説明

エネルギー消費量管理システム及びエネルギー消費量管理方法

【課題】エネルギー消費機器の運転を管理する上でユーザにとって分かり易い情報を提供することである。
【解決手段】エネルギー消費機器のエネルギー消費量を計測する計測部と、エネルギー消費機器の運転状況を切り替える際に操作される操作盤と、操作盤の表示画面に情報を表示する情報表示部と、(1)各期において計測部がエネルギー消費量を計測したときの計測結果、を示す計測データを取得する処理と、(2)前期分の計測データに基づいて、今期におけるエネルギー消費機器の目標運転時間を設定する処理と、(3)今期の開始時点から直近のデータ取得処理の実行時点までの計測データに基づいて、今期の開始時点から直近のデータ取得処理の実行時点までのエネルギー消費機器の実績運転時間を求める処理と、(4)目標運転時間と実績運転時間との差を表示画面に表示させるための情報データを生成する処理と、を実行するデータ処理実行部と、を有し、操作盤が操作される際に、情報表示部は表示画面に前記差を表示するエネルギー消費量管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー消費量管理システム及びエネルギー消費量管理方法に係り、特に、エネルギー消費機器の運転管理に用いられる情報を所定の表示画面に表示させるエネルギー消費量管理システム及びエネルギー消費量管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー消費機器の運転管理に用いられる情報を所定の表示画面に表示させるエネルギー消費量管理システム、及び、当該システムを用いたエネルギー消費量管理方法は既に知られている(例えば、特許文献1参照)。同システムが提供する情報としては、例えば、エネルギー管理機器のエネルギー消費量の実績や履歴等が挙げられ、このような情報を利用すれば、当該エネルギー消費機器のエネルギー消費量の削減を図ることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−278795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、エネルギー消費量管理システムが提供する情報の中には、ユーザがエネルギー消費機器の運転管理を行うにあたって利用し難い(分かりづらい)ものもあり、エネルギー消費量管理に対する意識を向上させることに繋がらないおそれがある。例えば、特許文献1では、エネルギー消費機器のエネルギー消費量について設定された目標値と、エネルギー消費量の実測値と、を対比させながら表示する技術が紹介されている。しかしながら、かかる情報についても、当該情報の利用者であるユーザにとって必ずしも有益な情報になるとは限らない。つまり、ユーザにとって、エネルギー消費機器の運転管理上、どのように利用すればよいのかが把握し難い情報が提供される可能性もある。
【0005】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、エネルギー消費機器の運転管理上、ユーザにとって分かり易い情報を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、本発明のエネルギー消費量管理システムによれば、(A)エネルギー消費機器のエネルギー消費量を計測する計測部と、(B)前記エネルギー消費機器の運転状況をユーザが切り替える際に該ユーザによって操作される操作盤と、(C)該操作盤に形成された表示画面に情報を表示する情報表示部と、(d1)各期において前記計測部が前記エネルギー消費量を計測したときの計測結果、を示す計測データを取得するデータ取得処理と、
(d2)前記計測データのうち、前期分の前記計測データに基づいて、今期における前記エネルギー消費機器の目標運転時間を設定する目標設定処理と、(d3)前記計測データのうち、今期の開始時点から直近の前記データ取得処理の実行時点までの前記計測データに基づいて、今期の開始時点から直近の前記データ取得処理の実行時点までの前記エネルギー消費機器の実績運転時間を求める実績運転時間算出処理と、(d4)前記目標運転時間と前記実績運転時間との差を前記情報として前記表示画面に表示させるための情報データを生成するデータ生成処理と、(d5)を実行するデータ処理実行部と、を有し、(E)前記運転状況の切り替えのために前記操作盤がユーザによって操作される際に、前記情報表示部は、前記情報データに基づいて前記表示画面に前記差を表示することにより解決される。
かかるエネルギー消費量管理システムによれば、表示画面に表示される情報として、エネルギー消費機器の目標運転時間および実績運転時間の差、すなわち、目標運転時間に対する残りの運転時間(運転可能時間)が表示されることになる。これにより、ユーザは、エネルギー消費機器の運転を管理する上で、エネルギー消費機器をどれだけ運転させ続けられるかを把握することができ、エネルギー消費機器の運転を適切に管理することが可能になる。さらに、上記の情報(運転可能時間)が操作盤の表示画面に表示されるため、ユーザは、その内容に応じて適切に運転状況を切り替えることが可能になる。すなわち、運転可能時間を表示することによる効果は、操作盤の表示画面に表示されることによって、より有意義なものとなる。
【0007】
また、上記のエネルギー消費量管理システムにおいて、前記データ処理実行部は、前記目標設定処理において、前記計測データのうち、前期分の前記計測データに基づいて、前期分における前記エネルギー消費機器の前記エネルギー消費量を合計してエネルギー消費量前期合計値を求めた後に、該エネルギー消費量前期合計値に応じて前記目標運転時間を設定することとしてもよい。
かかるエネルギー消費量管理システムによれば、前期分におけるエネルギー消費機器のエネルギー消費量の合計値(エネルギー消費量前期合計値)を基準にして目標設定がなされるため、エネルギー消費機器の運転管理上、適切に目標設定をすることが容易になる。
【0008】
また、上記のエネルギー消費量管理システムにおいて、前記情報表示部は、前記目標運転時間を設定するための選択肢情報を前記表示画面に複数表示し、複数の前記選択肢情報に対するユーザの選択結果を受付ける受付部を有し、前記データ処理実行部は、前記目標設定処理において、前記受付部が受付けた前記選択結果と前記エネルギー消費量前期合計値とに基づいて、今期における前記エネルギー消費機器の目標エネルギー消費量を求めてから、該目標エネルギー消費量に応じて前記目標運転時間を設定することとしてもよい。
かかるエネルギー消費量管理システムによれば、ユーザの意思を反映させて目標設定することが更に容易になる。
【0009】
また、上記のエネルギー消費量管理システムにおいて、前記データ処理実行部は、前期分及び今期分の前記計測データに基づいて、前記エネルギー消費機器を単位時間運転した場合の単位時間エネルギー消費量を算出する単位時間エネルギー消費量算出処理を更に実行し、前記データ生成部は、前記データ生成処理において、前記差及び前記単位時間エネルギー消費量を前記情報として前記表示部に表示させるための前記情報データを生成することとしてもよい。
かかるエネルギー消費量管理システムによれば、エネルギー消費機器の単位時間エネルギー消費量を、目標設定時間と実績運転時間との差と共に表示することにより、ユーザに提供する情報が充実し、これらの情報を有効に利用することにより、エネルギー消費機器の運転をより適切に管理することが可能になる。
【0010】
また、上記のエネルギー消費量管理システムにおいて、前記データ処理実行部は、前記目標設定処理において、前記目標エネルギー消費量を前記単位時間エネルギー消費量にて除することによって求められる時間を前記目標運転時間として設定することとしてもよい。
かかるエネルギー消費量管理システムによれば、目標運転時間を的確かつ容易に設定することが可能になる。
【0011】
また、上記のエネルギー消費量管理システムにおいて、前記受付部が、ある前記選択結果を受付けた後に他の前記選択結果を受付けた場合、前記データ処理実行部は、前記目標設定処理を再度実行して、他の前記選択結果と前記エネルギー消費量前期合計値に基づいて前記目標エネルギー消費量を再度求めてから、該目標エネルギー消費量に応じて前記目標運転時間を設定し直した後に、前記データ生成処理を再度実行して、設定し直された前記目標運転時間と前記実績運転時間との差を前記情報として前記表示画面に表示させるための前記情報データを再度生成することとしてもよい。
かかるエネルギー消費量管理システムによれば、ユーザの意向が変化した際に目標を改訂することが可能であるため、ユーザの意向の変化に対して柔軟に対応することが可能となる。
【0012】
また、上記のエネルギー消費量管理システムにおいて、前記ユーザが前記操作盤にて前記エネルギー消費機器の運転条件を変更することにより前記運転状況が切り替わった場合、前記データ処理実行部は、前記運転状況の切り替え後に前記データ取得処理を実行した上で前記単位時間エネルギー消費量算出処理を再度実行して前記単位時間エネルギー消費量を算出し直した後に、前記目標設定処理を再度実行して、算出し直された前記単位時間エネルギー消費量にて前記目標エネルギー消費量を除することによって求められる時間を前記目標運転時間として設定し直し、前記データ生成処理では、設定し直された前記目標運転時間と前記実績運転時間との差を前記情報として前記表示画面に表示させるための前記情報データを生成することとしてもよい。
エネルギー消費機器の運転状況が切り替わると、それに伴って単位時間エネルギー消費量が変動し、目標運転時間を設定し直す必要がある。一方、上記のエネルギー消費量管理システムによれば、エネルギー消費機器の運転状況が切り替わった後に目標運転時間を設定し直すことが可能であるため、当該運転状況の変化に対して柔軟に対応することが可能となる。
【0013】
また、上記のエネルギー消費量管理システムにおいて、前記エネルギー消費機器が、住宅内において前記ユーザが使用する機器であるとき、前記計測部と、前記操作盤と、前記情報表示部を備えたユーザ端末と、が前記住宅内に設けられ、前記ユーザ端末と通信可能であり、前記データ処理実行部と、前記データ取得処理にて取得した前記計測データを蓄積しておく蓄積部と、を有するサーバコンピュータが前記住宅の外部に設置されていることとしてもよい。
かかるエネルギー消費量管理システムであれば、サーバコンピュータ側(住宅の外部)でデータ保存やデータ処理等が一元的に行われる結果、ユーザ端末(住宅の内部)側でデータを保存しておく必要がなく、データ処理の負荷も軽減される。
【0014】
さらに、(A)エネルギー消費機器のエネルギー消費量を計測する計測工程と、(B)前記エネルギー消費機器の運転状況をユーザが切り替える際に該ユーザによって操作される操作盤、に形成された表示画面に情報を表示する情報表示工程と、(c1)各期において前記計測工程にて前記エネルギー消費量を計測したときの計測結果、を示す計測データを取得するデータ取得処理と、(c2)前記計測データのうち、前期分の前記計測データに基づいて、今期における前記エネルギー消費機器の目標運転時間を設定する目標設定処理と、
(c3)前記計測データのうち、今期の開始時点から直近の前記データ取得処理の実行時点までの前記計測データに基づいて、今期の開始時点から直近の前記データ取得処理の実行時点までの前記エネルギー消費機器の実績運転時間を求める実績運転時間算出処理と、(c4)前記目標運転時間と前記実績運転時間との差を前記情報として前記表示画面に表示させるための情報データを生成するデータ生成処理と、(c5)を実行するデータ処理実行工程と、を有し、(D)前記運転状況の切り替えのために前記操作盤が前記ユーザによって操作される際に、前記情報データに基づいて前記表示画面に前記差が表示されるように、前記情報表示工程が実施されることを特徴とするエネルギー消費量管理方法も実現可能である。
かかるエネルギー消費量管理方法によれば、上述のように、エネルギー消費機器の目標運転時間に対する残りの運転時間(運転可能時間)が表示され、ユーザは、エネルギー消費量の削減を図る上で、エネルギー消費機器をどれだけ運転させ続けられるかを把握することが可能となる。しかも、運転可能時間は操作盤の表示画面に表示されるので、ユーザは、エネルギー消費機器の運転を適切に管理することが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のエネルギー消費量管理システムによれば、表示画面に表示される情報として、エネルギー消費機器の目標運転時間および実績運転時間の差、すなわち、目標運転時間に対する残りの運転時間(運転可能時間)が表示されることになる。これにより、ユーザは、エネルギー消費量の削減を図る上で、エネルギー消費機器をどれだけ運転させ続けられるかを把握することができ、エネルギー消費機器の運転を適切に管理することが可能になる。さらに、上記の情報(運転可能時間)が操作盤の表示画面に表示されるため、ユーザは、その内容に応じて適切に運転状況を切り替えることが可能になる。すなわち、運転可能時間を表示することによる効果は、操作盤の表示画面に表示されることによって、より有意義なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本システム1の全体構成を示すブロック図である。
【図2】ユーザ端末10と周辺機器の構成を示す図である。
【図3】サーバコンピュータ20の構成を示す図である。
【図4】操作パッド12の表示画面12aの一例を示した図である。
【図5】蓄積部23に蓄積されたデータのイメージ図である。
【図6】本実施形態に係るエネルギー消費量管理方法によるの手順を示す図である。
【図7】目標設定処理の流れを示す図である。
【図8】データ生成処理の流れを示す図である。
【図9】前回のデータ配信処理から今回のデータ配信処理までの間の流れを示す(その1)。
【図10】前回のデータ配信処理から今回のデータ配信処理までの間の流れを示す(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<<本実施形態に係るエネルギー消費量管理システムについて>>
以下、本実施形態に係るエネルギー消費量管理システム(以下、本システム1)について、図1乃至図4を参照しながら説明する。図1は、本システム1の全体構成を示すブロック図である。図2は、後述するユーザ端末10と周辺機器の構成を示す図である。図3は、後述するサーバコンピュータ20の構成を示す図である。図4は、後述する操作パッド12の表示画面12aの一例を示した図である。
【0018】
本システム1は、電気、ガス、水道等のエネルギーを消費するエネルギー消費機器の運転管理に用いられる情報(以下、管理情報)を所定の表示画面に表示させる通信システムである。管理情報とは、エネルギー消費機器のエネルギー消費量の削減を図るためにユーザが閲覧し利用する情報であり、エネルギー消費量に関する文字情報や画像情報である。
【0019】
本システム1は、図1に示すように、ユーザ端末10、計測部としての計測ユニット11、操作パッド12及びサーバコンピュータ20を主たる構成要素として有する。本実施形態において、ユーザ端末10、計測ユニット11及び操作パッド12は、住宅2内に配置され、ユーザの一例である当該住宅2の居住者が保有するものである。なお、計測ユニット11及び操作パッド12は、宅内ネットワークを通じてユーザ端末10と通信可能である。また、ユーザ端末10は、ルータ13を介してインターネット4と接続し、インターネット4を通じてサーバコンピュータ20と通信可能である。
【0020】
一方、本実施形態において、サーバコンピュータ20は、住宅2の外部(例えば、住宅管理会社3)に設置された電子計算機であり、インターネット4を通じて、管理情報を示すデータをユーザ端末10に向けて配信する装置である。以下では、住宅2内で使用される電力消費機器(例えば、エアコンディショナ(エアコン)や照明等)をエネルギー消費機器の一例として挙げて、当該電力消費機器についての管理情報を所定の表示画面に表示させるシステムについて説明する。以下、住宅2側の設備と、サーバコンピュータ20についてそれぞれ説明する。
【0021】
1)住宅2側の設備について
本システム1において、住宅2側には、電力消費機器の運転管理に関する情報(管理情報)を利用するために備えられた設備としてのユーザ端末10、計測ユニット11及び操作パッド12が用意されている。このうち、ユーザ端末10は、図2に示すように、情報表示部10a、通信部10b、記憶部10c、機器コントローラ10dを有し、これらが制御部10eを介して互いに接続されている。ユーザ端末10の各部は、ユーザ端末10に備わるCPU、ROMやRAM等の半導体記憶媒体、及び、通信用インターフェース、制御回路、及び、ユーザ端末10にインストールされたプログラム等により構成される。
【0022】
通信部10bは、ユーザ端末10が住宅2内の機器(計測ユニット11や操作パッド12など)及びサーバコンピュータ20と通信するためのものである。情報表示部10aは、各種データを読み込んで当該データに対応する情報を操作パッド12の表示画面12aに表示するためのものである。つまり、ユーザ端末10は、サーバコンピュータ20側から受信したデータに基づき、当該データに応じた文字情報や画像情報を、操作パッド12の表示画面12aに表示させることが可能である。
【0023】
記憶部10cは、各種データを記憶しておくためのものである。機器コントローラ10dは、居住者が操作パッド12を操作した際の当該操作に基づく信号に応じて、電力消費機器を制御するものである。すなわち、本具体例において、操作パッド12は、電力消費機器の運転状況を居住者が切り替える際に居住者によって操作される操作盤の一例である。ここで、電力消費機器の運転状況とは、電力消費機器が運転(停止)しているかどうか、運転している場合にはどのような運転条件にて運転しているのかを示す概念である。
【0024】
具体的に説明すると、操作パッド12は、タッチパネルを採用しており、居住者の入力操作を受付ける受付部として機能する。操作パッド12には表示画面12aが形成されており、この表示画面12aには、電力消費機器の運転状況を切り替えるための情報として、発停を切り替えるための操作ボタンB1、及び、運転条件を変更するための操作ボタンB2、B3(図4中、三角矢印の記号が付されたボタン)が表示される。これらの操作ボタンB1〜B3が居住者に押されることにより、ユーザ端末10は、機器コントローラ10dを介して、そのボタン押し操作に基づく信号に従って電力消費機器の運転状況を制御する。
【0025】
例えば、操作ボタンB1が居住者に押されると、対応する電力消費機器が停止状態にあるときには起動し、運転状態にあるときには停止する。一方、操作ボタンB2、B3が押されると、対応する電力消費機器の運転条件(例えば、エアコンであれば温度や湿度の設定値)を変更し、変更後の条件に運転状況が切り替わる。
【0026】
以上のように、本実施形態では、操作パッド12が居住者のボタン押し操作を受付け、当該操作に基づく信号をユーザ端末10に向けて伝送する。操作パッド12からの信号がユーザ端末10に受信されると、ユーザ端末10が機器コントローラ10dを介して電力消費機器の運転状況を制御する。
【0027】
次に、操作パッド12について説明する。操作パッド12は、前述したように、居住者が住宅2内の電力消費機器の運転状況を切り替える際に操作するものである。なお、操作パッド12は、電力消費機器の個数だけ用意されていることとしてもよく、1個だけ用意されていて電力消費機器別に表示画面12aの内容が変化するものであってもよい。
【0028】
一方、操作パッド12の表示画面12aには、操作ボタンB1〜B3に加えて、上述した管理情報が表示されるようになる。すなわち、前述したように、ユーザ端末10の情報表示部10aが、操作ボタンB1〜B3や管理情報を示すデータに基づいて、操作ボタンB1〜B3や管理情報を表示画面12aに表示する。これにより、居住者は、住宅2内の電力消費機器の運転状況を切り替えるために操作パッド12を操作する際、操作パッド12の表示画面12aに表示された管理情報を閲覧しながら、当該管理情報に応じた入力操作(操作パッド12の操作)を行うことが可能になる。
【0029】
また、表示画面12aに表示される各情報については、表示画面12a中のいずれの領域に配置されるかが予め決まっており、情報表示部10aは、各種データを読み込んで各情報を表示画面12aに表示する際に、当該各情報を対応する領域に配置することとしている。
【0030】
次に、計測ユニット11について説明する。計測ユニット11は、住宅2内で使用される電力消費機器について、所定時間毎の消費電力量(エネルギー消費量の一例)を計測するものである。計測ユニット11の計測結果を示すデータ(以下、計測データ)は、データロガー11cを介してユーザ端末10に集約される。ユーザ端末10に集約された計測データは、適宜の間隔にて、サーバコンピュータ20に向けて送信される。
【0031】
計測ユニット11の構成について説明すると、本実施形態では、住宅2内に設置された分電盤30に取り付けられた電力センサ11aと、センサと通信モジュールを内蔵した電力計測タップ11bと、データロガー11cにより構成される。
【0032】
電力センサ11aについて説明すると、住宅2における電力供給回路が主幹回路31と、主幹回路31から分岐した複数の分岐回路32と、に分かれており、各回路別に電力センサ11aが取り付けられている。本実施形態では、各分岐回路32が住宅2内で使用される所定の電力消費機器(図1に示す例ではエアコンや照明等)と対応付けられており、各分岐回路32について消費電力量を個別計測することにより、当該各分岐回路32に対応した電力消費機器の消費電力量を計測することが可能である。なお、上述の回路分岐については、例えば、住宅2の設計・建築段階で決定される。
【0033】
電力センサ11aは消費電力量を示すデータを計測結果として出力するが、このデータはデータロガー11cに一時的に蓄積されて、所定時間(例えば、1分間)毎にデータロガー11cからユーザ端末10に伝送される。
【0034】
一方、住宅2内で使用される電力消費機器のうち、分岐回路32と対応付けられていないもの(すなわち、専用の電力供給回路が設けられていない機器)については、電力計測タップ11bに接続されており、当該電力計測タップ11bによって消費電力量の計測が行われる。そして、電力計測タップ11bについても、消費電力量を示すデータを計測結果として出力し、当該データがデータロガー11cに一時的に蓄積されて、所定時間(例えば、1分間)毎にデータロガー11cからユーザ端末10に伝送される。
【0035】
以上のような計測ユニット11は、ユーザ端末10からの計測実行指令を受けて消費電力量の計測を実行し、計測結果としての計測データをユーザ端末10に伝送する。なお、本実施形態では、電力消費機器が運転している間(電源がオンの状態となっている間)に限り、消費電力量の計測が行われる。ただし、これに限定されるものではなく、電力消費機器の運転状況に拘わらず、常時、消費電力量の計測が行われることとしてもよい。
【0036】
一方、本実施形態において、消費電力量の計測は、予め指定された電力消費機器を対象として行われる。計測対象として指定される機器は、操作パッド12の表示画面12aに管理情報が表示される電力消費機器であり、居住者が住宅2に入居する時点で既に指定済みである。
【0037】
そして、各電力使用機器について1分間毎の消費電力量を計測したときの計測データは、ユーザ端末10にて集約された後、所定時間(本実施形態では、30分)毎にユーザ端末10からサーバコンピュータ20に向けて送信される。なお、消費電力量の計測間隔および計測データの送信間隔は、上述した内容に限定されるものではなく、任意に設定することが可能である。
【0038】
2)サーバコンピュータ20について
本システム1において、サーバコンピュータ20は、インターネット4を通じてユーザ端末10側から計測データを受信し、当該計測データを解析して、電力消費機器についての管理情報を示すデータを生成し、その後、ユーザ端末10に向けて配信する役割を担う。サーバコンピュータ20は、所謂WEBサーバであり、主なハードウェア要素として、通信用インターフェース、CPU、ROMやRAM等の半導体記憶媒体、HDD等の補助記憶装置を有している。
【0039】
また、サーバコンピュータ20には各種プログラムがインストールされており、具体的には、インターネット4を通じてユーザ端末10側から送信されたデータを取得するためのプログラム、取得したデータを解析し所定の演算を行うためのプログラム、演算結果に応じた情報を操作パッド12の表示画面12aに表示させるための情報データを生成するためのプログラム、及び、生成した情報データをユーザ端末10に向けて配信するためのプログラムがインストールされている。
【0040】
以上までに説明してきたサーバコンピュータ20の構成について機能面から改めて言及する。サーバコンピュータ20は、図3に示すように、通信部21と、データ処理実行部22と、蓄積部23と、を有しており、サーバコンピュータ20の各部は、制御部24を介して互いに接続されている。
【0041】
通信部21は、サーバコンピュータ20がインターネット4を通じてユーザ端末10との間で各種データの送受信を行うためのものであり、CPU、半導体記憶媒体及びサーバコンピュータ20にインストールされた通信用プログラム等により構成される。データ処理実行部22は、所定の管理情報を操作パッド12の表示画面12aに表示させるために一連の処理を実行するものであり、CPU、半導体記憶媒体及びサーバコンピュータ20にインストールされたプログラム等により構成される。データ処理実行部22については後に詳述する。蓄積部23は、ユーザ端末10側から取得したデータを記憶して蓄積しておくためのものであり、CPU、半導体記憶媒体及び補助記憶装置等により構成される。
【0042】
データ処理実行部22について詳しく説明すると、データ取得処理部22aと、目標設定処理部22bと、実績運転時間算出処理部22cと、単位時間エネルギー消費量算出処理部22dと、データ生成処理部22eと、データ配信処理部22fとを有する。
【0043】
データ取得処理部22aは、通信部21と協働して、ユーザ端末10側から送信されたデータを取得するデータ取得処理を実行するものである。本実施形態において、データ取得処理にて取得するデータは、各期において計測ユニット11が消費電力量を計測したときの計測結果を示す計測データである。ここで、期とは、データ処理実行部22が計測データを取り扱う際の単位期間、換言すると、電力消費機器の運転を管理する際の単位期間を意味し、本実施形態では1ヶ月間としている。つまり、以下の説明中、「今期」とは今月期を意味し、「前期」とは先月期のことを意味する。
【0044】
そして、データ取得処理にて取得した計測データは、逐次、蓄積部23に記憶され、以降、データベースとして管理される。以降、データ処理実行部22の各部は、当該各部が担当する処理を実行するにあたり、蓄積部23にアクセスして、データベース化された計測データ(具体的には、当該データベースのデータファイル)を読み取る。なお、データベースのデータファイルは、サーバコンピュータ20に向けて計測データを送信するユーザ端末10別に(換言すると、住宅2別に)、各電力消費機器別に用意される。さらに、データファイルとして、図5に示すような30分毎のデータの他に、1分毎のデータ、1日毎のデータ、1ヶ月毎のデータがそれぞれ格納されている。図5は、蓄積部23に蓄積されたデータのイメージ図である。
【0045】
目標設定処理部22bは、データ取得処理にて取得した計測データのうち、前期分の計測データに基づいて、今期における電力消費機器の目標運転時間を設定する目標設定処理を実行するものである。本実施形態の目標設定処理については、後に詳述する。
【0046】
実績運転時間算出処理部22cは、データ取得処理にて取得した計測データのうち、今期の開始時点から直近のデータ取得処理の実行時点までの計測データに基づいて、今期の開始時点から直近のデータ取得処理の実行時点までの電力消費機器の実績運転時間を求める実績運転時間算出処理を実行するものである。ここで、実績運転時間とは、電力消費機器が、正規に運転した状態における値以上の電力にて実際に運転した時間の累積値を意味し、待機電力のみを消費している状態(すなわち、運転待機の状態)にある時間は除かれる。
【0047】
単位時間エネルギー消費量算出処理部22dは、データ取得処理にて取得した計測データのうち、前期分及び今期分の計測データに基づいて、電力消費機器を単位時間運転した場合の消費電力量(単位時間エネルギー消費量の一例であり、以下、単位時間消費電力量)を算出する単位時間エネルギー消費量算出処理を実行するものである。本実施形態では、前期分の計測データと今期の開始時点から直近のデータ取得処理の実行時点までの計測データに基づいて、1時間あたりの消費電力量が単位時間消費電力量として算出される。
【0048】
データ生成処理部22eは、ユーザ端末10に向けて配信する情報データを生成するデータ生成処理を実行するものである。特に、本実施形態に係るデータ生成処理では、目標運転時間と実績運転時間との差や単位時間消費電力量を管理情報として操作パッド12の表示画面12aに表示させるための情報データが生成される。
【0049】
データ配信処理部22fは、通信部21と協働して、データ生成処理部22eが生成した情報データをユーザ端末10に向けて配信するデータ配信処理を実行するものである。
【0050】
上記構成のデータ処理実行部22では、データ処理実行部22の各部が担当する処理を実行する結果、住宅2で操作パッド12の表示画面12aに管理情報が表示されるように情報データの生成及びユーザ端末10に向けた配信が行われる。なお、本実施形態では、前述したように、電力消費機器が運転している間(電源がオンの状態となっている間)に限り、消費電力量の計測が行われる。このため、データ処理実行部22の各部が実行する処理についても、電力消費機器が運転している間に実行されることになる。
【0051】
以上のような構成のサーバコンピュータ20により、操作パッド12の表示画面12aに管理情報を表示させるための情報データが生成されて、ユーザ端末10に向けて配信される。かかる情報データをユーザ端末10が受信すると、情報表示部10aが当該情報データに基づいて操作パッド12の表示画面12aに管理情報を表示する。
【0052】
この際、管理情報は、電力消費機器の運転状況を切り替えるための情報(具体的には操作ボタンB1〜B3)と共に表示画面12aに表示される。つまり、本実施形態では、エアコンの運転状況を切り替えるために操作パッド12が居住者によって操作される際に、情報表示部10aは、情報データに基づいて操作パッド12の表示画面12aに管理情報を表示する。これにより、居住者は管理情報を閲覧しながら当該管理情報に応じて適切に電力消費機器の運転状況を切り替えることが可能になる。
【0053】
さらに、本実施形態において管理情報として表示される情報は、目標設定処理で設定された目標運転時間と実績運転時間算出処理で算出された実績運転時間の差、単位時間エネルギー消費量算出処理で算出された単位時間消費電力量、及び、過去数日分の使用履歴である(図4参照)。なお、過去数日分の使用履歴としては、例えば、累積消費電力量に関する過去数日分の変化を示すグラフが挙げられる。
また、管理情報として表示される情報については、上記の情報に加えて、他の情報が含まれることとしてもよい。例えば、図4に示すように、前期ならびに今期の開始時点から直近のデータ取得処理の実行時点までの期間の各々について、消費電力量の合計値に相当する電気代金や実績運転時間、さらに、目標達成のためのアドバイス情報が表示されることとしてもよい。
【0054】
<目標設定処理について>
目標設定処理についてより詳しく説明する。目標設定処理では、前述したように、前期分の計測データに基づいて、今期における電力消費機器の目標運転時間を設定する。具体的に説明すると、先ず、前期分の計測データに基づいて、前期分における電力消費機器の消費電力量を合計して消費電力量前期合計値(エネルギー消費量前期合計値の一例)を求める。消費電力量前期合計値は、例えば、計測データのうち、前期分のものを抽出し、抽出した計測データが示す消費電力量を当該計測データの数だけ合算することによって求めることが可能である。
【0055】
次に、消費電力量前期合計値に応じて目標運転時間を設定する。消費電力量前期合計値に応じて目標運転時間を設定する手順について詳述する。本実施形態では、目標運転時間の設定にあたり、ユーザ端末10の情報表示部が、目標運転時間を決定するための選択肢情報を操作パッド12の表示画面12aに複数表示する。具体的に説明すると、当該選択肢情報として、消費電力量前期合計値に対する削減比率を示すゲージGが複数の目盛値(図4では、+10%、+5%、0%、−5%、−10%が表記)とともに表示される。居住者は、複数の選択肢情報を閲覧し、一の選択肢情報を選択して操作パッド12を操作する。具体的には、表示画面12aに表示された複数の目盛値のうちの一の目盛値の位置にゲージGのカーソルGcが位置するように、該カーソルGcを移動させる操作により、操作パッド12は居住者の選択結果を受付けることになる。つまり、操作パッド12は、上記複数の選択肢情報に対する居住者の選択結果を受付ける受付部として機能する。
【0056】
そして、操作パッド12が居住者の選択結果を受付けると、その選択結果を示すデータがユーザ端末10により生成される。選択結果を示すデータの生成後、当該選択結果及び消費電力量前期合計値に基づいて、今期における電力消費機器の目標消費電力量(目標エネルギー消費量の一例)を求める。具体的には、消費電力量前期合計値に対して、選択結果に応じた削減比率に見合う分だけ削減(増加)させた値を目標消費電力量とする。
【0057】
さらに、求めた目標消費電力量に応じて目標運転時間を設定する。具体的には、目標消費電力量を単位時間消費電力量にて除することによって求められる時間を目標運転時間として設定する。このため、本実施形態では、目標運転時間の設定にあたり、前述した単位時間エネルギー消費量算出処理において、前期分及び今期分の計測データに基づいて単位時間消費電力量が算出される。
【0058】
具体的に説明すると、前期分の計測データ、及び、今期の開始時点から直近のデータ取得処理の実行時点までの計測データに基づいて、1時間あたりの平均消費電力量を求めて単位時間消費電力量とする。より具体的に説明すると、前期分及び今期分の計測データに基づいて、前期から今期(正確には直近のデータ取得処理の実行時点)までの消費電力の合計値Sを求める。さらに、前期分における実績運転時間taと、今期の開始時点から直近のデータ取得処理の実行時点までの実績運転時間tbを求める。その上で、単位時間消費電力量Stは、下記の式で与えられる。
St=S/(ta+tb) (1)
【0059】
単位時間消費電力量Stが求められた後には、その結果を示すデータが蓄積部23に記憶された上で目標設定処理に移行する。目標設定処理では、前期分の計測データ、目標運転時間の選択肢に対する居住者の選択結果を示すデータ、及び、単位時間消費電力量を示すデータに基づいて、目標運転時間を設定する。具体的には、消費電力量前期合計値をSmとし、消費電力量前期合計値に対する目標削減比率をαとしたとき、下記の式により、目標消費電力量Si及び目標運転時間tiが与えられる。
Si=(1−α)×Sm (2)
ti=Si/St (3)
【0060】
以上までの手順により実行される目標設定処理は、本実施形態の場合、サーバコンピュータ20の目標設定処理部22bにより実行されるが、これに限定されるものではなく、目標設定処理の一連の手順がユーザ端末10側で実行されることとしてもよい。すなわち、データ処理実行部22の機能のうち、目標設定処理を実行する機能がユーザ端末10側に備わっていることとしてもよい。
<<本実施形態に係るエネルギー消費量管理方法について>>
以上までに説明してきた本システム1によって実現されるエネルギー消費量管理方法(本実施形態に係るエネルギー消費量管理方法)について、図6乃至図10を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係るエネルギー消費量管理方法による手順を示す図である。図7は、目標設定処理の流れを示す図である。図8は、データ生成処理の流れを示す図である。図9及び図10は、前回のデータ配信処理から今回のデータ配信処理までの間の流れを示す。
【0061】
なお、以下では、上記と同様、住宅2内で使用される電力消費機器をエネルギー消費機器の一例として、当該電力消費機器についての管理情報を所定の表示画面に表示させるエネルギー消費量管理方法について説明する。特に、住宅2内で使用される電力消費機器のうち、エアコンを具体例に挙げて消費電力量の管理方法について説明する。
【0062】
本実施形態に係るエネルギー消費量管理方法は、図6に示すように、住宅2において計測ユニット11がエアコンの消費電力量を計測する計測工程(S001)から始まり、その後、ユーザ端末10が計測データをサーバコンピュータ20に向けて送信する(S002)。なお、本実施形態では、エアコンの起動に伴って計測工程が開始され、エアコンが運転している間は定期的(本実施形態では1分毎)に計測工程が実施される。
【0063】
一方、サーバコンピュータ20側では、データ処理実行部22によるデータ処理実行工程が実施される。具体的に説明すると、先ず、インターネット4を通じて計測データをユーザ端末20側から取得するデータ取得処理が実行され(S003)、計測データが逐次データベースとして蓄積されていく(S004)。以降、単位時間エネルギー消費量算出処理(S005)、目標設定処理(S006)、実績運転時間算出処理(S007)が行われ、これらの処理の結果を反映して情報データを生成するデータ生成処理が実行される(S008)。
【0064】
最終的に、データ生成処理にて生成された情報データをユーザ端末10に向けて配信するデータ配信処理が実行される(S009)。その後、ユーザ端末10が情報データを受信した上で、ユーザ端末10の情報表示部10aが当該情報データに基づいて操作パッド12の表示画面12aに管理情報を表示する情報表示工程、が実施される(S010)。
そして、上記の一連の工程により、居住者は操作パッド12の表示画面12aにて管理情報を閲覧することが可能になる。
【0065】
次に、サーバコンピュータ20側で実施されるデータ処理実行工程のうち、目標設定処理S006とデータ生成処理S008について図7及び図8を参照しながら詳述する。
<目標設定処理S006>
目標設定処理S006に先立って、単位時間消費電力量を示すデータが取得されている。つまり、本実施形態では、目標設定処理S006の事前に、単位時間エネルギー消費量算出処理S005が実行される(図6参照)。ただし、これに限定されず、例えば、目標設定処理S006の中で単位時間消費電力量が算出されることとしてもよい。
【0066】
一方、単位時間消費電力量を示すデータを取得済みの状態において、目標設定処理部22bが目標設定処理S006の実行を開始する。目標設定処理S006は、前期分の計測データに基づいて消費電力量前期合計値を求めるところから始まる(S011)。次に、目標設定処理部22bは、目標運転時間に関して居住者の選択結果を既に受付けているか否かを判断する。かかる判断は、居住者の選択結果を示すデータを過去に取得して蓄積部23に記憶されているか否かによって行われる。なお、本実施形態において、目標運転時間の選択肢に対する居住者の選択結果を示すデータは、居住者が操作パッド12の表示画面12aに表示されるゲージGにてカーソルGcの位置を移動させる操作を行うことにより生成され、データ取得処理S003の実行時に計測データと併せて取得されるものである。
【0067】
そして、選択肢情報が選択済みである場合(すなわち、居住者の選択結果を示すデータが取得済みである場合)(S012でYes)、当該選択結果に応じた値を目標削減比率に設定して、上述の式(2)により目標消費電力量を求める(S013、S015)。一方、選択肢情報が未選択の場合(すなわち、居住者の選択結果を示すデータが取得していない場合)(S012でNo)、目標削減比率の初期値として設定されている値を用いて目標消費電力量を求める(S014、S015)。その後、目標消費電力量を単位消費電力量にて除することにより、目標運転時間が設定される(S016)。その後、当該設定値を示すデータが蓄積部23に記憶された時点で、目標設定処理S006が完了する。
【0068】
<データ生成処理S008>
データ生成処理S008では、それ以前の処理で算出した値等を示すデータを用いて、住宅2で操作パッド12の表示画面12aに管理情報を表示させるための情報データを生成する。データ生成処理S008では、先ず、目標設定処理S006で設定した目標運転時間を示すデータ、及び、実績運転時間算出処理S007で算出した実績運転時間を示すデータに基づいて、目標運転時間と実績運転時間との差を求め、当該差を示すデータを情報データとして組み込む(S021)。
【0069】
次に、単位時間エネルギー消費量算出処理S005で求めた単位時間消費電力量を示すデータを情報データとして組み込む(S022)。さらに、本実施形態では、前期分及び今期分の計測データに基づいて、過去数日分の使用履歴等を示すデータについても情報データとして組み込む(S023)。そして、操作パッド12の表示画面12aに表示させる情報を示すデータが全て組み込まれた段階で、情報データが完成する(S024)。
【0070】
ところで、情報データの生成及び配信は、エアコン運転中に定期的(本実施形態では30分毎)に行われる。具体的に説明すると、エアコン運転中は計測ユニット11による消費電力量の計測が行われ、その計測結果を示す計測データが30分毎にサーバコンピュータ10に向けて送信される。一方、計測データの送信に伴って、サーバコンピュータ20側ではデータ取得処理が実行され、データ取得処理を実行する都度、情報データの生成及び配信を実行する。これは、データ取得処理が実行されるほど、エアコンの運転時間が経過することを意味し、エアコンの実績運転時間等が変わると、操作パッド12の表示画面12aに表示させる管理情報の内容も更新させる必要があるからである。
【0071】
一方、管理情報の内容を変更(更新)させる要因としては、運転時間の経過以外にも考えられる。一つは、目標運転時間を設定するための複数の選択肢情報に対し、居住者がある選択肢情報を選択した後に、他の選択肢情報を選択した場合である。つまり、本実施形態では、複数の選択肢情報の中から一の選択肢情報が選択され、当該選択肢情報に応じた目標運転時間が設定されて当該目標運転時間に応じた管理情報が操作パッド12の表示画面12aに表示された後であっても、選択肢情報の見直し(再選択)が可能である。かかる場合、目標運転時間の再設定のために目標設定処理S006が実行される。
【0072】
また、管理情報の内容を変更(更新)させる他の要因としては、居住者が操作パッド12を操作してエアコンの運転条件(具体的には、設定温度や風量)を変更させることによりエアコンの運転状況が切り替わる場合である。かかる場合には、単位時間消費電力量が変化するため、単位時間消費電力量の再計算のために単位時間エネルギー消費量算出処理S005が実行される。
【0073】
そして、選択肢情報の見直しや運転条件の変更があった場合には、サーバコンピュータ20のデータ処理実行部22が、これらの内容に応じて管理情報を変更(更新)するように対応する。かかる内容を具体的に説明するために、図9及び図10を参照しながら説明する。
【0074】
エアコンが運転している間に、データ配信処理(以下、前回のデータ配信処理と呼ぶ)が実行され、所定期間経過後にデータ配信処理(以下、今回のデータ配信処理と呼ぶ)が再度実行される場合を想定する。前回のデータ配信処理と今回のデータ配信処理との間には、データ取得処理S003と実績運転時間算出処理S007とデータ生成処理S008とが実行されるが、データ取得処理S003において、選択肢情報に対する居住者の選択結果を示すデータとして以前取得したものと異なるデータを取得した場合(S031でYes)、目標運転時間を設定し直すために再度目標設定処理を実行する(S032、S033)。
【0075】
すなわち、本実施形態では、受付部としての操作パッド12が、ある選択結果を受付けた後に他の選択結果を受付けた場合、目標設定処理を再度実行する。再度実行される目標設定処理では、他の選択結果とエネルギー消費量前期合計値に基づいて、目標消費電力量を再度計算する(S032)。これは、選択結果の変更により、目標消費電力量を求める際に設定された削減比率が変わるためである。そして、再度実行される目標設定処理において、目標消費電力量が再度求められると、当該目標消費電力量に応じて目標運転時間を設定し直す(S033)。
【0076】
一方、選択肢情報に対する居住者の選択結果を示すデータに変わりが無い場合には(S031でNo)、目標消費電力量を求める際に設定された削減比率に変わりが無いため、上述した処理の実行は見送られる。かかる構成であれば、居住者の選択結果に変動が無い場合に目標消費電力量を求める手間が省かれ、サーバコンピュータ20側の負荷を軽減することが可能になる。
【0077】
また、前回のデータ配信処理と今回のデータ配信処理との間に、居住者が操作パッド12にてエアコンの運転条件を変更することによりエアコンの運転状況が変化した場合には(S041でYes)、データ処理実行部22が、運転状況の変化後にデータ取得処理を実行した上で単位時間エネルギー消費量算出処理を再度実行する(S042)。これは、運転条件が見直されてエアコンの運転状況が切り替わると、エアコンの単位時間消費電力量がそれに伴って変動するためである。そして、単位時間消費電力量を算出し直した後に、目標設定処理を再度実行して(S043)、算出し直された単位時間消費電力量にて目標消費電力量を除することによって求められる時間を目標運転時間として設定し直す。
【0078】
一方、エアコンの運転条件の変更がなく、その運転状況に変わりが無い場合には(S042でNo)、上述した処理の実行は見送られる。かかる構成であれば、エアコンの運転条件に変更が無い場合に単位時間消費電力量を算出する手間が省かれ、サーバコンピュータ20側の負荷を軽減することが可能になる。
なお、エアコンの運転状況については運転条件の変更以外の要因(例えば、装置の老朽化)によっても切り替わる可能性があるため、エアコンの運転条件に変更が無くとも、データ取得処理を実行する都度、単位時間消費電力量を計算することとしてもよい。
【0079】
以上のように目標設定処理を再度実行して目標運転時間が見直された場合、その後に実行されるデータ生成処理では、管理情報を更新すべく、設定し直された目標運転時間と実績運転時間との差を表示させるための情報データが再度生成されることとなる。
【0080】
<<本実施形態に係るエネルギー消費量管理システムの有効性について>>
本実施形態に係るエネルギー消費量管理システム(すなわち、本システム1)は、計測ユニット11と、エネルギー消費機器の運転制御用の操作パッド12と、操作パッド12に形成された表示画面12aに情報を表示する情報表示部10aと、データ処理実行部22と、を有する。また、データ処理実行部22は、今期におけるエネルギー消費機器の目標運転時間を設定するとともに、今期の開始時点から直近の前記データ取得処理の実行時点までのエネルギー消費機器の実績運転時間を求めた上で、目標運転時間と実績運転時間との差を管理情報として表示画面12aに表示させるための情報データを生成する。そして、住宅2の居住者がエネルギー消費機器の運転状況の切り替えるために操作パッド12を操作する際に、情報表示部10aが、情報データに基づいて目標運転時間と実績運転時間との差を表示画面12aに表示する。
【0081】
このような構成により、住宅2の居住者は、エネルギー消費量を削減する上で、エネルギー対象機器をどれだけ運転させ続けられるかを把握することができ、エネルギー消費機器の運転を適切に管理することが可能になる。
【0082】
すなわち、発明が解決しようとする課題の項で説明したように、従来のエネルギー消費量管理システムでは、情報利用者である住宅2の居住者にとって、エネルギー消費量を削減する上で有効な情報が提供されない場合があった。例えば、居住者に提供される管理情報として、エネルギー消費機器のエネルギー消費量についての目標値及び実測値が同一の画面に同時に表示されたとしても、居住者にとっては分かり難く、エネルギー消費機器の運転をどのように管理すればよいのかを把握することが困難となる場合もある。かかる場合には、結果として、エネルギー消費量の削減に向けた行動改善や意識改善に繋がらない可能性があった。
【0083】
これに対して、本実施形態では、エネルギー消費機器の目標運転時間および実績運転時間の差、すなわち、目標運転時間に対する残りの運転時間(運転可能時間)が管理情報として表示されることになる。かかる情報であれば、居住者にとって分かり易く、エネルギー消費量の削減を図る上で、エネルギー消費機器をあとどれだけ運転させ続けられるかを把握することができる。この結果、当該情報を利用すれば、時間をもって、エネルギー消費機器の運転を適切に管理することが可能になる。
【0084】
さらに、エネルギー消費機器の運転状況を切り替えるための情報、及び、運転可能時間を示す情報とが同じ表示画面12aに表示されるため、居住者は、管理情報を閲覧しながら適切に運転状況を切り替えることが可能になる。すなわち、運転可能時間を表示画面12aに表示することによる効果は、エネルギー消費機器の運転状況を切り替えるための情報と併せて表示させることによって、より有意義なものとなる。
【0085】
また、本実施形態では、目標運転時間を設定するにあたり、前期分におけるエネルギー消費機器のエネルギー消費量を合計してエネルギー消費量前期合計値を求め、該エネルギー消費量前期合計値に応じて目標運転時間を設定することとした。このように前期分におけるエネルギー消費量の合計値(エネルギー消費量前期合計値)を基準にして目標運転時間が設定されることにより、エネルギー消費量の削減に向けた目標設定がより容易になる。つまり、「前期分のエネルギー消費量の合計値に対して今期はどれぐらい削減したいのか」という居住者の意思を反映して目標設定することが可能になる。
【0086】
また、本実施形態では、目標運転時間を設定するための選択肢情報を複数表示し、当該複数の選択肢情報に対する居住者の選択結果を受付けて、受付けた選択結果とエネルギー消費量前期合計値に基づいて、今期におけるエネルギー消費機器の目標エネルギー消費量を求め、当該目標エネルギー消費量に応じて目標運転時間を設定することとした。このような構成により、居住者の意思を反映させて目標設定することが更に容易になる。
なお、本実施形態では選択肢形式を採用していることにより、居住者は、目標設定のための入力操作をより簡易に行えるようになる。ただし、これに限定されるものではなく、入力操作の形式が数値入力形式であってもよい。
【0087】
また、本実施形態では、エネルギー消費機器を単位時間運転した際の単位時間エネルギー消費量を算出する処理(単位時間エネルギー消費量算出処理)を更に実行し、目標運転時間と実績運転時間との差、及び、単位時間エネルギー消費量を管理情報として表示させるための情報データを生成することとした。エネルギー消費機器の単位時間エネルギー消費量が併せて表示することにより、居住者に提供される情報が充実し、これらの情報を有効に利用することにより、エネルギー消費機器の運転をより適切に管理することが可能になる。
【0088】
また、本実施形態では、目標設定処理において、目標エネルギー消費量を単位時間エネルギー消費量にて除することによって求めた時間を目標運転時間として設定することとした。このようにすれば、目標運転時間を的確かつ容易に設定することが可能になる。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、目標エネルギー消費量を単位時間エネルギー消費量にて除することによって求めた時間に、幾分の余裕を加味した時間を目標運転時間として設定することとしてもよい。
【0089】
また、本実施形態では、目標運転時間を設定するための複数の選択肢情報に対して、ある選択結果を受付けた後に他の選択結果を受付けた場合、目標設定処理を再度実行して、他の選択結果とエネルギー消費量前期合計値に基づいて目標エネルギー消費量を再度求めてから、該目標エネルギー消費量に応じて前記目標運転時間を設定し直すこととした。その上で、データ生成処理を再度実行して、設定し直された目標運転時間と実績運転時間との差を表示させるための情報データを再度生成することとした。
かかる構成により、例えば、エネルギー消費機器の運転途中でユーザの意向が変化した際に、目標を改訂することが可能となる。この結果、ユーザの意向の変化に対して柔軟に対応することが可能となり、妥当な目標がどれぐらいになるのかを把握してから当該目標を見直すことも可能となる。
【0090】
また、本実施形態では、居住者が操作パッド12にてエネルギー消費機器の運転条件を変更することにより当該エネルギー消費機器の運転状況が切り替わった場合、運転状況の切り替え後にデータ取得処理を実行した上で単位時間エネルギー消費量算出処理を再度実行することとした。そして、単位時間エネルギー消費量を算出し直した後に目標設定処理を再度実行して、算出し直された単位時間エネルギー消費量にて目標エネルギー消費量を除することによって求められる時間を目標運転時間として設定し直し、データ生成処理では、設定し直された目標運転時間と実績運転時間との差を表示させるための情報データを生成することとした。
エネルギー消費機器の運転状況が切り替わると、それに伴って単位時間エネルギー消費量が変動し、目標運転時間を設定し直す必要がある。これに対して、本実施形態では、上記の如く目標運転時間を設定し直すことが可能であり、エネルギー消費機器の運転状況の変化に対して柔軟に対応することが可能となる。
【0091】
また、本実施形態では、計測ユニット11と、操作パッド12と、情報表示部10aを備えたユーザ端末10とが住宅2内に設けられていることとした。一方、ユーザ端末10と通信可能で、データ処理実行部22と、計測データを蓄積しておく蓄積部23とを有するサーバコンピュータ20が住宅2の外部に設置されていることとした。しかし、これに限定されるものではなく、データ処理実行部22及び蓄積部23の各々の機能がユーザ端末10側に備わっていることとしてもよい。ただし、サーバコンピュータ20側(住宅2の外部)でデータ保存やデータ処理等が一元的に行われるようになる結果、ユーザ端末10側(住宅2内)でデータを保存しておく必要がなく、データ処理の負荷も軽減される点では本実施形態の方が好適である。
【0092】
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態には、主として本発明のエネルギー消費量管理システム及びエネルギー消費量管理方法について説明した。しかし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。特に、管理情報を表示させる表示画面12aのデザイン(各情報の配置レイアウト)について、上記の実施形態にて説明したものは、あくまで一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0093】
また、上記の実施形態では、エネルギー消費機器の運転状況を切り替えるための情報と管理情報とが操作パッド12の表示画面12aに表示されることとした。これにより、居住者(ユーザ)は、管理情報を見ながら運転状況を切り替えるための操作を行うことが可能になる。
ただし、居住者が管理情報を見ながら運転状況を切り替えられるものであればよく、エネルギー消費機器の運転状況を切り替えるための部位と、管理情報を表示させる部位とが同一でなくてもよい。例えば、管理情報が表示画面に表示される一方で、運転状況を切り替えるための操作を受付ける操作受付部が表示画面に隣接する形で設けられていることとしてもよい。
【0094】
また、上記の実施形態では、管理情報を表示させる表示画面12aが形成された操作盤が、エネルギー消費機器と分離した操作パッド12であることとした。ただし、これに限定されるものではなく、管理情報を表示させる表示画面が形成された操作盤が、エネルギー消費機器と一体化されていることとしてもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 本システム、 2 住宅、 3 管理会社、 4 インターネット、
10 ユーザ端末、10a 情報表示部、10b 通信部、10c 記憶部、
10d 機器コントローラ、10e 制御部、11 計測ユニット、11a 電力センサ、
11b 電力計測タップ、11c データロガー、12 操作パッド、12a 表示画面、
13 ルータ、20 サーバコンピュータ、21 通信部、22 データ処理実行部、
22a データ取得処理部、22b 目標設定処理部、22c 実績運転時間算出処理部、
22d 単位時間エネルギー消費量算出処理部、22e データ生成処理部、
22f データ配信処理部、23 蓄積部、24 制御部、30 分電盤、
31 主幹回路、32 分岐回路、
B1,B2,B3 操作ボタン、G ゲージ、Gc カーソル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)エネルギー消費機器のエネルギー消費量を計測する計測部と、
(B)前記エネルギー消費機器の運転状況をユーザが切り替える際に該ユーザによって操作される操作盤と、
(C)前記操作盤に形成された表示画面に情報を表示する情報表示部と、
(d1)各期において前記計測部が前記エネルギー消費量を計測したときの計測結果、を示す計測データを取得するデータ取得処理と、
(d2)前記計測データのうち、前期分の前記計測データに基づいて、今期における前記エネルギー消費機器の目標運転時間を設定する目標設定処理と、
(d3)前記計測データのうち、今期の開始時点から直近の前記データ取得処理の実行時点までの前記計測データに基づいて、今期の開始時点から直近の前記データ取得処理の実行時点までの前記エネルギー消費機器の実績運転時間を求める実績運転時間算出処理と、
(d4)前記目標運転時間と前記実績運転時間との差を前記情報として前記表示画面に表示させるための情報データを生成するデータ生成処理と、
(d5)を実行するデータ処理実行部と、を有し、
(E)前記運転状況の切り替えのために前記操作盤がユーザによって操作される際に、前記情報表示部は、前記情報データに基づいて前記表示画面に前記差を表示することを特徴とするエネルギー消費量管理システム。
【請求項2】
前記データ処理実行部は、前記目標設定処理において、前記計測データのうち、前期分の前記計測データに基づいて、前期分における前記エネルギー消費機器の前記エネルギー消費量を合計してエネルギー消費量前期合計値を求めた後に、該エネルギー消費量前期合計値に応じて前記目標運転時間を設定することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー消費量管理システム。
【請求項3】
前記情報表示部は、前記目標運転時間を設定するための選択肢情報を前記表示画面に複数表示し、
複数の前記選択肢情報に対するユーザの選択結果を受付ける受付部を有し、
前記データ処理実行部は、前記目標設定処理において、前記受付部が受付けた前記選択結果と前記エネルギー消費量前期合計値とに基づいて、今期における前記エネルギー消費機器の目標エネルギー消費量を求めてから、該目標エネルギー消費量に応じて前記目標運転時間を設定することを特徴とする請求項2に記載のエネルギー消費量管理システム。
【請求項4】
前記データ処理実行部は、前期分及び今期分の前記計測データに基づいて、前記エネルギー消費機器を単位時間運転した場合の単位時間エネルギー消費量を算出する単位時間エネルギー消費量算出処理を更に実行し、
前記データ生成部は、前記データ生成処理において、前記差及び前記単位時間エネルギー消費量を前記情報として前記表示部に表示させるための前記情報データを生成することを特徴とする請求項3に記載のエネルギー消費量管理システム。
【請求項5】
前記データ処理実行部は、前記目標設定処理において、前記目標エネルギー消費量を前記単位時間エネルギー消費量にて除することによって求められる時間を前記目標運転時間として設定することを特徴とする請求項4に記載のエネルギー消費量管理システム。
【請求項6】
前記受付部が、ある前記選択結果を受付けた後に他の前記選択結果を受付けた場合、
前記データ処理実行部は、前記目標設定処理を再度実行して、他の前記選択結果と前記エネルギー消費量前期合計値に基づいて前記目標エネルギー消費量を再度求めてから、該目標エネルギー消費量に応じて前記目標運転時間を設定し直した後に、前記データ生成処理を再度実行して、設定し直された前記目標運転時間と前記実績運転時間との差を前記情報として前記表示画面に表示させるための前記情報データを再度生成することを特徴とする請求項5に記載のエネルギー消費量管理システム。
【請求項7】
前記ユーザが前記操作盤にて前記エネルギー消費機器の運転条件を変更することにより前記運転状況が切り替わった場合、
前記データ処理実行部は、前記運転状況の切り替え後に前記データ取得処理を実行した上で前記単位時間エネルギー消費量算出処理を再度実行して前記単位時間エネルギー消費量を算出し直した後に、前記目標設定処理を再度実行して、算出し直された前記単位時間エネルギー消費量にて前記目標エネルギー消費量を除することによって求められる時間を前記目標運転時間として設定し直し、前記データ生成処理では、設定し直された前記目標運転時間と前記実績運転時間との差を前記情報として前記表示画面に表示させるための前記情報データを生成することを特徴とする請求項6に記載のエネルギー消費量管理システム。
【請求項8】
前記エネルギー消費機器が、住宅内においてユーザが使用する機器であるとき、
前記計測部と、前記操作盤と、前記情報表示部を備えたユーザ端末と、が前記住宅内に設けられ、
前記ユーザ端末と通信可能であり、前記データ処理実行部と、前記データ取得処理にて取得した前記計測データを蓄積しておく蓄積部と、を有するサーバコンピュータが前記住宅の外部に設置されていることを特徴とする請求項7に記載のエネルギー消費量管理システム。
【請求項9】
(A)エネルギー消費機器のエネルギー消費量を計測する計測工程と、
(B)前記エネルギー消費機器の運転状況をユーザが切り替える際に該ユーザによって操作される操作盤、に形成された表示画面に情報を表示する情報表示工程と、
(c1)各期において前記計測工程にて前記エネルギー消費量を計測したときの計測結果、を示す計測データを取得するデータ取得処理と、
(c2)前記計測データのうち、前期分の前記計測データに基づいて、今期における前記エネルギー消費機器の目標運転時間を設定する目標設定処理と、
(c3)前記計測データのうち、今期の開始時点から直近の前記データ取得処理の実行時点までの前記計測データに基づいて、今期の開始時点から直近の前記データ取得処理の実行時点までの前記エネルギー消費機器の実績運転時間を求める実績運転時間算出処理と、
(c4)前記目標運転時間と前記実績運転時間との差を前記情報として前記表示画面に表示させるための情報データを生成するデータ生成処理と、
(c5)を実行するデータ処理実行工程と、を有し、
(D)前記運転状況の切り替えのために前記操作盤がユーザによって操作される際に、前記情報データに基づいて前記表示画面に前記差が表示されるように、前記情報表示工程が実施されることを特徴とするエネルギー消費量管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−118946(P2012−118946A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270828(P2010−270828)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、独立行政法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/情報通信・エネルギー統合技術の研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】