説明

エレベータセキュリティ制御システム及びエレベータセキュリティ制御方法

【課題】エレベータ利用における訪問者の利用権審査を、低コストで実現するエレベータセキュリティ制御システムを提供する。
【解決手段】集合玄関機109は、いずれかの住戸機から訪問許可通知を受信すると、エントランス読取機110により訪問者の認証情報を読み取り、認証情報と、前記住戸機が設置された階の階床情報とをセキュリティ制御装置106に送信する。セキュリティ制御装置106は、受信した認証情報が自己のデータ記憶部に登録されているかを判定し、登録されていない場合、受信した認証情報と階床情報とを登録し、登録通知を集合玄関機109に送信する。集合玄関機109は、登録通知を受信すると、自動ドア111の電気錠111−1を開錠する。セキュリティ制御装置106は、電気錠111−1の開錠後に認証情報がホール読取機108により読み取られると、この認証情報がデータ記憶部に登録されているかどうかを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータのセキュリティ制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
マンションやオフィスビルなどの建物に設置するエレベータシステムでは、居住者やテナントの安全性確保、財産保護のため、認証媒体によるエレベータの利用権審査によるエレベータの運行が行われている。この利用権審査は、例えば、予め居住者にはIC(Integrated Circuit)カードなどの認証媒体を配布しておき、エレベータの利用時に、その認証媒体に保存した認証情報をエレベータシステムが読み取り、この認証情報が予め登録した認証情報である場合に、利用者に対してエレベータの利用を許可し、エレベータの操作ボタンによる乗り場や目的階への呼び登録を許可するような仕組みを言う。
【0003】
また別の利用権審査として、特許文献1として示した特開2000−177938号公報では、訪問者に対して利用権をその場限りのエレベータの利用権として付与するとともに、被訪問者の居住階だけへの呼び登録を許可するような仕組みが提案されている。この特許文献1のエレベータシステムでは、建物の外からの来訪者と建物の居住者とがインターホンなどの通話装置を介して通話したとき、通話装置は居住者の居住階信号を出力する。また、居住者が来訪者の乗り込み許可を与えたときは乗り込み許可手段は乗り込み許可信号を出力する。不停止状態切り換え装置は、乗り込み許可手段からの乗り込み許可信号を受けて、通話装置からの居住階信号の示す階を、エレベータがサービスしない不停止状態からエレベータが停止可能な状態へと切り換える。これにより、訪問先の居住者階への不停止状態が解除される。また乗り込み許可信号を一定時間出力状態とすることで、通話装置での訪問者と居住者との通話終了後でも、訪問先の居住者階への不停止状態を解除できるようになる。
【0004】
しかしながら、前記のようなエレベータ制御装置を適用したエレベータシステムでは、来訪者に対して居住階信号を出力してから、エレベータホールに他の利用者が居た場合には、エレベータホールの利用者が本来来訪者に与えられた利用権を利用してエレベータに乗り込むことが可能となる。また許可信号を一定時間出力状態とするが、これを短い時間とするとセキュリティ性は高まる反面、前記他の利用者がエレベータに乗り込んだ場合に、正当な訪問者がエレベータを再度利用できなくなること、また前記許可信号を長い時間出力するとセキュリティ性が低下するという課題があった。
【0005】
また特許文献2として示した特開2003−169150号公報では、エントランスの訪問者に対して、居住者のインターホン操作による住戸機からの認証に基づき、玄関機のインターホンから、エントランスゲートとエントランス自動扉で有効な入場券を発行することが記載されている。この特許文献2によれば、前記エレベータの認証情報を記録して入場券を発行することで、訪問者についてもエントランスゲートとエントランス自動扉の通行のみならず、エレベータの利用においても、マンションの居住者同様の利用権審査を行うことが可能となる。
【特許文献1】特開2000−177938号公報、エレベータ制御装置、東芝エレベータ
【特許文献2】特開2003−169150号公報、集合住宅インターホンシステム、アイホン
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような仕組みでは、訪問者の認証を行うために入場券を発行することが必要となるため、稼動コストが継続的にかかり、また玄関機と住戸機間のインターホン通話で住戸機から訪問者を認証するための仕組みに加えて、さらに訪問者用の入場券発行機の導入コストがかかることから、経済性が良くなく、また入場券の紙を使用することから省エネルギー性も低い。
【0007】
この発明は、エレベータ利用における訪問者の利用権審査を、経済性が高く行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のエレベータセキュリティ制御システムは、
複数の住戸からなる集合住宅であって、前記集合住宅の外部から自由に入場可能なエントランスと、前記エントランスに隣接して設けられたエレベータ乗場であるエレベータホールとを備えた集合住宅に使用されるエレベータセキュリティ制御システムにおいて、
認証情報を読み取るエントランス読取機を有し、前記エントランス読取機と共に前記エントランスに設置された集合玄関機と、
前記複数の住戸の各住戸に設置され、前記集合玄関機に訪問者の訪問を許可する訪問許可通知を送信する複数の住戸機と、
前記エレベータホールに設置されて認証情報を読み取るホール読取機と前記訪問者の情報を登録するデータ記憶部とを有するセキュリティ制御装置と、
サービスカットの解除を要求するサービスカット解除要求を受信した場合にのみエレベータかごの所定の運行制御を実行するエレベータ制御装置と、
開錠信号を受信した場合にのみ一定時間開錠する電気錠を備えると共に前記エントランスと前記エレベータホールとの間を出入りするための出入用ドアと
を備え、
前記集合玄関機は、
いずれかの前記住戸機から前記訪問許可通知を受信した場合に、前記エントランス読取機への認証情報の入力を要求する認証情報読取要求を発すると共に、前記エントランス読取機によって前記認証情報が読み取られた場合に、前記認証情報を前記セキュリティ制御装置に送信し、
前記セキュリティ制御装置は、
前記認証情報を受信した場合に、受信した前記認証情報が前記データ記憶部に登録されているかどうかを判定し、登録されていないと判定すると受信した前記認証情報を前記データ記憶部に登録すると共に、登録したことを示す登録通知を前記集合玄関機に送信し、
前記集合玄関機は、
前記登録通知を受信した場合に、前記出入用ドアの前記電気錠に前記開錠信号を送信し、
前記セキュリティ制御装置は、
前記開錠信号が送信された後に認証情報が前記ホール読取機により読み取られた場合に、前記ホール読取機により読み取られた前記認証情報が前記データ記憶部に登録されているかどうかを判定し、登録されていると判定した場合に、前記エレベータ制御装置に対して、前記サービスカット解除要求を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明により、エレベータ利用における訪問者の利用権審査を、低コストで実現するエレベータセキュリティ制御システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
本実施の形態1のエレベータは、利用者が乗り場の操作盤で呼び登録ボタンを押すと、エレベータ制御装置が、配車するかごの選択、乗り場階へのかごの移動、戸開閉を制御し、またエレベータかご内の操作盤の呼び登録ボタンを押すと、エレベータ制御装置は、戸閉、目的階へのかごの移動などを制御する。
【0011】
本実施の形態1のエレベータは、マンションの居住者とマンションの居住者から許可を受けた訪問者に対してのみ、エレベータの利用を許可する。居住者と訪問者についてエレベータホールで認証を行い、認証が成功した場合のみ乗り場への呼び登録を許可し、居住者については居住階またはエントランス階への呼び登録を許可し、訪問者については許可を受けた訪問先階及びエントランス階への呼び登録を許可する。この利用者に対して呼び登録を禁止にすることをサービスカットと呼び、サービスカット状態の階床について呼び登録を許可した状態をサービスカット解除と呼ぶことにする。本実施の形態のエレベータは、通常状態で全ての階床についてサービスカット状態にしており、エレベータが利用者を認証すると、エレベータは、その利用者の呼び登録許可階に対して一時的にサービスカット解除する。エレベータの利用者の認証は、利用者の認証情報の照合によって行い、この認証情報は、非接触ICカードに記録したもの、利用者の生体情報、利用者の記憶する暗証番号などによる。
【0012】
本実施の形態1のインターホンは、エントランスで利用者を認証すると自動ドアを開錠して、利用者のマンション内への入場を許可するとともに、エレベータ装置への居住階または訪問先階への呼びを登録する。エントランスにおける訪問者の認証は、居住者がインターホンにより住戸においてエントランスの訪問者と行う通話、及び訪問者画像の閲覧によって行い、居住者の認証は前述の認証情報の照合によって行う。本実施の形態のインターホンは、エントランスにおける訪問者認証の結果、利用者の認証情報を読み取り、エレベータと共有する。
【0013】
図1は、実施の形態1における集合玄関機109、住戸機a(115)、セキュリティ制御装置106、エレベータ制御装置105等の有するハードウェア資源の一例を示す図である。これら集合玄関機109等は、いずれも図1に示すようなハードウェア資源を有するコンピュータである。以下、図1は集合玄関機109として説明する。図1において、集合玄関機109は、プログラムを実行するCPU810(Central Processing Unit:中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU810は、バス825を介してROM(Read Only Memory)811、RAM(Random Access Memory)812、表示部813、操作キー814、通信ボード816、磁気ディスク装置820と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置820の代わりに、フラッシュメモリなどの記憶装置でもよい。
【0014】
RAM812は、揮発性メモリの一例である。ROM811、磁気ディスク装置820等の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部、格納部の一例である。通信ボード816、操作キー814などは、入力部、入力装置の一例である。また、通信ボード816、表示部813などは、出力部、出力装置の一例である。
【0015】
通信ボード816は、ネットワーク(LAN等)に接続されている。
【0016】
磁気ディスク装置820には、オペレーティングシステム821(OS)、プログラム群823、ファイル群824が記憶されている。プログラム群823のプログラムは、CPU810、オペレーティングシステム821、ウィンドウシステム822により実行される。
【0017】
上記プログラム群823には、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU810により読み出され実行される。
【0018】
ファイル群824には、以下に述べる実施の形態の説明において、「〜の判定結果」、「〜の算出結果」、「〜の抽出結果」、「〜の生成結果」、「〜の処理結果」として説明する情報や、データや信号値や変数値やパラメータなどが、「〜ファイル」や「〜データベース」や「〜テーブル」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」や「〜テーブル」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU810によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0019】
また、以下に述べる実施の形態の説明において、「〜部」、として説明するものは、「〜手段」、「〜装置」「〜回路」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM811に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。プログラムはCPU810により読み出され、CPU810により実行される。すなわち、プログラムは、以下に述べる「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。
【0020】
図2は、本実施の形態1のエレベータのセキュリティ制御システム1000のシステム構成図である。このシステム構成図を使って構成要素の機能概要を説明する。エレベータセキュリティ制御システム1000は、認証情報を読み取るエントランス読取機110を有しエントランス読取機110と共にエントランス102に設置された集合玄関機109と、複数の住戸の各住戸に設置され、集合玄関機109に訪問者の訪問を許可する訪問許可通知を送信する複数の住戸機a(115)等と、エントランスエレベータホール103に設置されて認証情報を読み取るホール読取機108と訪問者の情報を記憶するデータ記憶部とを有するセキュリティ制御装置106と、サービスカット解除要求を受信した場合にのみエレベータかごの所定の運行制御を実行するエレベータ制御装置105と、開錠信号を受信した場合にのみ一定時間開錠する電気錠(111−1)を備えると共にエントランス102とエントランスエレベータホール103との間を出入りするための自動ドア111(出入用ドア)とを備えている。
【0021】
(1)マンション101は、エレベータとインターホンを適用する集合住宅である。
(2)マンション101のエントランス102はマンションの出入り口である。エントランス102は、マンション101の外部から自由に入場が可能である。
(3)エントランスエレベータホール103は、出入り口の階にあるエレベータホールである。エントランスエレベータホール103は、エントランス102に隣接されている。エントランスエレベータホール103は、エレベータ設備104を備え、マンション各階床の移動経路となる。
(4)エントランス102とエントランスエレベータホール103との間には自動ドア111を備える。
(5)マンション101のそれぞれの階床には、住戸a(112)、住戸b(113)、住戸c(114)・・・がある。
(6)例えばマンション101は5階建てで出入り口が1階にあり、住戸a(112)が2階、住戸b(113)が3階、住戸c(114)が4階にあるとすると、住戸a(112)の住人(居住者)は、エントランス102、自動ドア111、エントランスエレベータホール103、エレベータ設備104、2階エレベータホール・通路を経て、住戸a(112)に到達する。住戸a(112)への訪問者も同様の経路をたどる。
【0022】
エントランス102は集合玄関機109とエントランス読取機110を備える。集合玄関機109は、エントランス読取機110を使った居住者・訪問者の認証情報の読み取り、訪問者の認証情報のエレベータ設備104への送信、認証情報に基づく居住者の認証、自動ドア111の施錠・開錠制御、住戸a(112)等に備えた住戸機a(115)等との音声通話、エントランス映像の住戸機a(115)等への送信、住戸機a(115)等から開錠要求の受信等を行う。
【0023】
(1)エレベータ設備104は、エレベータ制御装置105、セキュリティ制御装置106、乗り場操作盤107、かご内操作盤112、乗り場扉118などを備える。
(2)乗り場操作盤107、かご内操作盤112は、エレベータ設備104の利用者がエレベータを呼ぶための操作盤である。
(3)乗り場操作盤107は、エントランスエレベータホール103から利用者が操作可能なように設置して、利用者が移動方向を入力するボタンとかごがある階床と移動方向を示す表示機とを備える。
(4)本実施の形態1においては、エントランスエレベータホール103における乗り場操作盤107は上方向への移動を入力するボタンを備える。
(5)かご内操作盤112は、行き先階を入力するボタン、戸開、戸閉を入力するボタンと、かごがある階床と移動方向を示す表示機とを備える。
(6)エレベータ制御装置105は、エレベータかごを移動させ、乗り場扉118などの各階床の扉の開閉を行うとともに、これら操作盤の入力及び出力により、エレベータ利用者の要求を受け付け、エレベータの制御状態を表示する。
(7)セキュリティ制御装置106は、居住者・訪問者の認証、ホール読取機108を使った居住者・訪問者の認証情報の読み取り、エレベータ制御装置105に対するサービスカット要求・サービスカット解除要求、呼び登録要求などを行う。
【0024】
ホール読取機108、エントランス読取機110が読み取る利用者の認証情報とは、非接触ICカード(記録媒体)に記録した特定のID(IDentification)番号、利用者の指紋や虹彩、顔、声から得られる生体情報、利用者の記憶する暗証番号などである。非接触ICカードであれば、居住者は居住者ごとに異なるID番号を記録して発行したマンション用カードを使用し、訪問者はマンション用ICカードと同じ通信規格、ICカード規格のカードを使用する。例えばFeliCa(登録商標)規格の非接触ICカードであれば、居住者のカードには第三者が偽造不可能なマンション用の記憶領域を作成し、そこにマンション固有の特定のIDを書き込み、訪問者のカードの場合は、予めカード製造者がカード製造時にカード固有に書き込んだ製造IDを使用する。
【0025】
また利用者の認証情報は生体情報であっても良い。また、利用者の認証情報は利用者が記憶する暗証番号であっても良い。居住者の場合は、予め居住者が希望した暗証番号か、居住者毎にランダムに付与する暗証番号を使用する。訪問者の場合は、訪問者が希望する暗証番号を使用する。
【0026】
よって、ホール読取機108とエントランス読取機110とは、マンション101で使用する利用者の認証情報の種類によって、非接触ICカード読取機、テンキーなどの暗証番号の入力部を有する暗証番号読取機、生体情報読取機などの使用が可能である。これら利用者の認証情報は、利用者固有の情報で、ホール読取機108、エントランス読取機110で読み取り可能なものであって、セキュリティ制御装置106で照合可能なものであれば、これらに限らない。
【0027】
また居住者の利用者認証情報として非接触ICカードを用い、訪問者の利用者認証情報として暗証番号を使うなど、居住者と訪問者で異なる認証情報を用いても良い。また訪問者の認証情報については、訪問者が訪問する際の一時的な利用に限るので、セキュリティの確保の上で完全な一意性を保証しなくてもよく、その認証情報がマンション101で有効な期間内で衝突する可能性が低ければ良い。本実施の形態1では、利用者の認証情報として、非接触ICカードのIDを用いるものとする。
【0028】
住戸機a(115)、住戸機b(116)、住戸機c(117)は、それぞれインターホンの住戸機であり、集合玄関機109との通話、エントランス映像の表示、集合玄関機109への開錠要求の送信等を行う。
【0029】
図3は、マンション101のエントランス階の平面図である。エントランス102とエントランスエレベータホール103の間には自動ドア111があり、エントランス102には集合玄関機109とエントランス読取機110を備える。エントランスエレベータホール103にはホール読取機108があり、エレベータ設備104の一部として、乗り場操作盤107と乗り場扉118を備える。
【0030】
図4は、セキュリティ制御装置106の構成図である。
【0031】
セキュリティ制御装置106は、セキュリティ制御装置制御部301、タイマ部302、データ記憶部303、エレベータ制御装置通信部304、集合玄関機通信部305、ホール読取機通信部306を含む。
【0032】
セキュリティ制御装置制御部301は、記憶したプログラムに基づき演算、データの記憶、読み出し、入出力処理を行う。タイマ部302は、時間を計測して、セキュリティ制御装置制御部301から読み出し可能な状態にするとともに、セキュリティ制御装置制御部301から与えられた時刻と現在時刻を比較して、時刻に到達した場合にセキュリティ制御装置制御部301に対して割り込みを行う。データ記憶部303は、セキュリティ制御装置制御部301から書き込まれたデータを読み出し可能な状態で記憶する。エレベータ制御装置通信部304は、セキュリティ制御装置106とエレベータ制御装置105との間でデータを送受信する。集合玄関機通信部305は集合玄関機109との間でデータを送受信する。ホール読取機通信部306は、セキュリティ制御装置106とホール読取機108との間でデータを送受信する。
【0033】
図5は集合玄関機109の構成図である。
【0034】
集合玄関機109は、キー入力部401、玄関機表示部402、音声入出力部403、玄関機制御部404、カメラ部405、データ記憶部406、セキュリティ制御装置通信部407、エントランス読取機通信部408、自動ドア通信部409、住戸機通信部410を含む。
【0035】
キー入力部401は、利用者が操作するキーであり、部屋番号、暗証番号、訪問先住戸機呼び出しなどの入力を受け付ける。玄関機表示部402は、利用者に伝える情報を表示する。音声入出力部403は、インターホン間通話のための音声の入力や出力、あるいは音声ガイダンスの出力、音声による操作のための入力など、音声を入力あるいは出力する。玄関機制御部404は、記憶したプログラムに基づき演算、データの記憶、読み出し、入出力処理を行う。カメラ部405は集合玄関機109の利用者を撮影するカメラである。データ記憶部406は玄関機制御部404の演算結果を記憶する。セキュリティ制御装置通信部407はセキュリティ制御装置106とのデータ送受信を行う。エントランス読取機通信部408はエントランス読取機110との利用者の認証情報の読み取りなどデータ送受信を行う。自動ドア通信部409は自動ドア111とのデータ送受信を行う。住戸機通信部410は住戸機a(115)等とのデータ通信を行う。
【0036】
図6は住戸機a(115)の構成図である。住戸機b(116)、住戸機c(117)も同じ構成をとる。
【0037】
住戸機a(115)は、キー入力部501、住戸機表示部502、音声入出力部503、住戸機制御部504、データ記憶部505、玄関機通信部506を含む。
【0038】
キー入力部501は、利用者が操作するキーであり、集合玄関機109からのインターホン呼び出し、訪問者の訪問許可、インターホン通話の終話などの入力を受け付ける。住戸機表示部502は、利用者に伝える情報を表示する。音声入出力部503は、インターホン間通話のための音声の入力や出力、あるいは音声ガイダンスの出力、音声による操作のための入力など、音声を入力あるいは出力する。住戸機制御部504は、記憶したプログラムに基づき演算、データの記憶、読み出し、入出力処理を行う。データ記憶部505は住戸機制御部504の演算結果を記憶する。玄関機通信部506は集合玄関機109とのデータ送受信を行う。
【0039】
図7は非接触ICカード601(記録媒体)の構成例を示す図である。
【0040】
非接触ICカード601は読取機通信部602、カード記憶部603を含む。
【0041】
読取機通信部602は、非接触ICカード通信によってホール読取機108またはエントランス読取機110からカード記憶部603に格納したデータを読み書きするための無線インタフェースである。カード記憶部603は、読取機から読み書きするデータを格納するメモリであり、カードの製造ID及び居住者のIDを記録する。居住者のIDは複製や不正な第三者からの書き換えを禁止するため、例えば、読取機通信部602は、通信の開始に当たって通信相手の読取機と相互認証を行い、また通信を暗号化する。実施の形態1では、訪問者の認証情報としてカードの製造IDを使用する。
【0042】
セキュリティ制御装置106は、プログラムで管理するテーブルとして、居住者情報テーブル701、訪問者情報テーブル801、呼び登録許可テーブル901を備える。これらのテーブルは、居住者か訪問者に関連した情報を記憶するものであり、テーブル間の情報の対応をとるようにプログラムが発生する識別番号とあわせて記録する。
【0043】
図8は、居住者情報テーブル701を示す。識別番号に対応付けて居住者の認証情報(居住者のID)を記録する。
【0044】
図9は、訪問者情報テーブル801を示す。識別番号に対応付けて訪問者の認証情報(訪問者の非接触ICカードの製造ID)と、このレコードを登録した時間を記録する。
【0045】
図10は、呼び登録許可テーブル901を示す。識別番号に対応付けて、この識別番号の居住者または訪問者に対して呼び登録を許可する階を記録する。実施の形態1では、マンション101は5階建てであるので、1階から5階までの階床毎に呼び登録可否を記録できるように構成する。また本実施の形態1では、エントランスが1階にあるので、レコードが居住者を表す場合は1階と居住階のみ呼び登録を許可する階として、また訪問者を表す場合は1階と訪問先階のみ呼び登録を許可する階として記録する。
【0046】
図11と図12を使って動作を説明する。以下では、エレベータ及びインターホンの動作を、「ステップ1」として、訪問者がマンション101を訪問して、住戸a(112)の居住者の許可を受けて、エントランスエレベータホール103に入るまでの過程(図11)と、「ステップ2」として、訪問者がエントランスエレベータホール103からエレベータ設備104を利用するまでの過程(図12)、ステップに分けて説明する。
【0047】
(ステップ1)
図11は、「ステップ1」におけるセキュリティ制御装置106、集合玄関機109、住戸機a(115)の動作の流れを示したシーケンス図である。
【0048】
(1)S1001において、訪問者は集合玄関機109に訪問先住戸a(112)の部屋番号を入力する。
(2)部屋番号が入力されると、S1002において、集合玄関機109は、入力された部屋番号に対応する住戸機a(115)を呼び出す。
(3)S1003において、住戸機a(115)の呼び出し音が鳴る。住戸a(112)の居住者が、住戸機a(115)を操作して通話許可を入力する。
(4)S1004において、通話許可の入力があると、集合玄関機109と住戸機a(115)との通話回線が接続され、集合玄関機109と住戸機a(115)との間で音声通話が可能になる。また住戸機a(115)は、エントランス102の訪問者の画像を表示する。住戸a(112)の居住者は、訪問者との通話、訪問者の画像により訪問者を確認する。
(5)S1005において、居住者が正当な訪問者であることを確認して、居住者が住戸機a(115)に認証結果として訪問許可を入力すると、
(6)S1006において、住戸機a(115)は、集合玄関機109に訪問許可通知を送信するとともに、回線接続を切断する。この場合、訪問許可通知は、居住階を示す居住階信号を含む。集合玄関機109は、この居住階信号、あるいは訪問者により入力された部屋番号により、訪問者が訪問する居住者の階床を特定できる。これにより、集合玄関機109は、階床情報を生成できる。
(7)S1007において、集合玄関機109は、訪問者に対して非接触ICカードの読取要求を発し(通知し)、訪問者が非接触ICカードをエントランス読取機110にかざすと、エントランス読取機110により訪問者の非接触ICカードから訪問者の認証情報を読み取る。すなわち、集合玄関機109は、住戸機から訪問許可通知を受信すると、訪問者に対してエントランス読取機110への認証情報の入力を要求する認証情報読取要求を発する。訪問者に対する非接触ICカードの読取要求の通知は、音声や文字表示などで、「お客様の情報を登録しますので、非接触ICカードを読み取り機にかざしてください」などのメッセージ出力による。
(8)S1008において、集合玄関機109は、読み取った訪問者の認証情報とともに、訪問先の住戸a(112)のある階床情報を、セキュリティ制御装置106に送信する。
(9)S1009において、セキュリティ制御装置106は、訪問者情報テーブル801を参照して、受信した訪問者の認証情報が既に登録済みかどうかを確認し、登録済みでない場合に識別番号を生成し、訪問者の認証情報と現在時刻を登録時間として、訪問者情報テーブル801にレコードを追加するとともに、呼び登録許可テーブル901に識別番号と訪問者の1F(1階:エントランスエレベータホール103の階)と訪問先階床を許可階としたレコードを追加する。
(10)S1010において、セキュリティ制御装置106は、レコードの登録結果(登録通知)を集合玄関機109に送信する。
(11)S1011において、集合玄関機109は、登録が成功した場合には自動ドア111の電気錠111−1を開錠し、また登録が失敗した場合には、S1007の訪問者情報の再度の読み取りを実行する(その際は訪問者は別の非接触ICカードを利用する)。
【0049】
なお、エントランス102から入場しようとする人が居住者である場合には、S1001からS1006までの動作を行わず、S1007で居住者の非接触ICカードから居住者情報を読み取り、セキュリティ制御装置106は居住者情報テーブル701の居住者情報と照合して認証を行い、S1010で結果を通知して、S1011で認証結果に基づき自動ドア111の開錠を行う。
【0050】
(ステップ2.)
図12は、「ステップ2」におけるエレベータ制御装置105とセキュリティ制御装置106の動作の流れを示した図である。
【0051】
(1)S1101において、セキュリティ制御装置106は、利用者の認証情報をホール読取機108を用いて読み取り、居住者情報テーブル701または訪問者情報テーブル801のレコードを利用者の認証情報と照合して認証を行う。認証が成功した場合、セキュリティ制御装置106は、同一レコードの識別番号を読み取り、
(2)S1102において、セキュリティ制御装置106は、呼び登録許可テーブル901から識別番号を元に呼び登録許可階を読み出し、エントランス階を除く呼び登録許可階のサービスカット解除をエレベータ制御装置105に要求する。
(3)さらにS1103において、セキュリティ制御装置106は、エレベータ制御装置105に対して、エントランス階への呼び登録の要求と、サービスカット解除した階床を行き先階とした呼び登録要求を行う。
(4)S1104において、エレベータ制御装置105は、まずエントランス階への呼び登録を行い、さらに行き先階への呼び登録を行う。
(5)S1105において、エレベータ制御装置105は、エントランス階にエレベータかごを戸開待機させ、利用者がかごに乗り込み、戸閉ボタン操作や所定時間到達すると、
(6)S1106において、エレベータ制御装置105は、戸閉して目的階までかごを走行させ、目的階に到着後、戸開すると、
(7)S1107において、エレベータ制御装置105は、セキュリティ制御装置106に呼び登録完了通知を送信する。
(8)S1108において、呼び登録完了通知を受信するとセキュリティ制御装置106は、エレベータ制御装置105に対して全階床サービスカット要求を行う。この、全階床サービスカット要求を受信すると、エレベータ制御装置105は、これ以降新たな呼び登録を禁止する(すなわちサービスカット状態に移行する)。
(9)S1109において、セキュリティ制御装置106は、定期的に訪問者情報テーブル801を監視し、登録時間から所定の時間がたったレコードと、同レコードの識別番号に対応する呼び登録許可テーブル901のレコードを削除する。
【0052】
実施の形態1では、居住者の呼び登録許可階をエントランス階と居住階のみとして、エントランスエレベータホールでホール読取機108に非接触ICカードをかざして認証を受けた場合に、自動的に居住階への呼びを登録するようにしたが、居住者であれば全ての居住階を利用可能として、呼び登録許可テーブル901の呼び登録許可階を設定してもよく、その際にはS1103でセキュリティ制御装置106はエントランス階への呼び登録だけで、目的階への呼び登録を行わない。これにより利用者はかご内操作盤112を使って、サービスカット解除した階床のうち任意の階への呼びを登録する。
【0053】
実施の形態1では、S1109で定期的に訪問者情報テーブル801から所定の時間がたったレコードと同レコードの識別番号に対応する呼び登録許可テーブル901のレコードを削除するようにしたが、これらレコードは利用者による呼び登録を完了(S1104)した直後に削除するようにしても良い。
【0054】
本実施の形態1によれば、来訪者(訪問者)の認証情報をエレベータシステムに登録するようにしたことで、入場券の発行装置を使用せずとも、エレベータシステムにおける訪問者の利用権審査を行うことができる。
【0055】
また重複する訪問者の認証情報の登録を制限したこと、及び訪問者についての認証情報の有効期間を一時的とすることで、世の中で一意な認証情報を用いる必要がなく、来訪者の認証情報を利用して訪問者の利用権審査を行うことができる。
【0056】
これで、居住者の利用権審査と同じ機器構成で訪問者の利用権審査を行えるようになり、特別な設備を導入する必要なく経済性の高いエレベータシステムを提供できるようになった。
【0057】
以上の実施の形態1では、エレベータのを説明したが、このセキュリティ制御システム1000をセキュリティ制御システム方法として把握することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施の形態1における集合玄関機109等のハードウェア構成を示す図。
【図2】実施の形態1におけるエレベータのセキュリティ制御システムのシステム構成図。
【図3】実施の形態1におけるマンション101のエントランス階の平面図。
【図4】実施の形態1におけるセキュリティ制御装置106の構成図。
【図5】実施の形態1における集合玄関機109の構成図。
【図6】実施の形態1における住戸機a(115)の構成図。
【図7】実施の形態1における非接触ICカード601の構成図。
【図8】実施の形態1における居住者情報テーブル701を示す図。
【図9】実施の形態1における訪問者情報テーブル801を示す図。
【図10】実施の形態1における呼び登録許可テーブル901を示す図。
【図11】実施の形態1におけるエントランスエレベータホール103に入るまでの過程を示すシーケンス図。
【図12】実施の形態1における訪問者がエントランスエレベータホール103からエレベータ設備104を利用するまでの過程を示すシーケンス図。
【符号の説明】
【0059】
101 マンション、102 エントランス、103 エントランスエレベータホール、104 エレベータ設備、105 エレベータ制御装置、106 セキュリティ制御装置、107 乗り場操作盤、108 ホール読取機、109 集合玄関機、110 エントランス読取機、111 自動ドア、111−1 電気錠、112 かご内操作盤、a(112),b(113),c(114) 住戸、a(115),b(116),c(117) 住戸機、118 乗り場扉、301 セキュリティ制御装置制御部、302 タイマ部、303 データ記憶部、304 エレベータ制御装置通信部、305 集合玄関機通信部、306 ホール読取機通信部、401 キー入力部、402 玄関機表示部、403 音声入出力部、404 玄関機制御部、405 カメラ部、406 データ記憶部、407 セキュリティ制御装置通信部、408 エントランス読取機通信部、409 自動ドア通信部、410 住戸機通信部、501 キー入力部、502 住戸機表示部、503 音声入出力部、504 住戸機制御部、505 データ記憶部、506 玄関機通信部、601 非接触型ICカード、602 読取機通信部、603 カード記憶部、701 居住者情報テーブル、801 訪問者情報テーブル、901 呼び登録許可テーブル、1000 エレベータセキュリティ制御システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の住戸からなる集合住宅であって、前記集合住宅の外部から自由に入場可能なエントランスと、前記エントランスに隣接して設けられたエレベータ乗場であるエレベータホールとを備えた集合住宅に使用されるエレベータセキュリティ制御システムにおいて、
認証情報を読み取るエントランス読取機を有し、前記エントランス読取機と共に前記エントランスに設置された集合玄関機と、
前記複数の住戸の各住戸に設置され、前記集合玄関機に訪問者の訪問を許可する訪問許可通知を送信する複数の住戸機と、
前記エレベータホールに設置されて認証情報を読み取るホール読取機と前記訪問者の情報を登録するデータ記憶部とを有するセキュリティ制御装置と、
サービスカットの解除を要求するサービスカット解除要求を受信した場合にのみエレベータかごの所定の運行制御を実行するエレベータ制御装置と、
開錠信号を受信した場合にのみ一定時間開錠する電気錠を備えると共に前記エントランスと前記エレベータホールとの間を出入りするための出入用ドアと
を備え、
前記集合玄関機は、
いずれかの前記住戸機から前記訪問許可通知を受信した場合に、前記エントランス読取機への認証情報の入力を要求する認証情報読取要求を発すると共に、前記エントランス読取機によって前記認証情報が読み取られた場合に、前記認証情報を前記セキュリティ制御装置に送信し、
前記セキュリティ制御装置は、
前記認証情報を受信した場合に、受信した前記認証情報が前記データ記憶部に登録されているかどうかを判定し、登録されていないと判定すると受信した前記認証情報を前記データ記憶部に登録すると共に、登録したことを示す登録通知を前記集合玄関機に送信し、
前記集合玄関機は、
前記登録通知を受信した場合に、前記出入用ドアの前記電気錠に前記開錠信号を送信し、
前記セキュリティ制御装置は、
前記開錠信号が送信された後に認証情報が前記ホール読取機により読み取られた場合に、前記ホール読取機により読み取られた前記認証情報が前記データ記憶部に登録されているかどうかを判定し、登録されていると判定した場合に、前記エレベータ制御装置に対して、前記サービスカット解除要求を送信することを特徴とするエレベータセキュリティ制御システム。
【請求項2】
前記エレベータセキュリティ制御システムは、
前記集合玄関機は、
いずれかの前記住戸機から前記訪問許可通知を受信した場合に、前記エントランス読取機への認証情報の入力を要求する認証情報読取要求を発すると共に、前記エントランス読取機によって前記認証情報が読み取られた場合に、前記認証情報と、前記訪問許可通知を送信した前記住戸機が設置された階を示す階床情報とを前記セキュリティ制御装置に送信し、
前記セキュリティ制御装置は、
前記認証情報と前記階床情報とを受信した場合に、受信した前記認証情報が前記データ記憶部に登録されているかどうかを判定し、登録されていないと判定すると受信した前記認証情報と前記階床情報とを前記データ記憶部に登録すると共に、登録したことを示す登録通知を前記集合玄関機に送信し、
前記集合玄関機は、
前記登録通知を受信した場合に、前記出入用ドアの前記電気錠に前記開錠信号を送信し、
前記セキュリティ制御装置は、
前記開錠信号が送信された後に認証情報が前記ホール読取機により読み取られた場合に、前記ホール読取機により読み取られた前記認証情報が前記データ記憶部に登録されているかどうかを判定し、登録されていると判定した場合に、前記エレベータ制御装置に対して、登録されていると判定された前記認証情報に対応する前記階床情報の示す階の前記サービスカット解除要求を送信すると共に、前記サービスカット解除要求の前記階を行先階とする呼び登録要求と、前記エレベータホールへの呼び登録要求とを送信し、
前記エレベータ制御装置は、
前記サービスカット解除要求、前記行先階の呼び登録要求、及び前記エレベータホールへの呼び登録要求を受信した場合に、前記行先階の呼び登録と前記エレベータホールへの呼び登録とを実行して前記エレベータかごを運行すると共に、前記行先階の呼び登録と前記エレベータホールへの呼び登録とが完了した場合に、呼び登録完了通知を前記セキュリティ制御装置に送信し、
前記セキュリティ制御装置は、
前記エレベータ制御装置により前記行先階の呼び登録と前記エレベータホールへの呼び登録との実行後に所定のタイミングで前記データ記憶部に登録されている前記認証情報と前記階床情報とを削除すると共に、前記呼び登録完了通知を受信した場合に、前記エレベータ制御装置に前記サービスカットを要求するサービスカット要求を送信し、
前記エレベータ制御装置は、
前記サービスカット要求を受信した場合に、前記サービスカット解除要求を受信した場合にのみエレベータかごの所定の運行制御を実行するサービスカット状態に再び移行することを特徴とする請求項1に記載のエレベータセキュリティ制御システム。
【請求項3】
前記セキュリティ制御装置は、
前記エレベータ制御装置から前記呼び登録完了通知を受信した場合に、前記データ記憶部に登録されている前記認証情報と前記階床情報とを削除することを特徴とする請求項2記載のエレベータセキュリティ制御システム。
【請求項4】
前記エントランス読取機と前記ホール読取機とは、
前記認証情報として、記録媒体に格納された認証情報を読み取ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエレベータセキュリティ制御システム。
【請求項5】
前記エントランス読取機と前記ホール読取機とは、
前記認証情報として、生体情報を読み取ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエレベータセキュリティ制御システム。
【請求項6】
前記エントランス読取機と前記ホール読取機とは、
認証情報を入力する入力部を備えていると共に、前記認証情報として、前記入力部から前記認証情報の入力を受け付けることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエレベータセキュリティ制御システム。
【請求項7】
複数の住戸からなる集合住宅であって、前記集合住宅の外部から自由に入場可能なエントランスと、前記エントランスに隣接して設けられたエレベータ乗場であるエレベータホールとを備えた集合住宅に使用されるエレベータセキュリティ制御方法において、
認証情報を読み取るエントランス読取機を有し、前記エントランス読取機と共に前記エントランスに設置された集合玄関機と、
前記複数の住戸の各住戸に設置され、前記集合玄関機に訪問者の訪問を許可する訪問許可通知を送信する複数の住戸機と、
前記エレベータホールに設置されて認証情報を読み取るホール読取機と前記訪問者の情報を登録するデータ記憶部とを有するセキュリティ制御装置と、
サービスカットの解除を要求するサービスカット解除要求を受信した場合にのみエレベータかごの所定の運行制御を実行するエレベータ制御装置と、
開錠信号を受信した場合にのみ一定時間開錠する電気錠を備えると共に前記エントランスと前記エレベータホールとの間を出入りするための出入用ドアと
を用いることにより、
前記集合玄関機は、
いずれかの前記住戸機から前記訪問許可通知を受信した場合に、前記エントランス読取機への認証情報の入力を要求する認証情報読取要求を発すると共に、前記エントランス読取機によって前記認証情報が読み取られた場合に、前記認証情報を前記セキュリティ制御装置に送信し、
前記セキュリティ制御装置は、
前記認証情報を受信した場合に、受信した前記認証情報が前記データ記憶部に登録されているかどうかを判定し、登録されていないと判定すると受信した前記認証情報を前記データ記憶部に登録すると共に、登録したことを示す登録通知を前記集合玄関機に送信し、
前記集合玄関機は、
前記登録通知を受信した場合に、前記出入用ドアの前記電気錠に前記開錠信号を送信し、
前記セキュリティ制御装置は、
前記開錠信号が送信された後に認証情報が前記ホール読取機により読み取られた場合に、前記ホール読取機により読み取られた前記認証情報が前記データ記憶部に登録されているかどうかを判定し、登録されていると判定した場合に、前記エレベータ制御装置に対して、前記サービスカット解除要求を送信することを特徴とするエレベータセキュリティ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−1132(P2010−1132A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−161585(P2008−161585)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】