説明

エレベータのかご室内手摺り装置

【課題】かご室壁板と手摺りとの間の荷物の挟まりを一人で容易に解除することができるエレベータのかご室内手摺装置を得ることを目的とする。
【解決手段】それぞれ、一端側を開口し、制限凸部36bが開口側の内壁に突設された第1のガイド穴37a及び第1のガイド穴37aの中間部と外部とを連通する第2のガイド穴38aを有し、所定距離離間してかご室壁板4に取り付けられた固定本体部35Aと、一端側が第1のガイド穴37a内に挿入され、定常位置と引き出し位置との間を往復移動可能に固定本体部35Aに取り付けられたスライドアーム12と、スライドアーム12の他端に固着された手摺り11と、先端が第1のガイド穴37a内に出没可能に配設されたスライド制限部材25Aと、スライド制限部材25Aを第2のガイド穴38aの穴方向に往復移動させるベアリング40及びストッパ移動ねじ21Aからなるスライド制限部材移動手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータのかご室内手摺り装置に関し、特に手摺りのかご室壁板への取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の展望用エレベータのかご室は、側板の内面にフランジ部が固定される凸字状の複数の取付座と、取付座の凸部に前端が挿入される腕部と、これらの腕部の後端に固定される手摺りとを備えている。そして、凸部に挿入された腕部の前端側の外周を、凸部の下部から凸部に螺合した止めねじの先端で押圧することにより、手摺りが、腕部を介して側板に支持固定されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−282949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の展望用エレベータのかご室では、手摺りと側板との間にエレベータの利用者の荷物が挟まった場合、手摺りの側板への支持固定を解除して荷物の挟まりを解除していた。
即ち、凸部に螺合された止めねじを取り外した後、手摺りが固定された腕部を凸部から引き出すことにより荷物の挟まりが解除されていた。そして、荷物を引き出した後、再び、腕部の前端を凸部に挿入して止めねじを凸部に螺合させ、腕部を介して手摺りを側板に支持固定させていた。
【0005】
しかしながら、腕部の先端は、止めねじが外されると、凸部に単に挿入されただけの状態となり、腕部及び手摺りが凸部から落下するおそれがある。
従って、通常、手摺りの側板への支持固定またはその解除に係る作業は、手摺り及び腕部が落下して、手摺りと側板との間に挟まれた荷物に損傷を負わせたり、手摺り及び腕部自体に損傷を負わせたりすることを回避するため、手摺り及び腕部を支持する人と、止めねじの取り付け、又は取り外しを行う人との複数人により行わなければならなかった。
【0006】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、かご室壁板(側板)と手摺りとの間にエレベータの利用者の荷物が挟まれる等して抜けなくなった場合に、かご室壁板と手摺りとの間の荷物の挟まりを一人で容易に解除することができるエレベータのかご室内手摺装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明によるエレベータのかご室内手摺り装置は、それぞれ、一端側を開口し、制限凸部が開口側の内壁に突設された第1のガイド穴及び穴方向を第1のガイド穴の穴方向に直交させ、第1のガイド穴の中間部と外部とを連通する第2のガイド穴を有し、第1のガイド穴の穴方向をかご室壁板に直交させ、かつ第1のガイド穴の開口をかご室内に向けて、所定距離離間してかご室壁板に取り付けられた固定本体部と、一端側が第1のガイド穴内に挿入され、第1のガイド穴内から第1の延出量だけ延出する定常位置と制限凸部に係合して第1のガイド穴からの引き出しが阻止されて第1の延出量より大きな第2の延出量だけ第1のガイド穴から延出する引き出し位置との間を第1のガイド穴の穴方向に往復移動可能に固定本体部のそれぞれに取り付けられたスライドアームと、スライドアームの他端に固着されてかご室壁板と平行に延設された手摺りと、先端が第1のガイド穴内に出没可能なように第2のガイド穴にその穴方向に移動可能に配設され、先端が第1のガイド穴内に延出してスライドアームと係合してスライドアームを定常位置に係止し、先端が第2のガイド穴内に埋没してスライドアームとの係合を解除し、スライドアームの移動を可能とするスライド制限部材と、スライド制限部材を第2のガイド穴の穴方向に往復移動させるスライド制限部材移動手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、かご室壁板と手摺りとの間にエレベータの利用者の荷物が挟まれる等して抜けなくなった場合でも、スライドアームに固着された手摺りをスライド移動して、荷物の挟まりを解除したり、手摺りを正規の位置に復帰させたりする作業を手摺りを落下させることなく一人で容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータのかご室内手摺り装置が配設されたかご室内を示す上面図、図2は図1のII−II矢視断面図、図3は図2のIII−III矢視断面図、図4は図3のIV−IV矢視断面図、図5はこの発明の実施の形態1に係るエレベータのかご室内手摺り装置の手摺りの引き出し動作を示す図であり、図5の(a)はストッパ部によるスライドアームのスライド移動の制限が解除された状態を示す側断面図、図5の(b)は手摺りがかご室壁板から離反する方向に引き出された状態を示す側断面図である。
【0010】
図1において、エレベータのかご室1は、外周形状が略正方形のかご床2、出入り口3を除くかご床2の3辺に沿って立設されるかご室壁板4、及び出入り口3の両側のかご床2に立設される袖壁5を有している。
そして、かご室内手摺り装置10Aが、かご床2の3辺に立設されたかご室壁板4のそれぞれに配設されている。
【0011】
次いで、かご室内手摺り装置10Aの具体的構成について図2及び図3を参照しつつ説明する。
かご室内手摺り装置10Aは、手摺り11、スライドアーム12、制限可動部20A、固定本体部35Aを有している。
【0012】
制限可動部20Aは、第1の締結部材としてのストッパ移動ねじ21A、スライド制限部材25A、ベアリング40及びベアリング取付手段45を有している。
そして、ベアリング40及びストッパ移動ねじ21Aがスライド制限部材移動手段を構成している。
【0013】
ストッパ移動ねじ21Aは、円柱状に形成され、その一端面には軸方向に所定の深さを有するベアリング配設穴21aが同軸に形成されている。また、ストッパ移動ねじ21Aの外周面には、ねじ山(図示せず)が形成されている。
【0014】
スライド制限部材25Aは、ストッパ部26A、中間基部27及びベアリング挿通部28を有している。
ストッパ部26A及び中間基部27は断面矩形の柱状に形成され、ベアリング挿通部28は円柱状に形成されている。そして、中間基部27の一端面にはストッパ部26Aが、中間基部27の他端面にはベアリング挿通部28が、それぞれの長さ方向及び端面の中心をあわせて一体化されている。このとき、ストッパ部26Aの先端(中間基部27と反対側の端部)をスライド制限部材25Aの先端、ベアリング挿通部28側をスライド制限部材25Aの後端とする。
また、ストッパ部26Aの先端側は、断面矩形の一辺と、該一辺と平行な他辺との間が、一辺から他辺に向かうにつれて所定の角度で傾斜するように加工されている。
【0015】
また、ストッパ部26A、中間基部27、及びベアリング挿通部28を長さ方向から見たとき、中間基部27がストッパ部26Aに内包され、さらにベアリング挿通部28が中間基部27に内包されている。
【0016】
そして、ベアリング40がベアリング挿通部28に嵌められている。ベアリング挿通部28へのベアリング40のはめ込み方式は、ベアリング40が、ベアリング挿通部28の軸周りに回転可能であり、かつベアリング挿通部28の軸方向へのベアリング40の移動が制限された、いわゆる”嵌めあい方式”である。
【0017】
また、ベアリング取付手段45は、図4に示されるように、同じ形状で同じサイズに加工された一対のベアリング押さえ金具46及び止めねじ47を有している。
そして、一対のベアリング押さえ金具46のそれぞれは、半円状に形成され、その直線部には、切り欠き46aが、一対のベアリング押さえ金具46のそれぞれの直線部を合わせたときに、中間基部27の外形形状に対応するように形成されている。
【0018】
そして、ベアリング40が、ベアリング配設穴21aに、ベアリング配設穴21aと同軸に、かつ軸心周りに回転自在に取り付けられている。さらにベアリング40、及びベアリング40の径方向外方のストッパ移動ねじ21Aの部位を覆うようにベアリング押さえ金具46が配置されている。そして、ベアリング押さえ金具46がストッパ移動ねじ21Aに止めねじ47により固定されている。これにより、ベアリング40は、ベアリング押さえ金具46とベアリング配設穴21aの底との間に押圧状態に挟持されて、ストッパ移動ねじ21Aの動きに連動するようになっている。
【0019】
固定本体部35Aは、直方体状の固定基部36A、及び上部塞口板39を備え、上述のかご床2の3辺に沿って立設されているかご室壁板4ごとに所定距離離間させて2つずつ取り付けられている。
【0020】
固定基部36Aそれぞれの上部壁面には、凹部36aが平行な二辺間に凹設されている。そして、上部塞口板39が、凹部36aを覆うように固定基部36Aの上面に固定され、凹部36aと上部塞口板39とで、かご室壁板4に直交する方向に穴方向が一致された第1のガイド穴37aが形成されている。
このとき、固定基部36Aは、それぞれの第1のガイド穴37aの一端側の開口をかご室内(かご室壁板と反対側)に向けてかご室壁板4に固定されている。
そして、制限凸部36bが、第1のガイド穴37aの一端の開口側の内壁から鉛直方向に突出するように設けられている。
【0021】
さらに、固定基部36Aには、第2のガイド穴38aが、穴方向を鉛直方向に一致させ、かつ、第1のガイド穴37aの中間部と外部とを連通するように形成されている。なお、第2のガイド穴38aは、上述したスライド制限部材25A及びストッパ移動ねじ21Aの外形形状に合わせて形成されている。
【0022】
スライドアーム12は、四角柱状のアーム本体13と、アーム本体13の一端から、アーム本体13の長さ方向に対して垂直に延出される凸部当接部14を有している。
そして、スライドアーム12の一端側は、第1のガイド穴37a内に挿入されている。このとき、凸部当接部14が、アーム本体13の下方にかご室壁板4に沿って突出されるように配置され、その先端が凹部36aの底に当接している。
また、アーム本体13の他端側は、第1のガイド穴37aから第1の延出量だけ延出されている。そして、アーム本体13の中間部が、制限凸部36bの上端に支持されている。
【0023】
そして、円筒状の手摺り11の両端のそれぞれが、それぞれのアーム本体13の他端に固着され、かご室壁板4と平行に延設されている。
このとき、スライドアーム12は、凹部36aの壁面及び固定基部36Aに固定した上部塞口板39と略隙間なく囲まれているので、鉛直方向の移動が制限された状態で、固定本体部35Aに支持される。
【0024】
また、固定基部36Aは、ストッパ移動ねじ21A、及びスライド制限部材25Aの主要部を第2のガイド穴38aに内包している。
このとき、ストッパ部26Aは、その傾斜部がかご室壁板4と反対側を向くように配置され、ストッパ部26Aの下方の部位は第2のガイド穴38aを形成する固定基部36Aの壁面に略隙間なしに囲まれている。これにより、ストッパ部26Aは、水平方向の移動は制限されるとともに、第2のガイド穴38aの穴中心周りの回転が規制される。
【0025】
また、ストッパ部26Aの先端は第2のガイド穴38aから第1のガイド穴37a内に突出され、凸部当接部14がかご室壁板4とストッパ部26Aとに挟持された状態となっている。即ち、スライドアーム12の凸部当接部14は、ストッパ部26Aの先端と係合しているのでスライドアーム12が定常位置に係止され、第1のガイド穴37aに沿ったスライド移動が制限される。これにより、手摺り11が安定した位置でスライドアーム12に固定される。
【0026】
なお、通常時にエレベータの利用者により利用される手摺り11が正規の位置に保持されているときの位置が、スライドアーム12の定常位置となる。
また、中間基部27を囲む第2のガイド穴38aの部位の大きさは、ストッパ部26Aを囲む第2のガイド穴38aの部位の大きさより大きくなっている。
【0027】
ストッパ移動ねじ21Aを内包する第2のガイド穴38aの部位を形成する固定基部36Aの壁面には、雌ねじ部(図示せず)が形成されており、ストッパ移動ねじ21Aが雌ねじ部に螺合されている。また、ストッパ移動ねじ21Aの下端面は、第2のガイド穴38aの下部開口を介して外部に通じている。そして、ストッパ移動ねじ21Aは、第2のガイド穴38aの下部開口から第2のガイド穴38aに挿入したドライバーなどを用いて、軸周りに回転することができるようになっている。
【0028】
ストッパ移動ねじ21Aを回転させた場合、ストッパ部26Aを回転させようとする力が働くが、ストッパ部26Aの下部の部位が固定基部36Aの壁に略隙間なく囲まれているのでスライド制限部材25Aの回転は規制され、ストッパ移動ねじ21Aのみがベアリング挿通部28を軸として回転する。これにより、ストッパ移動ねじ21Aの回転方向に応じて、ストッパ移動ねじ21Aを第2のガイド穴38aに沿って鉛直方向上下のいずれかに移動させることができ、スライド制限部材25Aは、ストッパ移動ねじ21Aの動きに連動して上下される。これにより、ストッパ部26Aの先端部を固定基部36Aの第2のガイド穴38aから第1のガイド穴37a(凹部36a)に自在に出没させることができる。
【0029】
上記のように構成されたエレベータのかご室内手摺り装置10Aにおいて、手摺り11とかご室壁板4との間に荷物が挟まったときに、手摺り11をスライド移動させて荷物の挟まりを解除する動作について図5を参照しつつ説明する。
【0030】
まず、かご室壁板4との間に荷物が挟まれた手摺り11の一端側において、固定本体部35Aに支持された制限可動部20Aのストッパ移動ねじ21Aを回転させてストッパ移動ねじ21Aを下方に移動させ、図5の(a)に示されるようにストッパ部26Aの先端を第2のガイド穴38aに埋没させる。これにより、ストッパ部26Aとスライドアーム12との係合が解除される。
【0031】
このとき、ストッパ移動ねじ21Aの下部は、第2のガイド穴38aの下部開口から下方に延出されている。予め、ストッパ部26Aの先端が第2のガイド穴38a内に埋没する位置に来たときに、第2のガイド穴38aの下部開口から延出されるストッパ移動ねじ21Aの部位に、印をつけておくなどしておけば、ストッパ部26Aの先端が第2のガイド穴38a内に埋没したことがすぐわかる。
【0032】
同様に、かご室壁板4との間に荷物が挟まれた手摺り11の他端側において、制限可動部20Aのストッパ移動ねじ21Aを回転させてストッパ移動ねじ21Aを下方に移動させ、ストッパ部26Aの先端を第2のガイド穴38aに埋没させ、ストッパ部26Aとスライドアーム12との係合を解除する。
これにより、手摺り11を固定する両スライドアーム12のスライド移動が可能となったので、手摺り11はかご室壁板4から離反する方向に引き出し可能となる。
【0033】
次いで、図5の(b)に示されるように、手摺り11をかご室壁板4から離反する方向に引き出すと、かご室壁板4と手摺り11との間の距離が離れ、荷物の挟まりが解除される。
【0034】
そして、手摺り11をかご室壁板4から離反する方向に引き出し続けると、凸部当接部14が制限凸部36bに当接され、手摺り11のかご室壁板4と離反する方向への引き出し動作が制限(阻止)される。このとき、アーム本体13の他端側における第1のガイド穴37aからの延出量は、スライドアーム12が定常位置にあるときの第1の延出量より大きな第2の延出量だけ延出されている。アーム本体13が第2の延出量だけ第1のガイド穴37aから延出されたときのスライドアーム12の位置を引き出し位置とする。上述したように、ストッパ部26Aが第2のガイド穴38aに埋没した状態では、ストッパ部26Aとスライドアーム12との間の係合は解除されているので、スライドアーム12は、定常位置と引き出し位置との間を往復移動することが可能になっている。
【0035】
次いで、荷物を引き出した後、手摺り11を、スライドアーム12の凸部当接部14がかご室壁板4に当接するまで押し込む。さらに、ストッパ移動ねじ21Aを回転させ、ストッパ部26Aの上部を第2のガイド穴38aから凹部36aに突出させる。
これにより、手摺り11は、安定した状態で正規の位置に復帰する。
【0036】
この実施の形態1では、手摺り11がスライドアーム12を介して、かご室壁板4に取り付けられた固定基部36Aに支持されている。そして、スライドアーム12の凸部当接部14をかご室壁板4との間で挟持するストッパ部26Aは、軸周りに回転させるだけで第2のガイド穴38aの穴方向(鉛直方向)に移動可能となっている。即ち、定常位置にあるスライドアーム12のストッパ部26Aによるスライド移動の制限を解除して手摺り11をかご室壁板4から離反する方向に引き出すことが容易に行える。さらに、手摺り11をかご室壁板4から離反する方向に引き出し続けたときには、スライドアーム12が引き出し位置にきたところで、凸部当接部14が固定基部36Aの制限凸部36bに当接して手摺り11のかご室壁板4から離反する方向へのスライド移動は制限され、手摺り11が固定基部36Aから抜け落ちることがない。
【0037】
従って、かご室壁板4と手摺り11との間にエレベータの利用者の荷物が挟まれる等して抜けなくなった場合でも、荷物の挟まりを解除したり、手摺り11を正規の位置に復帰させたりする作業を手摺り11の落下させることなく、一人で容易に行うことができる。
【0038】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2に係るエレベータのかご室内手摺り装置の側断面図であり、図2に相当している。図7は図6のVII−VII矢視断面図、図8はこの発明の実施の形態2に係るエレベータのかご室内手摺り装置の手摺りの引き出し動作を示す図であり、図8の(a)はストッパ部によるスライドアームのスライド移動の制限が解除された状態を示す側断面図、図8の(b)は手摺りがかご室壁板から離反する方向に引き出された状態を示す側断面図である。
なお、図6〜図8において、上記実施の形態1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0039】
図6及び図7において、かご室内手摺り装置10Bは、制限可動部20B及び固定本体部35Bを有している。
そして、制限可動部20Bは、スライド制限部材25B及びスライド制限部材移動手段としての軸回転部材50を有している。
【0040】
軸回転部材50は、円筒部50aと、円筒部50aの両端の外周から円筒部50aの径方向外方に、かつ円筒部50aと同軸に突出する外周形状が円であるフランジ50bとを有している。また、円筒部50aの内周面には、雌ねじ部(図示せず)が形成されている。
【0041】
スライド制限部材25Bは、第2の締結部材としての円柱状の可動ねじ48と、可動ねじ48の上部端面から垂直に突出するように可動ねじ48に一体に固定された断面正方形のストッパ部26Bを有している。このとき、ストッパ部26Bの先端をスライド制限部材25Bの先端、可動ねじ48側をスライド制限部材25Bの後端とする。なお、ストッパ部26Bの先端側は断面正方形の一辺と対向する他辺との間が、一辺から他辺に向かうにつれて所定の角度で傾斜するように切りかかれている。さらに、可動ねじ48の外周面には、円筒部50aの雌ねじ部に対応するねじ山(図示せず)が形成されている。
そして、可動ねじ48は、円筒部50aの雌ねじ部に螺合されている。
【0042】
固定本体部35Bは、直方体状の固定基部36B、及び上部塞口板39を有し、上述のかご床2の3辺に沿って立設されたかご室壁板4ごとに所定距離離間させて取り付けられている。
そして、固定基部36Bには、第2のガイド穴38bが、穴方向を鉛直方向に一致させ、かつ、第1のガイド穴37aの中間部と外部とを連通するように形成されている。また、第2のガイド穴38bは、軸回転部材50及びスライド制限部材25Bの外形形状に合わせて形成されている。
【0043】
また、固定基部36Bは、軸回転部材50及びスライド制限部材25Bの主要部を第2のガイド穴38bに内包している。
このとき、ストッパ部26Bは、その傾斜部がかご室壁板4と反対側を向くように配置され、ストッパ部26Bの下方の部位は第2のガイド穴38bを形成する固定基部36Bの壁面に略隙間なしに囲まれている。これにより、スライド制限部材25Bの水平方向の移動が制限されるとともに、第2のガイド穴38bの穴中心周りの回転が規制される。
【0044】
また、ストッパ部26Bの先端側が、第1のガイド穴37a(凹部36a)に突出され、スライドアーム12の凸部当接部14が、かご室壁板4とストッパ部26Bとの間に挟持された状態となっている。即ち、スライドアーム12の凸部当接部14は、ストッパ部26Bの先端と係合しているのでスライドアーム12が定常位置に係止され、第1のガイド穴37aに沿ったスライド移動が制限される。これにより、手摺り11が安定した位置でスライドアーム12に固定される。
【0045】
また、軸回転部材50の下端側のフランジ50bは、第2のガイド穴38bの下部開口から所定の厚さで突出し、該下部開口から径方向外方に延在するように配置されている。また、軸回転部材50の上端側のフランジ50bを内包する第2のガイド穴38bの部位は、該フランジ50bの凹凸形状に沿って形成され、上端側のフランジ50bが固定基部36Bに囲まれている。これにより、軸回転部材50は、固定基部36Bに支持されるとともに、水平方向及び第2のガイド穴38bの穴方向への移動が制限されつつ、第2のガイド穴38bの穴中心周り(円筒部50aの軸周り)に回転自在となっている。
【0046】
つまり、円筒部50aの下端側のフランジ50bを円筒部50aの軸周りに回転させると、円筒部50aに螺合された可動ねじ48は、円筒部50aに連動して軸周りに回転しようとする力が働くが、断面正方形のストッパ部26Bの下方の部位は第2のガイド穴38bを形成する固定基部36Bの壁面に略隙間なしに囲まれているので、可動ねじ48の回転は規制される。そして、可動ねじ48を回転させようとする力は、可動ねじ48を軸方向(第2のガイド穴38bの穴方向)に移動させようとする力に変換される。
【0047】
これにより、可動ねじ48およびストッパ部26Bは、軸回転部材50を軸周りに回転させると、軸回転部材50の回転方向に応じて鉛直方向のいずれかに移動されるので、ストッパ部26Bの上端部を固定基部36Bの第2のガイド穴38bから第1のガイド穴37aに自在に出没させることができる。
【0048】
上記のように構成されたエレベータのかご室内可動手摺り装置10Bにおいて、手摺り11とかご室壁板4との間に荷物が挟まったときに、手摺り11をスライド移動させて荷物の挟まりを解除する動作について図8を参照しつつ説明する。
【0049】
まず、かご室壁板4との間に荷物が挟まれた手摺り11の一端側において、軸回転部材50の下端側のフランジ50bを持って軸回転部材50を回転させる。そして、可動ねじ48及びストッパ部26Bを下方に移動させ、図8の(a)に示されるようにストッパ部26Bの先端を第2のガイド穴38bに埋没させる。これにより、ストッパ部26Bとスライドアーム12との係合が解除される。
【0050】
同様に、かご室壁板4との間に荷物が挟まれた手摺り11の他端側において、軸回転部材50を回転させて可動ねじ48を下方に移動させ、ストッパ部26Bの先端を第2のガイド穴38bに埋没させストッパ部26Bとスライドアーム12との係合を解除する。
これにより、手摺り11の両端の両スライドアーム12のスライド移動の可能となったので、手摺り11はかご室壁板4から離反する方向に引き出し可能となる。
【0051】
次いで、図8の(b)に示されるように、手摺り11をかご室壁板4から離反する方向に引き出すと、かご室壁板4と手摺り11との間の距離が離れ、荷物の挟まりが解除される。
さらに、手摺り11をかご室壁板4から離反する方向に引き出し続けた場合、凸部当接部14が制限凸部36bに当接され、それ以降の手摺り11のかご室壁板4から離反する方向への引き出し動作が制限される。
【0052】
次いで、手摺り11を、スライドアーム12の凸部当接部14が、かご室壁板4に当接するまで押し込み、軸回転部材50を回転させ、可動ねじ48及びストッパ部26Bを鉛直上方に移動させ、ストッパ部26Bの上部は第2のガイド穴38bから凹部36aに突出させる。
これにより、ストッパ部26Bとスライドアーム12の凸部当接部14とが係合し、スライドアーム12のスライド移動は定常位置で制限され、手摺り11は、安定した状態で正規の位置に復帰する。
【0053】
この実施の形態2では、手摺り11がスライドアーム12を介して、かご室壁板4に取り付けられた固定基部36Bに支持されている。そして、スライドアーム12の凸部当接部14をかご室壁板4との間で挟持するストッパ部26Bは、軸回転部材50を回転させるだけで第2のガイド穴38aの穴方向に移動可能となっている。即ち、定常位置にあるスライドアーム12のスライド移動の制限を解除して手摺り11をかご室壁板4から離反する方向に引き出すことが容易に行える。
さらに、手摺り11をかご室壁板4から離反する方向に引き出し続けたときには、スライドアーム12が引き出し位置にきたところで凸部当接部14が、固定基部36Bの制限凸部36bに当接し、それ以上の手摺り11のかご室壁板4から離反する方向への引き出し動作は制限され、手摺り11が固定基部36Bから抜け落ちることがない。
従って、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0054】
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3に係るエレベータのかご室内手摺り装置の構造を示す側断面図であり、図2に相当する図である。図10はこの発明の実施の形態3に係るエレベータのかご室内手摺り装置の手摺りの引き出し動作を示す側断面図である。
なお、図9及び図10において、上記実施の形態1,2と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
図9において、エレベータのかご室内手摺り装置10Cは、制限可動部20C及び固定本体部35Cを有している。
さらに、制限可動部20Cは、スライド制限部材25C、及びスライド制限部材移動手段としてのばね59を有している。
【0056】
スライド制限部材25Cは、円柱部材57及び円柱部材57の上部端面から垂直に突出するように円柱部材57に一体に固定された概略断面正方形のストッパ部26Cを有している。このとき、ストッパ部26C側の端部をスライド制限部材25Cの先端、円柱部材57側をスライド制限部材25Cの後端とする。なお、ストッパ部26Cの先端側は一辺と対向する他辺との間が、一辺から他辺に向かうにつれて所定の角度で傾斜するように切りかかれている。また、一対のばね固定凸部58が、ストッパ部26Cの長さ方向の中間部において、断面正方形の4辺のうち、平行な2辺からから外方に突出されている。
【0057】
固定本体部35Cは、固定基部36C及び上部塞口板39を備え、上述のかご床2の3辺に沿って立設されたかご室壁板4ごとに所定距離離間させて取り付けられている。
また、固定基部36Cには、第2のガイド穴38cが、穴方向を鉛直方向に一致させ、かつ、第1のガイド穴37aの中間部と外部とを連通するように形成されている。
さらに、固定基部36Cは、円柱部材57及びストッパ部26Cの主要部を第2のガイド穴38cに内包している。
【0058】
ストッパ部26Cの中間部の一部は、第2のガイド穴38cを形成する固定基部36Cの壁面に略隙間なしに囲まれている。また、ストッパ部26Cの中間の一部より下方の第2のガイド穴38cには、ばね配設スペース62が形成されている。ばね配設スペース62は、ばね固定凸部58の上下に所定の長さを有している。また、円柱部材57は、第2のガイド穴38cを形成する固定基部36Cの壁に略隙間なく囲まれている。
【0059】
そして、ばね59が、ばね固定凸部58とばね固定凸部58の上方の固定基部36Cの壁面との間に張力(付勢力)が働く状態で配設されている。ばね59の張力は、ストッパ部26C及び円柱部材57の重力よりも大きくなっている。このとき、無負荷状態では、ばね59の張力によりストッパ部26Cの先端が第1のガイド穴37a内に延出して、ストッパ部26Cとスライドアーム12の凸部当接部14とが係合されている。これによりスライドアーム12が定常位置に係止され、第1のガイド穴37aに沿ったスライド移動が制限される。
【0060】
また、ストッパ部26Cは、その上部に形成された傾斜部が、かご室壁板4と反対側に向くように配置されている。
【0061】
また、円柱部材57の下端には取っ手60が固定されており、第2のガイド穴38cの下部開口から取っ手60をつかめるようになっている。ばね59の張力より大きな張力で鉛直下方に取っ手60を引いたときには、円柱部材57及びストッパ部26Cが鉛直下方に移動されるようになっている。
これにより、ストッパ部26Cの先端側は、取っ手60を鉛直下方に引っ張ると第2のガイド穴38cに埋没され、ストッパ部26Cとスライドアーム12との係合が解除される。
【0062】
また、円柱部材57の軸方向中間部の外周面には、径方向に所定の深さを有する係合穴57aが形成されている。さらに、固定基部36Cの下面には、円柱部材57の径方向に長さ方向を合わせた係合棒61が、該径方向にスライド移動可能に設けられている。そして、係合穴57aは、所定の距離だけ円柱部材57が鉛直下方に引き出されたときに、係合棒61を挿入可能な位置に形成されている。
ばね59がばね配設スペース62内で第2のガイド穴38cの穴方向に伸ばされるので、ばね59の張力は、円柱部材57及びストッパ部26Cを鉛直上方に引き戻すように働いているが、係合棒61を係合穴57aに挿入することにより、取っ手60を放しても円柱部材57及びストッパ部26Cがその位置に保持される。
【0063】
上記のように構成されたエレベータのかご室内可動手摺り装置10Cにおいて、手摺り11とかご室壁板4との間に荷物が挟まったときに、手摺り11をスライド移動させて荷物の挟まりを解除する動作について図10を参照しつつ説明する。
【0064】
まず、かご室壁板4との間に荷物が挟まれた手摺り11の一端側において、円柱部材57に固定された取っ手60を鉛直下方に引っ張り、円柱部材57を固定基部36Cの下方に延出させ、係合穴57aに係合棒61を挿通させる。
これにより、ストッパ部26Cの先端が第2のガイド穴38cに埋没された状態で、ストッパ部26Cの位置が保持され、スライドアーム12のスライド移動の制限は解除される。
【0065】
同様に、かご室壁板4との間に荷物が挟まれた手摺り11の他端側において、円柱部材57に固定された取っ手60を鉛直下方に引っ張り、ストッパ部26Cの先端側を第2のガイド穴38cに埋没させ、係合穴57aに係合棒61を挿通させる。
これにより、手摺り11の両端の両スライドアーム12のスライド移動の制限が解除されたので、手摺り11はかご室壁板4から離反する方向に引き出し可能となる。
次いで、手摺り11をかご室壁板4から離反する方向に引き出すと、かご室壁板4と手摺り11との間の距離が離れ、荷物の挟まりが解除される。
【0066】
手摺り11をかご室壁板4から離反する方向に引き出し続けると、凸部当接部14が制限凸部36bに当接され、それ以降の手摺り11のかご室壁板4から離反する方向への引き出し動作が制限される。
【0067】
次いで、荷物を引きだした後、手摺り11を、スライドアーム12の凸部当接部14が、かご室壁板4に当接するまで押し込み、係合棒61を円柱部材57の径方向外方にスライド移動させて、係合棒61を係合穴57aから抜き出す。
このとき、円柱部材57及びストッパ部26Cがばね59の張力により鉛直上方に移動され、ストッパ部26Cの先端側が、第2のガイド穴38cの上部開口から第1のガイド穴37aに突出される。これにより、ストッパ部26Cとスライドアーム12の凸部当接部14とが係合し、スライドアーム12のスライド移動は定常位置で制限され、手摺り11は安定した状態で正規の位置に復帰する。
【0068】
この実施の形態3では、手摺り11がスライドアームを介して、かご室壁板4に取り付けられた固定基部36Cに支持されている。そして、定常位置でスライドアーム12の凸部当接部14と係合してスライドアーム12のスライド移動を制限するストッパ部26Cは、取っ手60を下方に引っ張るだけで第2のガイド穴38cの穴方向に移動可能となっている。即ち、定常位置にあるスライドアーム12のスライド移動の制限を解除して手摺り11をかご室壁板4から離反する方向に引き出すことが一人でも容易に行える。
さらに、手摺り11を引き出し続けたときには、スライドアーム12が引き出し位置にきたところで、凸部当接部が、固定基部36Cの制限凸部36bに当接し、それ以上の手摺り11の引き出しは制限されるので、手摺り11が固定基部36Cから抜け落ちることがない。
従って、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0069】
なお、各実施の形態では、第2のガイド穴38a〜38cのそれぞれは、穴方向を鉛直方向に一致させて、固定基部36A〜36Cのそれぞれに形成されるものとして説明したが、第2のガイド穴38a〜38cのそれぞれは、穴方向を鉛直方向に一致させるものに限定されず、その穴方向が第1のガイド穴37aの穴方向に直交するように形成されていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエレベータのかご室内手摺り装置が配設されたかご室内を示す上面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】図2のIII−III矢視断面図である。
【図4】図3のIV−IV矢視断面図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るエレベータのかご室内手摺り装置の手摺りの引き出し動作を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係るエレベータのかご室内手摺り装置の側断面図である。
【図7】図6のVII−VII矢視断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係るエレベータのかご室内手摺り装置の手摺りの引き出し動作を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態3に係るエレベータのかご室内手摺り装置の構造を示す側断面図である。
【図10】この発明の実施の形態3に係るエレベータのかご室内手摺り装置の手摺りの引き出し動作を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0071】
4 かご室壁板、10A〜10C かご室内手摺り装置、11 手摺り、12 スライドアーム、21A ストッパ移動ねじ(第1の締結部材、スライド制限部材移動手段)、25A〜25C スライド制限部材、36b 制限凸部、37a 第1のガイド穴、38a〜38c 第2のガイド穴、35A〜35C 固定本体部、40 ベアリング(スライド制限部材移動手段)、48 可動ねじ(第2の締結部材)、50 軸回転部材(スライド制限部材移動手段)、59 ばね(スライド制限部材移動手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ、一端側を開口し、制限凸部が該開口側の内壁に突設された第1のガイド穴及び穴方向を該第1のガイド穴の穴方向に直交させ、該第1のガイド穴の中間部と外部とを連通する第2のガイド穴を有し、上記第1のガイド穴の穴方向をかご室壁板に直交させ、かつ上記第1のガイド穴の上記開口をかご室内に向けて、所定距離離間して上記かご室壁板に取り付けられた固定本体部と、
一端側が上記第1のガイド穴内に挿入され、該第1のガイド穴内から第1の延出量だけ延出する定常位置と上記制限凸部に係合して該第1のガイド穴からの引き出しが阻止されて該第1の延出量より大きな第2の延出量だけ該第1のガイド穴から延出する引き出し位置との間を該第1のガイド穴の穴方向に往復移動可能に上記固定本体部のそれぞれに取り付けられたスライドアームと、
上記スライドアームの他端に固着されて上記かご室壁板と平行に延設された手摺りと、
先端が上記第1のガイド穴内に出没可能なように上記第2のガイド穴にその穴方向に移動可能に配設され、該先端が上記第1のガイド穴内に延出して上記スライドアームと係合して該スライドアームを上記定常位置に係止し、該先端が該第2のガイド穴内に埋没して上記スライドアームとの係合を解除し、上記スライドアームの移動を可能とするスライド制限部材と、
上記スライド制限部材を上記第2のガイド穴の穴方向に往復移動させるスライド制限部材移動手段と、
を備えることを特徴とするエレベータのかご室内手摺り装置。
【請求項2】
上記スライド制限部材は、上記第2のガイド穴の穴中心周りの回転を規制されて上記固定本体部に配設され、
上記スライド制限部材移動手段は、上記第2のガイド穴の壁面に形成された雌ねじ部に螺合され、上記雌ねじ部の軸心周りに回転して上記第2のガイド穴の穴方向に往復移動可能に上記固定本体部に取り付けられた第1の締結部材と、上記第1の締結部材の上端に同軸に、かつ軸心周りに回転自在に取り付けられたベアリングと、を備え、
上記ベアリングは上記スライド制限部材の後端が嵌めあい方式で連結されていることを特徴とする請求項1記載のエレベータのかご室内手摺り装置。
【請求項3】
上記スライド制限部材は、上記第2のガイド穴の穴中心周りの回転を規制されて上記固定本体部に配設され、
上記スライド制限部材移動手段は、上記第2のガイド穴の穴方向の移動を制限されて、かつ該第2のガイド穴の穴中心周りに回転自在に該第2のガイド穴に取り付けられ、上記スライド制限部材の後端が螺合された軸回転部材を備え、
上記スライド制限部材が上記軸回転部材の回転により、上記第2のガイド穴の穴方向に往復移動することを特徴とする請求項1記載のエレベータのかご室内手摺り装置。
【請求項4】
上記スライド制限部材移動手段は、上記スライド制限部材の先端を上記第1のガイド穴内に延出させるように該スライド制限部材を付勢するばねを備え、
無負荷状態で上記ばねの付勢力により上記スライド制限部材の先端が上記第1のガイド穴内に延出して、上記スライド制限部材と上記スライドアームとが係合し、上記スライド制限部材を上記ばねの付勢力に抗して移動させて、上記スライド制限部材と上記スライドアームとの係合を解除するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のエレベータのかご室内手摺り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−184231(P2008−184231A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−16344(P2007−16344)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】