状態解除操作)を必要としない始動条件か否か(例えば、バッテリの蓄電量が所定レベルよりも低下した状態になったか否か)を判断し、利用者によるエンジンの再始動操作を必要としない始動条件ではない、すなわち、利用者による復帰操作によって、意図的にエンジンを再始動させたと判断すれば、その後リターンする。
【0059】
一方、ステップS13において、エコラン復帰条件が、利用者によるエンジンの再始動操作を必要としない始動条件であると判断すればステップS14に進む。ステップS14では、再始動のきっかけとなった始動条件に対応する「成立した始動条件に関連する情報」をROMから読み出し、その後ステップS15に進む。
【0060】
ステップS15では、利用者へ告知する情報(成立した始動条件に関連する情報)の告知内容の形式、告知方法、及び優先機能の設定情報を読み出し、次のステップS16では、告知内容の形式が、利用者へ告知する情報を告知しない設定であるか否かを判断し、告知しない設定であると判断すればその後リターンする。
【0061】
一方、ステップS16において、告知しない設定ではない、すなわち告知内容の形式が、エンジン再始動の原因を告知する形式であると判断すればステップS17に進む。
ステップS17では、ナビゲーション装置20に対する告知制御処理を行い、すなわち、ステップS15で読み出された告知内容の形式、告知方法、及び優先機能に関する設定情報と、ステップS14で読み出された成立した始動条件に関連する情報とを含む告知制御情報をナビマイコン21へ送信する処理を行い、その後リターンする。例えば、告知内容の形式が、エンジン再始動の原因を告知する形式に設定され、告知方法が音声出力に設定され、さらに優先機能がエコラン情報の告知機能に設定されている場合、成立した始動条件に関連する情報のうちのエンジン再始動の原因情報と、該原因情報を音声出力させる制御信号と、エコラン情報の告知機能を優先する制御信号とを含む告知制御情報をナビマイコン21に送信する処理を行うようになっている。
【0062】
また、一方ステップS11において、エコラン復帰条件、すなわちエンジンを再始動させる条件が成立していないと判断すればステップS18に進み、ステップS18では、エンジン停止状態継続処理、すなわちエンジンの停止状態を継続させる制御信号をエンジンECU11へ出力する処理を行い、その後リターンする。
【0063】
次に実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置20におけるナビマイコン21の行う処理動作を図8に示したフロ−チャ−トに基づいて説明する。なお、本処理動作は、エコランECU10からの告知制御情報を受信した場合に実行される。
【0064】
まず、ステップS21では、エコランECU10から不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報(告知制御情報A)を受信したか否かを判断し、不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報Aを受信したと判断すればステップS22に進む。ステップS22では、不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報Aを読み込み、続くステップS23では、優先機能の設定がエコラン情報の告知機能を優先する設定であるか否かを判断し、エコラン情報の告知機能を優先する設定ではない、すなわちナビ機能優先設定であると判断すればステップS24に進む。ステップS24では、ナビ機能利用中(例えば、地図表示や経路案内中)であるか否かを判断し、ナビ機能利用中であると判断すれば、エコラン情報の告知処理を行うことなく処理を終える。
【0065】
一方、ステップS24において、ナビ機能利用中ではない(例えば、ナビ機能以外のオーディオ機能等を利用中である)と判断すればステップS25に進む。また、ステップS23において、エコラン情報の告知機能を優先する設定であると判断すればステップS25に進む。
【0066】
ステップS25では、告知制御情報Aに含まれる他の設定情報と、不成立の停止条件に関連する情報とに基づいて、不成立の停止条件に関連する情報を利用者に告知する処理を行う。例えば、告知内容の形式の設定が、エンジン不停止の原因とその対処方法を告知する形式であり、告知方法の設定が画面表示である場合、図9に示した表示形態でエンジン不停止の原因とその対処方法とを表示部22に一定時間表示させる処理を行い、その後処理を終える。
【0067】
一方、ステップS21において、不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報Aを受信していないと判断すればステップS26に進み、ステップS26では、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報(告知制御情報B)をエコランECU10から受信したか否かを判断し、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報Bを受信していないと判断すれば処理を終える一方、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報Bを受信したと判断すればステップS27に進む。
【0068】
ステップS27では、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報Bを読み込み、続くステップS28では、優先機能の設定がエコラン情報の告知機能を優先する設定であるか否かを判断し、エコラン情報の告知機能を優先する設定ではない、すなわちナビ機能優先設定であると判断すればステップS29に進む。ステップS29では、ナビ機能利用中(例えば、地図表示や経路案内中)であるか否かを判断し、ナビ機能利用中であると判断すれば、エコラン情報の告知処理を行うことなく処理を終える。
【0069】
一方、ステップS29において、ナビ機能利用中ではないと判断すればステップS30に進む。また一方、ステップS28において、エコラン情報の告知機能を優先する設定であると判断すればステップS30に進む。
【0070】
ステップS30では、告知制御情報Bに含まれる他の設定情報と、成立した始動条件に関連する情報とに基づいて、成立した始動条件に関連する情報を利用者に告知する処理を行う。例えば、告知内容の形式の設定が、エンジン再始動の原因を告知する形式であり、告知方法の設定が音声出力である場合、エンジン再始動の原因を音声出力部26から音声案内情報として出力する処理(例えば、「バッテリの蓄電量が低下したので再始動しました」というような音声案内)を行い、その後処理を終える。
【0071】
上記実施の形態(1)に係るエコランシステムによれば、車両が停止状態であるにもかかわらずエンジンの停止条件が成立していない場合、すなわち車両が停止していてもエンジンを停止させることができない場合に、前記不成立の停止条件に関連する情報が利用者に告知されるように構成されているので、前記不成立の停止条件に関連する情報を利用者に告知することができ、なぜ車両が停止状態であるにもかわらずエンジンを停止させることができないのかを利用者に把握させることができ、エコランシステムに対する利用者の理解や安心感を高めることができ、故障と勘違いして混乱を招くようなこともなくすことができる。
【0072】
また、前記不成立の停止条件(すなわち、エンジンの停止条件のうち成立していない条件)が利用者に告知されるので、エンジンを停止させることができない原因を利用者に把握させることができ、エコランシステムの仕組みを利用者に正しく理解させることができる。また、前記不成立の停止条件を成立させる方法(すなわち、エンジンの停止条件のうち成立していない条件を成立させる方法)が利用者に告知されるので、前記不成立の停止条件を成立させるように利用者を促すことが可能となり、エコランシステムについて十分な知識を有していない一般的な利用者であっても、エコランシステムに備わっている機能を十分に駆使することができ、エコラン制御による効果(例えば、エンジンの自動停止回数を増やすことにより、燃料を節約する効果等)を十分に発揮させることができる。
【0073】
また、ある始動条件(この場合、利用者によるエンジンの再始動操作を必要としない始動条件)が成立してエンジンが再始動された場合、前記成立した始動条件に関連する情報が利用者に告知される。したがって、利用者によるエンジンの再始動操作を必要としない、すなわち利用者の意図とは無関係にエンジンが再始動された場合に、なぜ、エンジンが再始動されたのかを利用者に把握させることができ、エコラン制御(特に再始動時の制御)に対する利用者の理解や安心感を一層高めることができる。
【0074】
また、前記不成立の停止条件に関連する情報の告知内容の形式が、該告知内容の形式を入力する設定画面からの入力情報に基づいて切り替えられるので、前記設定画面で入力された情報に応じて前記告知内容の形式を切り替えることができ、エコランシステムに対する利用者の理解度、すなわち告知の必要性等に応じて、告知内容の形式を利用者に任意に切り替えさせることが可能となり、利用者の要望や要求に応じた告知内容の形式を採用することができる。
【0075】
また、前記不成立の停止条件に関連する情報の告知方法が、該告知方法を入力する設定画面からの入力情報に基づいて切り替えられるので、前記設定画面で入力された情報に応じて前記告知方法を切り替えることができ、利用者の好み等に応じて、告知方法を利用者に任意に切り替えさせることが可能となり、利用者の要望や要求に応じた告知方法を採用することができる。
【0076】
また、前記不成立の停止条件に関連する情報や前記成立した再始動条件に関連する情報が、ナビゲーション装置20を通じて利用者に告知されるように構成されているので、ナビゲーション装置20に備わっている表示出力機能や音声出力機能を利用して、前記不成立の停止条件に関連する情報や前記成立した始動条件に関連する情報を、利用者に分かりやすいように告知することができる。
【0077】
また、前記優先機能を入力する設定画面からの入力情報に基づいて優先させる機能が切り替え可能に構成されているので、前記告知情報を利用者に告知する機能と、前記ナビゲーション機能とのどちらの機能を優先させるのかを、前記優先機能を入力する設定画面からの入力情報に基づいて切り替えることができ、優先機能を利用者の要望に応じて任意に切り替えることが可能となる。
【0078】
また、ナビゲーション装置20によれば、エコランECU10からの告知制御情報に基づいて、前記不成立の停止条件に関連する情報などを利用者に告知する処理が行われるので、ナビゲーション装置20を通じて、前記不成立の停止条件に関連する情報を利用者に告知することができ、ナビゲーション装置20の機能をさらに高めることができる。
【0079】
次に実施の形態(2)に係るエコランシステムについて説明する。但し実施の形態(2)に係るエコランシステムの構成については、エコランECUと、ナビマイコンとを除いて図1に示したエコランシステムと略同様であるため、異なる機能を有するエコランECU10Aと、ナビマイコン21Aとには異なる符号を付し、その他の同一機能を有する構成部品には同一符号を付して、ここではその説明を省略する。
【0080】
実施の形態(1)に係るエコランシステムにおいては、ナビゲーション装置20の表示部22に表示させた「優先機能の設定」画面(図6参照)を通じて、利用者に優先機能を適宜設定させて、該設定された情報が、エコランECU10に記憶されるようになっているが、実施の形態(2)に係るエコランシステムにおいては、利用者に優先機能を設定させるのではなく、ナビゲーション装置20Aで割り出された自車位置に関する情報や検出された車両の各種状態を含む情報に基づいて、優先させる機能、すなわち、エコラン情報の告知機能を優先させるのか、ナビゲーション機能を優先させるのかを、その時の車両を取り巻く状況に応じて適宜決定する(切り替えていく)ように構成されている点が相違している。
なお、実施の形態(2)に係るエコランシステムを構成するエコランECU10で行われるエコラン情報の告知制御の処理動作は、図7に示した処理動作と略同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0081】
次に実施の形態(2)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置20Aにおけるナビマイコン21Aの行う処理動作を図10に示したフロ−チャ−トに基づいて説明する。
まず、ステップS31では、エコランECUから不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報(告知制御情報A’)を受信したか否かを判断し、不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報A’を受信したと判断すればステップS32に進む。
【0082】
ステップS32では、ナビ機能利用中(例えば、自車位置の地図表示や経路案内中)であるか否かを判断し、ナビ機能利用中ではないと判断すればステップS35に進む一方、ナビ機能利用中であると判断すればステップS33に進む。
【0083】
ステップS33では、自車位置情報と、車両の状況(燃料の残量やウインカーの操作状況など)とを取得し、次のステップS34では、取得した情報に基づいて、車両が、エンジンを自動停止させる優先度が低い状況(例えば、車両が、交差点の右折レーンの先頭にいる状況等)にあるか否かを判断し、エンジンを停止させる優先度が低い状況にある、すなわちナビ機能を優先させても良い状況にあると判断すれば、ナビ機能を優先させて、不成立の停止条件に関連する情報の告知を行わずに処理を終える。一方、ステップS34において、エンジンを停止させる優先度が低い状況にはない、すなわちエコラン情報の告知機能を優先させた方がよい状況にあると判断すればステップS35に進む。
【0084】
ステップS35では、不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報A’を読み込み、続くステップS36では、告知制御情報A’に含まれる設定情報(告知内容の形式と告知方法の設定情報)と、不成立の停止条件に関連する情報とに基づいて、不成立の停止条件に関連する情報を利用者に告知する処理を行う。例えば、告知内容の形式の設定が、エンジン不停止の原因のみ告知する形式であり、告知方法の設定が画面表示及び音声による告知である場合、図11に示した表示形態でエンジン不停止の原因を表示部22に一定時間表示させるとともに音声出力部26を介して案内音声(例えば、「バッテリの蓄電量が低下しているのでエンジンを自動停止させることができません」というような音声)を出力する処理を行い、その後処理を終える。
【0085】
一方、ステップS31において、不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報A’を受信していないと判断すればステップS37に進み、ステップS37では、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報(告知制御情報B’)をエコランECU10から受信したか否かを判断し、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報B’を受信していないと判断すれば処理を終える一方、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報B’を受信したと判断すればステップS38に進む。
ステップS38では、ナビ機能利用中であるか否かを判断し、ナビ機能利用中ではないと判断すればステップS41に進む一方、ナビ機能利用中であると判断すればステップS39に進む。
【0086】
ステップS39では、自車位置情報と、車両の状況(燃料の残量やウインカーの操作状況など)とを取得し、次のステップS40では、取得した情報に基づいて、車両が、ナビ機能を利用する優先度が高い状況にあるか否か(例えば、車両が初めての道を走行中であるか否かなど)を判断し、ナビ機能を利用する優先度が高い状況にあると判断すれば、成立した始動条件に関連する情報の告知を行わずに処理を終える。一方、ステップS40において、ナビ機能を利用する優先度が高い状況にない、すなわちナビ機能を優先させなくても良い状況であると判断すればステップS41に進む。
【0087】
ステップS41では、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報B’を読み込み、続くステップS42では、告知制御情報B’に含まれる設定情報(告知内容の形式と告知方法の設定情報)と、成立した始動条件に関連する情報とに基づいて、成立した始動条件に関連する情報を利用者に告知する処理を行う。例えば、告知内容の形式の設定が、エンジンが再始動された原因のみ告知する形式であり、告知方法の設定が音声による告知である場合、エンジンが再始動された原因を音声出力部26を介して案内音声として出力する処理を行い、その後処理を終える。
【0088】
上記実施の形態(2)に係るエコランシステムによれば、ナビゲーション装置20Aで割り出された自車位置に関する情報を含む情報に基づいて、優先させる機能が切り替えられるので、ナビゲーション装置20Aで割り出された自車位置に関する情報を含む情報(例えば、自車位置の道路状況、周辺施設、そのときの車両の状況等)に応じて、すなわち、エンジンを自動停止させる優先度等を考慮して、優先させる機能の切り替えを適宜行うことができるシステムとすることができる。
【0089】
また、ナビゲーション装置20Aによれば、エコラン情報の告知機能と、ナビゲーション機能とのどちらの機能を優先させるのかが判断され、ナビゲーション機能を優先させると判断された場合、エコラン情報の告知処理を行わないように構成されているので、ナビゲーション機能を利用する優先度が高い状況では、エコラン情報の告知処理を行わないように、すなわちナビゲーション機能を妨げないようにすることができる。
【0090】
またナビゲーション装置20Aによれば、エンジンを自動停止させる優先度に基づいて、どちらの機能を優先させるのかが判断されるので、エンジンを自動停止させる優先度が高い場合(例えば、燃料を特に節約する必要がある場合等)には、エコラン情報の告知機能を優先させる一方、エンジンを自動停止させる優先度が低い場合(例えば、自車位置が交差点の右折レーンの先頭にいて、迅速な発進が要求される場合等)には、ナビゲーション機能を優先させるなどの処理を行うことができ、車両を取り巻く状況に応じて、すなわち、利用者がどの機能を優先して欲しいのかを予測しながら優先機能を自動的に切り替えることができる。
【0091】
なお、図9に示した上記実施の形態(2)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置20Aにおけるナビマイコン21Aの処理では、エコラン情報の告知機能を優先させる傾向の強い処理を行うようになっている、すなわちステップS34において、車両が、エンジンを自動停止させる優先度が低い状況にあるか否かを判断するようになっているが、別の実施の形態では、上記ステップS43に代えて、車両が、エンジンを自動停止させる優先度が高い状況(例えば、燃料の残量が少なく、近くに給油所がない状況等)にあるか否かを判断し、エンジンを自動停止させる優先度が高い状況にある、すなわちエコラン情報の告知機能を優先させて、エンジンの自動停止を積極的に実行させる必要があると判断すればステップS35以降の処理に進む一方、エンジンを自動停止させる優先度が高い状況にはない、すなわちエコラン情報の告知機能を優先させる必要性が高くないと判断すれば、エコラン情報の告知処理を行わずに処理を終える。
【0092】
また図9のステップS40に代えて、車両が、ナビ機能を利用する優先度が低い状況(例えば、車両が、以前通行したことのある道を走行している状況等)にあるか否かを判断し、ナビ機能を利用する優先度が低い状況にあると判断すればステップS41以降の処理に進む一方、ナビ機能を利用する優先度が低い状況にはない、すなわちナビ機能を優先させる必要があると判断すれば、エコラン情報の告知処理を行わずに処理を終える構成としてもよい。このような判断処理により、ナビゲーション機能を優先させる傾向の強い処理を行わせることができる。
【符号の説明】
【0093】
10、10A エコランECU(エコラン制御装置)
11 エンジンECU
12 ブレーキECU
13 メータECU
20、20A ナビゲーション装置
21、21A ナビマイコン
22 表示部
23 自車位置検出部
24 記憶部
25 操作部
26 音声出力部
【技術分野】
【0001】
本発明はエコランシステム、及びエコラン制御装置に関し、より詳細には、車両の状態に応じてエンジンを停止させたり再始動させる機能を有するエコランシステム、及びエコラン制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃費の低減、排気ガスの低減を目的として、エンジンの作動が不要の時(例えば、信号待ち、電車通過待ち、人待ち等をしている時の車両の停止時)にエンジンを自動的に停止させ、エンジンの作動が必要になった時に再びエンジンを自動的に始動(再始動)させるエコノミーランニングシステム(エコランシステム)が開発され、実用化もされている。
【0003】
このようなエコランシステムが搭載された車両には、エンジンの自動停止再始動、すなわちエコランを実施している場合に、そのことを利用者(運転者等)に知らせるためのインジケータや、逆にエコランを実施していない場合にそのことを利用者に知らせるインジケータが装備されており、利用者は、これらのインジケータを参照することにより、エコランが実行されているか否かを確認することができるようになっている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0004】
現状、自家用車両へのエコランシステムの普及はまだまだ進んでいないため、エコランシステムの正しい仕組み等については広く認知されておらず、一般的には、車両が停止状態になれば、エンジンが自動停止されるシステムであるとの認識が強い。
【0005】
しかしながら、実際のエコラン制御では、例えば、シフトレバーがDレンジのままエンジンを自動停止させる場合、車両が停止状態(車速が0km/h)、かつアクセルオフ(アクセルペダルが踏み込まれていない状態)、かつブレーキオン(ブレーキペダルが踏み込まれている状態)、かつパニックブレーキ(急ブレーキ)ではない状態、かつエンジン自動停止時に使用されるバッテリの蓄電量が所定レベル以上である状態、かつその他複数の状態が含まれる停止条件がすべて成立した場合に、エンジンが自動停止されるようになっている。
【0006】
したがって、車両が停止状態(すなわち、車速が0km/h)であるにもかかわらず、その他の停止条件のうちのいずれかの条件が成立していない場合、エンジンが自動停止されない現象が生じることとなる。従来、このような現象が生じた場合、エコランが実行されていないことが、インジケータによって示されるだけなので、利用者が、車両が停止状態となるだけで、エンジンが自動停止されるものとシステムを誤認識している場合、なぜ、車両が停止状態であるにもかかわらずエンジンが自動停止されないのかといった疑問を抱くこととなり、さらに、エコラン制御が正常に機能していないのではないかといった不安を利用者に与えたり、利用者が故障と勘違いしてしまうこともあるという課題があった。
【0007】
また、このような現象が生じた場合、利用者が所定の操作を行うことにより、成立していなかった停止条件を成立させて、エンジンを自動停止させることができる場合も想定されている。例えば、急ブレーキをかけて停止すると「パニックブレーキ状態」と認識されるシステムの場合、急ブレーキにより車両が停止状態となっても、エンジンは自動停止されない。この場合、シフトレバーをPレンジに入れ替えて、ブレーキオフ(ブレーキペダルを開放)することにより「パニックブレーキ状態」を解除させることができ、この操作によりエンジンを自動停止させることができるようになっている。
【0008】
しかしながら、エンジンを自動停止させることができない原因(すなわち不成立となっている停止条件)と、その原因に対する対処方法とを利用者が予め正しく理解していなければ、エコラン制御によりエンジンを自動停止させることができない。一般的な利用者にとって、上記した複数の停止条件や、エンジンが自動停止されない場合の対処方法などを予め正確に理解しておくことは容易ではなく、そのため、利用者がエコランシステムによる機能を十分に使いこなすことが難しいという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−88580号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段及びその効果】
【0010】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、エコランシステムに対する利用者の理解や安心感を高めることができ、エコランシステムについて十分な知識を有していない一般的な利用者であっても、エコランシステムに備わっている機能を十分に使いこなすことができ、エコラン制御による効果を十分に発揮させることができるエコランシステム、及びエコラン制御装置を提供することを目的としている。
【0011】
上記目的を達成するために本発明に係るエコランシステム(1)は、車両の状態に応じて内燃機関を停止させたり再始動させる機能を有するエコランシステムにおいて、前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合、成立した始動条件が利用者に告知されるように構成されていることを特徴としている。
上記エコランシステム(1)によれば、前記ある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動された場合、前記成立した始動条件に関連する情報が利用者に告知される。したがって、どういった始動条件によって前記内燃機関が再始動されたのかを利用者に把握させることができ、エコラン制御(特に再始動時の制御)に対する利用者の理解や安心感を高めることができる。
【0012】
また本発明に係るエコランシステム(2)は、上記エコランシステム(1)において、前記ある始動条件が、利用者による前記内燃機関の再始動操作を必要としない始動条件であることを特徴としている。
上記エコランシステム(2)によれば、前記ある始動条件が、利用者による前記内燃機関の再始動操作(例えば、アクセルペダルの踏み込み操作や、ブレーキペダルの開放操作など)を必要としない始動条件(例えば、バッテリの蓄電量が所定レベル以下となった場合に再始動する条件など)であるので、利用者による前記内燃機関の再始動操作を伴わない、すなわち利用者の意図とは無関係に前記内燃機関が再始動された場合に、なぜ、前記内燃機関が再始動されたのかを利用者に把握させることができ、エコラン制御(特に再始動時の制御)に対する利用者の理解や安心感を一層高めることができる。
【0013】
また本発明に係るエコランシステム(3)は、上記エコランシステム(1)又は(2)において、複数の前記内燃機関の再始動条件に対応して前記内燃機関が再始動する原因が記憶装置に記憶されており、前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合、前記記憶装置から前記再始動する原因を読み出し前記成立した始動条件として利用者に告知されることを特徴としている。
【0014】
上記エコランシステム(3)によれば、前記記憶手段に、複数の前記内燃機関の再始動条件に対応して前記内燃機関が再始動する原因が記憶されているので、前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合に、前記記憶手段から前記再始動する原因を読み出し前記成立した始動条件として利用者に告知することができる。
【0015】
また本発明に係るエコランシステム(4)は、上記エコランシステム(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記車両が停止状態であるにもかかわらず前記内燃機関の停止条件が成立していない場合、不成立の停止条件及び/又は前記不成立の停止条件を成立させる方法が利用者に告知されるように構成されていることを特徴としている。
【0016】
上記エコランシステム(4)によれば、前記車両が停止状態であるにもかかわらず前記内燃機関の停止条件が成立していない場合、すなわち前記車両が停止していても前記内燃機関を停止させることができない場合に、前記不成立の停止条件及び/又は前記不成立の停止条件を成立させる方法が利用者に告知されるように構成されているので、前記不成立の停止条件及び/又は前記不成立の停止条件を成立させる方法を利用者に告知することができ、なぜ前記車両が停止状態であるにもかわらず前記内燃機関を停止させることができないのかを利用者に把握させることができる。したがって、エコランシステムに対する利用者の理解や安心感を高めることができ、故障と勘違いして混乱を招くようなこともなくすことができる。
さらに、前記不成立の停止条件(すなわち、前記内燃機関の停止条件のうち成立していない条件)が利用者に告知されることにより、前記内燃機関を停止させることができない原因を利用者に把握させることができ、エコランシステムの仕組みを利用者に正しく理解させることができる。
また、前記不成立の停止条件を成立させる方法(すなわち、前記内燃機関の停止条件のうち成立していない条件を成立させる方法)が利用者に告知される。したがって、前記不成立の停止条件を成立させるように利用者を促すことが可能となり、エコランシステムについて十分な知識を有していない一般的な利用者であっても、エコランシステムに備わっている機能を十分に使いこなすことができ、エコラン制御による効果(例えば、エンジンの自動停止回数を増やすことにより、燃料を節約する効果等)を十分に発揮させることができる。
【0017】
なお、前記内燃機関の停止条件としては、車両が停止状態であり、さらに、ブレーキペダルが踏み込まれている状態、シフトレバーの位置が所定位置にある状態、アクセルペダルが開放されている状態、バッテリの蓄電量が所定レベル以上である状態、IGスイッチがオンされてから一定時間経過している状態、車両のボンネットが開いていない状態、運転席のドアが開いていない状態、パニックブレーキ(急ブレーキ)状態ではない状態、エコラン制御装置に異常がない状態、エンジン制御装置やブレーキ制御装置などに異常がない状態などの複数の状態が成立していることが挙げられる。
【0018】
また本発明に係るエコランシステム(5)は、上記エコランシステム(4)において、前記内燃機関の複数の停止条件に対応して、前記内燃機関が不停止となる原因及びその対処方法が記憶装置に記憶されており、前記車両が停止状態であるにもかかわらず前記内燃機関の停止条件が成立していない場合、前記記憶装置から前記内燃機関が不停止となる原因及び/又はその対処方法を読み出し、前記不成立の停止条件及び/又は前記不成立の停止条件を成立させる方法として利用者に告知されるように構成されていることを特徴としている。
【0019】
上記エコランシステム(5)によれば、前記記憶装置に、前記内燃機関の複数の停止条件に対応して、前記内燃機関が不停止となる原因及びその対処方法が記憶されているので、前記車両が停止状態であるにもかかわらず前記内燃機関の停止条件が成立していない場合、前記記憶装置から前記内燃機関が不停止となる原因及び/又はその対処方法を読み出し、前記不成立の停止条件及び/又は前記不成立の停止条件を成立させる方法として利用者に告知することができる。
【0020】
また本発明に係るエコラン制御装置(1)は、車両の状態に応じて内燃機関を停止させたり再始動させる制御を行うエコラン制御装置において、前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される状態を判断する再始動状態判断手段と、該再始動状態判断手段により、前記ある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動された状態であると判断された場合、成立した始動条件を利用者に告知するための制御を行う成立告知制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0021】
上記エコラン制御装置(1)によれば、前記ある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動された状態であるか否かが前記再始動状態判断手段により判断され、前記ある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動された状態であると判断された場合、前記成立した始動条件に関連する情報を利用者に告知するための制御が前記成立告知制御手段により行われる。したがって、どういった始動条件によって前記内燃機関が再始動されたのかを利用者に把握させることが可能となり、エコラン制御(特に再始動時の制御)に対する利用者の理解や安心感を高めることができる。
【0022】
また本発明に係るエコラン制御装置(2)は、上記エコラン制御装置(1)において、前記ある始動条件が、利用者による前記内燃機関の再始動操作を必要としない始動条件であることを特徴としている。
上記エコラン制御装置(2)によれば、前記ある始動条件が、利用者による前記内燃機関の再始動操作(例えば、アクセルペダルの踏み込み操作や、ブレーキペダルの開放操作など)を必要としない始動条件(例えば、バッテリの蓄電量が所定レベル以下となった場合に再始動する条件など)であるので、利用者による前記内燃機関の再始動操作を伴わない、すなわち利用者の意図とは無関係に前記内燃機関が再始動された場合に、なぜ、前記内燃機関が再始動されたのかを利用者に把握させることができ、エコラン制御(特に再始動時の制御)に対する利用者の理解や安心感を一層高めることができる。
【0023】
また本発明に係るエコラン制御装置(3)は、上記エコラン制御装置(1)又は(2)において、複数の前記内燃機関の再始動条件に対応して前記内燃機関が再始動する原因を記憶する記憶手段を備え、前記成立告知制御手段は、前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合、前記記憶手段から前記再始動する原因を読み出し前記成立した始動条件として利用者に告知することを特徴としている。
【0024】
上記エコラン制御装置(3)によれば、前記記憶手段に、複数の前記内燃機関の再始動条件に対応して前記内燃機関が再始動する原因が記憶されているので、前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合に、前記記憶手段から前記再始動する原因を読み出し前記成立した始動条件として利用者に告知する制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態(1)に係るエコランシステムの要部を概略的に示したブロック図である。
【図2】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するエコランECUのROMに記憶されている不成立の停止条件に関連する情報を説明するための図である。
【図3】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するエコランECUのROMに記憶されている成立した始動条件に関連する情報を説明するための図である。
【図4】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置の表示部に表示された告知内容の形式設定画面の表示例を示した図である。
【図5】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置の表示部に表示された告知方法の設定画面の表示例を示した図である。
【図6】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置の表示部に表示された優先機能の設定画面の表示例を示した図である。
【図7】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するエコランECUにおけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図8】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置におけるナビマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図9】実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置の表示部に表示されたエコラン情報の表示例を示した図である。
【図10】実施の形態(2)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置におけるナビマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図11】実施の形態(2)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置の表示部に表示されたエコラン情報の表示例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るエコランシステム、エコラン制御装置、及びナビゲーション装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、実施の形態(1)に係るエコランシステムの要部を概略的に示したブロック図である。
【0027】
図中10はエコランECU(Electronic Control Unit)を示しており、エコランECU10は、通信ライン1を介して、エンジンECU11、ブレーキECU12、メータECU13、及びナビマイコン21等に接続されている。
【0028】
これら各ECU10、11、12、13は、各種の演算処理を実行するCPU、処理プログラム等が記憶されたROM、及び一時的に処理データを記憶するRAMを含んで構成されるマイクロコンピュータ(マイコン)と、各種信号の入出力インターフェースと(いずれも図示せず)を含んで構成されており、ROMから読み出された処理プログラムに応じてCPUが必要な演算処理を実行し、その演算結果に基づいて各種制御が実行されるようになっている。
【0029】
各ECU10、11、12、13で検出された信号や演算処理データは、通信ライン1を介して、各ECU10、11、12、13、及びナビマイコン21の間で相互に通信が行えるように構成されており、必要に応じてデータ通信を行い、相互に連動して制御が行われるようになっている。これら各ECU10、11、13、13、及びナビマイコン21を含んでエコランシステムが構成されている。
【0030】
エコランECU10へは、エコランスイッチからのエコランシステムのオン・オフ(起動有無)信号、ボンネットスイッチからのボンネット開閉信号、運転席(D席)のドアカーテシスイッチからのD席ドア開閉信号、エンジンの自動停止状態(始動待機状態)時に使用されるバッテリ(例えばLi電池)の蓄電量を検出センサからの蓄電量信号、イグニッション(IG)スイッチからのIGオン・オフ信号、及びその他の信号が、それぞれ入力されるようになっている。エコランECU10では、各ECU10、11、12、13で検出された車両の状態に応じてエンジンを停止させたり再始動させるエコラン制御(自動停止・再始動制御)が行われるようになっている。
【0031】
また、エンジンECU11へは、IGスイッチからのIGオン・オフ信号、エンジン回転数センサからのエンジン回転数信号、エンジンに取り付けられた水温センサからのエンジン冷却水温信号、駆動輪に取り付けられた車速センサからの車速信号、アクセルペダルの踏み込み有無を検出するアクセルペダルセンサからのアクセルオン・オフ信号、舵角センサからのステアリングの操舵角信号、シフトレバーの操作位置(P、R、N、D、2、L)を検出するシフト位置センサからのシフト位置信号、エアコンスイッチからのエアコンオン・オフ信号、及びその他の信号が入力されるようになっている。エンジンECU11では、燃料噴射制御などのエンジン制御やトランスミッションの変速制御制御等が実行されるようになっている。
【0032】
また、ブレーキECU12へは、ブレーキペダルの踏み込み有無を検出するブレーキペダルセンサからのブレーキオン・オフ信号、及びその他ブレーキ制御に必要な信号が入力されるようになっている。また、運転席前方に配設されたメータパネルへの表示事項を制御するメータECU13へは、燃料の残量を検出する燃料センサからの残量信号、左・右のウインカースイッチからの操作信号、及びその他メータ制御に必要な信号が入力されるようになっている。
【0033】
また、ナビマイコン21には、液晶ディスプレイを有する表示部22と、GPS受信機を含む自車位置検出部23と、地図表示、経路探索、及び経路案内等のナビゲーション機能を実行させるのに必要なデータが記憶されている記憶部24と、表示部22に設けられたボタンスイッチやタッチパネルなどから構成される操作部25と、アンプやスピーカなどを含んで構成される音声出力部26とが接続されており、ナビマイコン21、表示部22、自車位置検出部23、記憶部24、及び操作部25を含んでナビゲーション装置20が構成されている。
【0034】
またエコランECU10は、車両が停止状態(車速が0km/h)であるにもかかわらずエンジンの停止条件が成立していない場合、不成立の停止条件に関連する情報を利用者に告知するための制御を行う機能(不成立告知制御手段)と、ある始動条件が成立してエンジンが再始動された場合、成立した始動条件に関連する情報を利用者に告知するための制御を行う機能(成立告知制御手段)とを備えており、これら不成立告知制御手段や成立告知制御手段によって、ナビゲーション装置20を通じて、前記不成立の停止条件に関連する情報や前記成立した始動条件に関連する情報が利用者に告知されるように制御されている。
【0035】
なお、車両が停止状態であるにもかかわらずエンジンの停止条件が成立していない場合としては、車両が停止状態、かつ他の複数の停止条件のうちのいずれか1つでも成立していない場合が挙げられる。なお前記複数の停止条件としては、例えば、ボンネットが開いていない状態、運転席のドアが開いていない状態、車両が坂道で停止していない状態、シフトレバーの位置が検出されている(不定でない)状態、パニックブレーキ状態ではない状態、ハンドルの操舵角が所定角度より大きくない状態、バッテリの蓄電量が所定レベル以上である状態などが含まれている。
【0036】
また、前記ある始動条件としては、利用者によるエンジンの再始動操作(例えば、アクセルペダルの踏み込み操作や、ブレーキペダルの開放操作などの停止状態解除操作)を必要としない始動条件、例えば、バッテリの蓄電量が所定レベルよりも低下した状態などが含まれている。
【0037】
また、エコランECU10のROMには、利用者に告知するための「不成立の停止条件に関連する情報」が記憶されている。図2は、ROMに記憶されている不成立の停止条件に関連する情報の一部を示している。図2に示した不成立の停止条件に関連する情報には、エンジンの停止条件に対応して、2つの告知内容の項目、すなわちエンジン不停止の原因と、その対処方法とが設けられており、エンジンの停止条件毎に、エンジンの不成立の停止条件と、不成立の停止条件を成立させる方法との告知内容が記憶されている。
【0038】
ROMに記憶されている不成立の停止条件に関連する情報は、エコランECU10において、車両が停止状態であるにもかかわらずエンジンの停止条件が成立していない状態であると判断された場合に、対応する不成立の停止条件に関連する情報が読み出されて、他の告知制御情報とともにナビマイコン21へ送出されるようになっている。
【0039】
また、エコランECU10のROMには、利用者に告知するための「成立した始動条件に関連する情報」が記憶されている。図3、ROMに記憶されている成立した始動条件に関連する情報の一部を示している。図3に示した成立した始動条件に関連する情報には、、始動条件ごとに、エンジン再始動の原因、すなわちエンジンの再始動成立条件の告知内容が記憶されている。
【0040】
ROMに記憶されている成立した始動条件に関連する情報は、エコランECU10において、ある始動条件が成立してエンジンが再始動されたと判断された場合に、再始動のきっかけとなった始動条件に対応する情報(成立した始動条件)が読み出されて、他の告知制御情報とともにナビマイコン21ヘ送出されるようになっている。
【0041】
なお、他の告知制御情報には、利用者に告知する情報の告知内容の形式の設定情報と、利用者に告知する情報の告知方法の設定情報と、エコラン情報の告知機能又はナビゲーション機能のどちらの機能を優先させるのかを示す優先機能の設定情報とが含まれている。
【0042】
これら設定情報は、ナビゲーション装置20を通じて利用者に設定させるように構成されている。図4は、表示部に表示される「告知内容の形式設定」画面の表示例を示しており、この「告知内容の形式設定」画面を通じて、エンジン不停止の原因(不成立の停止条件)のみ告知、エンジン不停止時の対処方法(不成立の停止条件を成立させる方法)のみ告知、エンジン不停止の原因とその対処方法を告知、及び告知しないの4つの形式の中から所望の形式を利用者に適宜選択させることができるようになっている。
【0043】
例えば、不成立の停止条件さえ分かれば、対処方法の告知がなくても、不成立の停止条件を成立させることができる利用者(エコランシステムについて十分な知識を有している利用者)であれば、「エンジン不停止の原因のみ告知」を、エンジンの自動停止はできるだけ行いたいが、不成立の停止条件までは知る必要がないと考える利用者であれば、「エンジン不停止時の対処方法のみ告知」を、不成立の停止条件を知った上で、エンジンの自動停止も行いたいと考える利用者であれば、「エンジン不停止の原因とその対処方法を告知」を、告知の必要がない(告知されることに不快感を持つ)利用者であれば、「告知しない」を選択すればよい。
【0044】
図5は、表示部に表示される「告知方法の設定」画面の表示例を示しており、この「告知方法の設定」画面を通じて、画面表示による告知、音声による告知、及び画面表示と音声による告知の3つの告知方法の中から所望の告知方法を利用者に適宜選択させることができるようになっている。
【0045】
例えば、音声による案内を煩わしく感じる利用者であれば、「画面表示による告知」を、ナビゲーション画面が切り替わるのを好まない利用者であれば、「音声による告知」を、画面表示と音声により告知を行って欲しい利用者であれば、「画面表示を音声による告知」を選択すればよい。
【0046】
図6は、表示部に表示される「優先機能の設定」画面の表示例を示しており、この「優先機能の設定」画面を通じて、通常に、エコラン情報の告知機能を優先させるのか、又はナビゲーション機能を優先させるのかを利用者に適宜選択させることができるようになっている。これらの設定画面は、例えば、メニュー画面の選択操作を通じて適宜読み出されるようになっている。
【0047】
これら設定画面を通じて設定された各設定情報は、ナビマイコン21からエコランECU10へ送信され、エコランECU10では、ナビマイコン21から受信した設定情報に基づいて、告知内容の形式、告知方法、及び優先機能の各設定情報を新しい設定情報に切り替えて記憶する処理が行われるようになっている。
【0048】
また、ナビゲーション装置20のナビマイコン21は、エコランECU10からの告知制御信号に基づいて、不成立の停止条件に関連する情報や成立した始動条件に関連する情報の告知処理、すなわち、これらの情報を表示部22に表示させたり、音声出力部26から音声出力させたりする処理を行う機能(告知処理手段)を備えている。
【0049】
次に実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するエコランECU10におけるマイコンの行う処理動作を図7に示したフロ−チャ−トに基づいて説明する。なお、本処理動作は、エコランスイッチがオンされている場合に、所定周期で繰り返し実行される。
【0050】
まず、ステップS1では、エコラン制御を行うための各種信号の入力処理を実行し、その後ステップS2に進み、ステップS2では、エコラン中であるか否か、すなわち、エンジンがエコラン制御によって自動停止状態になっているか否かを判断し、エコラン中ではない、すなわち、エンジンが自動停止状態になっていないと判断すればステップS3に進む。
【0051】
ステップS3では、エコラン条件が成立しているか否か、すなわち上述のエンジンの停止条件がすべて成立しているか否かを判断し、エコラン条件が成立していないと判断すればステップS4に進む。ステップS4では、車両が停止状態であるか(すなわち、車速が0km/h、または車速が0km/hに近い所定速度以下であるか)否かを判断し、車両が停止状態ではない(すなわち、車両が走行中である)と判断すればその後リターンする一方、車両が停止状態であると判断すればステップS5に進む。
【0052】
ステップS5では、エコラン条件のうちの不成立の停止条件を抽出し、その後ステップS6に進む。ステップS6では、抽出された不成立の停止条件に対応する「不成立の停止条件に関連する情報」をROMから読み出し、その後ステップS7に進む。
【0053】
ステップS7では、利用者へ告知する情報(不成立の停止条件に関連する情報)の告知内容の形式、告知方法、及び優先機能の設定情報を読み出し、次のステップS8では、告知内容の形式が、利用者へ告知する情報を告知しない設定であるか否かを判断し、告知しない設定であると判断すればその後リターンする。
【0054】
一方、ステップS8において、告知しない設定ではない、すなわち告知内容の形式が、エンジン不停止の原因のみ告知、エンジン不停止時の対処方法のみ告知、又はエンジン不停止の原因とその対処方法を告知する設定のいずれかであると判断すればステップS9に進む。
【0055】
ステップS9では、ナビゲーション装置20に対する告知制御処理を行い、すなわち、ステップS7で読み出された告知内容の形式、告知方法、及び優先機能に関する設定情報と、ステップS6で読み出された不成立の停止条件に関連する情報とを含む告知制御情報をナビマイコン21へ送信する処理を行い、その後リターンする。例えば、告知内容の形式が、エンジン不停止の原因のみ告知に設定され、告知方法が画面表示に設定され、さらに優先機能がエコラン情報の告知機能に設定されている場合、不成立の停止条件に関連する情報のうちのエンジン不停止の原因情報と、該原因情報を画面表示させる制御信号と、エコラン情報の告知機能を優先する制御信号とを含む告知制御情報をナビマイコン21に送信する処理を行うようになっている。
【0056】
一方、ステップS3において、エコラン条件が成立したと判断すればステップS10に進み、ステップS10では、エンジン自動停止処理、すなわち、エコランECU10からエンジンECU11へ燃料カット等の制御信号の出力処理を行い、エンジンを停止させ、その後リターンする。
【0057】
また一方、ステップS2において、エコラン中である、すなわち、エンジンがエコラン制御によって自動停止状態(始動待機状態)にあると判断すればステップS11に進む。ステップS11では、エコラン復帰条件、すなわちエンジンを再始動させる条件(始動条件)が成立したか否かを判断し、エコラン復帰条件が成立したと判断すればステップS12に進む。ステップS12では、エンジン再始動処理、すなわち、エコランECU10からエンジンECU11へ燃料供給を再開してエンジンを再始動させる制御信号の出力処理を行い、エンジンを再始動させて、その後ステップS13に進む。
【0058】
ステップS13では、エコラン復帰条件が、利用者によるエンジンの再始動操作(例えば、アクセルペダルの踏み込み操作や、ブレーキペダルの開放操作などの停止状態解除操作)を必要としない始動条件か否か(例えば、バッテリの蓄電量が所定レベルよりも低下した状態になったか否か)を判断し、利用者によるエンジンの再始動操作を必要としない始動条件ではない、すなわち、利用者による復帰操作によって、意図的にエンジンを再始動させたと判断すれば、その後リターンする。
【0059】
一方、ステップS13において、エコラン復帰条件が、利用者によるエンジンの再始動操作を必要としない始動条件であると判断すればステップS14に進む。ステップS14では、再始動のきっかけとなった始動条件に対応する「成立した始動条件に関連する情報」をROMから読み出し、その後ステップS15に進む。
【0060】
ステップS15では、利用者へ告知する情報(成立した始動条件に関連する情報)の告知内容の形式、告知方法、及び優先機能の設定情報を読み出し、次のステップS16では、告知内容の形式が、利用者へ告知する情報を告知しない設定であるか否かを判断し、告知しない設定であると判断すればその後リターンする。
【0061】
一方、ステップS16において、告知しない設定ではない、すなわち告知内容の形式が、エンジン再始動の原因を告知する形式であると判断すればステップS17に進む。
ステップS17では、ナビゲーション装置20に対する告知制御処理を行い、すなわち、ステップS15で読み出された告知内容の形式、告知方法、及び優先機能に関する設定情報と、ステップS14で読み出された成立した始動条件に関連する情報とを含む告知制御情報をナビマイコン21へ送信する処理を行い、その後リターンする。例えば、告知内容の形式が、エンジン再始動の原因を告知する形式に設定され、告知方法が音声出力に設定され、さらに優先機能がエコラン情報の告知機能に設定されている場合、成立した始動条件に関連する情報のうちのエンジン再始動の原因情報と、該原因情報を音声出力させる制御信号と、エコラン情報の告知機能を優先する制御信号とを含む告知制御情報をナビマイコン21に送信する処理を行うようになっている。
【0062】
また、一方ステップS11において、エコラン復帰条件、すなわちエンジンを再始動させる条件が成立していないと判断すればステップS18に進み、ステップS18では、エンジン停止状態継続処理、すなわちエンジンの停止状態を継続させる制御信号をエンジンECU11へ出力する処理を行い、その後リターンする。
【0063】
次に実施の形態(1)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置20におけるナビマイコン21の行う処理動作を図8に示したフロ−チャ−トに基づいて説明する。なお、本処理動作は、エコランECU10からの告知制御情報を受信した場合に実行される。
【0064】
まず、ステップS21では、エコランECU10から不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報(告知制御情報A)を受信したか否かを判断し、不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報Aを受信したと判断すればステップS22に進む。ステップS22では、不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報Aを読み込み、続くステップS23では、優先機能の設定がエコラン情報の告知機能を優先する設定であるか否かを判断し、エコラン情報の告知機能を優先する設定ではない、すなわちナビ機能優先設定であると判断すればステップS24に進む。ステップS24では、ナビ機能利用中(例えば、地図表示や経路案内中)であるか否かを判断し、ナビ機能利用中であると判断すれば、エコラン情報の告知処理を行うことなく処理を終える。
【0065】
一方、ステップS24において、ナビ機能利用中ではない(例えば、ナビ機能以外のオーディオ機能等を利用中である)と判断すればステップS25に進む。また、ステップS23において、エコラン情報の告知機能を優先する設定であると判断すればステップS25に進む。
【0066】
ステップS25では、告知制御情報Aに含まれる他の設定情報と、不成立の停止条件に関連する情報とに基づいて、不成立の停止条件に関連する情報を利用者に告知する処理を行う。例えば、告知内容の形式の設定が、エンジン不停止の原因とその対処方法を告知する形式であり、告知方法の設定が画面表示である場合、図9に示した表示形態でエンジン不停止の原因とその対処方法とを表示部22に一定時間表示させる処理を行い、その後処理を終える。
【0067】
一方、ステップS21において、不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報Aを受信していないと判断すればステップS26に進み、ステップS26では、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報(告知制御情報B)をエコランECU10から受信したか否かを判断し、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報Bを受信していないと判断すれば処理を終える一方、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報Bを受信したと判断すればステップS27に進む。
【0068】
ステップS27では、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報Bを読み込み、続くステップS28では、優先機能の設定がエコラン情報の告知機能を優先する設定であるか否かを判断し、エコラン情報の告知機能を優先する設定ではない、すなわちナビ機能優先設定であると判断すればステップS29に進む。ステップS29では、ナビ機能利用中(例えば、地図表示や経路案内中)であるか否かを判断し、ナビ機能利用中であると判断すれば、エコラン情報の告知処理を行うことなく処理を終える。
【0069】
一方、ステップS29において、ナビ機能利用中ではないと判断すればステップS30に進む。また一方、ステップS28において、エコラン情報の告知機能を優先する設定であると判断すればステップS30に進む。
【0070】
ステップS30では、告知制御情報Bに含まれる他の設定情報と、成立した始動条件に関連する情報とに基づいて、成立した始動条件に関連する情報を利用者に告知する処理を行う。例えば、告知内容の形式の設定が、エンジン再始動の原因を告知する形式であり、告知方法の設定が音声出力である場合、エンジン再始動の原因を音声出力部26から音声案内情報として出力する処理(例えば、「バッテリの蓄電量が低下したので再始動しました」というような音声案内)を行い、その後処理を終える。
【0071】
上記実施の形態(1)に係るエコランシステムによれば、車両が停止状態であるにもかかわらずエンジンの停止条件が成立していない場合、すなわち車両が停止していてもエンジンを停止させることができない場合に、前記不成立の停止条件に関連する情報が利用者に告知されるように構成されているので、前記不成立の停止条件に関連する情報を利用者に告知することができ、なぜ車両が停止状態であるにもかわらずエンジンを停止させることができないのかを利用者に把握させることができ、エコランシステムに対する利用者の理解や安心感を高めることができ、故障と勘違いして混乱を招くようなこともなくすことができる。
【0072】
また、前記不成立の停止条件(すなわち、エンジンの停止条件のうち成立していない条件)が利用者に告知されるので、エンジンを停止させることができない原因を利用者に把握させることができ、エコランシステムの仕組みを利用者に正しく理解させることができる。また、前記不成立の停止条件を成立させる方法(すなわち、エンジンの停止条件のうち成立していない条件を成立させる方法)が利用者に告知されるので、前記不成立の停止条件を成立させるように利用者を促すことが可能となり、エコランシステムについて十分な知識を有していない一般的な利用者であっても、エコランシステムに備わっている機能を十分に駆使することができ、エコラン制御による効果(例えば、エンジンの自動停止回数を増やすことにより、燃料を節約する効果等)を十分に発揮させることができる。
【0073】
また、ある始動条件(この場合、利用者によるエンジンの再始動操作を必要としない始動条件)が成立してエンジンが再始動された場合、前記成立した始動条件に関連する情報が利用者に告知される。したがって、利用者によるエンジンの再始動操作を必要としない、すなわち利用者の意図とは無関係にエンジンが再始動された場合に、なぜ、エンジンが再始動されたのかを利用者に把握させることができ、エコラン制御(特に再始動時の制御)に対する利用者の理解や安心感を一層高めることができる。
【0074】
また、前記不成立の停止条件に関連する情報の告知内容の形式が、該告知内容の形式を入力する設定画面からの入力情報に基づいて切り替えられるので、前記設定画面で入力された情報に応じて前記告知内容の形式を切り替えることができ、エコランシステムに対する利用者の理解度、すなわち告知の必要性等に応じて、告知内容の形式を利用者に任意に切り替えさせることが可能となり、利用者の要望や要求に応じた告知内容の形式を採用することができる。
【0075】
また、前記不成立の停止条件に関連する情報の告知方法が、該告知方法を入力する設定画面からの入力情報に基づいて切り替えられるので、前記設定画面で入力された情報に応じて前記告知方法を切り替えることができ、利用者の好み等に応じて、告知方法を利用者に任意に切り替えさせることが可能となり、利用者の要望や要求に応じた告知方法を採用することができる。
【0076】
また、前記不成立の停止条件に関連する情報や前記成立した再始動条件に関連する情報が、ナビゲーション装置20を通じて利用者に告知されるように構成されているので、ナビゲーション装置20に備わっている表示出力機能や音声出力機能を利用して、前記不成立の停止条件に関連する情報や前記成立した始動条件に関連する情報を、利用者に分かりやすいように告知することができる。
【0077】
また、前記優先機能を入力する設定画面からの入力情報に基づいて優先させる機能が切り替え可能に構成されているので、前記告知情報を利用者に告知する機能と、前記ナビゲーション機能とのどちらの機能を優先させるのかを、前記優先機能を入力する設定画面からの入力情報に基づいて切り替えることができ、優先機能を利用者の要望に応じて任意に切り替えることが可能となる。
【0078】
また、ナビゲーション装置20によれば、エコランECU10からの告知制御情報に基づいて、前記不成立の停止条件に関連する情報などを利用者に告知する処理が行われるので、ナビゲーション装置20を通じて、前記不成立の停止条件に関連する情報を利用者に告知することができ、ナビゲーション装置20の機能をさらに高めることができる。
【0079】
次に実施の形態(2)に係るエコランシステムについて説明する。但し実施の形態(2)に係るエコランシステムの構成については、エコランECUと、ナビマイコンとを除いて図1に示したエコランシステムと略同様であるため、異なる機能を有するエコランECU10Aと、ナビマイコン21Aとには異なる符号を付し、その他の同一機能を有する構成部品には同一符号を付して、ここではその説明を省略する。
【0080】
実施の形態(1)に係るエコランシステムにおいては、ナビゲーション装置20の表示部22に表示させた「優先機能の設定」画面(図6参照)を通じて、利用者に優先機能を適宜設定させて、該設定された情報が、エコランECU10に記憶されるようになっているが、実施の形態(2)に係るエコランシステムにおいては、利用者に優先機能を設定させるのではなく、ナビゲーション装置20Aで割り出された自車位置に関する情報や検出された車両の各種状態を含む情報に基づいて、優先させる機能、すなわち、エコラン情報の告知機能を優先させるのか、ナビゲーション機能を優先させるのかを、その時の車両を取り巻く状況に応じて適宜決定する(切り替えていく)ように構成されている点が相違している。
なお、実施の形態(2)に係るエコランシステムを構成するエコランECU10で行われるエコラン情報の告知制御の処理動作は、図7に示した処理動作と略同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0081】
次に実施の形態(2)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置20Aにおけるナビマイコン21Aの行う処理動作を図10に示したフロ−チャ−トに基づいて説明する。
まず、ステップS31では、エコランECUから不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報(告知制御情報A’)を受信したか否かを判断し、不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報A’を受信したと判断すればステップS32に進む。
【0082】
ステップS32では、ナビ機能利用中(例えば、自車位置の地図表示や経路案内中)であるか否かを判断し、ナビ機能利用中ではないと判断すればステップS35に進む一方、ナビ機能利用中であると判断すればステップS33に進む。
【0083】
ステップS33では、自車位置情報と、車両の状況(燃料の残量やウインカーの操作状況など)とを取得し、次のステップS34では、取得した情報に基づいて、車両が、エンジンを自動停止させる優先度が低い状況(例えば、車両が、交差点の右折レーンの先頭にいる状況等)にあるか否かを判断し、エンジンを停止させる優先度が低い状況にある、すなわちナビ機能を優先させても良い状況にあると判断すれば、ナビ機能を優先させて、不成立の停止条件に関連する情報の告知を行わずに処理を終える。一方、ステップS34において、エンジンを停止させる優先度が低い状況にはない、すなわちエコラン情報の告知機能を優先させた方がよい状況にあると判断すればステップS35に進む。
【0084】
ステップS35では、不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報A’を読み込み、続くステップS36では、告知制御情報A’に含まれる設定情報(告知内容の形式と告知方法の設定情報)と、不成立の停止条件に関連する情報とに基づいて、不成立の停止条件に関連する情報を利用者に告知する処理を行う。例えば、告知内容の形式の設定が、エンジン不停止の原因のみ告知する形式であり、告知方法の設定が画面表示及び音声による告知である場合、図11に示した表示形態でエンジン不停止の原因を表示部22に一定時間表示させるとともに音声出力部26を介して案内音声(例えば、「バッテリの蓄電量が低下しているのでエンジンを自動停止させることができません」というような音声)を出力する処理を行い、その後処理を終える。
【0085】
一方、ステップS31において、不成立の停止条件に関連する情報の告知制御情報A’を受信していないと判断すればステップS37に進み、ステップS37では、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報(告知制御情報B’)をエコランECU10から受信したか否かを判断し、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報B’を受信していないと判断すれば処理を終える一方、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報B’を受信したと判断すればステップS38に進む。
ステップS38では、ナビ機能利用中であるか否かを判断し、ナビ機能利用中ではないと判断すればステップS41に進む一方、ナビ機能利用中であると判断すればステップS39に進む。
【0086】
ステップS39では、自車位置情報と、車両の状況(燃料の残量やウインカーの操作状況など)とを取得し、次のステップS40では、取得した情報に基づいて、車両が、ナビ機能を利用する優先度が高い状況にあるか否か(例えば、車両が初めての道を走行中であるか否かなど)を判断し、ナビ機能を利用する優先度が高い状況にあると判断すれば、成立した始動条件に関連する情報の告知を行わずに処理を終える。一方、ステップS40において、ナビ機能を利用する優先度が高い状況にない、すなわちナビ機能を優先させなくても良い状況であると判断すればステップS41に進む。
【0087】
ステップS41では、成立した始動条件に関連する情報の告知制御情報B’を読み込み、続くステップS42では、告知制御情報B’に含まれる設定情報(告知内容の形式と告知方法の設定情報)と、成立した始動条件に関連する情報とに基づいて、成立した始動条件に関連する情報を利用者に告知する処理を行う。例えば、告知内容の形式の設定が、エンジンが再始動された原因のみ告知する形式であり、告知方法の設定が音声による告知である場合、エンジンが再始動された原因を音声出力部26を介して案内音声として出力する処理を行い、その後処理を終える。
【0088】
上記実施の形態(2)に係るエコランシステムによれば、ナビゲーション装置20Aで割り出された自車位置に関する情報を含む情報に基づいて、優先させる機能が切り替えられるので、ナビゲーション装置20Aで割り出された自車位置に関する情報を含む情報(例えば、自車位置の道路状況、周辺施設、そのときの車両の状況等)に応じて、すなわち、エンジンを自動停止させる優先度等を考慮して、優先させる機能の切り替えを適宜行うことができるシステムとすることができる。
【0089】
また、ナビゲーション装置20Aによれば、エコラン情報の告知機能と、ナビゲーション機能とのどちらの機能を優先させるのかが判断され、ナビゲーション機能を優先させると判断された場合、エコラン情報の告知処理を行わないように構成されているので、ナビゲーション機能を利用する優先度が高い状況では、エコラン情報の告知処理を行わないように、すなわちナビゲーション機能を妨げないようにすることができる。
【0090】
またナビゲーション装置20Aによれば、エンジンを自動停止させる優先度に基づいて、どちらの機能を優先させるのかが判断されるので、エンジンを自動停止させる優先度が高い場合(例えば、燃料を特に節約する必要がある場合等)には、エコラン情報の告知機能を優先させる一方、エンジンを自動停止させる優先度が低い場合(例えば、自車位置が交差点の右折レーンの先頭にいて、迅速な発進が要求される場合等)には、ナビゲーション機能を優先させるなどの処理を行うことができ、車両を取り巻く状況に応じて、すなわち、利用者がどの機能を優先して欲しいのかを予測しながら優先機能を自動的に切り替えることができる。
【0091】
なお、図9に示した上記実施の形態(2)に係るエコランシステムを構成するナビゲーション装置20Aにおけるナビマイコン21Aの処理では、エコラン情報の告知機能を優先させる傾向の強い処理を行うようになっている、すなわちステップS34において、車両が、エンジンを自動停止させる優先度が低い状況にあるか否かを判断するようになっているが、別の実施の形態では、上記ステップS43に代えて、車両が、エンジンを自動停止させる優先度が高い状況(例えば、燃料の残量が少なく、近くに給油所がない状況等)にあるか否かを判断し、エンジンを自動停止させる優先度が高い状況にある、すなわちエコラン情報の告知機能を優先させて、エンジンの自動停止を積極的に実行させる必要があると判断すればステップS35以降の処理に進む一方、エンジンを自動停止させる優先度が高い状況にはない、すなわちエコラン情報の告知機能を優先させる必要性が高くないと判断すれば、エコラン情報の告知処理を行わずに処理を終える。
【0092】
また図9のステップS40に代えて、車両が、ナビ機能を利用する優先度が低い状況(例えば、車両が、以前通行したことのある道を走行している状況等)にあるか否かを判断し、ナビ機能を利用する優先度が低い状況にあると判断すればステップS41以降の処理に進む一方、ナビ機能を利用する優先度が低い状況にはない、すなわちナビ機能を優先させる必要があると判断すれば、エコラン情報の告知処理を行わずに処理を終える構成としてもよい。このような判断処理により、ナビゲーション機能を優先させる傾向の強い処理を行わせることができる。
【符号の説明】
【0093】
10、10A エコランECU(エコラン制御装置)
11 エンジンECU
12 ブレーキECU
13 メータECU
20、20A ナビゲーション装置
21、21A ナビマイコン
22 表示部
23 自車位置検出部
24 記憶部
25 操作部
26 音声出力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の状態に応じて内燃機関を停止させたり再始動させる機能を有するエコランシステムにおいて、
前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合、成立した始動条件が利用者に告知されるように構成されていることを特徴とするエコランシステム。
【請求項2】
前記ある始動条件が、利用者による前記内燃機関の再始動操作を必要としない始動条件であることを特徴とする請求項1記載のエコランシステム。
【請求項3】
複数の前記内燃機関の再始動条件に対応して前記内燃機関が再始動する原因が記憶装置に記憶されており、
前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合、前記記憶装置から前記再始動する原因を読み出し前記成立した始動条件として利用者に告知されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエコランシステム。
【請求項4】
前記車両が停止状態であるにもかかわらず前記内燃機関の停止条件が成立していない場合、不成立の停止条件及び/又は前記不成立の停止条件を成立させる方法が利用者に告知されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のエコランシステム。
【請求項5】
前記内燃機関の複数の停止条件に対応して、前記内燃機関が不停止となる原因及びその対処方法が記憶装置に記憶されており、
前記車両が停止状態であるにもかかわらず前記内燃機関の停止条件が成立していない場合、前記記憶装置から前記内燃機関が不停止となる原因及び/又はその対処方法を読み出し、前記不成立の停止条件及び/又は前記不成立の停止条件を成立させる方法として利用者に告知されるように構成されていることを特徴とする請求項4記載のエコランシステム。
【請求項6】
車両の状態に応じて内燃機関を停止させたり再始動させる制御を行うエコラン制御装置において、
前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される状態を判断する再始動状態判断手段と、
該再始動状態判断手段により、前記ある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動された状態であると判断された場合、成立した始動条件を利用者に告知するための制御を行う成立告知制御手段とを備えていることを特徴とするエコラン制御装置。
【請求項7】
前記ある始動条件が、利用者による前記内燃機関の再始動操作を必要としない始動条件であることを特徴とする請求項6記載のエコラン制御装置。
【請求項8】
複数の前記内燃機関の再始動条件に対応して前記内燃機関が再始動する原因を記憶する記憶手段を備え、
前記成立告知制御手段は、前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合、前記記憶手段から前記再始動する原因を読み出し前記成立した始動条件として利用者に告知することを特徴とする請求項6又は請求項7記載のエコラン制御装置。
【請求項1】
車両の状態に応じて内燃機関を停止させたり再始動させる機能を有するエコランシステムにおいて、
前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合、成立した始動条件が利用者に告知されるように構成されていることを特徴とするエコランシステム。
【請求項2】
前記ある始動条件が、利用者による前記内燃機関の再始動操作を必要としない始動条件であることを特徴とする請求項1記載のエコランシステム。
【請求項3】
複数の前記内燃機関の再始動条件に対応して前記内燃機関が再始動する原因が記憶装置に記憶されており、
前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合、前記記憶装置から前記再始動する原因を読み出し前記成立した始動条件として利用者に告知されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエコランシステム。
【請求項4】
前記車両が停止状態であるにもかかわらず前記内燃機関の停止条件が成立していない場合、不成立の停止条件及び/又は前記不成立の停止条件を成立させる方法が利用者に告知されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のエコランシステム。
【請求項5】
前記内燃機関の複数の停止条件に対応して、前記内燃機関が不停止となる原因及びその対処方法が記憶装置に記憶されており、
前記車両が停止状態であるにもかかわらず前記内燃機関の停止条件が成立していない場合、前記記憶装置から前記内燃機関が不停止となる原因及び/又はその対処方法を読み出し、前記不成立の停止条件及び/又は前記不成立の停止条件を成立させる方法として利用者に告知されるように構成されていることを特徴とする請求項4記載のエコランシステム。
【請求項6】
車両の状態に応じて内燃機関を停止させたり再始動させる制御を行うエコラン制御装置において、
前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される状態を判断する再始動状態判断手段と、
該再始動状態判断手段により、前記ある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動された状態であると判断された場合、成立した始動条件を利用者に告知するための制御を行う成立告知制御手段とを備えていることを特徴とするエコラン制御装置。
【請求項7】
前記ある始動条件が、利用者による前記内燃機関の再始動操作を必要としない始動条件であることを特徴とする請求項6記載のエコラン制御装置。
【請求項8】
複数の前記内燃機関の再始動条件に対応して前記内燃機関が再始動する原因を記憶する記憶手段を備え、
前記成立告知制御手段は、前記内燃機関の停止中にある始動条件が成立して前記内燃機関が再始動される場合、前記記憶手段から前記再始動する原因を読み出し前記成立した始動条件として利用者に告知することを特徴とする請求項6又は請求項7記載のエコラン制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−131883(P2011−131883A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62382(P2011−62382)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【分割の表示】特願2005−98040(P2005−98040)の分割
【原出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【分割の表示】特願2005−98040(P2005−98040)の分割
【原出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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