説明

エステ用器具

【課題】シミや小皺の原因となる皮膚の老化を修復し美肌を得る。
【解決手段】乳頭状の頭部を有するゲルマニウム本体部と、該ゲルマニウム本体部を保持する把持部と、前記ゲルマニウム本体部の内部に設けたヒーターとを具備し、前記ゲルマニウム本体部は該ヒーターによって49〜60℃の使用温度に加熱され、加熱されたゲルマニウム本体部の乳頭状の頭部を皮膚にトッピング的に押し当てもしくは擦りつけることによって、活性化されたマイナス電子をゲルマニウム本体部から遠赤外線で加熱された皮膚に放出し、放出されたマイナス電子を皮膚内部に浸透させてシミ、小皺、毛穴汚れなどの原因である皮膚の老化を内部から細胞を活性化することによって修復し、皮膚を美肌に復帰させることを特徴とするエステ用器具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲルマニウムを用いた美顔、美肌などに有効なエステ用器具に関し、特にシミや小皺などの原因となる老化した皮膚を修復するための器具で、加熱されたゲルマニウム製器具をトッピング的に使用するエステ用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲルマニウムは、マイナス電子を放出し、このマイナス電子を人体に作用させると、細胞の新陳代謝や血行をよくし、生体組織を活性化させることが知られており、このゲルマニウムの特性を美顔、美肌または健康の増進に利用する方法や器具が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、このような目的を達成するための器具として、ローラーマッサージ器が記載されている。このローラーマッサージ器は、図4に示すようにゲルマニウム製のローラー本体12にヒーター13を内蔵しており、該ローラー本体12を皮膚に押し当てて所定時間回動させることにより、ゲルマニウムから表皮層へ放出されるマイナス電子が加熱によって活性化され、活性化されたマイナス電子が角質層から真皮層へ浸透して、小皺、シミ、肌のたるみなどの原因である皮膚の老化を内部から修復し、張りのある状態に復帰させるものである。また、これを健康器具として使用すれば、鎮痛、新陳代謝の促進効果、血行の促進、細胞活性化などの効果を有するとされている。
【0004】
さらに、特許文献1には、ゲルマニウム製のローラー本体を上記ヒーターで加熱する場合の加熱温度について、一般的な美顔、美肌使用で40〜48℃に加熱することが記載されている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−736247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記ローラーマッサージ器は、人体に触れるヘッド部をローラーで形成しているため、ローラーとしての使い勝手さと皮膚の広い範囲をマッサージして美顔、美肌などのエステ用として、また健康増進用として有効に使用できる。しかし、人体に触れるヘッド部がローラーで形成されていると、ローラーを回動させてマッサージができ、しかも皮膚の広い範囲をマッサージできる利便性が得られる反面、次のような問題が生じたり制約をうける。
【0007】
すなわち、ローラーを上下方向および左右方向に回動させて使用するように設計されているため、トッピング的な使用に不向きであり、かつ皮膚の広い範囲に接触するため、鼻の周りや平坦でない部分のシミや小皺に対してきめ細かく使用することが困難となる。特に、鼻の周りの毛穴の汚れやシミ、小皺にはほとんど機能しない。また、活性化されたマイナス電子をゲルマニウム製ローラーから放出するためにローラーを加熱し、該ローラーを皮膚の広い範囲に押し当てて所定時間回動させるために、ローラーの加熱温度を高くすると熱傷を発症する。ローラーでマッサージする場合、このようにローラーを皮膚に所定時間押し当てることが必要になる。そのため、上記ローラーでは、疲労回復などの特殊使用においては約60℃まで加熱することが可能であっても、美顔、美肌用に使用する際の加熱温度は熱傷の発症を防ぐために40〜48℃に設定している。加熱温度が高い方がマイナス電子を強く活性化でき、老化された皮膚の修復効果を大きくできるのにも拘わらず、上記ローラーでは40〜48℃に設定することが余儀なくされるため、老化された皮膚の修復効果が劣りかつ修復に時間を要することとなり、シミや小皺の修復を短時間で効率的に行うことができない。
【0008】
本発明は、以上に鑑みてなされたもので、皮膚に接触する部分を乳頭状の頭部を有するゲルマニウム本体部で形成して皮膚に対する接触範囲を小さくするとともに、該ゲルマニウム本体部を内部に設けたヒーターによって49〜60℃の使用温度に加熱することによって、加熱されたゲルマニウム本体部を皮膚にトッピング的に押し当てもしくは擦りつけできるようにし、遠赤外線で加熱された皮膚にゲルマニウム本体部から活性化されたマイナス電子を放出し、該マイナス電子で内部から細胞を活性化することによって老化した皮膚を修復できるエステ用器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、これまでのローラータイプの器具において生じる課題について検討した結果、皮膚に接触する部分を乳頭状の頭部を有するゲルマニウム本体部で形成することによって、皮膚に接触する範囲をローラーの接触範囲より小さくでき、かつ該乳頭状の頭部で皮膚をトッピングしてマッサージしローラーのように所定時間皮膚に押し当てて回動させる必要がなくなるので、ゲルマニウム本体部の使用温度を高く設定することが可能となり、該本体部から放出されるマイナス電子の活性化度を大きくできることを見出し得られたものである。
【0010】
すなわち、本発明は、乳頭状の頭部を有するゲルマニウム本体部と、該ゲルマニウム本体部を保持する把持部と、前記ゲルマニウム本体部の内部に設けたヒーターとを具備し、前記ゲルマニウム本体部は該ヒーターによって使用温度に加熱され、加熱されたゲルマニウム本体部の乳頭状の頭部を皮膚にトッピング的に押し当てもしくは擦りつけることによって、活性化されたマイナス電子をゲルマニウム本体部から遠赤外線で加熱された皮膚に放出し、放出されたマイナス電子を皮膚内部に浸透させてシミ、小皺、毛穴汚れなどの原因である皮膚の老化を内部から細胞を活性化することによって修復し、皮膚を美肌に復帰させることを特徴とするエステ用器具を提供する。そして、前記ゲルマニウム本体部はヒーターによって49〜60℃の使用温度に加熱されることが好ましい。
【0011】
本発明において、前記乳頭状の頭部の径は5〜20mmであることが好ましい。皮膚に押し当てる乳頭状の頭部の径を5〜20mmにすることによって、皮膚に接触する部分の範囲を縮小することが可能となり、鼻の周りや平坦でない部分への使用ができる。
【0012】
また、本発明において前記ゲルマニウム本体部はヒーターにより49〜50℃の使用温度に加熱されることが好ましい。使用温度がこの範囲の温度であれば、熱傷の発生を回避しながらゲルマニウム本体部から放出されるマイナス電子の活性化を最大限に向上させ、かつ遠赤外線による皮膚の加熱を促進できるため、皮膚の新陳代謝と修復効果の増大を効率的に図ることができる。
【0013】
さらに、本発明は、前記ゲルマニウム本体部の内部に温度センサーを設けて前記ゲルマニウム本体部を前記使用温度に保持することが好ましい。本発明において、前記ゲルマニウム本体部は皮膚に触れる部分であるため、その使用温度が60℃を超える温度に加熱されると、熱傷の発生が生じるおそれがある。また、使用温度が49℃より低くなると、老化した皮膚の修復効果を最大に発揮させることが困難になる。したがって、上記温度センサーはゲルマニウム本体部を49〜60℃の使用温度に確実に保持し安全なエステ用器具を得るうえで重要である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、エステ用器具の皮膚に接触する部分が乳頭状の頭部を有するゲルマニウム本体部で形成されているため、皮膚に接触する部分の面積を小さくし、皮膚にトッピング的に押し当てもしくは擦りつけることができる。これにより、従来のローラータイプの器具では困難であった鼻の周りや平坦でない部分への使用が可能となるため、ゲルマニウム本体部から放出されるマイナス電子を、このような部分の老化した皮膚に対しても浸透させることが可能となり、該マイナス電子によってシミ、小皺、毛穴の汚れなどの原因となっている皮膚の老化を内部の細胞を活性化することにより効率よく修復し、老化した皮膚をシミ、小皺、毛穴の汚れなどがない美肌の状態に復帰させることができる。
【0015】
また、前記ゲルマニウム本体部が内蔵されているヒーターによって49〜60℃の使用温度に加熱されるため、ゲルマニウム本体部から放出されるマイナス電子の活性化を熱傷の発生を回避しながら最大にすることができ、また遠赤外線で老化した皮膚を奥深く加熱することができる。これにより、老化した皮膚を活性化度の高いマイナス電子と遠赤外線との相乗効果によってより効率よく修復し、シミ、小皺、毛穴の汚れなどがない美肌に復帰させることができる。特に、位置や大きさが明瞭なシミに対しては、本発明のエステ用器具を皮膚の限定された範囲にテンポイントでトッピング的に使用できるので、シミおよびその周りの皮膚を集中して内部から活性化し、シミのない美肌に効率的に復帰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の好ましい実施形態であるエステ用器具の斜視図で、一部を切り欠いて表示している。
【図2】本発明の他の好ましい実施形態であるエステ用器具の本体部の部分斜視図である。
【図3】図1のエステ用器具におけるヒーターの配線図である。
【図4】従来のローラータイプ器具におけるローラー本体部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の好ましい実施形態に係るエステ用器具の一部を切り欠いて斜視図で示している。図1に示すようにエステ用器具は、乳頭状の頭部8を有するゲルマニウム本体部1と、該ゲルマニウム本体部1を先部に保持するための把持部2と、前記ゲルマニウム本体部1の内部に設けたヒーター4とを具備している。乳頭状の頭部8はゲルマニウム本体部1の円筒状の胴部と一体になって内部が中空になっており、この中空部にヒーター4が設けられる。ゲルマニウム本体部1において、乳頭状の頭部8は使用時に皮膚に触れる部分であり、ゲルマニウム本体部1に内蔵されたヒーター4によって、所定の使用温度に加熱されるようになっている。
【0019】
本発明において、前記ゲルマニウム本体部1は内蔵されているヒーター4によって49〜60℃の使用温度に加熱され、同時にゲルマニウム本体部1の乳頭状の頭部8も加熱される。ゲルマニウムは32℃以上になると、電子の一つが外に放出する性質をもっており、そのマイナス電子が人体の生体電流を調和してバランスを整え、血液のpHを正常に保つとされている。また、加熱されたゲルマニウム本体部1は遠赤外線を発するため、乳頭状の頭部8を皮膚に押し当てるとあるいは擦りつけると、前記遠赤外線が皮膚の奥深くまで温め新陳代謝を促進する。そして、加熱されたゲルマニウム本体部1の乳頭状の頭部8から皮膚の表皮層に放出された前記マイナス電子は、遠赤外線で温められた皮膚の内部に浸透することによって一層活性化される。この活性化されたマイナス電子の作用で、シミや小皺の原因になっている皮膚の老化が修復される。この場合、ゲルマニウム本体部1の加熱温度は熱傷が発生しなければ高い方が、放出されるマイナス電子の活性化を促進し、さらに遠赤外線による皮膚の加熱効果も増大できる。
【0020】
本発明では、後述するようにゲルマニウム本体部1の乳頭状の頭部8の皮膚に接触する面積を小さくし、該乳頭状の頭部8を皮膚の限定された範囲にトッピング的に継続して作用させ長時間押し当てないため、ゲルマニウム本体部1の加熱温度を従来のようにゲルマニウムを皮膚に長く押し当てる場合よりも高くできる。そして、ゲルマニウムを皮膚に長く押し当てる場合よりも加熱温度を高くすることにより、活性化されたマイナス電子の効果および前記遠赤外線の効果を最大限に発揮させることができる。従来、美顔、美肌用では熱傷の発生のためゲルマニウムの加熱温度は48℃以下に抑えられていたが、本発明はゲルマニウム本体部1を皮膚に長時間継続して押し当てないため、このように48℃より高い温度に加熱しても、熱傷を発症しない。ゲルマニウム本体部1の加熱温度が49℃より低いと、前記したように活性化されたマイナス電子による皮膚の修復効果、および前記遠赤外線による皮膚の加熱効果が低下し、老化した皮膚の修復を効率よく行うことができなくなるため、シミや小皺などが見えないように修復し、美顔、美肌に戻すことが困難になり、あるいは美顔、美肌に戻すのに長時間が必要となる。一方、ゲルマニウム本体部1の加熱温度が60℃より高くなると、トッピング的に作用させても皮膚に熱傷が発生するおそれが生じる。かくして、ゲルマニウム本体部1の加熱温度は、熱傷を発生させずに安全に使用できるようにするため49〜53℃がより好ましい。
【0021】
本例のゲルマニウム本体部1は、図1に示すように内部に設けた金属補強材5の外側をゲルマニウム層3で被覆した積層構造になっている。このような積層構造は、ゲルマニウム層3を内側から補強するため、ゲルマニウム層3の肉厚を薄くすることができる。しかし、ゲルマニウム本体部1は、ゲルマニウム層3の肉厚を大きくすれば、金属補強材5を使用せずにゲルマニウム層3だけで形成することができる。したがって、ゲルマニウム本体部1は、ゲルマニウム層3のみで形成されていても、あるいは本例のように補強材との積層構造であってもよい。また、図1の例では、ゲルマニウム本体部1の胴部を同一径の円筒状に形成しているが、ゲルマニウム本体部1の胴部を先部に向かって先細の円筒状に形成し、その先端部に乳頭状の頭部8を設けてもよい。
【0022】
上記本体部1の乳頭状の頭部8は、皮膚の狭い範囲に熱刺激を集中的に与えるため先部が丸みを持っている。また、この丸みによって皮膚に優しく接触させることができる。乳頭状の頭部8の大きさは特に限定されないが、乳頭状の頭部8は径aが5〜20mmであることが好ましい。aが5mmより小さいと、乳頭状の頭部8を作ることが実質的に困難になるばかりでなく、皮膚に接触する先部が過小になることによって放出される有効なマイナス電子量が減少し、また乳頭状の頭部8から熱刺激を受ける皮膚の範囲が必要以上に狭くなるために、シミや小皺などに対する皮膚の修復効果が低下する。また、aが20mmより大きくなると、それに伴って皮膚との接触範囲が大きくなるため、鼻の周りなど平坦でない部分への使用が困難になり使い勝手が悪くなる。これらの点から、頭部8の径aは8〜16mmであるとより好ましく、10〜15mmであるとさらに好ましい。
【0023】
上記乳頭状の頭部8は、ゲルマニウム本体部1の先部を所定の曲率半径R(図2参照)を有する曲面で形成することにより丸みが得られる。この場合、頭部8を同じ曲率半径Rの曲面で形成してもよいし、異なる曲率半径Rの曲面を組み合わせて形成してもよい。例えば、乳頭状の頭部8の径aが比較的大きい場合には、該乳頭状の頭部8の先端部分は曲率半径の小さい曲面で形成し、乳頭状の頭部8の他の部分は曲率半径がそれより大きい曲面で形成してもよい。また、乳頭状の頭部8の先端部分を周りの曲面に対して部分的に平坦化したい場合には、この部分を曲率半径の大きい曲面にする。曲率半径Rとしては、3〜10mm程度が好ましい。なお、ゲルマニウム本体部1の長さは、8〜20mm程度が好ましい。
【0024】
図2は、ゲルマニウム本体部1の他の実施形態を示したものである。本例のゲルマニウム本体部1は、胴部が裾広がりになっており、その先細の上端部に乳頭状の頭部8を有している。裾広がりの胴部の上端部に乳頭状の頭部8が形成されるため、この形態のゲルマニウム本体部1は小さい乳頭状の頭部8を形成する場合に適している。一般に、乳頭状の頭部8を小さくすると、ヒーターの装填が難しくなるが、本例では裾広がりの胴部にヒーターを設けることができる。これにより、皮膚に熱刺激を集中して与えやすい小形の乳頭状の頭部8が容易に得られる。
【0025】
上記ゲルマニウム本体部1において、ゲルマニウムの厚さは、ゲルマニウムの加熱によってできるだけ多量のマイナス電子を放出するために、一定以上の肉厚であることが好ましい。ゲルマニウムの厚さが0.2mm未満であると、マイナス電子の放出量が十分に得られなくなるおそれがある。また、ゲルマニウムだけでゲルマニウム本体部1を形成する場合には、強度面からゲルマニウムは一定以上の肉厚が必要となる。このゲルマニウムの厚さとしては、通常0.2mm以上が好ましく、0.6mm以上がより好ましく、2.0mm以上がさらに好ましい。ゲルマニウムの厚さが0.2mmより薄いと、ゲルマニウムを使用温度に加熱しても、マイナス電子の放出が十分に得られなくなることがある。
【0026】
なお、ゲルマニウム本体部1において、ゲルマニウムの厚さは通常均一であるが、皮膚に接触する乳頭状の頭部8のゲルマニウムが所望の厚さを有していれば、その他の部分の厚さは乳頭状の頭部8と異なる肉厚であってもよい。また、ゲルマニウム本体部1の表面は平滑であっても、凹凸加工を施した面であってもよい。
【0027】
本発明において、ゲルマニウム本体部1には高純度のゲルマニウムが使用される。具体的は、純度100%のゲルマニウムが最も好ましいが、高純度であれば市販されている例えば純度99.999%のゲルマニウムでもよい。このように純度の高いゲルマニウムを使用することにより、シミや小皺などの原因となる皮膚の老化を修復し、美顔や美肌に復帰させるのに有効なマイナス電子を十分に放出させることができる。また、ゲルマニウム自体の持っている熱伝導性や空気中における安定性などの特性を生かすことができる。
【0028】
上記把持部2は、エステ用器具を使用する際に把持できる程度の長さを有する、例えば径が1.5〜2.0cm程度、長さが10〜15cm程度の細長い円筒形である。材質としては、金属や合成樹脂を使用することができるが、加工性に優れる金属が好ましい。円筒形の内部には、ヒーター4を通電加熱するための電源(図示せず)や通電加熱を安全に行うための部品などが設けられており、電源とヒーター4とは配線10によって接続されている。本例では電源としてAC100Vを使用しているが、乾電池や充電池を使用してもよい。なお、図1において、6はスイッチであり、11は温度調節器である。
【0029】
図3は、本例のエステ用器具の配線図を例示したものである。AC100Vの電源は、スイッチ6、温度センサー7および遮断器9を介在してヒーター4に接続され、ヒーター4を温度調節器11で設定した使用温度に通電加熱する。ヒーター4の温度は温度センサー7によって計測され、設定した使用温度になるように制御される。遮断器9は故障等によって異常電流が生じたとき、電流を遮断して安全性が得られるように作動する。
【0030】
本発明のエステ用器具は、上記したように構成されているので、スイッチ6を入れてゲルマニウム本体部1を例えば49〜50℃に加熱し、把持部2を把持して加熱されたゲルマニウム本体部1の乳頭状の頭部8を、皮膚のシミや小皺などが顕在する限定された範囲にトッピング的に押し当てて集中的に作用させ、このトッピング動作を例えば1回当たり約10〜15秒間継続して行う。このトッピング時間は個人差もあり特定されないが、短すぎると所望の効果が得られず、また15秒より長くしても効果はほとんど同じである。したがって、1回あたりのトッピング時間は約10〜15秒間程度が好ましい。乳頭状の頭部8を皮膚の前記限定された範囲に作用させると、加熱されているゲルマニウム本体部1(乳頭状の頭部8)から放出されたマイナス電子が皮膚内部まで浸透し、同時に前記限定された範囲の皮膚は乳頭状の頭部8から発せられる遠赤外線によって真皮層まで奥深く加熱される。乳頭状の頭部8で集中的にトッピングされた部分の皮膚は、遠赤外線による加熱によって血行がよくなり新陳代謝が促進されるとともに、皮膚に浸透した前記マイナス電子が加熱されて一層活性化し、老化した皮膚を真皮層まで奥深く継続して集中的に刺激する。そして、エステ用器具によるこのような刺激を、シミ、小皺などを修復しようとする皮膚の限定された範囲に、ある一定期間継続して付与することにより効果が得られる。例えば1回/1日を15日から1ケ月継続して行うことにより、シミ、小皺などの原因になっている老化した皮膚の内部細胞が徐々に修復されて、シミが目立たなくなり、あるいは小皺が消失して美顔、美肌が得られる。
【実施例】
【0031】
図1に示すエステ用器具(乳頭状の頭部の径a:15mm、ゲルマニウム層の厚さ:2mm)を用いて次の実験を行った。
【0032】
頬に直径が約3mmのシミが離れて点在する1人の女性に対して、ゲルマニウム本体部を50℃に加熱したエステ用器具の乳頭状の頭部をシミがある部分の皮膚に押し当てて15秒間/1回/1日の条件でトッピングし、このトッピングを30日間継続して行った後、シミの変化を観察した。トッピングは2個のシミについてそれぞれ同じ条件で行なった。その結果、2個のシミの状態はトッピングする前の状態に比べて大きく変化し、2個ともほとんど目立たなくなり、本発明のエステ用器具がシミの修復に大きな効果を有することが分かった。また、トッピングした箇所の皮膚に熱傷は発生していなかった。
【0033】
一方、比較例としてゲルマニウム本体部を47℃に加熱したエステ用器具を用いて、他の2個のシミに対して上記と同じ条件でトッピングし、シミの変化を観察したところ、2個のシミはトッピングする前に比べると多少目立たなくなったが、50℃に加熱した本発明のエステ用器具に比べると、その効果は見劣りするものであった。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、シミや小皺などの対策を目的とする美顔、美肌などのエステ分野に利用できる。
【符号の説明】
【0035】
1:ゲルマニウム本体部 2:把持部
3:ゲルマニウム層 4:ヒーター
5:金属補強材 6:スイッチ
7:温度センサー 8:乳頭状の頭部
9:遮断器 10:配線
11:温度調節器 12:ローラー本体
13:ヒーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳頭状の頭部を有するゲルマニウム本体部と、該ゲルマニウム本体部を保持する把持部と、前記ゲルマニウム本体部の内部に設けたヒーターとを具備し、前記ゲルマニウム本体部は該ヒーターによって使用温度に加熱され、加熱されたゲルマニウム本体部の乳頭状の頭部を皮膚にトッピング的に押し当てもしくは擦りつけることによって、活性化されたマイナス電子をゲルマニウム本体部から遠赤外線で加熱された皮膚に放出し、放出されたマイナス電子を皮膚内部に浸透させてシミ、小皺、毛穴汚れなどの原因である皮膚の老化を内部から細胞を活性化することによって修復し、皮膚を美肌に復帰させることを特徴とするエステ用器具。
【請求項2】
前記ゲルマニウム本体部はヒーターによって49〜60℃の使用温度に加熱される請求項1に記載のエステ用器具。
【請求項3】
前記乳頭状の頭部の径が5〜20mmである請求項1または2に記載のエステ用器具。
【請求項4】
前記ゲルマニウム本体部の使用温度が49〜53℃である請求項1、2または3に記載のエステ用器具。
【請求項5】
前記ゲルマニウム本体部の内部に温度センサーを設け、該温度センサーにより前記ゲルマニウム本体部を使用温度に保持する請求項1〜4のいずれかに記載のエステ用器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−135905(P2011−135905A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287864(P2009−287864)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(509334158)
【Fターム(参考)】