説明

エッジリットホログラムの複製装置、エッジリットホログラムの複製方法及びそれによって作製されたエッジリットホログラム

【課題】簡単な工程で労力や時間を削減すると共に、コストも低減できるエッジリットホログラムの複製装置、エッジリットホログラムの複製方法及びそれによって作製されたエッジリットホログラムを提供する。
【解決手段】エッジリットホログラム原版1’と、前記原版に積層され、少なくとも前記原版の記録波長周辺の波長の光を吸収する光吸収層Aと、前記原版を上方に積層した前記光吸収層を載置する載置台Tと、前記原版作製時の参照光に対して垂直な面を有するシート状の光学素子Pと、前記光学素子を搬送する光学素子搬送部51,52と、複製用ホログラム感材2と、前記ホログラム感材を搬送する複製用ホログラム感材搬送部61,62と、レーザーを照射するレーザー照射器と、を備え、レーザー照射器が前記光学素子側から、前記原版作製時の参照光と同じ波長の光束を同じ角度で照射することでエッジリットホログラムを複製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全反射を利用して作製できるエッジリットホログラムに関し、特に、エッジリットホログラム原版からエッジリットホログラムを複製するエッジリットホログラムの複製装置、エッジリットホログラムの複製方法及びそれによって作製されたエッジリットホログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、導光板やプリズム内の全反射を利用したエッジリットホログラムが知られている(非特許文献1)。このようなエッジリットホログラムとして、透明な光導入ブロックに記録媒体を貼り付けて記録再生を行うものが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−3025号公報
【特許文献2】特開平6−301322号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】久保田敏弘,「ホログラフィ入門」,(1995.11)朝倉書店,p74,p75
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、エッジリットホログラムを複製する際に、ホログラム記録時の物体光・参照光の少なくとも一方は媒質中で全反射する角度で入射する必要がある。そのため、プリズム等を屈折率整合液や粘着剤等によりホログラム記録材料に密着させ、プリズム等のいずれかの面からレーザー光を入射させる必要があった。この場合、ホログラム記録材料をプリズムに対して貼り・剥がしをする工程が必要となる。この貼り・剥がし工程には、多大な労力や時間がかかっていた。また、高価な多面プリズム等を必要とするので、多大なコストも必要としていた。
【0006】
本発明は、従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な工程で労力や時間を削減すると共に、コストも低減できるエッジリットホログラムの複製装置、エッジリットホログラムの複製方法及びそれによって作製されたエッジリットホログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明のエッジリットホログラムの複製装置は、エッジリットホログラム原版と、前記エッジリットホログラム原版に積層され、少なくとも前記エッジリットホログラム原版の記録波長周辺の波長の光を吸収する光吸収層と、前記エッジリットホログラム原版を上方に積層した前記光吸収層を載置する載置台と、前記エッジリットホログラム原版作製時の参照光の入射方向に対して垂直な面を有するシート状の光学素子と、前記光学素子を搬送する光学素子搬送部と、複製用ホログラム感材と、前記複製用ホログラム感材を搬送する複製用ホログラム感材搬送部と、レーザーを照射するレーザー照射器と、を備え、前記載置台上に、前記載置台から遠い順に、前記光学素子搬送部に搬送される前記光学素子、前記複製用ホログラム感材搬送部に搬送される前記複製用ホログラム感材、前記エッジリットホログラム原版及び前記光吸収層、を配置し、前記レーザー照射器が前記光学素子側から、前記光学素子、前記複製用ホログラム感材及び前記エッジリットホログラム原版へ、前記エッジリットホログラム原版作製時の参照光と同じ波長の光束を同じ角度で照射することでエッジリットホログラムを複製することを特徴とする。
【0008】
また、前記光学素子と前記複製用ホログラム感材を前記載置台上に配置する前に貼り合わせる貼り合わせ搬送部をさらに有することを特徴とする。
【0009】
さらに、上記目的を達成する本発明のエッジリットホログラムの複製方法は、一方側から順に、シート状の光学素子、複製用ホログラム感材、エッジリットホログラム原版、少なくとも前記エッジリットホログラム原版の記録波長周辺の波長の光を吸収する光吸収層を配置し、前記シート状の光学素子が有する前記エッジリットホログラム原版作製時の参照光の入射方向に対して垂直な面から、前記エッジリットホログラム原版及び前記複製用ホログラム感材へ、前記エッジリットホログラム原版作製時の参照光と同じ波長の光束を同じ角度で照射することを特徴とする。
【0010】
また、前記光学素子は、前記ホログラム原版作製時の参照光の入射方向に対して平行な面をさらに有し、前記垂直な面と前記平行な面を交互に設けることを特徴とする。
【0011】
さらに、上記目的を達成する本発明の複製エッジリットホログラムは、上記エッジリットホログラム複製方法により作製されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単な工程で労力や時間を削減すると共に、コストも低減できるエッジリットホログラムの複製装置、エッジリットホログラムの複製方法及びそれによって作製されたエッジリットホログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1エッジリットホログラムを作製するための工程を示す図である。
【図2】第1エッジリットホログラムを再生した状態を示す図である。
【図3】第2エッジリットホログラムを複製するための工程を示す図である。
【図4】第2エッジリットホログラムを再生した状態を示す図である。
【図5】エッジリットホログラム複製装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照にして本発明に係るエッジリットホログラムの複製方法について説明する。
【0015】
まず、一段階目のエッジリットホログラム原版としての第1エッジリットホログラムである反射型エッジリットホログラムを作製する方法を説明する。図1は第1エッジリットホログラムを作製するための工程を示す図である。
【0016】
図1に示すように、第1ホログラム記録用感光材料1の一方側に第1ガラスブロックG1を配置し、他方側に第1ガラスブロックG1と同じ屈折率の第2ガラスブロックG2を配置する。本実施形態では、第1ホログラム記録用感光材料1は、一方に第1ガラスブロックG1を、他方に第2ガラスブロックG2を積層し、第1ガラスブロックG1の第1面G1aと第2ガラスブロックG2の第2面G2bとにより挟持された状態となる。
【0017】
第1ホログラム記録用感光材料1と第1ガラスブロックG1の第1面G1aの界面は、インデックスマッチング液を用いて屈折率変化が少なくなるように構成されている。また、第1ホログラム記録用感光材料1と第2ガラスブロックG2の第2面G2bの界面も、同様に、インデックスマッチング液を用いて屈折率変化が少なくなるように構成されている。
【0018】
この状態で、平行光又は略平行光からなる第1物体光11及び第1物体光11と可干渉な同一光源からの同一波長の平行光又は略平行光からなる第1参照光12を第1ホログラム記録用感光材料1に入射させる。
【0019】
第1物体光11は、第2面G1bから第1ガラスブロックG1に入射し第1面G1aを経て第1ホログラム記録用感光材料1に入射する。また、第1参照光12は、第1面G2aから第2ガラスブロックG2に入射し第2面G2bを経て第1ホログラム記録用感光材料1に入射する。
【0020】
なお、第2ガラスブロックG2の第1ホログラム記録用感光材料1とは反対側の第3面G2cには第1物体光11の0次光を吸収し反射を防止する第1光吸収層A1が配置される。また、第1参照光12が第2ガラスブロックG2に入射する第1面G2aとは反対側の第1ガラスブロックG1の第3面G1cには第1参照光12の0次光を吸収し反射を防止する第2光吸収層A2が配置される。第1光吸収層A1及び第2光吸収層A2を配置することにより第1ガラスブロックG1及び第2ガラスブロックG2の内部での反射を最小限に抑えている。
【0021】
第1物体光11と第1参照光12とは第1ホログラム記録用感光材料1内で干渉する。第1物体光11と第1参照光12とが干渉すると、第1ホログラム記録用感光材料1中に干渉縞が生成する。その後、第1ホログラム記録用感光材料1を後処理して第1ホログラム原版としての反射型の第1エッジリットホログラム1’を作製することができる。
【0022】
図2は、第1エッジリットホログラムを再生した状態を示す図である。図1に示した方法で作製した第1エッジリットホログラム1’に、第1ガラスブロックG1と同じ屈折率の第3ガラスブロックG3を配置し、第1参照光12とは反対方向の第1再生照明光21を入射する。すると、第1エッジリットホログラム1’により第1物体光11とは反対方向に第1再生光22が回折される。なお、第1ガラスブロックG1と第3ガラスブロックG3は同じものでもよい。
【0023】
次に、この第1エッジリットホログラム1’を用いてエッジリットホログラムを複製する方法について説明する。図3は、第2エッジリットホログラムを複製するための工程を示す図である。
【0024】
本実施形態では、図3に示すように、第2ホログラム記録用感光材料2の一方側に光学素子としてのプリズムシートPを配置し、他方側に第1エッジリットホログラム1’を配置する。
【0025】
プリズムシートPは、第2ホログラム記録用感光材料2とは反対側に、第1面P1と、第1面P1に垂直な第2面P2を連続的に複数有する。本実施形態では、プリズムシートPの第1面P1は、第1エッジリットホログラム1’の図1に示した作製時の第1参照光12及び第1再生照明光21の入射方向と垂直に形成し、第2面P2は、第1エッジリットホログラム1’の図1に示した作製時の第1参照光12及び第1再生照明光21と平行に形成する。また、プリズムシートPの屈折率は、第1ガラスブロックG1、第2ガラスブロックG2及び第2ホログラム記録用感光材料2と同じ又は略同じであることが好ましい。
【0026】
なお、第1エッジリットホログラム1’の第2ホログラム記録用感光材料2とは反対側には、第3光吸収層A3が配置される。第3光吸収層A3を配置することにより第1再生照明光21の0次光を吸収し反射を最小限に抑えている。
【0027】
この状態で、第1エッジリットホログラム1’の第1再生照明光21を第1エッジリットホログラム1’の図1に示した作製時の第1参照光12と同じ角度で照射する。すなわち、プリズムシートPの第1面P1に対して垂直で、且つ、第2面P2に対して平行に入射する。第1再生照明光21をプリズムシートPの第1面P1に対して垂直で、且つ、第2面P2に対して平行に入射することで、平行光又は略平行光である第1再生照明光21はすべて第1面P1からプリズムシートPを透過して、第2ホログラム記録用感光材料2に入射することができる。
【0028】
したがって、第1再生照明光21が第2ホログラム記録用感光材料2内に第2参照光32として入射し、第1再生照明光21が第1エッジリットホログラム1’により回折された第2再生光22が第2ホログラム記録用感光材料2内に第2物体光31として入射する。
【0029】
そして、第2物体光31と第2参照光32とは第2ホログラム記録用感光材料2内で干渉する。第2物体光31と第2参照光32とが干渉すると、第2ホログラム記録用感光材料2中に干渉縞が生成する。その後、第2ホログラム記録用感光材料2を後処理して反射型の第2エッジリットホログラム2’を作製することができる。
【0030】
図4は、第2エッジリットホログラムを再生した状態を示す図である。図3に示した方法で複製した第2エッジリットホログラム2’に、プリズムシートPと同じ屈折率の第4ガラスブロックG4を配置し、第2参照光32とは反対方向の第2再生照明光41を入射する。すると、第2エッジリットホログラム2’により第2物体光31とは反対方向に第2再生光42が回折される。
【0031】
次に、エッジリットホログラム複製装置について説明する。
【0032】
図5は、エッジリットホログラム複製装置を示す図である。エッジリットホログラム複製装置50は、載置台Tと、光学素子搬送部としてのプリズムシート搬入ローラー51、光学素子搬送部としてのプリズムシート搬出ローラー52、複製用ホログラム感材搬送部としての第2ホログラム記録用感光材料搬入ローラー61、複製用ホログラム感材搬送部としての第2ホログラム記録用感光材料搬出ローラー62、貼り合わせ搬送部としての貼り合わせシート搬入ローラー71、貼り合わせシート搬出ローラー72及び図示しないレーザー照射器からなる。
【0033】
まず、載置台Tに、光吸収層Aと、光吸収層Aの上に配置された原版となる第1ホログラム1’とを載置する。
【0034】
次に、プリズムシートPをプリズムシート搬入ローラー51により搬入し、第2ホログラム記録用感光材料2を第2ホログラム記録用感光材料搬入ローラー61により搬入する。プリズムシートPと第2ホログラム記録用感光材料2は、載置台T上に配置される前に貼り合わせシート搬入ローラー71で貼り合わせられ、載置台T上の光吸収層A及び第1エッジリットホログラム1’の上方に搬送される。
【0035】
載置台T上で、光吸収層A、第1ホログラム1’、第2ホログラム記録用感光材料2及びプリズムシートPは、図3に示した状態となっている。
【0036】
この状態で、図示しないレーザー照射器が第1エッジリットホログラム1’の第1再生照明光21を第1エッジリットホログラム1’の図1に示した第1参照光12と同じ角度で照射する。すなわち、図3に示したように、プリズムシートPの第1面P1に対して垂直で、且つ、第2面P2に対して平行に入射する。第1再生照明光21をプリズムシートPの第1面P1に対して垂直で、且つ、第2面P2に対して平行に入射することで、平行光である第1再生照明光21はすべて第1面P1からプリズムシートPを透過して、第2ホログラム記録用感光材料2に入射することができる。
【0037】
したがって、第1再生照明光21が第2ホログラム記録用感光材料2内に第2参照光32として入射し、第1再生照明光21が第1エッジリットホログラム1’により回折された第2再生光22が第2ホログラム記録用感光材料2内に第2物体光31として入射する。
【0038】
そして、第2物体光31と第2参照光32とは第2ホログラム記録用感光材料2内で干渉する。第2物体光31と第2参照光32とが干渉すると、第2ホログラム記録用感光材料2中に干渉縞が生成する。
【0039】
プリズムシートPと干渉縞の生成された第2ホログラム記録用感光材料2は、貼り合わせシート搬出ローラー72により、載置台上から搬出される。
【0040】
その後、プリズムシートPと干渉縞の生成された第2ホログラム記録用感光材料2は、剥離される。そして、プリズムシートPは、プリズムシート搬出ローラー52により搬出され、干渉縞の生成された第2ホログラム記録用感光材料2は、第2ホログラム記録用感光材料搬出ローラー62により搬出される。
【0041】
その後、干渉縞の生成された第2ホログラム記録用感光材料2を後処理して反射型の第2エッジリットホログラム2’を作製することができる。
【0042】
なお、本実施形態の物体光、参照光、再生照明光及び再生光は、532nmのDPSSレーザー等を用いると好ましいが、その他のレーザーでもよい。また、ホログラム記録用感光材料としては、特許文献2に記載されたものを用いると好ましいが、その他の材料でもよい。
【0043】
このように、本実施形態のエッジリットホログラムの複製装置50は、第1エッジリットホログラム1’と、第1エッジリットホログラム1’に積層され、少なくとも第1エッジリットホログラム1’の記録波長周辺の波長の光を吸収する光吸収層Aと、第1エッジリットホログラム1’を上方に積層した光吸収層Aを載置する載置台Tと、第1エッジリットホログラム1’作製時の参照光12の入射方向に対して垂直な面を有するシート状のプリズムシートPと、プリズムシートPを搬送するプリズムシート搬入ローラー51及びプリズムシート搬出ローラー52と、第2ホログラム記録用感光材料2と、第2ホログラム記録用感光材料2を搬送する第2ホログラム記録用感光材料搬入ローラー61及び第2ホログラム記録用感光材料搬出ローラー62と、レーザーを照射する図示しないレーザー照射器と、を備え、載置台T上に、載置台Tから遠い順に、プリズムシート搬入ローラー51及びプリズムシート搬出ローラー52に搬送されたプリズムシートP、第2ホログラム記録用感光材料搬入ローラー61及び第2ホログラム記録用感光材料搬出ローラー62に搬送された第2ホログラム記録用感光材料2、第1エッジリットホログラム1’及び光吸収層A、を配置し、レーザー照射器がプリズムシートP側から、プリズムシートP、第2ホログラム記録用感光材料2及び第1エッジリットホログラム1’へ、第1エッジリットホログラム1’作製時の第1参照光12と同じ波長の光束を同じ角度で照射することで第2エッジリットホログラム2’を複製するので、簡単な工程で労力や時間を削減すると共に、コストも低減できる第2エッジリットホログラム2’の複製装置を提供することができる。
【0044】
また、プリズムシートPと第2ホログラム記録用感光材料2を載置台T上に配置する前に貼り合わせる貼り合わせシート搬入ローラー71をさらに有するので、載置台T上でのプリズムシートPと第2ホログラム記録用感光材料2とのずれが低減できる。
【0045】
さらに、上記目的を達成する本発明の第2エッジリットホログラム2’の複製方法は、一方側から順に、シート状のプリズムシートP、第2ホログラム記録用感光材料2、第1エッジリットホログラム1’、少なくとも第1エッジリットホログラム1’の記録波長周辺の波長の光を吸収する光吸収層Aを配置し、プリズムシートPが有する第1エッジリットホログラム1’作製時の第1参照光12の入射方向に対して垂直な面から、第1エッジリットホログラム1’及び第2ホログラム記録用感光材料2へ、第1エッジリットホログラム1’作製時の第1参照光12と同じ波長の光束を同じ角度で照射するので、簡単な工程で労力や時間を削減すると共に、コストも低減できる第2エッジリットホログラム2’の複製方法を提供することができる。
【0046】
また、プリズムシートPは、第1エッジリットホログラム1’作製時の第1参照光12の入射方向に対して平行な面をさらに有し、垂直な面と平行な面を交互に設けるので、平行光又は略平行光である第1再生照明光21はすべて第1面P1からプリズムシートPを透過して、第2ホログラム記録用感光材料2に入射することができ、プリズムシートP、第2ホログラム記録用感光材料2及び第1エッジリットホログラム1’へ照射する光束を効率よく入射することができる。
【0047】
さらに、上記目的を達成する本発明のエッジリットホログラム2’は、上記エッジリットホログラム複製方法により作製されるので、簡単な工程で労力や時間を削減すると共に、コストも低減できる第2エッジリットホログラム2’を提供することができる。
【0048】
以上、本発明のエッジリットホログラムの複製装置、エッジリットホログラムの複製方法及びそれによって作製されたエッジリットホログラムを実施形態に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施形態に限定されず種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0049】
1…第1ホログラム記録用感光材料
1’…第1エッジリットホログラム(エッジリットホログラム原版)
2…第2ホログラム記録用感光材料(複製用ホログラム感材)
2’…第2エッジリットホログラム(エッジリットホログラム)
11…第1物体光
12…第1参照光
21…第1再生照明光
22…第1再生光
31…第2物体光
32…第2参照光
41…第2再生照明光
42…第2再生光
50…エッジリットホログラム複製装置
51…プリズムシート搬入ローラー(光学素子搬送部)
52…プリズムシート搬出ローラー(光学素子搬送部)
61…第2ホログラム記録用感光材料搬入ローラー(複製用ホログラム感材搬送部)
62…第2ホログラム記録用感光材料搬出ローラー(複製用ホログラム感材搬送部)
71…貼り合わせシート搬入ローラー(貼り合わせ搬送部)
72…貼り合わせシート搬出ローラー(貼り合わせ搬送部)
A…光吸収層
P…プリズムシート(光学素子)
T…載置台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッジリットホログラム原版と、
前記エッジリットホログラム原版に積層され、少なくとも前記エッジリットホログラム原版の記録波長周辺の波長の光を吸収する光吸収層と、
前記エッジリットホログラム原版を上方に積層した前記光吸収層を載置する載置台と、
前記エッジリットホログラム原版作製時の参照光の入射方向に対して垂直な面を有するシート状の光学素子と、
前記光学素子を搬送する光学素子搬送部と、
複製用ホログラム感材と、
前記複製用ホログラム感材を搬送する複製用ホログラム感材搬送部と、
レーザーを照射するレーザー照射器と、
を備え、
前記載置台上に、前記載置台から遠い順に、前記光学素子搬送部に搬送される前記光学素子、前記複製用ホログラム感材搬送部に搬送される前記複製用ホログラム感材、前記エッジリットホログラム原版及び前記光吸収層、を配置し、
前記レーザー照射器が前記光学素子側から、前記光学素子、前記複製用ホログラム感材及び前記エッジリットホログラム原版へ、前記エッジリットホログラム原版作製時の参照光と同じ波長の光束を同じ角度で照射することを特徴とするエッジリットホログラム複製装置。
【請求項2】
前記光学素子と前記複製用ホログラム感材を前記載置台上に配置する前に貼り合わせる貼り合わせ搬送部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のエッジリットホログラム複製装置。
【請求項3】
一方側から順に、シート状の光学素子、複製用ホログラム感材、エッジリットホログラム原版、少なくとも前記エッジリットホログラム原版の記録波長周辺の波長の光を吸収する光吸収層を配置し、
前記シート状の光学素子が有する前記エッジリットホログラム原版作製時の参照光の入射方向に対して垂直な面から、前記エッジリットホログラム原版及び前記複製用ホログラム感材へ、前記エッジリットホログラム原版作製時の参照光と同じ波長の光束を同じ角度で照射することを特徴とするエッジリットホログラム複製方法。
【請求項4】
前記光学素子は、前記エッジリットホログラム原版作製時の参照光の入射方向に対して平行な面をさらに有し、前記垂直な面と前記平行な面を交互に設けることを特徴とする請求項3に記載のエッジリットホログラム複製方法。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のエッジリットホログラム複製方法により作製されることを特徴とするエッジリットホログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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